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教育制度分科会(第19回)・初等中等教育分科会(第49回)合同会議 議事録

1.日時

平成19年2月21日(水曜日) 18時~21時

2.場所

丸の内東京會舘 「シルバールーム」

3.議題

  1. 教育職員免許法等の改正について
  2. 学校教育法の改正について
  3. 地方教育行政の組織及び運営に関する法律の改正について
  4. その他

4.出席者

委員

 梶田分科会長、木村副分科会長、田村副分科会長、安彦委員、天笠委員、石井委員、井上委員、岩崎委員、植田委員、梅田委員、大南委員、小川委員、押尾委員、陰山委員、加藤委員、門川委員、北脇委員、黒須委員、甲田委員、高倉委員、高橋委員、角田委員、寺崎委員、渡久山委員、中村委員、野澤委員、林委員、平野委員、藤井委員、北條委員、無藤委員、山極委員、山本委員

文部科学省

結城事務次官、田中文部科学審議官、玉井官房長、金森総括審議官、加茂川生涯学習政策局長、銭谷初等中等教育局長、合田大臣官房審議官、布村大臣官房審議官、辰野大臣官房審議官、樋口スポーツ・青少年局長、磯田私学部長、徳久初等中等教育企画課長、尾崎財務課長、常盤教育課程課長、田河幼児教育課長、大木教職員課長、藤原企画官、淵上教育制度改革室長

オブザーバー

 山崎中央教育審議会会長、鳥居文部科学省顧問

5.議事録

【梶田分科会長】
 それでは、時間になりましたので、ただいまから中央教育審議会第19回教育制度分科会、及び、第49回初等中等教育分科会を合同で開催いたします。
 本日はご多忙の中、そして、こういう夕刻からという大変な時刻に、皆さん、ご出席いただきましてまことにありがとうございます。
 前回いろいろと議論いただきましたように、3つの法律といいましても、教員免許法はもう一つ関係はしてきますけれども、3つの法律の改正に当たりまして、前回議論していただいたところに基づきまして、大体1つ方向性を見えるような形で事務局に整理していただきまして、もちろん、法律によって割とはっきり出てきているものと、まだ若干詰めをしなきゃいけないものとありますけれども、そういうことでご苦労いただきまして、我々の議論の結果を整理していただいております。
 これに基づいて、きょうは3時間という長丁場でございますけれども、途中1回休憩を挟む予定にしております。そういうことで、大変ではありますが、よろしくお願いしたいと思います。
 それでは、まず最初に事務局から資料の確認をお願いいたします。

【淵上教育制度改革室長】
 失礼いたします。本日配付をしております資料は、議事次第にございますとおりです。まず、資料1から3については3つの法律の改正の方向についての資料、それから、それに関連する資料でございます。資料4といたしましては次回以降の開催予定。参考資料1及び2といたしまして、過去の2回のこの合同で開催をいたしました分科会の議事概要の速報版、資料3から7といたしまして、前回の会議の際に石井委員からご要請のありました地方分権推進委員会の勧告等の資料、参考資料8といたしまして、北脇委員から本日配付したいという事前のご要望がございました全国市長会の提言の概要でございます。
 以上の資料につきまして、不足等ございましたら事務局までお申しつけください。
 なお、今回配付をさせていただいております参考資料1と2の議事概要の速報版は、あくまでも速報版といたしまして事務局で作成をしたものでございます。正式な議事録につきましては、後日委員の先生方にお送りをいたしまして内容をご確認いただく予定でございます。
 以上でございます。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。
 本日は今アナウンスをいただきましたように、途中で休憩をしてということになっております。大体の見通しですけれども、休憩までに、これはちょうど中間ぐらいで休憩したいと思っておりますけれども、休憩までに教員免許法、及び、それに関連した問題と、学校教育法の問題、これも前回もかなり議論が収れんしてきておりますので、これをやってしまいまして、そして、休憩の後に、まだ若干収れんさせなきゃいけない部分がございます地教行法について後半議論をしていきたいと、こんなふうに考えております。
 それでは、まず教育職員免許法等の改正の方向につきましてご審議いただきたいわけでございますが、事務局で準備していただきました、整理していただきました資料につきまして、大木教職員課長からご説明をお願いいたします。

【大木教職員課長】
 それでは、資料1-1から1-4までに基づきましてご説明をさせていただきたいと思います。
 資料1-1でございますけれども、教育職員免許法等の改正の方向についてということで、前回主な検討事項ということで答申で提言された事柄、それから、この会議でもってご発言のあった事柄等々に基づきまして論点がある程度整理をされた資料が出ております。構造につきましてはそれと変わるものはないわけでございますが、イメージとして少し法律の条文とすることを前提に組み立て直してみたのがこの資料でございます。
 大きく1ページ目の「教員免許更新制の導入」、すなわち、免許法の改正部分と、それから、2ページ目の「指導力不足教員の人事管理」関係の教特法の改正関係と、これに分かれます。
 免許法の関係からお話をさせていただきたいと存じます。まず、1.の「教員免許更新制の導入」といたしまして教育職員免許法の改正でございますが、まず効力でございます。普通免許状及び特別免許状に10年間の有効期間を定めることということで、これは中教審の答申でもってご提言いただいた事柄で、教育再生会議でもこのような方向性を示されましたが、それを記したものでございます。
 そして、(2)が「有効期間の更新」ということで、「有効期間は、現職教員等(教員や教員となる見込みがある者など)からの申出により更新することができること」ということで、有効期間は10年でそこで切れてしまうわけですが、一定の者からの申し出によりましてそれを更新するんだということをここで書いてございます。
 現職教員等といたしておりますが、教員はもとよりでございますけれども、教員となる見込みが明確である者ということも含めます。「など」としてございますが、その中には具体的に指導主事でありますとかそうした現職教員から一定期間別の職に移った者などが含まれるということを想定をいたしております。
 その下でございますけれども、「免許管理者は、免許状更新講習を修了した者又は勤務実績その他の事項を勘案して免許状更新講習を受ける必要がないものとして認めた者でなければ、免許状の有効期間の更新をしてはならないこと」ということにしてございます。すなわち、免許管理者でありますところの都道府県の教育委員会でございますけれども、講習を修了した者、または、勤務実績その他の事項を勘案して講習を受ける必要がないとして認めた者、そういう者を対象に免許状の有効期間の更新をするんだということを書いたものでございます。
 免許状の更新講習の修了というものはわかりやすいわけですが、勤務実績その他の事項を勘案して講習を受ける必要がないものとして認めた者ということで想定しているものでございますけれども、勤務実績はすぐわかりますが、その他の事項ということで、先ほども出ておりましたけれども、教員という身分ではなくて、教育委員会の例えば指導主事になっている人とか、それから、校長、教頭といった管理職、そのほかいろいろな場合が想定されるわけですけれども、そうした人たちを対象に、そうした役職についているときに更新期間が訪れた場合には講習を受ける必要がないというような運用にすることを想定いたしております。
 それから、「有効期間の更新がなされなかった免許状は、その効力を失うこと」、これは明確でございます。それから、その下、「災害その他やむを得ない事由があると認められる場合には、有効期間を延長することができること」。10年目のちょうど更新の時期に災害でありますとか、それから、たまたま出産の時期に当たってしまって休んでおられるという方も出てくる可能性がございます。それから、ちょうど教員になられようとして直前の採用でもって講習が間に合わない場合なども想定されるわけでございますが、そうした場合には有効期間を延長することでもって弾力的にこの辺を読み込んでいきたいと考えているところでございます。
 (3)でございますが、「現に免許状を有する者への対応」としてございますが、若干わかりにくいんですが、中教審の答申では明確に書き分けているんですが、この免許法の改正が施行をされまして、それから後、免許状を取った者は10年間の有効期間が明確に定められて更新講習もされるわけでございますが、理屈の上からいきますと、現職教員の場合には今現職でおられる、免許を持っておられる方々の免許状には免許の有効期間というのがございません。したがいまして、それを10年間いきなり有効期間を設けてしまうというのは少し制度的に乱暴でございますので、そうではなくて、これは似て非なるものなんですけれども、10年に1回講習を義務づけて講習を受けていただくということを免許状が失効しない要件にすると、こういう考え方でございます。
 法制的にどういうふうに整理をするのかということはこの辺は法制局等とも相談をし、既に免許状を持っている者についてはやはり10年間もう切ってしまうということは乱暴であろうということで、免許状の有効期間は未来永劫有効だとした上で、10年に1回講習を義務づけてそれをきちっと修了してもらわなければその時点でもって免許状は失効すると、こういう組み立てにいたしてございます。
 (4)でございますが、「指導が不適切であると認定された者の免許状の効力等について必要な措置を講ずること」といたしてございます。指導力不足教員を意識した規定でございますが、指導力不足教員の実際の認定等の構造がどうなるのかというのは次のページになりますけれども、ここでは考えておりますのが、指導力不足教員でもって例えば研修を受けている、認定されて研修中の者がちょうど免許状の更新の時期に当たる場合が考えられます。そうした場合に、指導力不足教員で研修を受けていながら免許状が更新をされてしまうというのは非常におかしな世界でございますので、そうしたことを念頭に置きまして、ここでは効力につきまして一たん研修を受けている間は停止という整理を、両制度のブリッジをかける形でする必要があるかなという観点からの規定でございます。
 なお、この方につきましては、教育再生会議の第一次報告でも更新講習と、それから、指導力を上げるための研修との関係というものが、まずは指導力を上げるための研修を優先的に行い、改善が図られない場合には分限制度を有効に活用し、場合によっては免許状を取り上げるなど不適格教員に免許状を持たせない仕組みとするというような内容の提言がございますので、その趣旨にも合致したものになろうかと思っております。
 そこの下の四角に囲っております部分、省令事項のごく一部でございます。更新の講習は大学等が開設をすること。それから、更新の受講時期は有効期間が満了する直近2年程度の間に行うこと。免許状更新講習の講習時間は30時間程度であること。これはみんな答申でもって既に明らかにされておる事柄でございます。
 そのほかにも、答申の中では前々回に答申内容をご説明したことからおわかりいただけておるかと思いますけれども、かなり具体的にどういうふうに制度を持っていくかということも既に提言をいただいておるわけでございまして、法律事項としましてはこの紙の上の部分のような事柄が中心になりますが、それ以外に省令、あるいは、具体的に通知でもって運用基準を示すというような部分がかなり多くなってくるということでございます。当然のことながら、将来的に法律ができ上がった暁には省令の作成作業にかかるわけでございますが、パブリックコメント等をしっかりした上で、いろんなところからの意見を聞いた上でもって省令を固めていくというような段取りになっていこうかと思っております。
 そして、2ページ目をごらんいただきたいと存じますが、「指導力不足教員の人事管理の厳格化」といたしまして教育公務員特例法の改正関係でございます。これも前回の資料でおおむねお話ししたような事柄と重複いたしますが、まず1点目、「指導が不適切な教員の認定及び研修の実施」ということで、任命権者、すなわち、多くの場合は都道府県の教育委員会でございますが、「教育や医学の専門家や保護者などからの第三者からなる判定委員会の意見を聴いて、『指導が不適切な教員』の認定を行うこと」というのが1点目。それから、同じく、「任命権者は、指導が不適切と認定した教員に対し、一定期間、研修を実施しなければならないこと」。3点目といたしまして、「研修の期間は、過度に長期にならないよう実施期間を政令で規定すること」と、こういう組み立てになってございます。
 いずれも既に各県で運用されております事柄をなぞったような事柄でございますが、その2番目、3番目にかかわりまして、一定期間の研修ということ、それから、過度に長期にならないようにという実施期間に関する定めがそこの部分に出てまいります。
 まだ立法作業の途中でございまして、この辺、明確にどういうふうな書きぶりで持っていくのか、それから、政令以下の事項をどういうふうに規定するのかはまだ検討中でございますけれども、例えばといたしまして、一定期間の研修という2番目の丸の部分で、一定期間といった場合に1年以内の期間でもって各任命権者が定める、ある任命権者が半年と定める場合もあれば、ある任命権者は1年と定める場合もあると、こういう世界でございます。
 それから、「過度に長期にならないよう実施期間を政令で規定する」というここの部分でございますけれども、そこの部分は気持ちといたしましては、例えば研修を半年課しながら、それを半年たっても改善が見られなければもう一回また半年やるというようなことを繰り返しながら、最長例えば2年とか、そういう規定を政令でもって設けることによりまして上限を定めていくというようなことが考えられるわけでございます。いずれにしましても、期間の関係はまだちょっと検討が必要であろうかと思っております。
 (2)で「研修修了時の認定及び措置」ということで、「任命権者は、研修修了時に指導の改善の状況について認定を行うこと」ということで、一たん指導力不足教員に認定された者の、逆に言えばそれを解除するという認定であろうかと思いますが、それが必要であると。それから、「任命権者は、研修修了時の認定において、指導が不適切であると認定した者に対して、免職その他必要な措置を講ずるものとすること」という部分でございます。これは既に地方教育行政の組織の運営に関する法律の47条の2の中で、県費負担教職員に関しまして、教育の職ではなくて、事務職とかほかの職に指導力不足が見られる場合にはいわば職をかえるということができるような形になっておりますので、それと連動するものといたしまして、ここで任命権者がこうした措置を講ずるものとするということでもってより明確に任命権者の責務を書いているということでございます。
 それから、最後、ちょっと免許状の関係に戻るわけでございますが、免許法の関係で免許状の失効とございますが、指導力不足の最後の段階で、「教員が、必要な適格性を欠く場合などの理由により」分限免職処分にまで至ってしまった場合、この場合には免許状も連動させて失効させるということが適当ではないかと。これは中教審の答申でご提言をいただいた事柄でございますが、これを盛り込んでおるということでございます。
 ちょっと長くなってしまいました。申し訳ありせんでした。
 すみません。その後ろに参考的に資料をつけてございますが、資料1-2といたしまして、「教員の資質の向上のための総合的な施策について」というものがございます。これは、教員の資質向上のための要は積極的に資質を向上させようという施策と、それから、消極的と言っては変ですけれども、例えば分限とか懲戒のようなやはり指導力、資質を保持するための施策があるわけでございまして、それを全一貫のものとして並べたときにどういう体系になるだろうかということを少し見ていただくための資料でございます。
 上のほうから、「養成・免許・採用」とございますが、真ん中の部分が今回の免許制度の改正部分でございまして、更新制の導入をはじめ、それらのことを今回予定している部分でございます。赤で記してございます。
 その左側は養成課程の問題といたしまして、教職実践演習といった実践的な科目の創設でありますとか、教職大学院の創設、これも答申でもって提言されている事柄でございますので、順次こうしたことも制度化をされてまいります。
 その一番右側の四角は、採用面もやはり大事でございまして、これは都道府県教育委員会のほうにいろいろ取り組みを積極的にしていただくようお願いしながらやっておりますけれども、実質的にいい人が採用できるようにという観点から、面接であったりとかいろんな多様な人材を迎え入れたりとか、そういうことをいたしておるということでございます。
 そして、その下の矢印の後が「現職教員に対する施策」でございまして、1つはこの間来話題になっておりますが、優秀教員の顕彰の関係、それから、給与上の処遇は今後関係法令の改正が予定されることになってございます。それから、その真ん中のところ、これは学教法の中に今回盛り込まれております新しい職を法的に位置づけるということで、副校長をはじめ幾つかの職についてそこに記してございます。
 通常ずっと継続的にやる事柄といたしまして、評価の関係、そして、研修の関係もその下に記してございます。そして、一番下の部分が「指導力不足教員の人事管理システム」ということで、これも赤字にしておる部分が今ほどご説明をいたしました今回教特法の改正で法制化を予定しておる部分でございます。そのほか、条件附採用期間の制度などの適切な運用ということもあるわけでございます。
 以上でございます、この資料につきましては。
 そして、横の資料で資料1-3でございますが、ちょっとごくあらあらで申しわけないですけれども、義務教育の教員を念頭に、学部卒でもって免許状を取得し、じゃあ、その後、免許の更新というのがどういうタイミングでどういうふうに行われるのかということをあらあらに図式化した資料でございます。
 免許状を取りますと、初任研を経て10年たてば10年研と免許更新のタイミングになるわけでございまして、これがおおむね30代の前半であろうかと思います。それから、さらに10年たちまして、40の前半までもう一回免許の更新ということになると。それから、10年ほどたって、これは管理職、教頭、校長になるということになりますと、免許の講習を受けること自体はこうした役職についた場合、先ほどご説明しましたように免除の措置になるわけでございまして、そうした場合には講習を受けないで免許の更新ということになってまいります。
 それから、もう60代になられて一たんこうした管理職を退かれてもう一度先生として教壇に立つということになりますと、当然のことながら、知識、技能の刷新ということが必要になってまいりますので更新講習を受けていただくというようなことになろうかと思っております。
 ポイントといたしまして、下の四角でございますが、10年に1回ごとに更新と。それから、常勤の教員だけじゃなくて非常勤の教員も対象になることになってまいります。それから、既に免許を有している教員にも、先ほど申し上げましたように、10年ごとに講習の受講修了を義務づけるということでございます。右側の四角は、ペーパーティーチャーは更新の対象といたさないわけでございまして、ただし、現職に参入する際には更新講習の受講・修了後、多少採用と前後しても受けていただくという段取りになってまいります。
 最後の資料1-4はご説明を省略させていただきます。といいますのは、前々回お配りしてご説明をした資料と全く同じものでございます。
 以上でございます。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。
 教育職員免許法の改正、これが中心でありますけれども、関連いたしまして指導力不足教員、そういう人への対応ということで、教育公務員特例法、この辺も同時に改正をして、あわせて、資格という免許の問題と実際に教壇に立つその時点での力量の問題、どちらもあわせて関連させて考えていこうということであります。皆さんのほうでどうかご意見、よろしくお願いします。加藤委員、お願いします。

【加藤委員】
 ありがとうございます。
 前回ちょっと出られませんでしたので、皆さんのご意見を見ますと重なってないと思いますので、ぜひこの点を申し上げたいと思うんですけれども、今回の改定、改革と言ったほうがいいのかもしれませんが、ここで非常に重要なポイントというのはやはり教員のやる気だとか元気を引き出すようなものでなければならないと。そして、また教員に過度な負担を課すようなことがあってもこれはいけないだろうということだと思うんですね。
 そうした場合に、この「有効期間の更新」のところの2つ目の白丸のところの書きぶりなんですが、これはもちろんまだ法案要綱じゃありませんのでそれにどれだけこだわるのかということもあるかもしれませんが、趣旨として、この「講習を受ける必要がないものとして認めた者でなければ」という言い方になっているんですけれども、教員がある目標として頑張っていけば、場合によったらその講習を受けなくても優秀な方についてはそれはできるというような場合があるということがあってもいいのではないかと。
 そのときに、そうした評価基準というのは私はやはり主観的ではなく、できるだけ客観的なもので透明性を有していなければいけないと思うんですが、そういう意味でどんな資質ないしは業績なり実績が問われるのかというようなことも明らかにした上で、ある種のネガティブリストではなくてポジティブリストのようなものを思わせる形で講習を受けなくて済む場合があることを書き込むということは考えられないかと思います。
 あるいは、あるいはというよりも及びと言ったほうがいいかもしれませんが、講習時間が30時間ということですけれども、これらが大幅に短縮されることがあるというようなことはあまりここからは読み取れませんけれども、そういうことがあってもいいのではないかと思いますので、ぜひその点はご一考いただきたいというのが1点でございます。
 それから、その10年間というこの期間ですけど、これは資料1-3を見ますとかなり厳格に10年、10年となっていますけれども、最初に取得をした年齢が例えば二十六、七歳だった場合に、ずっと教員として現職教員で最後まで行った人が、わずか2年しかないのにほんとうにそこで終わりになるのかというようなこともございますよね。
 ですから、その10年間の解釈についての柔軟性というようなものが、ここにあるような災害その他やむを得ない事由ということしか書いてございませんが、そうではない場合に、これはあり得ていいんではないかと。それも、そういうことも長い間教員をすることの、教員をして頑張り抜くことのインセンティブにもなりますし、あるいは、ある種の褒賞的な部分もあるのかなと思いますので、その2点をぜひ配慮すべきではないかと思いますので、ご意見申します。
 以上です。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。
 では、門川先生。

【門川委員】
 この免許更新制、非常に期待していますし、いいものに運用していかなきゃならないと思っています。
 ただ、必要な人に必要な研修をする、実践的指導力が向上する講習を受けてもらうことが大切で、大学の座学的なものを10年ごとに一生懸命工夫してやってもあまり意味がないということも言えるんじゃないかなと思います。現に今でも現職教員がいろんな研修をしています。そこで学べなかったもの、例えばコーチングでありますとか、野外活動体験でありますとか、ライフスキルでありますとか、ADHD/LD等障害のある子供の教育のこと、カウンセリングのこと、あるいは、企業で職場体験してみるとか、大学の研究機関で何日間か体験してみるとか、そういういろんなことを必要な人に必要な研修を受講してもらい、それを講習の何時間分に読みかえていくとか、教師がほんとうに必要な能力、資質をさらに伸ばして、そして、授業力が、生徒指導力が向上するようなものに運用していくことが必要であります。運用の問題だと思うんですけど、そういうことについても確認として発言しておきたいと思います。
 よろしくお願いします。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。
 ちょっと今のお二人がご発言いただいたことは非常に大事なことだと思いますので、確認的に、例えば講習免除の基準とか、あるいは、今のあと10年というのをどう実際に柔軟に扱うかとか、そういう問題をちょっと大木課長に、これは省令なり何なりで法律ということじゃなくて具体的に書き込むかどうか、この具体的な、あるいは、ガイドラインみたいなものを運用のために出すというイメージなのか、ちょっとそこのところ、イメージだけまずちょっとお答えいただいて、そして、あと、実は山極先生が第3期の教員養成部会のもとで実はこれの具体的な運用についてワーキングをずっとやってきてもらいましたので、これはもちろんまだ今後また決めていけばいいことですけれども、その内容を山極先生からちょっと言っていただくと、今の加藤委員、門川委員のご発言に関連して。
 ということで、まず大木課長、ちょっと。

【大木教職員課長】
 加藤委員のご発言でございますが、これは非常に法律の具体的な条文でもって技術的にどういうふうに表現するのかということにちょっと忠実過ぎた表現になっているのかもしれません。
 我々が思い描いていることも同じでございまして、努力してしっかりやってくださっている方々、力のある方々については講習の免除ということを積極的に考えていこうという趣旨でございます。そういう意味では思いに違いはないと思います。省令でもって一部受講の免除をする場合などどういうふうに書くのかという技術的な問題はさらに残っておりますけれども、法律レベルでもって書いた場合に、こうしたことを表から書くか裏から書くかということになってしまうんですけれども、ちょっとその点、誤解があるのかもしれません。申し訳なく思っております。
 それから、最後のところ、12年でも10年でということが果たして法制上可能かどうかというのはご指摘も受けてちょっと法制的にそれができるのかどうかということ、これは個人の資格の得喪につながる事柄でございますので、緩やかな運用というのをある程度考えるにしてもどこまでできるかと限界が多分あるんではなかろうかと思っておりますので、そこのところは詰めさせていただきたいと思っております。
 それから、門川先生からご指摘がございました中身を非常にこの講習じゃなければ受けられないものにしたいと、しなければならないということでございますが、そうした意味合いではやはり現職教員が日ごろ受けている悉皆研修でありますとか、それから、希望制の研修でありますとか、そういうところと同じような内容をここで蒸し返したのでは全く意味がないと思っておりまして、やはり大学でもって大学を主として活用するということになってございますので、大学の力のある部分を十分活用できて、現職教員が短時間ではありますけれども、かなりそういった面で力がついたという形になるように、それをしっかり運用をしていくべき事柄だと認識しております。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。
 それでは、山極先生、ちょっと。

【山極委員】
 教員免許更新制の導入に関する検討会議につきましては、この一番下に書いてあるの省令等に当たるところを積極的に深くまで論議をいたしましたけれども、基本的には免許を出した大学が免許状を出した以上は卒業した後もとことんまで面倒見るのが課程認定大学の役割ではないかという基本に立っています。
 しかし、そうはいっても地方等では大学だけでは賄えないというところがありますので、教育委員会等との連携は大事ではないかと、そういうスタンスです。
 それから、30時間というのは一挙にというのはなかなか難しいので、1日6時間、5日間と、そして、大学が開設する場合に5日間全部開設する大学もありましょうし、全部は開設できないという大学もあるだろうと。これはそれぞれの大学の独自性を認めてもいいのではないかと思います。ただ、受講生はもちろん30時間受けなければなりません。その中のカリキュラム、これもかなり詰めて議論しているわけですけれども、今、大木課長のありますような感じで検討しております。
 それで、判定基準、実際に講習を受けた段階の判定をやっぱりきちっとしておかなければいけないだろうと。前回言いましたように、最終的にどうなるかは別にして、やっぱりペーパーテストぐらいしっかりやって、そして、項目によってはペーパーテストになじまない、例えば使命感とかそういったことはなかなかなじみませんけれども、そのほかはペーパーテストをやってきちっと修了の認定を客観的に見てもらうという感じです。
 あと、免許状ごとに小中高で若干分けるのかとか、そういったことについてはまだ少し検討の余地があります。あとは、一番難しいのは教育委員会が行う免許管理事務の問題、膨大な人数ですから、これはやはり相当の予算をかけてやらなきゃいけないだろうという感じで進んでいるということです。
 みんな省令に関することです。以上です。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。
 じゃあ、陰山先生。どうぞ。

【陰山委員】
 ありがとうございます。
 前回出ておりませんで、ひょっとしたら重なるかもしれませんけれども、私も校長をやっていたときに1つの悩みは、全職員がそろって職員会議を持つということが相当に困難になっているという現状があります。つまり、市町村の自主的な例えば算数研究会だとか何とか研究会というものが今現実にあります。それから、各都道府県教委が行っております年次ごとのキャリアアップ研修というものがあります。それから、その他もろもろの選択制の研修があって、10年経験者研修があって更新の講習があってということになってきますと、実は現段階でも相当研修だらけというのが実は実態なんですね。
 ここのところをもし本気でおやりになるんだったら、まずこれは市町村、都道府県と相当に僕はまず調整をされる必要があろうと思います。これは後に出てきます都道府県教委、市町村との地方分権との絡みもあって、どのような教育を推進するのかというようなこととも絡んでまいりますので、やはりこの辺のことは相当に調整が要るのではないか。
 さらに、この免許更新につきましても、ちょっと私はよくわからないんですけれども、例えば33、43、53と仮にあるとすると、30代、40代、50代が同じ講義を受けるのか、それとも違うのかということも気になってきます。そうなってきますと、33歳のところは仮に10年ごとに違うものにすると、10年経験者研修と更新講習というものは一体どうなるのかということですね。できる限り、私はこういうものは精選をしていただくということが最も必要だろうと思います。
 最終的にはその教員がきちっと子供たちを指導するにふさわしい能力がどのようにつくのかということを構想していただいた上で、全体の制度設計をしていただかなければいけないと思いますので、この辺はかなり実態に即した例えば省令等による判断が要るように思いますので、ぜひともそこのところはお願いをしたい。
 それで、門川委員さんもおっしゃいましたけれども、そうした中で例えば県教委の方が用意をしているキャリアアップ研修というものをこの免許更新のものに位置づけて認定をするというようなことをしていただくと、それはかなりいわゆる都道府県教委の意図と、それから、国がやるべき責任みたいなものがあって、例えばこの30時間のうち10時間は完全に国定で行うけれども、あと20時間については都道府県教委なり大学との連携との中でその地域の特性に応じたものをやるとかというようないわゆる現実性を持たせるということが必要ではないか。
 とりわけ、私はここだけお願いをしたいんですけれども、この33歳の更新講習と10年経験者研修、これは10年経験者研修は実質私もやりましたけれども、実はこれは先生が研修を受けるだけじゃなくて、校長がついたりとか校内で指導教員がついたりしてやっているんですよね、実質的に。ですから、この先生で受ければいいというだけで実質今済まない形になっていますね。それはそれでいい制度だろうと思うんですが、この更新講習とセットになってきますと本当に時間が確保できるんだろうか。
 それから、夏休みのいわゆる学校の運用日等もひっくるめて、例えばこの期間は全職員、研修日というのを設定をしていただくとかいうふうにしないと、私も2級から1種に格上げするときに5日間神戸へ通いましたけれども、田舎の方にいて神戸へ通うというのはほんとうに大変でした。
 ですから、お金もかかりますし時間もかかりますし、その間はもう学校に全然行けませんので、やはりそこら辺は例えば地方についてはそこの教育委員会のものを認定していただくというふうにしていただければかなりその辺も現実的になるのかなという気がいたしますので、何とぞその辺の現実的な対応を省令等で配慮していただきたいと思います。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。
 非常に大事な点をご指摘いただきました。これは10年経験者研修につきましては、去年7月の答申の中でどうするかをバッティングしないようにという具体が出ております。これは検討していただくことになると思います。
 そして、今おっしゃったような、結局現場に過重な負担がかからないと、これはもう大原則ですので、これはこれが終わった後、多分これはどういうふうに持っていくかわかりませんが、今のイメージでは多分教員養成部会のもとに、これを動かすための省令を具体的に作っていくためのやはり専門部会といいますかワーキンググループといいますか、作って、今ご指摘のことを含めてうまく運用できるように詰めていかなきゃいけないだろうと思っております。
 こちらの方でどなたかほかに。じゃあ、まず植田先生。

【植田委員】
 失礼いたします。山口県の下関市の中学に勤める一教員でございます。
 本校でも教員評価制度の件なんですが、今年度初めに校長から自己評価シートというものが配られまして、生徒指導、教科指導、いろんな面で自分が目標を書いてそれの反省を書いて、校長と学期に一回面談をする、指導を受けるというようなことで評価を受けるわけです。
 そういう制度がありますので、もし、要はその評価制度というのはおまえはいいぞと、これも公務員、教員ですから世間に、社会に認められるチェックがなきゃいけないと思っております。そういうのがあるんですから、そこで認められればわざわざ時間をとって現場を離れて講習をしなくてはいけないのだろうか。先ほどの加藤先生、ポジティブな更新というお言葉を使われましたが、そういうことであれば非常に私たちも明るく職務に専念ができると思っております。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。
 藤井委員ですね。どうぞ。

【藤井委員】
 それでは、ありがとうございます。
 資料1-3の件でございますけれども、特に今学校現場におきましてはこういった講習、あるいは、欠員補充、産休・育休代替、あるいは、病気等による非常勤の先生方のいわゆるかわりをする臨時的に働いておられる方が大変多くいらっしゃるわけです。私どもの県でも現在2,000人近くの方がそういう戦力として活躍していらっしゃると聞いております。
 そのときに、1-3の資料で、左側では「非常勤職員も対象」ですが、右側では「ペーパーティーチャーは更新の対象としない」と、ただし、現職参入の場合には必要だよと、こういうことが書いてございますが、実はこういう方々は左になったり右になったりというんですか、継続的な任用が安定してないわけですね。あるときにはペーパーティーチャーのような形で家庭におられると。ですから、急に病気になられた方のかわりにそういう免許を持った方を学校で任用していくというときに、こういった制度が導入されますと、学校における人材確保がきちんとできるのかどうか。そういった手当てを十分これから細かい具体に入るときにご配慮いただけるとありがたいと思っております。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。
 これはご承知のように、当初はペーパーティーチャーも含めて全部ということだったんですけど、これは物理的に不可能ということで少しずつ、1つはペーパーティーチャーは実際に教壇に立つような時期が来たときに免許回復の講習を受けてもらう。
 それから、もう一つは、先ほどから出ておりますけれども、こういう人は講習を免除してもう自動的に免許は更新すると、これも省令に書くことになるわけですけど、こういう枠をきちっとしようと、こういうことで進んできた経緯がありまして、この辺は省令をつくるときに今皆さんから出ましたこういうご意見を十分に踏まえて、できるだけ柔軟で実効性のあるそういう全部に網かければいいということでは必ずしもないと思いますので、そういうふうになるんじゃないかと思います。そういうことでご理解いただければと思います。
 では、天笠先生。

【天笠委員】
 この更新制度の導入の点に関してなんですけれども、私はこれについての目的ですとか、あるいは、理念ですとか、そういうものの規定ということもまた大切なのかなと思っております。何のためにという。それは、答申文とかそういうところにはしっかりと書かれているわけですけれども、それを法律の中に、どちらかというと免許法というのはどちらかというと運用上の規定というレベルのことがすごく丁寧に記載されているんですけれども、これは何にためにというそういう理念とか目的の規定というのもぜひ検討していただきたいなと思っています。
 そのとき、私はキーワードはリニューアルというそこのところに当たるのかなと思っておりまして、既にもういろんなところで意見が出ていますけれども、指導力不足教員への対応ということと、それから、リニューアルという部分というのとが、もちろん重なる部分もあるんですけれども、やはりここに多くの期待するところというのは、先生方に日々新しくなっていただくというそのためのものなんだと、そういうことについての確認という意味を込めて、この部分のあたりの今申し上げた規定も検討していただければと思います。
 以上です。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。
 この2つの法律の改正という形で出していただいたことが、今、天笠委員から言っていただいたことをある意味で形として出しているのかなという気もいたします。
 じゃあ、最後に、渡久山先生お願いいたします。

【渡久山委員】
 1つは、この教員の免許更新制の導入についてですけれども、これは現在国際的にはアメリカの州でやられているだけなんですね。ほかの外国では全く、ほとんどありません。そういう意味では非常に画期的というのは評価することになるんだけれども、それは歴史的な導入になると思うんですね。
 特に日本の場合、義務教育の中での皆免許制というのは国際的に高く評価を受けているんですね。ということは、ある国では例えば算数の、あるいは、数学の免許は持ってないけれども授業を持っているという教員たちがいるわけですね。そういう意味では、日本の場合の教員免許制というのは皆免許制で非常に高い評価も受けていますし、実績もあるわけですね。
 そういう中でこの更新制を導入しているというのが1つと、もう一つは、昨今、民間人校長だとか民間人教頭だとか、あるいは、特別免許状で結局免許を持たない人間が教職に携わるということが出てきていますね。そういう意味では、やはりこの皆免許制というすばらしい制度が崩れていく可能性さえあるわけですね。この辺については今後慎重でなければならないと思います。これが1つです。
 もう一つは、今年の大学の入学試験ですね。特に教員養成学部の志望倍率が非常に減っている。これは何かというと、新聞によると、いじめだとか、あるいは、だめ教員だとかいろいろな形で教員バッシングがすごいから、結局何か教員になってもメリットがないんじゃないかという感じがするわけですね。そうすると、せっかくこの免許のリニューアルの中では教員の使命感だとか、あるいは、教育的情熱だとか、そういうことを何とか引き出してよりよき人材を教育界に呼ぼうとしているのにもかかわらず、どうもそういう面では逆効果の面もなきにしもあらずだと思います。
 そういう意味では、今後広く教員政策をどうあるべきかというようなことも考えてきたときに、やはり先ほどからありますように、研修だとか講習だとか、具体的には教員の定数が非常に少ない中で、結局現場から出ていってそういうことをやっていくわけですね。そうすると、ますます子供たちへの教育が行き届かないという部分が出てまいりますので、そういうことも含めてやはり運用についてはきちっとした手立てを講じていただきたいと思います。
 以上です。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。
 それでは、今ご指摘いただきましたように、これは去年の7月に答申を出しましたときに随分議論いたしまして、一部には今の教員がだめだからぐっと締めつけて、そうすればいい教育になると、私個人の意見を言っちゃいけませんけど、暴論がやはり私は今あるんじゃないかと思っております。
 そうではなくて、子供の前に立つ人が張り切って頑張って、しかも、力を持ってやらなければいけない、こういう大前提でこの免許更新制も導入しようと議論をして昨年7月の答申になったと理解しております。
 ということで、今、渡久山先生がおっしゃっていただきましたように、また、今日は何人もの方が言っていただきましたように、現場の子供の前に立つ先生方が一層張り切ってリニューアルして力を発揮できる、そういうことでこの制度をつくらなければいけないと思っておりますので、今日はこの概要が出ました法律事項ですね。あと、これを運用していく上での省令あるいはガイドラインをそういう方向で、今皆さんがご指摘いただきましたような要素を含めて、あるいは、踏まえて作っていくということでやっていかなくてはという、今日皆さんのお話を伺っていて改めて思いました。
 これはもう一度、もう一段階これを整理していただきまして次回出していただきたいと思います。急ぐようでまことに申しわけありませんが、はい、じゃあ、どうぞ。

【岩さき委員】
 指導力不足の教員のことでございますけれども、本当にひどい人もいるんですね。もう何ともできないというような、年齢的にも高いし、2年間の研修を受けても本当に現場に立てるかどうかというところがあるわけです。このシステムの中で、指導力不足の認定というところで、やはり学校長の裁量に任されている部分がないのかどうかということが非常に気になります。
 だから、もっと現場に行けば指導力不足の教員はいると思うんです。その教員たちは学級担任から外れ、少人数指導とかいろんなところで隠されるようにしているわけですけれども、それが子供たちの、教師仲間のやる気、元気につながるように、やはり指導力不足の認定というところ、校長が上げていくその基準のようなものがないと何かあいまいになってしまいはしないかなということを、感じておりますので、ご検討をお願いいたします。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。
 ご承知のように、校長からもありますし、今こういう問題につきましては地教委です、小中の先生の場合には、これは日常的に指導・監督するのは地教委ですから、これをどうするかということも今問題になっております。そして、任命・研修は都道府県教育委員会ですから、場合によっては気がついたことがあれば校長を越えてということもあり得るんじゃないかということがいろんなところで言われておりますので、今ご指摘のところもこれは仕組みをつくるだけじゃなくて、これが実効性を持った運用になるようにまたいろいろと整備していただくということでいきたいなと思います。ありがとうございます。
 それでは、学校教育法の改正のほうに移りたいと思います。
 これにつきまして、きょうも資料を大分整備していただいておりますので、常盤教育課程課長よりご説明をお願いいたします。

【常盤教育課程課長】
 それでは、資料の2-1と2-2を用いてご説明させていただきます。
 まず資料2-1からご説明をさせていただきます。
 教育基本法の改正等を受けました学校教育法の改正につきましては、これまで中教審でもかなり回を重ねてご議論いただいているわけでございますし、また、この第4期になりましても2回にわたるご議論で改正の骨格に関するご意見をいただいてきたわけでございます。
 まず、「学校種の目的及び目標の見直し」でございます。資料2-1でございます。ここにございますように、(1)「義務教育の目標に関する事項」でございます。教育基本法に新たに義務教育に関する目的が規定をされましたので、これを踏まえて義務教育の目標に関する規定を新設してはどうかというご議論でございます。これまでのご議論では具体的には学校教育法の目標規定というのは、生徒の到達目標ということではなくて、教育基本法の理念を受けて、学校に対して教育の方向性を示す、あるいは、学習指導要領等で定める教科構成、教科等の教育内容の大枠を定めるということでのご議論をいただいているわけでございます。2つ目の丸に、今回、義務教育の目標と、目標の例ということになりますけれども、お示しをさせていただいております。
 このようなこれまでのご議論を踏まえまして、ここでは教育基本法に教育の目標に関する規定が第2条として置かれたことを踏まえまして、現行の学校教育法に規定をいたします小学校、中学校の目標規定、これをベースといたしまして改めるという形で、例えばここに書いてあるような内容で整理をしていってはどうだろうかということをこれまでのご議論を踏まえて書かせていただいております。
 ここにポツが全部で10並んでおりますけれども、それぞれのポツの項目の最後に18条1号、36条3号というふうに書いてございますが、この18条というのは現行の学校教育法の小学校の目標規定、36条は中学校の目標規定。ですから、ここにございますように、それぞれのポツのところにはそういう現在の目標規定というものを踏まえて、小中学校の目標規定を踏まえて義務教育の目標ということを考えていってはどうだろうかという整理にしているわけでございます。
 例えば、1つ目のポツをごらんいただきますと、ここでは現在の18条第1号、あるいは、36条第3号をベースといたしまして、教育基本法2条に新たに示された理念、例えば規範意識であるとか、公共の精神に基づき主体的に社会の形成に参画するというようなことを加えていくようなことでどうだろうかということで整理をさせていただいております。
 また、2つ目のポツにつきましては、ここはちょっとほかの項目とは異質になるわけですけれども、教育基本法の第2条第4号に新たにこういう規定が加わっておりますので、それを義務教育の目標に反映させてはどうだろうかということでございます。
 3つ目のポツにつきましても同様の趣旨で、伝統文化、あるいは、我が国と郷土を愛する態度、あるいは、国際理解というようなものを加えているわけでございます。
 4つ目のポツにつきましては、これは教育基本法に新たに家庭教育ということが加えられているわけでございますけれども、そういうものを踏まえての見直しということ。それから、その次のポツ、そのポツ以降でございますけれども、ここでは現行の小学校の目標に書かれていることをベースといたしまして、そのそれぞれは生活において必要な知識あるいは技能等を中心に書かれているわけですが、現行のものをベースとして考えていく。
 さらに、最後のポツにつきましては、これは中学校の現在の第2号に書かれているわけですけれども、進路の選択等のことを義務教育の目標ということになりますので、そういうことを加えて整理をしていってはどうだろうかということで記させていただいております。
 次に、2ページ目をお開きいただきたいと存じます。幼稚園につきましては、ここにございますように、これまでの議論を踏まえ、また、教育基本法に教育の目標、また、幼児期の教育というのが第11条に規定をされたことを踏まえまして、現在の幼稚園の目的、これは第77条に書かれております。また、幼稚園の目標が第78条に書かれておりますので、それを踏まえて見直してはどうかということでございます。
 幼稚園の目的につきましてはここにございますように、例えば義務教育以後の教育の基礎が培われ云々という形で整理をしてはどうか。また、目的の2つ目のパラグラフにございますけれども、目的の見直しに伴いまして、発達や学びの連続性が明確となるように、学校種の規定順、これは前回もご説明いたしましたけれども、現在は小学校から順番になっておりますが、幼稚園から順番という形での変更ということはどうだろうかということでございます。
 幼稚園の目標につきましてはこれは現在5つのポツで示されたような形で、先ほどの義務教育と同様に現行の規定があるわけでございますが、ここにつきましても、例えば教育基本法の規定などを踏まえまして、例えば2つ目のポツの規範意識のところであるとか、あと、3つ目のポツの自然に対する理解であるとか、あるいは、幼稚園教育を取り巻く環境の変化を踏まえて言葉ということを重視をしていく。あるいは、豊かな感性と表現力というようなことを加えていくというようなことで整理をしていってはどうだろうか。また、その次の丸でございますけれども、幼児期の教育支援、あるいは、預かり保育の位置づけの明確化などを図ってはどうかということでございます。
 小学校に関する事項につきましては、義務教育の目標規定が置かれるということを前提といたしまして、それを踏まえて現在の目的、目標について改めてはどうかということでございます。小学校の目的につきましては、ここにございますように、義務教育として行われる普通教育のうち基礎的なものを施すということ、目標について義務教育の目標を基礎的な程度において達成するということを「例えば」という形で示させていただいております。
 また、次のページ、中学校についても同様の考え方に立っております。中学校については義務教育として行われる普通教育を施す。あるいは、義務教育の目標の達成に努めなければならないと例として挙げさせていただいております。
 高等学校につきましては、高等学校教育の多様化ということを前提といたしまして、現行の目的、目標規定をもとにいたしまして、それと同様の包括的な定めとすることが適当ではないかというご議論をこれまでいただいているわけでございますので、それを踏まえて整理をすることでここに記述をさせていただいております。
 目的につきましては、中学校教育の基礎の上に、心身の発達及び進路に応じまして高度な普通教育及び専門教育を施す。目標につきましては、現行も3つの号で構成されているわけですが、ここの3つのポツに書いてございますような構造のもと、豊かな人間性と創造性、あるいは、社会の発展に寄与する態度という基本法で定められた内容を加えていくような考え方でどうだろうかということでございます。
 次に、4ページ目をお開きいただきたいと存じます。義務教育の年限につきましては、第3期の中教審でも、今期の審議におきましても9年を前提とすべきというご意見をいただいておりますので、その趣旨を学校教育法に規定してはどうかということでございます。
 また、学校の評価等に関する事項につきましては、学校評価、情報提供を推進するために規定をそれぞれ置いてはどうかということでございます。
 また、4.の「副校長その他の新しい職の設置に関する事項」でございますが、ここにつきましては、学校におけるマネジメント体制あるいは指導体制の確立という観点から副校長、主幹、指導教諭に関する規定を置いてはどうかというご意見をいただいております。各学校の任命権者の判断で置くことが可能な任意設置の職ということで検討をしているところでございますが、具体的にはここにございますように、置くことができるということとすると。
 その上で、ここにございます副校長につきましては、校長を補佐する、校長から任された校務についてみずからの権限で処理をする。主幹につきましては、校長、副校長及び教頭を補佐する。校長から任された校務について、校長等が判断・処理できるように取りまとめ整理をする。あわせて、児童生徒の教育を担当する。指導教諭につきましては、他の教諭等に対して教育指導に関する指導・助言を行うとともに、児童生徒等の教育を担当するということで、これも例えばでございますけれども、整理をさせていただいているところでございます。
 続きまして、資料2-2でございます。資料2-2につきましては、これは前回配付いたしましてご説明させていただいたものと同様でございますが、一番最後のページに「各県市における教職員の職の導入」の具体的な事例ということで副校長、主幹、指導教諭についての事例ということを、このところを加えさせていただいているわけでございますが、時間の関係もありますので説明は省略をさせていただきます。
 以上でございます。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。
 新しい学校教育法をこういう内容、多分この条文の順番も以前何人かの委員の方からご指摘がありましたように、幼稚園が後ろのほうに来てるとかそういうことがあって、こういう新しい順番にしてはどうかということも多分暗に含まれたそういう形でのきょうは資料2-1を出していただいた、そういうふうに思っております。
 皆さんのほうでご意見をお願いしたいと思います。黒須先生。

【黒須委員】
 まず、義務教育の目標の点ですけど、ここにポツの4つ目に「家族や家庭の役割、生活に必要な基礎的な理解と技能」というのがありますけれども、私は現状を見てもっと家庭教育というようなものを明確にやっぱり必要性を、大切さというのを打ち出さなきゃいけないんじゃないかと思っているんです。
 今、よく学校でも現場で子供よりもまず親を教育しなければという話がよく出るように、やっぱり親の教育というのはこれは時間もかかることですけれど、やはり家庭教育の大事さ、あるいはまたしつけですね。こういったものをほとんど、中にはうちは教育は学力のほうは塾へ行かせているからそこそこだけれども、しつけはぜひ学校でしっかりやってもらわなきゃというような、事実いるわけですよね。こういったものを家庭の教育、しつけというようなものを明確にやっぱりうたうべきじゃないかと私は思うんですね。
 それから、もう一つはポツのその下に国語についてありますけれども、国語の重視というものをもっとやっぱりこれもはっきりすべきじゃないかと私は感じているんですけれども。最近、小学校で英語をどうこうというような議論、これは賛否両論あるわけですけれども、私はやはり小学校のときから国語をきちんと教えなきゃいけない。美しい日本語というのがありますけれども、日本語を正しく理解をする、そして、国語を通じて日本の歴史や伝統文化というようなものを学ぶ機会にもなるわけで、もっとやっぱり日本人が日本人の心というようなものを認識をするというか、学ぶというか、そのためにも、国語の重視というものをもっとやっぱり私は打ち出すべきじゃないかと実は感じています。
 それから、もう一点ですけど、副校長その他の新しい職の設置に関する事項なんですけれども、これは私は東京都なんかで今、副校長、主幹というのを置いていますけれども、これは権限の問題だろうと思うんですけれども、これは私は学校というのはもっと明確に管理職というものが必要だと思っているんです。
 例えば、わかりやすく言いますと、20年勤務している先生も、教員も、それから、まだ入ったばっかりの教員も同じように先生というような立場で、社会的な常識とか、社会人として大人としての必要事項というものを学ぶ機会が教育の世界って非常に少ないんですね。そこら辺にやっぱり私は問題が、社会性がないといいますか、これが大変問題なことだと思っておりまして、やはり横並びじゃないわけだから、やはり基本的なことを指導したり何かするために管理職というものをやっぱり明確にすべきじゃなかろうか、そんなふうに感じています。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。
 ほかに。林委員、お願いします。

【林委員】
 ありがとうございます。
 幼稚園の問題でございますけれども、幼児期の教育、大切ということはわかるんですが、しかし、地方の町、村には保育所があっても幼稚園がないところはいっぱいあります。そういう中で、保護者の要望も保育の充実ということが相当声が大きいわけでありまして、現実、これから幼稚園をつくるということは不可能に近いわけであります。両方合わせた認定こども園というのが創設されているわけでありまして、私はこのことは現実を踏まえた対応をしていただきたいな、こんなふうに要望したいと思います。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。
 山極委員、お願いします。

【山極委員】
 義務教育の目標についてここに相当挙がっていますけれども、例えば環境保全等々と書かれると、では、情報はどうだというようにどんどん入ってくると思うんですけれども、基本的には義務教育の目標というのは私はこの程度で十分だと思います。あんまり後から後からいろんな大事だ、家庭教育も大事だと入れてしまって、ただ何かアドバルーンみたいなものであってはならないと。やはり実質的にそれがなされるという面でいえば適切な量ではないかと、基本的なことは書かれているのではないかと、そういうような感じがいたします。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。
 大南委員。

【大南委員】
 ありがとうございます。
 特別支援教育の設定、現在の学校教育法71条、多分4月から改正にもなりますが、同じ考え方でつくられていますが、特別支援学校の今、幼稚部、小学部、中学部、高等部がございます。その教育は幼稚園、小学校、中学校、高等学校に準じたもの、準じた普通教育を行うとともに、障害等に応じた適切な指導や必要な支援を行う、こうなっているわけです。
 したがいまして、幼稚園の目標、小学校の目標、中学・高等学校の目標が即、特別支援学校の目標につながってくる。義務教育ももちろんそうなわけで、現在、義務教育を受けている児童生徒の1.6パーセントが特別支援教育、特殊教育を受けております。さらに、発達障害の子供たちも調査によりますと6.3パーセントありますので、合わせますと約8パーセント。それから、特殊教育を受けていなくて通常の学級にいるであろうと思われる子供を考えますと、9パーセントから10パーセントぐらいの子供たちがいる。
 その子供たちのことも考慮をしながら、義務教育の目標なり幼稚園から高校までの目標を設定をしていくことをぜひお願いをいたしたいと思いますし、それから、前回、到達目標というような表現があったかと思うんですけれども、その場合に、到達目標を障害がある幼児児童生徒についてはどのように考えればよろしいのか、そのあたりを十分ご検討をお願いをしたいと思います。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。
 加藤委員、お願いします。

【加藤委員】
 1ページのところで目標の規定の仕方ですね。ここでちょっとご意見を申し上げたいんですが、「例えば」とあるのでこのワーディングがどのような趣旨を持つのかということを多少質問も含めて申し上げたいんですけれども、教育基本法で今回目標を掲げたということで、それがここにまたある種再掲という形で来ているわけですよね。その重要な部分だということかもしれませんが、なぜ基本法で規定されているのにここに再掲をしているのかと。再掲をしているのはいいんですが、そこから抜かれた言葉があるんですよね、よく見ますと。教育の目標として基本法に定めてあって学校教育法の中に使ってない言葉があるんですよね。それは、じゃあ、どうなのかという検討はなされたのかどうかと。ここに来てないということは、じゃあ、何か理由があるのかということが1つでございます。
 それから、私のイメージとしては、中学の目標は非常に具体性を欠くというのか、もう少し充実したらどうかという意見があって、私もそれは大賛成だったわけですけれども、9年間の目標ということで、9年間というのは小中学校の目標規定として置いたときに、現行規定の中で見ますとある意味、水準到達点として非常に具体的に感じられるのに、こういうふうな形で書くことで何かあいまいになっているところがありはしないかと。
 例えば、日常生活に必要な国語という小学校の部分というのはこれは非常にわかりやすいといいますか、これはかなり具体的だと思うんですよ。客観性があると思うんですね。ところが、それがなくて「基礎的な能力」というワーディングになっていますけれども、これは中学であればそういうことでほんとうにいいのかと。この辺は少しこのワーディングのところで、従来の趣旨をほんとうに踏まえられているのかどうかというのはやはりもうちょっと検証が必要なのじゃないのかなと。特にこの「家族や家庭」、「国語」、「数量的」、「自然現象」、これは全部基礎的な能力となっているんですけど、ほんとうにこれで客観的に今後学習指導要領に展開していくときにいいのかどうかというのはちょっと検討が必要なんじゃないかと。
 以上、2点、思いました。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。
 ちょっと今の前半の基本法の目標表現との関係というのは非常に重要です。ちょっと常盤課長、何かお考えがあれば。

【常盤教育課程課長】
 用語等についてはまだ整理をさせていただいている途中で現在進行形ということでご理解いただきたいと思いますが、今の段階でここに書いてあることの中に、教育基本法の2条に教育の目標という規定が設けられて、そこにいろいろな理念とか考え方が入っているわけですけれども、その中でそれを踏まえて、それを学校教育の義務教育の目標にそのまま盛り込んだものと、それ以外に、教育基本法の2条には書かれているけれども、現在の目標規定に既に盛り込まれているものというカテゴリーもあります。
 また、従前から教育基本法の中に規定されているんだけれども、その段階から既に学校教育法には盛り込まれていなかったものとか、いろいろな類型がありますので、ちょっとそれを整理を今させていただいております。
 そういういろいろな類型があるので、そのあたりをもう少し整理をした上でまたご説明をしたいと思います。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。
 ご承知のように、基本法が一番上位ですから、この目標は全部これにかかると。ただ、それを表現するときに1つの言葉で幾つかのことを意味できれば、簡略といいますか象徴的な言葉で言うということもあるかもしれません。その辺は少し整理していただきましてまたご説明をと思います。
 では、角田委員、それから、無藤委員、そして、井上委員、そして、安彦委員。そのあたりで、じゃあ、これは終わりたいと。それでは、角田委員、お願いします。

【角田委員】
 ありがとうございます。
 教育基本法の改正に伴って、今回こういうふうに義務教育の目標というふうにまとめて、これは連動してこういう表記の仕方はよろしいかなと思うんですけれども、何となく基礎的な理解と技能だとか、先ほど用語の言葉をこれから検討するんだというお話がございましたけれども、小中が一括して9年間という義務教育の中で行うということの趣旨はわかるわけですけれども、小学校での基礎的なものというのが一体どこまでのものを施すのか、基礎的とか基礎といった事柄がまたこれで少しぼやけてくるなという感じがするんですね。
 今までですと小学校はかなり明確に目標がはっきりしていたわけですけれども、今回、この義務教育の目標ということでまとめたことによって、小学校では一体何をするのか、中学校ではどこまでやればいいのかということが少しぼやけるような。実際には学習指導要領等でもっと細かいことが規定をされるんだとは思うんですけれども、私はもう少しシャープにできないかなという感じで、特に基礎的という言葉についてまた吟味をしていかなければいけないのではないだろうかと考えました。
 以上です。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。
 じゃあ、無藤委員、お願いします。

【無藤委員】
 今と同じところですけど、その前に、幼稚園のところは前回欠席してペーパーを出したところをいろいろ反映させていただいたようでありがとうございました。
 小学校といいますか、義務教育のところの目標規定をどうしていくかということですけれども、2つのことなんですが、1つは、私は例えば現行の18条のところですと、日常生活云々というのがたくさん出ているわけですけれども、このあたりもなかなか難しくなっているのではないか。
 現代生活における日常生活と考えたときに、小学校の内容がそれに合っているかどうかとまじめに問うとなかなか難しいわけで、それより、義務教育は9年間ですので、その前半としての小学校において相対的に基礎的なところを扱うとなるべく大まかにというんでしょうか、抽象的にといいますか、そういうふうに学校教育法では規定して、具体的には学習指導要領でこう記載していくと。学習指導要領のほうは10年に一遍なりもっと細かく修正できるわけですから、そのほうが現実的ではないかというのが第一に思います。
 もう一点は、もうちょっと細かいといえば細かいのですが、現行の学校教育法と学校教育法施行規則で、つまり18条のところと施行規則の24条というのは、つまり小学校でいう教科の対応のところが見えるわけですけれども、1つ気になるのが、総合的な学習についてどういう根拠で学校教育法にあるのかと思うと、あるようなないような気がするわけですね。今の18条の1号から8号が各教科に別に一対一対応する必要はないので、総合的な学習に対応する号をつけるという意味ではないんですけれども、学校教育法上の何かそういうことをやる上での根拠となる表現がどっかにはあったほうがいいのではないかと思っています。
 以上です。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。
 じゃあ、井上先生。

【井上委員】
 ありがとうございます。
 義務教育のご意見が集中しておりますので、高等学校教育の目標について意見を申し上げたいと思います。
 高等学校については初中分科会でも随分議論が行われましたとおりに、多様な生徒が入ってきているということから、高等学校教育自体も高等学校改革で多様化が進行しているわけでございますので、義務教育のように教科を見渡した目標を立てることが困難であるということは前回も申し上げましたし、また、高等学校の目的についてはある意味でその教育内容、学校での普通教育及び専門教育を施すということにその目的がございますので、そういう点を踏まえて、教育基本法に教育の目標の規定が置かれたこと、あるいは、小中学校の目標規定の改正等を踏まえた上で、中学校教育の基礎の上に進路を決定したり専門的な知識、技能を高めたりといった高等学校の機能をとらえることは可能だと思うわけでございます。
 その意味で、現行の高等学校教育の目標規定、現行では42条でございますが、それを前提とした骨子案というのは、総合的、包括的に規定するという意見を前回申し上げましたが、そういう意味でもこの原案でよろしいんじゃないか、このように考えております。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。
 じゃあ、安彦委員、お願いします。

【安彦委員】
 2つ申し上げたいと思います。両方とも目的についてですけど、小中高ともですが、義務教育というカテゴリーでくくってしまったものですから、現行の学校教育法では小中高とも「心身の発達に応じて」という文言が入っております。これは大変重要な、歴史的にも重要な文言でして、明治の半ばごろからこの心理学的な配慮をするんだということで入った文言です。したがって、このことがもし義務教育というカテゴリーでくくってしまいますと取れてしまう危険があります。この点はやはりちょっと考慮すべきではないかと思います。
 2つ目は、小中高につきまして、義務教育でくくるということも関係はするのですけれども、初等普通教育、あるいは、高等・中等普通教育という、こういう文言が現行にございますけれども、この初等教育あるいは中等教育、高等教育というカテゴリーは教育制度学的には割合普遍的な、グローバルなコンセプトでありまして、そういう意味ではそういうコンセプトでくくる必要もどこかであると思います。そういうニュアンスを組み合わせていただかないと、多分義務教育という言葉だけでやってしまうのでは済まないのではないかと思っております。
 特にそれを中学校と高等学校の場合に区分するときに、従来、臨教審以後も、中等教育の前期と後期という区分をしてまいりましたけれども、そういうコンセプトを持っていないとちょっと2つを分けることが難しくなるような部分が出てくると思っておりまして、その点、今後詰めていただきたいと思います。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。
 それでは、陰山先生。

【陰山委員】
 ありがとうございます。
 今回の改正教育基本法の中で私も非常に重要なのは義務教育の目標というか内容がかなり具体的に規定をされて、自立的に生きる基礎を培いということ、それから、国家及び社会の形成者として必要とされる基本的な資質を養うというようなところ、非常に大事なことだろうと思っています。つまり、義務教育を受ければ社会的にちゃんと自立して生きていけますよと。そういうことからすると、ここに書かれてくる学校教育法はそれの具体化ということになろうかと思うんですね。
 そうなってくると、これは実は以前からもそうで、私は一つ気になっていたのは、この中に法律がないんですよ。国家、社会に寄与するときに、全部これは態度なんですよね。ところが、実際問題、実社会に出ていきますと、すべては態度というよりも、いろんな態度がありますから、それをすべて調整するために法規法令にのっとってすべてが動いていくということがあろうかと思うんですね。そこのところから、権利であるとか義務の問題とかも発生してくるわけですけれども、そこのところがないと。だから、それぞれみんな好きな思いで、これは権利だ、これは義務だということを言ってきてしまうところがあると思うんですね。
 ですから、社会的に自立して生きていくためにやはり法規的なものをきちんと学習させる、私自身は個人的には例えば刑法や民法の幾つかのものについてはやはり知っておくべきだろうと思うんですね。
 ですから、そういうものを考えますと、もう少し自立的に生きる基礎とは何なのかと少し丁寧に見ていただくと、この改正教育基本法によって新たに盛り込まれてくる内容というのはもうちょっとあるような気がします。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。
 今のご指摘の点は1ページの2つ目の丸の一番初めのポツですね。ここのところのちょっと表現を今おっしゃったような趣旨で少しまた検討していただくと、それでどうかなと思ったりいたしました。
 休憩の前の最後のご発言、ちょっと田村先生、お願いいたします。

【田村副分科会長】
 ありがとうございます。
 実はどなたががおっしゃらればもういいと思っていたんですが、あまりお触れになってなかったものですから、4ページの学校の評価にかかわるところなんですが、つまり、学校が自主的に活動するということのために評価と公表があるということを明示しておく必要があるんじゃないかと考えております。
 つまり、実際自由にやるという場合はそのための弊害というのが心配になるわけですけれども、評価と公表でもってそれが防げるから大いに頑張りなさいと、こういう趣旨を明示しておく必要があるんじゃないかと思いまして、ちょっとそのことだけ発言させていただきました。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。
 まだこの学校教育法についてもあるかと思います、皆さん。しかし、かなりこれは明確になってきたなという気もいたしますので、きょうの議論も踏まえてもう一段回シャープに事務局のほうで整理していただきまして、次回にまたこの議論の続きをしたいなと思います。
 では、ここで一度休憩にしたいと思います。一応15分とあれですので、44分ぐらいから始めたいと思いますので、すみません、よろしくお願いいたします。

(休憩)

【梶田分科会長】
 申しわけありません。皆さん、急いでいただいて申しわけありませんが、審議を再開したいと思います。
 地方教育行政の組織及び運営に関する法律の改正の方向につきまして、これは随分いろいろと議論が前回もありましたし、過去ずっと教育制度分科会で1期、2期、3期とこの問題を議論してまいりました。
 これを踏まえて、かなり事務局の方で論点を方向づけをしていただいております。これにつきまして、この資料、きょう資料が出されておりますので、地教行法の改正プロジェクトチームリーダーの尾ざき課長からご説明をお願いいたします。

【尾ざき財務課長】
 ご説明を申し上げます。
 お手元の資料3「地教行法の改正の方向について」という資料をまずごらんいただきたいと思います。また、前回、石井委員のほうからご指示のありました資料につきましては、参考資料ということで後ほど簡単に触れさせていただきたいと思います。
 まず、資料3でございますが、「地教行法の改正の方向について」ということで、前回お示しをいたしました主な検討事項を可能な限りもう少し具体的にできるところはしているということでございます。
 まず1つ目の柱でございますが、「教育委員会の責任体制の明確化」ということで、1つ目、「地方教育行政は、国との役割分担・協力の下、地域の実情に応じて、公正・適切に行われなければならないこと」。これは教育再生会議のほうで使命・責任を明確化すべきだというご指摘がありましたけれども、あわせまして、先の国会で成立をいたしました教育基本法の16条で、国と地方公共団体の適切な役割分担及び相互の協力の下に教育行政が公正かつ適切に行われなければならないという新しい規定が設けられたことを受けて、こういう規定の案を考えているところでございます。
 次の丸でございますが、これも前回、役割・責任の明確化についてということでお示ししたものを少し具体化したものでございますが、「地域の基本的な教育方針・計画の策定や教育長の事務執行状況の評価など合議制の教育委員会で決定する事項を明確化する」ということでどうだろうかということでございます。これも平成17年10月の中教審答申で合議制の教育委員会が監視・評価する機能を持つことを明確化する必要があるという答申の内容を受けたものでございます。
 2つ目の柱でございますが、「教育委員会の体制強化」ということで1つ目の丸ですが、「教育委員会は、第三者の知見を活用しつつ、教育委員会の事務の点検・評価を行い、議会に報告すること」。今ご説明申し上げた1つ上の丸を受けまして、教育委員会みずからが執行する事務と、教育長に任せて執行する事務の評価を教育委員会が行うというものをあわせて評価をして、それを議会に報告するということを記しているわけでございます。これは教育再生会議のほうでも自己評価、第三者評価等の指摘があることを踏まえたものでございます。
 次の丸は、「市町村は、組合、広域連合、機関の共同設置などにより、広域で教育行政事務を処理することに努めること」ということで、そこに例示と挙げました組合、広域連合、機関の共同設置というのは地方自治法でもともと認められております広域処理のそれぞれの仕組みでございます。それを例示としてつけ加えているということでございます。
 次の丸、「市町村教育委員会に指導主事を設置しなければならないこととすること」。これは新しいものでございますけれども、もともと平成17年10月の中教審答申の中で指導主事など事務処理体制の強化ということが触れられていることを含めまして、また、先の国会でいろいろと問題になりました学習指導要領が守られていない事態だとか、そういったことについて指導面でのバックアップの体制をとるということもあわせまして、こういう柱を設けてございます。
 また、次でございますが、「教育委員の責務を明らかにするとともに、文部科学大臣・都道府県教育委員会は、教育委員の資質向上に努めること」。これはもう実務上行われている話ではございますけれども、教育委員の資質向上のための方策として研修を充実することというのが中教審答申でも、再生会議の方からも指摘をされていることを受けまして、文部科学大臣が都道府県、市町村段階の教育委員さんに対して、都道府県教育委員会が市町村の教育委員さんに対しまして研修を設けるなど資質向上に努めるということを想定をしております。
 次の「教育における地方分権の推進」という柱でございますが、これも前回、委員数の弾力化ということで申し上げた点でございますが、教育委員の数につきまして、「5人を原則としつつ、都道府県・市の教育委員会は6人以上、町村の教育委員会は3人以上」とするような弾力化を考えてはどうかということが1つございます。また、保護者が必ず含まれるようにすることとしております。これは現在でも地教行法の中で保護者を含むように努めることとなっておりますので、それを一歩進めて、これは再生会議の提言などを受けておりますけれども、必ず含まれるというふうにしているところでございます。
 次のページをごらんいただきたいと思います。一番上の丸でございますけれども、教育委員会と首長部局との弾力的な所掌の分担ということでございますけれども、教育委員会の所掌事務のうち、文化財保護を除く文化、それから、学校における体育を除くスポーツに関する事務は、地方公共団体の判断により首長が担当できるようにすることということでございます。これも中教審答申を受けたものでございます。
 また、次の丸、首長の私立学校に関する事務のうち、学校教育に関する専門的な指導・助言・援助については、私立学校の独自性、特性を踏まえてその自主性を尊重する、これを当然の前提として、首長の求めに応じ教育委員会がその専門的な指導・援助・援助ができるようにするということを柱としてございます。これは先の国会でも議論になりました学習指導要領が守れない事態ですとか、そういったものについて専門的なアドバイスの機能、首長部局でなかなか充実していない点を踏まえましてこういったものを柱としているところでございます。これは党のほうでも提言をいただいているところでございます。
 次の丸ですが、「県費負担教職員の人事に関し、一定の人事に関する権限を市町村教育委員会に移譲すること」。この人事権という言い方でこの移譲のことが従来語られてきたわけでございますけれども、教育再生会議のほうの提言の中で一定の人事に関する権限という言い方がされております。その人事の内容として、注で「分限、懲戒、採用、昇任、転任」、いろんな場面があるわけでございますけれども、一応議論の参考ということで人事権の内容というものを注としてつけさせていただいております。
 次の2つの丸でございますけれども、「都道府県教育委員会は、県費負担教職員の人事に当たり、市町村教育委員会の内申を尊重するものとすること」。また、「市町村教育委員会は、内申に当たり、校長の意見を尊重するものとすること」。これは人事に当たりまして、校長先生の意見具申を市町村教育委員会が受けとめて、この市町村教育委員会が内申として都道府県教育委員会の方に上げていくという、この仕組み自体は尊重するというのが現在の解釈でもそうでございますけれども、それを明記するということでどうかということでございます。
 第4の柱でございますが、「教育における国の責任の果たし方」ということで、1つ目の丸でございますけれども、「文部科学大臣・都道府県教育委員会は、地方自治の原則を尊重しつつ、都道府県教育委員会・市町村教育委員会の事務が法令違反や著しく不適正な場合に限り、全国的な教育水準の確保や教育事務の適切な実施のため、是正の勧告や指示ができるようにすること」。これは前回お示しした検討事項とあまり変わっていないかと思います。
 次の丸でございますけれども、「教育委員会や学校等の教育機関は、文部科学大臣・都道府県教育委員会が行う調査に協力するものとすること」。これもいじめについての調査等、なかなか困難なところがあったことを踏まえまして1つの柱としてございます。
 その下の丸でございますけれども、「文部科学大臣は都道府県教育委員会の教育長の任命について、都道府県教育委員会は市町村教育委員会の教育長の任命について、一定の関与を行うこと」。これは教育再生会議の提言の中で柱としてあるものを前回と同様に挙げているものでございます。
 以上でございます。
 それから、石井委員から前回ご指示のありました過去のこういう教育委員会制度の見直しに係るいろんな提言につきまして、お手元の資料の参考資料3から7までがご指示のあった資料かと思います。
 簡単にご紹介を申し上げますと、参考資料3と参考資料4が平成8年、9年にわたりましての地方分権推進委員会の第1次勧告、第2次勧告でございます。第2次勧告の中では教育委員会制度に関わる具体的な指摘というものがあるわけではございませんが、第1次勧告のほうは、後ほどご説明申し上げますけれども、教育委員会制度に係る具体的な提言が盛り込まれてございます。
 参考資料5が、そういった地方分権推進委員会の勧告も受けまして、平成10年の中央教育審議会におきまして今後の地方教育行政の在り方についてまとめられた答申でございます。これも後ほどまとめて簡単に触れさせていただきたいと思います。
 以上、申し上げましたように、大体参考資料の3、4、5、これが一つのセットとお考えいただければと思います。そして、これを受けた結果、どういう制度改正がなされたかというのが参考資料6でございます。また、参考資料7は先ごろ2月15日の規制改革会議の方から示された見解でございますけれども、ご説明を申し上げますのは、参考資料3、4、5、地方分権の推進委員会あるいは中教審答申を受けてどういう措置をとってきたかという参考資料6をごらんいただきたいと思います。
 まず、一番上でございますけれども、教育長の任命承認制につきまして、これは先ほど柱として「改正の方向について」の中でも関与という形で1つ立ててございましたけれども、これにつきましては、地方分権推進委員会の第1次勧告の中で、国と地方公共団体の新たな関係について提言がなされた中の一つの事項でございます。これについては廃止をするということで、この右にございますとおり、地方分権一括法後はこの地教行法がその中で改正をされまして廃止をされているということでございます。
 次の四角でございますけれども、機関委任事務にかかわる指揮監督、これは旧地教行法に規定がございまして、大臣から首長さん、教育委員会に対して、機関委任事務について指揮監督が及ぶという規定があったわけでございますけれども、なお、その規定につきましては1枚おめくりいただきますと次のページにつけてございますが、この一般的な指揮監督につきましても、この地方分権一括法の中で機関委任事務そのものが法廷受託事務という形で姿を変えまして廃止になっております。その廃止を受けまして、この大臣の指揮監督権というのはすべての行政分野にわたって廃止になっているということでございます。
 点線の四角を1つ飛ばしまして、その下に措置要求という枠がございます。これは旧地教行法の52条にあったものでございますけれども、これは発動の要件といたしましてそこにございますとおり、1つは法令違反、もう一つは著しく適正を欠き、かつ、教育の本来の目的達成の疎外を認めるとき、このどちらかの場合に措置要求という格好で当時の文部大臣が長または教育委員会に対して措置を要求できるという規定がございました。措置を講ずることを求めることができるということでございました。
 これにつきましては、その上の点線の四角をごらんいただきたいと思うんですけれども、その時点ではこういった形での文部大臣から地方の長、教育委員会に対する措置要求といったようなものは一般的な行政分野では設けられてございませんでした。当時はこういった形ではなく、総理大臣経由の権限があったりしたんですけれども、この地方分権一括法のときに、国の地方への一般的な関与が法定をされました。いわゆる俗に言われます一般ルールということになるわけでございますけれども、この一般ルールによりましてその中括弧でくくってございます3つでございますね。上からだんだん権限が強くなるわけでございますが、技術的な助言・勧告、資料の提出要求、是正の要求と、こういった関与が法定化されたわけでございます。
 その是正の要求というものが今ご説明を申し上げました左にございます措置要求と非常に似てございますけれども、ごらんいただきますとおり、大臣から長・教育委員会に対して是正の要求をする。そのときの発動の要件が1つは法令違反、これは措置要求のときと同じでございます。もう一つのほうが、「著しく適正を欠き、かつ、明らかに公益を害していると認めるとき」という形で、これは教育行政に限らず、すべての分野にわたって地方自治法の中でこういう是正の要求というのが設けられたわけでございまして、それに、他の行政分野と同様にこの措置要求の権限を吸収させたという格好になっているわけでございます。
 その次でございますが、指導・助言・援助につきまして地方の裁量を重んじるという観点から、従前の地教行法の中では必ず大臣が行うものとするとなっておりましたのを一部変更いたしまして、必要に応じて行うことができるということに変更しております。
 一番下の調査、資料・報告の提出については変更がなしということでございます。
 繰り返しになりますけど、分権一括法に結びつく前段階として、地方分権推進委員会、中教審答申等をたどってきたわけでございますけれども、制度改正としてはこの一覧にあるようなものが当時の制度改正として実行されたということでございます。
 ご説明は以上でございます。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。
 これから皆さんにご意見をいただきますけれども、ちょっと再確認のために申し上げておきますが、これは教育行政をどうするかということなんですけれども、2つお互い念頭に置かなきゃいけない原理、原則があるなと思っております。
 1つは、ナショナルミニマムとローカルオプティマムをどう両立させるかということですね。つまり、国としての教育水準の維持ということと、やはり分権ということで都道府県、市町村、こういうものがどういうふうに腕を振るうかという、この問題が1つございます。
 もう一つは、地方教育行政、国の行政も地方の行政も結局学校を支えるという、つまり学校が生き生きしている形で機能しなければどうにもならないわけですね。角を矯めて牛を殺すようなことがあっちゃいけない。国の権限だ、地方の権限だと言ってて両方の権限で学校ががんじがらめになったら、角を矯めて牛を殺してしまうようなことになる。それじゃあ困る。
 この2つの視点はもう前回も出ておりましたが、皆さん、十分に念頭に置いていただいていると思いますが、どうかこの2つの点、ローカルオプティマムとナショナルミニマムを両立させるということと、もう一つは、学校というものが生き生きとやっていくように下支えするのが教育行政だと、国だろうと地方であろうと。このことを念頭に置いていただきましてご意見をいただきたいと思います。
 それでは、どなたか。どうぞ。

【寺崎委員】
 ありがとうございます。
 教育委員会の体制強化ということで、小学校ですが、学校現場の立場からお願いといいますか発言をさせていただきます。
 教育委員会が私どもから見たときに非常に頼りになる存在であってほしいというのが常々思うところですが、現実に今日さまざまな課題が学校に投げかけられてくる折に、私どもがいわゆる危機管理ですね、学校で起こってくる親のさまざまな苦情だとか、一般的に言えば文句だとか、理不尽な要求だとかというものが及んできたり、時には裁判にというような話になることも結構あります。都道府県によっては、校長が退職前にかなりやめていく県も実際にはあるのはそういった背景があるという話は聞いております。
 そういう意味で、教育委員会の体制強化という意味で、何か学校にそういう危機が及んだときに、チームあるいはグループで素早い対応をし、学校を守っていくようなシステムなりサポートする体制なりをあるいは作る必要があるんではないかと思っております。
 ここのところで、指導主事を設置ということはもちろん当然のことなんですが、指導主事は主に教諭をもってあてる、つまり学習指導や生活指導の専門家であって、そういう状況に対応できるような資質、能力は当然持っていないわけです。学校長も平たく言えば教員になったときには校長に、経営者になるという思いで初めからなったわけではありませんので、必ずしもそういうところに専門家ではない。現在は当然経営者としてのマネジメント能力というものが求められているということは十分にわかっているわけですけれども、そのあたりの危機に対してスピードかつ十分なサポートのできるような体制強化を図っていただきたいなと思っております。
 今申し上げたことがこの地教行法の改正の法律のレベルで申し上げることなのかはわからないんですが、少なくともそういうところに及んでいくような改正をしていただきたい。現場の願いです。

【梶田分科会長】
 寺崎先生、ありがとうございました。
 それでは、井上先生。

【井上委員】
 前回、地方教育行政については地方自治というものを尊重すべきだというご意見が出まして、時間の関係で発言しませんで、その点について申し上げたいと思います。
 最近のいじめ問題、あるいは、高校の必履修科目の未履修問題、山梨県の政治的行為問題などを所管する教育委員会の事実調査、あるいは、改善の措置、事後措置などについて多くの教育委員会は適切な対応をしていることと思いますが、中には必ずしも迅速、適切な対応をしていないようなところもなきにしもあらずでございまして、そういう点で地教行法では先ほど説明がありましたように指導・助言・援助をし、また、地方自治法の是正の要求をすることができるわけですが、ただこれらはいずれもそれを受けた教育委員会側の裁量によりまして、どういう措置をとるかというのは地方教育委員会の判断にゆだねられているわけで、果たしてその措置が十分法の趣旨なり教育本来の目的からいって妥当な措置であるかどうかというのは必ずしも保障がないということになると思うわけでございまして、そういう場合に、国の責任を果たす上でそれだけでいいのかという問題はどうしても残ると思うわけでございます。
 そこで、改正された教育基本法16条1項では教育行政は国と地方公共団体の適切な役割分担及び相互協力のもとに公正かつ適正に行わなければならないということで、国と都道府県教育委員会なり市町村教育委員会の連携協力関係が強調されておりますが、それとともに、2項では国は全国的な教育の機会均等と教育水準の維持向上を図るため、教育に関する施策を総合的に策定し実施しなければならないということで、国の教育政策の実施責任があり、公正かつ適正にこれを実施する必要があるということになると思います。
 そこで、国が具体的に教育政策は、例えば義務教育費を国庫負担し、あるいは、教育課程の基準としての学習指導要領を制定し実施していることなどを考慮いたしますと、地方教育行政についての国の責任の果たし方が現行法の規定でいいのかどうか。例えば、是正要求がたとえあってもそれはあくまでも地方教育委員会の判断で、そこの裁量による措置が十分でない場合にはその本来の目的を達成するように是正の指示、すなわち、その指示に従う義務が生ずる是正の指示を出すことも場合によっては必要になるのではないか。こういう観点からさらに検討する必要があると思うわけでございます。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。
 じゃあ、中村教育長、お願いします。

【中村委員】
 まず、2ページの上から2つ目の丸で、私立学校に対して首長の要請に応じて教育委員会が指導・助言・援助と書かれておりますけれども、東京都の場合で恐縮ですけれども、半分が公立で半分が私立という状況ですので、たとえ知事からあの学校を調べてよと言われても、助言はできるかもしれませんけれども、指導・援助ということになるとこれは、田村先生がいらっしゃいますけれども、大変なことになってしまうんじゃないのかなと。だから、知事に対して報告だとか何かはできるかと思いますけれども、もう公立と私立が本来どうあるべきかから論じないとなかなかこれは解決しないんだろうなと思います。
 それから、次の丸で、一定の人事に関する権限を移譲する。この採用、昇任、転任と書いてありますけれども、ここが従前から権限を市町村に渡そうということで非常に大問題になっておりますので、私の個人的にはこの分限だとか懲戒はそれぞれの現場で一番事情に詳しい教育委員会がやるということについては可能なのかなと、こんな感じは持っております。
 それから、その下から3つ目で是正勧告、これは現在地方自治法245条があるわけでして、これですと公益を害すると認めるということで抽象的に書いてあるから発動しにくいと、こういうことがおありでしょうけれども、これは教育の問題だけではなくて保健行政にしてもみんなそうだろうと思うんですね。だから、これは教育だけで論ずるんじゃなくて、地方自治法の問題として別途徹底的に論じたほうがいいんじゃないのかなと思います。
 それから、一番下の教育長の任命については、これはまさに資料6にあって廃止されたのがまた復活するんだなということで、今までのいろんな会議も何のためにやったのかなという疑問を持たざるを得ないと思います。
 それから、1点、これは文科省のほうでぜひ調査をしていただきたいんですけれども、どうも教育委員会不信感がありまして、どこからもチェックを受けてないんじゃないかと、こういうふうなお考えが一部おありのようですけれども、例えば議会との関係でも、これは教育委員長あるいは教育長が常に議会に出席して質問を受けチェックを受けているわけですね。だから、どの程度教育委員会が議会に関与してるのか、こういう実態を一遍調べていただいて、じゃあ、議会の権限が今及んでないのかどうなのか、この辺も一遍明らかにしていただきたいなと思います。
 以上です。

【梶田分科会長】
 大事な点、ありがとうございました。
 ちょっと私立学校の問題、これは教育行政の中にどう位置づけるかはとてもなかなか大変な問題がございます。ちょっと田村先生の方からご発言いただきます。

【田村副分科会長】
 ありがとうございます。
 今、中村教育長さんの方からのお話がありましたので、私立学校にかかわることについての自分の考えを少し述べさせていただきたいと思います。
 私立学校というのは実は戦後60年間、言い方は悪いんですけど、放っておかれたわけですね、大変申しわけないんですけれども。放っておかれたと言っていいぐらいにきちんとした行政的な対応が行われていなかったという状態がありました。
 ただ、それはいい面とあんまりよくない面があったという結果を生み出しました。いい面というのはあまり規制が厳しくないので、もし公立だけだったら生み出されなかったような新しい教育的な実験が私立でできたという、中高一貫教育とか帰国生徒に対する教育というのは、きちんとルールどおりにやれというとこれはなかなか難しい面があったわけですね。それをやってみて、何とかルールにそんなに違わないでもできるようなことができましたよということが現状あるわけです。ですから、中高一貫教育というのは公立学校でも利用して活用し出したという歴史がありますし、帰国生徒教育も結局公立でも全国的にいろんな形で対応してきたという歴史的事実があるので、放っておくという言い方はちょっと悪いんですけれども、厳しく監督しないというか、そういうようなことのメリットだったというような気がします。
 もうちょっと言いますと、実は戦後の教育行政の中で宗教教育というのはタブーみたいになっていたんですね。特にキリスト教系の学校ははっきりとその特色を打ち出すということで、当初は占領軍がそういう意図があったようです。ですから、文科省もちょっと遠慮されたという部分がいろんなところで伺えるんですね。それがまだずっと残ってきているということもあります。
 ですから、いろんな問題が重なってきたんですけれども、今回未履修の問題が出まして、今までどおりじゃちょっとどうしようもないなというのが率直に私学関係者も考えております。ただ、うまくひとつ対応していただいて工夫をしていただきたい。例えば、文科省のやり方で言えば指導・助言・援助というのがセットになっているわけですけれども、最初、私立には助言・援助ぐらいから対応されるというのが一番いい効果のある方法ではないかなと感じます。それから、自主性、独自性というのもやっぱり考えてそれを尊重して私学教育が、つまり角を矯めて牛を殺すような結果にならないように工夫していただくと。その辺からお考えいただく仕組みなのかなと思っているんです。
 ただ、これは実際上、今度は28日に私学の代表が来ていろいろと意見を言ってくると思います。それはもう一切自由にさせろというような極端な話から、実は私学の中でも意見が分かれていましてかなり幅の広い対応があるんですね。公立の現状やっておられるとおりというわけにはいかないだろうと思いますので、そこのところはぜひひとつこの会で議論していただいて、いい結論を出していただければと思っているところです。
 ただ、今ここに出ている表現はかなりそういうことを配慮されて書かれているなという感じは持っております。ですから、これは具体的にこれからひとつ詰めていただければ大変ありがたいと思います。
 それから、発言ついででもう2つほど申させていただきますが、4.の下から3つ目の丸のことなんですけれども、これは何かほんとうにぐあいが悪いときにやっぱり国が口を出すというのはあってしかるべきだと思います。地方自治は原則でありますし、分権を大事にしなきゃいけませんけれども、前回は交通事故のお話をしたんですが、今回は鳥インフルエンザのお話をさせていただきたいと思います。つまり、保健、生命の安全などは地域でやれることと、鳥インフルエンザが起きたら地域じゃできないということがはっきりして、結局国でやらなきゃならないという実例があるわけですね。ですから、1回地域にゆだねて、もう一回その部分は国がやるということにやり直しているという状況があるわけです。
 ですから、今の教育というのは情報化がすごく進んで、それこそ九州や北海道の山の奥で起きたことがあっという間に全国に広がるんですね。それが全国に教育的に大きな影響があるという場合にはやっぱり国が動かないとどうしようもないんじゃないかというような実感を持っていますので、これは地方自治を大事にするという前提ではあるけれども、やっぱり何らかの形のものも国が考えるべきではないかという私は個人的に感じております。
 それから、余計なことですがもう一つ言いますと、調査に協力するというやつですけれども、これはもう当然のことだと思いますが、ただ、調査が多過ぎるという現場の意見もあるんですね、実際、いろんなところでそれは実感しますし、ほんとうに多いんですね。だから、これを決めるんだったら、なるだけ調査はしないけどというのを一言入れておかないと、必要だと思ってもこれだけやられちゃうとというのは本当にいろんなところで出てきますので、それをちょっと入れていただく必要があるのか。ただ、具体的にどうしたらいいかというのはちょっとまだ知恵がないんですけれども、そんな感じを持っております。
 ありがとうございました。

【梶田分科会長】
 押尾委員、それから、高倉委員、門川委員、その順番で。押尾委員、先に。

【押尾委員】
 教育委員会の内部にいる人間として、今回出されてきましたものについては大まかよろしいのかなというような印象を持っています。やはり教育委員さんと教育委員会事務局というのはやはりある程度緊張関係でいるべきだろうと。やはり委員さんはいろんなさまざまなところでご活躍なさった方が出てきますので、そういう方々のものの見方で教育委員会がどう今後進むべきかと、事務局がどういう方向で行くかをきちんとチェックしていただくような、そういう関係でいるのがいいのかなと思います。ですから、やはり教育長と教育委員の仕事、事務職の状況とか、さまざまなものについてはきちんとある程度分けていくべきかなと思っております。
 また、私どもも教育委員そのものは議会の選任同意を得ていることもありますし、また、議会でも教育長は必ず答弁をしますし、また、常任委員会のような委員会では私どもは教育委員まで出てその場で発言を求められるというような状況もございますので、基本的には議会の先生方からのきちんとしたチェックを当然受けているわけでございますので、ですから、やはり教育委員会というのはただほんとうに外局で別でやっているのではなくて、やはりきちっとした行政組織の中の一環でやっているということを改めてもうちょっときちっと言っていかないと理解をしていただけないのかなという思いがしております。
 また、指導主事を置くということについては非常に賛成でございます。なかなか指導主事が今忙しくなりまして、なかなか学校の支援に行かれないという状況が起きております。やはり指導主事をどこの市町村でも皆さん置いて、学校をそれを支えていくという方向を見せない限りは、やはり学校がやらされている感を持ってしまうのかなと思いますので、指導主事を設置するという方向でぜひ進めていただければと思います。
 教育委員の数につきましては、保護者が必ず入るというのは非常にいいと思います。私どもも保護者が入っております。保護者の目で見て意見を言っていただけるのと、また、年齢層もばらばらになっていますので非常にさまざまな角度からのいろんな教育委員会事務執行についてのお話を伺うことができます。
 ただ、その場合、3人というのは果たしてほんとうにいいのかなと。教育長が入ってしまうと、教育長と委員長ともう一人保護者の方というと、これでもう終わってしまうというのがありますから、そうすると基本的に原則は5人で、あと、それぞれの町村にある程度数をゆだねていくというのも一つの方法かなと思います。
 ぜひこういう方向でやっていただければと。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。
 じゃあ、高倉先生。

【高倉委員】
 資料3の順番で簡単に意見を述べさせていただきます。ご指名、ありがとうございました。
 最初に、3.の一番上の丸、今保護者のお話が出ました。この件についてですけれども、教育委員会制度が導入された非常に早いころのことを思い出しますと、ポピュラー・コントロールという言葉がキーワードとして使われまして、レイマン・コントロールという言葉というのは地教行法以降になって使われた言葉だと私は大体理解しているわけです。
 ということになりますと、保護者が必ず含まれるというようなことをここで考えていくという場合に、レイマン・コントロールはもちろん大切な原理でございますが、かつてポピュラー・コントロールというキーワードでもって教育委員会制度が論議されたということについてもう一度とらえてみるということが必要なのかなということを感じております。これは感想であります。
 それから、2番目。私立学校についての事務のことがここで問題になっております。このことにつきましては、また私、大昔の話ですが、臨教審絡みで活性化の論議を調査研究協力者会議でやったときには、これは当時補助執行というのが4つの県で行われていたと記憶しておりますけれども、そういう形でもってメリット、デメリット等々について議論したことを思い出すわけでございますけれども、補助執行云々というようなことは今日どういう形になっているのかということについてもどこかでご説明をいただきながら、私立学校に関する事務の問題もご説明いただけると非常にわかりやすいなと思っております。
 最後になりますけれども、先ほど中村委員から教育長の任命ということ、また出てきたなというような、そうはおっしゃいませんでしたけれども、そんな感じで私は受け取らせていただきました。これも私は臨教審の後の活性化論議のときの調査研究協力者会議の中でやりました。そのときは、なぜ任命承認制が行われるのかということの理由がはっきりしておりまして、かつてありました教育長の免許制、免許によって資格が担保される、その後の任用資格制度、そういったものが廃止されたので、それにかわるものとして教育長の任命承認制というものをとったんだという考え方。しかし、それと同時に、説明の中ではこの任命承認制をてこにして、国、都道府県、市町村の連携を密にするというねらいもあるんだという説明を受けました。それは副次的な説明でございました。
 私がここで申し上げたいのは、「国の責任の果たし方」というところでこの任命について一定の関与が出てきているわけでございます。したがいまして、私はここで一定の関与を行うという説明をどういうふうにするのか、かつて、繰り返しになりますけれども、免許制度があったというものが廃止された、それにかわるものとして云々というような説明の仕方がなされておりましたけれども、それはそれで具体的でわかりやすいわけですが、一定の関与を行うその説明をどう行うのか、ここではおそらく国の責任の果たし方ということで一定の関与を行うんだということでこれは結びついてくると思いますが、それでは揚げ足を取るようになってしまいますけれども、それでは都道府県が市町村教育委員会の教育長を任命承認するということは国の責任の果たし方とどう関係するんだというような、そんな話も出てくる可能性が大いにあると思いますので、このあたりをよくわかるような説明をしていただければ大変ありがたいと思います。
 ありがとうございました。

【梶田分科会長】
 私学行政についての補助執行という、どなたか、すみません。では、ちょっとご説明ください。

【尾ざき財務課長】
 申し訳ございません。ちょっと今手元に資料がございませんが、今、高倉委員からご指摘がありましたとおり、補助執行を首長部局の事務を教育委員会が補助的に執行するというのは、たしか現在でも4件であったかと思います。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。そういうことであります。
 それでは、門川委員、それから、高橋委員、小川委員、そして、石井委員と、あと、こちらに行きます。すみません。どうぞ。

【門川委員】
 日本社会というのはよく対立軸を好まはるようで、今回も地方分権か国の責任かというように、マスコミ等であたかも対立軸のような議論が行われているようですけれども、学校現場に根ざして子どもに視点を当てて議論すれば、そんな対立軸ではないんじゃないかなと思います。もちろん地方分権、地方が創意を生かし当事者意識を持って教育をしていく地方分権の流れというのは一番大事であります。
 同時に、法令違反であるとか著しく問題のある場合に国が一定の役割を果たすことも必要になるのではないかと思うのです。学校現場で子供の人権が侵されている、責任が果たせてない、法令違反、ないしは、それに準ずるような状態があるというときには、本来は地方の教育委員会が責任を果たして是正すればいいわけでそれが大切ですけれども、それも是正しないというときには、国が是正することができるようにする。これは百年に一遍もないほうがいいわけですけれども、そのことが対立軸になるとはあまり思わないわけです。
 ただ、より丁寧にするために、例えば文部科学省がその権限を発動するときに、丁寧な説明をする、地方の求めに応じて説明責任を果たすとか、あるいは、第三者の専門、外部の関係者の意見を聞いてから発動するとか、そういうことは担保しなければならないと思います。
 それで、規制改革会議の2月15日付の見解である参考資料7の2ページ目の一番上のほうを今読ませてもらっているんですけれども、2行目の「特に児童生徒・保護者の権利・利益を保護する観点から、いわば非常時対応の『伝家の宝刀』的な位置づけとして国による一定の担保措置を設けておく必要はあろう」というように規制改革会議が言うてはって、「裁量行政的な上意下達システムの弊害を助長することがあっては断じてならない」と、これはこのとおりだと思います。そういうことでこの表現は妥当じゃないかなと思うのです。
 ただ、今の「著しく明らかに公益を害していると認められるとき」というのは、教育という中身は非常に価値観に左右されますので、だれが見ても明らかだというのはなかなか判断が難しいんじゃないかなと思います。誰が見ても人権が侵害され切ってからしか対応できないようなことではなしに、教育の本来の目的達成の阻害を認めるときには対応できる制度は必要であります。それでもって国が、文部科学省が裁量権を自由にして、現場、地方を制圧していくというようにはならないんじゃないかと。ただ、その時に厳格な手続とか説明責任を果たすことをきっちりと制度として担保せねばと思います。
 それと、この文章を読んだときにちょっと気になることが書いてあるんですね、規制改革の会議の見解の2ページ目の1行目ですけど、「昨今の教育委員会の法令無視、閣議決定事項無視の由々しき現況に鑑みれば」の部分です。これはちょっといささかゆゆしき表現でございまして、未履修問題については教育界全体が反省すべきことであると思います。法令無視は絶対に許されません。ただ、閣議決定事項無視というのが気になります。閣議決定については法的拘束力があるのかどうか、私はないと思います。内閣は拘束しますけれども、地方の自治を拘束するということではなかろうと思います。
 また地方分権一括推進の平成8年12月20日の資料も読ませていただいているんですけれども、地方分権も規制改革も一番大事なのは法定主義の原則であります。それと、国の関与の根拠は法令または政令に基づかなければならないということであります。つまり、閣議決定ではないわけであります。したがって、閣議決定に従わないことがゆゆしき問題であると言うのなら、きちっとそれを法律、法令にしてほしいと思います。
 法令に基づかず、国がいろんな規制をしていき、結果として地方分権を阻害する、中央の規制を強めていくことになりうる状況がおかしいんじゃないかなと思います。
 例が好ましくないかもしれませんけれども、いじめの問題で転校を無条件に認めるべきで、そのことの地方の対応をマスコミに発表されています。京都市は一つ一つの事例によると答えました。親は「自分の子がいじめられている」といって担任をかえない限りは転校を認めよと言ってくる。そして、転校を認めたらまた次の学校で同じことを繰り返す。だから子供一人一人の教育を守るために、カウンセラーも含めて努力し、場合によっては親のカウンセリングも含めて対応していかなければならないことがあります。機械的に転校を無条件に認めるということは決して教育的でないという判断をして教育委員会が一つの基準をつくって対処していることを、閣議決定の趣旨に反するというような報道がなされています。
 もう一点は、学校評価についてであります。「異常な事態の伝家の宝刀」の議論は現場の実態に合っていません。百年に一遍発動されるかどうか、の限定された問題です。一方で学校評価は全国の学校の日々の教育活動が評価されます。評価そのものは大切なことで、本市ではすでに全校で実施し、公表していますが、画一的な物差しで学校を評価するのではなく、地方の創意が生かされねばなりません。第三者評価という名において、一つの物差しで全国の3万数千校の学校教育を、あるいは、100万人の教職員の教育活動を評価するということにならないように留意が必要です。
 また、先ほど田村先生がおっしゃいましたけれども、最近ものすごく調査が多いです。本当に多いです。それで、文部科学省はもとより、内閣も含めて、いろんなところの調査が多いです。これらについて、それがマスコミ等にも報道されて、一つの東京中心の物差しで全国3万数千校を監視する、100万人の先生を監視する。そして、千数百万人の子供を見守るんだったらいいんですけど、見張るようなことにならないように留意しなければなりません。これこそ地方分権を阻害していくことにならないかなと、危機感を覚えています。
 よろしくお願いします。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。
 高橋委員。

【高橋委員】
 ありがとうございます。
 私は1.の「教育委員会の責任体制の明確化」というようなことにかかわってお話をさせていただきたいと思います、これは最初に。
 私は現職の中学校長でございまして、校長の立場から、あるいは、学校の立場から申し上げますと、要するに、教育委員会の行う、あるいは、設置したというか作成した制度なり施策ということには私は誤りがあってはならないと思っております。結局このことの被害者は、被害を受ける者は子供なんでありまして、その取り返しはつかないということが根本かと思っております。したがいまして、外部から指摘を受けて、そして、是正をするというようなことは私は国民、住民の信頼を損なう、得られないと、はっきり言って情けないと私は思います。
 したがいまして、教育委員会の内部での自己点検なり自己評価ということをやっぱり機能としてお持ちでありますから、そのことをぜひおやりいただきたいということで、丸で申しますと2つ目の丸にあるようなこういったことはぜひご検討を具体的にお進めをいただきたいということが第一でございますが、そのことと関係してですが、教育委員会が行う自己評価あるいは自己点検の際に、実際に学校経営の場にある校長の意見というものを十分に組み入れてやっていただければ大変ありがたいなと思っております。これが1つ目でございます。
 それから、2つ目ですが、2枚目のところの「教育における地方分権の推進」のところに関係するわけですが、「県費負担教職員の人事に関し」というところがございます。このことについては、私は義務教育の水準確保はやはり国の責任においてしっかりやっていただきたいという思いがございますので、その観点に立ってここに述べられている米印の一つ一つをご検討いただきたいと。また、もしそうであるならば、ここに移譲するということであるならば、条件整備が相当必要なことではないかなと思っております。そうしたことについてもぜひご検討をいだだきたいと思っております。
 なお、下の2つのこと、人事に関して市町村教育委員会の内申を尊重する、あるいは、校長の意見を尊重するということがありますが、このことについては私は地方の判断に委ねられてしかるべきことではないかなと、現実にそのようにこのことについては既に行われているものと私は考えております。
 3点目ですが、「教育における国の責任の果たし方」についてでございます。校長の多くは、義務教育費国庫負担制度の堅持ということについて賛成でございました。それは、やはり義務教育というものは国全体を通じての最重要事項であり、国と地方が協力して教育条件整備を確固たるものにしていただきたいという思いがあって、義務教育費国庫負担制度の堅持についても大方が賛成をしているということであろうと思います。
 このたび教育基本法が改正され、教育振興基本計画の策定といったことも定められたわけでございますので、そうした観点に立って国の、関与という言葉の意味もなかなか難しいわけでありますが、この国の関与の仕方ということについてもぜひご検討いだだきたいと思っております。
 私は校長の立場で考えるわけですが、例えば特別支援に関する予算措置がされますよというようなことが12月27日付の通知として出されている。そのことが実際に都道府県、あるいは、市町村教育委員会、さらに学校にどういうふうに動いてくるのかな、適切に執行していただけるんだろうかなと、これは校長としては相当に思うところでございます。あるいは、関与の中には予算措置を含め人的な措置も含めた支援の仕方ということもあるんではないかと思うんですが、そういうことも含めてご検討いただければありがたいと、このように思っているところでございます。

【梶田分科会長】
 それでは、石井委員、お願いいたします。

【石井委員】
 ありがとうございます。
 まず、前回、私が資料をお願いをさせていただきましたけれども、早速に今回手配をいただきました。感謝をいたしております。
 その上で意見をこの資料に基づいて申し上げたいんですが、その前に、先ほどの財務課長さんのご説明の中でちょっと聞き漏らしたのか、あるいは、お触れになったのかちょっとわかりませんが、お聞きしたいんですけれども、都道府県教育委員会の事務、それから、市町村教育委員会の事務はいわゆる法定受託事務と自治事務というふうに今回、地方分権一括法で整理されたわけですが、いずれの事務と整理をされておられましたか、その説明がちょっとなかったかと思うんですが。

【尾ざき財務課長】
 申し訳ございませんでした。自治事務として整理をされて、もちろん、法的受託事務も一部ございますけれども、大方の事務は自治事務として整理されていると。

【石井委員】
 そうですね。ありがとうございます。都道府県教育委員会が市町村教育委員会を指導する事務が一部法定受託が残っておりますが、全体としては自治事務と整理されたということだろうと思っておりますが、その前提に立って今回の地方分権の大きな流れということで、皆様、ぜひご理解いただきたいわけですが、全体、地方分権の今議論が進んでおりますし、さらには今現在地方分権改革推進法が制定されまして、間もなくこの分権改革の推進会議も動き出そうといういわゆる第2期の改革に向けてのそういう取り組みが政府全体で行われようとしているわけでございます。
 そういう大きな流れの中で振り返ってみますと、参考資料5でお示しいただきました当中央教育審議会の平成10年のこの答申を見てみましても、15ページのところの下から8行目ぐらいでしょうか、今回のこの地方分権の勧告を受けた中央教育審議会の答申の中でも、「今後、都道府県及び市町村の主体性をより一層尊重する観点に立った見直しを行う」と、こういうふうに明記をして、その右側、16ページにその改善の内容が明記されておるわけでありますし、それから、23ページのほうでは教育長の任命承認制度の廃止、これにつきましては、上からこれまた七、八行目あたりでございますけれども、「地方公共団体が自己の責任において教育長に適材を確保するシステムを導入することが求められる」と、こういうことで右にその改正内容が具体的に明記されておるという。
 こういうことで、当時、平成10年当時でございますけれども、中教審におかれましてもこの地方分権改革の大きな流れを踏まえまして、みずからこの1年がかりで議論されまして答申をまとめて、そして、これが法改正につながったということ、まずそれをぜひ皆様方、ご認識を改めてお願いいたしたいと思っているわけでございます。
 その上で、自治事務ということになりますと、ご案内のとおり、地方自治法において今回整理がされているわけでありまして、先ほどご説明いただきました参考資料6にわかりやすくまとめていただいているんですが、その2ページ目のほうに具体的な条文がございます。このような規定というものに整理をしたと。いわゆる2ページ目の機関委任事務であったものが、今回、自治事務ということになりまして、関係の法令の規定が削除になっていると。こういう中で、その次の技術的な助言勧告、資料提出要求、あるいは、措置要求、是正要求とか、あるいは、指導・助言・援助という、このような一連の規定が整備されることによって今の法体系が整備されたということでございますが、この中で私どもが見ておりますと、今のこの現行の規定の中でも、例えば今お話が出ておりますような、下から2つ目の地教行法のこの改正を受けて、一般法でございます右の地方自治法の245条の5の中で、先ほど来お話が出ております「法令の規定に違反していると認めるとき、又は著しく適正を欠き、かつ、明らかに公益を害していると認めるとき」と、こういうことで一般法にその内容が移ったと。左側の地教行法の52条に書いてありましたこの内容が、この地方自治法の一般法の中でこれで運用できると、こういうようなことでこの改正がなされたと承知しておりますし、なお、しかし、教育については特殊性があるということから、その一番下の指導・助言・援助のこの地教行法48条の規定が「行うものとする」が「行うことができる」と直りましたけれども、いずれにいたしましても、指導・助言・援助、この規定が他の一般法には全然ないんですね。他の法律にはないんですが、地教行法のみ自治事務でございます事務に関しましてもこういう権限の規定が残っておるという、教育の特殊性にかんがみたこういう特別の規定も入っているということでございまして、これら全体として見ますと、これらの法令の規定を適切に運用されることによって、今の法律でも十分に現下の教育の現場における諸課題に対応できる、私たち地方分権を進めている立場から言うと十二分に対応できるんではないかと、このように思いますのが第1点。
 それから、自治事務ということに整理したということになりますと、是正の指示ということが資料3の4.の中の「是正の勧告や指示」と丸の最初のところに書いてございますが、その勧告が今の規定で読めると思いますし、指示ということはこれはいわゆる法定受託事務でないと指示ということは一般法として規定されてないということでございますから、自治事務である限りはこの指示権を入れるというのは大変大きなこれは今の国法の地方自治に関します規定全体を見直していかなきゃいけないという大きな問題が背景にあるということをぜひご承知いただければと思っております。
 もう一点、教育長の任命の関与につきましては、もう先ほど来のご説明を申し上げましたとおりでございまして、まさにこの地方分権の大きな流れ、今までの議論してきた大きな流れからしましてもこれに逆行していると言わざるを得ないということでございまして、私は先ほどご紹介がございましたこの資料7の規制改革会議の2ページ目の冒頭、これに全く私は賛同するものでございます。伝家の宝刀的な一定の国の担保措置、これはもう今現行の規定で十分運用され得る、これによって十分対応できるんだと、こういう前提でこれはまとめられているのではないかと思っておりますので、こういったようなことで大きな地方分権の流れに逆行するような、しかも、これからまた地方分権を議論していこうという、政府全体で安倍内閣が地方にできることは地方にと、地方の活性化をと言っておられるときに、これに逆行しているんではないか。
 とにかく、現場にもっと自主性、そして、自立性というものを与えて、責任感を持って教育行政を現場でやってもらうと、こういうことを徹底して、そして、今現行の規定で必要な監督等は必要であればそれを行使すればいいと、私は今の規定でも十分にできると思っておりますので、この私の要求を受けまして提出していただきました資料に基づいて私の意見を述べさせていただきました。
 ありがとうございます。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。
 じゃあ、小川委員、そして、次、野澤委員、林委員、ちょっとそれから次また考えます。どうぞ、小川委員。

【小川委員】
 今の石井委員の地方分権の趣旨というような点については私も了解するんですが、非常時とか緊急の事態の場合に、伝家の宝刀として国が一定の要件のもとで地方に関与する、その点について幾つかの解釈が違いますので少しお話しさせていただきたいと思います。きょう初めての発言なので少し長目になるかもしれませんけれども、お許しいただければと思います。
 先ほどの石井委員の発言と、また、規制改革の今日配付していただいた資料でも確認できるんですけれども、おそらく教育再生会議が非常時の場合に是正の指示ができるようにするといった趣旨は、緊急の事態ないしは非常時の事態の措置というようなことでありまして、あくまでそういう緊急の場合、非常時の対応としての国の責任関与を担保するというようなことですので、平時の教育行政運営で国の関与を地方自治法改正前に戻して強化せよというわけではないという、この点は確認しておくことは必要かと思います。その上で、争点の一つになっている法定受託事務に関する国の関与であって自治事務に関する関与ではないと言われている是正の指示の問題ですけれども、実はこれは石井知事もご承知と思うんですけれども、地方自治法の245条の3の6を読むと、国は国民の生命、身体または財産の保護のため、緊急に自治事務の的確な処理を確保する必要がある場合には、自治事務であっても国は是正の指示ができるという、そういう緊急事態の際の自治事務に対する国の是正指示が担保されているという規定があるわけですよね。
 問題はやはりこの規定を受けて教育行政においてこれを実際どのように運用するかというルールづくりと手続をつくるということだと思っています。ですから、あたかも何か地方自治法の精神に反して地方自治法改正前の上意下達のシステムに戻るということではなくて、今も地方自治法のこうした規定に基づいて緊急事態の場合に国は地方に自治事務であろうとも是正の指示ができるという、自治法245条の3の6に基づいて行うという趣旨だと私は考えていますので、それは可能だと思っています。
 実際、私も幾つか調べてみたんですけれども、既に1999年の地方自治法改正の際に、ほかの行政分野ではこの245条の3の6に基づいて、自治事務であろうとも所管大臣が知事に指示を命ずることができるという規定を持った幾つかの法律がつくられています。例えば医療法の66条の2とか、建築基準法17条の8とか、あと、精神保健及び精神障害福祉に関する法律の33条の4というのはまさに自治事務に対する緊急事態に対する国の是正指示というようなことが明記されているわけですよね。
 ですから、もう既にこういう先行の事例があるわけですから、教育行政の場合においてもそれは教育行政の性格とか重大性にかんがみて、どのような要件の場合にこの該当する条文に基づいて緊急な場合に国の是正指示ができるかというその要件と手続のルートをつくるべきと思っています。
 ただ、そういう規定があるんですけれども、やはりさすが自治事務に対する国の是正指示というのは慎重にやるべきであるわけですから、当然、その手続、ルールというのは慎重にあっていいと思います。ですから、今、地教行法とか地方自治法245条の是正要求、そうしたことをやってもなおかつ当該自治体が是正改善の対応をきちっとしなかった場合とか、また、今245条の3の6でしょうか、是正の勧告について、ちょっと今ど忘れしたんですけれども、都道府県が市町村に対して自治事務に関してでも是正の勧告ができるという規定もあるわけですね。例えばこうした県が市町村に是正の勧告をしても、なおかつ、市町村がそうした勧告に従わないできちっとした対応ができない場合には、例えば国が一定の手続とルールに従って是正の指示をするということが私はあっていいと思いますね。
 ですから、例えば文部科学大臣の恣意的な是正の指示を危惧するものであれば、例えば当該自治体のそうした事態に対して弁護士とか専門家からなる調査委員会が当該案件を調査して、その調査結果の報告を受けて文科大臣が判断して、必要な場合には是正指示を発するという、例えばそういう手続、仕組みをきちっと要件としてつくれば、私は今も地方自治法の中でもできることだと思いますので、その要件を地教行法にしっかり規定するという趣旨でやっていいんじゃないか。
 それは、先ほど言いましたように、医療法とか精神障害福祉に関する法律等々にもう既にそういう先例があるわけですから、そういう先例に基づいて地方自治法のそういう規定を粛々整備するということで私はいいと思います。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。
 じゃあ、野澤委員。

【野澤委員】
 議会との関係がいろいろ出ていましたので若干状況をお話ししますと、今ちょうど議会で一般質問を受けておりますけれども、その半分ぐらいの議員さんというのは教育行政についての質問をされておられるということが1つお話し申し上げておきたい。
 それから、もう一つは、議会に報告をすること、「体制強化」のところの一番最初の丸ですが、これは決算審査で、要するに、主要な施策の成果の説明書というのを出すことになっていますよね、現行234条、自治法です。この関係の中に、うちなんかの場合には事務報告書という形にしまして、様式はいろいろありますが、いずれにしても550ページから600ページの報告書が出るんです。教育委員会の部分が非常にたくさんここの中に入っているので、それがどんなふうにやられていくのかというあたりのところをもう少し明確にしておかないといけないのではないかという思いがするということが1つ。
 それから、次のページに行きまして、私立学校に対しての教育委員会の指導みたいなことでございますけれども、ここについて、実は私のところは私立の幼稚園が5園ばかりあるんですが、これと、学校もそうですし教育委員会も全く結びついておりません。ある意味では3歳から5歳までの子供たちの状況というものがそのまま学校の中に持ち込まれてくると考えると、教育委員会というのがもう少し幼稚園、私立のものにかかわったほうがいいんではないかと思っております。
 それから、最後に、教育長の任命の関係についてはいろいろお話が出ましたが、首長が議会に同意をいただいて任命をいたします。そして、それが教育長に最初から候補として決まっていて教育委員会にいけば教育長になるわけですから、そこにどんな形で関与しようとすることができるかというのはむしろ問題ではないかと。もしそんなことをしたら大騒ぎになるだろうという思いがいたします。
 以上です。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。
 林委員。

【林委員】
 地方に住んでいる者として簡単に発言させていただきます。
 まず、教育委員の数でございますけれども、都市部と町村、私は差なんかつけることはないんではないかなと。小さな村でもすばらしい教育体制をとっているところもありますし、人口が少ないから3人でもいいという理論というのは何か不合理だなという気がしますから、都市も地方も同じでいいんではないかなと思います。
 それと、あわせまして、地方に住んで流行語を使うわけではございませんけれども、やっぱり都市との格差を感じている一人でございまして、教育までその格差が生じてはいけないなと。分権も確かに大事でございますけれども、私どもはもちろん推進しております。しかし、義務教育は国の責任で国の隅々まで同じレベルできちんと施していただきたい、こんなふうに希望いたします。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。
 それでは、平野委員。次、渡久山委員、藤井委員にいきます。

【平野委員】
 ありがとうございます。
 私が子供のころ、学校の中で子供が問題を起こしたとき、それが例えば本人がけがをしたというようなときでも、親が学校に呼びつけられてそれで注意を受けたりしたことが、そういう例を幾つか見たような気がします。学校に迷惑をかけましたねということで、家庭訪問の際にまとめて注意されるなんていうこともあったように思うんですね。
 コミュニティがしっかりしていた時代にもそういうことがあって、家では一生懸命教育しているのに、一方的に家のせいにされて嫌だわなんて不満を覚えた人もいたんじゃないかと思うんですが、その時代のときのことから、今度、今を見てみると、何か今は逆で、先ほど寺崎委員もおっしゃいましたけれども、何か学校で問題があるとすぐに親が学校に苦情を言ってくると。そういう親が、じゃあ、家庭や地域で一生懸命ふだんから目を離さず子供への教育をしっかりして、人の道なども教えているかどうかというのを見ると、必ずしもそういうご家庭だけじゃない。ふだんほったらかしているような人たちが、学校に全部その責任を押しつけてくるという実態があるといううわさも聞いております。もしそうだとしたらば、学校の先生が伸び伸びと教育するなんていうことはもう怖くてできなくなっちゃうような気がするんですね。
 私は学校がもっと自信を持って、子供たちだけじゃなく親たちにどうあるべきか、どういうふうに地域や社会でどう生きていくべきか、指導力を発揮できるようにしたほうがいいのではないかなと思ったりもします。
 昔、私たちは校長先生や学校の先生って子供たちは大変尊敬してたと思うんですね。今はどうなんでしょうか。あの尊敬の気持ちというのを今の子供たちも持っているんでしょうか。その尊敬の中から、自然と目上の人は大切になんて一々言わなくても、もちろん、教育の中でそういう言葉も言われましたが、そういう何かキャッチフレーズみたいに言われなくても自然と目上の方を敬う気持ちというのがはぐくまれたような気もします。
 そういった学校がもっと地域に対しても指導力を発揮するためには、私が思うには、国も含めて、現場からむしろ遠いところにある行政関係者の応援をいただきながら調整に入っていただけるようにするとよいのではないかなと思うんですね。
 また、そうすることによって、学校側の事情や状況というものを、例えば国が直接知るきっかけもできるのではないかと思うんです。国の方も現場の状況を直接かかわって知るということがもっと事あるごとにあってもいいのではないかと思いますし、そして、さらに地域や家庭の教育への意識を高める役割について国がもう少し乗り出してもいいのではないかと私は思います。
 以上です。ありがとうございました。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。
 では、渡久山委員。

【渡久山委員】
 地教行法というのは地方の教育行政を考える際に、あるいは、国の行政もそうなんですが、まず1つは、例えば戦後、教育委員が公選制だったんですね。あれがやっぱり一つのレイマン・コントロールという形で一つの形はなしていたと思うんですね。しかし、必ずしもこれが成功しなかったというのが日本の状況なんですね。
 そのためにいろいろな形が、ことが起こってきたわけですが、行政は一般的に教育行政というのはだんだんその後は中央集権的になっていったと思うんですね。特に都道府県の教育長の任命制までいっていたわけですから、そうすると、地方の教育行政よりは何かというと、国が教育に対して一定の関与をしてくるというのが強かったような気がいたします。
 ただ、しかし、先ほど石井委員からもございましたように、平成10年の中央教育審議会の答申を受けて平成11年に今の地教行法が変わりましたよね。それによって、都道府県の教育長における承認制というのはなくなっていったわけですね。
 そういう意味では、非常にこのあたりは今の地方分権の流れと一致して、教育行政も地方分権化というのが進んできたと思いますね。ですから、これは現行法では今そのとおりなんですね。平成11年に変えた地教行法が今生きているわけですから、それはそうなんです。
 ただ、昨今、例えばいじめの問題、あるいは、高校の単位の履修の問題等も見たときに、果たしてどういうことが起こったかというと、都道府県の委員会や、あるいは、学校が必ずしも十分対応できなかった。特に私立の未修問題というのは国公立より多いわけですよね。そういう状況が、ややもすると今、国民的にそれでいいのかというような話が出てきたと思いますね。そこを非常にやっぱり生な状況で見るべきだと思うんですね。
 その際に私は非常に気になるのは、現在の教育委員会が必ずしも機能できないように形骸化していないかどうかということですね。例えば、教育長を含めて任命する場合に、教育委員会で指名するようになっているんだけれども、教育委員がまだ決まらないうちにだれだれが教育長になるといううわさが既に出るというような感じで、知事部局や首長部局から既に教育長が任命されていると、任命というか実質的な形が出てきている。だから、教育委員会は結局互選したっていわゆる形だけのものになっているんですね。そういう状況をなぜどういう形でつくってきたのかというと、まさにこれは地方自治の問題なんですよね。
 そういうことを考えますと、今度の場合、まさにこういうことが二度と起こらない、あるいは、こういうところに権限が行ったときに非常に大きな行政上の瑕疵が出てくるという事実が今指摘されているんだと思いますね。
 ですから、そういう面では私はここに出てきている幾つかの問題はいいだろうと思うんですけれども、例えば教育長の任命制の復活みたいなことは、これは僕は逆行するものだと思いますね。そういうことはやっちゃいけないんじゃいかと思います。
 また、教育委員会が現在あるのを十分に機能させることを前提にした場合に、やはり教育委員会の仕事はやっぱり活性化すべきですね。議会の承認を得て委員は決められているし、首長の推薦ももちろんあるんですけど、そうであれば、議会がちゃんと今の教育委員に対して一定程度のコントロールをすることはできるわけですね。
 ですから、そういう形がもっときちっと整理されればいい。中村教育長も言われたんですが、今でもそういうことは起こっているんですけど、事実行われているんですけれども、これをもっと機能的にすればいいんじゃないかなという気がいたします。
 それから、教育委員の選び方もほんとうに首長の恣意的な選び方というのがすごく多いんですね。ですから、例えば4年間の間に自分の気に入った教育委員を全部かえることができるなんて言う人もいらっしゃるわけですから、そういうことを考えてみますと、やっぱりその辺にも問題があるわけですので、その辺をどう整理するかというのも非常に大事なことになってくると思います。
 それから、先ほどいろいろ出てきましたけれども、やっぱり調査の問題は事務量があまりにも大き過ぎる。これは本当に事務を幾らでも命令的にできるようになっていますけど、これはぜひとも改善すべきところがあると思います。
 それから、最後に一つ気になっているのは、先ほど課長から説明がありました資料6に基づく幾つかの問題ですね。これは現在の地方分権一括法の中で既にこういうことが規定されているというようなことを踏まえて、私は今度改正される場合は極めて最小限な改正でいくべきだと考えています。
 以上です。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。
 申し訳ありません。もう時間が来てしまいましたので、藤井委員と北脇委員に簡単にご発言いただきまして、何人かはまだあれだと思いますけれども、今日の議論を終わりたいと思います。すみません。

【藤井委員】
 ありがとうございます。
 時間が迫っておりますので簡単に申し上げますが、今回のこの地教行法の改正につきまして、まず現行法で相当なことが実際は行われていると。その十分な検証がされているのかどうか。そういった点で、今までの議論も相当例えば議会の関係においても教育委員会はきちっと責任を果たしているというような議論も出ておりますし、その辺の十分な検証をもっとすべきではないかと1点思います。
 それから、次に人事権の移譲に関しまして、これはやはり分科会長さんが最初におっしゃったように、学校を支える、これは一人一人の、地方にいようと都市にいようと、子供たちに光を当たるということだろうと私は思います。そういう意味では、やはり教育の一番のもとになる人材確保、これは都市であっても地方であっても格差が出てはそれこそいけないと思いますので、そういった点で人事に関する権限を市町村に一様に移譲するということはいろんな条件整備が整わないと無理であろうと、こんなふうに考えておりますので、よろしくお願いをいたしたいと思います。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。
 それでは、北脇委員。

【北脇委員】
 時間がないので一点だけに絞って申し上げたいと思うんですが、ペーパーの1.の「教育委員会の責任体制の明確化」の2つ目の丸なんですが、この中で教育委員会で決定する必要がある事項を明確化することという中に、教育長の事務執行状況の評価というのが入っているんですが、これについては私はちょっと疑問があります。
 それは1つは、既に地教行法の中で17条に教育長の職務が書いてあって、「教育委員会の指揮監督の下に、教育委員会の権限に属するすべての事務をつかさどる。」、そういう規定だったかと思いますが、ということは、もう教育委員会と教育長って内部関係ですから、教育委員会の権限に属する事務をやっている以上は、教育長から教育委員会全体に対する報告も必要でしょうし、教育委員会として教育長の仕事についての評価をすることも当然のことなので、これは法律に規定することになじむかどうかという疑問があります。
 それと、もう一点は、私としてはより重要なことだと思っているんですが、今の教育委員会というのはレイマン・コントロールということをよく言われて、教育委員の大半の方は教育行政の専門家ではなくて、教育長になっている教育委員だけが専門家なので、結局はもう教育長主導で行われてしまっていると。教育長というのはやはり選挙で選ばれているわけではないので行政マンなんですね。ですから、悪い言葉で言えば、官僚的行政にどうしてもなりがちなんだという、そこが問題なので、それをどうするかというところに教育委員会の責任体制の明確化、教育委員会の強化のポイントがあるべきだと私は思います。
 そういう点からいうと、こういう形で教育委員と教育長の役割を法文上明確に分けてしまうと、教育委員はレイマンだから何か執行責任はあまりなくてチェックしてればいいなんていうふうにしてしまうと、かえって教育委員会の強化の逆行じゃないかと思います。私は、前回も申し上げましたけれども、教育委員会も地方公共団体の執行機関の一つですから、その教育委員会の執行機関としての強化、これをやっぱりもっと真剣に考えるべきじゃないかなと思います。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。
 ほんとうにまだこれは議論が尽きないと思いますが、25日の日、これからアナウンスがありますけれども、1日かけてまだ議論いたしますので、そのときにこの続きをやりたいと思います。
 そして、残念なことに25日お出かけいただけない方は、申しわけありませんが、24日までに事務局に、メールでもいいですしファクスでもいいですから、ご意見の概要を送っておいてくださいませんか。それは何かの形で25日のこの議論の中でご紹介したい、そういうふうに思います。よろしくお願いいたします。
 本日は、実は特別に中教審の山崎会長においでいただきました。ここでちょっともう時間は過ぎておりますけれども、恐縮でありますが、ごあいさつをちょうだいしたいと思います。お願いいたします。

【山崎中央教育審議会会長】
 どうも皆さん、短期間の間に大きな課題をご議論いただくのでこういう時間までご苦労いただいていることを大変申し訳なく、かつ、感謝申し上げております。
 今の皆さんのご見識、ご知識を拝聴しておりますと、今次中央教育審議会はまさにレイマン・コントロールだと痛感せざるを得ないので、私はただ拝聴しているばかりであります。
 若干の個人的あるいは公的な事由によりまして、私が分科会に欠席がちになりますことをおわび申し上げて、今後とも皆さんの建設的な、そして、会議の方向について、梶田先生の事務にご協力をいただくようお願い申し上げてごあいさつにいたします。
 どうぞよろしく。

【梶田分科会長】
 ありがとうございました。
 最後になりますけれども、皆さん、前回、関係団体からヒアリングをするということをご提案して皆さんに了承いただきました。これの詳細につきましてはまた後で事務局からお知らせいたします。
 今日、それに加えまして、ある程度詰まってきましたので、もちろん、まだ論点は幾つかありますけれども、関係団体以外の一般の方々からもご意見を伺いたいと考えております。もし皆さんにご了承いただければ、文部科学省のホームページで明日22日からほんの数日になるかもしれませんけれども、一般からのご意見を募集して、これを最後の審議に活かしたいと思いますので、ぜひご了承いただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。それでは、そういうふうにさせていただきます。
 では、事務局から次回以降のことにつきましてお願いいたします。

【淵上教育制度改革室長】
 資料4でございます。次回は25日、今度の日曜日に終日審議をすることを予定しております。そのうち、午前中は中央教育審議会の総会といたしまして、ただし、この教育制度分科会及び初等中等教育分科会との合同の会議といたしまして、総会メンバーと両分科会の臨時委員の方々にも加わっていただいてご審議いただきたいと考えております。午後は再び両分科会の合同開催という形でご審議いただきたいと考えております。場所は、午前、午後とも千代田区一橋の学術総合センターで開催をすることを予定しております。
 それ以降は、28日、3月3日の終日の審議を開催する方向で予定をしております。
 詳細につきましては、また追ってご連絡をさせていただきます。
 なお、この予定につきましてはやむを得ず変更することもございます。あらかじめご承知おきいただければと思います。
 以上でございます。

【梶田分科会長】
 ありがとうございます。
 本当に皆さんにご無理をお願いしておりますけれども、極めてやはり重要な課題でございますので、ほんとうに万障繰り合わせていただきまして、この審議によろしくご協力いただきたいと思います。
 それでは、本日の会議をこれで終了したいと思います。どうもご苦労さまでした。ありがとうございました。

─了─

お問合せ先

初等中等教育局初等中等教育課教育制度改革室

(初等中等教育局初等中等教育課教育制度改革室)

-- 登録:平成21年以前 --