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今回の中間報告の論議が、終始、高校生活にうまく適応できない生徒等の立場で行われたことは高く評価したい。
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「新試験」の就職等についての活用は、高校中退者などが今日の「学歴社会」の下で不利益を被らないという意味で賛成できる。
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全日制高校生に受験資格が開かれたことは、高等学校教育の弾力化を図る意味でも大きな前進である。
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新試験によって、高等学校教育がないがしろにされるのではないかという懸念の声も聞くが、人格形成における高校生活の意義を疑うものはいないと思うので杞憂である。
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「学力を測る試験のみで高等学校卒業資格が付与されると、安易な中退が増加するなど、高等学校教育に悪影響を及ぼすのではないかとの指摘があるが、高等学校教育はそれほど脆弱なものではない。
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高校教育の重要性は言うまでもないことだが、一方で高校中退者が10万人もあり、かつ大検受検者の6割を中退者が占めているのも事実です。様々な理由で高校を中退する子どもたちの進路・学力の保障は、我々教職員にとっても重要な課題です。
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中学卒業者の97%が進学してくる高等学校には多様な生徒が在籍しており、中には中途退学したり、不登校になったりする者もいる。これらの生徒に上級学校進学等の機会を与える「新試験」は、高等学校の補完機能を果たすものであり、彼らの将来を切り拓く道筋を確保する方策の一つという意味で賛成である。
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今回の中間報告では、高校中退者や不登校の生徒など高校生活にうまく適応できない者の学校外での学習成果を適切に評価するシステムをするための具体的な提言は意義があり、評価できる。
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日常的に学校外での教育活動に関わる者としては、青少年の成長に向けて学校教育(フォーマル教育)と家庭教育(インフォーマル教育の一部)、そして青少年団体での青少年の体験活動を中心に行われる教育活動を担うノンフォーマル教育が一体となって青少年への教育を包含することを最重点として考えたい。そのため、高等教育への道を選択する場合においても高等学校年代の者にとって、個々の置かれている状況においての選択の幅がもっと広い方が望ましいと考えており、いつでも自由に選択して学校選びが拡がる新しい試験は評価できる。
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人々が生涯のいつでも、自由に学習機会を選択して学ぶことができ、その成果が適切に評価されるような「生涯学習社会」の実現を目指すということを共通認識として、生涯学習が学校教育、家庭教育、社会教育など人間の生涯を通じた幅広い学習機会の場で行われることが、今後の生涯学習振興の基本的な考え方から鑑みても、生涯学習の大枠の中で展開される学校教育での今回の中間報告は、全体として評価できる。
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21世紀における国際的な教育の在り方として、ユネスコ、とくに21世紀教育国際委員会報告にもあるように、人生の諸段階、生活の諸領域におけるフォーマル、ノンフォーマル、インフォーマルな教育・学習のすべてを含む総合的、統一的な概念として現在認識されていることを踏まえ、フォーマル教育である学校教育の中にあって人生の諸段階、言いかえれば、生涯のいつでも学ぶことができるとの観点からみても、高等教育への道のりとして今回の中間報告は意義があると考える。 |