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資料2

体験的教養教育論


大学評価・学位授与機構   木村   孟



自らの体験
1.東京工業大学における教養教育の取組
2.東京大学の駒場において、理科の学生として受けた教育

教養教育   ―   二つの側面
1.職業人としての幅を広げる―実利性―東工大
2.自分の人生を豊かにする―精神性―駒場

1.東京工業大学
   専ら理工系の硬い学問を教える大学
   しかし卒業生の中には、我が国で leading figures になっている者も多い
   これは、戦後直ぐ、和田小六学長の極めて先見的なアイディアに基づいて教養教育を導入したことによるところが大きい

和田小六博士
リリエンソール著“TVA―Democracy on the March”の翻訳
   数え切れないほどの人命を奪った暴れ河を治め、美しい国土に変えるとともに水力発電によって膨大な電気エネルギーを供給し、アメリカを豊かにした人類の歴史に残る大プロジェクト
〜技術だけではどうしようもないという教訓

   「一般教育は単に専門を選択するために必要な基礎を与えるばかりではなく、専門の全知識が、その全能力を発揮できるような素地をつくるものでなくてはならない。専門の知識は、より広い一般的の知識との関連において、初めてその主要な目的を達成できるものであり、両者の有機的関係をたつことが出来ない」
      ?最終学年まで教養科目を履修させる「楔形教育」カリキュラムを導入
   伊藤整、宮城音弥等の人材を登用
   最近では、秦 恒平氏等
   今回の大綱化にあたっても、専門教育関連科目の総単位数を減らし、全学教育科目関連の単位を増やした
   人文科学、社会科学系の教官と経営工学、社会工学等のsoft engineering関連の教官との協力で、社会理工学研究科(Graduate School of Decision Science and Technology)を新設

2.東京大学駒場
   徹底したリベラルアーツ教育
   理科の学生にとって文系科目特に語学関連科目は強烈なインパクトを与えた
   ドイツ語   ゲーテ、ケストナー、
   英語   ミラー、モーム、ハーディー、ハックスレー、シェイクスピア、ラッセル、エリオット等
      優れた教師と物凄い進度
   クラスメート誰に聞いても、駒場時代に入り口を与えられたと答える
   語学の教師は、本気であった
   他の文系科目の教官はそうでもなかった


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