ここからサイトの主なメニューです

地方教育行政部会(第16回) 議事録


 日時   平成16年12月6日(月曜日)14時〜16時

 場所   霞が関東京會舘 ゴールドスタールーム(35階)

 議題
(1) 地方分権時代における教育委員会の在り方について
(2) その他

 配付資料
  資料1   「地方分権時代における教育委員会の在り方について」部会まとめ(案)

  参考   「地方分権時代における教育委員会の在り方について」部会まとめ(案)
(※平成16年11月22日・地方教育行政部会(第15回)配付資料へリンク)

  資料2 今後の日程(案)

  参考資料   三位一体の改革について(PDFファイル)
(※内閣府経済財政諮問会議ホームページへのリンク)
4大臣・与党政調会長合意

  当日配付資料1   土屋委員意見表明説明資料

  当日配付資料2   千代委員意見表明説明資料

  当日配付資料3   小川委員意見表明説明資料

 出席者
  委員 鳥居部会長(会長)、國分副部会長、木村委員(副会長)、田村委員、渡久山委員、横山委員
  臨時委員 池端委員、稲田委員、大澤委員、門川委員、佐藤委員、千代委員、宮崎委員、森田委員、森脇委員、八代委員
  事務局 結城文部科学審議官、田中生涯学習政策局長、銭谷初等中等教育局長、板東大臣官房審議官、樋口初等中等教育局担当審議官、山中初等中等教育局担当審議官、久保生涯学習政策局政策課長、山田生涯学習企画官、前川初等中等教育企画課長、角田初等中等教育企画課長補佐、その他関係官

 議事
 
  鳥居部会長 それでは、定刻をちょっと過ぎて大変恐縮でございますが、ただいまから中央教育審議会教育制度分科会地方教育行政部会、今日は第16回目になりますが、開催いたします。
 本日は、お忙しいところを御出席賜りまして誠にありがとうございます。
 今まで第12回、13回、14回、つまり前々回までの3回にわたって、「主な意見のまとめ(案)」をもとに御審議いただきまして、前回第15回部会で、これを「部会まとめ(案)」という形で御審議をいただきました。
 今日は、この部会でも前回に引き続きまして、「部会まとめ(案)」を御審議いただきたいと思います。御審議の結果、「部会まとめ(案)」につきまして、部会としての御了解をいただくことができますれば、地方教育行政部会としての議論を一応ここで終了いたしまして、当部会の親部会であります教育制度分科会に上げたいと考えております。
 また、本日どうしても議論が尽きないという場合には、来週の14日、火曜日、再度部会を開催することに仮押さえということにはなっておりますが、できますば、今日意見の集約をみたいと考えておりますので、よろしく御協力をお願いしたいと思います。
 審議に入ります前に、いろいろな報道等で御覧になっておられるとは思いますが、三位一体改革ということで、義務教育制度の問題、特に国庫負担制度の問題につきまして、いろいろな動きがございましたので、最近の状況につきまして、事務当局から御説明をしておいていただきたいと思います。これも今日の「部会まとめ(案)」の審議にとっても関連がございますので、そうさせていただきたいと思います。
 初等中等教育企画課長の前川さんからお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

  前川初等中等教育企画課長 それでは御説明申し上げます。
 お手元の資料の中に、参考資料といたしまして、「三位一体の改革について」と題しました資料が入っているかと存じます。それを御参照いただきたいと存じます。
 「三位一体の改革について」ということで、この11月26日に政府・与党の合意としてまとめられた文書でございます。
 1ページ目を御覧いただきますと、2段目のところで、「政府・与党は、『基本方針2004』に基づき、地方案を真摯に受け止め、平成18年度までの三位一体の改革の全体像について、下記のとおり合意する。」ということでございます。
 地方案と申しますのは、17年度、18年度で3兆2,000億円分の補助金・負担金
の削減を行う。その中でも、18年度までの間には8,500億円分の中学校分の国庫負担金を削減するというような案が地方案でございましたけれども、それを真摯に受けとめるという考え方でございます。
 具体的な削減の規模でございますが、その次のパラグラフで、「国庫補助負担金改革については、平成17年度及び平成18年度予算において、3兆円程度の廃止・縮減等の改革を行う。」となっております。
 また、税源移譲につきましては、次のパラグラフで、「税源移譲は、別紙1のとおり、平成16年度に所得譲与税及び税源移譲予定特例交付金として措置した額を含め、概ね3兆円規模を目指す。」となっております。
 国庫補助負担金の廃止・縮減及び税源移譲の規模につきましては、同じ資料の後ろのほうでございますが、別紙1、別紙2という表がございます。ページが振っておりませんのでわかりにくいのですけれども、6枚目と7枚目でございます。
 別紙2のほうから御覧いただきたいのですが、別紙2、横書きの資料です。これが3兆円規模の17年度、18年度の国庫補助負担金の廃止・縮減の内訳の数字でございます。3兆円程度ということで、合計額は2兆8,380億円程度ということになっておりますけれども、この中で文部科学省の覧でございますが、「義務教育費国庫負担金8,500億円程度の減額(暫定)(うち17年度分(暫定)4,250億円)」となっております。この17年度分4,250億円の暫定的な減額につきましては、「概要」のところにございますとおり、「減額相当分は税源移譲予定特例交付金(教職員給与費を基本に配分)により措置」となっております。この8,500億円あるいは4,250億円の考え方につきましては、また後ほど御説明申し上げます。
 また、その点線の下に、「その他の国庫補助負担金等230億円程度」とございます。この内訳といたしましては、要保護及び準要保護児童生徒援助費補助金、教員研修事業費等補助金、高等学校等奨学事業費補助金、学校教育設備整備費等補助金等ということで、初等中等教育にかかわるものが多いわけでございますけれども、230億円程度の削減ということになっております。
 これらを踏まえまして、一つ前のページの別紙1でございますけれども、こういった補助金の廃止・縮減を踏まえた上で、3兆円規模の税源移譲を目指すということになっておるわけでございます。
 暫定的なものも含めて、一応の数字が積み上がったものを合計しますと、2兆4,160億円程度ということで、8割方についての数字が積み上がっているという状態になっておるわけでございます。
 ここに御覧いただきますとおり、義務教育費国庫負担金の暫定的な8,500億円程度
の減額というものがここに計上されております。また、そのうちの4,250億円分が17年度分である、これも暫定的なものであるという条件つきで、ここに計上されているわけでございます。
 また、「平成16年度分」という数字が6,560億円程度ございますけれども、これは平成15年度、16年度に削減いたしました補助金、負担金に対応するものでありまして、6,560億円のうちの4,200億円余りは、義務教育費国庫負担金の削減に対応しているものでございます。
 そのように御覧いただきますと、そのほかに上から3番目のところに「文教(義務教育費国庫負担金を除く)」ということで、170億円程度が税源移譲に回される。このような計算になっているわけでございまして、今申し上げた8,500億円と、16年度分の4,200億円余り、さらにその他の文教関係の170億円程度、これを全部合わせますと、1兆3,000億円ぐらいになるわけでございます。税源移譲額として2兆4,000億円余りございますけれども、そのうちの1兆3,000億円程度は教育関係の補助金負担金をもとにしたものであるということが言えるわけでございます。
 また、「3.」のところで、「平成17年中に、以下について検討を行い、結論を得る。」ということになっておりまして、その中に「(2)」とございますが、「公立文教施設等、建設国債対象経費である施設費の取り扱い」、これにつきましても17年度中に結論を得るということになっております。
 これにつきましては、「(注)」の「2」のところに、「公立文教施設費の取り扱いについては、義務教育のあり方等について平成17年秋までに結論を出す中央教育審議会の審議結果を踏まえ、決定する。」と記述されております。
 中教審への言及は、また改めて出てまいりますので、そのときにまた御説明を申し上げたいと思います。
 全体像というのは、この別紙2のとおりの削減、廃止・縮減、また別紙1のような税源移譲、これを目指すという形になっております。
 各論でございますけれども、2枚目のページのところに、各分野ごとの取り扱いがございます。「(2)各分野」ということで、文教の分野につきましては、「1」「2」という基準がございます。「1義務教育制度については、その根幹を維持し、国の責任を引き続き堅持する。その方針の下、費用負担についての地方案を生かす方策を検討し、また教育水準の維持向上を含む義務教育の在り方について幅広く検討する。こうした問題については、平成17年秋までに中央教育審議会において結論を得る。」となっております。「2」として、「中央教育審議の結論が出るまでの平成17年度予算については、暫定措置を講ずる。」となっておるわけでございます。
 ここで疑問となるのは、8,500億円の暫定、また17年度予算における4,250億円の暫定、これがどういうことなのかということでございます。これにつきましては、この資料の下にもう1枚の資料をつけてございます。四つのパラグラフからなっております1枚紙の資料でございます。本来オリジナルなものは6者の署名入りの合意文書でございます。与党の政調会長お二方と、政府の官房長官、総務大臣、財務大臣、経済財政政策担当大臣、4人の大臣、この6者の署名入りの文書でございます。いわば11月26日の政府・与党の合意について、さらに詳しい中身につきましてクラシファイしたそういう文書と考えていただいてよろしいかと思います。
 この「1.」のところで、「義務教育費国庫負担金の改革については、全体像において8,500億円程度の減額を計上する。」となっております。これが先ほどの表の中で暫定とされた8,500億円の減額の趣旨でございますが、一応全体像の中での額として計上するという言いぶりになっております。
 「2.」といたしまして、「その間、17年度の暫定措置として4,250億円程度を減額することとし、その旨を法律で規定する。」ということになっております。したがって、17年度の4,250億円については実際に減額することになりますが、しかしそれは17年度限りの暫定措置であるという位置づけになります。
 「2.」の減額に対応する形で「3.」のところでございますが、「17年度において、税源移譲予定特例交付金に4,250億円程度を加える。その額は、教職員給与費を基本として配分する。」となっております。税源移譲予定特例交付金と申しますのは、総務省の一般会計から出される目的を特定しない国庫支出金でありますけれども、文部科学省が支出する国庫負担金から4,250億円を減額するのに対応いたしまして、総務省から支出する税源移譲予定特例交付金に4,250億円を加えるという形になっております。
 「4.」といたしまして、「三位一体の改革に関する基本的枠組み」に基づき17年秋の中教審の答申を得て、18年度において恒久措置を講ずる。」。ここで言っております「三位一体の改革に関する基本的枠組み」と申しますのは、先ほど御説明しました11月26日の政府・与党合意の前に合意されました11月18日のペーパーというのがございますが、そこに記述されている文言は、11月26日のここにございますペーパーと同じ文言が入っているわけでございます。すなわち、先ほどの各分野の文教というところの1の部分です。特に費用負担の問題を含めて、こうした問題については平成17年秋までに中央教育審議会において結論を得るとした、この文書でございます。これと同じ文書が基本的枠組みの中に入っていたわけでございまして、この考え方に基づいて、「17年秋の中教審の答申を得て、18年度において恒久措置を講ずる。」となっております。18年度に恒久措置を講ずるということは、19年度以降に持ち越さないで、18年度において最終的な結論を踏まえた措置を講ずる。これがどのような措置なのかは、中教審の答申によるところであると、このような考え方が示されているところでございます。
 したがって、恒久措置については、17年秋の中教審の答申を得て講じられるものでありますので、最初に戻って、「1、」のところの8,500億円程度の減額、これは現時点において全体像の中に計上されておりますが、合意文書の表の中にも「暫定」とございますように、暫定的にこの額を計上したものであって、最終的にどうするかということについては、17年秋の中教審の答申を待って、恒久措置として講じられるものであるということでありまして、8,500億円という数字自体が暫定的なものであるということを示しているものと理解しております。
 三位一体改革につきましては、このような形で合意文書が取り交わされたところでございまして、今後この文書に基づいて、中教審の御審議等をお願いしていくことになると考えております。

  鳥居部会長 ありがとうございました。11月に入りましてから、大変複雑なやりとりがありましたが、その経過を詳しく説明していただきました。
 これを受けまして、これから中央教育審議会が来年の秋に向けて—秋というのはいつなのかがなかなかよくわからないのですけれども、とにかく秋に向けて義務教育の在り方についての抜本的な審議をしていこうとしておるわけでございます。
 その中教審のマンデートから見ますと、この地方教育行政部会で行っております教育委員会の在り方に関する審議というのは、非常に重要な役割を果たすであろうと思いますので、今日の審議もひとつよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 それでは、議題の本題に入りますけれども、「部会まとめ(案)」の説明を、これも実は前回、第15回で皆様に御意見をいただきましてから、随分いろいろと御意見を受けて修正あるいは組みかえを行ってきたものでございますけれども、これにつきまして、担当しました初等中等教育企画課の角田課長補佐から資料の説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

  角田初等中等教育企画課長補佐 資料1に沿いまして御説明を申し上げます。
 前回、この審議会で御審議をいただきました資料から変更いたしました点は、下線を引いている部分でございます。順次御説明をさせていただきます。
 まず、1ページ目、「(1)検討の背景」というところでございます。以前、「地方教育行政を取り巻く社会状況の変化」という表題をつけていたところでございます。前回の部会におきまして、教育委員会の改革が何のために必要であるのか、あるいは制度論だけではなくて、どのような教育を求められているかを記述すべきではないかといった御指摘をいただく中で、社会状況の変化にとどまらず、検討の背景について幅広く記載をさせていただいたものでございます。
 例えば、「まる」の二つ目のところでございますが、教育の課題といたしまして、学ぶ意欲、あるいは規範意識、道徳心、自律心、体力といったことの向上が大きな課題となっていること。あるいは不登校、いわゆるニートへの対応が課題であるといったことの御指摘をいただきましたので、その旨記述しております。
 また、「まる」の三つ目でございますが、国民の多くが豊かさを実感できる社会となる中で、旧来の貧しさを前提とした教育から豊かさを前提とした教育への教育観の転換が求められるようになった。学習への動機づけ、あるいは生きることの難しさ、大切さを実感する機会が少なくなる中で、様々な体験をさせることを重視すべきだ、こういったことを書かせていただいております。
 また、少子化の中で、教育について大事にしていくということを書くべきではないかという前回の部会の御指摘をいただいたことを踏まえまして、「少子化が急速に進み我が国の社会構造に大きな変化を与える中、地方行政の中で子どもに対する教育の優先順位を下げることなく、充実していくことが求められる。」と記述させていただいております。
 こういった社会の要請や教育行政を取り巻く社会状況の変化に対応いたしまして、今後、学校を初めとした教育機関の在り方のみならず、教育機関を管理する教育委員会の在り方、あるいは教育委員会と学校の関係など、民意を的確に反映しつつ、現場の創意工夫を十分に生かすことができるような教育行政の在り方について、継続して見直しを諮っていくことが必要と記述させていただいております。
 また、前回の部会におきまして、教育財政についての記述というものが必要だという御指摘もいただいておりましたので、1ページ目の一番上の「まる」の2行目のところでございますとか、あるいは一番下の「まる」の最後の行でございますけれども、財政措置につきましての記述を加えさせていただいているところでございます。
 次に、2ページ目でございます。「(2)」の「1」のところでございますが、まず、「まる」の一つ目でございますが、「教育の機会均等」というものを追加させていただいております。
 また、「まる」の二つ目のところでございますが、従前、「住民のニーズ、あるいは多様な公教育」という記述をいたしておりましたが、この点が非常にわかりにくいというご指摘をいただきましたので、この点、下線部にあるような記述に変えさせていただいております。
 また、「3」の「地域住民や保護者の参画の拡大」ということでございますが、この分、ちょっと記述が薄かったのでございますが、この分充実すべきだ、地域・家庭との連携を強調すべき、とりわけ家庭教育の重要性について記述すべきである、あるいは教育委員会の支援が大事であるという御指摘をいただきましたので、その旨記述させていただいております。

    〔八代委員出席〕

     飛びまして、12ページのところでございます。「(3)」の「教育委員会の自己評価」のところでございますが、「まる」三つ目の一番最後の行でございます。この教育委員会の評価につきまして、公表していくことも重要ではないかという御指摘をいただきまして、その旨記述をさせていただいております。
 また、14ページのところでございます。この「(1)」の「まる」の一つ目でございますが、政治的中立性だけではなくて、継続性・安定性というものも必要だ、記述すべきというご指摘をいただきまして、追加をさせていただいております。
 次の15ページのところでございます。これの「3」のところでございます。従来、「生涯学習、文化、スポーツ」ということで並べて書いてございましたが、生涯学習につきまして、学校教育、あるいは社会教育も包含する概念ということで、それが「1」「2」「3」と並べる中で、非常にわかりにくいという御指摘をいただいておりましたので、それにつきましては、「生涯学習」という言葉をとりまして、整理をさせていただいております。「スポーツ・文化等」といたしまして、表題を整理したのと、残りの部分につきましては、「文化、スポーツ」につなげる形で、「学校教育・社会教育以外の学習活動」という言葉にかえさせていただいております。
 次に、16ページのところでございますが、とりわけ「(3)」のところでございます。「まる」の一つ目のところでございますが、後段の部分でございますけれども、「教育行政に理解のある首長の創意工夫を教育政策に反映させる仕組み」というものにつきまして追加すべきという御指摘をいただきましたので、その旨記述に入れさせていただいております。
 続きまして、19ページ、上から二つ目の「まる」のところでございます。人事権の部分でございますが、「教職員の一部について市町村が独自に採用できる」という言い方をさせていただいておりましたが、この点につきまして、ちょっと趣旨が不明確だという御指摘をいただきまして、下線にございますように、現在特例措置として認められております措置、「市町村が独自に常勤の教職員を任用できる制度を全国化する」ということで、内容を明確化しております。
 次に、22ページのところでございますが、学校評価につきましての記述でございます。22ページの「まる」の一つ目のところでございますが、ここにございますように、学校につきまして、接続する学校、例えば中学校でございましたら小学校とか高等学校のほうから評価を受けるということが重要だということの御指摘をいただいておりますので、その旨を追加させていただいております。
 また「(4)」の「支援」のところでございますが、支援だけではなくて、必要な場合には指導を行うということも書くべきだという御指摘をいただきまして、その旨書いております。また、評価に対する教育委員会の支援につきましても記述をさせていただいております。
 最後でございますが、23ページの下の「2保護者・地域住民の学校への協力」の「まる」の二つ目のところでございますけれども、保護者あるいは地域社会に対しまして学校が協力を要請していくことが大事ではないかということで、その旨を書かせていただいているところでございます。
 以上、ほかにも幾つか記述の変更等ございますが、表現ぶりの直しでございまして、内容的には今御説明申し上げたところが主な変更点でございます。
 このほか、本日の会議の席上の配付資料といたしまして、3名の委員の方々からいただきました御意見を配らせていただいております。土屋委員、小川委員、千代委員でございます。千代委員は今日御出席をいただいておりますので、土屋委員と小川委員の意見の内容につきまして、若干かいつまんで御説明をさせていただきたいと思います。
 土屋委員でございますが、主に三つ御指摘をいただいております。資料の中で、とりわけ市が策定しています基本構想、あるいは長期計画の中に学校教育、青少年教育、生涯学習、スポーツといったことが含まれているということを前提といたしまして、2ページの上のところでございますけれども、市長と教育委員会の権限分担につきまして、その実態に即して、「教育の政治的中立の確保と教育委員会制度を尊重しながら、市長の職務権限事項の見直しを検討する必要がある」ということが1点目でございます。
 2点目といたしましては、義務教育国庫負担制度につきまして、あるいは県費負担教職員制度につきまして、国や都道府県、市町村が協力して、良質な義務教育を行うための融合的な自治を現在行っている。こういった融合的な自治については、大筋、この仕組みは極めて有効に機能していると考えるということを前提といたしまして、現在の義務教育国庫負担制度は堅持すべきであるという御意見をいただいております。
 次に、三つ目でございますが、「貧しさを前提とした教育から豊かさを前提とした教育への理念転換」ということで、「なぜ働かなければならないのか、なぜ学ぶ必要があるのかという手応えを見出すことができない」という中で、「教育のねらいを、貧しさからの脱却に求めるのではなく、豊かさを理解しそれを展望することへ転換すること」が必要だ。また、体験ということが重要だという御意見をいただいております。
 以上が土屋委員の御意見でございます。
 また、小川委員の御意見でございますが、これは全体といたしまして、七ついただいております。簡単に御説明いたしますと、一つ目、これは記述の仕方でございますが、「1指摘される問題点」と「2問題点の要因として考えられているもの」という部分で、並べて書いてございますので、課題別に整理したほうがわかりやすいという御意見でございます。
 二つ目の御意見でございますが、教育委員の選任の改善につきまして、公選制、あるいは準公選制など、教育委員の選び方について各自治体が判断すれば可能であるというような記述がなされるべきであるといったようなことでございます。
 次に三つ目でございますけれども、これは次のページに移ります。「教育委員会の公開」に関しまして、会議のある場面においては住民の発言を保障するといったことがあってよいのではないか、あるいは教育政策の立案や教育行政運営にかかわりまして、住民の提案や異議申し立てができるような仕組みの工夫があってもよいのではないかという御指摘でございます。
 四つ目の「教育長、教育委員会事務局の在り方の見直し」のところでございますが、教育長の選任を首長ではなくて、教育委員会が決定できるようにするといったような議論もあることを明確にすべきではないかという御指摘でございます。
 また、五つ目の「首長、議会と教育委員会との関係の改善」についてでございますが、「教育委員会との権限・役割分担の再確認や市長と教育委員会の一層の連携・協力の制度的保障として定期的協議会の法的明示等が考えられて良い」のではないかということでございます。
 六つ目のところでございますが、これは意見というよりも、一定規模以上の市町村という部分について、もう少し明確にすべきではないかということで、町村を含むのか含まないのかということで、御指摘をいただいております。
 さらに七つ目でございますけれども、「保護者・地域住民と教育委員会・学校との関係の改善」につきまして、学校評議員制度について総括するという作業を進めながら、各自治体が試みている学校参加方式、あるいは学校運営協議会の推奨に向けた新しく方策が必要なのかどうかということについて検討すべきではないかということでございます。
 以上7点につきまして、小川委員のほうから御指摘をいただいているところでございます。

  鳥居部会長 ありがとうございました。
 それでは、今説明をしていただきました「部会まとめ(案)」につきまして、訂正箇所だけでなくて、全体を通じて結構でございますので、御意見をいただいて取りまとめたいと思います。どなたからでもよろしくお願いいたします。

  角田初等中等教育企画課長補佐 一つ追加でございますけれども、今御説明いたしましたお3人の委員のうち、土屋委員の意見につきましては、あらかじめいただいておりましたので、ある程度この「部会まとめ(案)」に反映をしておりますが、小川委員と千代委員の御意見につきましては、時間的な制約がございまして、恐縮でございますが、この「部会まとめ(案)」に反映することができておりませんので、その旨御了解いただきながらお読みいただければと思います。

  鳥居部会長 千代委員から何か御説明いただけるようでしたら、最初にお願いいたします。

  千代委員 私は地方教育行政の在り方の部分で簡単な記述をしました。ぎりぎりでありましたので、検討していただくチャンスがなかったかもしれませんが、最初の取り上げ方でいきますと、社会状況の変化を羅列しただけであって、この部会の意見としてのはっきりした意思表明ができていなかったということを踏まえて、現在社会が持っているひずみ等を考えながら、地方教育行政の在り方をまとめていただきたいというような趣旨のものを出しております。かなりの改善が見られておりますので、それぞれの委員の皆さん方の御意見を聞かせてもらえれば大変結構だと思っております。

  鳥居部会長 ありがとうございました。
 では、千代委員、どうぞ。

  千代委員 今のことでなくてよろしゅうございますね。
 「生涯学習」という言葉が消えてしまったわけですけれども、文部科学省として、今日は生涯学習関係の方もお見えになっているのですが、生涯学習という言葉が消えたということについて何かお話をいただければと思うのですが、いかがでございましょうか。

  角田初等中等教育企画課長補佐 この文言の整理ということで、先ほど若干御説明させていただいたところでございますが、当初、15ページの「3」のところで、「生涯学習、文化、スポーツ」ということで並べて書いていたわけでございます。ただ、この項目につきましては、全体の権限分担の弾力化という中で、「1学校教育、社会教育」「2文化財保護」「3」ということで「生涯学習、文化、スポーツ」という言い方をしていたわけでございます。
 「生涯学習」という言葉につきましては、学校教育、社会教育を含めまして、非常に幅広い概念、行政分野ということでございまして、「1学校教育、社会教育」ということで書きながら、また「3」で生涯学習と書きますと、非常に関係がわかりにくいといったような御指摘をいただいたところでございます。したがいまして、生涯学習という言葉を使わずに、「まる」のところでございますけれども、「文化、スポーツ」に並べまして、「学校教育、社会教育以外の学習活動」ということで整理をさせていただいたという中で、ここの表題につきましては、「生涯学習」という言葉をとったということでございます。これがとった理由でございます。

  千代委員 そうすると、今の説明だと、15ページの3の最初の書き出しの文章のアンダーラインの「学校教育、社会教育以外の学習活動」というのが生涯学習を含むという説明ですか。

  角田初等中等教育企画課長補佐 ここの「3」で生涯学習という中で想定をしておりました事務につきましては、今会長がおっしゃるような「学校教育、社会教育以外の学習活動」という言葉であらわそうというものでございます。

  千代委員 私どもが考えております生涯学習というのは、生涯教育からさらに発展したものとして受け取っております。ここで言う「学校教育、社会教育以外の学習活動」ということで、そういうものがあらわせるかというのはちょっと心配なんです。現に文部科学省の中に生涯学習という名称があるにもかかわらず、それが消えてしまうというのは、何ともうろんな感じがいたしますが、その点の話し合いはできているんですか。

    〔結城文部科学審議官退席〕

  角田初等中等教育企画課長補佐 この中では、生涯学習につきまして、担当するところとも少し相談をさせていただきながら文章化をさせていただいているところでございます。先ほどもお話しいたしましたが、生涯学習と言いますと、地方で教育行政を担当いたします中で、やはり概念的には非常に広い、いろいろなものを含み得るようなものであるということでございますので、「1」で社会教育といったもの、あるいは学校教育といったものを分けて書き出す以上は、この「3」のところで生涯学習という言葉を書きますと、非常に重複であって、わかりにくいのではないかということで、その点につきましては、十分こういう言葉で切り分けられるのではないかと考えております。

  稲田委員 いわゆる生涯学習というのは、学校教育とか社会教育まで含めた全体的な視点で我々は見ているわけです。そういう面で、ここのところに文言が出てこないのは、今度の地方教育行政部会では生涯学習のことをどう考えているのだろうかという視点でこれを見る人もたくさんいると思うんですね。だから、この辺のところに何か、いわゆる学校教育、社会教育以外の学習活動、それに「生涯学習等」とか、何かを入れておいたほうがむしろ理解できるのではないかと、そんな感じがします。

  鳥居部会長 前川課長、どうぞ。

  前川初等中等教育企画課長 課長補佐の説明を補足させていただきます。
 生涯学習という概念、ないしは理念、これは教育にかかわる活動全体を覆うものですから、もともと地方公共団体の中において、教育委員会も首長部局もすべてカバーされている概念である。その中で、首長と教育委員会の関係を見直す権限分担を具体的に検討するに当たっては、学校教育、社会教育、それからそれ以外の学習活動、あるいは文化、スポーツ、文化財、そういった形で縦割りの所掌事務をどう考えるかという視点で見直さざるを得ないということで、学校教育や社会教育、あるいは文化財保護といった言葉と並ぶ概念としては、生涯学習という言葉を使えないという判断で整理したものでございます。

    〔板東大臣官房審議官退席〕

     したがって、生涯学習という言葉を何らか盛り込もうとすれば、もともと首長と教育委員会全体を覆っている理念だという前提で説明をしなければならなくなっていると思いますので、学校教育、社会教育以外の学習活動が生涯学習だという言い方はできないと考えております。

  國分副部会長 今の事務当局の説明は、論理としては私もそうだと思うんですね。生涯学習というのは理念であって、生涯にわたって学んでいくという理念で、それは学校教育にも、社会教育にも、あるいはその他の学習活動にも全部通ずる理念ですから、これを守備範囲の中に取り入れるというのはどうかというのは、今説明があったとおりだと思うのです。ただ、何となくさびしいなという気はするので、前川課長が言われたように、全体を通ずる理念で大事なことだということをどこか前語りか何かにしていただかないと、何となく消えてしまったのかという気がするので、その辺、表現の工夫をしていただいたらどうかなと思います。

  鳥居部会長 ありがとうございました。どうぞ、千代委員。

  千代委員 現実に生涯学習という事業が各自治体で行われているということを十分認識した上で「生涯学習」という言葉を削るならいいのですけれども、説明がしがたいということだけでここから消えてしまうというのは、どうにも私としては納得がいかないですね。今もお話がありましたけれども、そのあたりを文言でつけ加えていただく。もしくは生涯学習の概念というものを——これは生涯学習をやっているいろいろな分野で話していましても、生涯教育ということも、生涯学習ということも、今理念としてあるとおっしゃったのですけれども、その理念が非常に定着していないという部分があります。どの部分をとって生涯学習、生涯教育と言うかということでも、非常に判明しておりませんので、この際にそういうことを文言としてつけ加えておくことは必要じゃないだろうか、そのように感じております。

  森田委員 自治体の現場で使われている生涯学習の言葉の使い方を思い浮かべますと、今の課長の説明は少し違和感を覚えます。けれども、そこはいろいろな理由で、こういう言葉を選ばれたのだと思います。
 そういたしますと、15ページの上の「まる」ですけれども、5行目に「生涯学習」という言葉がまだあるのですが、これは特別な意味で使われているのか、あるいはそうでないのか。そこのところはこれでよろしいでしょうか。

  角田初等中等教育企画課長補佐 ここの部分につきましては、それぞれ行政の分野ごとに切り分けるというところでなくて、学校教育、社会教育も含めました理念としての生涯学習、人間が生涯を通じて学習していくということをあらわす言葉として使っておりますので、この分につきましては、生涯学習という言葉は残すべきだということで、従前の表現のまま置かせていただいております。

  森田委員 そういたしますと、今お話がございましたように、ここでお使いになる生涯学習の意味について、もう少し明確にされたほうがよろしいのではないかなという気がいたします。

  鳥居部会長 以上の御意見をいただいたわけですが、國分副部会長がサジェスチョンしてくださったような方向で、一言どこかにつけ加えることによって、今出た御意見の趣旨を生かすことができるように思います。今日の会議の終わりまでに文案が出てくるといいのですが、私もさっきからむきになって考えているのですけれども、頭が回らないのですが……。

  稲田委員 それはぜひ私のほうからも、私も地方の生涯学習センターの館長をやっていますので、これがこのまま消えてしまうというのは、何か心情的に違和感がありますので、その辺をよろしくお願いします。

  鳥居部会長 ありがとうございます。
 それでは、今日の終わりまでの宿題にするか、あるいはもうちょっと……。

    〔田中生涯学習政策局長・久保生涯学習政策局政策課長出席〕

     生涯学習局長が今見えましたけれども、できれば今日中に決着をつけたいと思いますけれども、よろしくお願いします。

    〔田村委員出席〕

     そのほかのところはいかがでしょうか。どうぞ、渡久山委員。

  渡久山委員 一つは、11ページの「教育委員会と教育長」の関係です。横山委員がいらっしゃるから言うわけじゃないのだけれども、横山委員の前回の発言は、教育委員として任命される。これは特別職です。でも、教育長になったら一般職、行政職になるのです。そういうところに一つの問題点があるということだったですよね。
 ここでは、一つは、身分を持つという問題がありということになっているのですけれども、ここでは分離論を言っていると思いますが、やっぱり職の在り方というのも問うべきかなというのが一つです。
 もう一つは、首長の関与の問題ですね。これは今どこでも大きな問題になっていると思います。だから、教育行政の政治的な中立性の問題、それから教育行政の継続性の問題というのは、首長がかわれば教育長がかわる。首長がかわるたびに次の教育長は誰になるかというのが、現場で非常に関心の高い問題にもなります。そこにある意味では、一つの中立性や継続性の問題が問われていると思うのです。ですから、これはこの文章を直すか、それとも直さなくてもそういう問題点を今後行政指導してどうしていくのかというのが一つの課題になってくるのではないか。この二つの問題をここでは指摘しておきたいと思います。
 もう一つは、22ページ、これは学校の評価の問題等についてですけれども、この間の月曜日、地域運営学校、学校運営協議会をつくったところで、木村先生が説明されたのですけれども、あれを見ていると、わりと学校全体が非常に苦労しながらでも新しい学校の在り方を模索していますよね。それが学校を開くとか、地域性を持つとかいっても具体的に、そのようにして運営協議会をつくるなり、理事会をつくって、地域住民や保護者が一定程度の権限を持って学校行政に参加する、教育に参加するというところで、非常に難しいところと、また、それをきちんとやり切らなければ、学校における民主主義、例えばいじめの問題にしろ、不登校の問題にしろ、共通に責任が持てるという体制をつくっていくためには非常にいいと思うのです。

    〔山中初等中等教育局担当審議官出席〕

     ですから、そういう意味では、ここに書かれていること、これもいろいろ書いていただいていますから、それはいいのですけれども、ここは二つ併記されて、どっちでもいいですという感じにちょっとなっているんですね。しかし、21ページから、文章全体を見ると、これは学校の協議会の方向へシフトしているところが多いのですけれども、その辺をきちんと書き込む、あるいはやる必要があったら非常にいいと思います。
 それに、木村先生はルビコン川を渡ったというから、積極的に全部進めたほうがいいのではないか、ただ、その後、いろいろ学校現場でのシンポジウムに出て僕は聞いてみたんです。やっぱり学校自らが開こうとしない、要するに運営協議会をつくることによって、校長なんかはうるさいと、知事から何か文句を言われるのは嫌だというような感じを非常に持っているようなんですね。
 ですから、そうであれば、これは学校自身も非常に閉鎖的ですね。そして逆に、地域から干渉されないところに心地よさを感じているようなあれで、私は、これはもっと積極的にやればいいと思うのです。
 あのとき、前川課長は,「ルビコン川、みんなで渡れば怖くない」とおっしゃっていたのですけれども、みんなというのはどの程度のことをおっしゃっているのかわかりませんが、やっぱりもう少し進めていったほうが、せっかく法律もつくって、あれだけ積極的に地域の学校としての問題点を指摘しています。
 私は、教育費の問題も、それぐらいきちんと関心を持っていれば、自分の学校のために金はどうするんだというところが出てくると思うのですね。だから、学校予算が足りないから、ファンデーションをつくってみたり、いろいろな形もあるわけですね。ですから、そういう面で、私はもっとこの辺は積極的に進めていいのではないかという気がいたします。

  鳥居部会長 今、渡久山委員が出された問題のうち、一番上のほうは11ページの問題ですけれども、要するに突き詰めていうと、中教審の平成10年度答申で、非常にすっきりした形を答申したにもかかわらず、それが実現していないというところが問題なんですね。ですが、今回、この中教審がそこのところをどう書くかということがやっぱりどうも問われているのですが、事務局としては、平成10年答申に触れてしまうと、役所としてはやりにくいのかもしれませんね。どうでしょうか。

  横山委員 小川委員の文章を見ていてそう思ったのですが、11ページの下から3行目、「教育長の選任に首長が関与することを明確にすべき」の意味ですが、「教育長の選任に首長が関与するべきだということを明確にすべきだと言っているのか、あるいは批判的に、自主的に首長が関与しているから教育長の選任に首長が関与しないようにすることを明確にすべきとおっしゃっているのか。
 実は、小川先生の2ページの「4.」の「(2)」の記述の中に、いろいろ書いてあるのですが、これではない、私が聞いていても、例えば教育委員は首長ではなくて教育委員会が自主的に決定できるようにすべきという議論が結構多かったですね。やっぱりそういう議論もあったということを紹介するとして、今申し上げた3行目をどういうふうに理解するのか、その辺をちょっと御説明願いたいと思います。

  角田初等中等教育企画課長補佐 教育長の部分でございますけれども、これはこの部会におきまして、今の教育長の選任の実態が、教育委員を選ぶ段階で自主的に首長が決めるという状況があるのではないか。そういった状況があるにもかかわらず、今、教育委員の中で選ぶということが制度上書かれているのはおかしいのではないかという御意見がこの部会では何回か出ていたことを踏まえまして、記述をさせていただいているところでございますので、内容的にはちょっとわかりにくいかもしれませんが、ここにございますように、選任に首長が——実際首長が決めているというのはなかなか語弊があるかもしれませんが、自主的に教育長が誰になるのかということについて首長が関与しているということについて、もう一つ明確にするということが必要なのではないかという意味で書かせていただいているところでございます。
 それと、平成10年の答申の扱いでございますけれども、これにつきましては、ここの中で明確にございませんが、当然そういったことがあったということにつきましても、経緯をいろいろ書いてございますので、その中で触れるということにつきましては、可能かと考えております。

  鳥居部会長 今の御説明の点ですが、要するに糸がもつれているわけですよ。もつれているのは平成10年答申をそっちのけにしているからもつれているので、平成10年答申で筋を通すとどういうことになるかというと、教育長は首長が選ぶ、特別職である、したがって、教育委員の中で互選されるべき性格のものではないということがはっきりしていたわけでしょう。それが、そうではなくなってしまったから、教育委員会の中で、教育委員の中で互選しているはずの教育長が、実は首長が実質的には選んでいるということになっている。では、どこが悪いのかといったら、決して悪いことじゃないという意見はたくさんあると思うんですよね。首長が選んで当たり前だと。ただ、平成10年答申が歪んでしまったから、ルール上、教育委員会の中で互選することになっているはずでしょうという話が横から出てくるということじゃないのでしょうか。違いますか。

  角田初等中等教育企画課長補佐 そのとおりだと思います。ただ、平成10年のときには、首長が選ぶというよりは、どちらかというと、今の制度を前提として、教育委員会が選ぶという前提で御議論があったのではないかと思っています。

  千代委員 ちょっとよろしいですか。

  鳥居部会長 はい、どうぞ。

  千代委員 私も首長の一人でございますが、基本的に教育長に擬せられる教育委員を選ぶときには、首長の関与は当然あるものとして大半の首長は対応しております。そういうところをもし、後で承認するとするならば、何か明確化をしておく必要はあるだろうと思うのですが、この文言ではちょっと読み切れないですね。
 それと同時に、この委員会では、教育委員会で全部選んでしまうべしという意見もかなりあったように思うのですが、そういうところの両論併記というようなものは考えないですか。私は首長が選んだほうがいいというようにはっきり思いますけれども、それはその人その人によって随分違うのだろうと思います。ここのところをどう判断するか。会長さんのおっしゃるように、もう少し明確化する必要があるのではないかと思います。

  鳥居部会長 どうでしょうか。この問題はほかにも御意見がおありだと思いますけれども、御遠慮なく……。どうぞ、森田委員。

  森田委員 私も、今、千代委員が御指摘されたとおりだと思いますが、首長が教育長の任命にかかわるということについては、少し違和感を覚えます。これは小川先生も同じ意見だと理解しております。
 と申しますのは、普通、政治的中立性という場合には、権限を行使する人の人事権に関して別な人が関与しないというのが前提ではないかと思います。その意味で言いますと、ここでおっしゃっております政治的中立性の意味がそもそもどういうことなのかというのが問われることになりかねないのではないかと思っておりまして、私自身は、少なくとも特に任免権の「免」のほうが重要だと思いますけれども、任命にしても任期がある以上同じことだと思います。それを、政治的な色彩を持った首長から切り離すということが、教育の政治的中立性にとってはかなり重要なことなのではないかと思っております。
 少なくとも任命者の正当性、民主的な正当性がどこから来るかということを考えたときに、やはり教育委員会から来る。これも小川先生の意見に賛成でございますけれども、教育委員の公選も含めて、住民が直接選ぶというのが一番筋の通った考え方ではないかと思っております。これだけが一つの考え方であるとは思いませんけれども、その意味で言いますと、もう少しその辺はクリアにしていただく必要があるのではないか、したほうがよろしいのではないかという気がいたします。

  鳥居部会長 森田先生は、そうすると、教育委員会が教育長を選ぶと?

  森田委員 はい。当然ですけれども、教育長は教育委員を兼ねないということですね。そこで決定と執行ということですけれども、決定者はきちんと自ら正当性を持つという在り方が、制度の在り方としては一番筋が通るのではないかと思っております。
 ただ、現実の問題として、それで本当にうまくワークするかどうか、これまた別問題ですから、そこへの配慮はあるかと思いますけれども、そうした配慮する場合には、その説明をやはりきちんとしておく必要があるのではないかというのが私の意見です。

  鳥居部会長 ありがとうございました。今、現実への配慮というお話があったのですが、現実的な問題としてはどうでしょうか、横山委員。

  横山委員 私自身が今、教育長ですが、首長が教育長を自主的に任命していると言いますが、首長は具体的に、教育委員会の教育委員に対して、「この人を委員長を」なんて一言も言わないわけですね。教育委員が委員会の中で教育長を決めるわけですよ。その教育委員に対して誰も働きかけなんかしていないわけです。では、なぜ自主的に決まっていくかというと、議会でも教育委員の選任であって、教育長の同意ではないわけですね。議案も教育委員の選任の同意なのです。
 では、誰が一体教育長と言っているのだと。私の例で言うと、全部マスコミなんですよ。マスコミがそう書いている。だから見ると、そういうものを通して教育委員の先生方が、これは教育長の候補者なんだというふうな認識をするだけの話であって、ただ現実には、教育委員の方々はほとんど常勤の職を持っておられますので、そこへ役人が入ってやると、おのずから必然的にわかります。もしそういった暗黙のうちに決まっていく方式がよくないというならば、何らかの明確な規定が必要でしょうけれども、少なくとも首長が決めているといっているけれども、暗黙以外の決めなんて何もないんですね。実態というの
はそういうことですから。

  鳥居部会長 だけど、教育委員のリストを議会に出すときには、そのリストの中に教育長候補者と考えられる人の名前は、当然1人入っているわけですね。

  横山委員 教育委員というのは、時系列的にダブッて退任というのはないですから、議案は、必ず選任というのは1名です。

  千代委員 教育委員の選考のときに、一度に5人を教育委員に選ぶというようなケースはほとんどないです。欠員を補充するということになるわけですね。そうすると、教育委員から教育長に職を改められた方が、終わるときに、次の選任を行う場合には、おのずから教育長が欠員になっているがために教育長を選ぶことを大前提にしての教育委員の議会承認を行うという感じでございますから、ちょっとマスコミが決めるというのはまずい考え方だろうと思いますし、現実にそういうものがあるところも、ひょっとしたら存在するのでしょうが、私どもの埼玉県は、そういう下馬評なんか全然出ません。やはり首長が任命をするべく議会に働きかけていくという形をとっております。

  鳥居部会長 やっぱり東京都はマスコミが注目するから……。

  千代委員 そうなんですね。

  横山委員 私はマスコミが決めていると言っているわけではなくて、マスコミの報道を通してほかの教育委員の先生方が知るということを言っているのです。だから、教育委員の先生方に首長が接触することはあり得ないということです。

  鳥居部会長 何ともあうんの呼吸みたいで難しいですね。

  國分副部会長 会長、よろしいですか。

  鳥居部会長 どうぞ。

  國分副部会長 もちろん首長が教育長を選んだらいいという方もいますけれども、平成10年の中教審答申の線がいいのではないかというふうに多くの方は思っているわけですね。中教審として考えますと、答申されたことが実現されていないわけで、実現されていないから別のことをやるというのも、もちろん委員の顔ぶれなり構成が変わっていますから、時にはそういうこともあるかもしれませんけれども、それも何か変な話がするので、中教審としては、まず前回の平成10年の答申ということを、もし皆さんがよければ、やはりそれがいいんだと言った上で、そして現実にはそれが実現できなかったわけですね。だから、これは裏話的にこの席でも幾つか紹介がありましたけれども、具体的に書けないのであれば、諸般の事情から実現できないで、こうなったと。しかし、やっぱりあの制度はよかったんだよ、もう一遍やってみろ、もしできないなら現行制度はかくかくしかしかの問題があるので、そこのところを検討・改善する工夫をしろと、こういうふうに流れとしてはいくのではないかと思うのですが、最後のほうの現行にいろいろあるから改善しろというところが、11ページの終わりから12ページの初めについて、何だかよくわからないけれども、検討するものとすると書いてあるだけで、これだけではよくわからないわけですが、そういう流れかなというふうに私は思うのです。

  鳥居部会長 ありがとうございました。
 今の國分副部会長の御意見についていかがでしょうか。もし國分副部会長の御意見に特段の反対がないようでしたら、これを事務局に宿題として預かっていただいて、私も御相談しますけれども、その方向で修文するということにしたいと思います。ありがとうございました。
 それ以外の問題について、渡久山委員が出されたもう一つの問題は、21〜24ページあたりにかかわる問題ですが、これはいかがでしょうか。どうぞ。

  大澤委員 地域運営学校の報道が、足立区の五反野小の例などが報道されて、うまくいっているほうの例という形で紹介されたかと思っております。ただ、東京都にもかなり多くの学校、地域もありますし、地域住民の構成、あるいは適任のメンバーがいるかどうかといったような問題等もありまして、すべてに一つの学校の例が当てはまるというふうにもいかないところがあろうかと思います。
 積極的にという意味合いもよくあるわけですが、23ページに、「今後積極的にこの制度が活用され」といった程度の書き込みはされていますので、私はこの線でよろしかろうと思っているのですが、地域運営学校がうまくいっている例が報道されて、そのとおりどの学校もあのようなことはできるんだというように意味合いでかなり広くとられましたけれども、現実問題としては、かなりいろいろな課題等もありますので、モデル校の実施の結果が、まだ全部出ていない段階ですので、この制度も既に制度化されておりまして、教育委員会の決定によっては設置できるというところまでいっているわけですので、この現状の方針でよろしいのではないかと、そのように思います。

  鳥居部会長 ありがとうございました。今、御指摘くださったのは、23ページのちょうど上からも下からも真ん中ぐらいのところの、上から三つ目の「まる」の真ん中辺ですね。「この制度は、教職員人事についての意見や学校の教育活動の基本方針についての承認など」云々と書いてあって、「今後積極的にこの制度が活用され、自律的な学校運営が行われるようになることが期待される」と、ここの部分を指しておられたと思います。
 大澤先生の今の御意見ですが、渡久山委員、いかがですか。

  渡久山委員 その部分はいいと思います。

  鳥居部会長 ありがとうございました。
 それでは、この部分は、今、大澤先生が御指摘くださった言葉をできるだけ重くみていただくという趣旨で合格ということにして、それ以外の問題についていかがでしょうか。

  門川委員 前回の議論を踏まえて、よく直していただいたと思います。あと言葉だけの問題ですが、一つは、少子化のことが書かれている1ページ、三つ目の「まる」、「少子化が急速に進み」云々のところで、「子どもに対する教育の優先順序を下げることなく」と、前回の議論を聞いている者はすぐわかるわけですけれども、何か少子化の中で優先順位が下げているところが一般化されているような印象をこの文章だけ見たら感じないのかなと。
 それで、「少子化が急速に進み……変化を与える中、地方行政の中で子どもに対する教育こそ優先されるべきなのだ」と、「下げることなく」ではなしに、地方の志の高い人はみんな、少子化の原因も踏まえて、今、次世代育成、教育が一番大事だということになっていますので、「下げることなく」という否定から始まるのではなしに、言葉の表現だけなのですけれども、お願いしたいというのが意見です。
 もう一つ、17ページ、「教育委員会と地方議会の関係」ということで、このことについては私も前に発言したことがあるのですが、今改めて見ますと、「教育委員会が自らの教育行政について説明責任を果たす上で、地方議会における質疑・答弁は大きな役割を果たしており、教育委員会と議会の関係は」云々のところですが、文章が逆のほうがいいのではないかと思います。
 教育委員会と議会の関係が教育委員会の説明責任を果たす上で重要だという形になっているわけですが、その真ん中の段落に、「教育委員会と議会の関係は教育行政における住民自治の観点から極めて重要である」と、この部分を先に持ってきたほうがよい。説明責任を果たす上で重要であり云々では、文意としては、教育委員会サイドに立っている。例えば説明責任を果たすということも原点だと思いますが、住民自治の観点を先に持ってきて、そのために説明責任を果たしということになるのではないかと思います。細かいことで申しわけありませんけれども。
 最後に、学校運営協議会のことですけれども、これで結構だと思います。ただ、私は直ちにすべての学校でこうした制度が導入されるということについては、大きな課題もありますし、モデル校で実績を次々と上げながら、そうしたことが拡大されることが重要だと思います。
 また、学校運営協議会を設置する学校の数を増やすと同時に、そこまでいかなくも学校評議員制度、あるいは外部評価を含めて、学校評価システムを充実させていく。その中に学校運営協議会の取り組み、教訓が生かされることによって、全国の学校によい影響を与えていくということですので、過渡期はこういう表現でいいかと思うのですが、本気になって増やしていくためには、何か奨励的なものが必要ではないか。前にちょっと申し上げましたけれども、私立の学校等でしたら、保護者あるいは地域の方々が寄附するときに税制上のいろいろなことが適用しやすい。公の学校は自治体にいったん歳入として入らないことにはなかなか難しいという問題もありますので、学校運営協議会を活性化するために、税制上の優遇措置的なことが組み込まれれば、前にも申し上げましたけれども、地域の人が汗もかくかわりに、必要なお金は寄附して地域の学校を盛り上げていこう、こんなこともあってもいいのではないか。これは意見として申し上げておきたいと思っています。

  鳥居部会長 まず1ページの文章の修文についての御指摘は、真ん中の行ですけれども、上から三つ目の「まる」の最後の行、「地方行政の中で子どもに対する教育の優先順位を下げることなく、充実」、別に「下げることなく、充実」と言わないで優先順位を上げろという表現にしてはどうかという御趣旨だと思いますので、そこのところ、おっしゃるとおりなのではないかと思いますが、いかがでしょうか。事務局のほう、よろしいですか。 それからもう一つが、17ページです。下から2番目の「まる」の2行目の真ん中から書いてある「教育委員会と議会の関係は教育行政における住民自治の観点から極めて重要である」というのを冒頭に持ってきて、「重要であり、したがって、教育委員会が自らの説明責任を果たす上で地方議会における質疑答弁は大きな役割を果たす」という表現にしたほうが本来の表現なのではないかという御指摘で、これもそのように受けとめられるのではないかと思いますけれども、よろしゅうございましょうか。
 3番目に門川委員が御指摘になられた、奨励措置としての例えば税制優遇とか、そういうのは私学についての場合には考えやすいのですけれども、公立についてどのように考えられるかというのは、今回の「部会まとめ(案)」では扱いにくいと思いますが、日本の義務教育制度をどういう方向に持っていくかという広い観点から見ると、非常に重要なことで、既にイギリスではまさにやっているわけですから、日本の義務教育の中でも、そういう方向で能率の上がらない、効率の上がらない学校には、まずお金をつけるとか、それで効率が上がってきたら、さらにお金をつけてあげるとかという何か奨励措置をとるとか、いろいろなことを総合的に考える場が別に初等中等教育分科会の中でありそうに思いますので、そちらで受けとめさせていただくということで、よろしゅうございましょうか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

  鳥居部会長 はい、そのようにさせていただきたいと思います。
 それ以外はいかがでしょうか。千代委員、どうぞ。

  千代委員 ちょっとこだわって前回からお話ししているのですが、13ページをおあけいただきたいと思います。「まる」の二つ目の「市町村合併が進む中で、小規模の教育行政の広域化が進むことが期待されるが、依然として小規模の市町村が多く残ることが予想される」、その後なのでございますけれども、「これらの市町村に対しては、都道府県が積極的に支援していくとともに、事務処理の広域化に積極的に取り組む」というように非常にあいまいな表現になっておりまして、その上のほうのところに、広域処理の具体的な羅列もありますので、「都道府県は広域処理を中心として積極的にこうした小規模の市町村に支援をしていく」というように書いていただいたほうがより明確になるのではないかと思うのですが、この点いかがでしょうか。

  鳥居部会長 つまり都道府県が積極的にやるとすれば、まずやるべきは広域処理だという御趣旨ですね。

  千代委員 ええ。それでないと、残されている合併等でもできなかった小規模自治体にとっては、教育をほかの自治体と同等のレベルで行うことが非常に難しくなっていくであろうというのは、今、必然的なんですね。そこは都道府県が捨て去るのではなしにもっと積極的に応援してもらいたい。そのような文言にしていただくとよろしいのではないかと思うのですが……。

  鳥居部会長 今おっしゃった点ですが、要するに町村合併の大きなうねりの中で、自らの判断で合併をしないという道を選んだり、あるいは諸般の事情で合併したくてもできない、あるいは合併する判断に至らなかったというところが、これだけ町村合併の優遇措置を講じている中で、しないほうが悪いんだと言わぬばかりの扱いを受けるのはどう考えてもおかしい。むしろ、それはそれなりの判断で町村合併をしなかったわけだから、都道府県としては、そういうことを抜きにして、小規模のまま残ってしまったことによって生じている不都合は徹底してカバーすべきだという御趣旨だと思うのです。

  千代委員 大体そういうことですね。特に合併ができなかったのには諸般の事情がありますから、そのためにいろいろな行政上の不都合が出てきますけれども、特に教育における機会均等を維持していくには、都道府県のしっかりした支援を、合併しないのだから悪いんだというようなことではなしに、しっかり応援をしてもらう。そのような文言をつけておいていただくのがよろしいのではないかと思っております。

  鳥居部会長 合併しなかったことによって依然として小規模のまま残った市町村においても教育の機会均等が確実に確保されるというのが、今の千代委員のおっしゃるキーワードのように思いますけれども、そんな形で……。
 はい、どうぞ。

  横山委員 今の指摘はそのとおりだと思います。例えば東京都の例で言いますと、どうやっても合併できない離島を抱えているわけです。離島の場合は、合併といっても現実の話ではないので、こういうところについては事務処理の広域化という問題もストレートにかぶってくるかというと、それもないだろう。やっぱり今後ともそういう市町村に対しては、「都道府県が積極的に支援をしていく必要がある」といいますか、そういう文言が一番妥当なのではないか。たぶん全国的に考えても、そういう市町村は離島が相当多いはずですから。

  鳥居部会長 離島というのは何千とあるわけでしょう?

  横山委員 そこまでは……。

  鳥居部会長 自治体単位だと、どのぐらいですか。

  横山委員 東京だけでも10以上ありますから。

  千代委員 もちろん離島もその範囲の中に入るのですが、離島以外にもかなりあるんですね。離島だけを極端に取り上げるのではなしに、全体を取り上げなければまずいのではないかなと思っておりますけれども。

  鳥居部会長 千代委員、今、横山委員の御発言の中にちょっとあったのですが、離島の場合は広域処理も意味がなくて、むしろ直接的な都道府県の支援のほうが大事だということもあるみたいですね。


  千代委員 それはそのとおりでしょうね。ただし、広域でやったほうが事務処理がうまくいくというようなケースもありますし、そちらのほうが多いと思いますね。

  鳥居部会長 両方やっぱり書かないといけない。両方書くとなると、今の書き方でもいいということになりますか。

  千代委員 その前段の「積極的に支援していくとともに」というのと、「事務処理の広域化に積極的に取り組む」というのが並列に並んでいるのですが、ここの順序を決めてもらったほうがいいですね。例えば都道府県が小規模で残されている市町村に積極的な支援をする、基本的にまずそれが大前提でしょうね。さらに、上に書かれているような広域処理についての配慮も、都道府県にさらに積極的に進めてもらいたい。まずは、大前提は、広域処理ができないところはもちろんであるけれども、広域処理ができるところはそれを指導していくことも支援していけばいいのではないか。ここに御出席の皆さん方は、そこまでの市町村は少のうございますから、おわかりにならない面があろうかと思いますけれども、そういう問題がかなり潜在しているということを御理解いただきたいのです。

  鳥居部会長 わかりました。
 八代委員、どうぞ。

  八代委員 別のことでもよろしいですか。

  鳥居部会長 結構です。

  八代委員 7ページでございますが、「教育委員会制度の必要性」というところで、ここちょっと十分議論に参加できなくて恐縮でございますが、これについては、いろいろ賛否両論の意見があったと聞いております。二つ目の「まる」で、例えば教育委員会の必置規制を外すべきではないかという、これは構造改革特区等の提案の考え方だと思いますが、そのときの説明として、3行目に、「地方自治体の組織編制における自由度を拡大する観点から」という説明があるのですが、これだと、単に勝手なことをしたいからというふうにも読めますので、できれば、もう少し説明をきちんとして、「地方自治体の教育行政への自主性を高める観点から」というのを挿入していただければどうかと思います。

  鳥居部会長 ありがとうございました。
 今、八代委員がおっしゃってくださったほうがはっきりすると思いますけれども、どうでしょうか、角田さん。

  角田初等中等教育企画課課長補佐 これは組織編制のところは残しつつ、あるいはそれに追加ということでございますか。

  鳥居部会長 どっちを先に書くか、「地方自治体の教育行政の自主性を高め、組織編制における自由度を拡大する」というふうに並べるか、その逆に並べるか、どっちにするかですね。

  八代委員 できれば自主性のほうを先に書いていただければ……。それが目的です。

  鳥居部会長 そうでしょうね。それが今の御趣旨だと思います。
 では、どうぞ。

  渡久山委員 実は先ほど森田先生からもあったのですけれども、小川先生の意見もありましたが、教育委員の公選制、または準公選制の関係は、例えば今の7ページにも住民の意思、あるいは首長との関係とか議会との関係で教育委員の選び方に問題があるという指摘がありますけれども、やっぱり一定程度そのような選び方の問題というものも指摘しておいたほうがいいのではないでしょうか。
 これは別に特区でやるのかどこでやるかは別として、やはり一つの、今の行政システムとして、より中立性を維持するには、基本的には森田先生が言われたように、公選制というのが筋だと思うのです。しかし、今の現実の中で、できるかどうかという問題もありますけれども、やはり将来のことを考えてみた場合には、そういうことも考え得るだろう。だから、今の問題点として、ちょっと指摘しておいたほうがいいのではないでしょうか。今の7ページに入れるか、あるいは17ページに入れるか、あるいは23ページの住民の教育への参加というところに入れるのか、幾つかの項目があると思いますけれども、問題点として指摘しておくことも--課題といったほうがいいかもしれませんが、どうかと思います。

  鳥居部会長 渡久山委員のおっしゃる教育委員の選び方というのは課題として残るということをどこに入れるかなのですが、ほかの方、これについての御意見はいかがでしょうか。どうぞ、門川委員。

  門川委員 教育委員会制度の初めのほうで随分議論があったと思うのですけれども、私は、今、学校運営協議会を積極的に設置していこう、そして、それには、京都の場合は全部公募委員を入れていく。多い場合は3分の1ぐらい公募で委員を選んでいくことも考えられます。より住民に近いところで学校運営していく中で、住民の声をどんどん反映させていくということが大事だと思いますので、そういう取り組みをしているわけです。
 しかし教育委員を公選で選ぶかどうかという部分になりますと、首長ですら30数パーセントの投票率で選ばれているというのが大都市なんかの現状になってきているのときに、教育委員を選挙で選んで、10数パーセントというような投票率が予想されるのがまた現実ではないかなと思うわけです。そのときには特定の団体、特定の考え方の人が選ばれやすいという非常に危険な部分もあるわけですから、現実には、教育委員の公選というのは東京都の区で実験されたこともありますけれども、そのことによって、子どもの教育、親、家庭、地域の教育力が向上していくところに結びついていったのかどうかというのは、十分煮詰めていく必要があるのではないか。
 したがいまして、あまり現実に反映されない問題点の指摘も、あまり意味がないのではないかというような気がします。そのことはかなり議論されたことではないかなと思います。

  鳥居部会長 今のお2人の御意見、ほかにはいかがでしょうか。どうぞ、横山委員。

  横山委員 私も公選制につきましては、単に教育委員会を公選にするという制度改正だけで議論しても始まらないと思います。公選になった教育委員会が100パーセント教育行政に責任がとれるならいいですよ。とれるような制度設計をするなら別ですよ。それをなしに、単に教育委員の選任だけを公選にするということは、相変わらず首長の責任が残るわけですから、そういった教育行政を混乱するような制度導入を、意見があったという記述は結構ですが、中教審の主たる意見として書き込みことについて、私自身は反対でございます。

  鳥居部会長 わかりました。
 渡久山委員、もう一回よろしいですか。

  渡久山委員 門川委員が発言されたのですけれども、昭和23年ごろできた公選制のときは、私は、原因は二つあったと思うんですね。一つは、やっぱり敗戦後の日本の場合、民主主義的な要するに国民や住民が十分育ってなかったというのが大きな原因だと思うのです。ですから、立候補しても、立候補する人さえいないという感じですね。投票率も悪かった。そういう中で、ある団体は、積極的に教育委員をつくろうということもあったと思いますけれども、今の状況の中では逆に、今の中野の例もありましたけれども、非常に投票率が悪いということは、もっともっと積極的に民主主義的な状況をつくっていく課題は非常にあると思うんですね。これも大きくは教育の課題だと思いますけれども。 だから、今の状況の中では、やっぱりそういうような形でものをつくっていって、本当にレイマンコントロールという意味があるのかないのかということを考えていくべきではないか。特に地方分権ということが今、大きな流れになってきています。そうすると、地方分権というけれども、実際は、行政権の分離だけではなくて、やっぱり地域住民の行政への参加、教育への参加、あるいは子どもたちのために何が最もいい行政システムかということを考えていくべきだと思うんですね。
 そういうような展望というものを持ったときに、私は、やはり教育委員会の公選制とか、あるいはまた言えば、教育財政の確立のために教育税に似たものをつくり上げるとか、そういう形をしていって、本当に地方分権が地域住民や子どもたちにすっきりためになるというか、具体的に生きるような形でやっていくということは、展望として持っていたほうがいいような気がいたします。

  鳥居部会長 ありがとうございました。どうぞ、森田委員。

  森田委員 私の名前もちょっと出たようですので発言させていただきますけれども、私自身は、公選制、準公選制というのも、かなりそういう御意見も出たわけですし、それなりにアメリカの制度を含めて、制度としての一つの考え方をあらわしていると思いますので、そのことにつきましては、そういう意見もあったという形で結構でございますので、ぜひとも記述していただければと思っております。
 その理由と申しますのは、先ほど御意見がございましたように、確かに投票率が低くて、様々な問題を引き起こす可能性もございます。しかしながら、それによって住民の方の関心が高まって、積極的な教育行政の活性化といいましょうか、委員会の活性化が起こるという可能性もないとは言えないと思います。どうしてそれがないのかということは、やっていないわけですから、なかなか議論がしにくいところである。特区というのは、それについて一つの実験をしてみようという発想だと思いますけれども、私自身の理由といたしましては、私よりもむしろ小川先生の意見の、1ページ目の下のほうに書いてございますけれども、準公選とか公選制度というものが果たして日本の自治体にふさわしく、それをもっと導入していくべきであるということは申し上げるつもりはございませんけれども、「教育委員会の組織や運用を弾力化していくという方針を採る以上は、教育委員選任の方法が各自治体の判断と創意工夫にゆだねられるべきである」という観点から、そういう意見もあったということを記述していただくということはお願いしたいと思います。

  鳥居部会長 ありがとうございました。ほかにはよろしいですか。
 今の何人かの方々の御意見を集約してみると、中教審の積極的な意見としてはとても書けないけれども、そういう意見があったという形で引き金を将来に残す。表現の仕方はお任せいただくとして、そのような形になるかと思いますけれども、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。

  國分副部会長 部会長の今の取りまとめ的な御意見でいいと思うのですが、現在でも終戦直後の公選制でなくて、最近の中野区のケースを見ましても、何人かの方からお話がありましたように、あのときは準公選という形ですけれども、年を追うごとに投票率が落ちてきて、最終的にどこまでいったのか、私も記憶がありませんけれども、活性化どころが、みんな飽きちゃっているという実態にある。
 それから、まだ尾を引いて、私はその区に住んでいるものですから、何とか便りみたいなものでときどき見ると、その変形みたいなものが今でも推薦制だとか何とかいろいろな形でやっているようですが、いつも混乱しているふうに受けとめるんですね。そして、その結果、教育行政が活性化しているかというと、むしろ逆で、混乱を招いている。長い目で見れば、それはいいのかもしれませんが、その混乱期にある子どもはどうなるのかということを考えると、少なくとも現実的では、時期尚早ではないだろうかなということだけ申し上げておきたいと思います。

    〔千代委員退席〕

  池端委員 今、部会長がおっしゃっていただいたとおりかと思います。子どもというのは一度失敗したから、じゃ、あと3年間で取り戻そうというわけには、およそそういうことは不可能に近いというか、実験対象云々というものではないのではないかと考えております。1年間の教育があと数年間にわたって尾を引くということは、学校の中でもいろいろありますし、そういう意味では、若干時期尚早ではないかという感覚を持っております。

  鳥居部会長 もう1人挙手されたのは……よろしいですか。渡久山委員、どうぞ。

  渡久山委員 公選制とか準公選制といって、従来のものを考えるだけではなくてもいいと思うんですね。例えば韓国のように、中学校区で教育委員会があって、それが幾つかの教育委員会から代表を選んで、そして県の教育委員を選ぶという感じのものもありましたね。ですから、そういう意味で、例えば今の学校運営協議会なんかができて、これが各学校にできるわけですけれども、それが連合して一つの教育委員という形をつくっていくというような形もできていくと思うんですね。
 ですから、これは、出ていますように、今すぐ何かということよりは、やっぱり将来へ向けた展望としてそういうようなものは書き込んでおいたほうがいいような気がいたします。

  鳥居部会長 将来への展望ということを渡久山委員が二度、三度おっしゃっていますが、要するに「将来の展望」という言葉を使うか、あるいは「中長期的な課題」というような表現にするか、いずれかの形でそういう御意見があったということをとどめるということではないかと思いますけれども、よろしゅうございましょうか。
 それでは、時間があと15分ほどなんですけれども、それ以外の問題についてありましたら、どうぞ。稲田委員どうぞ。

  稲田委員長 一番最後の26ページのいわゆる最後の3行のところで、これは全くこのとおりで教育委員会の在り方について、引き続き検討を進めていく。その前に、「市町村合併」という文言が出てまいりますけれども、私自身、市町村合併こそいわゆる地方教育行政水準向上の一番大きなきっかけというか、チャンスであるというふうな受けとめ方をしております。市町村合併すれば、教育委員も教育長も厳選されるわけですから、一つの大きな引き金というか、チャンスなんです。
 ところが、下手しますと、市町村合併で、前回も申し上げたけれども、いわゆるたくさんのトップクラスの面々が失職するわけですね。いわゆる首長とか三役とか、教育委員そのものもそうですけれども。そうすると、こういう失職する人を救済するために教育委員会に選任する。例えば何々の町長を教育委員にするとか、そういうふうな動きというのがやっぱり地方では必ず出くるわけです。例えば何々市からは首長を出すから、何々町からは助役を出すとか、あるいは教育委員をどうするとか、そういうふうになってきますと、本来の教育行政水準の向上のチャンスにならないというふうに私自身思うわけです。
 だから、そういうことをここの文言の中に書き込むことはできないでしょうけれども、いわゆる市町村合併こそ地方教育水準向上の一つのきっかけというか、好機というか、そういうふうなことを、せっかくこれは最後の結びのところでございますので、もうちょっと表現ができればなということを思っているわけですけれども。

  鳥居部会長 今のお話は、先ほど渡久山委員が引き金を引いてくださった問題、つまり教育委員の選び方の中長期的な検討という話の一環として非常に重要なことですよね。何かうまい表現がないでしょうか。まさか元役職者を入れるなというわけにいきませんから。

  稲田委員 地方では必ず、現実そういう動きというものが出てくるのです。だから、我々としてはそういうことをできるだけ抑えたいという気持ちがあるんですよね。ですから、その辺はお任せしますけれども。

  鳥居部会長 どうぞ。

  池端委員 今ちょっと気がついたのですが、地方の教育委員会事務局のほうに、例えば社会教育課とか言われるところであったり、保健体育課と言われるようなところには、必ず退職された幼稚園の園長先生がおり、小学校長経験者がおり、中学校長経験者がおられる。本当の実務を担っているのは2人ぐらいで、朝から晩までお茶飲んで、3人でしゃべっている。忙しいのは私らだけなんです、何とかしてほしいというような声が実際ございます。
 そういう意味合いでは、今回いろいろまとめていただいたのですけれども、教育委員会事務局の在り方というのが、ここの部分に若干我々が常日ごろ思っているようなことを書き込んでいただけるならありがたいのですが、以上でございます。

  鳥居部会長 教育委員だけではなくて、教育委員会事務局においても同じように……。難しいですね。森脇委員、どうぞ。

  森脇委員 どこに反映していただきたいとかいうことではないのですけれども、教育委員会の在り方を、最後の26ページですが、継続して検討というそこのところで、いろいろ御意見が煮詰まってきて、私もそれをお聞きして大変勉強になったところも多々あります。今、社会でそう簡単に解決できない教育の問題が山積しているわけでございます。そこで、まず学校が今大きく変わりつつあるというお話なんかも随分出ておりまして、それからまた、市長さんも、日本の教育というものを今まで以上に深く、そして見識を持っておやりになる。一言で言いますと、そういう変革、改革に対して、教育委員会が今何をしていかなければいけないか、そして、何ができるかということであると思います。
 一言で言えば、名誉職とかそういうことではなく、活性化が本当に今求められ、教育現場に対しての支援というところが、指導というふうにもおっしゃったし、先ほどの文言に入ったと思いますけれども、この変革の時期は「指導」ぐらいのところも発動していかなければならない面もあるかとは思います。今後やっぱり支援の中身が、今までと多く変わってくるのではないかと強く感じる次第ですが、それがある程度まで実現したときに、また教育委員会はどうあるべきかというところが出てくると思います。
 今はあまりにも問題が山積し過ぎているので、なかなか難しいように思うのですが、「継続的な検討」というところの中に、我々の議論の思いみたいなところが、反映していただかなくて結構と言ったのですけれども、そういう思いを若干強く出していただければありがたいなと思っております。

  鳥居部会長 今、池端委員と、森脇委員と、それから先ほどの渡久山委員が提起されて、ずっと議論してきた問題と、みんな関係しているように思うのです。要するにこういうことでしょうか。「教育委員会とその事務局が名誉職的なものにとどまってはならないことはもちろんであるが、それを超えてさらに教育委員会の在り方について中期的には抜本的な検討も必要だ」とか、そういう形でどこか26ページあたりに入ってくる。
 そうすると、渡久山委員が提起された問題も一緒に言わせていただくことができるような気がするのですけれども、よろしゅうございましょうか。——ありがとうございました。 それ以外大事な問題はありましょうか。時間がだんだん迫ってきているのですが、何か大事な問題があったらおっしゃっていただきたいと思います。
 もしありませんようでしたら、御相談ですが、予備日として来週の14日(火)が一応とってあるのですが、残った問題は結局あと二つなのです。一つは、15ページの生涯教育というのを全部包含する形で理念としてあるのだということ。これは前川課長が説明してくださったことですけれども、それをわかりやすくここに入れるという文言修正が一つ必要だと思います。
 それからもう一つ大きな問題は、11ページの一番下から2番目の「まる」と一番下の「まる」から次のページにかけてのところは、平成10年答申で答申した内容はこれこれであった、その趣旨は実現していない、その実施をこれこれの形で実現することが望ましいというような表現でストレートにいってはどうかという問題がありまして、その表現の仕方が今日は残ったということです。
 この二つのためにもう一回予備日を使って、皆様にお集まりをいただくか、あるいは、今、書き方のスケルトンは申し上げたつもりですけれども、骨組みとしてはそういう書き方でお任せいただいて修文させていただくか、どちらかですけれども、それについての御意見はありましょうか。
 もう一回集まれという御意見と、いや、自分で書いて持ってこいという御意見とあると思うのですけれども、もし後者の、つまりこちらで部会長の私と事務局で書いてみろという御意見をいただけるのであれば、もちろん書きっぱなしではなくて、皆さんそれぞれに御連絡をとって、こういう文案にいたしますということを事前にお諮りはいたします。その形で14日もう一回集まっていだだくのを、年末でもありますので、割愛するかということですが、御意見がありましたら、お願いします。
 どうぞ。

  横山委員 今、部会長のほうでかなり整理をしていただきましたので、私は部会長に御一任したいと思います。

  鳥居部会長 よろしいでしょうか。

    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

  鳥居部会長 ありがとうございました。
 それでは、そういう形で、次回の14日はなしという形で、今の一番肝心のところ、11ページと15ページは原案を修正、そのほかに先ほど来確認をとりながら進んできた修正箇所はすべて修正をして、修正箇所がよくわかるようにして、それを各委員にお示しをして御了解をいただく。その御了解をいただいた上で、「部会まとめ(案)」を完成させるということにしたいと思います。その上で、親部会に上げるということにしたいと思います。
 いろいろと御協力をいただきまして、誠にありがとうございました。これにて今日の審議は終わりとさせていただきます。
 それから今後の方向等について、大体私、今申し上げましたけれども、進め方、親部会に上げていくということでよろしいですか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

  鳥居部会長 そういうことで、進めさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。どうも本当にありがとうございました。
 この部会としては、今年内は集まりがありませんので、よいお年をお迎えください。