(3)具体的な制度設計(主として設置基準に関連する事項について)

 課程の目的:「専ら教員の養成又は研修のための教育を行うことを目的とする」などの共通的な目的規定を整理することが適当である。

 標準修業年限:一般の専門職大学院と同様、2年とすることが適当である。

 必要修得単位数時45分単位以上とすることが適当である。また、そのうち10単位以上は学校における実習によることとし、10単位の範囲内で、大学の判断により教職経験をもって当該実習とみなすことができるようにすることが適当である。

 入学者選抜:各教職大学院の責任において、入学者受入方針(アドミッション・ポリシー)を明確にし、将来の中核的・指導的な教員に相応しい資質能力を適確に判断し得るような入学者選抜の工夫等を行うことが重要である。

 教育課程:学校現場における中核的・指導的な教員として必要な資質能力の育成を目指し、理論と実践の融合を強く意識した体系的な教育課程を編成すべきことを明確にする必要がある。具体的には、体系的に開設すべき授業科目の領域として、1)教育課程の編成・実施に関する領域、2)教科等の実践的な指導方法に関する領域、3)生徒指導、教育相談に関する領域、4)学級経営、学校経営に関する領域、5)学校教育と教員の在り方に関する領域のすべての領域にわたり授業科目を開設することが適当である。

 教育方法:少人数で密度の濃い授業を基本としつつ、理論と実践との融合を強く意識した新しい教育方法を積極的に開発・導入することが必要である。(例えば、事例研究、模擬授業、授業観察・分析、ロールプレーイング 等)

 履修形態:特に現職教員が職務に従事しながら履修できるよう、昼夜開講制、遠隔授業など、弾力的な履修形態を可能とすることが適当である。

 免許状未取得者:教職大学院在学中に所定履修単位のほか、一種免許状の取得に必要な所要単位を修得することが必要である。この履修に当たって、学部での開設科目の履修のほか、教職特別課程(教職に関する科目の単位を修得させるために大学が設置する修業年限を一年とする課程)において履修することも可能である。

 専任教員:最低限必要な専任教員数は11人とするとともに、うち実務家教員の比率はおおむね4割以上とすることが適当である。実務家教員の範囲は学校教育関係者・経験者を中心に想定されるが、そのほか医療機関や福祉施設など教育隣接分野の関係者、また民間企業関係者など、幅広く考えられる。

 連携協力校:教職大学院の場合は、附属学校の積極的活用は当然の前提としつつ、附属学校以外の一般校の中から連携協力校を設定することを義務付けることが適当である。

 形態:教職大学院においても、連合大学院制度や連携大学院制度などの仕組みを活用することが考えられる。

 学位:「教職修士(専門職)」等の専門職学位を学位規則において定めることが適当である。

 評価:中核的・指導的な教員の養成・研修の場としての水準の維持・向上を図るため、大学としての自己点検・評価や認証評価が重要である。大学関係者、学校関係者、地方教育行政担当者等により構成される認証評価機関を速やかに創設し、不断の改善を促すシステムを構築するよう関係者の努力を促すとともに、国として必要な支援を行う必要がある。

1.課程の目的

 専門職大学院の課程の目的は、専門職大学院設置基準上、「高度の専門性が求められる職業を担うための深い学識及び卓越した能力を培うことを目的とする」とされている。ただし、法科大学院については、同設置基準上、「専ら法曹養成のための教育を行うことを目的とする」と特に規定されている。

 教職大学院については、(1)2で述べた主な目的・機能を前提とすれば、設置基準上は、「専ら教員の養成又は研修のための教育を行うことを目的とする」などの共通的な目的規定を整理することが適当である。
 その上で、各大学院の責任において、大学院としての特色や得意領域等を考慮し、また、学校関係者等の意向を十分踏まえ、対象とする学生層や養成しようとする教員像など当該課程の具体的な教育目標・方針等を明確に設定することが重要である。

2.標準修業年限

 専門職大学院の標準修業年限は、専門職大学院設置基準において2年とされている。ただし、学生の履修コース等として1年の短期履修コースや長期在学コースの設定が可能であり、また、専攻分野の特性により特に必要があると認められる場合に限り、1年以上2年未満の標準修業年限を設定することができるとされている(ただし、現在まで具体の事例はない)。なお、法科大学院については、専門職大学院設置基準において特に3年と規定されているが、法学既修者については、各大学院の判断で1年を超えない範囲で在学したとみなすことができるとする規定も置かれているため、実際には、各法科大学院において、未修者を対象とする3年の履修コースと、既修者を対象とする2年の履修コースが設定されている。

 教職大学院については、従来の修士課程における現職教員の再教育や学部新卒者の受入れ実績等を考慮し、標準修業年限としては、一般の専門職大学院と同様、2年とすることが適当である。

 その上で、各大学院の判断・工夫により、現行の設置基準を活用して、現職教員の履修の便宜等に配慮した短期履修コース(例えば1年コース)や長期在学コース(例えば3年コース)の開設、さらには、学部での免許状未取得者を対象に、教職大学院に在学しつつ、その履修と併行して学部の教職科目を履修できる長期在学コースの開設などが期待される。

3.修了要件

 専門職大学院の修了要件は、専門職大学院設置基準において、2年以上在学し、当該専門職大学院が定める30単位以上の修得その他の教育課程を修了することとされており、研究指導を受けることや、論文審査の合格は必須とされていない。
 なお、特に法科大学院については、3年以上在学し、93単位以上を修得することとされている。ただし、法学既修者は、各大学院の判断で、在学期間は1年を超えない範囲内で、また、単位数は30単位を超えない範囲内で軽減することができるとされており、その結果、法学未修者は3年、法学既修者は2年の修了要件が一般化している。

 教職大学院については、研究者養成を目的とせず、高度専門職業人としての教員の養成・研修に特化した教育を行うという課程の目的に鑑み、修了要件としては、研究指導等を要しないこととし、一定期間の在学及び必要単位数の修得のみで足りるとすることが適当である。
 その場合、必要修得単位数については、後述の5「教育課程」で示すカリキュラムの構成を踏まえ、また、既設の専門職大学院が履修単位を40単位~50単位程度としている例が多いこと等も考慮し、専門職大学院設置基準において45単位以上と規定することが適当である。

 また、特に実践的な指導力の強化を図る観点から、修了要件として必要な単位数のうち10単位以上は、学校における実習によることとするとともに、一定の教職経験のある学生については、入学前の教職経験を考慮し、大学の判断で、10単位の範囲内で、教職経験をもって当該実習とみなすことができるようにすることが適当である。

4.入学者選抜

 専門職大学院の入学者選抜については、専門職大学院設置基準上、一般的な規定は設けられていないが、特に法科大学院については、入学者選抜に当たって、1)入学者のうち法学部以外の出身者又は実務経験者の割合が3割以上になるよう努めること、2)同割合が2割に満たない場合、選抜の実施状況を公表すること、と規定し、これらにより多様な知識又は経験を有する者を入学させるよう努めなければならないとの努力義務規定が定められている。また、このため、入学者の適性を適確かつ客観的に評価するよう特に規定している。

 教職大学院については、各大学院の判断により、教員免許状を持たないまま大学を卒業し様々な社会経験等を経た者が、改めて教職を目指す場合の一つの有力な養成機関としての機能を併せ持つことも期待される。他方、我が国の教員養成制度が、専門職大学院制度の活用後も引き続き「開放制の教員養成」の原則を維持し、学部段階で幅広く教職への道が用意されること、さらには、教員免許状は持たないものの優れた知識・経験や技能を有する社会人を教職に受け入れるための特別免許状制度や特別非常勤講師制度が既に導入されており、今後ともその積極的な活用が期待されていること等を考慮すれば、教職大学院に対し、教員免許状を持たない者など多様な学生の受入れを法令で義務付けるような対応は適当ではないと考える。

 このため、入学者選抜については、設置基準上は特段の制限規定を定めないこととし、各大学院の責任において、課程の具体的な教育目標に基づく入学者受入方針(アドミッション・ポリシー)を明確にし、将来の中核的・指導的な教員に相応しい資質能力を適確に判断し得るよう入学者選抜を工夫するとともに、各大学院による自己点検・評価、さらには大学関係者、学校関係者、地方教育行政担当者等により構成される専門の認証評価機関による事後的な第三者評価を通じて、その検証と改善を促していくことが重要である。

5.教育課程

 専門職大学院の教育課程については、専門職大学院設置基準上、「教育上の目的を達成するために専攻分野に応じ必要な授業科目を開設し、体系的に教育課程を編成する」と定められている。
 ただし、法科大学院については、専門職大学院設置基準に基づく告示において、1)法律基本科目(憲法、行政法、民法、商法、民事訴訟法、刑法、刑事訴訟法に関する分野の科目)、2)法律実務基礎科目(法曹としての技能・責任その他の法律実務に関する基礎的な分野の科目)、3)基礎法学・隣接科目(基礎法学に関する分野又は法学と関連を有する分野の科目)、4)発展・先端科目(先端的な法領域に関する科目、法律基本科目以外の実定法に関する多様な分野の科目)のすべてにわたって授業科目を開設するとともに、学生の履修がいずれかに過度に偏ることのないよう配慮すると定められている。

 教職大学院については、学校現場における中核的・指導的な教員として必要な資質能力の育成を目指し、学校教育に関する理論と実践との融合を強く意識した体系的な教育課程を編成すべきことを設置基準等で明確にする必要がある。具体的には、各教職大学院において共通的に開設すべき授業科目の領域として、1)教育課程の編成・実施に関する領域、2)教科等の実践的な指導方法に関する領域、3)生徒指導、教育相談に関する領域、4)学級経営、学校経営に関する領域、5)学校教育と教員の在り方に関する領域を専門職大学院設置基準に基づく告示において定め、教職大学院はそのすべての領域にわたり授業科目を開設し、体系的に教育課程を編成することとすることが適当である。また、上記各領域の履修について、学校の小規模化等の中で、スクールリーダーたる教員は幅広い分野において指導性を発揮することが求められることから、学生はすべての領域にわたり履修することとすることが適当である。

 教職大学院においては、この共通的に開設される科目のほか、各コースや学生の専攻等に応じて選択的に履修される科目が開設されることとなる。(カリキュラムの基本的な在り方については、このほか、1.全体構造参照。)

 さらに、学部段階における教育実習をさらに充実・発展し、特に実践的な指導力の強化を図る観点から、10単位以上の学校における実習を含めるとともに、一定の教職経験のある学生については、入学前の教職経験を考慮し、大学の判断により、10単位の範囲内で、教職経験をもって当該実習とみなすこともできるようにすることが適当である。

 各教職大学院における具体的な教育課程は、専門職大学院設置基準等により規定される上記教育課程の基準に基づき、各大学院の特色や得意領域、教育目標により編成されることとなるが、教職大学院制度の創設に当たり、高度専門職業人養成の観点から、各大学院・教員間において教員養成に関する共通的な認識を醸成し、教員の質を高めていくためには、教員養成を行う大学等関係者において、モデル的な教員養成カリキュラムを作成することが効果的であり、関係者の努力を促すとともに、国として適切な支援を行うことが必要である。

6.教育方法

 専門職大学院の教育方法については、専門職大学院設置基準上、1)事例研究、現地調査、双方向・多方向の討論、質疑応答等の適切な方法により授業を行うこと、2)学生に対し、授業の方法、内容、年間授業計画、学修評価・修了認定基準をあらかじめ明示すること、3)学生が1年間又は1学期に科目登録できる単位数の上限を定めること、4)授業を行う学生数は、授業の方法、施設設備等諸条件を考慮し、効果が十分にあがる適当な人数とすることなどが定められている。
 なお、法科大学院については、1)学生が科目登録できる単位数の上限は、1年に36単位を標準とすること、2)授業を行う学生数を少人数とすることを基本とし、法律基本科目においては50人を標準とすることが特に定められている。

 教職大学院については、少人数で密度の濃い授業を基本としつつ、理論と実践との融合を強く意識した新しい教育方法を積極的に開発・導入することが必要である。
 具体的には、例えば、事例研究、模擬授業、授業観察・分析、ロールプレーイング等の教育方法を積極的に開発・導入することが必要である。
 なお、設置基準上は、基本的に、一般の専門職大学院に適用されている基準を適用することが適当である。

7.履修形態

 専門職大学院の履修形態は、一般の大学院と同様に、昼夜開講制、夜間大学院、長期休業期間中の集中コース、e-Learningによる遠隔授業、サテライト教室の利用、科目等履修制度など、弾力的な履修形態が可能となっている。

 教職大学院の場合も、特に現職教員が職務に従事しながら履修できるよう、履修形態について特段の配慮・工夫を行うことが望ましく、設置基準上は、一般の大学院、専門職大学院と同様の基準を適用することが適当である。

8.教員免許状を保有しないで入学する学生の扱い

 学部での免許状未取得者については、教職大学院在学中に、所定履修単位のほか、一種免許状の取得に必要な所要単位を修得することが必要である。この履修に当たっては、学部での開設科目の履修のほか、教職特別課程(教職に関する科目の単位を修得させるために大学が設置する修業年限一年の課程)において履修することも可能である。この履修については、各大学院の判断・工夫により、大学院の履修と併行して履修することとしたり、あるいは当該履修と教職大学院の課程とを合わせて長期在学コースを設けたりすることも可能である。

9.教員組織

(ア)専任教員

 専門職大学院の教員組織については、専門職大学院設置基準等において、専門分野に関し高度の教育上の指導能力がある専任教員を一定数以上置くこととされ、分野・規模に応じて具体的な算出基準が設けられている。なお、専門職大学院の必要専任教員(設置基準等で示される最低必要数分)は、原則として学士課程・修士課程の必要専任教員数に算入することができないこととされている。

 教職大学院については、大学院設置基準により定められる修士課程(教員養成系)の学校教育専攻の研究指導教員及び研究指導補助教員の数を基礎として上記算出基準により算定し、最低限必要な専任教員数は11人とすることが適当である。

 なお、専門職大学院設置基準において、制度発足当初における学部教育等との関連性や優秀な教員の確保の必要性等の観点から、平成25年度までの間、専任教員のうち3分の1を超えない範囲で、学士課程・修士課程の必要専任教員数に算入することができるものとされており、教職大学院においても同様の基準を適用することが適当である。

(イ)実務家教員

 専門職大学院設置基準では、専門職大学院の必要専任教員のうち3割以上は、専攻分野に関し5年以上の実務経験を有し、高度の実務能力を有する者とされている。
 なお、法科大学院の場合は、課程修了後、司法試験を経てさらに司法修習が予定されており、法科大学院が直ちに法曹として活動するために必要なすべての教育を行うものではないこと等を踏まえ、実務経験者の比率をおおむね2割以上と定めている。また、実務経験者は、法曹としての実務経験を有する者を中心に構成すると特に規定している。

 教職大学院についても、1.4.で指摘したような現行の教員養成システムの課題を踏まえ、学校教育に関する理論と実践との融合を図るためには、専任教員のうちの相当割合の者については、教職等としての実務経験を有する実務家教員とすることが重要である。
 特に、教職大学院については、一般的に学部段階において教員としての基礎的・基本的な資質能力が養成されるという我が国の教員養成システムを前提に、より実践的な内容を教授する必要があることから、実務経験を有する者の役割がより重要となる。このため、教職大学院においては、必要専任教員に占める実務家教員の比率をおおむね4割以上とすることが適当である。

 実務家教員の範囲については、優れた指導力を有する教員や指導主事、教育センター職員等学校教育関係者や校長等管理職などの経験者が中心になることが想定されるが、それのみならず、医療機関、家庭裁判所や福祉施設など教育隣接分野の関係者、また例えばマネジメントやリーダーシップなどに関する指導については民間企業関係者など、幅広く考えられる。
 各大学院においては、各授業科目に応じ、実務の専門的識見・経験をもとに、知見を理論化し適切に教授できる実務経験者を採用することが求められる。

 なお、専任教員以外の教員についても、授業科目・内容により、例えば非常勤の教員として実務経験者を積極的に活用することが重要である。

(ウ)大学教員の教育内容・方法の改善のための組織的研修・研究

 専門職大学院の教育水準を確保する上で、直接の教育活動を担う教員の質の確保が重要であり、専門職大学院設置基準では、各専門職大学院は、授業の内容・方法の改善のための組織的な研修・研究を実施する旨定められている。

 教職大学院でも、具体的には、例えば、学生による授業評価、教員相互の授業評価(ピアレビュー)、教員グループによる教材の選定・開発、教育委員会等と協力した研修など、大学教員の教育内容・方法の改善のための組織的研修・研究を積極的に行うことが必要であり、専門職大学院設置基準上は、一般の大学院や専門職大学院と同様の基準を適用することが適当である。

10.連携学校等

 現在の専門職大学院設置基準には、関連機関との連携に関する特段の規定は置かれていないが、教職大学院の場合、長期にわたる実習や現地調査など学校現場を重視した実践的な教育を進める上で、一般の小・中学校等との間で連携協力関係を結ぶこと(連携協力校の設定)が重要である。

 現在、大学設置基準では、教員養成系学部は附属学校の設置が義務付けられているが、教職大学院の場合は、大学・学部が附属学校を設置している場合、その積極的な活用は当然の前提としつつ、附属学校以外の一般校の中から、連携協力校を設定することを専門職大学院設置基準上、義務付けることが適当である。また、連携協力校以外にも、民間企業、関係行政機関、教育センターなど様々な関係機関と連携することにより、教育内容・方法の改善や指導体制の充実を図ることが望ましい。

11.大学院の形態

 大学院について、既に大学間の協力による連合大学院制度や、大学以外の専門的試験調査研究機関の職員を大学院の基幹的教員として活用する連携大学院制度が導入され、成果を挙げており、教職大学院についても、このような仕組みを活用することが考えられる。

 特に、各都道府県・指定都市には教育センターが設けられ、学校教育の実践に係る実証的な調査研究や教員研修において大きな役割を果たし、研究主事・研修主事等の専門的職員も育成してきていることを踏まえ、これらの専門的職員を教職大学院の基幹的教員として活用することも、理論と実践との融合を目指す教育を実現する方策の一つとして考えられる。
 このため、設置基準上の実務家教員の取扱いにおいても、このような教育センターの専門的職員の活用も念頭に置いた運用が考えられる。
 なお、このような形態での大学院の運営に当たっては、責任体制が損なわれることのないよう連携体制などに十分な配慮が必要である。

12.学位の種類

 専門職大学院の修了者に授与される学位は、学位規則上、「修士(専門職)」とされている。
 ただし、特に法科大学院については、学位の国際的な通用性等も考慮し、米国の「J.D」に相当する学位として、「法務博士(専門職)」と定められている。

 また、米国の大学の教育大学院(スクール・オブ・エデュケーション)では、教育課程・コースを、研究者養成向きのPh.D取得教育課程と高度専門職業人向けの専門職学位取得教育課程に分けて設定していることが多い。このうち、後者では、主に教員を対象に修士レベルの教育課程とその履修コースを、また、学校管理者や行政担当者を対象に博士レベルの教育課程とその履修コースを置き、前者の修了者にM.Ed(修士レベル)を、後者の修了者に対しては、Ed.D(博士レベル)を授与している。

 教職大学院の場合、学位の国際的な通用性等も考慮し、上記「M.Ed」に相当するものとして、「教職修士(専門職)」等の特定の専門職学位を学位規則において定めることが適当である。

13.評価等

 現在、国・公・私立の大学は、大学設置基準において、教育研究等の状況について自己点検・評価を行い、その結果を公表することが義務付けられるとともに、7年ごとに大学の教育研究等の総合的状況について、国が認証した評価機関(認証評価機関)による外部評価(認証評価)を受けることが義務付けられている。さらに、専門職大学院の場合は、これらに加えて、5年ごとに分野ごとの認証評価を受けることも義務付けられている。

 教職大学院においても、中核的・指導的な教員の養成・研修の場としての水準の維持・向上を図るため、大学としての自己点検・評価や認証評価が重要であり、一般の専門職大学院に適用されている基準を適用することが適当である。
 また、教職大学院制度の発足と同時に認証評価が発足・機能するよう、大学関係者、学校関係者、地方教育行政担当者等により構成される専門の認証評価機関を速やかに創設し、その評価等を踏まえた不断の改善を促すシステムを構築するよう関係者の努力を促すとともに、国として必要な支援を行う必要がある

14.名称

 上記の諸要件を備えた大学院については、法科大学院と同様に、共通の名称として「教職大学院」と称することができるよう、専門職大学院設置基準に規定することが適当である。

お問合せ先

生涯学習政策局政策課

-- 登録:平成21年以前 --