はじめに

 スポ-ツは、世界の人々に大きな感動や楽しみ、活力をもたらすものであり、言語や生活習慣を超え、人類が共同して発展させてきた世界共通の文化の一つであるとともに、人格の形成、体力の向上、健康長寿の礎であり、明るく豊かで活力に満ちた社会形成に欠かせない存在である。
 平成23年6月、50年ぶりにスポーツ振興法が全面改正され、スポーツ基本法が制定された。同法は、スポーツを取り巻く現代的課題を踏まえ、スポーツに関する基本理念を示すとともに、スポーツの推進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、文部科学大臣がスポーツの推進に関する基本的な計画(「スポーツ基本計画」)を定めることとしている。

 中央教育審議会は、平成23年9月22日、文部科学大臣から諮問を受け、スポーツ・青少年分科会に設置した「スポーツの推進に関する特別委員会」を中心にスポーツ基本計画の策定について審議を進めてきた。その間、平成24年2月には、スポーツ・青少年分科会として取りまとめた中間報告についてパブリックコメントを実施するなど、幅広く国民の意見を踏まえた審議に努めてきたところである。

 今回の答申では、スポーツ基本法の考え方を踏まえ、まず、スポーツを通じてすべての人々が幸福で豊かな生活を営むことができる社会の創出を目指していくことが必要であることを示した。さらに、その実現に向けて、今後10年間を通じたスポーツ推進の基本方針を示した上で、今後5年間に総合的かつ計画的に取り組むべき施策を明らかにした。その際、5年間に達成すべき目標について、可能な限り数値を用いて示すとともに、施策ごとに実施主体を明示するなど、施策を効果的に推進し、その検証・評価を行うための工夫に意を用いたところである。
 さらに、今回の答申の全体を通じて、国だけでなく、独立行政法人、地方公共団体、学校、スポーツ団体及び民間事業者等、スポーツに関わる多様な主体が、それぞれの立場からスポ-ツの推進に参画し、相互に連携・協働して取り組むことの重要性を強調している。

 今後、本答申を踏まえ、文部科学省として、スポーツ基本計画を速やかに策定し、スポーツ基本法の理念の実現に向けて着実な歩みを進められることを強く期待する。

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スポーツ・青少年局スポーツ・青少年企画課スポーツ政策企画室

(スポーツ・青少年局スポーツ・青少年企画課スポーツ政策企画室)