第2章 今後10年間を見通したスポーツ推進の基本方針

 スポーツの果たす役割を踏まえ、スポーツを通じてすべての人々が幸福で豊かな生活を営むことができる社会を創出するため、本計画においては、「年齢や性別、障害等を問わず、広く人々が、関心、適性等に応じてスポーツに参画することができる環境を整備すること」を基本的な政策課題としつつ、さらに、前章1.(3)において示した「幸福で豊かな生活を営むことができる社会」の具体的な内容を達成するため、次の課題ごとに政策目標を設定し、スポ-ツの推進に取り組み、スポーツ立国の実現を目指すこととする。
 その際、スポーツを実際に「する人」だけではなく、トップレベルの競技大会やプロスポーツの観戦等スポーツを「観る人」、そして指導者やスポーツボランティアといった「支える(育てる)人」にも着目し、人々が生涯にわたってスポーツに親しむことができる環境を整えるものとする。

  1. 青少年の体力を向上させるとともに、他者を尊重しこれと協同する精神、公正さと規律を尊ぶ態度や克己心を培い、実践的な思考力や判断力を育むなど人格の形成に積極的な影響を及ぼし、次代を担う人材を育成するため、子どものスポーツ機会を充実する。
  2. 心身の健康の保持・増進を図り、健康で活力に満ちた長寿社会を実現するため、ライフステージに応じたスポーツ活動を推進する。
  3. 人と人との交流及び地域と地域との交流を促進し、地域の一体感や活力を醸成し、人間関係の希薄化等の問題を抱える地域社会の再生に貢献するため、住民が主体的に参画する地域のスポーツ環境を整備する。
  4. 国際競技大会における日本人選手の活躍が、国民に誇りと喜び、夢と感動を与え、国民のスポーツへの関心を高め、我が国の社会に活力を生み出し、国民経済の発展に広く寄与するため、国際競技力の向上に向けた人材の養成やスポーツ環境の整備を行う。
  5. 国際相互理解を促進し、国際平和に大きく貢献するなどにより、我が国の国際的地位を向上させるため、オリンピック・パラリンピック等の国際競技大会の招致・開催等を通じた国際貢献・交流を推進する。
  6. 才能ある若い世代が夢や希望を持ってスポーツ界に進めるなど、誰もが、安全かつ公正な環境の下でスポーツに参画できる機会を充実させるため、スポーツ界の透明性、公平・公正性を向上させる。
  7. 地域におけるスポーツを推進する中から優れたスポーツ選手が育まれ、そのスポーツ選手が地域におけるスポーツの推進に寄与するというスポーツ界の好循環を創出する。

 なお、1.の子どものスポーツ機会の充実と2.のライフステージに応じたスポーツ活動の推進については、幼児から高齢者まで誰もがライフステージに応じてスポーツに参画できる環境づくりという点では共通している。また、3.の住民が主体的に参画する地域のスポーツ環境の整備は、これらの基盤となるものであり、これらに係る施策の一体的な推進を図ることとする。

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スポーツ・青少年局スポーツ・青少年企画課スポーツ政策企画室

(スポーツ・青少年局スポーツ・青少年企画課スポーツ政策企画室)