はじめに 昭和62年に設置された旧大学審議会は,「大学等における教育研究の高度化,個性化及び活性化等のための具体的方策について」の調査審議を行う中で,大学院制度の弾力化,学位制度の見直し,大学院の評価,大学院の量的整備等,大学院の抱える様々な課題について幅広く検討を行い,累次の答申等を行ってきた。それらを受け,これまで,我が国の大学院の質的・量的整備が図られてきた。特に,平成10年には,「21世紀の大学像と今後の改革方策について」が答申され,大学院研究科の制度上の位置付けの明確化を図るなどの組織編制の在り方,高度専門職業人養成の役割をより重視した大学院の課程の目的・役割の明確化,高度専門職業人養成に特化した実践的教育を行う大学院修士課程の設置促進,卓越した教育研究拠点としての大学院の形成・支援など最近の大学院改革の基礎となる提言がなされている。 本答申を踏まえ,国,大学,産業界等の関係者が,現状の大学院が抱える課題に真摯に向き合うとともに,大学院教育改革に積極的に取り組んでいくことを期待したい。
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