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3.設置基準等について

  6年制学部・学科に係る大学設置基準等及び6年制学部・学科を基礎とする大学院に係る設置基準等については、以下のとおりとする。

(1)  大学設置基準等について

ア  卒業の要件

  卒業の要件は、大学に6年以上在学し、186単位以上を修得するものとする。
  なお、早期卒業は認めないことが適当である。これは、6年制学部・学科においては、薬剤師の国家資格取得に直結した教育が行われること、人格的により成熟した段階で知識のみならず十分な技能・態度を有する専門的な人材を養成するという教育上の必要性があること、教育課程において実習の占める割合が高く学習に要する時間に個人差が少ないことなどから、修業年限未満の在学期間での教育課程の修了及び卒業を認めることは適当ではないと考えられるためである。

イ  専任教員数

  修業年限の延長に伴い、教養教育、専門教育及び実務実習の一層の充実が求められることを考慮して、専任教員数については、それぞれの教育内容に応じた増員を行う必要がある。

ウ  学位の名称

  6年制学部・学科を卒業した者に対して授与する学位の名称は、「学士(薬学)」とすることが適当である。
  なお、4年制学部・学科を卒業した者に対して授与する学位は、これと異なる適切な名称(例えば、「学士(薬科学)」など)とする必要がある。

(2)  大学院設置基準等について

ア  大学院の課程

  6年制学部・学科に基礎を置く大学院の課程は、博士課程のみとし、前期、後期の区分を設けないものとする。その標準修業年限は4年とする。
  6年制学部・学科に基礎を置く大学院においては、主として臨床に係る教育研究の高度化に対応するため、医療薬学・臨床薬学に重点をおいて教育研究を行うことが想定される。
  他方、4年制学部・学科に基礎を置く大学院においては、基礎薬学、創薬科学、生命薬学等に重点をおいて教育研究を行うことが想定される。
  これらの点については、新制度の導入後、各大学において学部段階の教育研究が行われる中で、大学院段階で必要となる教育研究の内容が具体的に明らかになることから、その詳細については、今後、検討が必要である。また、双方の大学院の課程の間において、学生の進路変更等に対応した柔軟な仕組みが必要である。

イ  修了要件

  6年制学部・学科に基礎を置く大学院博士課程の修了の要件は、大学院に4年以上在学し、30単位以上を修得し、かつ、必要な研究指導を受けた上、当該大学院の行う博士論文の審査及び試験に合格することとする。
  ただし、優れた研究業績をあげた者については、大学院に3年以上在学すれば足りるものとする。

ウ  学位の名称

  6年制学部・学科に基礎を置く大学院博士課程を修了した者に授与する学位の名称は、「博士(薬学)」とすることが適当である。
  なお、4年制学部・学科に基礎を置く2年の修士課程又は5年の博士課程(前期課程、後期課程の区分を設ける場合は、2年の前期課程と3年の後期課程)を修了した者に対して授与する学位は、これと異なる適切な名称(例えば「修士(薬科学)」、「博士(薬科学)」など)とする必要がある。

エ  入学資格

  6年制学部・学科を基礎とする大学院博士課程の入学資格は、6年制学部・学科を卒業した者を原則とするが、これと同等以上の学力がある者にも入学資格を認めることが適当である。
  また、6年制学部・学科に4年以上在学し、大学院を置く大学の定める単位を優秀な成績で修得したと認める者を、当該大学の大学院に入学させるいわゆる「飛び入学」の制度を認めることが適当である。なお、この制度の適用により大学院に早期進学した後、進路変更等により薬剤師を目指す者に対しては、学部への再編入を認めるなど、柔軟な対応が各大学においてなされることが期待される。

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