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1  留学生交流の意義(理念)

(諸外国との相互理解の増進と人的ネットワークの形成)

  留学生の受入れ・派遣を通じた留学生交流は,グローバル化する経済・社会の中でますます重要となる我が国と諸外国との間の親密な人的ネットワークを形成するとともに,相互理解の増進や友好関係の深化を図る上で,非常に効果的である。特に,我が国から帰国した留学生は,政治・経済・学術等様々な分野で相手国と我が国との懸け橋として対日理解,友好関係の促進に貢献することが期待される貴重な人材であり,こうした人的ネットワークは,我が国が安定した国際関係を築く上での基礎となるものである。

(国際的な視野を持った日本人学生の育成と開かれた活力ある社会の実現)

  日本人の海外留学は,多様なニーズに応じた教育研究の機会を提供するものである。特に,経済・社会のグローバル化に伴い求められる外国語運用能力の向上をはじめ,国際社会の一員としての日本に対する理解の深化,異なる文化に柔軟に対応できる能力を備えることを可能とするものである。
  さらに,世界各国から優秀な学生が集まる外国の大学等において,国際的な競争環境の中で切磋琢磨(せっさたくま)し,学習や研究に打ち込むことは,真に国際的に通用するリーダーとなる日本人の育成につながるものである。
  また,多くの日本人が我が国に受け入れた留学生との交流を通じて,多様な価値観,発想,習慣等に触れる機会を日常的に持つことや,留学後も引き続き我が国において就職した留学生が活躍することなどにより,国際的に開かれた活力ある社会の実現が期待される。

(我が国の大学等の国際化,国際競争力の強化)

  我が国の大学等が,留学生の受入れ・派遣を進めることは,世界的な広い視点に立って大学等の教育研究の内容や水準を改善することを促す。そして,留学生自身の活力や異文化との交流,国際的な競争環境の形成等を通じて,大学等の教育研究の国際的な通用性・共通性の向上と国際競争力の強化を促進するものであり,ひいては,我が国の科学技術,産業等の国際競争力の維持,向上に資するとともに,我が国の文化の進展等にも寄与するものである。

(国際社会に対する知的国際貢献)

  外国人留学生の受入れは,諸外国の人材を我が国において育成することを通じた知的国際貢献である。また,各国の英知を結集し人類共有の知的財産を創造することや我が国で学んだ留学生が母国で指導的立場で活躍することなどにより,国際社会における我が国の知的存在感を増大させるものである。

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