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はじめに

  平成15年5月,中央教育審議会は,文部科学大臣から「今後の初等中等教育改革の推進方策について」の諮問を受けた。この諮問により検討を求められた多岐にわたる課題については,現在,関係の分科会及び部会において審議を進めているところであるが,この度,検討課題の一つである学校の管理運営の在り方について,中間的な報告を取りまとめ,公表することとした。

  社会の中で人が幸福に生きていく上で,教育は不可欠のものである。我々を取り巻く万物は,自然から与えられるもの以外は,人類の歴史の中で,教育の営みを媒介として生み出されてきたものである。また,教育は,我々に,自然を,また自らを制御する知恵を与えるとともに,争いを排して平和を生み出す力の源泉ともなる。
  教育の中核ともいうべき学校教育は,一人一人の生涯にとってかけがえのないものであり,また,我が国社会にとってもその存立基盤というべき重要性を持っている。
  このような認識の下に,中央教育審議会では,学校教育をめぐる制度の在り方が個々の国民生活や社会全体の在り方に与える影響の大きさを常に念頭に置きつつ審議を進めてきた。今後,最終的な答申を経て今回の提言が制度化され,実際に運用されるに当たっても,当事者においてこのことが十分に認識され,より優れた学校教育の実践に生かされることを切に希望するものである。
  また,新しい時代の教育の具体的なかたちを作っていくことはほかならぬ我々一人一人の責任である。新しい学校の在り方は,制度の改正だけで実現するものではなく,その成否は,我々一人一人の自覚と努力に懸かっている。一人一人が,それぞれの立場から,自立した責任ある個人として,学校教育をより良いものにするための取組に主体的に関わっていくことを期待するものである。

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