ここからサイトの主なメニューです

参考2 第23回中央教育審議会総会における主な意見の概要(案)

1.日時

 平成14年7月29日(月曜日) 16時~18時

2.場所

 ホテルフロラシオン青山「ふじ」(1階)

3.議題

  1. 「青少年の奉仕活動・体験活動の推進方策等について」(答申)
  2. 「大学の質の保証に係る新たなシステムの構築について」「大学院における高度専門職業人養成について」「法科大学院の設置基準等について」(答申案)の審議
  3. 教育基本法と教育振興基本計画について

4.配付資料

  • 資料1 「青少年の奉仕活動・体験活動の推進方策等について」(答申)
  • 資料2-1 「大学の質の保証に係る新たなシステムの構築について」(答申案)
  • 資料2-2 「大学院における高度専門職業人養成について」(答申案)
  • 資料2-3 「法科大学院の設置基準等について」(答申案)
  • 資料3 教育基本法に関する中教審・基本問題部会の議論の概要
  • 資料4 教育振興基本計画に関する中教審・基本問題部会の議論の概要
  • 資料5-1 義務教育費国庫負担制度について
  • 資料5-2 第7次公立義務教育諸学校教職員定数改善計画
  • 資料5-3 経済財政運営と構造改革に関する基本方針2002(抜粋)
  • 資料5-4 地方分権改革推進会議「事務・事業の在り方に関する中間報告」(平成14年6月7日)の概要
  • 資料6 教育基本法に関する委員の意見の概要
  • 資料7 教育振興基本計画に関する委員の意見の概要
  • 資料8 教育基本法・日本国憲法(条文)
  • 資料9 今後の日程(案)
  • 参考1 教育基本法の規定の概要
  • 参考2 教育振興基本計画に関する資料
  • 参考3 第21回総会における主な意見の概要(案)

5.出席者

委員

 鳥居会長、木村副会長、浅見委員、荒木委員、今井委員、江上委員、梶田委員、岸本委員、國分委員、佐藤委員、高倉委員、田村委員、千田委員、渡久山委員、永井委員、中嶋委員、中村委員、増田委員、松下委員、山本委員、横山委員

事務局

 遠山文部科学大臣、小野事務次官、御手洗文部科学審議官、近藤生涯学習政策局長、矢野初等中等教育局長、寺脇生涯学習政策局審議官、加茂川初等中等教育局審議官、名取主任社会教育官、徳重主任体育官、金森総務課長、磯田総括会計官、山中生涯学習政策局政策課長、前川初等中等教育局財務課長、板東高等教育局企画課長、高橋主任教育改革官、その他関係官

6.概要

(1)「青少年の奉仕活動・体験活動の推進方策等について」答申が行われた。

(2)「大学の質の保証に係る新たなシステムの構築について」「大学院における高度専門職業人養成について」「法科大学院の設置基準等について」の答申案について審議が行われ、修正については会長一任とされた。

(3)教育基本法と教育振興基本計画について、事務局より配付資料3、4について説明。

◆ 鳥居会長より説明
 資料3、4は、12回にわたる基本問題部会でここまでまとめたもの。まだ固まった状態ではなく、足りないものを補って形を整える必要があるので、自由な審議をしてほしい。

◆ 自由討議

○ 教育基本法をめぐる議論は、抜本的に改正せよというよりも、戦後50年の経過の中で生じてきた様々な教育問題に対処するために条文に何を加えるかという論調が主流だと理解している。その観点からは、今日示された「議論の概要」には、概ね、必要な事項が取り上げられていて評価する。その上で2点指摘したい。
 まず、基本法の議論の中で、教育界の議論と一般の認識が乖離している気がする。例えば、伝統文化の継承や国を愛する心、日本人としてのアイデンティティなどは、法規性を有する学習指導要領にすでに明記されており、現場ではこの意を体して教育が行われている。このことを視点において議論をすべき。
 また、教育行政としては、学校、家庭、地域社会が各々別個ではなく連携することにより高い教育効果を挙げ得るという観点で現実に取組を推進している。よく現行基本法は学校教育基本法だと言われるが、今日の教育行政はこうした生涯学習社会の体系の中で行われているわけであり、基本法を生涯学習の観点で構築することが必要。

鳥居会長
 はじめの意見については、まだ十分に議論がされていないところ。文化・文明の継承、伝統文化や歴史などへの理解や敬意は人格形成の基本であるとの意見があるが、ペーパーに残る形では定着していないので、今いただいた意見は貴重である。また、すでにそれらは実行されているとの意見についても、テイクノートしておく。

○ 現在の基本法には、教育の目的に「平和的な国家・社会」という文言が入っている。諮問文にもあるように「普遍的な理念を維持しつつ」という前提で考えた場合には、p3の「国家及び社会の形成者」の前に「平和的な」という文言を加えるべき。

鳥居会長
  これについても議論があった。加えて、「民主的な」を入れるべきとの意見も再三出たところ。テイクノートしておく。
 他に特に御意見がないようであれば、ここで一旦打ち止めにし、資料4についてご意見があるか。資料3の文章では、項目ごとの姿勢が煮詰まり始めているが、資料4(基本計画)の方はまだ言葉が並んでいる程度のものであるので是非意見をいただきたい。

○ 基本法や基本計画についての論議は、次のステップに行かないと議論が出しにくい。基本計画については、大事な論点はほぼ出ていると思う。大事なのは例えば最重点課題を3つ、またその次の3つといった一段階、二段階の絞り込みをすること。全体の網羅的なものでは説得力を持たない。
 今までの論議を踏まえて、会長、副会長、事務局で8月中に、「この幾つ」に絞って絞り込み優先順位を付けたたたき台を作ってほしい。そうすれば、9月からの議論が盛り上がる。

鳥居会長
 会長、副会長、事務局でとりまとめていいものか迷っており、難しいところ。むしろ、今日の段階でここが大事という重点があれば各委員からサジェストしてもらって、それを吸収したい。特に、教育の危機のところや戦後教育の問題のところについて、別の表現方法があるか。

○ 基本法を抜本的に見直して計画の根拠規定を置くなら、高等教育をもう少しきちっと位置付けてほしい。本日の答申案の「大学の質の保証の仕組みの構築」「大学院における高度専門職業人養成」「法科大学院の設置」の3点については、この意義が大であることを国民に理解してもらい、財政的な支援をしてもらわないと、今日先に決めたことの意味が実現しないという危惧がある。重点を置くとすれば、高等教育におけるこれらの3点が最も重要な柱の1つ。
 また、資料3の5頁、学校の役割について、高等教育機関の役割も盛り込まれるよう規定する必要があるとの「意見があった」は、もう少し中心的な位置付けが与えられて然るべきである。基本法を直すときには、国を挙げて高等教育に取り組むことを盛り込んでほしい。

鳥居会長
 ここの表現については、うっかり「意見があった」とか「検討する」とかと書くと、新聞で軽く扱ったとか重く扱ったとか勝手な解釈をされかねず、頭の痛いところ。資料3については、現在のところ軽重をあまり意識してはおらず、「意見があった」と「更に検討する」は、あまり差がないものと考えてほしい。

○ 計画の位置付けについて、先ほどの委員とは異なった考えを持っている。基本計画についての議論の意義は、国民にわかりにくい教育の問題について、教育がどういう問題をはらんでいるかの全体像を明らかにすることである。教育基本法と基本計画は軌を一にするものであって、教育基本法の理念を具体化する基本計画の中で、その全体図、体系を明らかにするのがまず必要な作業である。個々の絞り込みはその先である。

○ 20数年前にレーガン大統領が年頭教書演説で「アメリカ国家の危機、それは教育の崩壊である」と発表してから、アメリカではパブリックスクールの回復が進んだ。基本計画の最初に教育の現状と課題として「日本の国のこれからの50年でいちばん大切なのは教育であり、国家は教育を重視して金をかけなかればならない」ということを国民にわかるように書かなければならない。また、高等教育についても、大学の法人化や世界水準の大学作りや非公務員化や競争的資金など色々書いてあり、それらはどれも大学を活性化することになるが、全体のパイが縮んだ中でそれをやっては無茶苦茶になる。高等教育に対する国家の財政的支援をGDP何%以上に保つ等、大きな枠をまず作ることが重要である。そのためには、教育の重要性を国民にわかるように最初に書かないといけない。

○ 自分が言いたいのは基本法を見直すとすれば、高等教育をきちんと位置付けてほしい、ということ。今の教育基本法は、初等中等教育が念頭に置かれている。高等教育を含めた体系的な全体像を示す必要がある。重点的にどこをやるかは次の問題であって、その中で高等教育は大事だということ。

鳥居会長
 全体像をどう分かりやすく表現するかはまだ固まっていないが、その全体像をシンボリックに言うときに、例えば3項目をあげるということは考えられる。

○ 確かに今の教育基本法は、義務教育基本法といわれるような傾向がある。基本計画については、それがなぜ必要なのかについて触れる必要がある。それが全体像を描くことにつながる。日本人は教育熱心であるという認識は誤りであって、総体で見れば教育に金を使っていないし、特に文系に関しては質のいい教育をしてきたとは言えない。例えば、1対1の教育などは考えられてこなかった。そういった問題点をきちんと指摘する必要があり、それでいいのかということを示すために基本計画を作るのだ、ということを明示する必要がある。これからの教育は、生涯学習の中で行われる。そのためには一定のお金が必要だということをはっきり宣言して、そのために基本計画を作るという位置付けを明確にしなければならない。基本計画を立て、1年1年このように充実していくということを明示すべきである。

○ 教員問題について、3頁の「教員」で取り上げられているが、ここに書かれていることだけではなく、「実践的指導力」と「専門性」をセットにして考えることを考慮してほしい。
 6頁の4の最初の○では、再編統合だけが全面に出ていることが気になる。教員養成機能の強化の第一番目はカリキュラムの改善であり、その手段として再編統合も考えるという位置付けだと思う。このことが抜け落ちないようにしてほしい。

○ 教育の現状については、問題面だけでなく、これまでの教育のプラスの面も総括すべきである。知・徳・体という言葉は便利だが、3つが切り離され、1人の人間の中でこれらをどう統合していくかの視点が欠けてしまいがちである。人間総体としてどう教育していくかという視点も必要ではないか。体を通じての教育は体力向上も一つの大きな視点になるが、知・徳にも働きかける総合的なもので配慮すべきである。

○ 財政について、義務教育費国庫負担金減額が新聞に取り上げられており、現場の教員に不安がある。負担金が削られることになると、財政の困難な自治体はますます厳しくなる。日本の教育予算はGDPの3.5%で、OECDの各国平均の4.4%よりも低い。このデータについては色々意見もあるようだが、つまりは日本の教育予算は決して多くはないということ。国庫負担金の交付税化や減額は教育条件を悪くする。振興基本計画の裏打ちとして、しっかりした財政計画を作るべき。

○ 1頁の(2)の課題の下の○、学校・地域・家庭の連携の在り方が難しい。役割の明確化と連携というものについて改めて考える必要がある。

鳥居会長
 学校・家庭・地域の役割については、以前の中教審答申でも家庭への呼びかけという形で書いたが、それぞれの連携をどうするのか具体的なイメージがはっきりせず、制度的にも定着しないまま言葉だけが歩く形になってしまっている。

○ 金を使う以上、透明性の向上を計画に書き加えてほしい。この点、教育界は不十分である。
 6頁、高等教育には私学助成が書かれているが、初等中等教育には書かれていない。しかし、高校の3割が私学である現状を踏まえても、初等中等教育にも書き込んでほしい。

○ 戦後、教育の何が変わったかというと、社会が豊かになって人々が多様性を求めるようになったこと。基礎・基本も大切であり、この充実に対応するためにも、多様性、才能、個性に対応するためにも、それなりのヒト、モノ、カネの量的・質的拡大が必要である。これを前向きな変化としてきちんと受け止めて考えていくことが重要である。
教育のリソースは教員だけではない。家庭や企業、地域社会など各界の専門領域からの参画が今後の方向であり、その辺のコンセプトをはっきりさせるべき。

鳥居会長
 フランスのジョスパン法には「社会全体が教育に関わる」という記述がある。日本における新しいコンセプトとしてそういうものを打ち出すと委員のおっしゃるようなことにつながると思う。

○ 計画の1頁に「知の大競争時代」という表現があるが、これからは知識もさることながら、もう少し大きな意味での人間的な力が求められているのではないか。知に限定しなくてもいい。現在の基本法で、「自主的精神」「自発的精神」といったいい言葉が使われている。子どもがひ弱なのは、独立心をもつことや自分の責任で判断する経験がなく、自発性等が育たずに精神的な弱さがあるから。例えば、自己実現と多面的発展に加え、「個の確立、自主性、自立性」などの文言を盛り込み、これからの子どもが個人として困難に立ち向かい切り開く、ということを書いてほしい。

○ 今の意見に賛成。一人一人が自分の内側に生きる原理を持てるような教育に変えていくべきである。
 文部科学省がやろうとしていることをすべて期限を明記して並べた教育新生プランはよくできている。国民に分かりやすい形で出したことは画期的である。教育振興基本計画はその上をいかなければならない。具体的に、ビジョンに基づいた10年なり5年なりの見通しが必要。また、さらにその中で重点を示さないと説得力がない。
 例えば「概要」4頁の「私学の振興」は、補助金を増やせということではなく、高等教育や幼児教育全体に対しては公法人としての学校法人が学校を設置している比重が極めて大きいのだから、どういう形でその学校法人を支援するかということ。具体的には経常費補助よりは教育プログラムに対する補助をすべきである。つぶれそうな学校を税金で支えるというのはまずい。学校法人の財政基盤を支えるためには、寄付に対する控除等の税制改革が必要。そこまで踏み込まないと私学の振興は絵に書いた餅で終わってしまう。

○ 計画の4頁。今後国立大学でも独立行政法人化が進めば2、3は自然に自助努力でそうなるだろうと思われるので、計画では大きく取り上げなくてもよいのではないか。
 今後の高等教育の課題として、従来の国立中心だった資金配分をどうするか。分野別にインセンティブをつけないと私学は育たない。
 21世紀教育新生プランは、プランを作るところまではいいのだが、施策の実施としての「心のノート」や「家庭教育ノート」は有効なものになっているのか。施策の執行までメスを入れるべきである。

○ これから重要なのは、個の確立である。資料の中でも主体性や自己学習という言葉で「学力」のところに表されているが、誰がそのように方向付け支援していくかというと教員である。子どもをどう育てるかと連動してそれを支援する教員はどういう資質が必要かなど、項目間の連動を考えてほしい。家庭教育についてもそうである。

○ 教育基本法ができた当時と現在が違う点は、生活習慣として子どもが歩かなくなったり手伝いをしなくなっていること。人間としてのたくましさについて、体力向上の取組が重要である。例えば、幼稚園を選ぶときには知育重視・体力向上重視で2極化しがちであり、知育重視を選べばその後体力向上の機会がない。今の時代であるからこそ体力向上のための教育を強調すべき。

鳥居会長
 今の意見は先程来の委員の発言にもあった、大競争時代の中で総合的人間力が問われており、それをもっと育てようということだと思う。

◆ 事務局から義務教育費国庫負担制度について説明(資料5-1から5-4)の後、自由討議。

○ 制度の基本を踏まえつつ、見直すべき点は見直す方向との説明だったが、まさにその通りだと思う。問題は、それが経済財政諮問会議や地方分権推進会議で理解を得られるかどうか。教育の論理を理解してもらわないといけない。特に義務教育については、北海道から沖縄まで、国がきちんと等質の、それもできるだけ良質な教育サービスを提供することが必要である。明治以来、そういう理念で我が国は国民の力を付けてきたのであるし、今大学生の学力低下について色々言われているが、初等中等教育が揺らげば高等教育も駄目になる。制度の基本的理念を強く主張してほしい。

○ 資料5-4の2頁の(2)に、「何らかの客観的な指標に着目した・・・」とあるが、資料4の3頁のように、教育の内容や方法が変わっていくということを前提にしないといけない。指標を作る際には今我々が検討している新しい教育の方向をもとにして作ってほしい。

○ 地方に任せると必ず格差が出るのははっきりしている。例えば、私学助成は交付税により措置されているが、47都道府県中33の地方自治体では国が考えている以下でしか助成がされていない。それも県によって非常に差がついている。それが現実であることを委員にわかってほしい。日本人は教育に熱心でなくなっているように思う。教育に熱心でない民族は必ず滅びるから、ここはしっかり頑張ってほしい。

鳥居会長
 お三方の意見が代表的な意見ということだと思う。小泉内閣にはいい改革を進めるという観点から義務教育費国庫負担制度について考えてもらいたい。

お問合せ先

生涯学習政策局政策課

-- 登録:平成21年以前 --