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6 体力の向上に資する子どもの生活習慣の改善-よく食べ、よく動き、よく眠る “健康3原則”(調和のとれた食事、適切な運動、十分な休養・睡眠)の徹底-

ポイント

  • “健康3原則”を徹底するため、キャンペーンで取り上げたり、「生活習慣チェックリスト」等を作成し、自ら生活習慣を改善できる資質・能力を育成することが必要である。
  • 適切な食生活のために、保護者への働きかけとともに、学校における食の指導の充実が必要であり、学校栄養職員の積極的な参画とともに、「栄養教諭(仮称)」制度など食に関する指導体制の整備が必要である。
  • 家族で食事を共にしたり、早寝早起きなど生活リズムの確立をはじめ、“健康3原則”を徹底し、子どもの生活習慣を改善するため、家庭できまりをつくることが有効である。

(1)生活習慣の基本は、調和のとれた食事、適切な運動、十分な休養・睡眠から-“健康3原則”の徹底-

 体を動かすことと心身の発達は密接に関連しており、体力の向上は精神的な面に良い影響を及ぼす。子どもの体力を向上させるに当たっては、このような心と体の関係を念頭において、心身ともにバランスのとれた発達を促していくことが重要である。
 子どもの体力向上や健やかな成長のために、子どもの生活習慣全体を見直し、適切なものにすることは、現在のライフスタイルの多様化の中でも変わらず大切なことである。このため、既に3. 1~5で述べた方策による適切な運動に加え、食生活、休養・睡眠など日常の生活習慣全体を視野に入れた取組が求められる。そうした観点から、「調和のとれた食事、適切な運動、十分な休養・睡眠」という“健康3原則”が子ども自身に徹底されることが必要である。特に、子どもが健やかに成長し、生涯にわたり健康で豊かな生活を送る上で、健全な食生活は、欠くことのできない基本的な営みである。近年、食生活を取り巻く社会環境などが大きく変化し、食に起因する新たな健康課題が見られる状況にあり、家庭での取組とともに、学校における食に関する指導の一層の充実が求められる。

 “健康3原則”が子ども自身に徹底されるためには、家庭における取組が必須であり、「外遊びとスポーツのすすめ-体を動かそう全国キャンペーン(仮称)-」の中で、“健康3原則”にのっとって積極的に子どもの生活習慣の改善に取り組むことの必要性を、親しみやすい標語を作るなどして、保護者をはじめとした国民にわかりやすく訴えていく必要がある。
 また、「生活習慣チェックリスト」や「自己点検表」などを作成し、「スポーツ・健康手帳(仮称)」に掲載して配布することなどにより、子ども自身が進んで生活習慣を改善できる資質・能力を育成する必要がある。

 学校においては、子どもに“健康3原則”にのっとった生活習慣の改善が促進されるよう、校長のリーダーシップの下、組織として一体となって取り組むとともに、地域の保健・医療関係者等の専門家や機関を活用することが重要である。具体的な取組としては、例えば、学級参観における授業や総合的な学習の時間、特別活動、PTAと連携した保護者会などの場で、子どもの生活習慣の改善について学習することなどが考えられる。また、特別非常勤講師の活用や、教諭、養護教諭と学校医等や学校栄養職員とのティーム・ティーチングの実施も有効である。

 さらに、有効な生活習慣の改善のための施策を展開するためには、子どものライフスタイルや生活習慣病につながる要因に関する値を継続的に把握し、施策の有効性を評価することが重要であり、このための調査研究にも一層力を入れる必要がある。
 なお、適切な生活習慣の確立と関連して、子どもがきちんとした姿勢で過ごすことも、心身ともに健康に育っていくために大切なことであり、家庭や学校で子どもがきちんとした姿勢で過ごすことができるようにしていくとともに、地域でも子どもの姿勢を気にかけ、声をかけていくなど地域ぐるみで取り組むことが必要である。

(事例17)心豊かにたくましく生きる生活習慣の形成(青森県深浦町立風合瀬小学校)

  • 児童の生活習慣及び健康、体力づくりに関する実態・意識調査を行い、生活のリズム、食生活、歯磨き調査、スポーツテスト等により、今後の健康教育を進めていく上での課題等を明らかにした。
  • 保健婦や食生活改善推進員による「親子栄養教室」を実施し、野菜の大切さの再認識と親子のふれあいの場となった。
  • 参観日を通して全学級が保健学習の公開を行い、保護者の意識啓発や家庭で健康に対する取組について話し合うきっかけになっている。
  • PTA等からなる学校保健委員会において、実態調査の結果から問題点を取り上げ、児童と保護者それぞれの言い分を出し合うことが、家庭での生活を見直す機会となり、生活改善への意識向上にもつながっている。

(事例18)学校、保護者、地域が一体となった健康教育の推進(香川県さぬき市(市立長尾小学校・長尾中学校))

  • 教育長、学校関係者、PTA、学校医、学校歯科医、学校薬剤師、保健所職員、学識経験者からなる学校健康教育推進協議会を組織し、学校、家庭、地域が一体となった健康教育について多面的に検討する。
  • 学校における生徒保健委員会の啓発活動を通じて、全校生徒の健康に対する意識が高まった。
  • 学校健康教育推進協議会によるPTAへの働き掛けによって、PTAの専門部や母親委員会において、健康づくりに関する取組が見られるようになり、保護者全体の健康に対する意識が高まった。
  • 学校内に健康教育推進委員会を設置し、各教科との関連や特別活動における指導の時間の確保等、学校教育全体を通じて健康教育を推進した。

(2)食に関する指導の充実

 近年、食生活を取り巻く社会環境などが大きく変化し、人々の食行動の多様化が進む中で、偏った栄養摂取、肥満傾向の増加、生活習慣病の若年化などの食に関する健康問題が引き起こされているが、食生活は人間が生きる上での基本であり、望ましい食習慣や栄養バランスのとれた食生活を形成する観点から、学校における食に関する指導は極めて重要である。
 食に関する指導に当たっては、小学校低学年から学校の指導計画に明確に位置付け、食に関する知識を教えるだけでなく、知識を望ましい食習慣の形成に結び付けられるような実践的な態度の育成が必要である。その際、学校給食を食に関する指導の「生きた教材」として活用し、栄養バランスのとれた食事内容などについて、体験を通して学ばせることも重要である。また、教諭・養護教諭はもちろんのこと、食に関する専門家である学校栄養職員の積極的な参画・協力が重要である。例えば、教科、特別活動、総合的な学習の時間等における担当教諭とのティーム・ティーチングや、特別非常勤講師に発令しての指導のほか、児童生徒に対する個別的な相談指導などにおいて、学校栄養職員の専門性の発揮が期待される。
 なお、学校栄養職員については、食に関する専門家としての知識はもとより、児童生徒の成長発達やこの時期の心理の特性などについての正しい理解の上で、教育的配慮を持った食に関する指導を行うことが求められている。このような状況を踏まえ、これまでの研修等の事業の改善充実を図るとともに、教育活動を担うにふさわしい指導力を持った学校栄養職員の養成を図ることのできる制度を創設し、このような制度的な担保に裏付けられた学校栄養職員を各地域や学校の実状に応じて教育活動に効果的に活用していくことが求められる。このため、いわゆる「栄養教諭(仮称)」制度など学校栄養職員に係る新たな制度の創設を検討し、学校栄養職員が栄養及び教育の専門家として児童生徒の食に関する教育指導を担うことができるよう食に関する指導体制の整備を行うことが必要である。

 一方、国においては、小・中学生を対象とした食生活に関する学習教材や、指導者用解説書を作成・配布しており、学校での積極的な活用が期待される。
 また、この学習教材の充実を図ることも重要である。
 さらに、学校における指導のみならず、家庭や地域社会との連携により、食に関する指導の充実を図ることが重要である。具体的には、食生活に関する授業等を保護者と児童生徒が一緒に受けたり、学校栄養職員が「食生活連絡ノート(仮称)」やインターネット等により保護者からの食に関する相談に応じたり、親子料理教室や、地域あるいはPTA主催の食に関する行事に参画したりするなどの取組が考えられる。

(3)家庭での子どもの生活習慣の改善

 “健康3原則”を徹底し、子どもの生活習慣全体を適切なものとするために家庭の果たすべき役割は非常に大きく、各家庭において、保護者も子どもも守るべき生活習慣についてのきまりをつくるなど、積極的に子どもの生活習慣の改善に取り組むことが重要である。このようなきまりをつくる際には、以下のような適切な生活習慣の形成の基本となる事柄に留意する必要がある。

  1. 栄養バランスのとれた食事をとること
  2. 毎日朝食をしっかりとること
  3. 家族一緒に楽しく食事する機会を積極的にもつこと
    (家族一緒の食事は、子どもの体の健康とともに、家族の心の交流を進め、子どもの安心感、社会性、道徳心や思いやりの心などを育む。また、食事のしたくや後片付けなどの手伝いの体験も子どもには重要である。)
  4. 早寝早起きの習慣をつけること
    (質量ともに十分な睡眠は体の発育や生活リズムの確立に大切である。テレビやテレビゲーム等に過度にのめり込まないようにする。)
  5. 体操や散歩など毎日規則的に運動すること。
  6. 外遊びで思いっきり体を動かすこと。
  7. 階段を使ったり、バスや電車などの公共の乗り物では立つようにするなど、日常生活の中で、できる限り体を動かすような生活態度を身に付けること。
  8. きちんとした姿勢で過ごすこと。

 なお、他の家庭と比べがちな子どもがきまりを守るようになるためには、それぞれの家庭の主体性や独立性を子どもにしっかり認識させ、各家庭のきまりを尊重する心を育てることも重要である。

(事例19)ノーテレビデー運動の呼びかけ(福岡県浮羽郡)

  • 「子どもとメディア研究会」が家庭での生活がテレビ中心では幼児によくないと、幼稚園・保育園の協力を得てノーテレビデー運動を呼びかけ。
  • 平成12年2月に幼稚園で予備的に実施した後、4月から福岡県浮羽郡内の全保育園18園で一斉に月1回のノーテレビデー運動が始まる。
  • 実施して、「家族全員の協力が難しい」、「子どもの相手で親がゆっくりできない」といった否定的な意見も見られたが、「家族の会話が増えた」、「一緒に遊ぶ時間が増えた」といった意見が多く寄せられたほか、「子どもが自分で遊びを考えるようになった」、「子どもが早起きでき機嫌もよかった」といった意見が寄せられた。

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生涯学習政策局政策課

-- 登録:平成21年以前 --