ここからサイトの主なメニューです

4 学校の取組の充実 -創意工夫をこらした体力つくりと地域社会との連携-

ポイント

  • 学校においては、始業前や休み時間の活用など学校教育全体で創意工夫をこらした体力つくりの取組が期待される。また、体育の授業の複数の指導者による指導等も有効であり、外部指導者の活用が効果的である。
  • 運動部活動については、子どものニーズに応(こた)えるため、外部指導者の一層の活用、複数校合同運動部活動、総合運動部の推進、地域のスポーツクラブとの連携・融合などが重要である。
  • 幼稚園等においては、運動を重視した指導が重要である。また、家庭と連携して、家庭で積極的に外遊びの機会を作るなど体を動かす習慣を付ける取組が求められる。

(1)学校の取組の充実

 学校では、児童生徒に積極的に体を動かす意識を持たせるとともに、体を動かす機会を定期的に提供し、生涯にわたってスポーツに親しむ契機となるよう、体育・保健体育の授業、特別活動、総合的な学習の時間、運動部活動など学校教育全体で体力の向上に取り組むことが期待される。
 また、できるだけ児童生徒が体を動かす時間を多く確保できるよう、始業前や休み時間を活用して全校で体を動かす時間を設定するなどの工夫が求められる。その際、児童生徒がより運動することを楽しみ、体力の向上に積極的に取り組むことができるようにすることが重要である。
 このため、特に幼稚園や小学校の教員については、子どもの発達段階に応じて、外遊びを促したり、体を動かす楽しさや喜びを体験させる指導ができるよう、実技研修などを充実することが求められる。
 また、体育・保健体育の授業に複数の指導者を配置することにより、個に応じたきめ細かな指導が可能となる。複数による指導は、教員だけで行うことも考えられるが、地域のスポーツ指導者や教員養成系、体育系の大学生など外部指導者を教諭の補助者として活用することも効果的であり、このような取組を学校に促すため、国による支援を一層充実する必要がある。
 さらに、小学校では、地域や学校の実情に応じて体育専科教員の配置に積極的に取り組むことが期待される。中学校の保健体育の教員が小学校の体育を指導するなど異なる校種間の連携協力も効果的である。また、地域のスポーツ指導者を特別非常勤講師としてより一層活用することも求められる。

(事例8)創意工夫をこらした体力つくり(名古屋市立菊住小学校)

  • 業前(ふれあいタイム)には、おしゃべりウォーキングや菊住フィットネス、低・高学年集会を行い、心と体をほぐすとともに、仲間と一緒に力いっぱい運動することを推進している。
  • 業間(チャレンジタイム)には、いろいろな遊びを紹介したチャレンジカードをもとに、友達と一緒に運動遊びに取り組むことを推進している。
  • 丸太渡りやロッククライミングなどの運動遊びをしたり、楽しみながら体力測定をしたりするメディカルチェックルームを設置して、体力や健康について関心を持つことができるようにしている。

(事例9)休み時間を活用した運動遊び(横浜市立篠原西小学校)

  • 毎週火、水、金曜日に中休みを30分とり、その時間で運動遊びを実践。
  • 水曜日は児童会の運動委員会が「フレンドスポーツ」という運動集会を企画・運営している。運動種目の選定も児童の声をもとに行われ、ドッジボールや鬼遊び、表現遊びなどを行っている。
  • 火、金曜日は、児童と教師が一緒に運動遊びをすることになっている。
  • これらにより外遊びの習慣が形成され、この時間以外にも外での集団遊びをする時間が増えた。クラスの内外で交流が深まり、仲間づくりが盛んになされるようになった。

(事例10)外部指導者とのティームティーチングによる体育指導(愛媛県丹原町立丹原小学校)

  • 5年生の体育の水泳の指導を地域の水泳センターの指導者と施設を活用して、ティームティーチングで指導している。
  • 5人のティームティーチング体制で多様なコースをつくり、少人数で児童一人一人のめあてや能力に合った指導を行う。
  • 一人一人の運動量も確保でき、安全面の配慮も容易になる。

(2)運動部活動の充実 -スポーツにおける学社連携・融合の推進-

 運動部活動は子どもの体力向上に有効であることに加え、子どもの自主性や協調性、克己心、フェアプレーの精神を育むなど教育的効果も大きく、より多くの児童生徒が自ら意欲的に興味・関心のあるスポーツに取り組めるよう充実を図る必要がある。

1.外部指導者の充実

 指導する教員の高齢化が進んだことや、すべての教員が必ずしも専門種目を指導できるとは限らないことから、子どもたちのニーズに適切に対応するためには学校の外に指導者を求める必要があり、地域のスポーツ指導者の運動部活動への積極的な活用が必要である。このため、国の支援の一層の充実とともに、子どもの発達段階に応じた適切な指導ができるよう、外部指導者の研修の充実が求められる。その際、受講者が参加しやすいよう工夫することが期待される。

2.複数校合同運動部活動の推進

 少子化等による運動部活動への参加者数の減少によって、団体競技を中心として運動部活動の継続が困難な場合が増加しており、また、適切な指導者を得るための方策の一つとしても、複数校合同運動部活動の取組は効果的である。この取組については、同じ学校種間にとどまらず、小学校と中学校、中学校と高等学校といった異なる学校種間の連携・交流も考えられる。このため、地域や学校の実態に応じて、国が教育委員会や学校に複数校合同運動部活動の取組を支援するとともに、全国規模の学校体育大会への合同チームの参加に向けて、学校体育団体が積極的に取り組むことが重要である。

3.総合運動部の推進

 子どもが興味・関心に応じて、多様なスポーツができるよう、複数の種目に取り組むことができる総合運動部の推進を図ることが重要である。特に小学校の段階では、いろいろなスポーツを行って、筋力などバランスの取れた体の成長を促すとともに、自分にあったスポーツを見つけることができることからも意義が大きい。

(事例11)総合運動部の取組(熊本県熊本市立小島小学校)

  • 4年生以上の児童の約9割が何らかの部活動に所属している。
  • 児童が体を動かすことを好きになり、進んで活動するよう総合運動部を設け、サッカーやバスケットボール、水泳、陸上などを時期によって行っている。
  • 児童の興味・関心に応じた取組により、総合運動部に所属している児童は、運動することの楽しさを知って、積極的に運動に取り組むようになってきている。

4.運動部活動と地域スポーツの連携・融合

 総合型地域スポーツクラブなど地域スポーツと運動部活動との一層の連携・融合を進めることが重要である。具体的には、運動部活動と地域スポーツクラブの指導者や施設を相互に活用したり、合同練習、子どもが双方に同時に所属することなどが考えられる。このような取組を進めるため、学校体育大会への地域のスポーツクラブの参加について、学校体育団体において検討が求められる。

(3)幼児教育の充実

 幼児期は、体力を培う上で、非常に大切な時期であり、この時期に運動や遊びの中で十分に体を動かすことが必要である。このような経験により体力が培われることは、生涯にわたって健康を維持し、積極的に学習活動や社会的な活動に取り組み、豊かな人生を送るための重要な要素となる。幼児期の体力は、一人一人の幼児の興味や生活経験に応じた遊びの中で、幼児自らが十分に体を動かす心地よさや楽しさを実感することでつくられることから、幼稚園など幼児教育において、幼児が体を動かす機会や環境を充実することが必要である。
 心と体の健康が相互に密接な関連をもち、体を動かすことで意欲も出てくることから、幼児期には運動を重視した指導を行うことが重要である。その際、幼児が自発的に体を動かすようになるための指導の工夫が重要である。
 また、体を動かすことが幼稚園などで一過性のものにならないよう、子どもの体力向上について保護者の意識を高め、家庭と連携して、家庭において積極的に外遊びの機会をつくるなど体を動かす習慣をつけるようにすることも重要である。このため、幼稚園などにおいて、保護者を対象に親子でふれあう運動や生活のリズムを整えるといった体力向上に関する講座や勉強会を開くなどの取組が期待される。
 施設・設備においても、幼児が体を動かしたくなったり、戸外に興味・関心を持ったりするよう、幼稚園などにおいては、土や芝生の前庭などを整備したり、遊具を工夫することなどが重要である。

(事例12)外遊びを促す幼稚園の取組(東京都文京区立第一幼稚園)

  • 子ども自ら外遊びの楽しさを実感し、主体的にかかわっていけるよう、教師は幼児の行動を引き出す意図的・計画的な環境の工夫をしたり、実技研修で指導の充実に努めたりしている。
  • 元気な子どもを育むため、家庭と連携した子育てキャラバン隊をつくり、母親も先生となるジョイント週間、父親と遊ぶプレイデーを行ったり、講演などの活動を実施している。

お問合せ先

生涯学習政策局政策課

-- 登録:平成21年以前 --