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3 地域において子どもが体を動かすための環境整備 -「スポーツふれあい広場」などによる機会、場、仲間の確保-

ポイント

  • 子どもが日常的に体を動かすために、子どもが集まって手軽にスポーツや外遊びができる「スポーツふれあい広場」を各地域で発掘することが必要であり、学校開放の推進や企業などの未利用地などの開放が求められる。
  • 子どもがけがを恐れず、思い切って体を動かすために学校等の運動場の芝生化が重要である。
  • 子どもの発達段階等に応じて指導し、スポーツをする楽しさを感じさせることができるよう指導者の資質向上が必要であり、スポーツ団体等による子どものスポーツ指導者養成事業の工夫や講習会の実施などにより、子どものスポーツ指導のより一層の普及・充実が期待される。
  • 子どものスポーツや外遊びの見守り、指導のためのボランティアが必要であり、大学生などに呼びかける。その際ボランティア・パスポートの考え方を採り入れることも考えられる。
  • 自然体験活動は体力の向上に有効であり、子どもたちの積極的な参加を図る。

(1)地域におけるスポーツや外遊びの機会や場、仲間の確保 -だれでも集まることができるスポーツや外遊びの場「スポーツふれあい広場」の確保-

 子どもが日常的に体を動かすには、個人単位でも子どもが集まって、手軽にかつ安全にスポーツや外遊びができる「スポーツふれあい広場」を各地域で発掘することが必要である。具体的には学校の運動場や体育館などの学校施設や公園、未利用地の活用などが考えられ、例えば、公園については、種々の利用上の規制を緩和し、自由に遊べるようにしたり、公共施設の跡地や利用されていない公共用地などを活用することも考えられる。
 特に、学校の運動場や体育館などの学校施設は、地域における子どもの最も身近な遊び場であり、スポーツ施設である。このように学校は「スポーツふれあい広場」として大いに活用されることが求められる。さらに、単なる場の開放にとどまらず、地域住民との共同利用を進めていくことが期待される。特に、子どもや親子が気軽に、かつ安全にスポーツや外遊びができるよう、利用日を決めて個人単位でも利用できるような管理運営についての工夫が求められる。
 さらに、企業や個人が所有する未利用地や運動場、体育館などの施設を地域住民に開放することが期待される。地方公共団体がこれにより、子どもの「スポーツふれあい広場」を確保するには、所有者が土地を提供しやすいよう、税の減免などの工夫が有効である。
 地方公共団体が子どもの遊び場等となる「スポーツふれあい広場」を運営する際は、地域住民でつくる組織に運営を委託するなど、地域住民が主体的に運営するような工夫も求められる。
 また、総合型地域スポーツクラブにおいても、幼児や運動嫌いの子どものため、スポーツだけではなく、外遊びや体を動かす楽しさが実感できるメニューを用意したり、指導者や種目の工夫など女子の参加について配慮することにより、だれでも気軽に集まって体を動かす場となることが期待される。
 なお、「スポーツふれあい広場」の運営にあたっては、障害のある子どもたちの体を動かす機会の確保にも、配慮を行うことが望ましい。

(事例2)個人でサッカーに参加できる広場(千代田区小川広場)

  • 平成4年に千代田区神田小川町の小学校跡地を子どもが自由に遊べる広場として整備。
  • その中でサッカーができる空間があり、自然発生的に中・高校生などサッカー好きの若者が個人で訪れ、集まってきた者とサッカーを楽しんでいる。子どもの自由に遊ぶ広場といった当初の目的とは必ずしも一致しないが、予約も使用料も要らず、相手を探す必要もないことから、気軽にサッカーを楽しみたい若者に人気がある。

(事例3)住民が主体となって運営する子どもの冒険遊び場(プレーパーク)(東京都世田谷区)

  • 世田谷区が場所を提供し、社会福祉法人世田谷ボランティア協会に運営を委託しており、ボランティア協会と住民の自主組織であるプレーパークの会が、協力して運営している。
  • 遊び場はきれいに整備されているわけではなく、穴だらけであったり、廃材が置いてあったりするが、そのような材料を用いて小屋を建てたり、たき火をしたりと、子どもが自由に遊ぶことができる。
  • 「自分の責任で自由に遊ぶ」がモットーで、プレーパークの開園日には、常時プレーリーダーが常駐し、材料を用意したり、子どもの相談に乗ったりしている。

(2)子どもが体を動かしたくなる施設・設備の充実 -運動場の芝生化とトレーニング設備・遊具-

 子どもが体を動かしたくなる気持ちを持つとともに、思い切って体を動かすことができるよう施設・設備の充実も必要である。特に、学校や社会体育施設の運動場の芝生化は、転倒したときの衝撃が芝生により和らげられることから、子どもがけがを怖がらずに体を動かすことが促されることとなり、学校においては、体育の授業や休み時間などにおいてスポーツや外遊びが活発化することが期待される。また、芝生化された学校の運動場を開放し、そこに子どもや地域住民が集うことにより、地域の交流拠点となる。社会体育施設においても、同様の効果が期待される。
 さらに、学校や社会体育施設に子ども向けのトレーニング設備や遊具を備え、指導者を置くことも求められる。特に学校においては、余裕教室の活用などにより、トレーニング設備や工夫を凝らした遊具を備え、指導者を置いて、子ども一人一人の体力や発達段階に応じて、適切なトレーニングや運動ができるようにすることも重要である。

(事例4)校庭の芝生化(千葉県印旛村立平賀小学校)

  • 校庭の芝生化を行い、天候に大きく左右されないことや転倒を恐れることがなくなったことなどにより、児童が能動的に運動に取り組むようになるとともに、日常の運動の内容・量が多様化・増加した。
  • 地域に開放し、幼児から成人まで遊びや運動、スポーツの場として活用されている。

(3)スポーツや外遊びの指導、見守り

1.地域におけるスポーツ指導者の資質の向上

 子どもがスポーツを好きになるために、子どもの発達段階や男女の違いなどに応じて指導し、スポーツをする楽しさを感じさせることができる指導者が不可欠である。
 しかしながら、指導の過程で、子どもたちの発育発達に対する配慮を欠いたり、あまりに早期に特定種目へ専門化してしまうなどの問題も指摘されており、発達段階などに応じて基礎的な体力や運動能力を高めたり、多様なスポーツに触れてその楽しさや喜びを味わったりするなど、一人一人の能力・適性を伸ばしていく視点に立って指導を行うことのできる指導者がまだ少ない状況にある。
 こうした中、例えば現在、財団法人日本体育協会において少年のスポーツ活動などについての指導者の養成事業が行われるなど関係者の熱心な取組が進められてきてはいるものの、まだ子どもに対する適切な指導ができる指導者は不足している。
 このため、さらに、財団法人日本体育協会をはじめとするスポーツ団体などが行う子どものスポーツ指導者養成事業について、受講者が参加しやすいよう工夫したり、地方公共団体やスポーツ団体が講習会を実施するなど、子どものスポーツ指導がより一層充実されるよう、スポーツ指導者の養成や資質の向上に取り組むことが求められる。
 また、女子のスポーツ参加を促進するために、指導者の養成に当たっては、女子の指導の在り方について十分理解させる工夫が求められるとともに、スポーツ団体等において、女性の指導者の養成、資質向上に一層取り組むことが求められる。

2.スポーツや外遊びの指導、見守りのボランティアの確保

 スポーツ少年団などにおいて子どもがスポーツをする場合、スポーツ指導者が必要であるが、子どもが地域の「スポーツふれあい広場」でスポーツや外遊びをする場合についても、けがなどのトラブルに備えて子どもたちの活動を見守ったり、必要に応じてスポーツや外遊びのやり方を教える者が必要である。このため、地域のスポーツ指導者、教員養成系や体育系の大学生、高校生、保護者、企業等の定年退職者等に、ボランティアを積極的に働き掛けていく必要がある。
 このようなボランティアの確保のため、例えば、子どものスポーツや外遊びの指導などのボランティアを行えば、活動実績や資格などを履歴書に書くことができ、そのことが積極的に評価されたり、スポーツボランティア休暇など休暇をとることができるようにすることも考えられる。
 また、地方公共団体において、ボランティア指導歴をボランティア手帳のようなものに記録し、一定の回数や時間に達したら、例えば、スポーツ施設の利用料の減免など何らかのサービスを受けられる、いわゆるボランティアパスポートの考え方を採り入れていくことも考えられる。さらに、ボランティアをしたい人が円滑にボランティアの機会を得ることができるよう、ボランティアをコーディネイトする仕組みを構築することも求められる。
 加えて、地方公共団体が中心になり、スポーツ少年団やスポーツ団体などと連携することによって、スポーツボランティアバンクの整備・活性化などが求められる。

(4)自然体験活動

 自然体験活動は、自然の厳しさや恩恵を知り、動植物に対する愛情を育(はぐく)むなど、自然や生命への畏(い)敬(けい)の念を育てたり、自然と調和して生きていくことの大切さを理解する貴重な機会となる。また、様々な活動に積極的に取り組む意欲や困難を乗り越える力を育むと同時に、自然の中で体を思い切り動かすことから、体力の向上に有効である。
 したがって、子どもに自然と親しむ態度を育成するとともに、子どもが自然体験活動に積極的に参加できるよう、保護者の理解を促進することが重要であり、体力向上のための全国キャンペーンの中で訴えていくことが求められる。
 また、青年の家、少年自然の家などの国公立の青少年教育施設や青少年団体などの民間団体、各学校や教育委員会が様々な自然体験活動を実施しているが、情報提供など子どもが自然体験活動に参加しやすくする取組とともに、関係団体が連携した指導者の養成・活用システムの充実など指導者の養成に一層取り組むことが求められる。

(事例5)民間団体による幼児から小学生を対象とした年間を通じた野外活動(日本児童野外活動研究所)

  • 会員の子ども(4歳~小学生)を中心に、年間を通じて、毎月3回の日曜日に昭和記念公園や荒川土手等で野外活動を行っている。
  • 活動では「思いっきり集団遊び」、「凧(たこ)揚げ・土手遊び」など、毎回テーマを決め、それに沿った遊びをする。その他、「必須科目」と呼ばれる集団での遊びを年間を通じて行っている。
  • 月ごとの活動のほか、野外活動に関心を持つリーダー(学生・社会人)を中心とした研修活動も行っている。

(事例6)親子で行う自然体験活動(独立行政法人国立青年の家国立沖縄青年の家)

  • 平成13年度に小学生以上の子どもとその家族合計約160名を対象に、国立沖縄青年の家の主催で「親子アウトドア教室」を開催した。
  • 2泊3日で、シュノーケリング、水泳、オープンカヤック、釣り、ハイキング、ネイチャーゲームなどの野外活動を行った。
  • 丘と海での活動を通じて、自然の素晴らしさ、野外活動の楽しさを味わい、親子の絆(きずな)を深めるとともに、体を思いきり動かすことができた。

(事例7)長期キャンプによる多様な自然体験活動(独立行政法人国立少年自然の家国立吉備少年自然の家)

  • 平成13年度に小・中学生36名を対象に、国立吉備少年自然の家の主催で「サマーチャレンジinきび」を開催した。
  • 夏休みを利用して10泊11日でキャンプをし、登山、ロッククライミング、シーカヤックでの無人島探検など山と海を中心とした多様な冒険プログラムを実施した。
  • 多様な自然体験活動を通じて、自然の美しさや厳しさを学ぶとともに、共同の長期キャンプにより、自主性・協調性・忍耐力等を培い、仲間との絆を深めた。

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生涯学習政策局政策課

-- 登録:平成21年以前 --