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中央教育審議会(第111回) 議事録

1.日時

平成29年3月6日(月曜日) 10時00分~11時45分

2.場所

文部科学省 「第一講堂」(東館3階)

3.議題

  1. 会長の選任等について
  2. 中央教育審議会運営規則等の制定について
  3. 教育振興基本計画部会の設置について
  4. 第8期中央教育審議会の審議状況等の報告について
  5. 我が国の高等教育に関する将来構想について(諮問)
  6. その他

4.出席者

委員

 明石委員,天笠委員,有信委員,生重委員,伊藤委員,小川委員,帯野委員,亀山委員,菊川委員,北山委員,清原委員,志賀委員,篠原委員,恒吉委員,寺本委員,時久委員,永田委員,中田委員,無藤委員,村田委員,室伏委員,横倉委員,善本委員

文部科学省

 義家文部科学副大臣,樋口文部科学大臣政務官,小松文部科学審議官,有松生涯学習政策局長,藤原初等中等教育局長,常盤高等教育局長,神山大臣官房審議官,佐藤生涯学習総括官,里見生涯学習政策局政策課長,他

5.議事録

  • 新しい会長について,北山委員がふさわしい旨発言があり,了承された。
  • 副会長については北山会長から小川委員,永田委員の指名があった。

 ※ 事務局から説明の後,資料2‐2から2‐4のとおり,中央教育審議会運営規則及び中央教育審議会の会議の公開に関する規則が了承されるとともに,中央教育審議会の会議の運営について申合せがなされた。

【北山会長】
 それでは,第9期中央教育審議会の発足に当たり,義家副大臣に御挨拶をお願いしたいと思います。義家副大臣,よろしくお願いします。

【義家副大臣】
 文部科学副大臣の義家弘介でございます。委員の皆様方におかれましては,御多忙中のところ,第9期中央教育審議会委員をお引き受けいただき,また,本日御参集くださいまして,誠にありがとうございます。
 第9期中央教育審議会の最初の総会の開催に当たり,一言御挨拶を申し上げます。
 まず初めに,文部科学省職員による再就職等規制違反につきまして,一言申し上げます。
 このたび,文部科学省が内閣府再就職等監視委員会の調査を受け,再就職に関する国家公務員法違反行為があったという認定を受けましたことにつきまして,文部科学行政に対する信頼を著しく損ねたこと,中央教育審議会委員の皆様に対しましても,改めておわびを申し上げます。
 教育をつかさどる文部科学省の職員がこのような事態を招いたことについて,省全体として猛省し,そして,省を挙げて信頼の回復に努めていく所存でございます。
 さて,教育は,人々の多様な能力・個性を開花させ,人生を豊かにするとともに,社会全体の一層の発展を実現する基盤となるものです。直面する諸課題を乗り越え,我が国を新たな時代へと導くため,皆様からの御提言を踏まえ,政策を着実に推進していくことが重要であると考えております。
 中央教育審議会は,文部科学大臣の諮問に応じ,教育の振興及び生涯学習の推進を中核とした,豊かな人間性を備えた創造的な人材の育成に関する重要事項を御審議いただくことを使命としており,教育施策の要となる大変重要な審議会でございます。
 今期の中央教育審議会におきましては,第8期から引き続き,平成30年度からの5年間を対象とした,新しい教育振興基本計画の策定に向けた検討を行っていただくこととしております。また,第9期中央教育審議会の新たな審議事項として,「高等教育の在り方に関する将来構想について」を,本日諮問させていただきます。
 いずれも,これからの教育,ひいては我が国の未来を左右する重要なものでございます。委員の皆様方におかれましては,大所高所から積極的な御議論を賜りますようお願い申し上げます。
 教育,科学技術,文化,スポーツという文部科学省が所掌する分野はいずれも国の重要分野であり,一瞬の遅滞もなく,これらの課題に積極果敢に取り組んでいく所存でございますので,御理解と御協力を何とぞお願い申し上げまして,私からの御挨拶とさせていただきます。
 どうぞよろしくお願いいたします。

【北山会長】
 義家副大臣,ありがとうございました。
 それでは,私からも一言御挨拶申し上げます。
 私は,2年前に安西前会長の後任として中央教育審議会会長を拝命いたしました。このたび,第8期に続き,この大役を拝命することとなり,責任の重大さに改めて身が引き締まる思いでございます。第8期の経験も生かし,小川副会長,永田副会長をはじめ,委員の皆様方や政務,文部科学省の皆様から御協力を頂きながら,引き続き一所懸命努めてまいる所存でございますので,何とぞよろしくお願いいたします。
 さて,この中央教育審議会総会で扱うテーマは,就学前から生涯学習まで,極めて多岐にわたりますが,共通して大切なことは,教育はどうあるべきかという定まった答えのない課題に対して,客観的・専門的な見地から一定の方向性を提示することだと思います。とりわけ,今,義家副大臣からもお話がありましたが,これから始まる第9期中央教育審議会におきましては,教育振興基本計画や,本日諮問が予定されております高等教育の将来構想などに関して,中長期的な視点での検討が特に重要になると考えています。
 近年,国内外の諸情勢の変化のスピードが以前にも増して加速する中,10年,20年先をも見据えた教育のあるべき姿を見いだすためには,様々な分野の専門家や現場の方々の幅広い知見を結集することが鍵となります。そのような意味でも,この総会にお集まりいただいた委員の皆様や,各分科会・部会での議論に御参画いただく委員の皆様,それから,パブリックコメントなどを通じて意見をお寄せいただく国民の皆様方の惜しみない御協力を,改めて心からお願い申し上げる次第でございます。
 全ての改革は,次世代を担う子供たちや若者たち,そして,我々も含めた現役世代の一人一人の未来のためにあります。引き続き,我が国の未来を創る教育の実現に向けて,皆様方と手を携えて取り組んでいきたいと思っておりますので,どうぞよろしくお願い申し上げます。
 それでは,議題(3)の教育振興基本計画部会の設置について,御提案させていただきます。資料3‐1,3‐2を御覧ください。
 平成27年4月14日に開催されました第99回中央教育審議会総会において,教育振興基本計画部会が設置されました。この部会では,平成25年度から平成29年度を対象とする現行の第2期教育振興基本計画のフォローアップを行うとともに,平成28年4月18日に,文部科学大臣の諮問を受けて第3期教育振興基本計画の策定に向けた審議を開始し,平成29年2月3日には,「教育振興基本計画の策定に向けた基本的な考え方」を取りまとめました。まず,この「基本的な考え方」について,事務局から説明をお願いしたいと思います。有松生涯学習政策局長,お願いいたします。

【有松生涯学習政策局長】
 それでは,資料3‐2を御覧いただきながら,第3期教育振興基本計画の策定に向けた基本的な考え方について御説明申し上げます。
 資料3‐2の一番初めの部分は,今,北山会長から御説明のあった第8期の審議状況でございます。次のページを御覧ください。基本的な考え方の概要でございます。それ以降,基本的な考え方の本文がございますが,本日は,この概要に沿ってポイントを御説明申し上げたいと思います。
 この基本的な考え方のコンセプトでございますが,一番上の段のところにございますように,現行の第2期計画の進捗状況を踏まえまして,現行計画の理念を引き継ぎつつ,2030年以降の社会の変化を見据えた課題等へも対応していくための,現時点での考え方でございます。今後も,答申に向けて内容を充実していくこととしております。
 その上で,この基本的な考え方は,三つのパートに分かれております。一つ目が,左側の「教育をめぐる現状と課題」,二つ目が,右側の「今後の教育政策に関する基本的な方針」,そして,三つ目が,下にございます「国民・社会の理解が得られる教育投資の充実・教育財源の確保」となっております。
 ローマ数字1,「教育をめぐる現状と課題」の部分につきましては,まず,「教育の使命」といたしまして,教育基本法の目的・理念を踏まえ,「教育立国」の実現に向けて更なる取組を進めていく必要があるということを記載しております。
 そして,二つ目,「これまでの成果と課題」でございます。第1期,第2期の取組の成果といたしましては,そこに幾つか掲げてございますが,例えば,世界トップレベルの学力の維持や学力の底上げなどが見られます。一方,課題といたしましては,目標や自信を持ち,主体的に取り組むこと,他者への理解を促進することなどが挙げられております。また,家計における教育費負担の軽減についても,今後,更なる取組を進めていくことが重要であるとしております。
 次に,三つ目,「教育の目指すべき姿」につきましては,個人の視点から,「自立した人間として,主体的に判断し,多様な人々と協働しながら新たな価値を創造する人材の育成」,社会の視点から,「一人一人が活躍し,豊かで安心して暮らせる社会の実現」,また,「地域,国,世界を含む社会の持続的な成長・発展」と,二つの視点から整理をしております。
 四つ目ですが,「社会の現状や2030年以降の変化等を踏まえ,取り組むべき課題」といたしまして,五つに整理をしております。まず,「少子高齢化の進展に伴う就学・就業構造の変化」,「技術革新やグローバル化の進展に伴う産業構造や社会の変化」,「子供の貧困など格差の固定化」,「地域間格差など地域の課題」,そして,「子供自身や家庭,学校など子供を取り巻く状況変化」でございます。この五つの課題に対して,教育が大きな役割を果たしていくことが求められるとしております。
 そして,五つ目ですが,「国際的な教育政策の動向」を踏まえ,取組を進めていくこととしております。
 こうした「教育をめぐる現状と課題」を踏まえまして,右側のローマ数字2,「今後の教育政策に関する基本的な方針」において五つ掲げております。
 一つ目が,「夢と自信を持ち,可能性に挑戦するために必要となる力を育成する」こと。
 二つ目が,「社会の持続的な発展を牽引(けんいん)するための多様な力を育成する」こと。
 三つ目が,「生涯学び,活躍できる環境を整える」こと。
 四つ目が,「誰もが社会の担い手となるための学びのセーフティネットを構築する」こと。
 五つ目が,「教育政策推進のための基盤を整備する」こと。
 こうした五つの基本的な方針を踏まえ,今後,具体的な施策や指標等を御議論いただきたいと考えております。
 そして,ローマ数字3,「国民・社会の理解が得られる教育投資の充実・教育財源の確保」でございます。教育の目指すべき姿の実現に向け,教育再生を進めていくためには,教育投資の効果や必要性を社会に示して「教育は未来への先行投資である」という理解を醸成し,財源を確保しながら,教育政策を充実するということが不可欠でございます。今後,この在り方について検討を深めることが必要となっております。
 基本的な考え方の御説明については,以上でございます。よろしくお願いいたします。

【北山会長】
 有松局長,ありがとうございました。
 今,有松局長から御説明がございましたように,本件につきましては第8期から審議を行っておりまして,現在,「基本的な考え方」を取りまとめたところです。今年の年末頃に答申を取りまとめ,その後,年が明けてから,閣議決定を行うという段取りを予定しています。本日お諮りするのは,第3期の教育振興基本計画を審議する教育振興基本計画部会の設置についてでございます。この計画部会を引き続き設置することが適当であると考えますので,そのようにしてよろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)

【北山会長】
 ありがとうございます。
 この部会の委員等については,中央審議会令第6条第2項において,会長が指名することとされておりますので,私にお任せいただきたいと思います。
 それでは,議題(4)に移ります。第9期として最初の総会ですので,まずは,第8期中央教育審議会での審議状況について御説明したいと思います。それでは,総会の審議状況について有松局長から御説明をお願いします。

【有松生涯学習政策局長】
 それでは,第8期中央教育審議会の総括について御説明申し上げます。資料は,お手元の資料4‐1を御覧いただきたいと思います。
 第8期は,平成27年2月15日から本年2月14日までの2年間でございます。この間に御審議いただいた主な事項でございます。まず,第8期におまとめいただきました主な答申といたしましては,1ページ目と2ページ目に概要が記されております,「これからの学校教育を担う教員の資質能力の向上について」,「チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について」,「新しい時代の教育や地方創生の実現に向けた学校と地域の連携・協働の在り方と今後の推進方策について」,「個人の能力と可能性を開花させ,全員参加による課題解決社会を実現するための教育の多様化と質保証の在り方について」,「幼稚園,小学校,中学校,高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について」,「第2次学校安全の推進に関する計画の策定について」の六つがございます。
 また,報告や審議のまとめ等につきましても,2ページから3ページに記載しておりますように,大学分科会を中心に,多くおまとめいただいております。
 以上,第8期中央教育審議会の総括について御説明申し上げました。

【北山会長】
 ありがとうございます。
 続いて,各分科会の審議の状況について,御説明をお願いします。まず生涯学習分科会について,有松局長からお願いします。

【有松生涯学習政策局長】
 それでは,生涯学習分科会の審議の状況について御説明申し上げます。資料4‐2を御覧ください。 資料の1ページ目でございます。第8期における審議事項でございます。分科会,及び分科会の下に置かれました三つの部会におきまして,個別のテーマを審議いただきました。
 一つ目が,学校地域協働部会でございます。平成27年4月に,文部科学大臣から,「新しい時代の教育や地方創生の実現に向けた学校と地域の連携・協働の在り方と今後の推進方策について」の諮問を受けて,初等中等教育分科会とも連携をして審議を進めていただき,平成27年12月の答申におきまして,コミュニティ・スクールの推進や,地域と学校が連携・協働して地域全体で未来を担う子供たちの成長を支え,地域を創生する,「地域学校協働活動」の推進について御提言を頂きました。詳しくは,資料4‐2の別紙1などを御覧いただければと思います。
 文部科学省では,この答申の内容を実現するために,平成28年1月に,その具体的な施策や工程表を示しました,「次世代の学校・地域」創生プランを策定し,地域学校協働活動を積極的に推進しているところでございます。
 また,この答申とこのプランを踏まえまして,チーム学校の推進や教職員定数の戦略的充実と併せまして,地域学校協働活動の推進に向けた体制の整備ほか,地域学校協働活動推進員の委嘱に関する規定の整備を行うために,地域と学校の連携・協働の推進に関する法律案を今国会に提出したところでございます。
 1ページ目にお戻りください。二つ目が,学習成果活用部会でございます。平成27年4月に,文部科学大臣から,「個人の能力と可能性を開花させ,全員参加による課題解決社会を実現するための教育の多様化と質保証の在り方について」の諮問を受け,学習成果活用部会を設置して,審議を行い,別途設けられました実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関の制度化に関する特別部会での審議部分と併せまして,平成28年5月にこの答申をおまとめいただいたところでございます。
 そのうち,生涯学習分科会部分では,この全体答申の中の第2部で,一人一人の生涯を通じた学習成果の適切な評価・活用のための環境整備について御提言を頂きました。詳しくは,資料4‐2の別紙2がございますので御参照いただければと存じます。文部科学省では,この答申を踏まえまして,検定試験の質の保証や,ICTを活用した生涯学習に関する基盤の構築などについて,現在,有識者会議や調査研究を通じて,その具体化に向けて検討を進めているところでございます。
 三つ目が,企画部会でございます。平成28年5月に,生涯学習分科会の下に企画部会を設置し,生涯学習全般に関して,第2期教育振興基本計画期間における答申やこの間の施策を振り返りながら,第3期教育振興基本計画の策定や生涯学習振興の基本的方向性について整理いただきました。詳細は,同様に,別紙3を御覧いただければと思います。
 続きまして,2ページ目を御覧ください。来期に継続して審議することが考えられる事項でございます。
 まずは,教育振興基本計画部会における議論を踏まえつつ,第3期計画策定に向けて,生涯学習分科会でも議論を深めていただきたいと考えております。
 また,その後,その議論の成果とともに,企画部会で整理しました生涯学習振興の基本的方向性を踏まえて,生涯を通じて「学び」と「活動」が循環する生涯学習社会の実現に向けて,今後の生涯学習振興施策について引き続き御検討いただければと考えております。
 以上でございます。

【北山会長】
 ありがとうございます。
 次に,初等中等教育分科会の審議状況について,藤原初等中等教育局長から御説明をお願いいたします。

【藤原初等中等教育局長】
 それでは,私の方から,資料4‐3に基づきまして,第8期の初等中等教育分科会の審議の状況について御説明申し上げます。
 まず,第8期に出された答申の関係でございます。
 一つ目が,「これからの学校教育を担う教員の資質能力の向上について」でございます。これは,教員の養成・採用・研修を通じた教員の資質向上方策などについて御審議いただき,平成27年12月に答申をお取りまとめいただきました。この答申を踏まえまして,昨年の臨時国会におきまして,教育公務員特例法等の一部改正法が成立いたしました。この法律については,4月施行ということで,今,正に準備を進めているという状況でございます。
 二つ目が,「チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について」でございます。これは,チームとしての学校の在り方とその実現のための具体的な改善方策について御審議いただいたものでありまして,こちらも平成27年12月に答申をお取りまとめいただきました。
 三つ目が,「新しい時代の教育や地方創生の実現に向けた学校と地域の連携・協働の在り方と今後の推進方策について」でございます。今後のコミュニティ・スクールの在り方などについて御審議いただき,同じく平成27年12月に答申をお取りまとめいただいております。
 二つ目,三つ目の答申を踏まえまして,必要な法整備につきまして,教職員定数の改善・充実と併せまして,2月7日に関係する法律案を取りまとめて,閣議決定し,この通常国会に提出しているところでございます。この法案については,この4月1日施行を予定しているところでありますので,3月末までに必ず成立させるべく,文部科学省として,しっかりと対応・努力をしていきたいと考えております。
 四つ目の答申が,「幼稚園,小学校,中学校,高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について」でございます。これは学習指導要領等の改善の視点について御審議いただきまして,昨年12月に答申をお取りまとめいただきました。この答申を踏まえまして,現在,正に次の学習指導要領等の大臣告示の策定作業を行っておりまして,3月末までには大臣告示をしたいと考えております。
 五つ目の答申が,「第2次学校安全の推進に関する計画の策定について」でございます。これは現行の学校安全の推進に関する計画の取組状況の検証と社会状況の変化に基づく改善策など,次の計画に盛り込むべき事項について御審議いただきまして,先月,答申を頂いたものであります。現在,第2次計画の策定に向けて取り組んでいるところでございます。
 これらのほかに,答申以外の部分ですが,平成27年10月に,「教職員定数に係る緊急提言」につきまして,多様な教育課題や地域のニーズに応じた確固たる教育活動を行うために必要な教職員定数の戦略的充実・確保について御審議・御議論いただきました。これらの事柄については,参考資料として,資料4‐3の後ろの方に添付しておりますので,御参照いただければと思います。
 それから,最後に,今期についてでありますが,第8期で頂いた各答申を踏まえた制度改正の状況及び制度の実施に向けた準備状況について,随時文部科学省事務局の方から御報告させていただきたいと思っております。
 また,その中で,新たに検討が必要な事項等が生じてきた場合につきましては,改めて御審議をお願いしたいと思います。
 説明は,以上でございます。

【北山会長】
 ありがとうございます。
 最後に,大学分科会の審議状況について,常盤高等教育局長から御説明をお願いいたします。

【常盤高等教育局長】
 それでは,資料4‐4に基づき,第8期中央教育審議会の大学分科会における審議状況について御説明申し上げます。
 まず大学教育部会でございますが,大学教育部会では,大学教育の質の改善・向上ということについて継続的に御議論いただいております。その中で,第8期におきましては,ここにございますように,「卒業認定・学位授与の方針」,「教育課程編成・実施の方針」,「入学者受入れの方針」という,いわゆる三つの方針の策定及び運用に関するガイドラインの策定をしていただいたところでございます。
 大学教育につきましては,学習指導要領がございませんので,各大学において,しっかりと大学の入り口から出口に至るまでポリシー(方針)を策定・公表し,それに基づいて教育の質の改善を図っていくということが重要だという考え方に立ちまして,このように三つの方針の策定,そして,運用に関するガイドラインの策定ということを検討し,結論を出していただいたわけでございます。
 それから,二つ目の丸でございますが,認証評価制度の充実ということで,今申し上げましたように,各大学では,この三つの方針によりましてPDCAのサイクルを回していただくわけでございますが,それを,文部科学大臣が認証いたしました評価機関によりまして第三者評価を行う仕組みがございます。その中で,今申し上げました三つの方針を踏まえて,各大学の自律的な改革サイクルとしての内部質保証機能を重視した評価を行う,あるいは,ステークホルダーの視点を取り入れた評価を行うなど,認証評価制度の転換についても御議論いただき,審議をおまとめいただいたところでございます。
 次のページを御覧ください。大学院部会でございます。大学院部会につきましては,大きく二つございます。一つは,やはり日本の学術研究の中心であり,かつ,学術研究の後継者としての研究者を輩出していくということが重要な義務としてございますので,まず一つ目の丸で,未来を牽引(けんいん)する大学院教育改革ということで,「知のプロフェッショナル」の育成という観点から,こうしたことを中心に御議論いただきまして,「卓越大学院」(仮称)の形成ということを含めまして,大学院の振興策についての提言を頂いたところでございます。
 また,二つ目の丸,それから,三つ目は,法科大学院特別委員会に係るところでございますが,法科大学院を含む専門職大学院につきまして,高度専門職業人養成の機能の充実強化という観点から,それぞれ御議論いただいて,必要な提案等を頂いたということでございます。
 次のページを御覧ください。もう一つの大きなテーマといたしまして,今後の各高等教育機関の役割・機能をどのように強化していくのかという,中長期的な視点も加味した将来構想の検討がございます。この点については,後ほど,義家副大臣から審議会に対して諮問をしていただきますので,その中でまた改めて御説明をさせていただきたいと思いますので,ここでは省略させていただきますが,1点だけ申し上げます。「その他」の二つ目のぽつを御覧ください。
 第8期の中央教育審議会におきましては,一昨年の平成27年10月28日に,「高等教育予算の充実・確保に係る緊急提言」を行っていただきました。現在,高等教育に対する予算は,非常に厳しい状況がこれまで続いてきております。その中で,研究後継者の育成に重要な役割を果たす大学院後期課程への進学者が減少しているなど,様々な問題がございますので,中央教育審議会総会におきまして,高等教育予算の確保に関する緊急提言ということで,社会に対してアピールをしていただいたということがございました。 大学分科会については,以上でございます。

【北山会長】
 ありがとうございました。
 生涯学習分科会から初等中等教育分科会,大学分科会まで一通り御説明いただきました。委員の皆様の御発言の時間につきましては,後でまとめて設けたいと思います。
 次に,議題(5)に移りたいと思います。
 まず,義家副大臣から,「我が国の高等教育に関する将来構想について」の諮問がございます。よろしくお願いいたします。

【義家副大臣】
 本日は,松野大臣が国会審議のため,やむを得ず欠席させていただいておりますので,大臣に代わりまして,私より諮問文をお渡しさせていただきます。
 諮問事項は,「我が国の高等教育に関する将来構想について」でございます。
 我が国のあらゆる側面において,かつてないスピードで大きな変化が進行しております。例えば,IoT(Internet of things),ビッグデータ,人工知能等を活用する「第4次産業革命」は,既存の産業構造,就業構造を一変させる可能性があると指摘されております。また,本格的な人口減少社会を迎え,18歳人口は現在の約120万人から,2030年には100万人,2040年には約80万人にまで減少するという推計もございます。
 このような大きな変化の中,人材育成と知的創造活動の中核である高等教育には,一層重要な役割を果たすことが求められます。とりわけ,今後の人材育成については,新たな知識・技能を修得するだけではなく,学んだ知識・技能を実践・応用する力,さらには,自ら問題の発見・解決に取り組む力を育成することが特に重要となっております。このことを通じて,自主的・自律的に考え,また,多様な他者と協働しながら,新たな物やサービスを生み出し,社会に新たな価値を創造し,より豊かな社会を形成することのできる人を育てていかなければなりません。
 このような要請に応え,高等教育機関が求められる役割を真(しん)に果たすことができるよう,学習指導要領の改訂や高大接続改革の動向,さらには,地方創生や働き方改革といった政府全体の取組なども踏まえつつ,おおむね2040年頃の社会を見据えて,これからの時代の高等教育の将来構想について,総合的な検討をお願いいたします。
 具体的には,次の事項を中心に御審議願います。
 第1に,「各高等教育機関の機能の強化に向け早急に取り組むべき方策について」でございます。教育課程や教育方法の改善,学修に関する評価の厳格化,社会人学生の受入れ,他の機関と連携した教育の高度化など,様々な観点から,具体的施策や制度改正について検討をお願いいたします。
 第2に,「変化への対応や価値の創造等を実現するための学修の質の向上に向けた制度等の在り方について」でございます。学修の質を高め,高等教育の質を向上させるための様々な課題について,設置基準,設置審査,認証評価,情報公開の在り方を含めた総合的かつ抜本的な検討をお願いいたします。
 第3に,「今後の高等教育全体の規模も視野に入れた,地域における質の高い教育機会の確保の在り方について」であります。18歳人口の急激な減少の中で,地域における質の高い高等教育機会を確保するための方策として,国公私立の設置者別の役割分担の在り方や設置者の枠を超えた連携・統合等の可能性なども念頭に置きつつ,根本的な構造改革に向けた検討をお願いいたします。
 第4に,「高等教育の改革を支える支援方策の在り方について」でございます。教育研究を支える基盤的経費,競争的資金の充実,透明性の確保の観点も踏まえた配分の在り方,学生への経済的支援の充実等についての検討をお願いいたします。
 なお,昨年12月に改定された「まち・ひと・しごと創生総合戦略」において,地方大学の振興,東京における大学の新増設の抑制や地方移転の促進等についての対策を,教育政策の観点も含めて総合的に検討し,今年夏を目途に方向性を取りまとめることとされております。この点についても改めて御検討いただき,教育政策を担当する中央教育審議会としての見解を御提示いただくようお願い申し上げます。
 以上,諮問事項について御説明させていただきました。詳細については,お手元の諮問文に添付されております諮問理由を御参照ください。
 委員の皆様方におかれましては,何とぞよろしく御検討賜りますようお願いいたします。
 それでは,諮問文を会長にお渡しさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
(諮問文手交)

【北山会長】
 ただいま,諮問文を義家副大臣から頂戴しました。事務局から,補足説明を頂きたいと思います。
 なお,義家副大臣は御公務がございますので,事務局の御説明の間に退席されます。お忙しい中,ありがとうございました。
 それでは,常盤局長,お願いします。

【常盤高等教育局長】
 それでは,ただいま義家副大臣から諮問がなされましたので,その補足説明をさせていただきたいと思います。
 資料5‐1をまず御覧いただきたいと思います。1ページ目が諮問文でございます。その次のページから,諮問理由が記された資料がございます。
 今,義家副大臣からお話がございましたように,諮問に至る背景や理由が,この1ページ目に書かれております。
 次のページを御覧ください。こちらについても義家副大臣からお話がございましたが,具体的に検討をお願いしたい事項4点をこちらに記させていただいております。
 第1は,「各高等教育機関の機能の強化に向け早急に取り組むべき方策について」です。ここは高等教育の質の改善という観点を中心に御検討いただきたいということでございます。
 第2は,「変化への対応や価値の創造等を実現するための学修の質の向上に向けた制度等の在り方について」です。ここでは,また後ほど詳しく御説明する機会もあろうかと思いますが,従来,それぞれ学部・学科・研究科といった組織に注目した在り方で大学教育のシステムは構築されておりますが,より学生の立場に立った学修の実現のため,学位を与える課程である「学位プログラム」というものに注目した在り方をより重視していく必要があるのではないかというようなことも含め,制度面での御検討を中心にお願いしたいということでございます。
 次のページを御覧ください。第3は,「今後の高等教育全体の規模も視野に入れた,地域における質の高い高等教育機会の確保の在り方について」でございます。これにつきましては,これまで既に第8期において御検討いただいている部分がございますので,後ほど御説明させていただきたいと思っております。
 次のページを御覧ください。最後の第4でございますが,「高等教育の改革を支える支援方策の在り方について」の御検討をお願いします。
 以上4点について,特に御検討をお願いしたい事項として示させていただいているところでございます。
 今,諮問文,諮問理由について概観していただきましたが,資料5‐2が,今御説明申し上げましたことを1枚の紙に落とし込んだものでございますので,これも御参照いただければと思います。
 次に,参考資料に基づいて,補足的に御説明させていただきます。
 こちらの資料は,これから御審議いただくに当たっての参考となるデータ等を掲載させていただいている資料でございます。
 まず2ページを御覧ください。これは諮問の理由の中にもございましたが,第4次産業革命に向けて,IoT,ビッグデータ,人工知能を活用する中で,既存の産業構造・就業構造が急速に変化している状況がありますので,その中で,上のスライドは経済産業省の審議会の中での将来予測でございますが,それぞれどのような分野の人材がこれから必要になっていくのかという,職種間での転換・移動についての予測をした資料でございます。
 それから,下の資料につきましては,野村総合研究所での分析でございますが,これから10年後,20年後に,日本の労働人口の約49パーセントが人工知能やロボット等に,技術的には代替し得る可能性があるというような推計結果を示した資料でございます。
 次に,参考資料の3ページ以降でございますが,今後の少子高齢化に伴う人口動態についての資料を付けさせていただいております。2016年,120万人でございました我が国の18歳人口が,これから2030年には100万人,そして,2040年には80万人まで減少するという推計もございます。
 そうした中で,4ページの上の資料の棒グラフでは,一番左側のところには,249万人という一番高い棒グラフがございます。第1次ベビーブームの世代が18歳の大学入学年齢を迎えるときに,250万人の同世代人口がございましたが,その後,減りまして,また第2次ベビーブームで,今度は平成の初め辺りに205万人までございましたが,その後はずっと減少を続けているというような状況でございます。その中で,青の濃い棒グラフでございますが大学入学者数を御覧いただきますと,このところは60万人程度で推移しておりますが,その一つ上の短期大学への入学者まで合わせた人数で申し上げますと,減少しているという状況にございます。
 それから,その下のグラフでございますが,これは高等教育段階への進学率の各国比較ということでございます。大学学士課程への進学率は,日本の場合49パーセントとなっており,OECD平均の59パーセントと比べると低いという評価もできるわけでございますが,一方で,高等教育全体で見てみますと,左側にございますように,専門学校まで含めますと,約80パーセントということで,OECD平均を上回るというような状況にもあるということでございます。
 6ページを御覧ください。上段には社会人,下段には留学生の割合を示してございますが,いずれもOECD諸国と比較すると非常に低い水準にあるということがございますので,この点も念頭に置いていただければということでございます。
 それから,7ページ目以降には,かなりグラフを付けてございますが,特に大学の進学率の地域間格差,東京圏への転入超過の数,あるいは,8ページの下ですと,各都道府県の高等学校卒業者の大学進学先,次の9ページでは,県ごとの大学進学者の収容力というようなことで,それぞれ各地域と地方と都市において,どのような進学状況,あるいは,進学を受け入れるキャパシティがあるのかというようなことでの資料を付けさせていただいておりますので,今回,先ほどございましたように,「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の文脈の中で,地方大学の振興ということが論点でございますので,この辺りも御参照いただければと思っております。
 それから,少し飛びまして,12ページから御覧いただきたいと思います。これから,この第9期中央教育審議会において高等教育の将来構想について御議論いただくわけでございますが,実は,これまでは,12ページにございます,平成17年に中央教育審議会で答申いただいた「我が国の高等教育の将来像」の答申に基づいて,ずっと政策が進められてきているわけでございます。いわゆる「将来像答申」と呼んでいるわけでございますが,この将来像答申では,12ページの一番下に書かれていますが,高等教育政策の在り方として,従来の高等教育計画に基づく各種規制を行うというフェーズから,将来像を提示して,予算等も含めた政策誘導を行っていくという方向への転換という方向性としてお示ししていただいたわけでございます。
 その次の13ページを御覧いただきたいと思いますが,そのような基本的な考え方に立って,大学・大学院・短期大学・高等専門学校・専門学校,学校種ごとに,それぞれの位置付けや期待される役割・機能を十分に踏まえた教育研究を展開すること,そして,個々の学校が個性・特色を一層明確にすることというようなことが,この将来像答申の中では求められておりまして,平成17年以降,今日に至るまで,10年間の施策のベースということになっていたわけでございます。
 それから,最後に,20ページを御覧ください。先ほども申し上げましたが,第8期中央教育審議会の大学分科会におきまして,先ほど諮問いただきました高等教育の今後の将来構想についての前提となりますような助走的な御議論をしていただき,論点整理をしていただいているところでございます。先ほども御紹介ございましたが,20ページの真ん中にございますように,高等教育においては,知識・技能を学んで修得する能力だけではなくて,学んだ知識・技能を実践・応用する能力,自ら問題の発見・解決に取り組み,多様な他者と協働しながら,新たな物やサービスを生み出し社会に新たな価値を創造する力を育成することが不可欠でございます。これは第8期中央教育審議会で御議論いただきました,学習指導要領についての初等中等教育レベルでの御議論を,高等教育にどのように移行させていくのかという問題意識を持って,この論点整理をさせていただいているという状況にございます。
 それを受けて,20ページの下から大学,それから,21ページに大学院,短期大学,高等専門学校,専門学校,そして,第8期中央教育審議会で答申を頂きました実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関について,これは今国会で法律改正を図ろうということで,現在,手続を進めているところでございますが,このような新しい機関も含めて,それぞれの機関がこれからどのような方向に進んでいくのか,当面の方向性ということで整理をしていただいたわけでございます。
 それを受けて,21ページの下にございますように,今後の高等教育改革全体の課題として中期的視点,長期的視点からより詳細に検討すべき論点ということで示していただいたもの,これを先ほど諮問という形で,今期の中央教育審議会にお願いしたという流れになってございますので,これまでの検討の経緯等も十分御考慮いただきまして,これからのあるべき姿,2040年までのあるべき姿について,忌憚(きたん)のない御意見を賜れればと思っております。
 以上でございます。

【北山会長】
 常盤局長,ありがとうございました。
 本件は,大学分科会を中心に審議を進めていただく案件でございます。この諮問についての御意見,御質問等がありましたら,御発言をお願いします。
 では,清原委員,お願いします。

【清原委員】
 ありがとうございます。三鷹市長の清原です。
 今回,高等教育の在り方について諮問された,主な検討事項の3番目に,「今後の高等教育全体の規模も視野に入れた,地域における質の高い高等教育機会の確保の在り方」を入れていただきました。三鷹市は東京の市でございますので,市内には大学が一定程度あります。国際基督教大学,杏林大学,ルーテル学院大学,また,国立天文台もございます。しかしながら,大学が立地していない市もございます。
 幸い,文部科学省の「地(知)の拠点整備事業」を市内の杏林大学が採択されていまして,大学が現在所在する三鷹市,かねて大学が所在していた八王子市,大学が全く所在していない羽村市と,3市連携して大学と,「新しい都市型高齢化社会における地域と大学の統合知の拠点」を目指す共同研究を重ねております。このような取組というのは,やはり大学の研究者のみならず,大学生が地域のフィールドスタディを行い,また,自治体の職員も大学で講義を担当するなど,正に地域と大学との連携の実践が積み重ねられております。
 地方都市においては,大学が立地していない,あるいは,大学があっても,いきなり閉鎖とは言いませんが,一部では入試を取りやめるような動きがあり,全国市長会でも不安が広がっているのも事実です。したがって,今回の諮問で,第3に,「地域における質の高い高等教育機会」ということに加えて,「自治体や地域の産業との連携についても視野に入れた検討」と挙げていただきましたのは,東京においても有効でございますし,大学の存在が更に期待される地方の都市においては,極めて重要な内容だと認識しております。これまでの文部科学省の補助事業なども検証していただき,是非,総合的な支援でこの課題についての取組を分科会で研究していただければ有り難いと期待いたします。
 以上です。ありがとうございます。

【北山会長】
 貴重な御意見,ありがとうございます。
 それでは,志賀委員,お願いします。

【志賀委員】
 ありがとうございます。
 このタイミングで,このような将来構想について検討するというのは,非常に重要なことだと思います。
 特に,私が産業界の立場で最近特に気にしていることは,教育に加えて,大学が持っている研究の分野です。今,世界の競争は,正に第4次産業革命の中で,あるいは,その先にあるイノベーションの闘いは,本当に大学で生まれてきた基礎研究です。そのような大学の中から無からシーズを作り,そのシーズが社会へ出たら,エコシステムの中で1から10を作り,そして10が100を作る,大企業がそれを成長の源にしていくという,そのようなグローバル競争全体のエコシステムの中で,残念ながら,日本が,よく言われる産学連携が進んでいないというところ,これは企業としてやるべきこともいろいろあるわけですが,加えて,現状の大学が本当に基礎研究にお金が使えなくなってきている現状,特に,日本の企業がやむなく海外の大学との連携をどんどん進めている現状を非常に危惧しています。
 これは今の日本の財政の中で,これ以上交付金,あるいは助成金を増やせないという現状があるのかもしれませんが,ここで単にお金だけのことを考えて,日本の研究のレベルが下がっていくこと,あるいは,研究に関わる人材の育成が下がっていくことは,非常に危惧すべきことです。全体として教育ということで書かれていますが,主な検討事項の4番目には,その研究というのが入っていますが,ここについても,特にイスラエルなど,いろいろな国では,数学・物理が特にできる子供たちをエリート教育的に選択するような特別な研究機関があります。日本では,平等の教育の中で,エリート教育というのはなかなか難しいのかもしれませんが,本当にこれからグローバルに闘っていくところでは,そのようなことも含めて考えていく時期なのではないかと思います。

【北山会長】
 ありがとうございます。
 それでは,篠原委員,お願いします。

【篠原委員】
 この中で私が非常に関心を持っていることは,この諮問の中の最後に,「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の絡みで記載されている大学の地方分散の部分です。本日,いらっしゃる明石委員も私も,大分の出身ですが,東京の大学に入学して,そのまま東京に就職して住み着く方は多いと思います。そのように考えると,やはり大学というものが,結局,自分の人生の中で,住み着くところを全部決めてしまっている状況にあると思います。したがって,それを分散させるということは,東京一極集中を防ぐという意味で,大変大事な視点だと思いますが,果たして,国立大学,私立大学が,どこまでできるのでしょうか。
 つまり,私立の大学を見ていると,一旦東京でも郊外にキャンパスを作ったけれども,また都心に回帰しているような状況が今,非常に強いですよね。「なぜか」と理由を聞いてみると,やはり「志願者が減るから」ということです。一極集中の問題はありますが,都心でないと学生を集められないというお話をよく聞きます。
 この問題は,大学運営,経営そのものの問題ですから,相当うまく,本格的に取り組まなければならないと思います。私は,新規大学の増設の抑制も含めて,大いに行った方がいいと思っています。ですが,これをどのように行えば,そのような流れが作れるのかということを,是非,大学分科会で,腰を据えて,思い切った大胆な提言をしていただきたいと思っています。

【北山会長】
 ありがとうございます。
 では,有信委員,お願いいたします。

【有信委員】
 もう既に幾つか御意見が出ているのですが,たまたま最近,大都市でない地方都市を回ることがありました。今も御指摘ありましたように,実際,地方の都市では大学を卒業した人たちはどんどん東京圏に集中してしまう。そうすると,地方に残った人たち,今の親たちは,ある意味で余り学歴が高くなく,収入も多くない。そこの子供たちは,経済的に十分恵まれておらず,地方の大学に進学することになります。そうすると,高等教育の中で,例えば,大学院を充実しましょうと言っても,経済的な理由でなかなか大学院にも進学しないといった,どちらかというと,ネガティブな循環ができています。
 ただ,一方で,志賀委員が御指摘のように,やはり日本が世界の先端に立っていくためには,ある程度先進的な研究者を,研究のマスを分散させずに保って,そこでいい成果を上げる必要もあります。この両方をどのようにうまく両立させるか,教育政策という視点でどのように両立させるかというところが,非常に重要な点だろうと思います。
 特に地方では,最近のICTも含めて,何も東京にいなければならないということではなく,新しいビジネスを創るということは可能になっています。特にソーシャルビジネスという観点で,新しいビジネスの形態も生まれていて,これは資料の中にも書かれていたとおりですが,そのような新たな多様性を含めて地方創生を行いながら,しかし,一方で,先端的な研究で世界の先頭を走ることを教育行政の中で行うためには,やはり今までのような,おしなべて均等に様々な政策を全ての教育機関に施すという形では駄目なような気がします。その辺りは,非常に難しい問題ですが,よく検討していきたいと思っています。

【北山会長】
 それでは,生重委員,お願いいたします。

【生重委員】
 ありがとうございます。
 最近,私は岩手県の石巻市や鹿児島県の薩摩川内市など,様々な地方の高校の御相談を受けに行っています。石巻市は専修大学があるのですが,とにかく東京の大学に出て行ってしまう状況です。それを高校の学びの中に大学との関わり,例えば,石巻市の牡鹿(おしか)半島にある津波にさらわれなかった高台の家を,明治大学と東北芸術工科大学の建築学部が入って,地元の高校生や若者とともに,新しいカフェを作ったり,県内物産を売ったりするような専門的に地方を活性化することを,大学の学びの中で,行ってくれています。その話を薩摩川内市のコース制の私学にいたしましたところ,鹿児島の大学と連携しながら,まちの活性をしたいとお話しされていました。このような事例は,今申し上げたことだけではなく,たくさんありますので,地方には何もないかもしれませんが,ないものの中に魅力を見つけ出すということは十分に可能だと思っています。
 先ほど有信委員がおっしゃったように,地方からの新しいビジネスという観点,それから,インバウンド,様々な観点から打てる手はたくさんあるので,「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の中で,大学がもう少し柔軟に地方に出ていけるような学びということも,是非盛り込んでいっていただけたら有り難いと思います。
 以上です。

【北山会長】
 いろいろな御意見,ありがとうございました。
 地方との関係や,あと研究に関する問題等,頂いた御意見も踏まえまして,先ほど申し上げましたように,今後,大学分科会を中心に審議を進めていただきたいと思いますので,よろしくお願いしたいと思います。
 それでは,第9期最初の総会でございますので,委員の皆様から自由に御発言,御意見を頂戴したいと思います。
 それでは,亀山委員,お願いいたします。

【亀山委員】
 二つほど申し上げます。
一つは,やはりAIの時代を迎えるに当たって,今後,高等教育における人材育成という観点から,輩出されるべき人材像というのは,文部科学省の資料にも何度も出てきている,いわゆるクリエイティブ・エコノミーというのでしょうか,創造的な経済,つまり,AIにはできない人間の創造性というものを育てていく視点が重要だと思います。1990年代に日本の科学技術が行き詰まった背景には,人文系の枯渇といいましょうか,人文的な想像力や発想の枯渇ということがあって,そのためにどうしてもアメリカの最先端の科学技術を追い抜くことができなかったという事情があると思います。そういった観点からも,人文系あるいは芸術系の人材育成というところにもう少し目を向けていただきたいと考えています。
 もう一つは,いわゆる大学の都心回帰です。私は今名古屋におりますが,名古屋も,名古屋の中心部を都心と呼びます。そうした都心回帰に,例えば,私学の場合には,相当なお金がそこに投入されるわけですね。そうすると,教育に対する投資が相対的に今減じていくということで,都心回帰の持っている最も悪い点というのは,やはりハードの側面に非常に多くのお金がかかり,教育そのものに十分に投資できないという根本問題を抱えていると思います。そういったところを何とか食い止めるような方向性が出てくれば良いと思っております。
 以上です。

【北山会長】
 ありがとうございます。
 では,菊川委員,お願いします。

【菊川委員】
 ありがとうございます。生涯学習分科会からの立場で発言いたします。
 比較的長く中央教育審議会に携わってまいりましたが,第8期の審議では,学習指導要領,あるいは学校地域協働部会等,初等中等教育について大きな方向性が作られたと理解しております。今後の課題は,先ほど諮問がありましたように,高等教育と,大人の学習です。
 超高齢社会を迎えておりまして,何歳であっても持てる力を伸ばし,生かして,人生の最後まで生ききるための,学びの継続や生涯学習の条件整備がシステムとして求められている時代に来ていると思います。
 そうした観点で,生涯学習分科会の中でも,「仕事と暮らしと学習」の共生と循環というのでしょうか,そのような議論がシステム的になされていくと思います。先ほど諮問にありました高等教育の方でも,社会人の入学が示されておりましたが,社会人は忙しいので,今までどおりの社会人入学であれば,本当に一握りのものにならざるを得ません。もっと大胆にいろいろな方法,例えば,ICTと組み合わせる,あるいは,手前みそで恐縮ですが,放送大学と単位互換を実質的に進めていくなど,そのような大きなことも含め,社会人の学びを進めることが,社会人にとっても,あるいは,社会や日本の将来にとって必要であるという視点やシステムを是非,第9期で御議論いただきたいと思っております。

【北山会長】
 ありがとうございます。
教育振興基本計画の策定に向けた議論においても,人生100年という観点で,いろいろと検討を進めております。
 それでは,志賀委員,お願いします。

【志賀委員】
 今の人生100年に関わるのですが,働き方改革を進めていく中で,やはり日本は,従来型の大学を卒業して新卒採用で会社へ入って一生仕事をするという,『ライフ・シフト』の中にも書かれていたように,教育があって,仕事があって,引退するという三つのステージから変わっていくという中で,仕事をするのも,メンバーシップ型で一つの会社へ入るのではなく,ジョブ型,プロフェッショナル型で,自分の人生に合わせて企業を選んでいく,仕事を選んでいく,もっともっと流動化していく人生が当たり前になってくるというようにすべきだと,私は思っています。
 そのような中で,流動化していくということを前提にしていくと,やはり『ライフ・シフト』の中にあったように,その都度その都度,自分の知識あるいはスキルを向上させながら,より新しい人生を歩んでいくという,ライフステージの中で,いろいろな生涯教育の機会,あるいは,国として再教育,あるいは,リトレーニングしていく機会があります。
 依然として日本は,18歳あるいは22歳ぐらいまで教育を受け,そこから60歳過ぎまで働いて,引退という三つのステージが余りにも固定的であって,その真ん中のステージが,60歳までではなく,実は80歳まで働かなければならないということを前提に,労働を流動化させて,その節目節目に,もっとハードルの低い教育の在り方,あるいは,リトレーニングの在り方のようなものが,働き方改革という視点で組み込まれるといいと思います。

【北山会長】
 ありがとうございます。
 続きまして,寺本委員,お願いします。

【寺本委員】
 ありがとうございます。
 これまで,私ども日本PTA全国協議会からは,尾上が第8期の委員を務めておりましたが,今回から私,寺本が務めさせていただきます。このような場を与えていただき,ありがとうございます。
 冒頭に,義家副大臣からもお話がありましたとおり,今回の文部科学省の中で起きていることについて,いろいろと報道がされております。このことについては,私たちも大変遺憾に思っておりますので,しっかりと国としても対応していただきたいと思います。
 そして,中間報告がなされたときのことなのですが,いわゆる国家公務員法違反があったという報道の中に,私どもの団体名も記述され,公表されておりました。このことは,よく文章を読めば,我々の団体が国家公務員法違反を行ったわけではないことがわかるのですが,あの報道を見ると,私たちの団体を含めた,それぞれの団体が法律違反等を起こしたような報道の受け取り方をたくさんの方がされていたようですし,また,現実に風評被害にも我々は遭っています。文部科学省のホームページ等でも広報していただいていますが,現実にそういったことが起きているということも認識された上で,正しい中身を広報,また報道いただきますようにお願いしたいと思っております。
 その中で,私たち,団体としては,公立の小・中学校に通う保護者,またその関係者が私たちの団体の構成メンバーですが,いずれにしても,子供たちは,幼稚園から小・中・高,また大学といった今回の高等教育の話に至るまで,子供たちを取り巻く環境をより良くしたい,また,社会を良くしたいという,皆さんと共通の思いの中で動いておりますが,子供を持つ親という立場から考えますと,先ほど諮問いただいた主な検討事項の第4の,「学生への経済的支援の充実など教育費負担の在り方」について申し上げたいと思います。
 先ほどお話があったように,今,都心に大学を作らないと学生が集まらないということで,都心にたくさん大学が来ているのも実態ですし,また,自分たちが学生として学びに行きたいというところが遠方の大学であったとした場合,そこでの下宿や教育費にかかる保護者の負担,このことがかなわないために行きたい学校に行けないという現実もあるわけです。こういった点も併せて考えていかないと,大学や大学院だけがしっかりとした中身や教育を行ったとしても,行ける環境にあるかという,学生やその家族の立場もしっかりと考えた中で議論をしていかないとなりませんので,とても大学だけの問題ではないということが言えると思います。
 また,もう一つ,大学を出た後に,その後,就職先があるのかどうかとなると,実際に地方のエリアでは,地元の大学は何とか卒業してくれたが,結果的に,東京をはじめ都会の方にしか就職先がなかったため,都会に子供たちは行ってしまったという話もよく聞きます。こういったことも踏まえ,高等教育だけの問題ではないということを,この際,皆様で強く認識していただきたいと思います。
 これからの大学が,地域との連携の中で,地域と一緒に何かを為(な)していくというのであれば,地域に残って生活ができることも考えていくことが大事だと思いますので,これは文部科学省だけに限らず,国として総力を挙げて取り組んでいかなければならないことだと思います。有識者の皆様がたくさんお見えですので,この点についてもしっかりと議論に入れていただければと思っています。
 ありがとうございます。

【北山会長】
 ありがとうございます。
 次に,清原委員,お願いします。

【清原委員】
 ありがとうございます。三鷹市長の清原です。
 今期,第3期教育振興基本計画の策定に向けた取組を進めるということで,地域の立場から一言申し上げます。
 第8期の答申の中で,平成27年12月21日に,「新しい時代の教育や地方創生の実現に向けた学校と地域の連携・協働の在り方と今後の推進方策について」が示されました。三鷹市では,平成18年から,コミュニティ・スクールを基盤とした小中一貫教育を進める中で,正にこの答申に示されております,学校と地域がパートナーとして連携・協働するということの重要性を実感として感じております。
 その中で,少子長寿化が進み,コミュニティ・スクールを推進する委員の皆様の中にも,地域の長寿の方もいらっしゃいます。したがって,多世代交流が学校という現場で進んでいます。また,防災訓練も,学校を舞台として行われるとき,子供たちも,地域の皆様に防災のAEDの取組などを教える立場に立つなど,正に子供たちは,教えられる側(がわ)だけではなくて,地域にあっては重要な担い手としての自己肯定感や自信を持つという取組が見られます。
 これは,初等中等教育分科会と生涯学習分科会が共同して答申をまとめたというところにも特徴があると思います。今後,第3期の教育振興基本計画を進めていく際,各分科会で重要な議論がなされていくと思いますが,初等中等教育分科会,生涯学習分科会,そして大学分科会,それぞれで議論されるものに共通の問題提起があり得ると思いますし,地域という視点を入れていただいたとき,それが生き生きと醸し出されてくるのではないかと感じます。
 いよいよ教育の質が問われてくるわけでございますので,多職種連携,多世代交流,そして,少子長寿化の中で,子供たちと長寿の皆様が分断されない,むしろ教育を通して,より未来に向けて協働できるような方向性が議論されていくと有り難いと思います。
 以上です。

【北山会長】
 ありがとうございます。
 次に,横倉委員,お願いできますか。

【横倉委員】
 どうもありがとうございます。
 日本学校保健会の会長で,日本医師会の会長をしております。今,学校保健の現場から,非常に子供の様々な問題が指摘されているため,中央教育審議会にお呼びいただいたと思っております。
 様々な産業と教育の在り方の問題も議論されておりますが,実は,今,子供たちの一番大きな課題は,メディアリテラシーをどのように身に付けさせるかということです。ゲームや携帯電話,スマートフォンが発達して,運動がなかなか十分にできない子供たちが非常に増えているわけですね。そのような中で,どのようにその辺りの教育をしていくか,子供の健康を守っていくかということは非常に重要だろうと思っておりますので,是非,この教育振興基本計画の中にも,そのような健康の話というのは入れていただきたいと思っています。
 それと,もう一つは,今,御議論があった高等教育と社会の課題についてです。特に今後,高齢社会を迎えると,明るい高齢社会をいかに作り上げていくかということが,我が国の大きな課題であると認識しておりますので,高等教育からまず生涯教育にかけて,国としてどのような方針を持っていくかということについても御議論していただきたいと思います。
 1点,この中央教育審議会の運営について,質問があるのですが,各分科会の意見に対して,関係していない委員が意見をどこかで述べるということがどこかでできるのかどうかということについて,お教えいただければと思います。

【北山会長】
 ありがとうございます。今の御質問については,皆様の御意見をお聞きした後に,里見課長から御回答していただきます。
それでは,天笠委員,お願いします。

【天笠委員】
 ありがとうございます。
 私は,第8期では初等中等教育分科会に所属しておりまして,そこで学習指導要領のコンセプト作りに関わらせていただきました。その立場から1点発言させていただきたいと思います。
 これから,その作られた学習指導要領が教育現場に引き取られ,そして,その具体化ということが始まっていくわけであります。そのような点から申し上げますと,その具体化のために,これからいろいろな知恵やアイデアが必要になってくるわけですが,その多くは,当然,今,現場で仕事をされている先生方にお願いせざるを得ない部分があるわけです。さらに,そこに新たに加わっていただく,この作り出した新しいコンセプトを担って具体化していただくような人材を送り出していくという視点というのも大切であって,それが先ほど諮問いただきました,高等教育の在り方ということと非常に関わってくる点があるのではないかと思っております。
 要するに,新しい学習指導要領を具体的に実施する,その担い手としての人材を,大学等々がどう送り出していくかどうかという観点からの御議論も是非お願いしたいということを申し上げさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

【北山会長】
 ありがとうございます。
 室伏委員,お願いします。

【室伏委員】
 ありがとうございます。室伏でございます。
 これからの高等教育は,国の内外に向けて門戸を広げていくべきであろうと思っています。また,高等教育機関だけでまとまった形で議論していたのでは前に進まないと思います。先ほどお話がありましたが,地域や産業界,それから,国の内外の大学や教育機関との連携を深めていくべきであろうと思っております。
 例えば,今,筑波大学が実施していらっしゃる「キャンパス・イン・キャンパス」という考え方は,とてもすばらしいと思っています。どのような考え方かと申しますと,従来の大学や研究機関との単位互換や連携とは異なり,キャンパスの中に様々な高等教育機関や研究機関などの機能を取り込んで,一つのキャンパスのように動いていくという考え方なのですが,その中で,学生たちも,教員たちも,新しい視点を取り入れて,教育や研究の質を高めているようです。これは,今後の高等教育機関の在り方,日本における高等教育の振興という点で重要な考え方ではないかと思っております。
 さらには,高等教育機関だけで日本の教育の質あるいは研究の質が高まるとも思えないところもございます。やはり初等教育段階からの子供たちの教育,教員の質の向上を図り,裾野を広げることで新たな学問や研究の視点も広がると思っておりますので,今後の高等教育の発展についての議論の中には,是非,初等・中等教育をも含めた大きな連携の中で日本の高等教育を向上させるような視点を持ち込んでいただければと思います。
 ありがとうございました。

【北山会長】
 ありがとうございます。
 最後に,中田委員,お願いできますか。

【中田委員】
 初めて参加させていただいているのですが,東日本大震災以降,6年間,福島の教育の復興と,その中で高等教育が何を果たすべきかということをずっと考えてきたことがありますので,それも併せて少し発言させていただきたいと思います。
 第4次産業革命に向けて,地域社会がどのような人材を養成していけばいいのか。その際,高等教育が今までのような古い体質であってはならない。実践的な学びを大学教育の中にも取り入れて,社会にとって有為な人材を輩出していかなければならない。その責任は,この6年間,重々,ずっと考えてきたところではあります。
 そのときに,例えば,18歳人口が,地方の学生,高校生を含めて,東京に出ていってしまう,東京で就職してしまって,地方の頭脳が地域の中に生かされないという発言がありましたが,それをどのように防いでいくのかと考えたときに,地域にとどまる決意を持った高校生や大学生というのをどう見つけていくかということだと思うのですね。それは,大学だけでできることでもないでしょうし,義務教育,高校の教育とも連携しなければならない。そこの地域課題を見つけていくときに,地域社会の市民,県民,都民の力も活用していかなければならないというのは,正にそのとおりなのですね。ですが,連携という言葉,協働という言葉はキーワードになっていますが,いかにすると協働・連携が可能になるのかというところは,まだまだ探究が必要だろうと考えています。
 そのときに,例えば,福島は,御存じのとおり,大震災以降,原発事故があって,多くの小・中・高校生が外に出ていく傾向が見られました。しかし,その中でも,地域の将来を担う子供たちをどのように支えていくか,育てていくかを考えるといったときに,地域をどのように子供たちが描くのか,描きたいのか,どのような地域にしていきたいのかということを,やはり教育を通して見つめ続けることが大切だと思います。それは,子供たち,大人,学校の教員たちも含めて,どのように地域の将来像を創っていくかということを,小さいときから積み重ねていき,その中で,どのような地域の課題を発見して,そのために何を学ぶのかということを,その都度の教育段階で見つけていくということがとても必要なのだろうと思います。
 その課題を発見して,実践的にそれを実現していこうと思ったときに,必要に駆られて,例えば地域の特産物をJAと手を結んで商品開発していく高校生の姿が生まれてくるわけですね。だから,地域課題をつかみながら,それをどのようにその解決に向けて努力していくかというプロセスの中に,多種多様な人材とつながっていくかという契機も生まれてきますし,そのときに,大学という知財をどのように使っていくかという契機も生まれてくるのだろうと思います。
 その結果,学んだことを,大人になって,どのように責任を持って地域のために生かしていくのかと考える際に,自分の進路先が見つかっていきます。そして,それは一過性で東京など都心に出ることがあってもいいと思うのですが,都心で学んだことをもう一回地域に持ち帰って生かそうと思う大人をどのように育てるかということが重要だと思えるわけです。したがって,地域課題を見つけ,それをどのように解決していくかというプロセスを教育現場の中にどれだけ豊かに創っていくのかということが課題であるような気がしています。そうすると,個人が見つける課題,それを教育の課題に結び付け,高等教育の課題に結び付けていくという,コーディネートしていく部分というのが,絶対これからの教育改革の中には,人材も含め,必要になっていくと強く思っています。
 福島の話ばかりで恐縮なのですが,地域を復興させていくために,双葉郡,浜通りの義務教育機関は地域学習を始めています。それは「ふるさと創造学」と言って,地域の課題を見つけ,それを今度は高校にもつなげるということで,「未来学園高校」というものを作って,そこで新しい地域の産業を開発していくというような総合的な学習の時間に結び付けています。そこに大学がどのように,COC,COCプラスという事業等の中でリンクしていくような連携ということもこれから必要になっていきますが,いずれにしろそれらをつないでいく役割,機能というのが,これから教育現場の中では必要になってくるのではないかと考えております。
 少し長くなりまして申し訳ありませんが,以上です。

【北山会長】
 ありがとうございます。
 他にも御意見がございましたら,事務局にお寄せいただきたいと思います。
 それでは,先ほど横倉委員から御質問がありました総会と分科会との関係について,里見課長から,連絡事項と併せてお願いしたいと思います。

【里見政策課長】
 承知いたしました。
 本日は,誠にありがとうございました。お時間の関係で,先ほど御発言いただけなかった点などございましたら,事務局にお寄せいただきたいと存じます。
 横倉委員から御指摘いただきました点につきましては,本日を例に挙げますと,高等教育に関する諮問につきまして,今ここで御意見いただきましたものを,引き続き,大学分科会に持っていっていただくという形で運営しております。
 また,諮問などいろいろな重要な案件につきましては,諮問をしていただくまでの間に,総会に御報告いただき,御審議いただく機会を適宜設けておりますので,総会に御出席いただきます委員におかれましては,その際,ないしは,その議題のときに書面にて御意見を頂戴いたしましたらば,適切に反映できるようお預かりしてまいりますので,よろしくお願い申し上げます。
 また,連絡事項でございますが,この後,初等中等教育分科会に分属されている委員の皆様方には,既に御案内させていただいておりますが,12時より,文部科学省3階2特別会議室にて初等中等教育分科会を開催いたしますので,御移動をお願いいたします。
 また,重ねてでございますが,机上配付いたしました人事異動通知書につきましては,お持ち帰りいただきますよう,よろしくお願いいたします。
 以上でございます。

【北山会長】
 ありがとうございました。
 これで第9期初回の中央教育審議会総会を終了いたします。次の総会については,追って御連絡いたしますので,よろしくお願いいたします。
 本日は,ありがとうございました。

―了―

お問合せ先

生涯学習政策局政策課

政策審議第一係
電話番号:内線:3458

-- 登録:平成30年04月 --