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中央教育審議会(第110回) 議事録

1.日時

平成29年2月3日(金曜日) 16時00分~18時00分

2.場所

文部科学省 「第二講堂」(旧庁舎6階)

3.議題

  1. 第2次学校安全の推進に関する計画の策定について(答申(案))
  2. 第3期教育振興基本計画の基本的考え方について
  3. 第8期中央教育審議会の総括について
  4. 生涯学習分科会の審議の状況について
  5. 初等中等教育分科会の審議の状況について
  6. 大学分科会の審議の状況について
  7. 実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関の制度化に関する特別部会の審議の状況について
  8. 平成29年度文部科学関係予算案及び税制改正等について
  9. その他

4.出席者

委員

 北山会長,小川副会長,河田副会長,明石委員,生重委員,尾上委員,小原委員,帯野委員,亀山委員,菊川委員,篠原委員,竹宮委員,田中委員,田邉委員,永田委員,中根委員,成田委員,林委員,坂東委員,日比谷委員,福田委員,米田委員

文部科学省

 樋口文部科学大臣政務官,鈴木大臣補佐官,戸谷事務次官,山下文教施設企画部長,有松生涯学習政策局長,藤原初等中等教育局長,常盤高等教育局長,村田高等教育局私学部長,信濃大臣官房政策課長,助川大臣官房会計課専門官,神山大臣官房審議官,佐藤生涯学習総括官,里見生涯学習政策局政策課長,他

5.議事録

【北山会長】
 定刻になりましたので,第110回中央教育審議会総会を開始いたします。
 本日は御多忙の中,御出席いただきまして,ありがとうございます。
 本日は,戸谷事務次官に御出席いただいております。会議の前に,戸谷事務次官から皆様にお話があるとのことです。よろしくお願いいたします。

【戸谷事務次官】
 1月20日付けで文部科学次官を拝命いたしました戸谷でございます。大変貴重なお時間を拝借いたしまして恐縮ですが,一言だけ御挨拶を申し上げさせていただきたいと思います。
 初めに,今回の文部科学省職員による再就職等規制違反につきまして,深くおわびを申し上げたいと思っております。
 このたび,文部科学省が再就職等監視委員会の調査を受けまして,再就職に関する国家公務員法違反があったという認定を受けたことにつきましては,皆様に文部科学行政に対する信頼を著しく損ねましたこと,心より深くおわびを申し上げます。
 法令を遵守すべき国家公務員としてあるまじきことであり,特に教育をつかさどる文部科学省の職員がこのような事態を招いたことにつきまして,省といたしまして猛省いたしまして,全容の解明及び再発防止策の実施により,信頼の回復に努めさせていただきたいと思っております。
 一方,教育・科学技術・文化・スポーツという文部科学省が所掌する分野につきましてはいずれも国の重要分野でございまして,この行政の推進につきましては,一瞬の遅滞も許されないものでございます。省としての反省,信頼回復に努めながら,これらの回復,課題につきまして今後とも取り組んでまいります所存でございます。
 皆様方におかれましては,大変御迷惑,御心配をお掛けしているところでございますが,何とぞ引き続き,御理解,御協力を賜りますようにお願い申し上げます。貴重な時間を頂きまして,ありがとうございます。

【北山会長】
 それでは本日の議題に入ります。まず議事について御説明いたします。
 本日は,議題(1)として,「第3期教育振興基本計画の策定に向けた基本的な考え方について」の説明と意見交換の後,議題(2)として,「第2次学校安全の推進に関する計画の策定について」の答申案について御審議いただきます。こちらにつきましては,委員の皆様の御了承が得られれば,本日,答申として提出したいと思います。
 その後,第8期中央教育審議会総会,生涯学習分科会,初等中等教育分科会,大学分科会,実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関の制度化に関する特別部会,それらの審議の状況についての御報告と意見交換を行います。
 そして最後に,「平成29年度文部科学関係の予算案及び税制改正等について」御報告いただきます。
 本日は第8期中央教育審議会の最後の総会でございますので,第8期において,それぞれの分科会等で検討してきた事項や,第9期に引き継ぐべき課題といった点についての議論が中心となります。
 また,本日,報道関係者より,会議の全体について,録音・カメラ撮影を行いたい旨申出があり,許可しておりますので御了承ください。
 それでは,本日の配付資料について里見課長から御説明をお願いします。

【里見生涯学習政策局政策課長】
 それでは,本日の配付資料でございますが,お手元の会議次第に記載しておりますとおり,資料1‐1から資料8‐2となってございます。過不足あれば,事務局にお申し付けください。
 なお,急遽(きゅうきょ)ではございますが,本日17時30分から,再就職問題等に関し,文部科学大臣から全職員に対する訓示が別の会場で行われることとなりました。このため,本会議の途中ではありますが,一旦職員が退席させていただくことになります。誠に申し訳ございませんが,お許しいただきますようお願い申し上げます。
 以上でございます。

【北山会長】
 ありがとうございます。御事情につきまして,御了承いただければと思います。
 それでは,議題(1),「第3期教育振興基本計画の策定に向けた基本的な考え方について」御議論いただきます。本件につきましては,教育振興基本計画部会で審議を行っておりますが,私がその部会の部会長を務めておりますので,まず私から審議状況等について御説明させていただきます。
 皆様御承知のとおり,この教育振興基本計画は,教育基本法に基づき政府として策定する5か年計画でございます。今年度は第2期計画の4年目に当たり,来年の3月末でこの第2期計画の期間が終了となりますので,現在,平成30年度から始まる新しい5年計画,すなわち第3期計画の策定に向けた審議を行っております。
 先月,1月19日に開催されました計画部会におきまして,本日,皆様のお手元にお配りしております「基本的な考え方」について審議を行い,これを取りまとめいたしました。今後はこの「基本的な考え方」を事務局においてパブリックコメントに付し,国民の皆様からも広く御意見を募ることとしております。
 次期の中央教育審議会におけるスケジュールとしましては,春以降に具体的な指標や基本施策等について審議を行い,夏頃に審議経過報告を取りまとめた後,今年の年末に答申を行う予定としております。その後,年明け以降の閣議決定を経て,来年の4月から第3期計画がスタートすることとなります。
 皆様も,既に分科会等においてこの「基本的な考え方」を御覧になっておられるかもしれませんが,本日,皆様から頂く御意見につきましても,今後の部会における議論に反映していきたいと考えておりますので,よろしくお願いいたします。
 それでは,有松局長から御説明をお願いしたいと思います。

【有松生涯学習政策局長】
 お手元の資料1‐1と1‐2を御覧いただきながら,御説明申し上げたいと思います。資料1‐1が本文,1‐2がその概要でございます。
 まず,概要を御覧いただきたいと思いますが,この基本的な考え方のコンセプトにつきましては,この概要の上段のところに記載しておりますとおり,「現行計画の理念を引き継ぎつつ,現行計画の進捗状況を踏まえた課題や2030年以降の社会の変化を見据えた課題等へ対応していくため」の現時点での考え方でございまして,今後も答申に向けて,内容を充実するということにしております。
 その上で,この基本的な考え方は三つのパートに分かれておりますが,一つ目が,左側の「教育をめぐる現状と課題」,二つ目が,右側にございます「今後の教育政策に関する基本的な方針」,三つ目が,下の方にございます「国民・社会の理解が得られる教育投資の充実・教育財源の確保」となっております。
 それでは,内容につきましては,資料1‐1の本文を御覧いただきながら,ポイントを御説明申し上げたいと思います。
 一つ目の「教育をめぐる現状と課題」の部分につきまして,まず,1ページを御覧ください。「1.教育の使命」といたしまして,教育基本法の目的・理念を踏まえて,「教育立国」の実現に向けて更なる取組を進めていく必要があるということが書かれております。そして,その下,「2.これまでの取組の成果と課題」といたしまして,2ページ中ほどにございますが,第1期,第2期の取組の成果としては,世界トップレベルの学力や学力の底上げなどが上げられます。
 一方,課題といたしましては,「目標や自信を持ち,主体的に取り組むこと,他者への理解を促進すること」などが課題と考えられ,また,「家計における教育負担の軽減」など,今後更なる取組を進めていくことが必要であるとしております。
 次の,「3.教育の目指すべき姿」につきましては,この3ページの囲みの中にございますように,「自立した人間として,主体的に判断し,多様な人々と協働しながら新たな価値を創造する人材の育成」という個人の視点と,「一人一人が活躍し,豊かで安心して暮らせる社会の実現」と,もう一つ,「社会」,すなわち,地域・国・世界ですが,その「社会の持続的な成長・発展」という,二つの社会の視点から整理しております。
 「4.社会の現状や2030年以降の変化等を踏まえ,取り組むべき課題」については五つに分けて整理しております。
 一つ目が「少子高齢化の進展に伴う就学・就業構造の変化」,二つ目が「技術革新やグローバル化の進展に伴う産業構造や社会の変化」,三つ目は,5ページに参りまして,「子供の貧困など格差の固定化」,そして,四つ目が,6ページに参りまして,「地域間格差など地域の課題」,五つ目が,「子供を取り巻く状況変化」でございます。これらに対しまして,教育が大きな役割を果たしていくことが求められるとされております。
 そして,8ページを御覧ください。「5.国際的な教育政策の動向」としては,UNESCOやOECDの取組,そして,G7倉敷の教育大臣会合での合意などや,また,今後,OECDによるカントリーノートの中間報告などを踏まえまして,取組を進めていくということにしております。
 こうした教育をめぐる現状と課題を踏まえまして,9ページから始まりますが,「今後の教育政策に関する基本的な方針」を五つ掲げております。一つ目は,「夢と自信を持ち,可能性に挑戦するために必要となる力を育成する」,二つ目が,「社会の持続的な発展を牽引(けんいん)するための多様な力を育成する」,三つ目が,「生涯学び,活躍できる環境を整える」,四つ目は,「誰もが社会の担い手となるための学びのセーフティネットを構築する」,五つ目は,「教育政策推進のための基盤を整備する」となっております。
 このページの真ん中辺りにございます二つ目の丸の「なお」以下のところでございますが,教育政策の展開に当たっては,他分野の政策との連携や地方公共団体における取組の推進,PDCAサイクルの確立といったことが重要であるということが冒頭に書かれております。
 そして,10ページでございますが,一つ目の方針を展開しております。まず,「急激に変化する社会を生き抜く上で必要な力」といたしまして,「夢や目標を持って積極的に行動し,主体的に社会に参画していくための力を育成し,自信を持って可能性に挑戦することができるようにすることなどが重要である」としております。
 さらに,その下に参りまして,「確かな学力,豊かな心,健やかな体の育成等」といたしまして,この10ページの一番下からでございますが,初等中等教育段階について,また次のページの二つ目の丸で,高等学校教育段階について,大学入学者選抜,大学教育の取組などを記載しております。
 また,豊かな心の育成については,日本の伝統や文化を継承・発展させるための教育や,健やかな体として体力の向上,健康の確保,食育などに触れられております。そして,いじめや不登校などの問題への取組といったことも記載しております。
 「キャリア教育・職業教育」といたしまして,実践的な職業教育をより一層充実させていくこと,そして,「学校・家庭・地域の連携・協働」として,地域とともにある学校づくりや地域の知の拠点となる大学の形成といったことを記載しております。
 また,12ページの一番下,「多様なニーズのある子供への対応」として,特別支援教育の推進や,13ページに参りまして,外国人児童生徒等に対する日本語教育,日本語の指導,そして,複合的な困難を有する子供には,関係機関・団体と連携して継続的に支援を行うことが重要であると記載しております。
 さらに,「多様な人材と協働する力の育成」といたしまして,グローバル化に対応するために,英語等の語学力に加えまして,様々な国の人と理解し合い,協働できる姿勢を育むことや,障害のある子供たちが障害のない子供たちと可能な限りともに学ぶことを追求するということなどを記載しております。
 そして,このページの下の点線の中,「具体的な取組例」として,今後この基本的な方針の下で,具体的な取組を御議論いただく際の取組例を記載しております。構造はこれ以後,全て同じような形になっております。
 14ページを御覧ください。二つ目の方針「社会の持続的な発展を牽引(けんいん)するための多様な力を育成する」でございますが,一つ目が基礎,基本の部分とすると,こちらは基礎,基本を身に付けた上で,得意な分野や個性に応じてリーダーシップを発揮して活躍するという観点からの方針でございます。グローバル人材の育成やイノベーションを牽引(けんいん)する人材の育成,次のページのスポーツや文化芸術分野に秀でた人材の育成についての取組を記載しております。
 15ページを御覧ください。三つ目の方針「生涯学び,活躍できる環境を整える」については,長寿化の進展により,これまで以上に長期にわたり,刻々と変化する社会に対応して,必要な知識や技能を身に付けていくことが求められるとしておりまして,「社会人の学びの継続・学び直しの推進」や「障害者の自己実現を目指す生涯学習の推進」,17ページ,二つ目の丸の上ですが,「人生100年を見据えた『二つ目の人生を生きる力』の養成」などを記載しております。特に「二つ目の人生を生きる力」につきましては,これまでの教育・就労・引退といったライフステージモデルの考え方そのものが通用しなくなるということを踏まえて,「大人も知・徳・体の調和の取れた力を養っていく」という考え方を示しているところです。
 その下の四つ目の方針「誰もが社会の担い手となるための学びのセーフティネットを構築する」ですが,「家庭の経済状況や地理的条件等にかかわらず,全ての人々が質の高い教育を受け,能力・可能性を最大限伸ばして,それぞれの夢に挑戦できるようにする」ことが大切であるとしております。
 次のページを御覧ください。特に幼児期の教育につきまして,二つ目の丸がございますが,「生涯にわたる学びと資質・能力の向上に大きく寄与するもの」といたしまして,「共通のスタートラインに立つことができるようにする必要がある」ことや,「多様なニーズを持つ子供が必要な教育を受けられる機会を提供する」ようにしていくことなどを記載しております。
 そして,「学校・家庭・地域が連携した教育格差への対応」といたしまして,家庭に対するきめ細かな支援や学校を子供の貧困対策のプラットフォームと位置付けること,地域の多様な教育資源の効果的な活用などを記載しております。
 19ページを御覧ください。最後,五つ目の方針「教育政策推進のための基盤を整備する」につきましては,「学校指導体制の整備」,「ICTの利活用」,そして,次のページに参りまして,「安全・安心で質の高い教育研究環境の整備」,21ページに参りまして,「高等教育の基盤整備・学校間の連携強化」,そして,「日本型教育の海外展開」を記載しております。
 以上,五つの方針を踏まえまして,今後の具体の施策や指標等を部会で御議論いただきたいと考えております。
 22ページを御覧ください。三つ目,「国民・社会の理解が得られる教育投資の充実・教育財源の確保」ですが,この点線の中に書かれておりますように,今後この在り方については検討を深めることとしております。
 まず,「教育投資の意義」につきましては,一つ目の丸で,「一人一人の生産性の向上」,そして,二つ目の丸で,「少子化対策」,三つ目の丸で,「将来の税収増,将来の生活保護費,失業給付の抑制などの公的支出抑制」などといった意義を記載しております。
 そして,教育投資の充実のための財源につきまして,「既存の施策や制度の不断の見直しや,民間資金の活用を含む様々な方策に取り組んだ上で,それでも十分な財源を確保できない場合には,税を通じた財源確保について検討していくということが求められ」,そのためには,「『教育は未来への先行投資である』という理解が醸成されていることが不可欠である」ということが記載されております。
 最後,そのための取組といたしまして,教育現場の状況を踏まえながら,教育政策の効果に対する研究を進めること,研究を担う人材を育成すること,長期にわたってデータを蓄積し,体系立てて収集・整理し,分かりやすい形での全国発信と効果的な取組の展開といったいわゆるエビデンスベースでの教育政策の推進が必要であるとし,海外の取組を参考にしながら,我が国の実情に合わせた体制整備を進めることが重要であるとされているところでございます。
 取り急ぎでございますが,以上が御説明となります。よろしくお願いいたします。

【北山会長】
 有松局長,ありがとうございました。
 御説明にもありましたとおり,本件については部会での検討の途上であり,これまでの議論を,一旦,この「基本的な考え方」として取りまとめたという状況でございます。これは,教育全般に関わることですので幅広い論点が関係しますが,具体的なアウトプットのイメージをお持ちいただくために,第2期の例で申し上げますと,最終的に取りまとめられた計画の本文は,80ページほどの分量がございます。
 一方,本日お示しした「基本的な考え方」は,二十数ページで,言わばエグゼクティブサマリーのようなものであり,特に三つ目のテーマ,「国民・社会の理解が得られる教育投資の充実・教育財源の確保」については,まだ書き足りない部分が多くあると考えています。冒頭にも申し上げましたが,本件に関しては,夏頃に審議経過報告を取りまとめる予定ですので,その際にもまた,皆様の御意見を頂戴する機会がございます。
 それでは15分ほど時間を取りますので,御意見等があればお願いします。それでは,中根委員,お願いいたします。

【中根委員】
 ありがとうございます。来年度へのお願いということで,申し上げたいと思います。
 資料1‐1の1ページから2ページにわたって,これまでの取組の成果と課題に高等教育に関する記述がないと感じました。これが高等教育の現状を象徴的に示しているのではないかと感じた次第であります。
 問題が定義できれば,答えは必ず出てくるわけですが,古くて新しい問題で言えば,大学世界ランキングの結果問題については,なぜ評価が低いかという主たる理由ぐらいはきちんと基本計画に是非明記していただきたいと思います。英語関連の問題はもとより,ドメスティック就職市場への人材輩出型大学では世界の評価は勝ち得ない,世界相手のイノベーション輩出型大学,研究大学院,ドクター輩出型大学へ脱皮する必要があります。自信を失ってはいけないのは,日本の大学が持つ優れた蓄積と実力と日本人の人材,これを超高速で展開する技術革新や世界変化で更に磨きを掛けていきたい。
 しかし,一方,日本の大学は変化を嫌い,変化への反応も極めて鈍いです。この言わば変化先取り改革やガバナンスのリーダーシップクオリティも基本計画の中で是非明確に言及していただきたいと思います。国立大学の更なるエリート化の具体化,そして,学士課程の学生数の7割強を占める私立大学の市場原理に基づくキャパシティの調整と品質改革を同時並行的に進める必要があると思います。
 せっかくの基本計画でございますので,次回こそは,長年改革できなかった根本分野の改革と大学モデルの革新に正面から是非取り組んでいただきたく,お願い申し上げます。

【北山会長】
 貴重な御意見,ありがとうございます。平成17年に,高等教育の将来像に関する答申が出されて以来,すでに10年以上が経過しており,大学分科会では昨年の後半から作業チームを設置して,次の将来像の検討に向けた論点整理を行ってきました。第9期では,諮問を受けて本格的な検討を進める予定としています。
 この教育振興基本計画の検討に当たっては,初等中等教育に関係した議論がどうしても多くなるのですが,将来像の検討を進めている大学分科会とも連携しながら,中根委員がおっしゃった点についても十分考えるようにしたいと思います。
 それでは,福田委員,お願いします。

【福田委員】
 ありがとうございます。この第3期教育振興基本計画の見通しを持った進め方の中で第8期に関わることができ,特に新しい教育課程の編成のまとめのところに関わることができたことを大変有り難く思っています。
 この理念自体に関しては,その根拠になるところ,それから,課題等の捉え方や目指すべき姿など,もうそれは関わる過程の中で思うところを述べて,もう皆様の御意見の中で大変良いものができたと思っています。
 私は学校の現場の人間ですが,この理念が具体的化するときに,今の学校の形態や学び方の形態というのは既に限界にきているような気がします。
 というのは,いろいろな理念が打ち出され,それのための条件整理もいろいろなところに盛り込まれているのですが,条件が全部整ったから現場でやりましょうというような回り方ではなく,お金や人はまだ付かなくても,現場にはそれらの枠だけがおりてきます。そうすると,これだけ働き方改革が世の中でも話題になっている中,学校側の負担というのは増えていく一方だと思うのです。
 ですから,第8期の終わりに当たって申し上げておきたいのは,多様な子供たちへの対応や,教師たちの働き方も含め学校が,教師の研修や研究や保護者対応や地域対応を確保するためにも,思い切った学校の形態自体の改革が必要な時期が近いのではないかということです。例えば午前中に学校自体は終わりにして,午後は教師の研修や研究や保護者対応や地域対応に時間をかけられるよう,民間や地域が主体となって子供たちの芸能やスポーツなどの才能の発掘,外国語活動,情報モラル,教育課題的なもの,あるいは補習なども含めて選択するなどしながら教育を受けるようにする等の形態。それぞれの子供に必要な教育ができるような根本的な組織形態の変化を考えていかないと,人の頭数や予算を投じるだけでは現場はなかなか変わりにくいということを申し上げさせていただきます。
 この場は全国規模でのお話なので,とても難しいところはあるかと思うのですが,働き過ぎと言われる教師のためにも,多様化する子供たちの学び方の複数路線のためにも,この新学習指導要領の理念の恩恵を全ての子供たちが受けることができることを目指して,できるところからだけでも改善,改革を進めていっていただきたいというお願いです。
 以上です。

【北山会長】
 ありがとうございます。
 冒頭に申し上げましたとおり,今,福田委員からありましたように,本日が第8期最後の総会ですので,第9期への課題なども含んだ総括的な御意見でも結構でございます。よろしくお願いします。
 では,小原委員,お願いできますか。

【小原委員】
 ありがとうございます。言葉のことなのですが,昨今のアメリカの事情を見ますと,グローバルという意味が余りいい意味に取られなくなってきたので,引き続きこの表現を使うのが適切なのかどうか,再度検討していただきたいと思います。
 もう一つ,9ページについて,同じようなことが教員養成部会でも出たのですが,この「PDCAサイクルの確立」という表現なのですが,このままですと,PDCAサイクルを確立するのが目的となってしまいます。しかし,このPDCA,マネジメントサイクルは何かのための手段ですから,その目的をはっきり掲げておかないと現場に混乱が生じてきますので,ここを明確にしていってください。
 15ページ,このスーパーグローバルハイスクールについてですが,私が理解しているところではこれは時限のプログラムでこの3期教育振興基本計画が始まる頃にはそろそろ終わると聞いております。これは引き続き行われるのかどうか,きちんと確認しておく必要があると思います。
 もう一つ,この「スーパー」ですが,「グローバル」,「ハイスクール」どちらに掛かるのでしょうか。そもそもこのような英語はないですよね。「スーパーグローバル」でしたら,地球を超えていってしまいますから宇宙ではないかということも一部では言われていますし,一方で,「スーパーハイスクール」ならば,はっきりと「エリートハイスクール」と言った方がより適切に意味が通じると思うのです。日本にしか通用しない英語というのは使わない方がよろしいのではないでしょうか。
 それから,もう一つ,17ページに,突然,「知・徳・体」という言葉が出てくるのですが,これはもう一度,古文の先生に確認して,「知」という字がこの字なのか確認しておいた方がいいでしょうし,「知・徳・体」なのか,「徳・知・体」なのか,順番もいろいろあったと思います。たしか中国は「徳・知・体」という順番だったと思います。我々がいずれを使うとしても,その辺りをどうしてこの順番になったのかということを確認しておく必要があると思います。
 最後,23ページ,先行投資についてですが,何のための投資なのか。大体,先行投資という言葉も余りふさわしくない表現ではなく,投資で十分ではないかなと思います。あわせて,受益者は誰なのということも明記しておく必要がありますので,「国民・社会の理解が得られる教育投資の充実・教育財源の確保」を議論するときに,ここもはっきりさせておいてください。
 以上です。

【北山会長】
 ありがとうございます。
 篠原委員,お願いできますか。

【篠原委員】
 私も第2期計画に関わった立場から申し上げたいのですが,第3期計画を見ると,かなり常識的な流れなのですね。もっともっと高めのボールを投げて踏み込んでいただきたいなという感じがいたします。
 と申し上げますのは,この場で議論していると感じないのですが,一歩外へ出ると,あれは教育村の議論だという国民の受け止めが非常に強い。だから,是非高めのボールを投げて,国民的議論を巻き起こすぐらいの多少リスクを抱えてもいいと思います。天下り問題で話題になるのではなくて,そのようなところで話題になるような方向に持っていっていただきたいと思います。
 そのための一つの具体的な提案なのですが,高等教育の大学のところですね。今,幼児教育の無償化というのは打ち出されていますが,この第3期計画で大学教育まで含めた無償化について踏み込まれたらどうかと思います。政治のレベルでもそのような雰囲気が出ていることでもありますし。
また,余りここに財源,財源というようなことを書かない方がいいと思うのですね。国全体で行うことですから,財源は財務省に考えさせればいい話だと思います。余りお利口さんになるような基本計画にせず,高めのボールを投げて,みんなで賛否両論が巻き起こるような基本計画に是非引っ張っていただきたいというお願いでございます。
 よろしくお願いします。

【北山会長】
 私個人としましては,正に篠原委員のおっしゃるとおりだと思うのですが,この計画の策定に当たっては,閣議決定を経る必要がありますので,そうした点も踏まえて,戦略をよく考えていく必要もあろうかと思います。

【篠原委員】
 それはよく分かります。ですが,この第3期計画は,いつ頃めどで閣議決定に持っていく予定でしたっけ。

【北山会長】
 来年,年が明けてからの予定です。

【篠原委員】
 来年の年明けですか。ひょっとしたら,もっと政治レベルの動きは速いかもしれません。追認するような感じになるかもしれませんので,その辺りも見ながらやっていただきたいと思います。

【北山会長】
 ありがとうございます。
 続きまして,林委員,お願いします。

【林委員】
 ありがとうございます。
 10ページの「夢と自信を持ち,可能性に挑戦するために必要となる力を育成する」というところですが,11ページの下から数えて三つ目の丸で,「確かな学力に加え,子供の健やかな成長のためには,豊かな心を育むことも不可欠」とあります。私も現場の近くで仕事をしていまして,本当に今,相手への思いやりや豊かな感性を育むこと,子供たちが現実の世界の美しさに触れ,人と人が直(じか)に出会うことの大切さを実感しています。情緒豊かに育つこと,相手に寄り添う気持ち,他者への思い,そして,自尊感情はこれから子供たちを育てる上で本当に基本的なことだと思います。
 13ページ一番下の「具体的な取組例」の中で,「規範意識や思いやりの心など豊かな心の育成」,そして,「体験活動」などが書かれていますが,これは本当に大事なことなので,是非ともしっかりと現場で実現していただきたいと思います。
 それから,19ページですが,私もここに参加をさせていただいて,発達障害等の児童生徒や,日本語指導が必要な児童生徒,困難を抱える家庭の児童生徒が増加しており,担任の先生も困難な状況にあることをお伝えしてきました。そのような中で,やはり子供たちを大切に育てていくためには,学校で子供一人一人に向き合う教職員の働く環境を整えることが重要であるというお話もさせていただきました。19ページの下から三つ目の丸のところに,「学校指導体制の質・量両面からの充実」,「学校現場における業務の適正化を通じて,教員が子供と向き合う時間を確保する」とあり,しっかり答えを出していただいていますので,必ず実行していくようにお願いしたいと思います。
 以上でございます。

【北山会長】
 ありがとうございます。
 それでは,亀山委員,お願いします。

【亀山委員】
 飽くまでドラフトということですが,3ページの点線の中の「個人」,「社会」と二つに分けられたこの定義の文章が非常に分かりにくいと思いました。例えば冒頭から,「予想困難な変化の激しい」とありますが,この「予想困難」がどこに掛かるのか分からないなど,いろいろ分かりにくいところがあります。また,「社会(地域・国・世界)の持続的な成長・発展」の「労働人口の減少が予想される中において」について,非常に大事なところですので,何かもう少し何か文章を洗練して,正確な文章表現にしていただけると,うれしく思います。
 あともう一つ,ICT活用のことが触れられているわけなのですが,私は大学ですが,教育の現場といいましょうか,やはり根本的に今,日本といわず世界的なレベルで,知的な活動を大きく促進し,逆にまた,阻害している要因としての携帯電話の問題はあると思うのですね。この辺りに対する何か教育の大きな方針の中で,どう対峙(たいじ)するのかという問題,これについてもどこかで議論していただけるといいと常々思っております。

【北山会長】
 ありがとうございます。
 米田委員,お願いします。

【米田委員】
 この後計画部会で,またいろいろと話し合われることだと思いますので,また表現は変わると思います。
 その中でも1か所,例えば5ページの一番上の丸のところ,「こうした技術の進展により」と,少し飛んで,「ロボット等により代替できるようになる可能性」があるとありますが,「代替できるようになる」というこの表現に含まれる意味というのは,代替されることを肯定的に捉えていらっしゃるのか,それとも,代替されていろいろな人間の仕事がどんどん奪われていくということで若干ネガティブな意味合いが含まれているのか,どのようなスタンスでこのような現象を捉えていくのかについて,計画部会等で話し合っていただきたいと思いました。
 そのほか,表現等また変わると思いますので,まず,意見はこれだけにしたいと思います。
 以上です。

【北山会長】
 ありがとうございます。
 田邉委員,お願いします。

【田邉委員】
 ありがとうございます。私の方からは感想を申し上げます。15ページの「スポーツや文化芸術分野に秀でた人材の育成」に二つ丸がありますが,やはり子供たちにとって,2020年東京オリンピック・パラリンピックというのは非常に楽しみにしているイベントの一つかと思います。そこで,もちろんスポーツ・文化・芸術を通して世界で活躍する人材というのも育てていく必要があるだろうし,そこではやはりすぐれた才能や個性を見いだして伸ばしていく取組が必要だと思います。
 今,スポーツ界の方ではドーピングの問題であったり,賭博であったりトップアスリートにおけるその陰の部分もある中で,指導者の育成やスポーツの持っている価値,その心の部分もしっかりと育てていくということが大切なのではないかと思っております。
 今,スポーツ界の方では,「インテグリティ・オブ・スポーツ」ということも言われていますように,技術とそのスポーツの価値という,この二つの部分をジュニアの世代からしっかりと育てていかなければならないのではないかと思っております。
 以上です。

【北山会長】
 ありがとうございます。
 それでは最後に,坂東委員,お願いできますか。

【坂東委員】
 ありがとうございます。新しい計画に期待するところは大きいのですが,現行の学校制度での新しい取組は,新しい学習指導要領等も発表されておりますので,おいておきまして,今ここの中で少し気になりますことを2点,お話しさせていただきたいと思います。
 一つは,就学前教育についてです。10ページの下から二つ目の丸で触れていただいておりますが,先進国も含めまして,就学前教育,幼児教育に対する投資効果がその後の発展に非常に大きな影響を及ぼすということが言われており,5歳児,あるいは,4歳児から義務教育化するという流れもございます。
 昭和女子大学附属の認定こども園,あるいは,ナーサリー等々を見ておりましても,やはり幼児教育にしっかり取り組んでいく体制が新たに必要とされていると思いますので,検討の中に盛り込んでいただければと思います。
 また,17ページの方で,「人生100年を見据えた『二つ目の人生を生きる力』」という表現がございます。二つ目の人生でなくて,新しいステージの人生を生きる力と,少し表現は考えていただきたいと思うのですが,これから日本人で60代,70代,80代でも活躍される方が増えていく中で,50というところで線を引くのが適当なのかどうかということも含め,この部分について是非充実した御議論いただきたいと思います。
 それから,志が高いと思いましたのは,日本型教育の海外進出の部分です。例えば,ミャンマー,ベトナムなどいろいろなアジアの国々の方たちのお話を伺うことがありますが,特定の国だけではなしに,いろいろな国に日本型の教育システムあるいは精神をもっともっとアピールしていくことができればと思いますが,それはさておき,その就学前と,それから,後半期の部分につきまして,是非充実した議論を期待したいと思います。
 ありがとうございます。

【北山会長】
 ありがとうございます。
 まだいろいろな御意見があろうかと思いますが,時間の都合もございますので,本件に関してはここまでとします。もし追加で御意見がありましたら,事務局にお送りいただければと思います。
 本日皆様から頂いた御意見も踏まえ,引き続き計画部会で審議を進め,夏頃になると思いますが,審議経過という形で総会に報告させていただきます。よろしくお願いいたします。
 次に,議題(2)に移ります。議題(2)は,平成28年12月の中央教育審議会総会で御審議いただいた案件で,「第2次学校安全の推進に関する計画の策定について(答申(案))」でございます。12月に頂いた御意見も踏まえて,分科会,部会でそれぞれ修正を検討していただいたものを,本日,答申案としてお示ししております。
 それではまず,事務局から御説明をお願いいたします。

【藤原初等中等教育局長】
 それでは,私の方から御説明を申し上げます。資料2‐1,それから,資料2‐2がございます。
 まず,資料2‐1で概要について御説明申し上げたいと思います。
 資料2‐1の2ページを御覧ください。ここでは,今後の学校安全の推進の方向性として,目指すべき姿や12の施策目標を明示しております。3ページから4ページにかけてですが,学校安全に関する組織的な取組,例えば学校安全計画及び危機管理マニュアルの策定,改善,あるいは,中核教職員を中心とした取組促進などの重要性について記載しております。
 同じく,4ページのところでございますが,教員の養成研修の充実による教員の資質向上,学習指導要領の改訂を踏まえた安全教育の充実に係る今後の方向性について記載しております。
 また,5ページからでございますが,第1次計画の策定後の新たな安全上の課題,例えばSNS関係,また,学校施設及び設備の整備充実についても記載しております。
 それから,6ページ,7ページ,8ページのところですが,事故の原因検証,あるいは,再発防止を含めて,学校安全に関するPDCAサイクルの確立,それから,家庭,地域,関係機関との連携・協働の必要性などについて記載しているところでございます。
 続きまして,前回の総会で御報告させていただいたものから,御意見を踏まえての主な変更点につきまして,資料2‐2の答申案の全体版に基づきまして,御説明申し上げたいと思います。
 まず,3ページを御覧ください。ここでは,「学校管理下」の捉え方について説明が必要という御意見を頂きましたので,3ページの一番下のところの脚注2で記載を追加いたしました。
 それから,8ページを御覧ください。(4)について,「学校安全に関するPDCAサイクルの確立」と前回はしておりましたが,目的をよりはっきりさせるという観点から,「PDCAサイクルの確立を通じた事故等の防止」と追記いたしました。
 続きまして,12ページを御覧ください。ここでは,「(3)学校安全に関する教職員の研修及び教員養成の充実」のところの教職員の意識に関わることで,特に倫理観についての記載が必要だという御意見を踏まえまして,12ページの一番下のところの脚注14を追記いたしました。
 それから,16ページを御覧ください。二つ目の丸のところでございますが,学習指導要領の改訂に関係して,12月21日の中央教育審議会総会で答申が既に出されておりますので,「審議のまとめ」という表現から,「答申」に名称を変更しております。
 それから,20ページを御覧ください。下から二つ目の丸のところの,研究開発学校の成果の活用に関しまして,脚注の19で,研究開発課題について追記をいたしました。
 それから,23ページの一番上の丸ですが,前回の総会での御意見を踏まえまして,施設関係で,老朽化対策の部分について具体的な記述を入れた次第です。
 最後に,28ページの一番下の丸ですが,防犯や防災を進めるためには,コミュニティ・スクールの設置の促進も必要であるという御意見がございましたので,それを一番下の2行のところに追加いたしました。
 以上が,前回御審議を頂いた部分から修正,追加したところでございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【北山会長】
 藤原局長,ありがとうございます。
 続きまして,答申案の取りまとめに御尽力いただきました小原学校安全部会長から,一言お願いいたします。

【小原委員】
 学校安全部会では,有識者からのヒアリング等を含め,学校安全に関して,新たな5年間の学校安全の推進に関する施策の基本的方向と具体的方策について審議を行ってきました。
 第2次計画においては,これからの5年間で学校安全の目指すべき姿を明確にし,12の主な施策目標を掲げ,取組を推進していくことが要点となっております。今後,各学校,そして,特に教員養成を行っている大学において,家庭,地域と連携し,協働し,安全に関する取組,マニュアル,政策,あるいは,事故の避難訓練等を推進されるよう期待しております。
 以上です。

【北山会長】
 小原部会長,ありがとうございました。
 それでは,この答申案の審議に入りたいと思います。
 この第2次計画の答申案について,御意見,御質問がある方はお願いします。
それでは,小川副会長,お願いします。

【小川副会長】
 この推進に関する計画案については,今,小原部会長からお話があったように,学校安全部会の方で議論していただいて,そして,また,初等中等教育分科会でも数回議論して,部会の方にお返しするというキャッチボールの形で今回まとめることになりました。
 初等中等教育分科会で出された様々な意見は,先ほど説明があったような答申案の中にかなり組みこんでいただいておりまして,前回の初等中等教育分科会におきましても,第1次の計画と比べると,施策目標をきちんと設定でき,そして,その施策目標に基づいて,それぞれの課題や方向性を踏まえて,具体的な方策についても個別具体的な施策を整備できたと思います。
 もう一つは,今後,PDCAサイクルの確立に向けて,その施策目標に基づいた参考指標を各施策目標に関わる数値としてきちんと把握した上で,これまでの取組の到達点,成果を示すようにしています。これは第1次の計画に比べるとかなり大きな前進ではないかということで,初等中等教育分科会としては非常に高い評価をされていました。
 今後の作業課題とすれば,この安全計画の策定の前提である学校保健安全法は,かなり以前に制定された法律ですが,防災や災害,学校安全の問題を考えていく際,やはり2011年3月11日以前と以後というのはかなり大きく変わってきていますので,この第2次計画を推進しながら,様々な形で点検し,必要に応じて,この学校保健安全法の中身自体についても,今日の状況に合ったものかどうかということを点検する時期ではないかといった意見も何名かの委員から御意見がありました。
 以上,初等中等教育分科会の審議状況について簡単に御報告させていただきました。

【北山会長】
 小川副会長,どうもありがとうございました。
 ほかに御意見ございませんようなので,審議はこれまでとさせていただきます。本答申案につきまして,皆さん,御了承いただけますでしょうか。
(「異議なし」の声あり)

【北山会長】
 ありがとうございます。
 文部科学省におかれましては,答申の具体化をよろしくお願いしたいと思います。
 それでは,答申を樋口政務官にお渡ししたいと思いますが,お渡しするに当たって,私から一言御挨拶申し上げます。
 児童生徒が学校において生き生きと活動し,安全に学べるようにするためには,安全な環境を整えるとともに,児童生徒自身に,様々な状況下において,自らの命を守る力や安全で安心な社会づくりに貢献する力を育成することが重要です。
 そのためには,学校において安全管理を充実させることや,系統的,体系的な安全教育を推進することなど,学校安全に関する組織的な取組が求められます。
 これらを着実に進めるため,本答申では,これまでの学校安全に関する取組状況を検証し,今後の5年間において目指すべき姿とともに,具体的な施策目標を設定し,取り組むことを提言しております。
 文部科学省におかれましては,答申の趣旨を十分に御尊重いただき,第2次学校安全の推進に関する計画の策定,及び,必要な諸施策に取り組まれることを期待いたします。
 それでは,答申をお渡しいたします。

(答申文手交)

【北山会長】
 それでは,樋口政務官から御挨拶をお願いいたします。

【樋口政務官】
 ただいま,北山会長から,「第2次学校安全の推進に関する計画策定について」,答申を頂戴いたしました。
 御指摘のとおり,学校において児童生徒の安全を確保することは最も優先されることでございます。今,会長からも,命を守るというお話がございました。学校における安全教育は児童生徒の生涯にわたる安全に関する資質・能力の基盤を培うものであり,極めて重要なものであると確認しております。
 また,児童生徒が社会人となって様々な分野で活躍することを通じて,社会全体の安全意識の向上にも寄与することが期待されております。
 答申においてお示しいただきました御提言をしっかりと受け止めまして,お話にありましたように,答申を具体化し,そして,第2次学校安全の推進に関する計画を策定し,関係施策の推進に取り組んでまいります。
 北山会長,また,小原部会長はじめ,委員の皆様には,引き続き,学校教育の充実のためにお力添えを賜りますようお願いを申し上げまして,簡単ではございますが,私の御挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。

【北山会長】
 ありがとうございます。
次の議題ですが,本日が第8期の最後の総会ですので,第8期中央教育審議会の審議の総括を行いたいと思います。
 まずは,総会と計画部会について,有松局長から御説明をお願いしたいと思います。

【有松生涯学習政策局長】
 それでは,お手元の資料3‐1と3‐2について御説明申し上げたいと思います。
 第8期は,平成27年2月15日から本年2月14日までの2年間でございます。この間に御審議いただいた主な答申は資料3‐1にございますとおりです。主な答申といたしましては,1ページ目と2ページ目に概要を記載させていただいております。答申名を申し上げますと,「これからの学校教育を担う教員の資質能力の向上について」,「チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について」,そして,「新しい時代の教育や地方創生の実現に向けた学校と地域の連携・協働の在り方と今後の推進方策について」でございます。この三つの答申を同日,平成27年12月27日に頂いております。
 さらに,四つ目,「個人の能力と可能性を開花させ,全員参加による課題解決社会を実現するための教育の多様化と質保証の在り方について」,次のページに参りまして,五つ目が「幼稚園,小学校,中学校,高等学校及び特別支援学校の学習指導要領の改善及び必要な方策等について」,そして,六つ目が,先ほど頂きましたので,「案」が取れますが,「第2次学校安全の推進に関する計画の策定について」の答申でございます。この六つの答申を頂きました。
 それぞれの内容につきましては,各分科会の審議状況とともに御報告いただきます。また,報告や審議のまとめ等につきまして,2ページ目,3ページ目に記載しております。平成27年9月の「未来を牽引(けんいん)する大学院教育改革~社会と協働した『知のプロフェッショナル』の育成~」をはじめ,第8期中には多くの報告等もお取りまとめいただきました。
 以上,総会の総括でございます。
 また,資料3‐2が,教育振興基本計画部会の審議状況でございます。先ほど御報告いたしました第3期の教育振興基本計画の策定について,1月に基本的な考え方をお取りまとめいただきました。
 簡単ですが,以上でございます。

【北山会長】
 有松局長から,第8期の全体像を御説明いただきました。
 次に,各分科会からも御説明を順番に行っていただき,高等教育局まで終わったところで意見交換という段取りにいたしますので,よろしくお願いいたします。
 それでは,まず,有松局長からお願いします。

【有松生涯学習政策局長】
 それでは,資料4を御覧いただきたいと思います。生涯学習分科会の審議の状況について,御説明申し上げます。
 1ページ目,第8期における審議事項ですが,生涯学習分科会におきましては,分科会本体,及び,分科会の下に置かれました三つの部会におきまして,個別のテーマを審議していただきました。
 一つ目は,学校地域協働部会でございます。平成27年4月に,「新しい時代の教育や地方創生の実現に向けた学校と地域の連携・協働の在り方について」の諮問を受けまして,初等中等教育分科会とも連携して審議を進め,平成27年12月に,先ほど御紹介した答申の1本をお取りまとめいただきました。
 この答申では,これからの学校と地域の目指すべき連携・協働の在り方として,まず,地域とともにある学校への転換,子供も大人も学び合い,育ち合う教育体制の構築,そして,学校を核とした地域づくりの推進,この三つの方向性で推進すること,そして,この方向性に従って,制度面,運用面の改善と併せ,財政的支援を含めた総合的な推進方策によって,コミュニティ・スクールを推進すること,地域と学校が連携・協働して地域全体で未来を担う子供たちの成長を支え,地域を創生する地域学校協働活動を推進することなどを御提言いただいたところでございます。
 文部科学省では,この答申の内容を実現するために,平成28年1月に具体的な施策や工程表を示しました「次世代の学校・地域」創生プランを策定いたしました。そして,地域学校協働活動を積極的に推進しているところでございます。
 さらに,この答申と,ただいま申し上げましたプランを踏まえまして,チーム学校の推進,そして,教員定数の戦略的充実と併せまして,地域学校協働活動の推進に向けた体制の整備や地域学校協働活動推進員の委嘱に関する規程などの整備を行うために,法案を今国会に提出するべく,現在準備を進めているところでございます。
 1ページ目に戻っていただきまして,二つ目が,学習成果活用部会でございます。平成27年4月に,「個人の能力と可能性を開花させ,全員参加による課題解決社会を実現するための教育の多様化と質保証の在り方について」の諮問を受けまして,学習成果活用部会で審議を行いました。
 別途,後ほど報告があると思いますが,実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関の制度化に関する特別部会の審議と併せまして,平成28年5月に答申をお取りまとめいただきました。
 そのうち,この生涯学習分科会分では,第2部の,一人一人の生涯を通じた学習の成果の適切な評価・活用のための環境整備について御提言を頂きました。具体的には,検定試験につきまして,評価の仕組みの確立や情報公開の促進による質の保証,社会的活用の促進,また,学習成果を活用して新たな学習機会や様々な活動に結び付けるためのICTを活用した基盤の構想を御提言いただきました。
 文部科学省では,この答申を踏まえまして,検定試験の質の保証やICTを活用した基盤の構想などにつきまして,現在,有識者会議や調査研究を通じて,具体化に向けて検討を進めているところでございます。
 三つ目が,生涯学習分科会の下に置かれました企画部会でございます。平成28年5月に企画部会を設置いたしまして,生涯学習全般に関しまして,第2期教育振興基本計画期間における施策を振り返りつつ,第3期の策定や生涯学習振興の基本的方向性について整理していただきました。詳細につきましては,この資料の別紙3を御覧いただければと思います。
 2ページにお戻りいただきまして,その他の事項でございます。文部科学省の認定社会通信教育につきましては,社会教育法に基づきまして,学校等が行う通信教育で社会教育上奨励すべきものにつきまして,文部科学大臣が生涯学習分科会にお諮りした上で認定等を行っております。今期は,別紙4にございますが,2課程の認定,5課程の廃止,6課程の条件の変更を行いました。
 続きまして,また資料の2ページでございますが,来期に継続して審議することが考えられる事項といたしましては,第3期教育振興基本計画策定に向けた議論を深める予定でございます。
 その後,その議論の成果とともに,企画部会で整理していただきました基本的方向性を踏まえて,生涯を通じて学びと活動が循環する生涯学習社会の実現に向けた今後の生涯学習振興施策について,引き続き検討する予定でございます。
 以上でございます。

【北山会長】
 ありがとうございます。
 続きまして,藤原局長,お願いいたします。

【藤原初等中等教育局長】
 それでは,第8期における初等中等教育分科会の審議状況につきまして,資料5に沿って御説明申し上げます。
 まず,今期答申を頂いた事項に関連するものを御報告いたします。
 一つ目が,「これからの学校教育を担う教員の資質能力の向上について」でありまして,これは平成26年7月の諮問を受けまして,教員の養成・採用・研修を通じた資質の向上の方策,それから,学び続ける教員を支えるキャリアシステムの構築のための体制整備などについて御審議いただき,平成27年12月に答申をおまとめいただきました。これを踏まえまして,昨年の臨時国会で,教育公務員特例法等の一部改正法が成立いたしまして,この4月からの施行に向けて,現在準備を進めているところでございます。
 二つ目の答申が,「チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について」でありまして,これは平成26年7月の諮問を受けまして,チームとしての学校の在り方,及び,その実現のための具体的な改善方策について御審議いただきまして,平成27年12月に答申をお取りまとめいただきました。
 三つ目が,「新しい時代の教育や地方創生の実現に向けた学校と地域の連携・協働の在り方と今後の推進方策について」でありますが,これは平成27年4月の諮問を受けて,今後のコミュニティ・スクールの在り方などについて御審議いただきまして,同年12月に答申をまとめていただいたものであります。
 このチーム学校と,それから,学校の,地域学校の連携協働,これにつきましては,その必要な法整備につきまして,教職員定数の改善・充実と併せて,来週には法案を閣議決定いたしまして,今通常国会に法案を提出すべく,現在準備を進めているところでございます。
 資料5の2ページ目を御覧ください。四つ目の答申ですが,「幼稚園,小学校,中学校,高等学校及び特別支援学校の学習指導要領の改善及び必要な方策等について」でありまして,平成26年11月の諮問を受けて,何ができるようになるか,何を学ぶか,どのように学ぶかを一体として検討して,学習指導要領等の改善の視点を御審議いただきまして,昨年の12月に答申をおまとめいただいたものでございます。この答申を踏まえまして,現在,次期学習指導要領等の大臣告示を年度内の3月末には策定すべく作業を進めているところでございます。
 この関連で,先ほど福田委員から御指摘ございました新しい学習指導要領の例をきち んと現場で浸透させていくということに関しまして,初等中等教育局といたしましては,一つは,教職員の定数の改善充実という環境の整備,もう一つは,教員の学校の業務改善ということで教員の負担を減らしていくという,この二つのアプローチで,きちんと答申の中身が今後出る新しい学習指導要領の告示として具体化していくことを努力していきたいと考えております。
 それから,五つ目の答申が,先ほど御審議いただきまして答申していただきました「第2次学校安全の推進に関する計画の策定」でございます。これは平成28年4月の諮問を受けまして,現行計画期間中に,学校安全に関する取組状況の点検,及び,社会の状況の変化に基づく改善策定等,次期計画に盛り込むべき事項について御審議いただきまして,本日の総会でお認めいただいたものでございます。今後,この答申を踏まえまして,計画の策定を受けて取り組んでまいりたいと思います。
 それから,これらのほかに,平成27年10月の総会におきまして,「教職員定数に係る緊急提言」について,多様な教育課題や地域のニーズに応じた確固たる教育活動を行うための必要な教職員定数の戦略的充実・確保について御議論いただきまして,それについての提言を頂いたものが参考資料として添付しております。
 また,来期に継続して審議する事項につきましては,第8期で頂いたそれぞれの答申を踏まえた法律改正,あるいは,政省令等の改正状況につきまして,制度の実施状況,制度の実施に向けた準備状況等について,随時御報告させていただく予定でございます。
 また,制度の実施後の状況についても適宜フォローアップを行いまして御報告させていただき,その中で新しく検討が必要な事項等が出てきましたら,また改めて御審議をお願いしたいと思います。
 以上,簡単ではありますが,第8期の初等中等教育分科会の審議状況について御説明申し上げました。

【北山会長】
 藤原局長,ありがとうございました。
 続きまして常盤局長から,大学分科会と実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関の制度化に関する特別部会について,御説明をお願いします。

【常盤高等教育局長】
 それでは,資料6を御覧ください。まず,大学分科会の審議の状況でございます。
 第8期におきまして,大学教育部会では,まず一つ目に,平成26年12月に中央教育審議会でおまとめいただいた高大接続改革の答申(以下,「高大接続改革答申」という。)等を踏まえまして,大学教育の質的充実を図るという観点から,三つの方針の策定に関するガイドラインを策定いただいた次第でございます。
 大学教育の質の改善につきましては,初等中等教育と異なり,学習指導要領がございませんので,各大学でしっかりと大学の入り口から出口に至るポリシーを策定,公表するということで,そのためのガイドラインを策定いただいたということでございます。
 それから,二つ目の丸の認証評価制度の充実でございますが,これも大学教育の質的向上という観点から,認証評価制度につきまして,今申しました三つの方針を中核としたPDCAサイクルがしっかりと回されるように,内部質保証を重視していくということ,また,評価に当たっては,ステークホルダーの視点を取り入れた評価を行うことが眼目になってございます。
 それから,大学のガバナンス改革の一環といたしまして,大学の事務職員の在り方についても御審議いただきました。
 続きまして,次のページを御覧ください。大学院部会での御審議でございますが,ここにございます審議のまとめをおまとめいただいたところでございます。この中で,特に卓越大学院(仮称)という仕組みを新たに設けるということでございます。国際的な卓越性を伸ばしながら,また,分野融合や新産業の創出ということを進めていきたいということでございます。
 それから,専門職大学院につきましても,社会(「出口」)との連携の強化について中心に御審議いただき,提言をおまとめいただいているということでございます。
 右側のページに移りますが,来期に継続して審議する事項といたしまして,今後の高等教育の将来構想ということを議論していただきたいと考えているわけでございますが,その議論の助走といたしまして,一番上にございますように,今後の各高等教育機関の役割・機能の強化に関する作業チームを設置いたしまして,論点の整理を行っていただきました。
 それから,その他のところでございますが,一つは,高大接続改革答申を踏まえて,その後設置された高大接続システム改革会議で議論の後,最終報告を取りまとめておりますが,大学分科会におきましても,大学教育との改革の観点から,議論のフォローアップを行っていただいたところでございます。
 それから,二つ目のぽつのところでございますが,平成27年10月末に中央教育審議会総会のこの場におきまして,「高等教育予算の充実・確保に係る緊急提言」を頂きました。これは財政制度等審議会から提言がございまして,その議論を受け,高等教育予算の充実・確保ということについて御議論いただき,緊急提言を出していただいたものでございます。その結果として,例えば国立大学法人運営費交付金は,28年度予算では対前年度同額,29年度予算では25億円の増ということで,本当にこの緊急提言にお力を頂いて,予算の面でも伸ばしていくことができたという状況にあるわけでございます。
 以上が,大学分科会の状況でございます。
 次に,資料7を御覧ください。実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関の制度化に関する特別部会でございます。この点につきましては,今期の平成28年5月30日に答申を頂いたところでございます。大学教育の中で,特に職業分野での教育を充実するという観点から,ここにございますように,事業現場の中核を担い,現場レベルで改善・革新を牽引(けんいん)できる人材の養成強化という観点から,技能の教育に強みを持った新たな高等教育機関の制度化をするということで提言を頂いたわけでございます。
 この点につきましては,現在,法改正に向けて関係団体と調整させていただいておりまして,その調整ができましたら,法律案の提出をしたいと今努力をしているところでございます。
 私の方からは以上でございます。

【北山会長】
 ありがとうございました。
 各分科会の状況も含めて,過去2年間の審議内容と,今後の課題について御説明いただきました。
 ここで少し時間を取りますので,委員の皆様から,第8期の審議内容に関する御意見や,第9期に向けての申し送り事項等がありましたら,お願いします。
 それでは,小川委員,お願いいたします。

【小川副会長】
 今期の初等中等教育分科会では,チーム学校等々の議論もあり,教師の働き方等々の点についても非常に大きな前進があったかと思います。そのような教師の働き方に関わって,少し今気になっていることもあるので,これは第9期で,できれば俎上(そじょう)に載せていただきたいということで申し上げます。
 御存じのとおり,今,官邸に「働き方改革実現会議」が設置され,様々な労働環境の見直し等々が議論されています。その中の一つで,長時間労働を規制しようということで,罰則規程を伴う長時間労働への上限設定をすることについて議論されています。今後,「働き方改革実現会議」で議論をし,そこでまとまったものを厚生労働省の審議会に出して,できれば今の通常国会に労働基準法一部改正の法案を提出するというような議論がされています。
 そのような動向を考えますと,教師の長時間労働の問題とこの労働基準法一部改正の議論をどのようにかみ合わせながら今後議論していくのかということを今,半分は懸念,半分は少し期待を持って見守っています。御存じのとおり,教師の場合,「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法」により時間外労働に関しては労働基準法の適用除外になっておりまして,労働基準法の36条にある,労使が合意できれば超過勤務を命じることができるというような規程が,教師の場合には適用除外になっています。
 形骸化しているとはいっても,三六協定で,ある程度,長時間労働について歯止めを掛ける,そのような役割を36条は担っているのですが,教師の場合にはそれも適用除外ですので,ほとんど長時間労働をチェックする法制度的な仕組みというのは実はないわけですよね。
 そして,校長が超過勤務を命じることができる業務については,別に政令でもって4項目が決められていますが,その4項目以外の時間外労働については,これは時間外労働として認知されるのではなく,教師の自発的な行為だということで今まで処理されてきています。
 今,労働基準法の一部改正でもってそのような長時間の時間外労働の規制の動きがあるときに,労働基準法の適用除外という形で教師の長時間労働を抑制するような仕組みというのは今ほとんどないので,教師の長時間労働を抑制するような仕組みを労働基準法一部改正の動きに合わせて,何らかの手立てを取って新たに作っていくのか,あるいは,適用除外だからということでこれまでのように全く放置するのか,この辺りはかなり重要なポイントではないかと私自身は思っています。
 本日は時間がないので,私自身の持論は申し上げませんが,今の「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法」を維持するのであれば,やはり労働基準法の一部改正の動きに見合った何らかの運用上の様々な措置を少し真剣に考える時期ではないかということを私個人としては,この間の官邸の働き方改革実現会議の議論を見ながら感じています。
 第8期では議論できませんでしたが,チーム学校を含めて,働き方の問題は第9期で大きな問題になると思いますので,是非そのようなことを少し真正面に据えて議論していただける環境は作っていただきたいということを,第9期中央教育審議会への申し送り事項ということでお願い申し上げます。

【篠原委員】
 そのことについて,小川副会長にお伺いしたいのですが,働き方改革実現会議で議論の対象になってないのですか。

【小川副会長】
 教師の場合にはまだ議論になっていません。

【篠原委員】
 全然今,触れられてないのですか。

【小川副会長】
 触れられてないですね。

【篠原委員】
 会議そのものを私はよく分からないのですが,確かにそこは,落とし穴ですね。

【北山会長】
 文部科学省から何かコメントはありますでしょうか。

【森田初等中等教育局初等中等教育企画課長】
 初等中等教育企画課長の森田でございます。先ほど,小川副会長から御指摘がありましたように,公立学校の教職員については,全体としては労働基準法の対象なのですが,時間外勤務に関しては労働基準法36条に基づかずに認められているものの,別途の法律で超過勤務を命じることができる場合が四つの項目に限定されております。そして,学校の内外での勤務の区別をなかなか付けにくい職種であるということに鑑みて,本俸の4パーセントを教職調整額として支給するという仕組みになっております。
 ただ,現場の先生方の多忙化というのは大きな課題で,この改善というのは大きな課題だと考えておりまして,今年の1月6日に松野大臣から発表して,教員の業務改善のためのプロジェクトを進めるということ,それから,休養日の設定など部活動の適正化を図るということ,それから,業務改善アドバイザーを派遣するなど,現場の支援をしていくということなどを大臣から発表して,これからこれらの取組をしっかり取り組んで,学校の業務改善,業務適正化を進めていきたいと考えております。
 その一方で,小川副会長から御指摘がありました公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法の超勤4項目や労働基準法36条に関する問題をどうするかということについては,今の御指摘も踏まえて,今年,教職員の勤務実態調査を行っており,来年度にその結果も出てまいります。したがって,その結果も踏まえ,今後の課題としてどのような形で取り組んでいくか,また御相談させていただきたいと思っております。

【北山会長】
 ありがとうございます。
 それでは,林委員,お願いいたします。

【林委員】
 ありがとうございます。2年にわたり,委員を務めさせていただきましたが,基礎自治体の代表として学校現場の実情をお伝えし,実態に即した提案を幾つかさせていただきました。現場の声に真摯に耳を傾け,様々な施策に反映していただいたことに心から御礼(おんれい)を申し上げたいと思います。
 特に教職員定数の改善・充実の必要性については,横浜市としても,指定都市市長会としても繰り返しお願いしてきたところです。一昨年の10月には,教職員定数に係る緊急提言を,この中央教育審議会から出していただきました。ありがとうございます。
 文部科学省の皆様にも御尽力いただきまして,28年度予算では,定数の改善,29年度予算案では,発達障害等の児童生徒や日本語指導が必要な児童生徒に関する定数の仕組みの改善が図られました。教職員の安定的・計画的な採用や配置が可能になりまして,現場にとっては大変大きな力となっています。
 しかし,学校現場の実態を見ますと,まだまだ十分ではありません。ただいまの小川副会長のお話にも関わってくるところです。今後も,子供たちが本当に元気に勉学に励めるように,教職員の働く環境をしっかり整えていくことを是非お願いしたいと思います。また,私どもも学校現場の方々が最大限に力を発揮できるように,しっかり施策を推進してまいりたいと思います。
 本当にどうもありがとうございます。

【北山会長】
 ありがとうございます。
 それでは,坂東委員,お願いできますか。

【坂東委員】
 簡単にお話しさせていただきます。
 働き方改革に絡んでですが,長時間労働の是正というのは,あらゆる学校現場に共通することです。また,学校現場だけではなく,公務員,特に文部科学省の方々の長時間労働も,我々に送られてくる資料が23時半ですとか0時ぎりぎりというようなことがあると,長時間労働をされているということを実感しております。
 恐らく学校現場の方たちもそうだと思うのですが,全て行えばいいに決まっている大事な仕事ばかりなのですが,その中で,コストパフォーマンスがより低い仕事を減らす努力をしていただかなければ,疲弊してしまうと大変心配しております。
 働き方改革に関連してもう一つ申し上げますと,単なる長時間労働の是正だけではなく,その結果生み出された時間をやはり能力開発に充てること,やはりそれもできるだけ弾力的な自発性を重んじた能力開発が必要であると思います。特に大学院等々で学ぶサバティカル・リーブといったようなことについて,是非,文部科学省の方からも御提言されてはいかがかと期待しております。
 本当に長い間,どうもありがとうございました。

【北山会長】
 ありがとうございました。
 それでは,篠原委員,お願いします。

【篠原委員】
 先ほどの公立学校の教職員の長時間労働の件で,森田課長にお伺いしたいのですが,今の働き方改革実現会議では,教職員は,議論の対象外に最初からなっているのですか。

【森田初等中等教育局初等中等教育企画課長】
 基本的に議論の対象は民間労働者の働き方改革であると聞いております。
 他方,教職員の業務改善も含めた学校,家庭,地域の役割の在り方については,現在,官邸の教育再生実行会議の方で取り上げられておりまして,そちらの方で議論が行われているということです。

【篠原委員】
 そうすると,働き方改革実現会議で大枠を決めて,労働政策審議会でいずれ細かい設計を行い,制度設計は流れていくと思うのですが,その労働政策審議会でも,これまで教職員の働き方の問題については対象になってないのですか。そして,これからも対象にならず,全部,再生実行会議の方で議論を行うしかないのでしょうか。

【森田初等中等教育局初等中等教育企画課長】
 教職員については,教育再生実行会議,及び,この中央教育審議会が検討の場と考えております。

【篠原委員】
 分かりました。一つしっかりこちらで押さえていかないと,やはり取り残される可能性がありますね。

【北山会長】
 それでは,河田副会長,お願いできますか。

【河田副会長】
 私は,主として大学分科会と大学院部会に出席させていただいていたのですが,本日は資料6で常盤局長からお話を頂きました。
 この資料には書かれていないことなのですが,私学部の方では昨年4月から,「私立大学等の振興に関する検討会議」が開かれていて,一応この3月末にその「審議まとめ」が出るということになっており,私も仕事柄,いい答申が出ればと思っております。
 ただし,問題なのは,今,大学は国立が86校ございます。そして,文部科学省から運営交付金として1兆945億円が振り当てられています。私学の場合は,私学助成金(経常費補助金)として3,153億円が交付されています。この補助割合が昨年度,9.9パーセントになってしまいました。昭和50年,「私立学校振興助成法」が制定されたとき,「速やかに50パーセントにする」という附帯事項が付いているのですが,一番多い昭和55年の29.5パーセントからずっと減少し続けているのであります。
 それに対して,公立大学が91校ございますが,調べたところ,総務省から1,754億の交付金が出ています。公立大学は割と小規模な大学が多いわけですが,これだけの資金が出ています。
 文部科学省だけで検討できることではないですが,総務省からのお金も出ている。国費が二つの省から国公私にそれぞれこのような形で分配されているのですから,私学であれば600校の4年制大学,それから,国立の86,公立の91大学はそれぞれどのような役割分担をしていけば良いのか,やはりその問題を,国としてのグランドデザインをきちんと構築していくことが必要なのではないかと考えます。来期,恐らく大学分科会でその議論が始まると思いますが,そこからやはり実りのある成果が出てほしいと思っております。
 それからまた,本日の読売新聞によると,大学の無償化ということで,自民党では教育国債を出すということを考えられているようですが,大学自身としても,国立大学の寄附金についてはこの4月から資産運用を行ってもいいということになります。アメリカにはちゃんとコモンファンドという非課税の団体があって,それが中小の私立大学,1,000校を超える大学の資産運用をしています。そのような仕組みもこれから考えていかなければならず,また大学自身が,そのような資産運用を積極的に実施していくような状況にするためには,少し時間は掛かるでしょうが,税制が改正されねばならないでしょう。
 それぞれの国立,私立大学が自己努力をすることによって,この財政難を打開し,より良き教育,研究,社会貢献をしていかねばならないと思っております。
 以上であります。

【北山会長】
 それでは,最後に,亀山委員,お願いできますか。

【亀山委員】
 先ほどの中根委員の方から,次への申し送り事項ということで,いわゆる大学の世界ランキングのアップというようなことが出されていましたが,全体として,世界に1万8,000の大学があって,なおかつ,いわゆるランクインとされているものが5パーセント,つまり,980大学あるわけですね。そのうち,アメリカが148大学,イギリスが91大学ということなのですが,日本は69の大学が入っているわけです。昨年度から実は41大学から69大学に増えています。
 しかし,東京大学が39位,あるいは,京都大学が91位というように大きくランクダウンしているのですが,実はこれは全体から見ると,そう深刻がる問題でもない。より徹底した国際化を推進することで以前のステータスには戻ることができると思います。ただ急ぐ必要はあります。むしろ,いわゆるランクインつまり980番以内に69の大学が入っており,これはかなり喜ばしい事態で,伸び代は非常に大きいということです。つまり,東京大学,京都大学というところではなくて,もっと地方の大学,あるいは,小中規模の大学が頑張っているということの証拠だと思うのですね。
 それをもたらした一つの要因として,例えば21世紀COEプログラム,あるいは,グローバルCOEプログラムなどの成果があり,研究費の配分が全国に広く行き渡ったということがあると思うので,世界大学ランキングに関する悲観的なイメージを払拭してもいいかと思います。
 もう一つは,アメリカ,イギリスというのは飽くまでも英語圏ですよね。母語として英語を最初から身に付けているということがあるので,日本人が世界に伍(ご)していくために重要なことは,やはりいかに効率よく英語教育というものを行っていくか。英語教育に対する効率化というものが徹底的に今後要求されてくるだろうということを申し上げたいと思います。
 もう一つは,文部科学省等のホームページで見られるグローバル人材の定義の見直しを行ってほしいと思います。やはり今後,トランプ政権下で根本から世界が変わると思います。先ほどの玉川大学の学長の小原委員からもありましたが,グローバル人材の定義は経済産業省からも出ております。これをもう一度,少し見直してみてほしいと思うのです。
 特にそこに欠落しているのが,いわゆるリスクに強い人材です。もう少しリアルなものに書き換えていただければと私は思っております。

【北山会長】
 いろいろな御意見をありがとうございました。時間の関係もありますので,この議題についてはここまでとさせていただきたいと思います。
 続きまして,議題(8)といたしまして,新年度29年度の文部科学関係予算案と,税制改正について御説明いただきます。
 まず,予算について,御説明をお願いします。

【助川大臣官房会計課副長】
 それでは,資料8‐1に基づきまして,平成29年度文部科学関係予算(案)のポイントについて,御説明申し上げたいと思います。
 1ページ目の上段を御覧ください。平成29年度文部科学関係予算案は,トータルといたしまして,対前年度86億円減の5兆3,097億円,下段に文教関係予算だけ取り出したものがございますが,対前年度96億円の減の4兆428億円でございます。しかしながら,義務教育費国庫負担金に関しまして,教職員定数の自然減,あるいは,若返りに伴う減,さらに,国家公務員共済や私学共済につきまして,基礎年金の拠出割合の低下がございまして,それに伴う当然減がありました。このような当然減を考慮いたしますと,前年度同水準の予算を確保しているものと考えております。
 以下,各論でございます。2ページを御覧ください。義務教育費国庫負担金でございます。真ん中の辺りに「教職員定数の改善」がございますが,「加配定数の基礎定数化」というところがございます。発達障害等の児童生徒への通級の指導,外国人児童生徒等への指導などにつきまして基礎定数化をすることによりまして,473人の定数改善を行います。
 さらに,その下の丸,「加配定数の改善」でございますが,小学校における専科指導など,395人の増員をいたしまして,先ほど申しました基礎定数化による改善と併せて,合計868人の定数改善を図っているところでございます。
 今国会に基礎定数化に係る義務標準法の改正法案について提出させていただくための準備を現在進めているところでございます。
 同じページの下の方,「教員給与の改善」でございますが,先ほど少しお話がありましたが,土日の部活動指導業務に係る手当につきまして,先ほどありました休養日の設定など,部活動運営の適正化に向けた取組を進めつつ,3,000円から3,600円に引き上げるなどの改善をしております。
 3ページを御覧ください。3ページの真ん中の辺りに,「学校現場における業務の適正化の推進」というのがございますが,学校における勤務時間管理の徹底などに取り組む実証研究事業を実施するために,2億円,前年度と比べて1億円増を確保しているところでございます。
 その下のところ,「地域と学校の連携・協働に向けた改革」といたしまして,放課後子供教室について2,250か所の増,地域未来塾について600か所の増をするなど,64億円,前年度と比べて1億円増を確保しているところでございます。
 さらに,特別支援教育の充実につきまして,インクルーシブ教育システムの推進に向けて,就学前から卒業後にわたる切れ目ない支援体制の構築の事業を新たに実施するほか,医療的ケアのための看護師について200人の増員を図るなど,25億円を確保しております。前年度と比べて,5億円増としております。
 4ページを御覧ください。「いじめ・不登校対応等の推進」でございますが,スクールカウンセラーによる相談体制を,公立小学校1万6,000校,公立中学校については全1万校で整備いたしまして,また,スクールソーシャルワーカーの2,000人増員など,前年度と比べて4億円増の61億円を確保しているところでございます。
 また,5ページを御覧ください。教育の情報化につきまして,実践的な研究や校務の情報化の推進のための新しい事業の予算として,3億円を確保しているところでございます。
 その下の段の「高大接続改革の推進」につきましては,平成32年度から実施予定の「大学入学希望者学力評価テスト」,こちらは仮称でございますが,このプレテストの実施など,今年度に対して5億円増の57億円を確保しているところでございます。
 次の6ページが,「国立大学法人運営費交付金等」でございます。新たな補助金として,意欲的な教育研究組織整備等を支援するものがございますが,これと併せまして,基盤的経費として,前年度に対して25億円増の1兆970億円を計上して,各大学の機能強化の方向性に応じた重点支援などの推進をしてまいります。また,昨年の5月に成立した改正国立大学法人法に基づく「指定国立大学法人」のスタートアップ支援のために,新しく10億円を確保しているところでございます。
 7ページを御覧ください。私学助成でございます。こちらは私立大学等経常費補助につきましては,3,153億円,前年同を確保して,教育の質的転換,地域発展,産業界・他大学等との連携など,特色化に向けた改革に取り組まれる大学等への重点支援を図ってまいります。
 また,私立高等学校等経常費助成費等補助につきましては,13億円増の1,036億円を確保しているところでございます。
 下の段でございますが,「初等中等教育段階におけるグローバルな視点に立って活躍する人材の育成」として,新学習指導要領の先行実施に向けた小学校の外国語活動・外国語の教材の開発・整備など,英語教育強化事業などといたしまして,14億円,前年度に対して2億円増を確保するとともに,また,在外教育施設への教員派遣について,特別支援教育対応の充実などのために,派遣定数の18人増員を図っているところでございます。
 8ページを御覧ください。「大学等の留学生交流の充実」につきましては,この真ん中のところに,太字で四つありますが,そのうちの一つ,「学部学位取得型」を新設するほか,優秀な外国人留学生の戦略的な受入れに向けまして,「留学生就職促進プログラム」を新たに実施するなど,345億円を確保しているところでございます。
 さらに,下の段,「G7倉敷宣言」等を踏まえまして,「新時代の教育のための国際協働」として,新しく4億円を確保しているところでございます。
 続きまして,9ページの「学びのセーフティネットの構築」でございますが,大学等奨学金につきましては,給付型奨学金制度の創設をするところでございます。平成29年度は,特に経済的に厳しい状況にある学生への一部先行実施といたしまして,私立自宅外通学生,及び,社会的養護を必要とされる学生約2,800人に対して給付を行います。
 また,その下のひし形の無利子奨学金でございますが,貸与基準を満たす希望者全員への貸与を実現して,残存適格者を解消するとともに,また,低所得世帯につきましては,成績基準を実質的に撤廃するなど,貸与人員を4万4,000人増員いたします。
 また,給付型奨学金制度の創設に向けて,日本学生支援機構法の改正法案につきましては,先日,今国会に提出したところでございます。
 その下のところですが,国立大学・私立大学の授業料減免につきましても,免除枠の着実な拡充によりまして,434億円を確保しているところでございます。
 高校生等については,高校生等奨学給付金として,非課税世帯の第1子への給付額を増額することとし,136億円を確保しております。
 一番下の私立小中学校等に通う児童生徒への経済的支援でございますが,授業料負担の軽減を行いつつ,実態把握のための調査を実施するために,新規事業として12億円を確保しております。
 10ページを御覧ください。幼児教育の無償化につきましては,市町村民税非課税世帯の第2子の保育料を無償とするなど,低所得の多子世帯等について,保護者負担の軽減措置を行うこととして,334億円,前年度と比べて12億円増を確保しております。
 その次の黒いひし形,「学校施設等の老朽化対策等の推進」でございますが,28年度第2次補正予算において所要額を計上しているところでございますが,29年度予算案につきましても,公立学校等について690億円,国立大学等について410億円,私立学校について102億円を確保しております。
 以下,11ページ以降,スポーツ関係,文化芸術関係,科学技術関係予算について,さらに,16ページ以降で,復興庁所管の東日本大震災復興特別会計についての文部科学省関係分を記載しておりますが,時間の都合もございますので,詳細の説明は割愛させていただければと存じます。
 以上でございます。

【北山会長】
 それでは続きまして,税制改正について御説明をお願いします。

【信濃大臣官房政策課長】
 ありがとうございます。資料8‐2になります。
 この1ページを御覧いただきますとおり,29年度は全部で9本の税制改正が行われることになります。
 (1)から(5),これが政策的な要望に基づく改正事項,それから,(6)以降は制度改正等に伴って所要措置を講じるための改正となっております。
 資料の3ページ以降に概要はございますので,特に教育に関係の深いところをつまんで,概要を御説明したいと思います。
 3ページ,(1)ですが,これは私学の経営基盤の強化を図るための税制でございます。私立大学が受託研究を行う場合に,その収入には課税をされることが原則なのですが,これを国立大学並みに非課税にするというための要件が幾つかございます。これを大幅に緩和するということで,その表の赤い矢印の左から右側に,一部の要件を廃止,一部をもっと緩やかにするという改正を行うことになっております。
 (2),これは私学への寄附を促進するための税制でございます。土地等を私学へ現物寄附する場合には,その寄附者が非課税措置を受けるための手続が必要になるのですが,大学を有する法人,いわゆる文部科学大臣所轄の法人については,簡素化の特例というのがございます。この特例を,幼小中高のみを有する法人,いわゆる都道府県知事所轄法人への現物寄附にも拡大するというものでございます。
 次,4ページを御覧ください。(3),これは産学連携の強化,それから,大学や研究開発法人の経営基盤の強化を行うための税制でございます。いわゆる研究開発税制と言われているものですが,特にこの中の丸4,企業から大学研究開発法人への委託研究,共同研究の経費について,企業が控除を受けられる費目を拡大するということ,それから,大学が求められる確認のための事務負担を大幅に軽減するというものでございます。
 5ページを御覧ください。(5),これは教育資金に関するものでございます。祖父母から孫へ信託を通じて教育資金の一括贈与をする場合に,それを非課税とするという制度が既にございますが,この制度の使い勝手をよくするために,領収書について,紙だけではなく,電子領収書による手続も可能にするというものでございます。
 (6)以降は事務的な話なので,説明を省略しますが,6ページの(9),これは9月の総会のときには御説明していなかったのですが,その後,29年度から給付型奨学金を始めるということになりましたので,それに合わせまして,その給付型奨学金について差し押さえをさせないというような税制の改正を行うということでございます。
 以上です。

【北山会長】
 ありがとうございました。
 それでは最後に,樋口政務官から御挨拶を頂戴したいと思います。樋口政務官,よろしくお願いします。

【樋口政務官】
 失礼いたします。まず,冒頭,戸谷事務次官からもお話があったかと存じますが,今回の再就職問題につきましては,中央教育審議会委員の皆様方,そして,関係各位の皆様方,国民の皆様にも大変な御迷惑をお掛けしております。心からおわびを申し上げたいと思います。
 17時半に松野大臣が訓示を行いました。職員に向けて,一つは,調査チームが立ち上がったので,しっかり調査に協力をするようにという点,もう一点は,萎縮をしている暇はない,国民の皆様からの信頼回復と文部科学行政の着実な推進に向けて頑張るようにという訓示を行ったところでございます。全力で頑張ってまいりますので,どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 さて,委員の皆様方におかれましては,平成27年の2月,第8期中央教育審議会発足以来,2年間にわたりまして,精力的な御審議を賜りました。心からお礼を申し上げます。ありがとうございました。
 第8期の中央教育審議会総会は本日をもって終了ということでございますが,委員の皆様におかれましては,中央教育審議会という我が国の教育の方向性を決められる中核に携わられた御経験を生かし,今後とも,我が国の教育のため,更なる御尽力,そして,我が文部科学省に対しましても厳しき御指導を賜りますように,よろしくお願いを申し上げます。
 教育は人々の多様な個性や能力を開花させ,人生を豊かにするとともに,社会全体の一層の発展を実現する基盤となるものです。社会が直面する諸課題を乗り越え,我が国を新たな時代へと導くためには,累次にわたる答申をはじめとした皆様からの御提言を踏まえ,政策を着実に推進していくことが重要であると考えております。
 最後になりますが,北山会長はじめ,委員の皆様の御厚情,そして,御協力に対しまして,改めて心から感謝を申し上げ,お礼の言葉とさせていただきます。誠にありがとうございました。

【北山会長】
 樋口政務官,ありがとうございました。
 それでは,第8期中央教育審議会の最後の総会ですので,私からも一言御挨拶申し上げます。
 この2年にわたって,大変貴重な御議論,御意見を頂戴しまして,誠にありがとうございました。
 本日の議題の中に,第8期の総括といたしまして,中央教育審議会においてこの2年間で審議を行ってきた事柄や,今後の課題について御説明がございましたが,今期は,学習指導要領の改訂をはじめとして,日本の教育のターニングポイントとなるような極めて重要な事項について,数多くの答申や報告を取りまとめることができました。ひとえに委員の皆様の御尽力の賜物と深く感謝いたします。改めて心より御礼申し上げます。
 私は2年前の第8期初回の総会におきまして,安西前会長の後任として,中央教育審議会会長に就任いたしました。就任に当たっての御挨拶では,教育の改革に対する社会的なモメンタムや国家的要請が高まっているので,それらをフォローウインドとしてしっかり受け止め,委員全員で力を合わせて,日本の更なる発展のために不可欠な教育の改革を進めていきたいと申し上げました。
 第8期の中央教育審議会におきましては,教育の改革を求める社会の要請もしっかりと踏まえながら,皆様の英知を結集することで,多くの貴重な提言を取りまとめることができたものと考えております。
 今後,文部科学省におかれましては,各答申の具体化や国民の皆様に対する周知にしっかりと取り組んでいただきますようお願い申し上げます。
 先ほど,樋口政務官からも心強い御発言がございましたので,私といたしましては,今後,それぞれの答申の理念を踏まえたより良い教育が実現されることを強く期待する次第でございます。
 近年,この2年間だけを振り返ってみましても,国内外の情勢の変化のスピードは一層速まっているように思います。こうした変化が激しく,先を見通すことが難しい時代にあっても,次世代を担う子供たち,並びに,現役世代の一人一人が存分に活躍できる力を身に付ける,そういった教育のあるべき姿について議論を尽くし,方向性を示していくことが,中央教育審議会には求められていると思います。
 今期におきましても,喫緊の課題に迅速に対応するための方策の検討に加え,より長期的な視点から,日本の教育が目指すべき姿について,時間を割いて審議を行ってまいりました。それぞれの分野の第一線で御活躍しておられる委員の皆様の御協力を得て,10年,20年先を見据えた検討が深められたことを大変意義深く感じますとともに,来期の中央教育審議会が引き続きそのような議論の場になることを期待しております。
 改めまして,この第8期中央教育審議会に御参画いただきました委員の皆様に,心より御礼を申し上げますとともに,今後の御活躍をお祈り申し上げます。
 また,政務三役の皆様,文部科学省の皆様にも大変お世話になりました。いろいろと御指導,御協力いただきましてありがとうございます。心から御礼(おんれい)申し上げます。
 そして,この場にはいらっしゃいませんが,分科会や部会で御議論に御参画いただいた委員の皆様にも,また,パブリックコメント等を通じて意見をお寄せいただいた国民の皆様や,マスコミの方々にも御礼申し上げます。皆様,本当にありがとうございました。
 これで最後の挨拶とさせていただきます。
 以上で本日は閉会でございます。ありがとうございました。(拍手)

―了―

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-- 登録:平成30年04月 --