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中央教育審議会(第101回) 議事録

1.日時

平成27年9月28日(月曜日)10時00分~12時00分

2.場所

文部科学省「第二講堂」(旧文部省庁舎6階)

3.議題

  1. 中央教育審議会運営規則の一部改正について
  2. 初等中等教育における教育課程の基準等の在り方について
  3. 未来を牽引する大学院教育改革について
  4. 高大接続システム改革会議「中間まとめ」について
  5. 平成28年度文部科学省概算要求及び税制改正要望事項について
  6. その他

4.出席者

委員

 北山会長,小川副会長,明石委員,尾上委員,小原委員,帯野委員,亀山委員,菊川委員,五神委員,櫻井委員,志賀委員,篠原委員,成田委員,羽入委員,坂東委員,福田委員,無藤委員,米田委員

文部科学省

 下村文部科学大臣,土屋事務次官,戸谷文部科学審議官,藤原官房長,関政策評価審議官,中岡文教施設企画部長,河村生涯学習政策局長,小松初等中等教育局長,常盤高等教育局長,高橋スポーツ・青少年局長,大槻国立教育政策研究所長,増子大臣官房会計課長,柳大臣官房政策課長,德田大臣官房審議官,岩本生涯学習総括官,里見生涯学習政策局政策課長,他

5.議事録

【北山会長】
ただいまから中央教育審議会第101回の総会を開催します。
御多忙のところ御出席いただきましてありがとうございます。本日は,下村大臣にも御出席いただける予定になっております。
それでは,本日の議題について御説明いたします。議題の1番目は,中央教育審議会運営規則の一部改正について。そして2番目に,初等中等教育における教育課程,学習指導要領の基準等の在り方について御説明と意見交換を行いたいと思います。3番目が「未来を牽(けん)引する大学院教育改革」について,4番目が高大接続システム改革会議「中間まとめ」について,そして5番目が,平成28年度の文科省の概算要求及び税制改正要望事項について,それぞれ御報告を頂くことになっております。
また,本日は,報道関係者から会議全体についてカメラ撮影を行いたいと申出がありまして,許可しておりますので,御承知おきいただきたいと思います。
それでは早速,議事に入りたいと思います。まず配付資料について,里見生涯学習政策局政策課長,よろしくお願いします。

【里見生涯学習政策局政策課長】
本日でございますが,18名の委員が御出席の予定でございます。また,資料につきましては,お手元の会議次第に記載してございますとおり,資料1-1から資料5-4となっております。過不足がございましたら,事務局にお申し付けください。以上でございます。

【北山会長】
ありがとうございました。
それでは早速,議題1に入りたいと思います。中央教育審議会運営規則の一部改正についてということでございます。内容につきまして,事務局から御説明をお願いいたします。

【里見生涯学習政策局政策課長】
失礼いたします。中央教育審議会の運営規則の改正につきまして,お諮りする案件でございます。
まず,資料の1-1を御覧ください。資料の1-1にございますとおり,10月1日からスポーツ庁が設置される予定となっております。このため,文部科学省設置法の改正,それから文部科学省組織令,そして中央教育審議会令,いずれも政令でございますが,この改正がございまして,施行日が10月1日からとなっているところでございます。
これに伴いまして,スポーツ庁に,新たにスポーツ審議会が設置されることとなっております。このスポーツ審議会につきましては,下の図にございますように,左側でございます,現在,中央教育審議会の一番下にありますスポーツ・青少年分科会,こちらで扱っておりましたもののうち,スポーツに関わる部分が,スポーツ審議会の方に移行することとなっております。
また,このスポーツ・青少年分科会で扱っておりました,青少年の健全な育成に関する重要事項,これに関わりましては,中央教育審議会で引き続き審議をし,生涯学習分科会の所掌事務となりますとともに,学校保健,学校安全及び学校給食に関する重要事項につきましては,引き続き中央教育審議会での審議事項といたしまして,初等中等教育分科会で審議していただくということになったものでございます。
ここまでは既に法律及び政令で規定をされておりますので,本日お諮りをいたしますのは,これに伴って必要になります中央教育審議会の運営規則,その下部規則になりますものの整備でございます。まず資料1-2,資料1-3でございますが,資料1-2が,本日お諮りしている資料でございます。この内容につきましては,資料の1-3で御覧いただければと存じます。
資料の1-3でございますが,先ほど申し上げましたようなスポーツ審議会の設置に伴いまして,審議事項の変更がございますので,これにつきまして規定の整備を行うものでございます。具体的には,スポーツ・青少年分科会の所掌に属するものを除くなどとされておりました部分につきまして,必要がございませんので削除をするものでございます。また,この規則につきましては,平成27年10月1日からの施行ということで,同じく法律,政令との施行日と合わせさせていただきたいと考えているものでございます。資料の1-4は,これに併せまして,中央教育審議会令を御参考にお付けさせていただいているものでございます。
以上,技術的な修正でございますが,お諮りさせていただきます。よろしくお願いいたします。

【北山会長】
ありがとうございました。ただいま御説明がありましたように,本件は,スポーツ庁及びスポーツ審議会の設置等に伴って,スポーツ・青少年分科会の廃止などを内容とする中央教育審議会令の改正に合わせた運営規則の一部改正です。この中央教育審議会運営規則について,今,御説明があった案のとおり議決したいと思いますが,よろしいでしょうか。

(「はい」の声あり)

【北山会長】
ありがとうございます。
続きまして,議題の二つ目,初等中等教育における教育課程の基準等の在り方についてです。本件は,これまでの中教審総会において,初等中等教育における教育課程の基準等の在り方に関する審議の状況についてという形で御報告いただいていたものです。このたび,これを担当しております教育課程企画特別部会の論点整理が取りまとめられたということでございますので,まずその内容につきまして御説明をお願いしたいと思います。
小松初等中等教育局長,よろしくお願いします。

【小松初等中等教育局長】
では,失礼いたします。お手元の資料は,関連資料が2-1から2-3までございます。それで,資料2-2は論点整理の補足資料等でございますので,お時間の関係上,15分ぐらいで御説明するという予定でございますので,資料2-1を中心に御説明させていただきます。
資料2-1でございますが,大変恐縮でございますが,53ページというのが,これは最後のページになっております。この53ページを1枚めくっていただきますと,ごく三,四枚でしょうか,ページ数のない,附属のところがございます。経緯について,ごく簡単に触れさせていただきます。
まず53ページをめくっていただきますと,初等中等教育分科会の教育課程部会に設けられました教育課程企画特別部会の名簿が載っております。羽入先生に座長を,天笠先生に座長代理を務めていただきました。なお,三宅なほみ先生が途中で御逝去をされまして,謹んで哀悼の意を改めて表したいと思います。
それから審議の経過でございますが,次のページ,1枚めくっていただきますと,ここにございますが,昨年の11月に諮問がございまして,以来,教育課程部会,あるいは初等中等教育分科会と往復をしながら,このページから次のページにありますように,かなり頻繁な往復をいたしまして,教育課程企画特別部会としては14回の審議をしていただきまして,8月26日に教育課程部会で座長預りとなり,まとまったものでございます。
この論点整理を基に,内容の前に今後のことでございますが,資料2-3という1枚紙がございますので,御覧いただきたいと思います。次期学習指導要領に向けた検討体制となっておりますが,今申し上げました論点の整理が8月26日に行われましたが,そこで今後に向けましては,横に書いてございます学校段階別のワーキング・グループと,それから,下に縦書きになっております教科ないしは分野についての専門的な検討を行うワーキング・グループと,これを設けて今後の検討を進めていくという体制が了承されたところでございます。そこで今後の検討に向けまして,今回の論点の整理という段階でございますが,この内容について,ごく要点のみ説明させていただきたいと存じます。
まず,資料2-1に戻っていただきまして,目次のところでございますが,ものの見方を「2030年の社会と子供たちの未来」と置き,新しい学習指導要領が目指す姿ということの論点を整理し,そして学習評価の在り方について触れ,さらに,その理念の実現のために必要な方策として,支援方策も含めて触れた後,各学校段階,各教科における御議論等が整理されたものでございます。
めくっていただきまして,1ページ目でございますが,最初の1番でございますが,この論点整理,最初の前文のところですが,三つ目の段落ですが,この「本『論点整理』は」とありますが,三つのこと,学校を変化する社会の中に位置付ける,教育課程全体を体系化することによって学校段階,教科等の相互連携を促していく,そして,初等中等教育の総体的な姿を描くという方向で進めたいということでございます。
(1)としては,「新しい時代と社会に開かれた教育課程」という考え方をとっております。要点といたしますために,少しここに各丸印,幾つか飛ばせていただきますが,次の2ページ目を見ていただきたいと思います。
根本は,今回の御議論では,一番上の丸の,2行目の終わりの方,一人一人が自らの可能性を最大限に発揮し,より良い社会と幸福な人生を自ら創り出していくということ,そしてそのためには,その次の丸でございますが,社会の加速度的な変化,これは2行目の辺りでございます,社会的・職業的に自立した人間,あるいは伝統や文化に立脚し,高い志と意欲を持って,蓄積された知識を礎としながら,膨大な情報から何が重要かを主体的に判断して,そして問いを立てて解決をする,かつ,他者と協働しながら新たな価値を生み出していくということが求められるということで,学校の場においては,そういう意味での時代に求められる資質・能力を育成していく。そしてまた,その在り方を不断に探究していく文化を形成していく。これが基本とされております。
それから,2ページ目の「『学校』の意義」のところでございますが,二つ目の丸ですが,学校は社会への準備段階であるということと同時に,学校そのものが,子供たちや教職員,あるいは保護者,更には地域の人々などから構成される一つの社会である。そして,その1行下の終わりの方からですが,様々な人と関わりながら学び,その学びを通じて自分の存在が認められることや,自分の活動によって何かを変えたり社会をより良くしたりできることなどの実感を持つというところへ導いていくと。その下の丸ですが,人間一人一人の活動が身近な地域や社会生活に影響を与えるという認識から,この積み重ねによって地球規模の問題,あるいは持続可能な社会づくりを担っていこうとする意欲を持つ。こうした機能を持っていくようにしていこうということでございます。
このために,次の3ページ目の真ん中より少し下ですが,「社会に開かれた教育課程」という考え方が提唱されております。このページの一番下の丸1に,下から幾つかの要素に分けて整理されておりますが,一つは社会との教育課程を介した目標の共有,それから二つ目が,次のページですが,丸2として,社会や世界に向き合って関わり合って,自らの人生を切り拓(ひら)いていくために求められる資質・能力の明確化。そうして実際に教育を進めていくときに,学校教育を学校内に閉じずに,社会と連携していくということ。こうしたことを含んでの,社会に開かれた教育課程ということが提唱されております。
それから5ページ目ですが,「前回改訂の成果と次期改訂に向けた課題」ということになりますが,このうち三つ目の丸で,前回の改訂,端的に言えば,子供たちの「生きる力」の育成ということを,より重視する形になったわけでございます。その次の丸,1行目ですが,学校教育法で整理をされている,一つは「基礎的な知識及び技能」,それからその次の「これらを活用して課題の解決に取り組むための判断力,表現力その他の能力」,そして3番目に「主体的に学習に取り組む態度」,いわゆる学力の三要素と言われているもの,それから,それを実際進めていくときには,その2,3行下ですが,習得・活用・探究という学習のプロセス,これの中で,言語活動や体験活動といったものを重視していこうと。これが現行の学習指導要領の考え方でございますが,これについては一定の成果があり,その成果を引継ぎながら,新しく必要な要素を盛り込んでいこうという考え方でございます。
6ページに「次期改訂に向けての課題」とありますが,特に重視されている課題として取り上げられておりますのが,一番上の丸でございますが,実験結果を分析して考察し説明するとか,あるいは自己肯定感,主体的な学習態度,社会参画の意識,こういったものが非常に弱点だと言われております。こうしたことは,「生きる力」というものが,教育課程を通じて十分な具体化や浸透ができていないということになるかと思われますので,それをきちっと進められるような形を明確にしたいということです。
それから7ページ目でございますが,一番上のところですが,これまでの学習指導要領で,教科ごとには体系化をされているものが,教育課程全体としては構造化されてきちっと体系的に入っているかということについての問題意識。そして二つ目の丸では,教科ごとの意義と,それから教科全体を通じた意義との間を往復しながら進めていく,そのバランスが必要だということ。そのために,次の丸で,教育実践の工夫や改善を図っていくことができるように,手掛かりとなるような学習指導要領にしていこうということでございます。
次に「新しい学習指導要領の目指す姿」ということでございますが,この考え方としては,7ページ目一番下の丸の2行目ですが,教育課程全体や各教科の学びを通じて「何ができるようになるのか」という観点から,育成すべき資質・能力を整理する。
それから次のページですが,その能力の育成のために「何を学ぶのか」という,必要な指導内容の検討をする。そして,それを「どのように学ぶのか」ということを,子供たちの具体的な学びの姿を考えながら構成していく。こういう考え方でございます。
少し飛ばしながらいきますが,8ページ目に学習プロセス,先ほど少し言及いたしましたが,こうしたものの重視。
それから次に,今,言及をいたしました育成すべき資質・能力ということが,9ページ目の真ん中辺りから書いてございますが,これについては,基本的な考え方として現代的な課題というものを取り上げていますと同時に,10ページ目にいきまして,「資質・能力の要素」として,この一番下の方から次のページに掛けて,ローマ数字の1,2,3とあります。
これは,1,それから2につきましては,先ほど説明をいたしました現行指導要領なり現行学校教育法で強調されている学力の三要素とも相当程度重なるわけでございますが,それだけではなくて,この3ですが,「どのように社会・世界とかかわり,より良い人生を送るか」。学びに向かう意欲のことが三要素として取り上げられていますが,これを更に発展させていけるような力を付けていくということが,三つの柱ということで提唱されております。
特にその中で,これからの時代に求められる資質・能力ということで1番に挙がっておりますのは,12ページの「変化の中に生きる社会的存在として」ということでございます。少し紹介させていただきますと,激しい変化の中で,自分を社会の中でどのように位置付け,社会をどう描くか,課題を解決していくための力。主権を有し,今後の我が国の在り方に責任を有する国民の一人として,また,多様な個性・能力を生かして活躍する自立した人間としての力を身に付けて,適切な判断・意思決定や公正な世論の形成,政治参加や社会参画,自立と共生に向けた行動をとっていく,こういう観点から,教育基本法で目指されております平和で民主的な国家・社会の形成者として求められる力をはじめ,生産・消費などの経済的主体として求められる力,あるいは安全な生活や社会づくり,情報化等々を含めて多面的に吟味し見定めていく力,クリティカル・シンキング等を育てていくというようなことが,主題として盛られているところでございます。その下,科学技術や情意・態度面についても述べられております。
それからグローバル化との関係,それは13ページでございますが,こうしたことが述べられております。それを,13ページのおしまいですが,発達の段階や成長過程のつながりにおいて体系化をしていくということが必要だということになっております。
それから,今の育成すべき資質・能力と学習指導要領の構造化ということでございます。先ほど既に一部御紹介いたしましたが,15ページに,一番頭は教科等の本質的意義,二つ目の丸ですが,教科における学習は知識・技能だけではなくて,それぞれの体系に応じた力というものを育む役割を果たしているということが一方であり,他方で,15ページの真ん中より下ですが,総体的な構造というものが,それぞれがどのように結び付いているかという観点から明らかにされなければいけない。各教科の意義と,それら総体との関係を整理していこうということでございます。この中で,16ページから17ページに掛けまして,指導方法論にかかわり,アクティブ・ラーニングなどの考え方も取り上げられております
それから19ページに,以上を踏まえまして,これらがきちっと回るためには学習評価が重要なわけでございますが,この学習評価につきましては,お時間の関係で,中身の紹介は,省略させていただきますが,ただ,21ページのこの章の一番おしまいの辺りに,評価の幾つかのポイントを踏まえながら論点整理を踏まえて,審議まとめに向けて,評価の問題は更に引き続き専門的な検討をする必要があるということになっておりまして,この論点整理では必ずしもこういう方向でいくというところまで全部整理しきらないで,論点を述べた上で,その引き続きの専門的な検討で深めることが求められております。
なお,21ページですが,この実現方策としては,以上申し述べましたところの整理の中からは,21ページの一番下ですが,(1)カリキュラム・マネジメントというものの重要性が挙げられております。以下,カリキュラム・マネジメントについての説明が続いているわけでございます。
それから24ページ目に,二つ目の視点として,必要な支援方策といたしまして,最初の頭のところに「教員への国際的評価と課題」とありますが,この三つ目の丸,教員養成・採用・研修の改善。これにつきましては,教員養成部会が中間まとめを同じ頃になさっていますので,これとの連動において進めていく必要があること。
それから25ページの一つ目の丸ですが,「チーム学校」という考え方。これは初中分科会の「チームとしての学校・教職員の在り方に関する作業部会」が,同じ頃,中間まとめをしておられます。それから25ページの一番下の方ですが,地域社会との教育の理念の共有ということが,実現には必要だと求められております。
これらはいずれも,先ほどの社会に開かれた教育課程,それから今申し述べました学習指導要領の構造化から来るカリキュラム・マネジメントの必要性。これは単にカリキュラムの中身だけではなくて,学校の体制や地域全体にもかかわることとして捉えられているものと考えます。
それから26ページから,各学校段階の,あるいは教科ごとの改訂の具体的な方向性が述べられておりますが,幼児教育につきましては,小学校以上の教育の基となるものとして,発達段階に即した教育が必要であるという,全体としてはそういう趣旨の中で,種々論点が述べられております。
それから小学校につきましても基本的な整理が行われておりますが,関心が高いと思われるところについて言及させていただきますと,28ページの三つ目の丸でございます。国語教育から始まりまして,言語の話が出ております。ここでは外国語教育ということも取り上げられておりまして,高学年においては教科として系統的な指導を行う,中学年においては外国語学習として行うという方向が示されております。
それから中学校でございますが,中学校についても関心の高いと思われるところで申し上げますと,外国語教育について,これは基本的に現行の体制の中から,足りないと思われるところ,あるいは伸ばすべきと思われるところを伸ばすような形で言及がされております。
それから高等学校につきましては,30ページの一番下の丸,昨年12月に,いわゆる高大接続に関して,中教審の御答申を頂いております。これとの関係をしっかり見据えながら進めていく必要があること。
31ページに,一番上の丸でございますが,昨年6月には,初等中等教育分科会の高等学校教育部会が取りまとめた「コア」のカリキュラムについて,その整理を踏まえて,すべての生徒が共通に身に付けるべき資質・能力を先ほどの三つの柱に沿って明確化し,それに沿って必履修教科・科目等の改善を図る,教科・科目等の関係性を可視化するということが述べられております。それからその下には,国語,地歴,公民,外国語,情報科等について言及されております。
それから32ページですが,特別支援教育,特別支援学校における課題について述べられております。
33ページ以降は,各教科・科目等の内容の見直しでございます。それぞれ科目ごととありますので,個別の御紹介をする時間がございませんが,35ページの社会,地歴,公民につきましては,36ページの上から三つ目の丸の3行目,近現代を中心に学ぶ「歴史総合」,あるいは持続可能な社会づくりに必要な地理的な見方や考え方を育む「地理総合」,それから次の丸では,いわゆる「公共」,これは仮称でございますが,といった新科目の設置などが提唱されております。
あとは科目ごとにずっと目だけ走らせていただきますと,各科目について,丸13までが個別の項目,そしてこれは44ページになりますが,丸14,主として専門学科での科目,それから45ページですが,道徳教育,これは既に今までに先駆けて教育課程の改訂が行われておりますが,それを今後どのように進めていくかということ。そして特別活動,総合的な学習の時間と,47ページまで行っております。
48ページに今後のスケジュールということで,先ほど申し上げましたとおりでございますが,2行目に,平成28年度中を目途に答申が取りまとめられるように検討を進めていくということになっております。
以上でございます。このような論点整理,大分はしょって申し訳ございませんでした。必要なことがあれば,御質問等を頂ければと考えております。以上です。報告を終わらせていただきます。

【北山会長】
小松局長,どうもありがとうございました。下村大臣が,先ほど御到着されましたので,ここで大臣からごあいさつをちょうだいしたいと思います。
大臣,よろしくお願いいたします。

【下村大臣】
中央教育審議会総会第101回御審議に当たりまして,一言御挨拶を申し上げさせていただきたいと思います。委員の皆様方には,中教審の審議に日頃から御尽力いただいていることを感謝申し上げたいと思います。
本日は,昨年11月に諮問いたしました「初等中等教育における教育課程の基準等の在り方について」に係る論点整理について,御審議いただいているところでございます。
論点整理は,新しい学習指導要領が目指すべき姿をまとめていただいたものでございます。ここでは,将来の変化を予測することが困難な時代において,より良い社会と幸福な人生を自らつくり出していくために必要な資質・能力を子供たちに育んでいくことが重要であり,教育が普遍的に目指す根幹を堅持しつつ,社会の変化を柔軟に受け止める,社会に開かれた教育課程が必要であるなどの理念が示されております。
今後,この論点整理に沿って,各学校段階別等,あるいは教科別等に,専門的な検討を更にしていただければと思います。引き続き御審議,よろしくお願い申し上げたいと思います。
なお,本日の最後に,平成28年度文部科学省概算要求及び税制改正要望事項について報告がございます。今回の概算要求では,中教審での御審議も踏まえ,学ぶ意欲と能力ある全ての子供,若者,社会人が質の高い教育を受けることができる社会の実現を目指し,教育再生をはじめ,スポーツ・文化,科学技術イノベーション関連施策を未来への先行投資として強力に推進することを狙いとしており,対前年度5,249億円増の5兆8,552億円を要求いたしております。
特に教職員定数の関係につきましては,教員の質と数の一体的強化を図るため,アクティブ・ラーニングによる授業革新,学校現場が抱える諸課題への対応,「チーム学校」の推進に向けました定数の戦略的充実に取り組む要求内容となっております。また,高大接続改革につきましては,高等学校教育改革,大学教育改革,そして大学入学者選抜改革を一体的に推進するため,総額72億円を要求しております。
文科省としては,時代の変化に対応し,新しい知や価値を創造する「真の学ぶ力」を備えた日本を支える人材を育成することが,将来の経済成長や社会保障費の削減に貢献する,正に未来への先行投資であると考えておりまして,単なるコストではないと,これをしっかりとやることが,要求内容を実現することが,逆に日本の社会のコストダウンにもつながると,そういう確信を持って進めていきたいと思っております。
今回,教育改革が,非常に中教審委員の皆様方のお力もあって進むことができたのは,特に教育再生実行会議を含めた両輪の輪が,うまくかみ合っているところではないかと私自身は自負しております。教育再生実行会議では八つの提言を取りまとめていただき,第8次提言で,正に教育財源についての公財政支出についての取りまとめをしていただきました。
この教育再生実行会議は,今後はフォローアップとして,そのまま今のメンバーには残っていただきますが,10月からは更に第2バージョンとして,新たな教育再生実行会議をスタートする予定でございます。ここでは次々と新たな提言というよりは,一つの大きなテーマに絞って,来年の6月ぐらいまでで,じっくりとした教育改革提言をお願いしたいと。
それは,既に情報化社会に突入しているのにもかかわらず,なかなか学校教育は,まだそれ以前の近代工業化社会を支える教育,人材育成という制度の中で,多様な教育が十分にできていない部分があるのではないか。発達障害の子供や,あるいは特別な能力を持った子も,結果的に不登校になってしまったり等々ということの中で,一方で,能力のある子が,十二分に学校教育の中でもそれが生かしきれていないと。
平均的な教育,画一均一教育というところに力が,これまでは,それは相当,その時代的な役割を果たしてまいりましたが,これからは,画一均一というよりは,一人一人が持っている潜在能力,そしてそれぞれの多様性を,ダイバーシティ,どう教育の中で生かしながら,すべての子供たちにチャンス,可能性を提供するかと。これはいろいろなハンディキャップを持っている子供だけでなく,外国人の子供を含めた,あるいはもっと伸びる子に対して更に支援する,こういう視点から,あるべき教育はどうしていくべきかということについて,教育再生実行会議第2弾が10月からスタートする予定でもございます。
そういう視点の中で,世の中が大きく変化する中で,これまでの既存の価値観だけで,必ずしも教育改革が十分に対応できない部分があるかと思います。教育における中央教育審議会の役割,委員の皆様方にますますのお力添えをお願い申し上げまして,最後になりますが,改めて北山会長はじめ,委員の皆様方の御尽力に熱くお礼を申し上げまして,簡単でございますが挨拶といたします。どうぞよろしくお願いいたします。

【北山会長】
大臣,激励の言葉も頂き,ありがとうございました。
それでは,小松局長の方から御説明ありました新学習指導要領の論点整理についての意見交換に入りたいと思います。30分程度,時間を取れますので,御意見のある方は名札を立てていただけますか。
では篠原委員,お願いいたします。

【篠原委員】
基本的な流れは大変これでよく分かるし,結構なのではないかと思っています。それで一つ,私の意見,要望,それから一つ質問ということで,二つ申し上げたいのですが,一つは私の意見なのですが,前から言っている主権者教育の部分について,幼児教育から高等学校まで一つの流れをしっかり作ろうということをしっかり書き込んでいるので,これは大変力強いメッセージだと思うのですが,高校においては,もう「公共」という新しい科目を導入する方向でやっている。では,小中のときに,どういう具体的な落とし方をこの主権者教育でしていくかというのが,まだもう一つ見えないのですね。そこを少し深掘りして,今後,議論をしていただきたい。やはりそこに何か具体的な方策を示していくことが,高等学校における「公共」という科目の勉強・授業に私はつながってくると思うので,単なる抽象的な「やれ」ではなくて,具体的に少し落とし込んでいただきたいということが一つです。
それからもう一つ,これは直接指導要領とは関係ないかもしれませんが,昭和44年の高校生の政治活動について禁止している通知を,一部緩和・解禁し,通知を見直そうという,今,動きが出ているようですが,それは大変私は,18歳選挙権に合わせて時宜に合った措置だろうと思います。ただこれは教育現場における政治的中立性をどう担保するかという問題と,密接に絡むと思うのですね。文科省として,これは質問です,そういうことも盛り込んで通知をするのか,あるいは別のガイドラインを何か考えていらっしゃるのか,そこは文科省の方のお考えをお聞きしたいなと,こう思います。
以上でございます。

【北山会長】
1点目の,高校段階までの主権者教育の深掘りに関しては,恐らくこれから,先ほど御説明あった各組織において,科目や学校段階ごとの内容を詰めていく中で,議論される項目になるだろうと思います。
2点目について,文科省からコメントはありますか。

【小松初等中等教育局長】
ありがとうございます。今,篠原委員からお話のありました昭和44年の通知というのは,昭和44年というのは安田講堂の攻防戦などが行われた,非常にある意味では特異な政治的背景を持った時期でございます。この中で高校に及ぶ様々な影響を背景として出された私どもの初中局長通知で,生徒の政治的活動は学校の内外を問わず基本的にいけないという考え方で通知が行われております。
しかし今回,公選法の改正によりまして,18歳で選挙権が与えられる,かつ政治活動もできるということになります。高校では18歳で,同じクラスに誕生日を迎えた迎えていないということで,それらのお子さんたちが入り混じるようになります。これにつきましては,私ども,したがいまして社会的背景も異なる中で,通知の見直しを考えております。
そして今の御質問につきまして,一つは,おっしゃったとおり,生徒の政治的活動につきましては,公選法の改正に即して,それからまた,学校教育としてのそもそもの在り方に即して整理をして,再度,考え方を示したいと思っております。その際に,政治的中立の問題でございますが,方法としては,この通知においては,今回の公選法の改正に基づく関連の部分については,政治的中立についてもきちっと守るような形で,どのようにすればいいかということを盛り込むということになると思います。
一般的な政治的中立ということにつきましては,これまでも種々指導してきたわけでございますが,公選法の改正いかんにかかわらず必要なこととなりますので,これは引き続きしっかりと指導していかなければいけないと思っております。その際,今回の公選法改正との絡みでは,生徒の方にも,そうした政治的中立のことも含めて,政治制度,選挙制度などが分かるような副教材の作成をして,全高校生等に配ることとしております。これにつきましては,学校の先生についても,その指導の参考となる指導資料を作成して配るといたしております。
このようにして,説明会や通知,あるいは教材や指導資料,こうした総合的な方策で,政治的中立ということについてはきちっと守られるように対応していきたいと,このように考えております。

【篠原委員】
議論はあるが,本日はやめておきましょう。また長くなるといけないから。

【北山会長】
それでは,今,名札を立てておられる志賀委員,菊川委員の順番でいきます。志賀委員,お願いします。

【志賀委員】
ありがとうございます。子供たちが自分で考えて判断し表現するという形の中で流れができていていいなと思う反面,少し強調してほしいなと思うのは,私がこの中教審の委員にさせていただきたいと思った理由の一つなのですが,やはり我々企業の中で,今,グローバルに国籍を問わない人材マネジメントをやっているわけですが,そういうことをやればやるほど,グローバル化が進めば進むほど,日本人が埋没してきている。つまり,勝てていないという状態ですね。これは,お相撲さんの世界で幕内力士43%が外国人になったと同じように,実は日本人が,このグローバル競争の中では勝てていない。これは,国の競争力は人の競争力のシグマですから,このように人がグローバル競争の中で勝てない人材であるということは,国の競争力そのもの,総理が600兆円のGDPとおっしゃっているわけですが,それを目指すための競争力の源泉をちゃんと育てているのかという観点から考えると,まだ弱いなと。
例えば13ページに,グローバル化する社会の中でということで書かれているのですが,この中で書かれているのは,グローバル化するけど,やはり日本人の良さを考えましょうなど,国語の言葉の大切さみたいなところで止まっているのですね。確かに,小中学校の段階でそういうグローバル教育をどうすればいいのかというところは,まだ分からないのかもしれないのですが,例えば前のページ,11ページのところで,多様性を尊重する態度と互いの良さを生かして協働する力,正にこれが重要で,多様な人材の中で自分の意見を主張して,そして伍(ご)していくという力。これは残念ながら,単一民族の日本,普通の教育の中ではなかなか得られないのですが,やはり多様な考え方の中で自分の意見を主張してディスカッションしていく。ある意味では,例えば欧米のようにディベートを小中学校の教育の中に入れる必要があるのではないかと,そこまで私は考えるわけですが,そこが足りないと。
もう一つは,どうしても抜けているのだなと思うのは,やはりICTに対するリテラシーですね。ICTをツールとして教育に使うというのは書かれているのですが,そもそもICTのリテラシーを,子供の頃からどう付けていくのか。ゲームにしか触れないという状態の中では,ちょうど本日発売の日経ビジネスが,インド人CEOが世界を制すという形で,インド人のCEOがどんどん世界で増えていると。フォーチュン500の中で,日本企業以外に日本人のCEOはだれもいないわけですね。やはりこういうグローバルに闘える人材を幼いときから育てていく,そのためには何を。実は答えを持っているわけではありません。意見を聞かれれば幾つか言えますが,ただ,やはりそういう視点ですね。
あるいは,もう一つ言えば,アントレプレナーシップ,起業家精神。これをもう少し子供の頃から,いつか大きな会社に就職してみたいなものが人生ではない。やはり自ら自分で自立していく,そういう教育を子供の頃からやっていく。答えがないままでの言い方で大変申し訳ないのですが,産業界の立場から言えば,そういうところがもう少しあればなと,そういう気もいたします。

【北山会長】
ありがとうございます。次に菊川委員,お願いします。その後,明石委員,尾上委員といきます。

【菊川委員】
ありがとうございます。私は,平成14年の指導要領の改訂前後,福岡県で義務教育課長をしておりました。ちょうど「ゆとり教育」から「確かな学力」へ転換していく移行期間でございました。そういった観点から,アクティブ・ラーニングと家庭科教育について,2点申し上げたいと思います。
まずアクティブ・ラーニングですが,アクティブ・ラーニングとカリキュラム・マネジメントというのは,過去の指導要領の積み重ね,あるいは今後の社会の展開を見ても,理解できる整理だと思っております。ただ,学校の現場は,児童生徒の発達段階も,学年によってももちろん違いますし,それから能力の個人差もあります。家庭や地域の環境の違い等々もありますから,そういう現実の中で理念を具体化していくのは,教師一人一人の専門性でございます。
ですから,今回,どのように教えるかということも含めて,一つの大きなテーマとしてアクティブ・ラーニングが取り上げられていますが,それを本当に現場の先生にきちっと理解させる方法と,この案にも例えば17,18ページぐらいに,懸念点も含めて書いてありますが,形式的・機械的に指導方法が受け取られることのないように説明,あるいは教師の力量アップを,引き続きお願いしたいということでございます。
また,学力実態調査が始まって,国立教育研究所をはじめ,いろいろな,分析や,エビデンスベースの指導法の改善,あるいは問題提起が出てきておりますので,そういうものをしっかり現場サイドまで下ろして活用していただければということでございます。
それから二点目は,家庭科教育です。今,女性の活躍促進が社会的テーマでございます。そのためにはワーク・ライフ・バランスが大事でございますが,学校教育は知育を中心に発展してきましたので,どうしてもワークの準備に偏りがちだと思います。それは,とても大事なことですが,一方で,人の一生の半分の幸せや困難はライフの部分でございます。
そういった意味で,キャリア教育のライフ版が必要だと思っておりまして,特に家庭科教育,その中でも特に親となるための基礎教育というものを,高校段階辺りでもっと強化できないかと思っております。今回の指導要領では,「何ができるようになるのか」ということが目指されていますか。高校生は,卒業して数年もたつと親になる方々が出てくるわけでございまして,赤ん坊が生まれて親たちが途方に暮れることのないように準備をすべきだと思っております。

【北山会長】
ありがとうございます。それでは明石委員,お願いします。

【明石委員】
ありがとうございます。一つ要望で,一つ質問です。
要望は,学力調査の問題で,A問題,B問題がありますよね。A問題は,この9年間,75%ぐらい取っているのですね。なぜかB問題は55%ぐらいしか取っていないのですよ。この20点の差はどこにあるのでしょうか。9年間,ほとんど差がないのですね。各都道府県は,A問題が上がった,B問題が下がったなどに首長は関心を持ちますが,問題自身の違いがあるのですよね。だからB問題というのは何を測定しているのか,が問題なのです。要するに100点を基準に55点来たのか,70点を目標に55%で来たのか,その辺を解明していただきたいのです。そうしないと,今度は大学入試が,高大接続の入試が出てきますよね。A問題って比較的作りやすいが,B問題をどうするかというのが非常に大きな学習課題なのですよ。だからその辺を,国研も含めてチームを作って,55%できているのは,これでいいのか。9年間,数値はあまり変わりありません。そういうのを検討していただきたいというのが1点です。
2点目は,特別活動に関する記述が弱い。実は今,児童会,生徒会の会長がいないのですから。志賀委員がおっしゃるように,世界で闘うためには,児童会,生徒会の会長を経験しないと駄目なのです。それが今,非常に立候補者がいない。もう1点は,例えばきのう千葉県で,中学生の少年の主張があったのです。これは今年で37回。国際児童年を契機に,少年たちの主張を何とかしましょうと始まりました。実はそれがだんだんと参加者が減ってきているのです。多分,去年の段階で,全国で50万ぐらいしか中学生が参加していないのです。人前で自分の意見を表明する力がものすごく衰えてきました。
だからお聞きしたいのは,特別活動でリーダーが育成できるのか。要するに学校教育ではできなくて,社会教育でやらなければ駄目かという,そういう課題に応えていただきたい。そうすると私個人は,特別活動は,かなり可能性があると思っているのですよ。それが本当に本日の論点整理でも少ししかない。もう少し本気で,小学生,中学生,高校生,大学生のリーダー育成をどうするのかという,この辺の視点が少し乏しいかと思いまして,その辺,特別活動の位置付けが少し弱いと思うのです。質問だけです。

【北山会長】
ではここでいったん区切りまして,小松局長ほか,主として文科省の初等中等教育関係の方からコメントを頂戴したいと思います。

【小松初等中等教育局長】
それでは,お答えさせていただきます。
まず志賀先生の方からでございますが,グローバル化の観点,これにつきましては,この論点整理の御議論の中では相当出ていたと思います。それで,日本の内と外との中で競争し,貢献もするというような御議論ではございましたが,一方で,本日は時間の関係で少し飛ばしておりますが,最初の方に少しございますが,それぞれOECDとかユネスコとか様々なところで,今後のグローバル化の中での発展というための人材育成については,いわば国を越えて議論が行われております。これがいわゆるキー・コンピテンシーなど,そういった様々な概念になっており,また,教育の方法論としては,アクティブ・ラーニングというようなことは,そういうこととかなり深い関連で議論をされております。
日本においても,このアクティブ・ラーニング等で御議論されているところに,その問題意識はあるわけですが,今の志賀先生がおっしゃった意味での,いわゆる勝てない,あるいは埋没する,こういった点についてどうするかということについては,問題意識としてはいろいろ御議論あったと思いますが,しっかり踏まえて今後の議論をしていただかなくてはいけないと思っています。
それから情報関係につきましては,具体的な教科の在り方等は,私,省略いたしましたけど,例えば44ページとかそういうところにあるのですが,そこは御覧いただければいいのですが,今の御指摘は,そういう教科の個別の話ではなくて,もう少し,はっきり言えば地域・家庭も含めて,どのように学校がその中で位置付けを持って,そうした能力の基礎を育てていくかという大きなお話になります。
そこで私ども事務局でございますが,一応今回の論点整理の中で申し上げさせていただきますと,正しく方法論としてのアクティブ・ラーニング,これはページでいいますと16ページから18ページの辺りなのですが,大変恐縮でございますが,18ページというところを,もし差し支えなければ御覧いただきたいと思います。
これは大体16ページから始まる学習活動の示し方等の説明というか,論点のところなのですけど,18ページにローマ数字の1,2,3とございます。まず,人が学習していくための習得,習得したものを活用する,更にその先へつなげるというプロセスと,それから2番目の,他者との協働とか外界,つまりみんなとの間で競争や協調をして新しいものを生み出していくということ等につきまして進めていくという,こういった考え方が基本でございまして,これらにつきましては,今,御指摘の情報というものと,根本的にはどのように向き合っていくか,あるいは世界との間で,どのようにコミュニケーションや新しいものを生み出していく力を付けるかということの根本は,むしろその中で進めていくというような議論もありましたので,その点は御紹介しておきたいと思います。
それから菊川先生のお話でございますが,この同じ,今,御紹介しました18,19ページの,19ページの方の二つ目の丸のところにも強調されておりますが,確かに議論の中で,今,私が御紹介いたしましたアクティブ・ラーニングなどを通じて,その情報のやり取りや活用,あるいはグローバル化の基を考えていくということでは非常に支持があるものの,他方で,形式化していく,型にはまっていく,これをやればアクティブ・ラーニングで,これをやらないとアクティブ・ラーニングではないというようなものに陥っていく,その可能性というのが非常にあるので,これについては,あらゆる手段をもってそれを考える手掛かりを出せということが指摘されておりまして,これを実行していかなければいけないと考えます。
家庭教育の関係のワーク・ライフ・バランスについては,そのとおりであろうかと考えます。今後の議論の参考になることかと思います。
それから明石先生から二つお話ありましたが,一つは,学力調査はA問題とB問題がありますが,先ほどの,ここでもテーマになっております三つの柱ということから申し上げますと,Aというのは基礎的なディシプリンごとの,つまり教科ごとの知識・技能が身に付いているかどうかの基礎を示す。B問題というのは,その基礎的な知識・技能を使って,組み合わせて思考,判断,表現ができるかといったところまで見ていくという形になっております。したがいまして,点数の差があるということはある程度説明がつきますが,これでいいのかとか今後どこを目指すかということについて,きちっと議論しなくてはいけないというのは,そのとおりかと思います。特に高大接続などがきちっと実を上げていくためには,このB問題とかPISAとか,こういったものが非常に影響してくると思いますので,重要な課題と受け止めさせていただきます。
それから,特別活動が弱いということでございます。特別活動につきましてもいろいろ御議論はあって,実はさっき省略いたしましたが,一番後の方,46ページに特別活動,それから少々位置付けは違いますが,文脈として申し上げますと,47ページには総合的な学習の時間というものがございますが,この論点整理の御議論では,各教科がそれぞれとしての意義というものと,それから全体を見通しての総体的なパースペクティブを与えられるような学習指導要領を現場に提供すべきだという御議論のところを先ほど申し上げましたが,その実際のかすがいといいますか,その間をつなぐものとしては,特別活動あるいは総合的な学習の時間というものが,基本的にはキーになるというお考えであったと思います。その辺の関係を私の方が御紹介が漏れたということで,かなりそういう位置付けでこれを考えなくてはいけないと考えられます。
あと1点だけ,すいません。その中で,しからばそれだけでリーダーの育成ができるかと。それに学校は何が貢献できるかという問題は,少し別角度かもしれませんが,冒頭に申し上げました「社会に開かれた教育課程」というものは,これは目標や内容として社会のことを知る,目標として社会と共有すると同時に,実際にそれを進めるには,リソースとして,社会,地域社会,家庭のリソースを一緒にして教育を進めなければならない。それが今度の教育課程の基本だとなっております。後に説明することになると思いますが,そういう学校の運営・経営と併せてのお話かと思います。

【北山会長】
次に,尾上委員,お願いします。その後,坂東委員の方にいきます。

【尾上委員】
この審議まとめに向けての論点整理が,今後専門的な検討を行うと21ページないし48ページに書かれておりますが,社会に開かれた教育課程にするためには理念の共有が必要であるということから,また,家庭教育の充実にも大きな効果が得られるというような見方をされているということからしますと,これを広く広報することによって成果まとめに生かしていくということの手段,手法とかスケジュールというところが明確に示していかないと理念の共有ができないと思いますので,その辺のことも御教示いただければと思います。

【北山会長】
では坂東委員,お願いします。

【坂東委員】
ありがとうございます。私も大変目配りの利いた,十分検討されたこの論点整理を拝見して,感激しているのですが,一つは要望,一つは意見を申し上げさせていただきたいと思います。
一つは,今までの学習指導要領,あるいは教育課程改革のときに常に起こっていることですが,審議会,検討部会,あるいは文部科学省では,非常に弾力的な,皆さんの自主性を尊重するような意見が出されているのですが,都道府県の方へ行き,市町村の方へ行き,学校現場の方へ参りますと,どんどんフレキシビリティーが少なくなるといいますか,金科玉条のように,この言葉でこう表現されているからこうしなければならないのだというように硬くなっていってしまう。それを今回は起こらないようにするためには,それこそアクティブ・ディスカッションというのでしょうか,関係者の方たち,教員の方だけではなしに,地方の教育行政にかかわっておられる方たちも含めて,アクティブに,一方的に御説明するだけではなしに,アクティブにディスカッションをしていただくような機会を是非設けていただきたいというのが要望です。
二つ目の意見は,なかなか難しいかもしれませんが,前にも,今,教員の方たちが果たさなければならない役割がどんどん増えていく中で,過重労働感が出てきている中で,学校クラーク,事務的な部分をサポートするような仕組みとか,あるいはまた,今回もカリキュラム・マネジメントという考え方が導入されておりますが,そうしたそれぞれの役割を専門的に果たすようなサポートチームというものをもっと考えて,「チーム学校」ということになるのだろうと思うのですが,更に一歩進めて,「チーム地域」というのでしょうか,学校の中で完結してしまうのではなしに,もっと地域のリソースを活用することが必要と思います。
例えばこの前も,9月1日に「死にたくなったら図書館においで」と鎌倉市の図書館が発信したような形で,社会教育施設や専門家など地域のリソース全体を活用する「チーム地域」ということも導入していただければと思います。またさらに,今,グローバル教育の中で,インターナショナル・バカロレア等の,スイスの民間団体が提案しているような基準がグローバルに受け入れられておりますが,是非今後,日本発のインターナショナル・ジャパニーズ教育目標を作るのだという意気込みでかかわっていただきたいと思います。
どうもありがとうございます。

【北山会長】
それでは櫻井委員,お願いします。

【櫻井委員】
私はコメントでございます。先ほど来,志賀さんや菊川さんから問題点が指摘されておりますが,その根本に何があるかといえば,日本の子供たちも大人も,自分は何者かという意識がなくなってきているのだろうと思いますね。自分が何者であるかというのは,歴史を振り返ってみて,その中から,日本人が何を大事にして生きてきたのか,何を守るために一生懸命に闘ってきたのかということを知る必要があると思います。
私は本当に21世紀の国際社会をリードできるのは,日本の価値観だと思っています。歴史を振り返ってみると,日本は本当に平和を守ってきた国です。日本が外国と戦ったのは,長い歴史の中でどのぐらいあるのか。千数百年の歴史の中で,白村江,秀吉の朝鮮出兵,日清,日露,大東亜戦争がありましたが,ほとんどの時間を私たちは平和に過ごしてきましたね。
そしてまた,国際社会にまみえたときに,例えば人種差別撤廃を主張するなど,一人一人の人間を大事にしてきたという事実があります。世界に示して恥じることのない,例えば文学的な水準の高さ。紫式部はシェークスピアの600年も前ですよ。しかも女性が,あのような優れた文学を書いた。江戸時代の数学者は,微分積分まできちっとやっていた。
そういったことを子供たちにも教えて,なるほど,自分の国は,このように平和志向で,本当に豊かな文化・文明を築いてきた。江戸時代の暮らし方などを見ると,省エネの最たるものでありますが,こうしたことも含めて,私たちの本質は21世紀に大きく貢献できるのだと。人類の幸せに,どの国よりも恐らく貢献できるのだという意識を植え付ければ,児童会で会長になろうという子供がいなかったりなど,そういう事態は避けられるのではないかと思います。
そしてまた,先ほど菊川さんから,お母さんになる,親になる教育をしなくてはいけないとの指摘がありました。日本の女子大生などのアンケートを見ますと,親になることを喜びというよりは,何か負荷といいますか,負担だと考えている傾向が出てくるわけですが,明治の初め,鎖国から国を解いて,外国の方々が日本にやって来て,日本という国は世界一の子供を育てるすばらしい価値観を持っている国だと絶賛しているわけですね。子供は親だけでなく,近所もみんなでかわいがって育てる,守るという,こういったことの歴史を知ってみると,女子大生たちもそのように後ろ向きになる必要はないのではないか。
つまり,もっと日本について学んで,日本は,自分は何者かを学ぶことで,問題の基本的なところは解決できるのではないかと感じます。
以上です。

【北山会長】
それでは,帯野委員,福田委員,小原委員の順で御意見を頂戴します。

【帯野委員】
アクティブ・ラーニングをどう生かすかということで,子供の力が随分変わってくるということは間違いないと思いますが,アクティブ・ラーニングという言葉がかなり独り歩きしていて,現場での混乱を生んでいるという面もあると思います。
それで,アクティブ・ラーニングがどのようなものかと考えてみましたが,恐らく小学校においては,総合的学習の時間をイメージすれば分かるのでしょうか。そして中学校においては,学び合い的活動というのか,共同調査であるとか自主学習であるとか,そういったことが具体なものではないかと思うのですが,そのときに心配なことがあります。というのは,この間も中学校の教科書検定をしたのですが,かなり内容が充実していて,教える内容,学ぶ内容が増えています。ところが授業時間は1単位50分で,つまり授業時間50分の中で教える内容が増えて,そこに共同学習的学びが入ってくる。アクティブ・ラーニングというのは,予習とセットでないと成り立たないのではないかなと思いました。
そのときに問題になるのは,家庭の学習をどうするのかということで,家庭教育がどのようにあるべきかということを,中教審でもいつかどこかで考えていかなければならないのではないかということと,もう一つは,経済的理由や家族の問題で,学校以外に居場所のない子供をどうするのか,自主的な学びのできる場所をどう提供するのかというところを,学習指導要領改訂に向けて,真剣に考えていかなければならないのではないかと感じています。

【北山会長】
福田委員,お願いします。

【福田委員】
ありがとうございます。これだけのすばらしい理念を,今後,どう現場の一人一人の教員と世の中に伝えていくかということについての考えとお願いになるかと思います。
一つ目は,教科にかかわる目標と総体的理念を構造化して,いかに伝えるかということです。学習指導要領とか解説にかかわるところの構造を伝わりやすく,現場にとって,発達段階に応じたもので,見えるような形でお願いしたいと思います
二つ目は,今後これを踏まえた評価についての検討が続くと御説明がありました。三つの柱にかかわるものを,何で見取り,どう評価するのかが,教科でない部分も含めて明確にお願いしたいと思っています。具現化するためには,掲げただけでは絵に描いたもちになってしまうと思いますので,その評価についてのところを,具体的に現場にとって分かりやすく進めていただけると良いかと思います。
三つ目ですが,御説明の中に,教員養成部会や「チーム学校」との連動など,頼もしいお言葉がありました。それにかかわって,是非こういう人間を採用するぞという,しっかりした教員採用基準の打ち出しがあると,その基準を基に養成する大学も学校現場も連動して動くと思います。 長くなるので,以上三つです。

【北山会長】
それでは最後に,小原委員,お願いします。

【小原委員】
ありがとうございます。今回の教育課程の目玉の一つが小学校英語だと思います。それに関して二つあります。
一つは,年間70時間で,これが必要な時間数だとしても,十分な時間数と言えるかどうかです。特に中学校英語につなげるに当たって,これだけで十分かどうかを検討していただきたいということが一つ。
もう一つは,教科として英語が入ってくる。ここでは2時間と設定されていますが,時間数が増える。したがって,週の総時間数も増やさなければ,これは論理的に矛盾が生じることになります。この解決法の一つとしては,家庭科といったような科目と置き換えるか,あるいは週28時間という枠を増やして,英語をきちっと科目として乗せるか。15分の三つの細切れというと,これは単なるやっていましたという形式的なものに終わってしまって,せっかくのこの教科化した英語が中学校英語につながっていかないのではないかと考えます。是非教育課程部会で詰めるときに,週の総時間数と,それから週当たりの英語の時間数,2か3か,どちらかまで検討していっていただきたいと思います。
以上です。

【北山会長】
ありがとうございました。
大臣のお時間の都合もありますので,先に大臣から,委員の御意見,コメントについて,お話を頂戴し,その後,小松局長からお願いします。
大臣,よろしくお願いいたします。

【下村大臣】
委員の皆さんから積極的な貴重なコメント,御提言を頂きまして,ありがとうございます。それを踏まえて,幾つか報告と,また今後の方向性について,お願い申し上げたいと思います。
まず一つは,来年度概算要求の中で,文部科学省として是非教育を輸出産業にしたいということを位置付けております。これは単にODAのような形で発展途上国に支援するということではなくて,教育をビジネスとしてとらえていくと。それは国によって相当ニーズの違いはありますので,それぞれの国に合わせた輸出産業にしていきたいと思っておりますが,一番求められているのは,例えば国立高専,高等専門学校のような,中堅技術者,しかし着実にそれぞれの国にとっては人材として必要な技術者,こういうのを是非日本から,ソフト・ハード,学校だけを建てるということではなく,教員まで含めた,あるいはカリキュラムを含めた,それを是非輸出してほしいという,ビジネスとして,単なるODAではなくて,そのような要望がかなりあります。これを是非,来年度から積極的にやっていきたいと思います。
その中には,ソフトの部分で,例えば道徳的な部分とか,あるいは学校全体における,そういう規律とかですね。例えば朝礼とか,あるいは給食の時間とかいうことを含めて,これは諸外国から比べると,非常に日本の教育はうまくいっているモデルだと位置付けられている部分がございます。いい部分については是非,貢献できる部分については,それぞれの国に対して積極的に対応していきたいと。
それから,OECDが非常に評価をしておりまして,2030年教育ビジョンを日本とともに作っていくことによって,世界に対してこれを広げていきたいと。なぜOECDが日本の教育について,2030年教育ビジョンを一緒に作っていこうかという考えた理由というのは,ほかの先進諸国は,もっとうまくいっているところもたくさんあるのですが,現状でよしとしている部分があって,なかなかそれについての危機感を持って改革をしようとしているという意味では,日本が一番そういう危機感を持っていると。だから日本が一番,より良いものに対して変えていこうと,そういう柔軟性を持った国なので,是非一つのモデルとして,OECDと教育については議論しながら,それは日本だけでなく,世界に対して広げていくような,そういうものを2030年教育ビジョンとして作っていくということで進めております。
その中で我が国の問題点というのは,もちろん諸外国から見たら,そういう個というよりは全体的な集団としてのパワーとか,それからマナーとか,また,日本人としてのバランス感覚というのがあるかと思いますが,一方で個々のパワーがやはり欠けているということの中で,本日もそれぞれの言葉の中でいろいろな表現がありましたが,例えば主権者教育的な部分から主体性教育,個々の人たちの力をどう引き出していきながら,責任感を持って,一人で生きているわけでなく,社会全体の中でお互いに助け合いながら生かし合いながらいく中での主権者教育というのは,確かに欠けていると思います。また,グローバル教育はディベート教育というのは,アクティブ・ラーニングにもつながってくるかと思いますが,リーダーシップ的な能力もやはり不足しているのではないか,あるいは評価されていないのではないかという話がありましたが,そういう個々の持っている主体性的な能力をどう引き出していくことによって,上からの指示ではなくて,自ら積極的にいろいろな課題や困難に対して取り組んで解決していくかという,そういう,正に起業家精神のような,社会,これは別にビジネスだけではないと思いますが,社会全体の中で自らが存在することによって,どうより良い社会をつくっていくために自分が何を目指すか,そのために教育によって自分は何を得ていくかという部分は,非常に欠けていると思います。
また,それが今後,情報化社会における多様化教育の中で更に強めていく点であると思いますし,そのために,家庭教育もどうあるべきかという話がありました。アクティブ・ラーニングというのは,実際は相当やはり本人が勉強していないと議論にならないわけですね。事前に知識を持っていなければ。
ですから,教師が一方的にこれまでのような板書で,生徒がノートをとるというやり方,それが一番効果的に見えたが,これは学術的な分析結果によると,6か月後,それによって記憶しているのは5%にしかすぎないと。しかしアクティブ・ラーニングだと,50%は覚えていると。それはそのときの思い付きで議論しているわけではなくて,自分が主張するためには相当勉強しなければ議論に加われないわけですから,それはしかし学校の授業の中でやるわけではないので,授業以前の予習を家庭や個人がどうするかということまで教員研修的なことまでしていかないと,形だけのアクティブ・ラーニングはできないという意味では,教員研修。
ですから,これは正に子供の問題であるが,先ほどおっしゃっていたように,大人の問題でもある。我が国の日本人のいい面,悪い面といいますか,より強くする部分を教育の中で更に高めていくようなことを,戦略的に考えていく必要があると思います。
そういう問題提起を,本日はそれぞれしていただいたのではないかと思いますし,そういう視点に立った,ですから今までの延長線上で大切にする部分もありますが,相当ドラスティックに,教育における改革をこの時期に進めていかないと,10年,20年たったとき,世界の中で通用する人材が日本では生まれない,育たないという危機感を持って,文部科学省もしっかりやっていく必要があると思いますし,中央教育審議会の先生方には,引き続き適切な,そして厳しい御指摘を頂きながら一緒に,このときがラストチャンスだと考えて,教育改革に取り組んでいただければと思います。
この後,公務がありますので,途中で失礼いたしますが,ありがとうございます。よろしくお願いいたします。

【北山会長】
大臣,どうもありがとうございました。
では小松局長,お願いします。

【小松初等中等教育局長】
お時間の関係で,少し簡単にさせていただきますが,まず尾上先生の共通理解,広報といったような重要性の御指摘,それから坂東先生からも,その点のお話ございました。あるいは福田先生からも,専門的な見地も含めて,そうした理念の共有ができるような取組をしてほしいということでございました。
今,何月にこの会議をやってとかという形でのスケジュールを作っているわけではございませんが,何年かかかっての作業になりますので,それを待たずにどんどん外に出して,現場でも御議論を活発にしていただくというようにしていきたいと思いますし,また,PTAあるいは社会教育団体等にも,是非よろしくその点に御参加いただけるようにお願いしたいと思います。
それから坂東先生からのお話,あるいは櫻井先生からのお話,角度が違いますが,しかし世界の中の日本の立ち位置みたいなものを,これからどうしていくかという問題かと思います。ここでは教科の構造などそういったことが書かれておりますが,その更に根本に横たわるものだと思いますので,本日のコメント等もよく踏まえて,個別の各教科の議論がなされていくように,一つは伝えていきたいと思います。
それで,今,大臣からお話ありましたが,実はこの資料ですと4ページのところを見ていただきたいと思うのですが,この4ページの真ん中辺りに,「世界をリードする役割」という問題意識が論点整理で出てきております。それで大臣からも御紹介ありましたが,OECDとの政策対話等においては,これ,ここに書かれている問題は世界中で悩んでいる問題ですが,日本が今までの日本の成果を基に更にその先へ開拓をしようということで,2030年を見据えて学習指導要領を作ろうということについては,非常に期待が大きいということもあります。
したがって,子供を実験に使ったりすることはできませんが,学習指導要領としては最先端を切り開いていくものにする必要があるという御議論でございました。日本の改革は,もはや諸外国へのキャッチアップではなく,世界をリードする役割を期待されている。あるいは4ページ一番下にありますが,日本の子供の学びを支えるとともに,世界の子供たちの学びを後押しするということを一つの使命として,日本の学校教育としてはなければならないという御指摘を頂いております。この方向で進めていく必要があろうかと考えます。
今のお答えですべてお答えできているとは思いませんが,グローバル化との関係で,この論点整理については,そうしたことが出ているということを御紹介いたします。
それから小原先生の御指摘の小学校英語,これにつきましては,専門的な観点から確かに引き続き御議論が必要だろうと思います。ただ一方で,総時間数とか,ほかの教科とか,そういった英語以外の要素もありますので,これはその専門的な議論を見ながら調整していきたいと思います。
最後に,帯野先生からお話ありました,今のこの時間数の限りといったようなことも含めまして,かたや家庭の教育,これは教員の家庭への働き掛けということもありますでしょうが,結局は学校と家庭・地域の連携をどのようにしていくか。学校側から見れば,そのことは非常にシステムとして次の段階に行かなければいけない。これが「チーム学校」とかコミュニティ・スクールとか,そういったことを含めて並行して検討されていますが,重要な,結局,学校の教育課程を実施する上でも,そのことが必然的に重要になってくるという時代に差し掛かっているということだろうと思います。そういう問題意識でこれも書かれていると思いますので,それが生きるようにしたいと思います。
貧困等による学習の困難は,サポートのための予算,先ほど「チーム地域」というお話もありましたが,そういったものは予算等の資源も必要でございます。大臣のお話にもございましたが,そういった形で来年度予算にも明示してございますので,その観点からしっかり取り組みたいと思います。

【河村生涯学習政策局長】
最後の1点のみ補足をさせていただきます。先ほど坂東委員からお話ありました「チーム地域」,あるいは家庭教育などについて,どのように学校と地域がそこを支えていくのかというコメントを頂いていたと思いますが,このことについては,初中分科会においても作業部会があり,また生涯学習分科会においても学校・地域協働部会という部会を設けまして,ときに合同会合も開きながら,両方で,学校と地域がどのように正に協働をし,開かれた教育課程や,そのほかの地域・家庭,学校の連携の問題を進めていくかということについて,現在,審議中でございます。また総会にも御報告をする時期があろうかと存じますので,よろしくお願い申し上げます。

【北山会長】
ありがとうございました。それでは,新学習指導要領の論点整理についての意見交換は,ここまでとさせていただきます。
次に議題3,「未来を牽(けん)引する大学院教育改革」についてです。本件については前回,この総会で審議まとめ案を御審議いただき,その後,大学分科会で審議まとめが取りまとめられた。また,議題4について,高大接続システム改革会議の中間まとめが取りまとめられましたので併せて常盤局長から,御説明をよろしくお願いします。

【常盤高等教育局長】
それでは高等教育局長,常盤でございます。資料の3-1,3-2が大学院教育改革の関係の資料になりますが,本文は3-1でございますが,お時間の関係もございますので,3-2で概要の方で御説明をさせていただきたいと思います。
この3-2ですが,今,会長からもお話ございましたが,この審議まとめにつきましては,前回8月の総会において審議経過の報告が行われまして,委員の皆様方にも御議論いただいたものでございます。その後,パブリックコメント,あるいは大学院部会での審議等を経まして,今月15日に開催されました大学分科会で「審議のまとめ」ということで取りまとめられましたので,御報告ということでございます。
前回の総会のこの場におきましては,大学院部会が示した基本的な方向性を受けまして,具体的な部分について御意見を頂いたわけでございます。御意見につきましては,分科会長あるいは部会長と御相談の上で,可能な限り具体的文言が追記をされておりますが,個別については省略をさせていただきたいと思っております。また,結果として,この概要版につきましては,前回御報告したものから方向性としては変わっていないものでございますので,ごく簡潔に御紹介を改めてさせていただきたいと思っております。
大学院の改革につきまして,方向性といたしましては,ここにございますように「未来を牽(けん)引する大学院教育改革」とした上で,「『知のプロフェッショナル』の育成」ということを副題として設定をしてございます。そして,この下の方にございますように,七つの基本的方向性,それから「卓越大学院」の形成ということを内容としてございます。
一つ目,「体系的・組織的な大学院教育」ということでございます。大学院につきましては,専門的な深さを追求するということは非常によく行われているわけですが,他方で,幅広い人材育成という観点でどうなのかという御指摘を頂いているわけでございます。そういう意味で,学位授与・教育課程編成・入学者受入れ,これについて一体的な作成をしていくと。そして,研究科や専攻の枠を越えた幅広いコースワークから,研究指導につながる教育課程の編成の促進というようなことを強調をしているわけでございます。また,倫理教育の実施等についても記述をしてございます。
それから二つ目としては,「産学官民の連携と社会人学び直しの促進」ということでございます。この点につきまして,大学院におきましても,高度専門職業人の育成を含めて,実際の研究の実装ということを志向する教育も幅広く行われているわけでございますので,そういう場面での産学官民の連携,それが教育課程の企画であったり,あるいは大学院生も産学共同研究に一人前の研究者として参画するというようなことも含めて,記述がなされてございます。
それから真ん中の上のところ,番号一つ飛びますが,修了者のキャリアパスの問題。大学院の博士課程への進学というものが減っている状況にございます。その大きな原因は,やはりキャリアパスが見えないということでございますので,修了者のキャリアパスを確保し,進路の可視化を推進するということを記述してございます。
それから,あと5,6,7と,右側でございますが,世界から優秀な高度人材をひき付ける,あるいは規模の確保と機能別分化の推進,それから特に博士課程後期の学生の処遇の改善というようなことを記述してございます。
こういうものとともに,大きな方向性を踏まえながら,「卓越大学院」ということの形成ということ,真ん中の下の辺りでございますが,提言を頂いてございます。具体的には,複数の大学,民間企業,研究開発法人,あるいは海外のトップ大学や研究機関との人材交流,あるいは共同研究のハブとなること。それから,高度な知のプロフェッショナルを育成する場として,企業から投資や人を呼び込むというようなこと。そういうことを目指して,「卓越大学院」の形成ということが提言されています。
期待される領域としては,ここにございますように,国際的な卓越研究分野,あるいは文理融合分野,新産業創出領域,こういうことを想定してございますが,詳細につきましては,この提言を踏まえて,産学官から成る検討会を別途組織をいたしまして,踏み込んだ議論を行ってまいりたいと考えてございます。
それから最後,右下でございますが,専門職大学院の関係でございます。専門職大学院につきましては,制度発足して10年経過をしてございます。その中で様々な課題がございますので,制度全般の検証・見直しを行いまして,抜本的な強化をしていくということ。そして法科大学院でございますが,この点につきまして,いろいろ大きな課題がございますので,本年度から平成30年度まで,これは政府全体での検討もございまして,法科大学院集中改革期間と位置付けてございますので,更に改革を進めて,充実した高度教育を行ってまいりたいと考えてございます。
そして,今申し上げましたような内容について,今後,これを計画的に実行するという観点で,「第3次大学院教育振興政策要綱」ということで,具体的な施策に落としていきたいと考えてございますので,その上で来年度からの実施ということを考えてございます。この点については御報告ということでございます。
続きまして,資料の4の方を御覧いただきたいと思います。資料の4-1,4-2でございますが,高大接続の改革の関係でございます。この高大接続の関係につきましては,資料4-2が高大接続システム改革会議の中間まとめでございますが,ポイントを記しました資料の4-1で御説明をさせていただきたいと考えてございます。
高大接続改革につきましては,昨年12月,この中教審におきまして答申を頂きまして,高等学校教育,大学教育,そして大学入学者選抜,これを一体的に改革を進めていくということが求められているわけでございます。
その中で,文部科学省におきましては,その答申の内容を踏まえて,具体的に進めていくための重点施策とスケジュールを明示いたしました高大接続改革実行プランというものを作りまして,そのプランに基づいて,今,検討を進めているわけでございますが,この具体策の検討につきましては,高大接続システム改革会議というものを立ち上げて,これまで6回に渡り御議論を重ねていただいております。これまでの議論を整理した中間まとめ,9月15日に取りまとめ,公表となりましたので,その内容について,このポイントで御説明をさせていただきたいということでございます。
この趣旨でございますが,これはこれまでも既に出ております。繰り返しは避けますが,いわゆる学力の三要素と言われております知識・技能,それから思考力・判断力・表現力,それから主体性や協働性というようなこと。こういうことについて,小中学校での教育を踏まえて,高等学校,大学においても,その具体化を図っていくということ。そのために一体的な改革を進めていきたいというのが趣旨でございます。
そういう意味で,それぞれ高等学校と大学入学者,大学教育改革,それぞれの箱が下に三つございますが,それぞれ学力の三要素ということの定着ということをメーンのテーマとしているわけでございます。
そして,まず高等学校教育改革でございますが,この点につきましては,ここにございますように,取り組むべき方策のところで御紹介をしたいと思いますが,いわゆるPDCAを回すという観点からいいますと,プランの前提としての教育課程の見直し,この点は先ほど来御議論があったところでございます。それから学習指導の方法の改善と教員の指導力の向上という「Do」の側面。それから「Check」の側面の多面的評価の推進というようなこと。これはそれぞれ高等学校教育の中で充実をしていくと。多面的な評価の中では,高等学校基礎学力テスト,後ほど御紹介いたしますが,それに限らず,農,工,商業などの校長会が行っている検定試験であるとか,民間検定とか,そういう多様な評価ということが記されているわけでございます。そして,こういうPDCAサイクルを回していくという上で,そのために,一つ活用される材料としての要素としての,高等学校基礎学力テストというものの導入ということの検討も行っているところでございます。
高等学校基礎学力テストについては,具体的な内容は,この資料4-1の4ページのところを開いていただければ,有り難く存じます。一度,A3の長いものは閉じていただいて,その後,別紙1,別紙2,別紙3とございます。それを飛ばして別紙4のところが,高等学校基礎学力テストの,今,検討しているところの概要ということになるわけでございます。その中で,基本的事項,対象者,学校単位での参加を基本とする,あるいは具体的な制度設計については,学習指導要領の改訂スケジュールも考慮して,下にございますように,平成31年度からと平成35年度からの二つに区分をして,考え方の整理をしているわけでございます。
31年度からの現行学習指導要領下での具体的な制度設計でございますが,対象教科・科目については,円滑に導入する観点から国語・数学・英語での実施であるとか,あるいは問題の内容,あるいは出題・回答・結果提供方式としての記述式やCBT-IRTの導入などの検討の問題。それから実施回数・時期の問題などについて,記述をしてございます。
また,次のページになりますが,受検料の低廉な設定の検討であるとか,活用の在り方について,高校での指導改善や教育施策の改善での活用などです。あるいは民間の知見の活用などを記述してございますし,また,35年度からの次期学習指導要領下での対象教科・科目,活用の在り方についても提言されてございます。細かいところまでは具体的に触れられませんが,ここに記述がございますので,また御参照いただければと思います。
それから,また本体のA3横長の表紙のところの,資料4-1のポイントの横長のところに,もう一度戻っていただきたいと思います。ここでは,次に一つ箱を飛ばして,右側の箱の大学教育改革のところでございます。
大学教育改革につきましては,いわゆるここでは三つのポリシーということが言われてございます。学位授与の方針としてのディプロマ・ポリシー,教育課程編成・実施の方針としてのカリキュラム・ポリシー,入学者受入れの方針としてのアドミッション・ポリシー,こういうものを一体的に各大学において策定をして,充実を図っていくと。そのために教学マネジメントの確立というようなことが重要であるという提案がございます。
こういうことを受けて,今後,具体的な議論を大学分科会の教育部会において行っていただきまして,今年度中に必要な法令改正やガイドラインの策定をしてまいりたいと考えてございます。加えて,このような大学教育改革が実質的なものとなるように,認証評価の改善ということについても取り組み,制度改正の具体化を図っていきたいということがあるわけでございます。大学教育改革は以上でございます。
それから大学入学者選抜改革,真ん中の欄でございます。緑の箇所でございます。高校改革と大学改革の結節点にある大学入学者選抜改革ということになるわけでございます。その中で,まず個別の選抜ということについては,先ほど述べた学力三要素を,多面的・総合的に評価するものへと転換をしていくということ。そして各大学のアドミッション・ポリシーの明確化などを図っていただくということなどを記述をしてございます。そのための体制の整備と新たなルールの構築というようなものが盛り込まれてございます。
それから,大学入学希望者学力評価テストについても具体的な提案がございます。申し訳ございませんが,この点についても,また資料,ページ7の別紙6というところを御覧いただければと思います。
別紙6,大学入学希望者学力評価テストの概要ということになります。基本的事項としては,大学教育を受けるために必要な能力について把握することを主目的として,知識・技能を十分有しているかの評価に加えて,思考力・判断力・表現力を中心に評価をすると。具体的な制度設計については,対象教科・科目について,ここではまず,次期学習指導要領下での新しい科目の構造などに着目して,地歴公民,あるいは数理の関係,あるいは国語の関係,英語,情報など,新しい指導要領の趣旨を十分生かす形での制度設計を考えていきたいということがあるわけでございます。
それからその次のページ,8ページ目には,次の指導要領に至るまでの現行指導要領下での改善の内容ということを記述をしてございます。そしてその中で,出題・解答方式や,その中の記述式やCBTの導入ということなどについても記述がございます。
大変駆け足になりましたが,時間の制約がありますので,以上,中間まとめでございますが,今後はこの会議の下にワーキング・グループを立ち上げまして,更に具体的な評価の在り方等を御審議いただいて,最終報告に反映をしていきたいと考えてございます。また,この後にまた御説明がございますが,概算要求でも具体化に向けた必要な研究開発の項目などについての予算要求も盛り込んでいるところでございます。
以上,雑ぱくでございますが,御説明とさせていただきます。よろしくお願いいたします。

【北山会長】
ありがとうございました。本件は御報告ということでございますが,委員の皆さんから,何か質問はありますでしょうか。よろしいですか。
それでは,本日の最後の議題になりますが,議題5,来年度の文科省の概算要求と,税制改正要望事項についての御説明でございます。
まず,増子会計課長からお願いします。

【増子大臣官房会計課長】
それでは御説明いたします。資料5-1,28年度の概算要求のポイントのペーパーで御説明させていただきます。
平成28年度の要求額5兆8,552億円でございまして,対前年度5,249億円増で要求してございます。なお,下の枠でございますが,文教関係につきましては,3,103億円の増額で要求させていただいております。
2ページ目以降,具体的内容でございます。最初の丸でございます「教員の質と数の一体的強化」ということで,義務教育費国庫負担金につきましては,要求段階で121億円の減要求になってございます。これは教職員の若返り等による給与減が119億円ございまして,ほぼその額が減額になってございます。なお,教職員定数の自然減でございますが,3,100人ございますが,定数の改善増ということで,3,040人ほど増要求をさせていただいております。内訳につきましては,下の1ぽつ,2ぽつ,3ぽつに書いてございますような内容で,3,040人の増要求をさせていただいているところでございます。
次に3ページ目でございますが,最初の丸,「教育課程の充実」につきましては,先ほどから議論がございましたように,平成32年度以降の学習指導要領の改訂に向けた検討費用等で,8億円の増額でございます。二つ目の丸,「道徳教育」につきましては,「私たちの道徳」を引き続き配付するということと,平成28年度は,映像資料の作成等で,新規の2億円というものも計上してございます。最後の丸でございますが,「いじめ・不登校対策」につきましては,スクールカウンセラー,それからスクールソーシャルワーカーの配置を大幅に拡充するということで,12億円増の要求をさせていただいております。
次,4ページ目でございます。最初の丸,「特別支援教育の充実」につきましては,インクルーシブ教育を引き続き推進するということで,特に特別支援教育の専門家,特に看護師を1,000人増員するなどということで,18億円の増額要求をさせていただいております。また,二つ目,三つ目に書いてございます,「キャリア教育・職業教育の充実」や「ICT活用の教育」につきましても,所要の増額をさせていただいているところでございます。最後の丸でございます。「新しい時代にふさわしい教育制度の柔軟化の推進」ということで,三つほど柱がございます。一つは小中一貫教育の推進ということで,まだ未設置県が幾つかございますので,その辺,全県に拡充するということと,フリースクールで学ぶ子供への経済的支援の調査研究ということで,新規の項目も入れてございます。また,最後の夜間中学につきましても,まだ未設置県が30県ございますので,その辺の支援も含めて増要求をさせていただいてございます。
次,5ページ目でございますが,「高大接続改革の推進」,先ほど高等教育局長から御説明あった内容を実現するための経費といたしまして,72億円の要求を出させていただいているところでございます。次に,「学校・家庭・地域が連携した絆(きずな)づくりと活力あるコミュニティーの形成」ということで,一つ目が厚労省と一体的に進めております「放課後子ども総合プラン」の推進,さらには,二つ目に書いてございますように,土曜日の教育支援体制の構築につきまして,すべての小中高についての支援校区を増やすというような要求もしてございます。また,最後に,地域コーディネーターの配置も拡充すると同時に,新たに統括するコーディネーターの配置も新規に要求しているところでございます。
次に6ページ目でございます。最初に「国立大学改革の推進」ということで,国立大学法人の運営費交付金につきましては420億円の増要求をしていますが,これについては,特に三つの重点支援の枠組みを新設するということで,その新設の経費で404億円ほど新規に計上してございます。また,私学助成関係で588億円増要求しておりますが,内訳としましては,私立大学等の経常費補助として122億円,さらに,三つ目の丸に書いてございますように,公立学校に比較して耐震補強が遅れております私立学校の施設設備の整備ということで,431億円ほど増要求をさせていただいているところでございます。
次,7ページ目でございますが,グローバル人材の育成につきましては,スーパー・グローバル・ハイスクールの拡充等に含めまして,19億円の増要求をさせていただいているところでございます。二つ目の丸,留学生交流の充実につきましては,双方向交流の推進ということで,協定の派遣型,受入れ型について,それぞれ拡充した要求をしてございます。また,最後の専修学校につきましても,学習と実践を組み合わせた教育手法を開発するということで,新規要求をさせていただいているところでございます。
次,8ページでございます。学びのセーフティネットの構築につきましては,幼児教育の無償化へ向けた段階的取組ということで,これにつきましては,予算編成過程,年末に向けて関係省庁と検討するということで,事項要求のみさせていただいております。また,子供の貧困対策につきましては,地域未来塾の拡充等により,15億円ほど増額してございます。それから高校生等への修学支援につきましては,前年同額要求でございます。
次,9ページでございますが,奨学金の充実につきましては,有利子から無利子への流れの加速ということで,特に28年度につきましては,資格があるのですけど枠がないため有利子に回っていた残存適格者3万人を解消するということを中心に,大幅な増要求をさせていただいているところでございます。また,二つ目の授業料減免につきましては,国立大学,私立大学,専門学校ともに減免枠の拡充ということで,増要求をさせていただいているところでございます。
次,10ページ目でございますが,学校施設の老朽化対策につきましては,特に最初の丸,公立学校につきましては,27年度で耐震化がほぼ終了いたしますので,今後は遅れておりました老朽化対策とかトイレ改修とか,そういう環境改善に取り組むということで,1,500億円ほど増額要求をさせていただいているところでございます。
次,11ページでございますが,スポーツ関係でございますが,367億円ということで,77億円の増要求をさせていただいております。内訳といたしましては,2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた準備といたしまして,次世代のアスリートの発掘等の競技力向上の経費等を大幅に拡充してございます。また,スポーツ庁設置によるスポーツ施策の総合的推進ということで,37億円ほど増要求をさせていただいております。なお,米印に書いてございますように,国立競技場の改築に関するものにつきましては,予算編成過程において検討するということで,これにつきましても事項要求をさせていただいているところでございます。
なお,12ページ以降,文化芸術関係,科学技術関係の予算が書かれておりますが,時間の関係もございますので省略させていただきます。以上でございます。

【北山会長】
ありがとうございます。
柳政策課長,お願いします。

【柳大臣官房政策課長】
引き続き,資料5-4によりまして,文部科学省の税制改正要望について御説明させていただきます。資料の1番目にありますように,三つの柱建て,寄附税制の拡充,教育・スポーツ・文化・芸術の振興,その他制度改正ということで,三つの柱で要望しております。
めくっていただきまして,1ページ目,国立大学法人等への個人寄附に係る税額控除の導入でございます。現在,学校法人につきましては,税額控除と所得控除の両方をそれぞれ選択制によって選択できるということで,両方,制度として用意されております。これに対しまして国立大学法人につきましては,現在,所得控除のみとなっております。比較的低額の寄附を頂いた場合に有利となる税額控除について,是非導入したいと考えております。
次,2ページ目でございます。学校法人への個人寄附に係る所得控除上限の引上げでございます。現在,総所得の40%を限度としておりますところ,米国同様ということで,50%に引き上げたいと思っております。3番目でございます。日本私立学校振興共済事業団への指定寄附範囲の拡大でございます。スキーム図に書いてございます上段の部分,学校法人を指定して法人が寄附いただいた場合には全額損金算入できるという制度ですが,新しく私学事業団の中に,若手・女性研究者奨励金という基金のようなものを設けます。ここに対しても,法人から寄附された場合に,同様に全額損金算入できるという形で制度ができるよう要望しておるところです。
次のページ,3ページ目でございます,特定国立研究開発法人への寄附に係る税制措置の創設ということで,現在まだ法律ができておりませんが,独立行政法人の一形態であります研究開発法人について特に優れたものを特定国立研究開発法人とできた場合には,それに伴う税制上の優遇措置を設けていただきたいというものです。
次の4ページ目でございます。教育,スポーツ,文化芸術の振興関係ですが,現在,学生支援機構が行っております貸与型の奨学金につきましては,既に非課税措置がとられておりますが,公益法人などが実施する貸与の場合の奨学金に,印紙税を非課税措置にしたいと。貸与する場合の借用証書等に,金額に応じて印紙を貼らなければいけないという制度になっておりまして,この印紙税を非課税としていただきたいというものでございます。
次の2番目でございます。厚生労働省におきましては,従来から健康増進という観点でたばこ税の増税を要望したところ,我が省といたしましても,下に書いてございますように,WHOとIOCとの2010年の合意で,たばこのないオリンピックを目指していくということから,2020年のオリンピックを念頭に,厚生労働省と共同で,たばこ税の増税要望を出しております。
次のページにまいります。5ページ目,ゴルフ場利用税の廃止でございます。来年のオリンピックから正式競技となるゴルフにつきまして,消費税との二重課税の解消という観点で,廃止を求めております。4番目,重要有形民俗文化財,これを国,地方公共団体に対して譲渡した場合に,現在,2分の1が譲渡所得に対して免税されますが,来年期限が来ますので,その適用を2年延長するというものです。
その次の6ページ目でございます。制度改正ものとしまして,今回の通常国会で成立しました学校教育法の改正に伴いまして,「義務教育学校」が創設されました。これに対しまして,従来の小学校・中学校に適用されていた税制上の優遇措置を,「義務教育学校」にも同様に講じていただくという要望でございます。2番目,3番目につきましては,独立行政法人の統合・再編に伴う従来の措置の継続をお願いするものでございます。
以上でございます。

【北山会長】
以上,概算要求,税制改正要望事項についての御説明でございました。
それでは時間でございますので,本日の議題はこれまでにしたいと思います。次回の日程につきましては,事務局から御連絡いたします。
本日は,どうもありがとうございました。

―― 了 ――

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生涯学習政策局政策課

-- 登録:平成28年01月 --