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中央教育審議会(第90回) 議事録

1.日時

平成26年3月28日(金曜日) 13時30分~16時00分

2.場所

文部科学省 「第二講堂」(旧文部省庁舎6階)

3.議題

  1. 高大接続特別部会及び初等中等教育分科会高等学校教育部会の審議状況の報告について
  2. 大臣との意見交換
  3. その他

4.出席者

委員

 安西会長、小川副会長、北山副会長、相原委員、五十嵐委員、生重委員、浦野委員、尾上委員、河田委員、菊川委員、北城委員、櫻井委員、篠原委員、白石委員、高橋委員、田邉委員、長尾委員、橋本都委員、早川委員、無藤委員、森委員、吉田委員

文部科学省

 下村文部科学大臣、上野文部科学大臣政務官、板東文部科学審議官、土屋文部科学審議官、大槻総括審議官、岩瀬政策評価審議官、清木生涯学習政策局長、吉田高等教育局長、久保スポーツ・青少年局長、藤野生涯学習総括官、他

5.議事録

【安西会長】
 ただいまから、第90回中央教育審議会総会を開催させていただきます。お忙しいところ御出席いただきまして誠にありがとうございます。
 本日は御多忙の中、下村大臣に御出席いただいております。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 上野大臣政務官も御出席の予定でございます。
 それでは、本日の議事でございますが、第7期中教審も折り返しを過ぎまして、残り1年足らずになっております。そこで、下村大臣との意見交換の時間を是非取らせていただければということで、下村大臣に本日はお時間を長く頂いております。その後、高大接続特別部会、それから初等中等教育分科会の高等学校教育部会の審議状況の報告について説明、意見交換を行わせていただきます。さらに、第2期教育振興基本計画の進捗状況についても御報告を頂くというふうに予定いたしております。
 本日は報道関係者から、会議の全体につきまして、カメラ撮影を行いたい旨、申出がございまして、これを認めておりますので、御承知おきいただければと思います。
 それでは、議事に入らせていただきます。まず、本日の配付資料について事務局からお願いします。

【藤野生涯学習総括官】
 お配りしております会議次第のとおりでございますが、資料1から資料5を御用意させていただいております。このうち、資料5でございますが、皆様方に既にメール等でお知らせしているところでございますが、前回の2月17日の総会以降、中央教育審議会運営規則等に基づきまして、総会を経ないで分科会に直接行われた諮問について、御報告するものでございます。よろしく御承知いただければと思います。
 また、参考資料2から5でございますが、各分科会の審議の状況についてまとめた資料でございます。適宜御参照していただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

【安西会長】
 ありがとうございました。配付資料はよろしいでしょうか。
 それでは、まず、下村大臣との意見交換を行わせていただければと思います。先ほど申し上げましたように、今期の中教審も、平成25年2月に始まりましてから、約1年を経過しております。これまで、今後の教育の課題全般について幅広く意見交換を行う機会はありませんでしたので、今般、その機会を設けさせていただくことにいたしました。本日は大臣が、大変御多忙の中、15時前ぐらいまで、この総会に御出席いただけると伺っております。この機会に下村大臣から教育再生の実現に向けてというお話を頂きまして、その後、委員の皆様との意見交換をさせていただければと存じます。
 それでは、下村大臣、よろしくお願いいたします。

【下村大臣】
 本日は第90回という記念すべき中央教育審議会総会に、このような時間を作っていただいておりますことを、委員の皆様方に感謝申し上げたいと思います。
 冒頭に私の方から、二、三十分、資料に沿ってお話をさせていただいた後、委員の皆様方から忌たんのない御意見等を出していただければ大変有り難いと思います。このような機会を作っていただきましたことを、安西会長をはじめ、皆様方に感謝申し上げたいと思います。これから御説明いたしますが、中教審で多岐にわたるテーマについて諮問を、今もさせていただいておりますし、これからもさせていただきたいと思っております。そういう中で、今の我が国における教育についての共通認識といいますか、共通理解をコンセンサスとしても得られれば大変有り難いという思いで、本日、このような時間を作っていただきました。
 それというのも、安倍内閣においては、経済再生と並んで教育再生が我が国の最重要課題でございます。今国会も中教審で答申を受け、いよいよ来月から教育委員会制度についての法案審議が国会でありますし、その後も、大学のガバナンスについてのものがあり、今まで以上に、国会において、教育関係の重要な法案が山積をしているところでもございます。そして、これから更に、教育再生実行会議でいろいろな議論をしていただいた中で、中央教育審議会に諮問させていただくことがたくさんございますので、マクロ的な視点から、今教育がどんな状況にあるのかというところの中で、今までの延長線上における議論ということでなく、大きな、時代的な転換期の中で、未来志向の中でのあるべき教育改革とは何か。例えば、道徳教育は、今までの延長線上でない道徳教育。これからの我が国に要請される道徳教育は何か、これは道徳教育だけではなく、大学入学試験改革も含めて、既に議論していただいているわけでありますが、こういう背景について、私の方から資料にのっとってお話をさせていただければと思います。
 それだけ、我が国において、危機的な状況があり、ある意味では、もうラストチャンスだと。このときにしっかりとした制度改革をしていかなければ、二度と日本を活力ある国に取り戻すことは不可能ではないかという危機があるわけでございます。
 本日はお手元に教育再生の実現に向けてという資料1がございますが、まず、現在の教育における現状と課題について、この資料に沿って共通認識が得られればということで作らせていただきました。
 第1に、資料の2ページを御覧になっていただきたいと思いますが、名目GDP、一人当たりのGDPの順位の推移になります。我が国の名目GDPはほかの国が大きく伸びてきているのに対し、この20年間、横ばいの状態であります。そして2010年には5.8%であった世界のGDPに占める日本の割合は、推計によると2030年には3.4%、2050年には1.9%落ち込むものと想定がされております。
 また、一人当たりのGDPの順位も、1993年にはOECD加盟国の中で、第2位だったものが、2011年には第14位と大きく順位を落としておりまして、グローバル化が急激に進展する中、我が国の国際的な存在感の低下がますます懸念されるところでございます。
 第2に、資料の3ページでございますが、留学生数の推移のデータを掲載しております。外国から日本にやってくる留学生は14万人前後で、頭打ちの状態であります。また、外国の大学等に在籍する日本人学生は2004年をピークに減少し、現在では6万人を切る水準となっております。グローバル人材の育成が急務となっている現在、これは憂慮すべきことでございます。
 本日は最後まで出席できないというのも、実はこの後、アメリカのケネディ大使と一緒になって、これは初めてのことですが、明治大学で日米の留学生希望者、あるいは留学生を対象に、留学キャンペーンを行うことになっておりまして、アメリカにも協力してもらいながら、積極的な留学支援をしていきたいと思っております。
 第3に、資料の4ページでありますが、生産人口の減少と高齢化の割合の推計データであります。推計によれば、約50年後には生産人口は半減する上、人口全体が現在よりも3割減、また、4割が65歳以上の高齢者となるなど、急激な少子化、高齢化の進展に伴い、社会全体の活力の低下が懸念されます。
 第4に、資料5ページでございますが、親の収入と大学進学率に相関関係があることを示すデータであります。また、OECD加盟国の平均と比較して、我が国は就学前教育と高等教育で大きな私費負担が生じているというデータも併せて載せております。これらのデータから、家庭の経済格差が教育格差につながることや、格差の固定化が憂慮されるものであります。
 第5に、資料6ページでございますが、我が国の子供の貧困率がOECD平均13.3%よりも2ポイント以上高く、しかも年々悪化しているというデータであります。このような子供の貧困率の上昇が社会の不安定化を招くのではないかと懸念されます。
 第6に資料7ページであります。国際的な意識調査によれば、「自分はダメな人間」であると考える高校生が、米国52.8%、中国39.2%、韓国31.9%であるのに対し、我が国は83.7%と非常に高く、しかもその割合は毎年、毎回増加傾向にあるというデータであります。日本の子供の自己肯定感の低さが示されておりまして、子供たちが自分自身に誇りと自信を持ち、前を向いて歩いていけるようにしていくことが重要でありまして、これは一般的に、謙虚さの表れではないかということがよく言われたりしますが、そういうレベルではないと、深刻な問題であると思っております。
 それから、第7に資料8ページでございますが、日米の大学生の1週間当たりの学修時間を比較しております。学修時間が5時間以下の学生が全体の66.8%、学修時間が0時間の学生だけを取り上げても約1割存在するなど、日本の学生の学修時間が非常に短く、学生の主体的な学びが不十分な状況にあることが示されております。端的に言えば、米国の学生の半分ぐらいしか日本の学生は勉強していないということであります。
 次に第8、資料9ページを御覧になっていただきたいと思います。大学型及び非大学型の高等教育機関における25歳以上の学生の割合を諸外国と比較しております。大学型では諸外国平均の約2割を大きく下回る2%、非大学型でも諸外国平均の約4割の半分以下であります16.6%と非常に少なくなっております。知識基盤社会への対応の必要性が指摘されている中、我が国においては、社会人の学び直しが進んでいないことがこの表からも分かるわけでございます。
 これらの八つの課題と関連するデータは、教育をめぐる現状と課題のごく一部でありますが、いずれも重要な課題であると思います。天然資源が豊かな国々とは異なり、我が国は人材こそが最大の資源であり、早急にこれらの課題に取り組む必要があるわけでありまして、これが我が国における待ったなしの危機的な数字、データであるということを申し上げたいと思います。このまま手をこまねいていては、取り返しの付かない事態に陥るという危機感は、もう既に中教審の委員の皆様方とも共有できているのではないかと思いますが、それでは、この危機的な状況を打破するために、我々はどのようなことをすべきかということについてお話を申し上げさせていただきたいと思います。
 資料の11ページを御覧になっていただきたいと思います。
 先ほど紹介いたしましたような危機的な状況を乗り越え、我が国が世界に肩を並べて、成長・発展していくために必要なのは、世代を超えて、全ての人たちで子供・若者を支えることにより、家庭の経済状況や発達障害等を含む、発達の状況などにかかわらず、意欲と能力のある全ての子供・若者が質の高い教育を受け、一人一人の能力・可能性を最大限伸ばして、それぞれの夢にチャレンジできる社会の実現であると考えます。その際、東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年は、1964年の前回大会がそうであったように、日本が今後進む方向性を形作る、我が国にとっての大きなターニングポイントになると考えられます。この2020年までに何ができるかを検討し、速やかに実行していくことが求められると思います。このことを別の角度から見てみたいと思います。
 資料12ページを御覧ください。
 日本再生には個人の充実の側面から、一人一人の豊かな人生の実現と、社会の充実の側面から、成長し続け、安全で安心して暮らせる社会の実現、この二つを実現することが必要です。そして、これら二つを同時に実現することができるのは、正に教育の充実しかないわけであります。
 そのためには、教育の質を向上し、一人一人が持つ可能性・能力を国内外で最大限伸長させることにより、個々の人生を豊かにするとともに、生産年齢人口が減少する状況の中で、一人一人の生産性を向上させることで、社会全体を一層発展させていくことが重要となります。
 また、教育の機会を増大させ、経済的、時間的、地理的制約などによることなく、挫折・困難を抱えた子供・若者や、再チャレンジを目指す女性・高齢者などの意欲ある全ての人が社会参画できる環境を構築することは、個々の人生を豊かにするとともに、人材の有効活用につながり、生産年齢人口の減少による悪影響を緩和することにつながってくると思います。
 加えて、子育ての不安要因として、教育費負担が重いことを挙げる人が多いという現状を踏まえた教育費負担の軽減は、子育ての不安要因を取り除き、ひいては出生率の向上につながります。出生率が向上すれば、少子化に伴う生産年齢人口の減少等の社会問題の解決にもつながってまいります。また、教育費負担の軽減が、意欲ある全ての人が必要な教育を受けることに寄与することから、個々の人生を豊かにするものであるということは言うまでもないわけであります。
 すなわち、人材こそが最大の資源である我が国が、今後も成長し続け、国民一人一人が豊かな人生を送るためには、未来への投資である教育の充実こそ、最も重要なものだと考えます。
 資料13ページ、そして14ページを御覧になっていただきたいと思います。教育の質の向上による、一人一人の可能性の伸長について、少し詳しく、考え方と目指すべき方向性を示しております。
 この目指すべき方向性においては、課題解決型・双方向授業実現のための少人数教育の推進などを内容とする、主体的・能動的な力の育成、小・中・高等学校における英語教育の強化などを内容とする、世界で活躍できるグローバル人材等の育成、教育の質の向上のためには、それぞれ支える組織や学校をしっかりしたものにする必要があることから、教育委員会の責任体制の明確化等を内容とする、教育におけるガバナンスの確立と責任体制の明確化という三つの柱に分けて今後必要な施策を整理しております。
 資料15ページ、16ページでありますが、これは教育の機会の増大による一人一人の可能性の伸長について、考え方と目指すべき方向性を示しております。この目指すべき方向性においては、実践的な職業教育の推進などを内容とする、生涯学習、学び直しの促進、幼児教育の段階的無償化などを内容とする教育費負担の軽減、放課後子どもプランや土曜日の教育活動等を内容とする、地域社会等による教育の充実、特別支援教育の推進という四つの柱に分けて、今後必要な施策の方向性を整理しております。
 先ほどもお伝えしたように、安倍内閣における政策課題の二本柱は、経済再生、教育再生であるわけです。この教育再生のための原動力として、昨年、教育再生実行会議が設置され、これまで四次にわたる提言を頂いており、現在も審議を続けていただいております。
 資料18ページを御覧になっていただきたいと思います。教育再生実行会議のこれまでの四次にわたる提言を左側に、その提言を受けた取組を右側にまとめております。この中には中央教育審議会において、現在、御審議いただいているものや、既に答申を頂いているもの、既に具体的な対応策が取られたものも含まれております。また、現在、教育再生実行会議では、第五次提言に向け、義務教育や無償教育、学校段階の区切り、職業教育等の論点を含む学生の在り方について審議が行われておりますが、今後中教審へ諮問させていただく事項も出てくるかと考えております。
 資料19ページから22ページにかけては、参考資料として主な文部科学行政施策を44項目にまとめております。これは私が文部科学大臣、そして教育再生担当大臣に就任をさせていただいて、今、1年3か月になろうとしておりますが、就任した直後に作ったものは37項目でございましたが、途中で増えておりまして、現在44項目になっております。
 御覧になっていただきたいと思いますが、20ページのところは教育再生、教育分野で、1の高校無償化の見直しについては、昨年秋の臨時国会で見直しをし、来月の4月から公私間格差の是正や低所得者層に対する更なる教育費の負担軽減、また初めて給付型奨学金を高校から導入することを、この4月から始めますが、そのようなものが入っておりますが、この高校無償化の見直しをはじめ、ここに書かれてあるような改革を、今、同時に進めているところでございます。
 そして、21ページは、20から26がグローバル人材育成関係でございまして、あらゆる手立てを打ってグローバル人材の育成を図ってまいりたいと思います。
 そして、27から30はスポーツ・文化関係で、このような形を取っておりますが、特にこの中で、私はオリンピック・パラリンピックの担当大臣でもございますので、スポーツだけではなく、文化芸術も是非、2020年に向けて、幅広い、そして東京一極集中を加速させるということでなく、日本全体を活力ある文化芸術立国として2020年をターゲットイヤーとして取り組むことをしていきたいと考えておりますし、先日、発表された組織委員会においても、文化芸術分野から理事に入っていただいているということも、そういう趣旨で進めているところでございます。
 それから、31から39が科学技術関係でございまして、このような科学技術イノベーションが世界で最高の環境作りをすることによって、新たな研究開発や科学技術が我が国で起こっていくようなバックアップを国として取り組んでまいりたいと思います。
 また、40、41は行政改革・規制改革関係、そして42、43。43は今、教育財源確保策(教育目的税含む)の検討ですが、これも本日までになっておりますが、今、文部科学省の中で、約20人の学者の方々、経済人の方々に、この教育の公財政支出、教育財源を確保することによって、これから我が国における教育の機会均等、ハンディキャップをなくしていきながら、チャンスや可能性を提供するために、どの分野にどれだけの財源を確保する必要があるか、その財源はどこから持ってくるかということについて、私的勉強会的な形で省内の中で進めておりますが、取りまとまれば、改めて機会があるときに、中教審の委員の先生方にも御説明をさせていただければと思っております。
 このうち、赤い字で書かれているものは中教審で今、審議していただいているもの、青い字で書かれているものは、中教審で最近答申、取りまとめがなされたものでありますが、いずれもスピード感をもって取り組むべき事項でもあるのではないかと思います。
 次に、今後の中央教育審議会の主な審議事項のイメージについて御説明申し上げたいと思います。別のプリントの用意をさせていただいていますので、御覧になっていただきたいと思います。
 まず、高大接続・大学入試改革についてでありますが、本件については、3月25日に審議経過報告が取りまとめられ、本日、この会議において、この後、御報告いただけるものと承知をしております。
 次に、2の教育課程の改善でございますが、その趣旨は、今後の社会を生きる力として求められる資質・能力とは何かを明確化した上で、基礎的・基本的な知識・技能と、それを基盤とした思考力・判断力・表現力、主体的な学習意欲などの確かな学力を一人一人に育成することを目指し、特に主体的に学ぶ力、リーダーシップ、企画力・想像力などのクリエイティブな能力、感性や優しさ、思いやりについても重視した教育課程の在り方を検討していただきたいと考えております。この教育課程の改善のうち、2-1の道徳の教科化については、既に諮問しており、今年の秋頃を目途に答申をまとめていただくよう、お願いしているところでもございます。
 また、次のページの2-2でありますが、学習指導要領全体の改訂(英語教育を含む)のところについてでありますが、幼・小・中・高・特別支援学校の次期学習指導要領全体について検討していただきたいと考えております。その際、学習指導要領全体の構造についても、今後、育成すべき資質や能力、それを育成するために必要な各教科等の目標・内容、学習評価の在り方をセットにして見直すほか、小・中・高を通じた系統的な英語教育の改革などの、項目を中心に全般にわたって検討していただきたいと思っております。この中では小学校3年生からの英語教育の導入、それから高校においては、日本史の必修化や、新科目「公共」、それから英語教育を導入するに当たって、同時に日本人としてのアイデンティティ、日本の伝統、文化、歴史、これをどう教えるかということでありますが、この学習指導要領の改訂に当たって、新たな教科等の検討だけでなく、同時に今までのような、教師が一方的に黒板で教えるというようなことではなくて、授業形態も双方向的な部分、子供たちの主体性を更に生かしながら、コミュニケーション能力を身に付けながら、あるいは発表能力を身に付けながら授業をするかという意味では、今までの延長線上における学習指導要領の改訂というよりは、そもそも抜本的な、これからの21世紀にふさわしい学校教育とは何か。明治以降続いてきた教育の内容そのものも併せて、抜本的に変える中での教科の在り方、それから教材の在り方、その中における学習指導要領はどういうことを目指すべきかということについて、是非中教審で審議をしていただければ大変有り難いと思います。
 次に、3の教師力向上のための養成・採用・研修の改革についてでありますが、養成段階から初任段階を見通した実践力のある教員養成の実現、管理職や事務職員等の資質能力の向上による学校の組織運営の改善に向けた検討を行っていただきたいと考えております。
 これも、今の教師で必要な、例えば発達障害児の割合が増えている中で、その子供たちに対してどういう教育をきめ細かく教えていくかということだけでなく、そもそも6-3-3制の見直しが今、議論されておりますので、その中で今までの延長線上での小学校における教諭の在り方、中学校における在り方そのものが大きく変更してくる。既に小学校の5、6年段階で、例えば英語教育の教科化を打ち出しておりますが、そういう意味で、今までの中学校の先生、小学校の先生というよりは、新たな制度設計の中における、各発達段階、あるいは各学校における教師の在り方はどうなのかということを同時並行で議論をしていただかないと、トータルパッケージとしての整合性が取れなくなることがあるということで、本日は全体像についてのお話をさせていただいているわけでございます。
 それから、4でございますが、学制改革です。これは今、申し上げましたが、現在、教育再生実行会議で審議中でございます。教育再生実行会議の提言後に必要な事項について御審議を頂きたいと考えております。
 教育再生実行会議において、現在は、そもそも義務教育年限をどうするかと、もう少し延ばすか、短縮するか、現状でいいのかどうかを含めた義務教育年限のそもそもの問題、それから、無償教育期間があります。必ずしも義務教育に連動させないで義務教育は義務教育、しかしそれ以外にも、無償教育期間をもっと拡大すべきことが必要かどうかという議論。それから、先ほど申し上げました6-3-3の学校段階の区切りについて、明治のときに決めたものであり、今の子供の発達段階としてそれが適切なのかどうかという議論。また、高等教育、職業教育について、それから、4として先ほど申し上げましたが、学制改革に応じた教師の在り方について、そして、学制改革に必要な条件整備、そういう五つの論点について、今、検討が進められております。
 最後に、5の教育振興基本計画でありますが、現在の第2期教育振興基本計画の対象年度が平成25年度から平成29年度となっていますことから、平成30年度以降を対象とする第3期の教育振興基本計画の策定に向け、フォローアップを実施するとともに、その結果や、その他の教育政策の進捗状況を踏まえて第3期計画の内容を御審議いただければと考えております。
 ただいま説明いたしました、今後の中央教育審議会の主な審議事項のイメージについては、その概略を1枚にまとめた資料を最後に付けさせていただいております。この1枚を御覧になっていただくと、それぞれの、例えば高大接続・大学入試改革ということと、その後の将来への課題にもなっているところですが、大学等の質、量の充実をどんなふうにしていくかと、あわせて高等教育における家計費負担をどんなふうに軽減していくかということ、これは奨学金やそもそも授業の減免ということも連動させながら考えていく必要があるかと思いますが、トータルパッケージの中のそれぞれの位置付けとして、それぞれの分科会等では、ここに書いてあります項目に分けて、一番上が審議中か近く審議が見込まれるものの項目、次が、現在教育再生実行会議での検討事項であり、この中で中教審に必要に応じて諮問、答申するべきものが第7期の後半の中で出てきます。そして、将来の課題として、幼児教育の質の向上と無償化。先ほど申し上げました、2020年が一つのターゲットイヤーになってくるかと思いますので、これから6年間の中でそれぞれの問題をまず解決をしていくためにどうしていったらいいかということの中での在り方として、このような項目について取り組みたいと考えているところでございます。これを全部パッケージした上で、中教審のそれぞれの分科会等で御議論いただきながら、この先の日本におけるより良い在り方についての提言をしていただければ有り難いと思います。
 以上でありますが、教育は人々の多様な個性・能力を開花させ、人生を豊かにすることとともに、社会全体の一層の発展を実現する基盤となるものであると思います。少子化・高齢化・グローバル化など、現在、我が国が直面する様々な課題、危機、そして教育こそがこれを乗り越え、我が国を新たな時代へと導くものであると強く確信をしております。
 大臣になってから諸外国に行って、教育担当大臣と話す機会が多いのですが、今、先進諸国の中で、一言で言えば子供を幸せにするということはどういうことか、それが今までの学校教育の中でできているのかということについては、どこも悩んで苦しんでいるところでございます。
 ある意味では、1872年に始まった学制の中で、近代工業化社会を支える人材育成としての学校の役割が歴史的な役割を果たしてきたことは事実ですが、しかし、それと同じ手法がこれからの21世紀の時代に通用しないというところが、子供のいろんな不登校問題とか、あるいは、先ほどの8項目にわたる我が国の問題等と重なってきている部分があるのではないか。今までの延長線上ではとても解決できない部分について、大きな歴史的な転換期として捉え、そのときに教育がより早く、一人一人の国民、子供たちに対してどういう環境を条件として整えることができるかと、それは教育制度改革であり財源面から言える部分でもあると思いますし、また、これはどこの先進国も悩んでいるわけでありますが、あるべきこれからの学校教育とは何なのかという本質的、そして抜本的な部分でありますが、これをトータル的に考えながら、あるべきこれからの教育の在り方について、中央教育審議会で審議をしていただければということでの、トータルパッケージとして私の方から本日、概略についてお話をさせていただきました。
 あとは、是非委員の先生方から忌たんのない御意見を出していただきながら、これから更に、本日は90回の総会でありますが、中央教育審議会が実りの多い会議として発展をしていくようにお願いを申し上げたいと思います。

【安西会長】
 ありがとうございました。教育再生の実現に向けて、また中教審の審議事項、また審議の日程等も含めたイメージにつきまして、大変内容の濃い、また力強いメッセージも含めたお話を頂いたと思います。
 それでは、これから委員の皆様から御自由に御発言を頂ければと思います。大臣からも適宜御発言を頂ければと思っております。大臣の御予定もありますが、大体14時45分ぐらいまで意見交換の時間が取れると思いますので、どなたでも結構でございます。生重委員、お願いします。

【生重委員】
 生重でございます。よろしくお願いいたします。
 私は最初、杉並区で学校支援地域本部活動を始めまして、文部科学省の施策になる前から地域を挙げて学校を支援するという活動をしてまいりました。本日の大臣の御説明の中にも、そのような要素がたくさん入っていたように思います。今、現在、コミュニティ・スクールにも学校支援地域本部にも、それから放課後の活動にも、そして土曜日の活動等にも、私の地元でも活動に加わり、なおかつ各地における関わりのある方たちの研修会などをやらせていただいておりまして、常々私が感じていることで、一つお願い事がございます。
 コミュニティ・スクールも学校支援事業も、それから、放課後や土曜日の活動に関しても、文部科学省の積極的な姿勢というところで、私も生涯支援の一部局の中で、今後の放課後等の教育支援の在り方に関するワーキンググループの委員もさせていただいておりますが、いろいろな、例えば初等中等教育局で企業を巻き込んだコンソーシアム作りを考えようとか、私の審議しているところでも中間支援組織を考えていこうとか、全国にそのような各ネットワークやコンソーシアムなどが、所管課それぞれがお考えになっているように感じております。
 ただ、各地域において、子供を育てている現場を受け持っているのはごく限られた人間なので、所管の壁を越えたネットワークを作れるようなダイナミックな形のものをお考えいただければと思います。

【安西会長】
 ありがとうございました。大臣、いかがでしょう。

【下村大臣】
 おっしゃるとおりです。まず、土曜の学習の充実ということで、土曜授業を来月から全国小中高5,000校で是非お願いしたいと思って、そのために昨年11月に省令改正をしまして、今まで特別な理由があるときに土曜日は授業してもいいということだったのですが、教育委員会が判断すれば土曜日は授業できるというふうにやりやすくいたしました。
 今、文部科学省でも、私も隗(かい)より始めよで、昨年12月には地元の小学校で算数の授業を教えましたが、文部科学省の職員も8割が土曜授業をやりたいということで、アンケートに答えてくれております。また、民間企業等にも働きかけながら、あるいは民間団体、日本青年会議所、こういう団体にも協力をしてもらって、それぞれ得意とするところの土曜授業について、是非取り組んでもらいたいと思っておりますが、もっと広い意味でのネットワークやコンソーシアムという話の中で、土曜ではないのですが、放課後子どもプラン、放課後子供教室、これは文科省ですが、それから、厚労省のやっている児童施設とがうまくマッチングされておらず、それぞれ別々にやっているという部分で、安倍総理からも文科省と厚労省が一体となって放課後子どもプランについての取組を、行政の壁を取り払ってやってもらいたいと言われています。
 なかなか学校の施設が、特に放課後、児童教室等では活用されていない部分がありますので、それを是非、まずは政府における省庁の壁を取り払った一体的な取組、それから、幼児教育の3、4、5歳児の無償化についても、子ども・子育て新プランと合わせて、これは文科省と厚労省と内閣府が一体となって今、取組を進めているところでありますが、それと同時に地方自治体も組み合わせる中でやっていきたいと思います。
 国が提唱しているほど、今おっしゃったようなコミュニティ・スクール等、あるいは学校支援もそこまで広がっていないと思っておりまして、学校の先生だけで、学校で子供たちに対応するのはほぼ限界に近いぐらい大変な対応な中で、もちろん教員の数を増やせればいいのですが、今年は残念ながら教員の数は増やせませんでした。
 財務省が非常に厳しい査定をしているという限られた財源の中で、そのために新たな形としては、地域ぐるみで子供たちを育てていく、それが学校の場で、学校も閉鎖的でなく、地域にオープンで、正に地域運営学校としてこれから学校を位置付けるという意味では、コミュニティ・スクール等ももっとたくさんできなければならないと思いますし、是非それは取り組むようにしてまいりたいと思います。

【安西会長】
 ありがとうございました。それでは、浦野委員、お願いします。

【浦野委員】
 ただいまの生重委員、大臣の話とほぼかぶりますが、それだけ大事なことだと思うのです。やはり本日、お話を伺った中で、格差の固定化といいますか、家計費に占める教育費の重さというか、このことはやはり非常に重大なことだと思うのです。特に偏差値の高い大学の進学率と親の収入が相関関係にあるというのは、やはりあってはならないと思うのです。
 そう考えたときに、一つは公財政というものを教育の方に振り向けるのも一つの手なのですが、もう一つの手が今、おっしゃっていたことだと思うのです。私はやはり教育する、あるいは教育を受けることはできますが、そのことと学習するということは別ですよね。今、論じられていることは教育する側からの話ばかりなのですが、学ぶ者の覚悟といいますか、このことができていないと教育を受ける素地はできないわけです。やはり学ぶ者の覚悟というのは、家庭の教育なり、地域の教育で昔から培われてきたものがあると思うのです。それが失われているので、先ほどからの地域の話でも出ていると思うのです。
 このことを進めていく上で、もう少しこれを進めていきますと、正直申し上げて、恐らく学校の先生方が忙し過ぎて地域と一緒になれないのです。これは、学校事務の問題も含めて、あるいはいろいろなことがあるのですが、学校の先生方にはとにかく教科に集中する環境を作らないと、なかなか地域との接点も出てこないと思うのです。
 私はそういう意味で、学校の先生方が時間を本当に作れることと、それから、地域を信頼していただく、今まで教育は自分たちの役割であって、地域の役割は違うのだというようなことがあったと思いますが、是非地域の方々を信頼していただいて、これを一緒にやっていきたい。とにかく学習する側の覚悟、教育を受ける側の覚悟がしっかりしていないと、せっかくの教育改革もうまくいかないと思いますので、是非事務職員の充実を含めて、先生方の時間を生み出すようにしていただければと思います。

【安西会長】
 ありがとうございました。大臣はいかがでしょうか。

【下村大臣】
 時間もないので、何人かまとめてからお答えします。

【安西会長】
 では、続けさせていただきます。菊川委員、お願いします。

【菊川委員】
 総合的なフレームや展望を御提示いただきましてありがとうございました。勉強になりました。
 二点、要望でございます。教育の機会の拡大に関しまして、女性高齢者等の活躍促進ということで、生涯学習の機会を増やすという点ですが、私は長く生涯学習分科会に携わっておりますが、女性高齢者の本当の意味でエンカレッジする学習機会というのが、まだまだ不十分なのではないだろうかと思っております。
 それは、主として地方自治体がやるものなのか、大学がやるものなのか、その双方なのか、その辺のところがまだまだ見えていませんで、本当は高齢者であっても鍛えていく視点がとても大事だと、そのことで高齢化社会を生き抜くことが大事だと思いますが、そういうところの量的なものやシステムがいまだ不十分なのではなかろうかと思っております。
 それから、二点目ですが、今、女性の研究者の活躍を促進しようという取組が大学でも行われております。それは必要なことだと思いますが、男女の性差といいますか、それがどこまで自然なもので、どこまで人為的で、あるいは文化的なものなのかというところの検討が必要なのではなかろうかと思っております。と申しますのが、知的なもの、教科の好み等々も含めて、どこかで親や教師が文化的、人為的なものを押し付けているのではないか、あるいは、体力についても運動を女子生徒の方がしませんが、そういうところも含めて、性差のデータや分析を踏まえて、それに対応する、是正する教育を行っていくことで、活力ある10年後、20年後の世代が育つのではなかろうかと思っております。

【安西会長】
 ありがとうございました。北城委員、お願いします。

【北城委員】
 教育は相互に関連するので、大変幅広く取り上げていただいてありがとうございます。
 その中で、学生の主体的学びが不十分だという、先ほどの8ページの資料や、25歳以上の成人が大学で学んでいない実態を見て、日本の大学の国際的な競争力が本当にあるのかと疑問を感じています。学生が学ばないのではなく、教える側とか、大学の仕組みが学生の主体的な学びに余り結びついていないのではないかと思うのです。
 大学のガバナンス改革については、既に取りまとめが出されて法令改正等が行われるということですが、それに関連して学長、学部長が大学改革を推進するときに、もう一つ重要な視点として、教員の人事とか評価とか処遇をどうするかということがあります。今、多くの私学では教員は全員が一律に昇給しており、評価が処遇に関係していません。これは多くの国立大学でも同じだと思います。学長、学部長がリーダーシップを発揮するときには、人事権と予算の権限は非常に大きいのですが、人事の処遇についても今後どういうふうに取り扱っていくのかを検討する必要があります。教育再生実行会議の提言では、年俸制の導入を含めて給与の新しいシステムと書かれていますが、この点が今回まだ十分議論されませんでしたので、それを今後取り上げる必要があるのではないかということが一点目です。
 二点目は、大学の評価についてです。大学全体で世界の大学と比較してどのぐらい競争力があるかというのは時々出るのですが、本来はもっと学部とか学科でそれぞれの評価をして、どこの大学が優れた教育をしているかということを取り上げるべきではないかと思います。アメリカではそういう仕組みがありますので、日本でもそういうことをやる必要があるのではないかということです。
 三点目は、大学の資金についてです。アメリカの大学ではかなり基金の運用によって大学の教育を支援しています。日本でも国立大学を含めて、国の資金とか授業料だけではなくて、教育費用を低減する上で、もう少し基金の運用をうまく利用することの検討が必要ではないかと考えます。以上、三点です。

【安西会長】
 ありがとうございました。篠原委員、お願いします。

【篠原委員】
 これは大臣と、先ほど浦野委員から話も出ましたし、私も議論に参加した第2期教育振興基本計画にも入れていただいたのですが、やはり家庭の教育力をどう復活させるかということを、教育全体の流れの中でもう一度確認をしていく必要がある。
 例えば、この間、道徳の教材を頂きました。道徳の教材は、親も書き込めるようにもなっているようです。ああいうものが正に学校教育と家庭教育のコラボになる題材だと僕は思うので、ああいうものを大いに活用するようなガイドラインを作って、家庭の教育と学校教育を一体化させる。もっと言えば、下村大臣、やはり議員立法か何かで、家庭教育に踏み込むような何かをやらないといけないのではないでしょうか。学校教育は立派になりました、家庭教育はそのままですという感じになりかねないことを一番心配しています。
 それから、もう一つは、海外留学です。それから、日本に留学する人の受入れ。これはのこぎりと同じで、どっちがどうだというより両方増やさないといけないと思うのです。観光でもインバウンドとアウトバウンドが両方増えていって初めてのこぎりというのはひけるわけで、この両立をうまく図ることが大事です。それからあと、教育は文科省だけでなくほかの役所にも関連しています。各府省庁との連携をよくとってほしいと思います。例えば、土曜授業の復活というのは僕は大賛成なのですけど、これは観光業界の人たちに言わせると、ハッピーマンデーをせっかく作って三日間休みにして、家族で旅行してもらおうとしているときに、土曜日はみんな学校だ、勉強だとなると、ふだんの週末と同じ結局二日間しか使えないのではないかというような声も出ています。そういうほかの施策と関連のある問題は全体の整合性をとりながら、ほかの役所と連携しつつ、進めていただきたい。長くなってすいません。

【安西会長】
 ありがとうございました。長尾委員、お願いします。

【長尾委員】
 初等中等教育での学制改革のところで、6-3-3制の改革ということは大賛成なのですが、もう一つは、高等教育においても、もう少し柔軟性が持てないかと思います。学士課程卒業のためには、今の4年間の修業年数、それと124単位の卒業単位数の両方を満たす必要があるのですが、何とかそこら辺の改革を、また柔軟性が持てないかと思っております。
 学士と修士を連動した場合には5年で短年度化できるのですが、単体で大学を3年間で卒業できるかというと、修業年数4年間にひっかかってできなくなってしまいます。欧米では3年で卒業が可能になってきている中で、それが学生たちの経済的負担を緩和する形にもなっているのではないかと思います。大学によってはいろんな選択肢が選べるような柔軟性のある高等教育の改革、学制の改革も考えていただきたいと思っております。

【安西会長】
 橋本委員、お願いします。

【橋本(都)委員】
 ありがとうございます。大臣のお話は、本当に子供たちの状況を見るともっともですし、方向性の決定ということには、ある程度のスピードをもって当たらねばならないことだと思います。しかしながら、実際に何か物事を変えるということは、今いいと思ってやっている学校でも様々取り組んでおりますので、制度の大きな枠組みを変えるということは、なかなか自分たちが主体的に変える人の一人になるのだというところをやっていかないと、意図したことと、実際の中身が充実しないことにもなるのではないかと思っております。
 例えば、制度を変えるということについては、教育委員会制度などでも、初めてそれで事務局の職員ばかりではなく、深く県民、一般の方も考えるようになったということもありましたので、方向性を国民に早めに示していって論議をやっていくことと、決定してから新しい枠組みに移行する際に、どういうふうに充実させていくかというモデル校とか柔軟な過渡期を設けるとか、その辺を工夫されなければ、せっかくいい改革も中身が整わないという危惧を持っておりますので、その辺をよろしくお願いいたします。

【安西会長】
 ありがとうございました。早川委員、お願いします。

【早川委員】
 ありがとうございます。必ずしもその評価が正しいとは私は思っておりませんが、今、地方では、地元の小中学校の教育の質で不動産の価値が変わることが結構ございます。基礎自治体の中では、教育をより良い環境にするのにどうしたらいいかというのは、競争になっていると思うのです。
 それがいい方にそろえばいいのですが、そうではない、質が十分そろうことができない地域は、へき地や小さな市町村にはあるということで、それらにどう目を向けていくことができるかというのはやはり必要なことだろうと思うことが一点。二点目は、日本の義務教育は非常に優秀な中間層を作るには適していると思うのですが上位や下位の子にうまく機能しているか。一斉授業の中で見事に一人一人の個性を生かすのが、上手な先生方が確かにいらっしゃいます。
 そうした中にあっても、下位の子供たちが将来の社会的なリスクにならないよう文科省が特殊教育を特別支援教育と考え方を変えられたというのは、隅々までその考え方が行き渡り、大変いい施策の考え方を出していただいたと思うのです。他方、上位の子供たちをどう伸ばしていくかという問題ですが、飛び級とかいろいろあるのでしょうが、そうしたエリート教育ではなくて、普通の子供たちの中でそういう伸びていく子をどんどん伸ばしていく仕組みというのは、恐らく仕組みではないのかもしれませんが、先生がそういうことを生かそうという気持ちを持ったり、アイデア、やる気をうんと伸ばしていこうと先生が思うことで随分変わってくると思うのです。
 その辺りを教師の資質として非常に大切にしていかなくてはいけないと思うことと、もう一つは、自分を伸ばしていこうということが、例えば金持ちになるとか権力を握るとイコールにしてすぐ思ってしまう。そこが世の中的に、それはダーティーなことだとみんなが思い込んでしまう。より影響力を持とうとすることや、より高いレベルの人たちと交わっていこうという志などを育てる環境がすぐそばに、もっと近いところに必要だと思うのです。
 そのためには道徳を充実させることもあるでしょうし、学級担任や校長先生や地域、企業の方が、そういうことを多く語っていただいて、金持ちになるとか権力を握ることだけが自分を伸ばすことではないのだということを見極めさせることは、キャリア教育として大事なことだと思っています。そういう気分を育てないのは、国家として損失だと思います。

【安西会長】
 ありがとうございました。五十嵐委員、お願いします。

【五十嵐委員】
 ありがとうございます。大臣の「教育は未来への投資」という言葉はとてもうれしかったです。特に、教育に関わる人以外の方に、この声を届けたいです。未来への投資である教育の予算をもっともっと上げていただきたいと。私たち学校現場は、できることから日々頑張っています。是非御支援ください。
 本校では総務省のICT絆プロジェクトで一人1台の端末を配備していただいたのですが、この環境により学びが変わりました。今までの指導方法では、教師一人では限界のあったことが可能になりました。まず、特別支援を要する子供たちも含めて、全ての子供たち一人一人のニーズに応じた多様な学びが可能になります。それから、子供たち同士で、互いにどのように考えたのかが瞬時に分かり、それを意見交換しながらどんどんと考えを深めていける、そして最終的には、子供たち自身の力で新しい考えを作り出してく、そういった新たな学びができるのです。正に今、高等学校や大学で目指している学びが、小学校でも実現可能なのです。
 このICT環境を与えていただかなければ私たちは気付きませんでした。ですから、教師の役割も自然に少しずつ変わってきます。もちろん今までのように一斉指導は大事です。押さえるべきところはしっかり押さえなくてはいけないです。でも、その上に立って、学びをコーディネートしていく役割が新たに必要になります。多様な学びに応え、力を伸ばす、これが教師の専門性だと思うのです。一人一人の様子からどう判断して、ナビゲートしていくか、これこそ教師しかできない力だと思うのです。
 この環境で築いた先進校の小さな歩みを是非見ていただきたいと思います。新たな学びに変えていくためには、現状では課題があります。英語、道徳、防災など新しく求められていることもたくさんありますから、今の既存の教科の枠組みでは無理があります。内容を増やしていくのではなく、大臣のおっしゃったように延長線ではなくて、教科の組替えも視野に入れて、新しい学習指導要領をきちんと作り出していくことが大切だと思います。知識を断片的ではなくて横断的に統合した、そして子供たちが考えて判断できる、そんな学習内容と方法をしっかりと議論し、形式だけではなく本質的にこれからの時代を生き抜く子供たちに力を付ける教育にしていただけたらと思っています。
 そのためにお願いしたいことがあります。学校の学びについては、学習指導要領を束ねていらっしゃる初等中等教育局でしょうし、教員を養成することは高等教育局でしょうし、実際に免許法についてはその部署があるでしょうし、教育環境、ICT機器の方は生涯学習政策局と、文部科学省の中でも多課にわたっていると思いますので、またオール文科省で学びを変える応援体制を是非お願いしたいと思っています。頑張る学校現場を応援してください。よろしくお願いいたします。

【安西会長】
 ありがとうございました。相原委員、お願いします。

【相原委員】
 冒頭大臣がおっしゃいました「未来志向の教育」の考えに共感をいたします。経済再生も、単にリーマン・ショック前の経済に戻そうということではなしに、構造改革を果たして全体で前に進もうということです。教育再生というと、あの頃に戻そうかという話が出かかりますけど、むしろ前に向かっていく教育がいかにあるかということですから、正にそのとおりだと共感いたしました。
 それともう一つ、教育の在り方です。女性、若者、高齢者、中には外国人ということもあるかもしれませんが、その点についても、労働の現場と教育をいかにつなげるのかということが大変大事だと思っております。一人一人の能力伸張を教育の中で確かなものとし、企業や地域など様々な場で、ほかのために自らの得たものを生かしていくことが本来の教育の一方の姿であろうとも思いますので、個人の能力伸張をひとえに生かしていくことが努力の真髄であるということを教育の中で広く進めていくことも大事だと思っております。
 最後に一点だけ、現実的なところですが、これも大臣の説明の中でありました、4月から高校生に給付型の奨学金が始まります。大変期待をしております。一方で、大学を出た瞬間にもう負債を抱えているというローンの難しさ、厳しさも現実問題としてあります。高校生を対象にスタートなさるのは結構なのですが、状況を見ながら、給付の公平性なども念頭に置き、対象を広げることができないかどうか、大学生という点も念頭に置いていただけると有り難いと思います。以上です。

【安西会長】
 ありがとうございました。田邊委員、お願いします。

【田邉委員】
 田邉です。よろしくお願いいたします。
 2020年東京オリンピック・パラリンピックが来たということで、スポーツ界だけではなくて、特に日本の国内もそうですが、海外の人たちが日本を見る目もかなり変わってきたのではないかという点があります。その中で、日本としても世界で活躍できるグローバルな人材が一つ大きなキーワードになっています。スポーツ界の方でも、もちろん選手もそうですし、指導者養成、そして国際の組織で活躍できる人材を国内だけではなくて海外とも連携しながら、海外で育てていく方法もあるのではないか。
 強化に関しても、ある程度の情報も外に出しながら特に日本で強いと言われている競技は、世界をリードしながら、日本も強くなっていく。また、海外の人たちから日本を見たときに、スポーツだけというより、日本の文化であったり、スポーツを一緒に学ぶような機会を欲しいということも海外の方から求められているのも現状です。
 ですので、やはりスポーツというのをいろんなところで使っていっていただきたいということと、文化の教育であったり、それから道徳教育であったり、英語教育であったり子供たちが、スポーツとそれらの関係が分かるような教育も必要と思っております。スポーツは文化とも、それから道徳教育であったり、英語であったりという異なる科目ともうまく連携しながら教育していく必要があると思いました。以上です。

【安西会長】
 どうもありがとうございました。吉田委員、お願いします。

【吉田委員】
 ありがとうございます。先ほどお話を伺っていて非常にうれしいなと思っているのは、土曜日とか、それから地域やコミュニティの力で学校の子供たちを守ろうというお話です。そういう中で、日本という国と海外の状況はまた違うと思います。例えば、日本の学校スポーツを考えてみると、これは特異なものであって、海外に行くとどうかというと、やはり地域スポーツが根を張っていると思います。
 ただ、そこに一つ大きな違いがあるのは、外国の場合は契約というものがある責任主義というのですか。先ほど、浦野委員や篠原委員から、本当に力強い家庭の教育力とか学ぶ側の覚悟というお話を頂いたのですが、日本ですと、学校で何かあれば全て学校の責任になる。そして、教員がそれについていないことは大変なことになります。ところが海外ですと、例えば何かの行事があると必ず契約書があって、それでけがをした場合には、飽くまでも個人の責任であることがはっきりしています。
 例えば本学園でも、数年前ですけれど、海外の姉妹校の生徒たちが来ましたとき、そのうちの2名が日本にあと2泊残りたく、ホームステイの家の人がいいと言っているからいいだろう。それから、親もいいと言っているからいいだろう。我々からすれば、学校と引率の先生に責任があると思いますから、引率の先生に聞きましたら何と答えたかと言うと、私は何日までの責任ですから、その後のことは親がいいと言えば構いませんと。これはやはり日本と全く感覚が違います。
 そういう部分のけじめができないと教員の負担は増えていく一方じゃないかと。特に今、私立の高校以下で抱えている大きな問題は、実は教員の労働条件の問題があります。今までこんなことはなかったのですが、最近、大きな問題になっていますのが、教員の残業の問題なのです。公立学校の場合は、4%の手当によって残業その他、教育公務員という形でカバーされるわけですが、私立学校の場合は、通常どおり三六協定に基づく労働関係になりますので、今までは実は公立学校と同様に、4%から10%ぐらいの特別勤務手当みたいなものを付けて、それが残業代にかわり、そして夏休みとか冬休みで休めるところを休むという体制を取っていましたが、それが労働基準局が入って駄目になった学校が地域によって出てきております。
 先日も岐阜の学校で年間1億円以上かかるということで大変な騒ぎになっていますが、こういうこともできれば教員という立場をもう1回労働者かどうかという意味で、厚労省等の問題になるのだと思うのですが、何とかしていただきたい。大学では裁量労働制が使われていますけど、高校以下はまた違います。それによってまたより良い教育ができる体制が取れるのではないかと思っています。
 長くなって恐縮ですが、最後に一つだけお願いしたいのは、下村大臣になられまして、おかげさまで私学助成につきましては過去最高を付けていただけました。これも大臣の御理解だと思っておりますが、今、教育再生実行会議等で言われている中で、例えば、グローバル化教育等についても、これは私立学校もそうですし、公立の一部もかなり私はやっていると思っています。
 ただ、そこに本当に予算が付かないというつらさがあります。教育再生実行会議で出ているすばらしいアイデアも最後には予算でカットされることがありますので、是非国の教育再生は最重要課題であるというならば、もう少し予算付けをしていただけるように大臣からも御協力を頂きたいと思って、お願い申し上げます。ありがとうございました。

【安西会長】
 ありがとうございました。櫻井委員、お願いします。その後、河田委員、高橋委員、そこまでに一応させていただきます。

【櫻井委員】
 下村大臣のお話を伺いまして、非常に包括的な教育再生のための改革を進めておられることに敬意を表したいと思います。
 ただ、7ページと8ページの資料だけを見ても、これはもう前から言われていたことですが、改めて数字を見ますと、日本の子供たちの8割以上が自分には価値がない、駄目な人間だと思い、価値があるというのが4割以下、これは世界と全く別の傾向を示しているわけですが、高校生がこういうふうに感じるようになったのは何か、教育というのは、そもそも国の責任なのか、家庭の責任なのかという根本的な問題があると思うのです。
 国であるとか、外部の人間はなかなか家庭のことに踏み込めないわけですが、この点は三、四人の方が既に御指摘なさいましたが、私は今、思い切ってやはり家庭の責任ということをきちんと明確にすべきだろうと思うのです。高校生、15歳から18歳までの子供たちが、かくも自分に対して期待を持てない、自分は駄目な人間だと、何ゆえに思わなければいけないのか。これは小さいときからの親がどういうふうなことを言って聞かせるかということがとても大きいと思うのです。
 アメリカの例が先ほどの事例の中で出ましたが、アメリカでは例えば、学校に来ないとなったら誰の責任か。日本ではいじめがありました。いじめは絶対にいけないことですが、主に学校が原因とされますが、日本を除くほかの国では、みんなこれは親の責任なのです。親がきちんと教育をすれば、そこはかなり克服できるのではないかという位置付けで、何といっても生まれたときからの親の責任、何のために子供を産むのか、そのことも含めて、やはりここは勇気を持って、もう少し日本の親たちが親らしい親になるようにということを言ってもいいのではないか、言わなければいけないのではないかと思いました。
 そして、高齢化社会ということを考えると、高齢者で、例えば定年退職した方で、本当に真面目に一生きちんと仕事をしてきたすばらしい60代以上の高齢者は日本にたくさんいるわけですが、この人たちの力を何とか地域の子供のために活用できないだろうか。学校の先生だけでは到底無理ですから、世界にこんなに真面目で誠実な大人が多くいる国は私は少ないと思うのですが、その大人の力をもう少し前向きに、制度の中に組み込んでいくことも考えてよろしいかなということがもう一点です。
 それから、8ページのところに、これは東大の調査で日本の学生は本当に勉強していない。何のために大学に行ったのか、こんな学生に奨学金なんかあげても仕方がないと私は本当に思いますが、これは学生だけの責任かというと、そうではないと思うのです。勉強しない学生は表面的にはいけないと思いますが、学生をその気にさせない教授は何ですかということを私は聞きたいと思うのです。日本の教える人材、本当に教え導く人材、これは人格的にも教え導くことのできる人、学問的にも指導することができる教授が少なくなったと思います。
 だから、ここのところの教える側の専門性、昔の師範学校ですね、さっき先生は労働者か先生かという御質問がありましたが、やはり労働者であってはいけないと思うのです。ここのところを是非お考えいただきたいと思います。ありがとうございました。

【安西会長】
 ありがとうございました。河田委員、それから高橋委員、お願いします。

【河田委員】
 二言だけで終わります。文科大臣がこういう形で、大きな戦略と戦術についてのプレゼンテーションをしていただいたのは、私、この委員になって初めてでございますので、非常に感激をいたしております。その上で感想と希望を申したいと思います。
 感想は1ページから8ページまでの資料、割と否定的なことが非常にたくさん書かれている。しかし、例えば、昨年の10月8日に発表された「成人力」ということで言うならば、OECDの中で読解力と数学的な思考力はその中で一番でありましたし、日本のこれまでの教育は非常にすぐれている。PISAの数字もOECDの中ではかなり上であります。ですから、余り悲観的にならず、良いところを伸ばす形での教育の再生戦略をやっていただきたい。
 それから、もう一つは、昨年秋と今年初めに武漢とマレーシアに行きました。どちらでも日本留学生が非常にたくさん活躍をしております。そして、潜在的な日本留学生は非常にたくさんおられます。しかし、呼び込むのが日本は下手だと思います。ですから、是非とも文科省のホームページにこういう形で、今年もたくさん留学生のための金を取っていただいておりますということを、英語はもちろん中国語とロシア語とフランス語とドイツ語ぐらいの、こういう奨学金を利用して日本に留学ができるのだ、それから各国の大使館、領事館においても、こういうことで日本はこれだけのお金を出すのだということを宣伝していただきたいし、日本の企業もたくさん進出していますから、企業の協力をも得てアピールをしていただければということであります。

【安西会長】
 ありがとうございます。高橋委員、お願いします。

【高橋委員】
 すいません、一言で。櫻井委員さんの学生をその気にさせない大学教員が多いとの発言で、自らを振り返って声が止まってしまいました。大事なことはICT、道徳と、いろいろ必要なのですが、それを単位数を増やすという短絡的な結論にするのではなく、学生をその気にさせる、子供たちをその気にさせる方法論を身に付ける、そういうふうに大学の教育自体も変わらないといけないと思いますので、免許法も含めて全体的な御検討をお願いします。

【安西会長】
 多くの御意見がおありになると思いますが、下村大臣に是非、全体をまとめてお話しいただければと思います。よろしくお願いします。

【下村大臣】
 ありがとうございます。15人の委員の方々からいろいろとお話を頂きました。随分とメモをしたので、お一人お一人お答えをしたいのですけど、私の時間が限られておりまして、共通項についてだけお話を申し上げたいと思います。まず、女性と高齢者の社会参加といいますか、活用です。これはもう絶対必要なことだと思います。我が国はアメリカ並みに女性を社会の中で活用するだけで、GDPが更に16%伸びるというのをクリントン前国務長官が言っていたというぐらい、潜在的に女性と高齢者の方々が働く環境といいますか、活躍していただく環境をどう作っていくかということが、これは文科省のテーマというより政府全体のテーマでありますし、その中で文科省のテーマとしては、やはり学び直しだと思うのです。
 転職するときもスキル、能力を高め、磨かなければステップアップにはならないわけでありまして、40、50、あるいは60歳になっても、もう一度大学や大学院に行って学び直して、あるいはもちろん専門学校、専修学校でもいいわけですが、そこで能力を高めて社会にまた行くという循環型の環境社会をどう作っていくかということの中で、私は日本の大学の質と量を高めていく必要がこれから日本の発展のために必要だと思いますが、その中では、単に大学進学率を高めることだけでなく、社会人、そういう方々がもう一度高等教育の中に入って学び直すということが質と量を高めることにもつながってくると思いますし、若い学生にとっても社会人、それなりの年齢の人が一緒になって学ぶことが学問に対する意欲とかやる気にもつながってくる部分があるのではないかと思います。
 それから、是非高大接続の中で一定の結論が出つつありますが、これから国会で大学ガバナンス改革についても法案が出てまいりますが、やはり日本の大学というのは、最も入るときに難しくて、出るのは誰でも出られるということが言われている中で、出口管理をきちんとしながら、大学側も責任を持って社会に送り出すためには、出口を厳しくすることによって、しっかりした一定の大学における達成をクリアしなければ卒業させないと。
 ですから、文部科学省の方も留年が多い大学について私学助成なり、あるいは運営費交付金をカットすることでなく、内容によって、逆にそれをサポートすると。それだけ責任を持って大学が対応していくのだということでの出口管理、入り口だけではなく、出口についても併せて取り組んでいく必要があると思います。
 それから、共通の話の中で、家庭教育でありますが、そのとおりだと思っておりますが、なかなか日本のメディアは文部科学省が家庭教育に介入するのかということについて、かなり拒否反応があるのですが、これは今、幸いにも超党派の議連で、議員立法で家庭教育推進法を考えてもらっているところがあります。文科省の中でも上野政務官の下、プロジェクトチームを作って連動させる形で、家庭教育についてのバックアップについて、どんな形が国としてできるかということでの家庭教育の充実ということについて、是非これから環境整備をしながら、立法化に向けた対応をしていきたいと思います。
 それから、グローバル化に向けてのお話もありました。スーパーグローバルユニバーシティ、これをトータル的に全部で30大学ぐらい、今年対象にいたします。それから、高校についても、スーパーグローバルハイスクールとして指定校を56校、SGHアソシエイトを54校、合わせて110校を決定しました。まずは、そういうことで努力しているところ、既存の学校を含めて手を挙げてもらって、それについてはそういう形で対応をしていくということで、大学の運営費交付金もそうですし、それから私学助成もそうですが、今、申し上げたようなことを、国が強制的に大学側に対してさせるわけにはいきませんから、自ら新たな大学入学試験制度改革について取り組む大学とか、それから、グローバル人材を育成するために取り組む高校、大学については、箇所付け的な形で、先進的な事例についてはバックアップをしながら支援することによって、グローバル化に対応できる人材育成を高校や大学側がしっかり作ってもらう。
 それから、留学についても、今度初めて民間からの資金協力をしていただいて、2020年までに200億円の資金協力を目標としております。また、財務省と協議し、法人からの寄附については、寄附金の全額を損金算入できるよう税制措置を実施しております。また、事前研修、事後研修、それからインターンシップ等も賛同いただく企業から更に協力してもらうということにより、正にマッチングを行うような形をとりながら、若者が留学へのインセンティブを高めていくよう取り組みます。これはもちろん送り出しが中心ですが、海外の留学生の受入れについても2020年までに30万人に倍増すると。そういう倍増する形をとりながら自分のフィールドは日本国内だけでなく地球全体であるというグローバルな発想を持ってもらうような取組をしていくようにしていきたいと思います。
 まだまだお答えしなければならないことは多くありますが、時間がまいりましたので、是非上野政務官をはじめ文部科学省幹部、みんな残っておりますし、引き続き委員の方々に御指導いただきながら、しっかりと対応することによって、日本の教育は正に未来に対する先行投資でもあると思いますし、個人にとっても、それから国にとっても最も我が国の置かれている状況で教育ほど大切なものはないと思いますし、そういう意味で、誤解が確かにあるのならと思ったのは、教育再生というのは昔の教育に戻ることでは全くありませんので、これは安倍総理も含めて、私も教育再生というのは昔の教育に戻るのではなくて、正に教育によって、この国の活力を作っていく、元気な国を、そして元気な一人一人を作っていくという意味で、未来志向でございますので、是非そういう部分から中教審の委員の先生方にも御指導いただきたいと思います。貴重な機会をありがとうございました。

【安西会長】
 大臣、ありがとうございました。大臣は公務で大変お忙しいので、退室されます。

(下村大臣退席)

【安西会長】
 委員の皆様にも大変貴重な御意見を頂きましてありがとうございました。こういう機会は今までなかったように思いますので、誠にありがとうございます。今後も中教審といたしましても、本日頂いた御意見を踏まえまして、いろいろ審議を深めていければと思います。どうぞよろしくお願いをいたします。
 それでは、次に高大接続特別部会におきまして、高大接続特別部会審議経過報告が取りまとめられております。また、初等中等教育分科会高等学校教育部会におきまして、高等学校教育部会審議まとめ(案)が取りまとめられましたので、それぞれ御報告をさせていただければと思います。
 先ほどの下村大臣のお話の中にも何度か出てまいりましたが、高大接続、また高等学校教育の問題は、先ほどのお話の中でも非常に重要なポジションにあるかと思いますので、よろしくお願いいたします。
 まず、高大接続特別部会審議経過報告につきまして、私が部会長をしておりますので、私の方から説明をさせていただければと思います。
 資料2-1で説明をさせていただきたいと思います。本文は資料2-2の方を御覧ください。高大接続特別部会につきましては、中教審の総会の下に設置されまして、高大接続の在り方について審議を行ってまいりました。
 教育再生実行会議が高大接続の在り方に関する審議を開始するに当たりましては、高大接続特別部会の審議状況も私の方から報告をさせていただきました。昨年10月に教育再生実行会議が第四次提言を取りまとめた後、達成度テスト(仮称)の在り方をはじめといたしまして、第四次提言を踏まえた検討課題について、高等学校教育部会との合同会議を開催させていただきまして、精力的に審議を重ねてきました。
 そして、この間の3月25日にこれまでの議論の方向性を取りまとめましたので、資料2-1の概要資料に基づきまして説明をさせていただきます。
 資料2-1の最初のページを御覧いただきますと、大学進学者の多様化、大学入学者選抜の選抜機能の低下、高校生・大学生の学習時間の減少、先ほど御指摘もありましたが、学生の学習時間が減っているということでありますが、あるいは学習意欲の低下等、高大接続をめぐる現状と課題を整理させていただいた上で、高大接続、大学入学者選抜の改善についての基本的な考え方といたしまして、高等学校から大学までを通じて主体的に学び、考える力等、これからの時代に必要とされる力を育成することが重要である。また、高等学校教育と大学教育、そしてその接点であります大学入学者選抜、それら三つの一体的な改革が必要だとしてあります。
 その上で、1ページ目の3になりますが、高等学校教育の質の確保・向上では、高等学校教育部会の審議状況を踏まえまして、達成度テスト(基礎レベル)(仮称)の在り方を含めて高等学校教育の質の確保・向上に向けた方策を取りまとめております。高等学校教育部会の審議状況につきましては、後ほど高等学校教育部会の小川部会長から御説明いただきます。
 次の2ページを御覧ください。4の大学の人材育成機能強化につきましては、大学教育の質的転換を促進するため、国の重点的支援や大学評価の改善、大学入学後の進路変更を進めるための募集単位の大くくり化、編入学の推進、厳格な成績評価の推進、定員管理の弾力化等々が必要であると記述してあります。
 5の大学入学者選抜の改善では、高校教育の質の確保向上、大学教育の質的転換とあわせて、両者の接点であります大学入学者選抜を新たなものに変えていくために、多面的・総合的に評価する大学入学者選抜への転換。推薦・AO入試の改善等を行うことが必要だと記述しております。
 次に、一つ飛ばしまして7ですが、高等学校教育と大学教育の連携強化につきましては、大学の積極的な情報提供、高校生が大学レベルの教育に触れる機会等の充実、大学入学前の準備教育、入学後の初年次教育の充実等が必要であるというふうにしてございます。
 3ページになりますが、達成度テストの在り方を1枚にまとめております。下の段の方の基礎レベルにつきましては、後ほど小川先生から御説明があるので省略いたしまして、発展レベルに絞って説明をさせていただきます。
 発展レベルの目的は、基礎レベルが高等学校段階の達成度の把握等を目的としていることを踏まえまして、これからの大学教育を受けるために必要な「主体的に学び考える力」等の能力を測ることを主たる目的とする。対象者は大学在学者や社会人も含めて、これも先ほど大臣も言われておられましたが、社会人も含めて大学で学ぶ力を自ら確認したい者の受験も検討するということとしております。試験の内容につきましては、知識・技能のほかに、知識・技能の活用力や汎用的能力を測定するために、複数の教科、科目にまとまった内容の「合教科・科目型」、教科の枠組みにとらわれない「総合型」の導入に向けて、専門的な検討を進めることなどをまとめております。実施の方法につきましては、記述式又はCBT(Computer Based Testing)方式の導入。年度内の複数回実施、段階別の成績提供等について検討することとしております。
 以上、まとめて申し上げましたが、今後この審議計画報告につきましては、パブリックコメント等によりまして社会又は関係者等からも御意見をお伺いした上で、達成度テストの具体的な制度設計等について更に審議を進めまして、夏前までを目途に答申を取りまとめたいと考えております。
 以上、多少駆け足で申し上げましたが、本文につきましては資料2-2を御覧いただければと思います。以上にさせていただきます。
 御質問等は後ほどと思います。
 それでは次に、高等学校教育部会審議まとめ案につきまして、小川高等学校教育部会長から御説明をお願いします。

【小川副会長】
 では、高等学校教育部会の審議まとめ(案)について、私から説明をさせていただきたいと思います。資料3-1が概要で、3-2が高校部会の審議まとめ(案)の本体になっております。時間がありませんので、資料3-1の概要を使って報告させていただければと思います。
 高校部会は、高校教育の現状と課題、そして今後の高校教育の在り方などについて検討するために、平成23年9月に初等中等教育分科会の下に設置されて、これまで約2年半、27回にわたって審議を行ってきました。去る3月7日に高校部会において、資料3-2の審議まとめ(案)として部会の取りまとめを行いましたので、それの御報告をさせていただきたいと思います。
 まず、資料3-1の1、「高校教育をめぐる現状とこれまでの取組」のところですが、高等学校が進学率98%に達して、多様な生徒が高校に進学してくる中で、基礎学力の不足、また学習意欲の低下、そして大学入試の選抜機能の低下などというものが現状としていろいろな方面から指摘されるようになってきました。そうした状況に対して、高等教育の質をいかに確保していくかということと、多様な生徒の学習ニーズに対応する要請も非常に強まってくるということで、これまで国としては、ここに書いているとおり設置基準、設置認可、学校評価等々の公的な制度や仕組みを整理するということや、また地方自治体などによる自主的な取組によって高校教育の質の確保を図るための様々な取組も図ってきましたし、また単位制高校、総合学科の創設など、多様なニーズに対応するような、そうした制度的な整理、取組も行ってきました。一方で、社会の一員として最低限の資質・能力を身に付けるべきだといった指摘、また高校段階での学力を確実に身に付けさせるべきといった指摘もあることを踏まえ、部会では、一つは共通性の確保。もう一つは多様化へのよりきめ細やかな対応をいかに進めるかという、そういう二つの課題を設定して審議を進めてきました。最初の共通性の確保ということについては、多様化の中でもやはり全ての高校生が共通に身に付けるべき資質、能力の内容、またその評価の在り方ということについて整理を行ってきました。また、同時に高等学校や生徒が多様化していく中で様々な幅広い学習ニーズによりきめ細やかに対応することも求められておりますので、多様化への対応ということで、普通科、専門学科などの各学科、課程における対応とか、グローバル化、ICTなどの社会経済の変化への対応等について、その課題と基本的な考え方を整理しております。それについては1ページ目の2のところで詳細に触れておきますので、御参照いただければと思います。
 次のページ、裏を御覧ください。更に高校教育の質の確保・向上に向けたより具体的な施策として、ここでは主に五点ほど指摘しております。一つ目は達成度テスト(基礎レベル)の導入と、幅広い資質の多面的な評価を整備、推進していくということ。二つ目は、キャリア教育や職業教育の充実、総合学科における特色ある取組の推進など、学校から社会・職業への円滑な移行の推進を図っていくということ。三つ目には、義務教育段階の学び直しが必要な生徒への支援。また、優れた才能や個性を有する生徒を支える取組。ICTの活用による学びの機会の充実等も指摘しています。四つ目は、教員の資質向上と学校の組織運営体制の改善・充実。そして最後に広域通信制課程の問題ですが、ガイドラインの作成や、第三者機関による評価の仕組みなどを創設することで、広域通信制課程の質的な確保を図りながら、その在り方を検討していくということです。
 この中で、特に部会としても非常に時間を割いて議論をしたのは、先ほどから御指摘のあった達成度テスト(基礎レベル)の在り方についてです。これについては、昨年10月に教育再生実行会議の第四次提言においてその創設が提案されましたが、この達成度テスト(基礎レベル)については、部会とすれば基礎学力が不足している生徒、また学習意欲が低い生徒が見られる中で、生徒一人一人が主体的に学習意欲を高め、日々の学習の改善につなげることが重要であるという考え方の下で、高校教育における基礎的な学習の達成度を測るものとして創設するということを提言しております。また、本テストの活用方法とすれば、各学校での指導改善に生かすことを含め、推薦、AO入試、また就職などの対外的な場面での高校生の学力を証明できるようなものにも活用できるものとして考えております。達成度テスト(基礎レベル)の具体的な仕組みの骨格に関する詳細については資料3-2の審議まとめ(案)本文の26ページ以降にも記載しておりますので、後ほど参照していただければと思いますが、そのポイントを整理しますと、一つ目は生徒の進路や学習状況は非常に多様で様々であることを考慮し、希望参加型としていること。二つ目は、国語、数学、外国語、地理歴史、公民、理科の6教科を想定しつつ、複数の教科を融合した問題も含めることも検討するということで提案しております。また、審議の過程については資料3-2の審議まとめ(案)本文の28ページにも掲げておりますように、様々な意見がありましたので、それについても付記しております。
 今後、この高校部会の審議まとめ(案)については、先ほど安西会長から御説明があった、高大接続特別部会の審議経過報告とあわせて、パブリックコメント、また関係団体などからの意見聴取を行った上で、夏前をめどに両部会において最終的な取りまとめが行われるという予定となっております。また、達成度テストの詳細な制度設計などについては、これらの提言に基づいて、文部科学省において今後更に専門的な検討を行っていくことになる見込みです。
 以上、簡単ですが、審議まとめ(案)の概要について御説明させていただきました。

【安西会長】
 ありがとうございました。それでは、ただいま御説明いただきました高大接続特別部会の審議経過報告、それから、高等学校教育部会審議まとめ(案)につきまして、御質問、御意見あれば是非いただければと思います。時間は15時50分近くまで取れると思いますので、御意見いただけたらと思います。
 森委員、お願いします。

【森委員】
 高等学校教育部会の現状のところで、基礎学力の不足と学習意欲の低さということですね。これは別に高校に限ったことではなくて、小学生、中学生からこういうふうに……、私は現場の教職員とよく議論いたしますが、これが一番の問題なのではないかと思います。何のために勉強するかが分からない。それから、子供によっては勉強しなくても父親ぐらいにはなれる。私の子供ではありませんけどね。でも、そういうようなことを言うというのはよく耳にします。子供独特の反抗精神かもしれませんが、しかし、実際問題として、昔、一生懸命勉強して、一流大学を出て、一流会社に勤めるという目的があっただけよかったのではないかと思えるぐらい、私はその目的を良いとは思いませんが、しかしそういうような、豊かな生活をするために勉強するのだということが非常に疑問なく受け入れられていた時代の方がよかったような気がすることさえあります。ですから、志という言葉が重ければ、目的意識でしょうかね。もっと柔らかく言えば夢という。まあ、夢は少し違うかもしれませんが、それをどう持たせるかということが、小学校、中学校を通じて、高校まで通じて同じことではないかと。そして、私の印象で言うと、マスコミとか、ここの場でも時々そういうことがあるのですが、みんな学習意欲があって、比較的学力の高い子供を前提に議論することが多いのですよ。それはどうしてかというと、そういうことで今の地位がある人が多いものですからね。そういう理論に陥りがちなのです。そうではなくて、大半の子供は勉強したっていいことなんかないさ、自分はどうせ、勉強してもそんなにいい大学に入れない。本当に真面目な子が多いと思いますよ。真面目な子が多いと僕は思うのだが、そういう子供が増えているのではないかと。だから、そこのところの価値観をどうやって教えていくか。私は道徳というよりももっと大きな意味だと思いますが、そういう目的意識を植え付ける、育てるというところを、もう少し御議論いただければなと思います。
 言いっぱなしで失礼いたします。恐縮でありますが、是非お願いしたいと思います。

【安西会長】
 ありがとうございました。子供が目的、目標を持てるかどうかということは、本当に問題の根本にあって、大学生の学習時間が減っているとか、自己肯定感の問題とか、いろいろ、多々ありますが、それの一番共通する根本的なことだと思っております。北城委員、お願いします。

【北城委員】
 高大接続の達成度テスト(発展レベル)の実施方法の中に、知識偏重の1点刻みの選抜から脱却という観点で、段階別その他を考えるということが記載されています。発展レベルのテストで、段階評価でいいと私も思うのですが、そうすると選抜制ができないという議論になります。選抜ができないからといって、発展レベルのテストに加えて、それぞれの大学がまたテストをやるということになると、結局、その科目を勉強する受験勉強に陥ってしまいます。したがって、発展レベルをやった際には段階的な数字が出て、非常に高いレベルにあるとの結果が出れば、それ以外は高校の成績とか、高校の授業以外の活動とか、志望理由とか、多様な要素を含めて入学者を選抜するべきだと思います。AO入試に近い格好になりますが、そのような高大接続の議論にしていただかないと、得てしてこれだけで選抜できないから別途試験を行う、その点数で学生を選ぶのは客観的である、公平であると、こういう流れの議論になってしまい、結局今と変わらなくなってしまいます。この発展レベルでの議論で、いつもAOという言葉が発展レベルの方になくて基礎レベルの方にだけ出るのですが、あらゆるところでAO入試のように、大変丁寧な入学者選抜を行うという方向で議論していただければと思います。

【安西会長】
 ありがとうございました。基礎レベルと発展レベルの二つのテストを両方置こうということになっているのは、私の理解では、先ほど森委員からもありましたように、大学入試を目的、目標にして勉強していくのではないということを是非入れられるといいということもベースにあるのではないかと。これは私見ですが、そういうこともあるのではないかと思っておりますが、一方で大学が独自に行う入試と、この発展レベルのテストとはどういう関係にあるのかということにつきましては、今後の検討に委ねられているというふうに理解しております。ありがとうございました。河田委員、お願いします。

【河田委員】
 資料3-2の27ページを見ますと、この実施方法ということで、年間に2回程度と書いてあります。けれどもたしか、アメリカのSATは年間7回あったと思います。2回というのは余りにも少ないのではないか、という感じがいたしております。
 それからもう一つは、北城委員はよく御存じだと思いますが、アメリカの大学は学業成績だけで入学できません。例えばアイビー・リーグなどのいわゆる有名私立大学は志願者が殺到しますので、高校時代に勉強だけではなく、どういう活動をしたか、勉強以外にどんな能力を持っているのか、非常にきめ細かに判断をする。そのときに、やはり高校の先生の書く推薦状というものに対する信頼性が非常にあると思います。日本で推薦状というのは、大学の先生が就職のときに書くものも、いいことしか書かないですよね。日本のものは、まあこの程度か、ぐらいにしか読まれない。だけど、そういう社会的な習慣というものが大事で、やはり推薦状に対する信頼、そして良いことも悪いことも書くという、そういう風土が育たないと、なかなかそういう試験だけで、試験のほかにも難しいこともあるので……大丈夫かな、そういう印象でございます。とにかく、試験回数が2回というのは少な過ぎるのではないかというのが私の感想であります。

【安西会長】
 小川部会長、あるいは文科省、お願いします。

【小川副会長】
 高校の達成度テスト(基礎レベル)に関して、どの程度受験の機会を提供するかということについては、これは部会でもかなり議論がありまして、この2回という回数でも学校現場のいろいろな状況を考えますと、日々の高校の教育活動にいろいろな影響が及ぼされるのでどうかという意見もありまして、これについては今後、テストの専門家を交えて、全体の高校の教育課程の流れの中でどの程度こういう受験の機会を提供するのが適切なのかということを、高校の関係者等とも更に議論を進めて検討していくということになっています。ですから、ここではある程度の議論を集約として2回程度ということですが、2回「程度」ですので、その幅はそういう今後の検討で方向が決まってくるということですので、これで決まったというわけではございません。

【河田委員】
 1回になるということもある。

【小川副会長】
 それもあるかもしれませんが。いかがですか、事務局の方では何か補足説明がございますか。

【安西会長】
 文科省、お願いします。

【小林教育制度改革室長】
 はい。今、小川先生から御説明いただいたとおりでございます。また、これからパブリックコメントなどを通じまして、様々な御意見を頂きたいと思いますが、テストを高校の側から見ますと、やはり基礎レベルのテストと発展レベルのテスト両方になるので、合わせてどれぐらいの……、学校行事との関係を今後検討していくということでございます。

【安西会長】
 先ほど小川副会長からもありましたが、両方ともパブリックコメントで広く御意見を頂いて、更に検討しながらまとめていくことになるかと思いますが、本日の御意見も非常に貴重でございますので、是非、忌たんのない御意見を頂ければと思います。
 北山副会長、どうぞ。

【北山副会長】
 ありがとうございます。高大接続について現在議論がなされている問題に関しては、10年ほど前に中教審でしっかりとした答申が出された経緯があると理解しています。議論の方向性としては、現在もそれほど変わっていないと思うのですが、そのときの議論は一体どこに消えてしまったのかと不思議に思います。

【安西会長】
 これは、文部科学省からお願いします。

【北山副会長】
 当時の答申で提言された事項に関して、何がボトルネックになって実現に至らなかったのかという点について、教えていただけますか。

【田中高等教育政策室長】
 失礼いたします。恐らく平成12年度の大学審議会の答申だと思われます。大学審議会で、大学入試に関する専門委員会というところを設けまして、大学入試に関する答申を出しております。その当時の答申の中身といたしましては、当時はAO入試などが広まっていく段階でございまして、受験生の多様な能力を評価する観点から、AO入試というものを入試制度の中に位置付けようということが中身の骨格でございました。今の状況といたしましては、そういった多様な能力を評価するAO入試が広がってはいるものの、一部では学力不問のような状況、つまり本来の趣旨を離れているようなものも見られるのではないかということで、平成12年頃には推奨していたAO入試の在り方、学力担保措置の在り方なども含めて、今、高大接続特別部会で再度議論をしているということになっております。
 また当時、大学入試センター試験につきましても、例えば、やり直しのできるシステムという観点から、過去の成績、過年度の成績というものを使えるようにするといったようなこと、あるいはリスニングテストの導入ということが提言されまして、そういったものは提言が既に実行されております。一方、平成12年の答申の中では、大学入試センター試験の複数回実施ということについても検討が行われまして、その際には、いろいろな案がある中で、高等学校教育への影響などを考えると、やるのであれば12月と1月ということが現実的ではないかというようなことが提言をされております。ただ、その場合には1回約50万人の受験生が受験する運営体制をどう確保するかという観点から実現可能性の検討が必要だということも提言されておりまして、その後、実現可能性という観点も含めまして協議が行われましたが、実現に至っていないという状況にございます。
 そうした中で、再度、教育再生実行会議の提言などで、達成度テストの複数回実施ということが提言されておりまして、そういった点も含めて、高大接続特別部会等で具体的な実現可能性も含めて、今後更に検討を行うことが必要となっているという状況でございます。

【安西会長】
 よろしいでしょうか。ほかにはいかがでしょうか。
 相原委員、お願いします。

【相原委員】
 資料3-1の裏面の一番下に、達成度テスト(基礎レベル)に関して、現在の「高等学校卒業程度認定試験」と統合をする方向も含めて検討、という記載がございます。生涯学習分科会でも申し上げましたが、現在の「高等学校卒業程度認定試験」の受験資格対象には、やむなく中途退学された方や、不登校の御経験のおありの方などがおられ、学び直しをする入り口としての機能も備えているように思っております。統合を進めていただく際には、新たな制度においても、現在対象となっている方たちが引き続き対象となる制度になるよう御検討いただけると有り難いと思います。あわせて「高等学校卒業程度認定試験」を、年齢別に見ますと、もちろん10代が半数以上を占めていて、受験者としてこの年齢層が多いのは確かなのですが、この点も女性や社会人の学び直しということを全国的に進めようという観点から、また、来年度は成長戦略の中にも、女性の活力を高めていこうと位置付けられておりますので、社会人や女性が活用しやすいよう、併せて御検討いただけると有り難いと思います。

【小川副会長】
 今の意見は御要望ということでお聞きしたいと思いますが、高校部会でも、正に今考えている達成度テスト(基礎レベル)と現在存在している高等学校卒業程度認定試験の関係をどう考えるかというのは多々議論がありました。一つは、やはり出自も目的も違うので、達成度テスト(基礎レベル)を創設したとしても、高等学校卒業程度認定試験に統合しないで二つの制度をそれぞれに存続させるべきだという意見もあったのは事実です。
 ただ、達成度テスト(基礎レベル)を導入する狙いというのは、高校教育において全ての高校生が最低限身に付けるべき基礎的な知識、技能、思考力をどれだけ習得したのかを確認するということですので、達成度テスト(基礎レベル)で一定水準以上に達した生徒については、高校卒業程度の学力を身に付けていると評価するのが筋であるので、やはり達成度テスト(基礎レベル)を創設するのであれば高等学校卒業程度認定試験と統一することが筋ではないかという意見もありまして、その二つの意見が高校部会でも交わされたということは事実であります。そうした議論もありましたので、ここでは統合する方向も含めて検討というふうな含みを持たせた表現になっております。

【安西会長】
 ありがとうございました。ほかには。もしなければ次に進ませていただきますが、よろしいでしょうか。
 今の二つの報告につきましては、それぞれの部会において更に審議を続けてまいります。また、先ほど申し上げましたようにパブリックコメント等にかけさせていただいて、そちらの意見もフィードバックするようにして、それで審議を行っていきますので、総会の委員の皆様におかれましては、何か個別に御意見がありましたら事務局の方へお寄せいただければ幸いでございます。よろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。
 それでは、次に行かせていただきまして、第2期教育振興基本計画の進捗状況について、事務局から説明を頂ければと思います。第2期の基本計画につきましては、昨年4月のこの審議会の答申を基にいたしまして、昨年6月に閣議決定がなされました。この第2期の基本計画は、平成25年度から平成29年度にかけての5か年計画でございます。計画策定からまだ9か月ぐらいしか経過しておりませんが、この総会におきましても委員の方々から御意見を頂いておりますとおり、この計画の進捗状況について、定期的にフォローアップを行っているということは非常に大事だと考えております。その意味で、本日は進捗状況について、事務局から報告をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

【清木生涯学習政策局長】
 それでは、生涯学習政策局長の清木でございますが、御説明を申し上げたいと思います。資料4-1から4-4まででございますが、概括的に整理をしました資料4-1を御覧いただきながら説明申し上げたいと思います。
 ただいま安西会長からもお話ございましたように、計画の中でも、計画の最後のページなのですが、進捗状況を点検し施策に反映していくという、PDCAサイクルが重要だということが述べられておりますので、そういうしっかりとしたフォローをこれからしていかなければいけないと考えております。ただ、会長からもお話ございましたように、策定後まだ1年を経過しておりませんので、大幅な状況変更ということはなかなか想定しにくいということもありますし、また様々な成果指標に関する各種のデータにつきましても、最新のものでもまだ計画策定前というものがほとんどでございますので、いわばこれからしっかりフォローアップをしていくというそのスタートということで、受け取っていただければと思います。
 それでは、資料4-1の1ページを御覧いただきたいと思います。ここはフォローアップというよりは、「自立」、「協働」、「創造」という三つの理念の下に、四つの基本的方向性で構成されているという2期の基本計画の構成を改めてお示ししたものでございます。それから、まず基本的方向性1、「社会を生き抜く力の養成」でございますが、2ページを御覧いただきますと、「確かな学力」につきましては、計画におけます成果指標としては、国際的な学力調査で世界トップレベルにということがございます。御承知のように、PISAの2012年の結果では、我が国の平均得点や順位は上がっているところでございます。一方で、これは3ページ右側の下の表を御覧いただきたいと思います。これらの国との比較におきましては、上位層の割合が小さく、下位層の割合が大きいという課題も見受けられるところでございまして、引き続き確かな学力を身に付けるための様々な取組を進めていく必要があるというふうに考えております。
 続きまして、4ページの「豊かな心」でございます。例えば、成果指標に関しましては、いじめに関する調査では認知件数に占める解消しているものの割合は上昇しているところではございますが、昨年6月に成立しましたいじめ防止対策推進法に基づいて、いじめの未然防止、早期発見、早期対応のための対策の推進ですとか、また道徳教育が重要でございます。道徳教育につきましては、「心のノート」を全面改訂いたしまして、「私たちの道徳」を作成いたしましたので、平成26年度から小・中学校でこれを使用していくということ。また、中教審で道徳を特別の教科として位置付けることをはじめとして、御検討をお願いしているところでございます。
 続きまして、5ページの「健やかな体」でございます。体力は昭和60年頃に比べまして、依然として低い水準にとどまっており、また運動する子供としない子供の二極化という傾向も見られるところでございまして、運動習慣が身に付いていない子供への支援の充実などの取組を進めていく必要があると考えております。
 続きまして、6ページの「社会的・職業的自立に向けた能力・態度の育成等、社会への接続支援」でございます。これに関しましては、大学卒業予定者の就職内定率、近年は上昇傾向となっております。一方で、右側にございますように、在職期間別の離職率というものがありますが、これは下がっていないという状況もございます。そのために引き続き、今、インターンシップも含めたキャリア教育から就職支援までの一貫した支援の充実を図る必要があると考えております。
 続きまして、基本的方向性2の「未来への飛躍を実現する人材の養成」でございますが、7ページを御覧いただきたいと思います。新たな価値を創造する人材でございますが、これは先ほどもございましたPISA2012の調査結果で、上位層の割合について他国に比べて少ないということもございますので、引き続きトップ層の育成や理科好きの生徒の裾野の拡大などが必要だと考えております。データとしては7ページの右の下にございますような、国際科学技術コンテストの参加者の数、これは次第に増えているということもございます。
 8ページを御覧いただきたいと思います。「グローバル人材関係」でございます。これは、先ほど大臣からもお話ございましたように、海外留学者数の減少傾向、外国人の留学生の数も横ばいという状況でございまして、これら両方を増やしていく必要があるということから、奨学金の充実、それから、先ほど大臣からもお話ございました民間との協力での基金の創設。そして、「トビタテ!留学JAPAN」というキャンペーンも始めているところでございます。
 続きまして、9ページの基本的方向性3、「学びのセーフティネットの構築」の「教育費負担の軽減に向けた経済的支援」でございます。これにつきましても、先ほど大臣からもお話ございましたように、9ページの左下の比較にございますように、特に我が国は就学前と高等教育段階での家計負担の割合が高くなっております。そのため、今般は高校無償化制度の見直しを行いまして、低所得者支援の充実や公私間格差の是正を図ることとしておりますが、更に幼児教育の無償化に向けた段階的取組などによりまして、意欲と能力がある子供や若者が経済的理由によって就学を断念することのないような取組が必要であると考えております。
 11ページを御覧いただきたいと思います。「安全・安心な学校施設」でございますが、このうち学校施設の耐震化につきましては、左側のグラフにございますように年々進捗をしておりまして、公立学校については平成27年度までに完了を目指すという目標を掲げておりまして、左側の上のグラフを御覧いただきますとお分かりいただけますように、平成26年度の予算が執行されますと、耐震化率は約96%になるという予定でございます。ただ、下の都道府県別のグラフにございますように、都道府県間のばらつきが見られますし、また、これはデータがございませんが、市町村ごとに見ますと、更に大きなばらつきもございます。したがいまして、今後必要な予算を引き続き確保し、また、遅れている地方公共団体への働き掛けも行いまして、耐震化を進めていく必要があると考えております。
 それから、12ページでございます。基本的方向性4の「絆づくりと活力あるコミュニティの形成」でございますが、これに関しましては学校支援地域本部や放課後子供教室、またコミュニティ・スクール、これらにつきまして、成果指標では全ての学校区にそういう仕組みが設けられるようにということを掲げておりまして、いずれも年々増えてはきておりますが、全てということに関してはまだまだ少ないという状況でございますので、引き続き、その設置、推進をはじめとした取組が必要であるというふうに考えております。
 このほか、13ページ以降は四つの基本的方向性を支える環境整備、この中には教育委員会の責任体制ですとか、大学のガバナンスというものも含まれます。14ページでは大震災からの復旧・復興支援。15ページには教育投資についての進捗状況も整理をしているところでございます。こういう取組を皮切りに、今後計画の実施状況をしっかりフォローし、これを施策にどのように反映するのが良いかということにつきまして、私どもとしても整理をし、またこの中教審の場でも御意見を賜りたいというふうに考えております。
 以上でございます。

【安西会長】
 ありがとうございました。委員の皆様から、何か御質問等あれば、頂ければと思いますが、よろしいでしょうか。
 それでは、本日の議事はここまでにさせていただきます。次回の日程につきましては、追って事務局から連絡をさせていただきます。
 本日は、大変貴重な御意見を頂きまして、ありがとうございました。

―― 了 ――

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-- 登録:平成26年05月 --