ここからサイトの主なメニューです

中央教育審議会(第85回) 議事録

1.日時

平成25年4月25日(木曜日)14時00分~16時00分

2.場所

文部科学省「第二講堂」(旧文部省庁舎6階)

3.議題

  1. 第2期教育振興基本計画について(答申)(案)について
  2. 今後の地方教育行政の在り方について(諮問)
  3. その他

4.出席者

委員

三村会長、安西副会長、小川副会長、相原委員、明石委員、五十嵐委員、生重委員、帯野委員、河田委員、菊川委員、北城委員、篠原委員、高橋委員、武田委員、田邉委員、長尾委員、橋本昌委員、橋本都委員、早川委員、森委員、吉田委員

文部科学省

下村文部科学大臣、義家文部科学大臣政務官、森口事務次官、山中文部科学審議官、前川官房長、田中総括審議官、大槻政策評価審議官、清木文教施設企画部長、合田生涯学習政策局長、布村初等中等教育局長、板東高等教育局長、小松私学部長、藤野生涯学習政策局政策課長、他

5.議事録

【三村会長】

 それでは、ただいまから中央教育審議会第85回総会を開催いたします。本日は御多忙中のところ、御出席いただきまして、ありがとうございます。
 本日、下村大臣及び義家政務官が後ほど到着の予定でございます。
 それでは、本日の議題ですが、お手元の会議次第にございますとおり、「第2期教育振興基本計画について」の答申案について御審議をいただいた上で、本日、文部科学大臣に提出したいと、このように考えております。その後、「今後の地方教育行政の在り方について」の諮問をいただく予定であります。同諮問につきましては、諮問理由の御説明をいただいた後、意見交換を行いたいと思います。
 なお、本日、報道関係者より、会議の全体についてカメラ撮影を行いたい旨申出がありまして、これを許可しておりますので、御承知おきいただきたいと思っております。
 それでは、議事に入りたいと思います。
 まず、事務局より、本日の配付資料の確認、よろしくお願いします。

【藤野生涯学習政策局政策課長】

 本日配付させていただいております資料の確認をさせていただきます。
 大きく三つございます。資料の1でございます。1-1と1-2がございますが、ただいまありましたように、第2期教育振興基本計画の答申案及びその概要でございます。
 また、資料の2でございますが、先般、官邸に設置されております教育再生実行会議の第二次提言といたしまして、教育委員会制度等の在り方について出されておりますが、その提言でございます。
 資料の3-1、3-2でございますが、後ほど諮問が予定されております、今後の地方教育行政の在り方についての関係資料でございます。
 このほか、参考資料といたしまして、参考資料1、2を配付させていただいているところでございます。
 不足等がございましたら、お知らせいただければと思います。

【三村会長】

 皆さん、よろしいですか。お持ちですか。
 それでは、「第2期教育振興基本計画について」の答申案がまとめられておりますので、事務局から説明、お願いします。合田局長、よろしくお願いします。

【合田生涯学習政策局長】

 それでは、答申案につきまして、御説明をさせていただきます。
 教育振興基本計画、御案内のように平成18年に改正をされました教育基本法第17条第1項に基づきまして、平成20年に第1期の基本計画が策定されました。平成20年度から24年度までの5年間を対象としたものでございました。第2期の計画の策定の必要があるということで、平成23年6月に文部科学大臣から中央教育審議会に対して諮問が行われたところでございます。
 これを受けまして、教育振興基本計画部会を中心に精力的に御審議をいただきました。都合23回にわたって御審議をいただきまして、4月18日に開催されました部会におきまして、第2期教育振興基本計画についての答申案を取りまとめていただいたわけでございます。それが資料の1でございます。1-1が概要、1-2が本文になってございます。1-1の資料に沿いまして、御説明をさせていただきたいと存じます。
 答申案、大きく3部構成となってございまして、第1部におきまして、我が国の今後の教育の在り方、全体像、第2部におきまして、今後5年間に実施すべき教育上の方策、第3部で施策の総合的かつ計画的な推進のために必要な事項ということで整理をいただいております。
 まず1枚目が、そのいわば総論に当たる部分の概要でございます。
 左下にございますように、近年の少子・高齢化、グローバル化など社会の急激な変化、その結果として、今後、社会全体の活力の低下、あるいは我が国の国際的な存在感の低下といったようなことの可能性がある。また、地域社会、家族の変容、格差、あるいは貧困の連鎖といったようなこと、孤立化とか規範意識の低下、希望と申しますか意欲の減退、あるいは社会全体の不安定化といったようなことも懸念をされると、こういうような状況は、東日本大震災の発生によって一層顕在化、加速化をして、危機的な状況に今この国はあるという認識に立つと同時に、一方で、多様な文化・芸術やすぐれた感性、勤勉性、協調性、思いやりの心など、我が国には様々な強みがある。危機回避のために、これらの伸長が不可欠であるとされているわけでございます。
 その上で、第1期計画の評価、総じて申しますと、教育の現状と課題としては、第1期計画に掲げた「10年を通じて目指すべき教育の姿」の達成は、いまだ途上段階にあるという総括、さらに震災の教訓といったようなことも踏まえまして、このような我が国が直面する危機、第1期計画の評価、そういったようなことを踏まえて、右下にございますように、今後の社会の方向性として、個人の自立、様々な人との協働、そして新たな価値の創造、三つをキーワードとして、その実現に向けた生涯学習社会の構築が必要であるとされております。
 このような生涯学習社会を構築していくことによりまして、「危機回避シナリオ」と書いてございますが、生涯現役、全員参加に向けて、個人の能力を最大限に伸ばしていく、格差を改善し、社会全体の生産性を向上し、一人一人の絆の確保、社会関係資本の形成といったようなことがもたらされる。そういったようなことによって、さきに述べた危機を回避していくということが強調されているということでございます。
 こういった社会の実現のために必要な、これからの教育の政策の方向性はどうかということで、資料左上でございますが、四つの方向性が打ち出されております。一つは、少子・高齢化が進行する中で、一人一人の能力を最大限に伸ばすという観点から、社会を生き抜く力の養成ということ。それから、未来への飛躍を実現する人材の養成。グローバル化に対応した新たな価値を創造・主導できるような教育の展開という観点。学びのセーフティーネットの構築。社会的格差の拡大を食いとめるための仕組みを構築する。「教育安心社会」といったような表現を用いられておりますが、そういったようなものの実現という観点。そして、絆づくりと活力あるコミュニティの形成。地域と学校の連携、多様なネットワーク、協働体制の確立などを推進するという観点、この四つの方向性が打ち出されておりまして、これから、これらの方向性は、人生の各段階を貫く横断的な視点として設定をされているということでございます。
 また、これらの方向性を実現するために必要な施策の実施の裏付けとなります教育投資の在り方につきましては、その右上にございますように、教育の効果は広く社会全体に還元をされるものであり、教育への投資は、学習者本人のみならず、社会全体で確保する必要があるという考え方、そして、具体的には、様々な現下の教育課題を踏まえて、協働型、双方向型学習など、質の高い教育を可能とする環境の構築、家計における教育費負担の軽減、そして安全・安心な教育研究環境の構築と、この三点を中心に充実をするという旨の記載がされているわけでございます。そして、教育の再生は最優先の政策課題の一つであり、欧米主要国を上回る質の高い教育の実現が求められていることから、将来的には、恒久的な財源を確保して、OECD並みの高財政支出を行うことを目指しつつ、本計画期間内においては、第2部にある成果目標の達成や基本施策の実施に必要な予算について財源を措置し、教育投資を確保していくことが必要であるとされているわけでございます。
 以上が総論でございます。
 2枚目に整理をしてございますように、その四つの基本的な方向性ごとに、成果目標を八つ。赤字の部分でございますが、八つに整理をし、それを測る成果指標と、その実現に向けた具体的な施策、これが30項目ございますが、体系的に整理をされております。
 概略、御紹介いたしますと、まず社会を生き抜く力の養成に関しましては、成果目標1として、初等・中等教育段階における「自ら学び、考え、行動する力」の確実な育成ということ。指標例としては、国際学力調査でトップレベルの成績などを掲げまして、その具体的な施策として、ICTの活用などによる協働型・双方向型学習の推進などを含め、新学習指導要領の着実な実施、さらには学制の在り方を含めた柔軟な教育システム等の検討なども入れられているわけでございます。
 成果目標2として、高等教育段階におきます、どんな環境でも「答えのない問題」に最善解を導くことができる力を養うこと。指標例としては、十分な質を伴った学習時間を欧米水準並みに増加するといったようなことなどを掲げ、具体的な施策としては、学生の主体的な学びによる大学教育の質的転換、点からプロセスによる質保証を重視した高大接続といったようなことが掲げられております。
 成果目標3では、生涯を通じた社会を生き抜くための力の習得。具体的な取組例として、学校内外における様々な体験活動・読書活動の推進、学習の質の保証と学習成果の評価活用の推進などが掲げられております。
 成果目標4といたしまして、昨今の厳しい就職状況などを踏まえまして、社会的・職業的自立に向けた力の育成、これを一つ大きな柱として掲げておりまして、将来の夢や目標を持っている児童・生徒の割合、あるいは大学等への社会人入学者、こういったようなものをふやしていくといったような指標、そして取組としては、各学校段階を通じて、体系的・系統的なキャリア教育を充実する、社会人の学び直しの充実をするといったようなことが掲げられております。
 成果目標5といたしまして、新たな価値を創造する人材、グローバル人材等の養成。指標例としては、大学の国際的な評価の向上、英語力の目標を達成した中高生、教員の割合の増加、日本の生徒・学生等の海外留学、あるいは外国人留学者数の増加といったようなことを掲げまして、具体的な取組例としては、高等学校段階における早期卒業制度の検討、外国語教育、あるいは留学生交流、国際交流の推進などが掲げられております。
 学びのセーフティーネットの構築に関しましては、成果目標6として、意欲ある全ての者への学習機会の確保。指標例としては、経済状況によらない進学機会の確保、いじめ、不登校、高校中退者の状況改善といったようなことを掲げ、取組例といたしましては、幼児教育無償化の検討、あるいは低所得者世帯の学生等への支援の充実、貧困の連鎖を防ぐための学習の支援といったようなことが掲げられております。
 成果目標7は、安全・安心な教育研究環境の確保でございまして、具体的には、事故、災害で負傷する児童・生徒の減少などを含めて目標に掲げ、平成27年度までのできるだけ早い時期に、公立学校施設の耐震化を完了するといったような目標、施策、それから主体的に行動する態度を育成する防災教育などが掲げられております。
 最後に、絆づくりと活力あるコミュニティの形成ということで、成果目標の8として、互助・共助による活力あるコミュニティの形成を掲げ、その指標例としては、全学校区に学校と地域の連携・協働体制を構築すること、全公立小・中学校の1割をコミュニティ・スクールにすることなどを掲げまして、具体的な取組例として、コミュニティ・スクール、学校支援地域本部等の普及といったようなことが掲げられております。
 それから、資料の一番下になりますが、現場重視の学校運営、地方教育行政改革、あるいは計画的な教職員定数改善などの教職員体制の整備などにつきましては、四つの方向性いずれにも関係をするということで、基本的方向性を支える環境整備として整理をいただいております。
 さらに、東日本大震災からの復旧・復興支援につきましても、一つの柱として、整理をいただいているところでございます。
 このほか、第3部におきましては、第2部で整理をした各施策の総合的かつ計画的な推進を図るということで、的確な情報の発信、国民の意見等の把握や反映、計画の進捗状況の点検及び見直しの必要性について記載をされております。
 概略、以上でございます。よろしくお願いいたします。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 それでは、委員の皆様から、御質問、御意見あれば、お聞きしたいと思います。いつものとおり、御意見のある方は名立てを立てていただいて、私の方で、順番に指名させていただきます。
 河田委員、どうぞよろしくお願いします。

【河田委員】

 先日の大学分科会を休みましたので、一つだけ申したいと思います。
 今回の「第2期教育振興基本計画について(答申)(案)」は、とても御苦労されて、かつ、前回とは違って、幼稚園、小学校、中学、高校、大学という形で、一気通貫というのでしょうか、一つの教育的な脈絡ができた中での、答申案で感心しながら拝読をいたしました。
 ただ一つ、この1枚目、2枚目に抜けているのは、女性という言葉がどこにも出てこないことであります。今、私の左右の席には女性委員がいらっしゃいますが、それで言うわけではございませんが、日本社会というのは、国会議員数でも女性の数が13.2%で非常に少ない。企業においても、役員数で、特に大企業の場合も女性の役員は少ない。大学においても、女性の教員や学長の数はアメリカなどと比べて段違いに少ない。特に国立大学はそうでございます。
 そういう中で、ぜひともどこかに、1枚目ならば、3は1行しかないので、もう1行付け足していただいて、「女性と若者が安心して社会参加と活躍ができる社会の形成」という項目を入れていただきたいと思います。また、2枚目の6のところにも、せっかく「挫折や困難を抱えた子ども・若者」と書いたのですから、もう一つ中黒を入れて、「女性の学び直し」という言葉を入れていただければ、簡単な訂正というか加筆で済むと思いますので、ぜひとも「女性」という言葉を入れていただきたい。そうすれば、今回のこの基本計画は非常にすぐれたものになるのではないか、というのが私の感想でございます。女性の委員の方々もたくさんおられると思いますので、私が言うのはおこがましいかもしれませんが、以上が感想でございます。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 次は、長尾委員、よろしくお願いします。

【長尾委員】

 今、河田先生に言っていただいて、本来は私が言うべきだったかなと思いますが、ただ、ここではこれをセコンドしたい。ありがとうございました。本当に女性というものが大きな社会の飛躍の原動力であるということを忘れずに、ここに書き添えていただきたいと思います。ありがとうございます。

【三村会長】

 支持の発言がありましたが、ほかにいかがでしょうか。
 副会長お二人から、感想、印象を少し述べていただければありがたいのですが。

【安西副会長】

 この答申案につきましては、もちろん中教審の総会、また文部科学省におかれましても、大変御尽力いただいて、大変中身の濃いものに仕上がっているというふうに認識しております。
 一つ、ぜひ申し上げたいのは、やはり実行ということでございまして、答申を出しただけでは教育が変わったことにはならないわけであります。ぜひ、この内容が実行されるように。それには財源も必要でありまして、財源について書き込んでいただいているのは、大変ありがたいことだと思いました。財源の措置とともに、一方で、これからの時代、グローバル化の中に日本全体が投げ込まれていく。これはトップレベルの云々ということではなくて、日本で暮らしていく人たち、また教育を受けていく人たちが、みんな投げ込まれていく、そういう時代へ対応した教育にぜひ変えていっていただきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

【三村会長】

 小川委員。

【小川副会長】

 初等中等教育分科会の分科会長も務めさせていただいていることもあって、この基本計画の中身については、初中分科会でも何度か時間を確保して、いろいろ議論させていただきました。初中分科会で、様々出た意見・要望等は、かなり今回の答申案に反映させていただいたと思っております。ありがとうございました。
 最終的に、初中分科会や教育振興基本計画部会で多くの委員から強調されたのは、安西委員からも、今、お話があったように、これからいよいよ第2期の教育振興基本計画を実行に移すという過程に入っていくわけですから、ぜひ、その実行、取組のプロセスを、しっかり途中で点検し、そして、必要があれば、内容を更に補強し、ないしは見直していくというような、そういう柔軟な取組の対応も必要ではないかということが強調されました。5年間ということですので、学校現場ないしは社会も、非常に流動性も、また展開も速くなっておりますので、必ずしも今回の基本計画の中身というのが、今後の5年間、そのまま固定して、実行というようなことではなくて、学校現場、社会のいろいろな状況に対応して、必要なときには柔軟に補強ないしは見直していくというふうなことも含めて、取組のプロセスを、しっかり中教審として体制をとってやってほしいという、そういう意見が多くの委員から出されましたので、ぜひ、そういう体制をつくって、この基本計画の実現を、中教審として、しっかりサポートしていければなと思っています。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 フォローアップにつきましては、今回、30のアクションという形で、できるだけ、数量化は全部はできないのですが、後でフォローアップしやすいような形で、今回まとめたつもりですので、今、両副会長からもありましたが、我々としては、計画はつくるだけではだめで、当然、そのフォローアップが必要だと、こういうことだと思っておりますので、これは中教審全体として、これについては実行するということをお約束したいと思います。
 菊川委員、どうぞ。

【菊川委員】

 私は第1期の教育振興基本計画が策定されたときに、教育振興基本計画特別部会に入っておりました。そういう立場から見せていただくと、先ほど河田委員がおっしゃったように、幼児から大学までずっと通して柱立てができている。そして、その中で、未来への飛躍を実現する人材の養成ということが特出しをされているということで柱立てとして良いように思います。それからまた、このように全体的に俯瞰しているのですが、同時に数値目標を立てて、具体的であるということで実効性のある計画になっているのではないかという感想を持ちました。
 実行するためには、財源とともに、この計画の一番最後にも書いてあるのですが、国民への発信ということが大事でございます。教職員につきましては、こういう考え方なり取組ということが、仕事を通して徹底されていくと思いますが、先ほどから出ていますように、例えば、親御さんですとか、あるいは再就職をしたい女性、あるいは高齢者ですとか、自らの責任で学ぶということを、生き残りのために、自分の、あるいは社会の生き残りのために学ぶということが非常に大事な時代になってきていると思いますので、そういうことを、それぞれが自覚し、自らを鍛えていくという視点が大事かと思いますが、そのためにも、こういう答申を、あるいは計画をわかりやすい形で国民に対して打ち出すということが大事かと思っております。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 橋本昌委員、お願いいたします。

【橋本(昌)委員】

 この間の部会でも申し上げたので、今日はやめようかなと思ったのですが、前向きに教育をどう良くすればいいかという方向は、とてもいろいろな方面に配慮しながらつくられているのですが、片一方で、地方では、もう子どもの数が半分になってきてしまっている。少人数学級と言っていますが、少人数学級が実現してしまっているところが、極めて多くなっている。ましてや、学校がもうもたなくなっている、統廃合が進んでいる、そういうことについて、これはこれとして結構なのですが、文部科学省では、ぜひ、その弱いところの子どもたちをどうするかということについて、これから考えていっていただきたいと思います。学校をどうやって維持するのか、学校を維持するだけで競争力もない子どもを育ててしまっていいのだろうか、統廃合するとしたら、どういう手当てをすればいいだろうか、そういったことも含めて、いろいろ、これから配慮していただけたらと思います。

【三村会長】

 ありがとうございます。
 田邉委員。

【田邉委員】

 田邉です。よろしくお願いいたします。
 私の方から、身近な生活をしている中での感想です。キャリア教育の職業教育と社会人の学び直しの機会の充実ということで、大学院に入る社会人については減少傾向にあるということなのですが、体育やスポーツ関係に関しては、そのように感じないのですが、私の周りでは以前に比べたら大学院に通う社会人が増えているのではと感じます。周りの人から社会人の大学院に通っているということを最近聞くようになったかなということがあります。やはり、大学等でスポーツをやっていて、一般の企業の方に入って、それからしばらくたって、また学び、学んで、その次のステップという形で、次のキャリアにつなげていけるのが、直接、大学院に進むということなのではないかなと思います。また、選手を引退した後に大学院に進む方も増えているように感じます。ですから、科目の特性などとというのも多少あるのではないかと感じております。これは、私たちスポーツにかかわる者にとっては非常にありがたい機会ですので、ぜひ充実していただけたらと思います。

【三村会長】

 ありがとうございます。
 森委員、どうぞお願いします。

【森委員】

 私自身は、一番最初に申し上げたことは、目的と手段のことを申し上げたと思うのですね。どうも最近の傾向として、手段が先行して、本来の目的が何だったかをおろそかにする風潮があって、目的のところを非常に明確にするのが一番大事ではないかと申し上げましたが、その点に関しては、非常によくフォローしていただいたと思っております。
 例えば、「生きる力」という言葉が、「社会を生き抜く力」になったということだけでも非常にいいことだったと思うのですね。社会という言葉が入っただけでも、非常に目的が明確化されたと思っていますし、二番の未来への飛躍の前に、社会を生き抜く力という、非常に現場で切迫している問題が一番に来ているということも評価していますし、三番、四番も非常に、何を目指すかという目的が明確化されていると思っておりますので、私としては非常にいい内容になったのではないかというふうに高く評価をさせていただいているところであります。
 若干、あまり出席率もよくなくて、こう言うのもどうかと思うのですが、もう少し私の立場からすると、教育現場における現場から沸き上がる力をうまく活用していくというのを、もう少し強調したかったという意識がございますが、それはまた次回ということで、つまり、そこのところは、市町村レベルで非常に特色のある、いろいろな政策が出てきていて、予算も市町村単独費で相当手当てをしているという実態があるというわけですね。とかくマイナスをどう繕うか、措置するかという、そのマイナス面だけ目が行きがちですが、そういう意味では、非常に前向きに、非常に意欲的な取組をしている市町村がふえてきているという実態があって、これはもう、十分、文部科学省でも理解していただいていると思っておりますが、もう少し強調したかったという面はありますので、これはこれで高く評価させていただいているということだけ申し上げておきます。

【三村会長】

 辛口の森委員に褒められたので、まあまあ。
 次は、橋本都委員、どうぞ。

【橋本(都)委員】

 ありがとうございます。
 安西副会長からもお話があった点ですが、教育投資の在り方をきちっと盛り込んでいただいたことは、これから県レベルで教育振興基本計画を、国のこの計画を参考にしてやってまいりますときに、大変ありがたいというふうに思っております。
 それから、成果指標を幾つか示していただいたことで、本県においては、この辺をまた重点的にやっていこうということで、非常にわかりやすくできているので、これをまた、本当に県でも進めてまいりたいと考えております。
 それから、もう一つ、協働型・双方向型学習などという形で記述をされておりますが、これからの我々の目指す、子どもたちにつけていく学力の考え方、この辺については、なかなか言葉ではわかりづらい点があるかと思いますので、ぜひ、私どもも努力をしてまいりたいと思いますが、関係者の方々が、こういうふうな力をつけていくために、こういうふうな学習が必要なのだということを、やはり声を大にして言っていくことが大事かと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 早川委員、よろしくお願いします。

【早川委員】

 学校や市町村レベルで、非常にストーリー性を感じる四つの大きな柱になっていると思うのです。
 まず三番目に、学びのセーフティーネットということについて、気を配れないような学校とか市町村であっては、それはいけないわけでして、それは当然のこととして、一番と二番で、とにかく伸びる子をどんどん伸ばしていこうよという、メッセージ性が非常にあっていいと思うのです。
 学校現場というのは、やはり力のある先生ほど、何かこっちへおいでおいでというようなところが、出てしまうようなところがあるので、ぜひ教室の中で、子どものアイデアや主体性をもっともっと伸ばしていこうとすることが、将来の人材をつくっていくことになるのだというメッセージとして、非常に強いものがあっていいと思います。そして四番目には、地域の教育力を活用していこうという、趣旨で現場サイドとしては、このストーリーが読みやすい。しかも、学校や市町村が行う施策をこれらにラベルを一つずつ付けていくことができるということで、大変、理解しやすい、具体的な内容になっていると思っております。

【三村会長】

 ありがとうございます。
 長尾委員、よろしくお願いします。

【長尾委員】

 教育投資の方向性というふうなことで、しっかりと奨学金として教育に投資をしていただくところが明示されてきてうれしいのですが、35ページにあります、家計における教育費負担の軽減。もちろん、今の大学生の大半が奨学金に頼っているわけですが、奨学金で家計における教育費の負担は軽減しても、それが貸与の奨学金であれば、例えば、7万円、月々もらっていると計算しましたら、大学を卒業する時点で336万円の借金を、負債を背負って卒業するという状況になってしまいます。ぜひ給付型奨学金というのを増やしていただけるよう実態に合わせた充実化を、実態化をしていただければなというふうに願っております。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 五十嵐委員、どうぞ。

【五十嵐委員】

 先ほど小川副会長、安西副会長がおっしゃったとおりで、これからこの第2期教育振興基本計画の内容が実現できると教育の質が変わっていくだろうと思いますので、学校現場も頑張っていきたいと思っています。
 今までも学習指導要領で、生きる力の理念や学習者主体の学びにしていかなければいけないということはきちんと述べられていました。でも、この学びを支える具体的なこと、すなわち方法論やその環境の技術開発に関することまで明示されていなかったのが、なかなか実現できなかった原因だと思います。今回、このような形で、第2期の教育振興基本計画が出されましたので、具体的な施策も全部含めて、実現可能になっていくのではないかなというふうに期待しています。特に、先ほど出ましたが、協働型・双方向型学習にはICTは欠かせません。このあたりの設備の技術も進んで、しっかり整備していこうとする動きが出ると、きっと学びの環境も実現していくと思います。
 上からの改革、つまり高等教育が変われば中等教育も変わって、初等教育につながっていきますし、逆に下から、学びの基礎である大切な幼児教育が充実すると、その続きで初等教育、中等教育、高等教育の充実につながっていきます。その両方の流れで、大きくこれからの社会を生き抜く力を育てる学びということを基盤に置いた議論が、これから現実的に進んでいくことを望みます。
 具体的には、これから子どもたちが、未来の社会を生き抜いていくために必要な力、具体的にはどのような能力が必要か、そのための教育の内容だけでなく、それを実現していく方法論までみんなで考えていきたいと思います。ぜひ、これからの学びが、本当に子どもたち主体の学びになるように、学校で学ぶ内容、方法、それを支える全ての環境が整備され、第2期教育振興基本計画の理念が実現していくことを望んでいます。
 以上です。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 生重さん、どうぞ。

【生重委員】

 発言させていただきます。
 今回の答申の中に、私はやはり教育投資の在り方というのが盛り込まれたのが、とても評価が高いというふうに思っておりまして、その中で、私が特にここを書き込んでいただくとよかったと思うのは、広い意味で社会関係資本を基盤としたボランティアの人的貢献とか、企業の支える、要するに、多様な社会総がかりで、様々な立場から教育、人材育成を支えていくという、この文言が盛り込まれたということが、とても評価に値するものだと思いますし、私自身の仕事を通じましても、広く多くの方たちを巻き込みながら、子どもたちの学びを支援していくような、民間からの体制づくりに努めていきたいなと思っております。
 以上でございます。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 今日の意見は全てもっともだと思いますし、女性の記述については、今日はいずれにしても答申しなければいけませんので、もう少し後で、どういう形で入れるのか、少し考えさせてください。おっしゃるとおりだと思います。
 それから、教育投資については、今回、いろいろ悩みがあったのですが、やはり書こうと、こういうことであります。ただ、これを実行していただけるのは、後ほどの下村文部科学大臣が、これは少し頑張っていただかなければいけないので、これは大臣によろしくお願いしたいと思っております。
 それからもう一つ、PDCAを回すということ、かつて文科省では何回も計画ができているわけですね。率直に言いますと。したがって、それではいけないと。したがって、今回のものは中教審全体として、このフォローアップを何らかの形でやる。これは先ほど申し上げましたように、これは大きな課題だと思っております。
 以上で、ここで大臣にお渡しする前に、皆さんの御了解を得ると、こういうプロセスでございますが、よろしければ、御賛同いただければ、拍手をもって承認していただきたい。

(拍手)

【三村会長】

 ありがとうございました。
 それでは、文部科学大臣に提出させていただきます。
 本件については、一昨年の6月からですか、部会を23回とありますが、本当に23回やっているのです。諮問を受けまして、審議を重ねてまいりました。
 本審議会における審議の根底に流れておりましたのは、何よりも我が国の置かれた現状に対する「危機感」であります。
 この状況を打開するためには教育に何ができるのだろうかと、あるいは東日本大震災から得られた教訓もたくさんありました。それから第1期計画の評価というものもありました。これらを踏まえて、結論としては、「自立・協働・創造に向けた一人一人の主体的な学び」を実現することこそが、我が国が直面する危機を解決するものであるとの結論に達したわけでございます。
 そして、その実現に向けた教育の在り方としましては、「社会を生き抜く力の養成」をはじめとした各学校段階を貫く四つの教育行政の基本的方向性を導き出すとともに、その方向に従って、今後5年間に達成すべき八つの成果目標、これを実現するために取り組むべき30の施策を提案しております。また、これらの施策を実現するためには、どうしても、その裏付けとなる投資を確保していくことが必要であります。今後、我が国が欧米主要国を上回る教育の実現を図るためには、必要な教育投資の在り方についても提言したところであります。さらに、先ほど申し上げましたように、どうしてもPDCA、これをきちっと回す、こういうことも必要だと思っております。
 文部科学大臣におかれては、この答申を十分に尊重していただき、政府としての第2期教育振興基本計画を策定し、教育施策の充実に積極的に取り組んでいただきますよう、お願い申し上げます。
 それでは、大臣に答申案を手渡したいと思います。
 では、大臣、どうぞよろしくお願いいたします。

(答申文手交)

【三村会長】

 よろしくお願いいたします。
 それでは、下村大臣から一言御挨拶をお願いいたします。

【下村大臣】

 ただいま三村会長から「第2期教育振興基本計画について(答申)」をいただきました。
 本件につきましては、一昨年6月の諮問以来、23回にわたって、大変精力的な御審議を賜りました三村会長はじめ、委員各位、皆様方の英知を結集され、充実した内容の答申をおまとめいただきましたことを深く感謝申し上げたいと思います。
 教育振興基本計画は、改正教育基本法に基づき、教育の振興を図るため、政府全体として策定する総合的な計画であり、極めて重要な意義を有するものと考えております。
 本答申においては、一人一人が誇りと自信を取り戻し、幅広い人々が成長を実感できるような社会の構築に向けた教育の方向性、まさに「教育再生」に向けた具体的な道筋をお示しいただいたと受けとめております。
 私としましては、本答申にお示しいただいた御提言をしっかりと受けとめ、早急に政府としての第2期教育振興基本計画の策定に取り組むとともに、関連施策の推進に全力で取り組んでまいりたいと存じます。
 安倍内閣におきましては、経済再生と、そして教育再生が内閣の最重要課題と位置付け、今、鋭意、政府の中でも、この教育改革に向けて、スピード感を持って、そして経済再生と同様に、これまで以上に、次元を超えた改革に、いよいよ今度は教育再生が着手する番であると考えております。政府の中の産業競争力会議においても、来月の中旬までにグローバル社会の中での人材育成について、これまでも、この政府の関係のいろいろなところで、必ずそのための人材育成をどうするかということが、それぞれの中で議論されているところでございますし、また、教育再生実行会議でも議論されているところでございますので、ぜひ、そのためには、それを担保するための財政的な措置を図ると、その基本が教育振興基本計画であると思いますので、私としては、皆様方の貴重な御意見を反映していただいた、この教育振興基本計画が更に前倒しになるような予算を、政府全体の中で、これから安倍総理と麻生財務大臣等にお願いしながら、精力的に先頭に立って対応してまいりたいと思います。
 最後に、三村会長はじめ、委員の皆様方のこれまでの御尽力に改めて感謝申し上げますとともに、今後、本答申を踏まえた教育施策の実現に当たりまして、必要な事項について、引き続き御審議を賜りますようお願い申し上げまして、簡単でございますが、私の御挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございます。

【三村会長】

 大臣、ありがとうございました。
 続きまして、大臣から、「今後の地方教育行政の在り方について」の諮問がございます。よろしくお願いいたします。

【下村大臣】

 次に掲げる事項について、別途理由を添えて諮問します。
 今後の地方教育行政の在り方について。
 平成25年4月25日。
 文部科学大臣、下村博文。
 よろしくお願いいたします。

【三村会長】

 確かに受け取りました。

(諮問文手交)

【三村会長】

 ただいま諮問をちょうだいいたしました。
 それでは、大臣より、諮問の理由について、御説明、よろしくお願いいたします。

【下村大臣】

 ただいま、文部科学大臣として、新たに「今後の地方教育行政の在り方について」諮問させていただきました。お手元の諮問文に添付しております諮問理由について、説明申し上げます。
 我が国の地方教育行政は、教育の政治的中立性、安定性、継続性の確保や地域住民の意向の反映を趣旨とする教育委員会制度を基盤として、地域における教育、文化、スポーツの振興に重要な役割を果たしてきたところであります。
 しかしながら、教育委員会制度に関しては、これまでも権限と責任の所在が不明確で、地域住民や保護者の意向を十分反映していないのではないかというような問題点が指摘されております。これらに加え、最近のいじめ事案等への対応をめぐって、様々な指摘がなされております。教育再生を実行していくためには、地方教育行政について、その責任体制を確立し、現場の問題に迅速かつ的確に対応できるよう、抜本的な改革が必要であると考えます。
 以上のような観点から、閣議決定に基づき、内閣総理大臣が開催する教育再生実行会議において、教育委員会制度の抜本的改革等について御議論いただき、先日、改革の方向性について御提言をいただいたところであります。
 この提言では、一つに、地方教育行政の権限と責任を明確にし、全国どこでも責任ある体制を築くため、主に首長が任命を行う教育長を地方公共団体の教育行政の責任者とする。教育委員会は、地域の教育の基本方針等について審議し、教育長に対し大きな方向性を示すとともに、教育長による事務執行状況をチェックすることとするというような方向性で教育委員会制度を抜本的に改革すること。
 二つ目に、ナショナル・スタンダードが維持され、責任ある教育が行われるよう、主に、地方の教育行政の法令違反や、子どもの生命・身体、教育を受ける権利の侵害の場合に、最終的には国が是正・改善の指示等、その責任をしっかりと果たせるようにするというような方向性で、国、都道府県、市町村の役割を明確化し、相互の権限や関係を見直すこと。
 三つ目に、コミュニティ・スクール等の設置に努めるなど、地方教育行政や学校運営に対し地域住民の意向を適切に反映することなどが盛り込まれております。
 これらを踏まえ、今後の地方教育行政の在り方について諮問を行うものでありますが、特に、改革の方向性を踏まえた具体的実施方法や法制化にかかわる事項を中心に御審議いただきたいと考えております。
 具体的には、次の点を中心に、御審議をお願いできればと思います。
 第1に、教育委員会制度の在り方についてであります。
 教育再生実行会議から示された地方教育行政の責任体制を明確化するため、「首長」が任免する「教育長」を地方公共団体の教育行政の責任者とするとの改革の方向性を踏まえ、「教育長」「教育委員会」「首長」の法的位置付けや権限、相互の関係など、教育委員会制度の見直しの具体的な在り方について御検討をお願いします。その際、「教育長」の任期や罷免の要件など「首長」と「教育長」との関係をどのように考えるか、「教育委員会」が果たすべき役割や「教育委員」の任命の方法をどのように考えるか、また、教育の政治的中立性、継続性・安定性を確保するために、「教育委員会」がどのような権限を持ち、責任を負うべきかといった具体的な制度設計を中心に、御検討、お願いいたします。
 第2に、教育行政における国、都道府県、市町村の役割分担とおのおのの関係の在り方についてであります。
 教育再生実行会議から示された改革の方向性を踏まえ、教育行政における国の責任の果たし方、都道府県と市町村の役割と関係の在り方などについて、御検討をお願いいたします。
 具体的に、地方教育行政の法令違反や子どもの生命・身体、教育を受ける権利の侵害の場合の是正・改善の指示等、国がどのように責任を果たすべきか。県費負担教職員の人事権や給与負担について、都道府県及び市町村の役割をどう考えるか。小規模町村における教育行政の広域化についてどう考えるかなどを中心に、御検討、お願いいたします。
 第3に、学校と教育行政、保護者・地域住民との関係の在り方についてであります。
 教育再生実行会議から示された改革の方向性を踏まえ、学校と教育行政との関係の在り方、学校と保護者・地域住民との関係の在り方などについて、御検討をお願いいたします。
 以上が中心的に御審議をお願いしたい事項でございますが、このほかにも今後の地方教育行政の在り方に関して必要な事項について御検討をお願いいたします。
 なお、私としましては、教育委員会制度等の抜本的な見直しに向けた法律改正案を来年の通常国会に提出したいと考えておりますので、本年中をめどに答申をいただければ大変ありがたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げたいと思います。
 以上でございます。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 私どもとしましては、今後、最善を尽くして審議を進めてまいりたいと思っております。
 それでは、先ほど大臣から諮問をいただきましたので、これについて、この場で皆さんの意見があれば、お聞かせいただきたいと思います。
 まず、事務局より諮問に関する参考資料等について御説明いただいた上で、この諮問に関し、今後検討すべき方向性について、御自由に皆様の考えを述べていただきたいと思います。よろしくお願いします。

【布村初等中等教育局長】

 失礼いたします。初等中等教育局長、布村と申します。資料3-2をごらんいただければと存じます。
 ただいま大臣から諮問がありました教育委員会制度の見直しにつきまして、現行制度からどのように見直すという提案なのかという観点から、御説明をさせていただきたいと思います。
 表紙をめくって、1ページ目をごらんください。現行制度の紹介になってございます。
 現行の教育委員会制度は、下の図にございますように、都道府県や市町村における教育行政は、他の一般行政と異なり、知事や市町村長、ここでは首長と書かせていただいておりますが、この首長から独立した教育委員会が行うという形になってございます。この教育委員会は、常勤の教育長1名と非常勤の教育委員長、教育委員を合わせて、原則5名、任期4年という構成になってございます。
 このように首長から独立した教育委員会が地方の教育行政を担う理由といたしましては、真ん中の丸2の枠組みにございますように、一つは教育の政治的中立性の確保、それから継続性・安定性の確保、地域住民の意向の反映という三つからでございます。
 教育委員の任命につきましては、現在、首長が議会の同意を得て任命するという形になってございます。その中でも、毎年1名ないし2名が4年の任期終了を迎えるという形で、このタイミングで首長が自分で適任と思う教育委員を任命するという手続になります。
 3ページ目をごらんください。
 こうした制度につきまして、非常勤の教育委員長と常勤の教育長を、どちらが責任者なのかという御議論もあり、3ページの下の図にありますとおり、教育再生実行会議の提言では、常勤の教育長を責任者として明確化し、教育委員には、教育の基本方針を示す教育長の事務執行をチェックするという役割を担っていただくこととするという提言となってございます。
 また、教育長の任命につきましては、現在は首長が教育委員としての任命を行い、教育委員会の中の互選で教育長を選ぶという形になってございますが、提言では、首長が直接、教育長として任命、あるいは罷免できるようにするという提言でございます。
 2ページ目にお戻りをいただきまして、現在の教育委員会と首長の役割分担を示してございますが、教育行政における首長のかかわりとしては、教育委員の任命権のほか、予算に関すること、大学、私学に関することというのが現状の首長の役割となっているところでございます。
 次は、4ページ目の方に移らせていただきます。教育行政における国、都道府県、市町村の役割分担と、おのおのの関係の在り方についてでございます。
 最初に、5ページ目の表の一番上にございますとおり、現行の国の権限としましては、指導、助言、援助というのが、国から地方への関与の方法の中心となってございます。現在の地方自治制度のもとでは、国と都道府県、市町村は上下関係ではございませんので、国の関与の方法としては、指導、助言、援助という非権力的な関与が基本となってきたわけでございます。しかしながら、地方の教育委員会におきまして、適切な対応が行われていない場合には、国として、しっかり責任を果たすことが必要であるという観点から、平成19年、教育基本法の改正を受けた教育三法の改正の際に、この表の真ん中の下の方にございますが、是正の要求に関する49条、それから指示に関する50条の規定が整備をされたところでございます。これらの規定につきましては、国から地方への関与は必要最小限度にするという地方自治法の基本的な考え方があることもあり、極めて限定的な場合にしか実施できないという形で、要件が定められております。
 6ページにございますが、大津市のいじめの事案等もあった中で、今以上に国が教育に対する最終的な責任を果たせるものとする必要があるのではないかということで、教育再生実行会議から、この6ページにあるような提言が行われているところでございます。
 また、あわせまして、市町村立の小・中学校の教職員人事権につきましてですが、ちょうど4ページ目の都道府県の一番上に、都道府県の役割として位置付けられておりますが、小・中学校の教員は、市町村の公務員ではございますが、その給与につきましては、市町村にとって財政負担が過重ではないかという観点から、国と都道府県が負担するという制度になってございます。これに伴いまして、公立小・中学校の教職員の人事につきましても都道府県が行うという制度が現状でございます。これに対しましては、中核市などから、教員の人事権を移譲してほしいという要望が出されております一方で、周辺の小規模市町村からは、都市部の市に人事権が移譲されると人材確保が困難になるという懸念の声が上がっております。こうしたことから、教育再生実行会議では、広域での人事交流の仕組みを構築するということを前提として、小規模市町村等の理解を得た上で、市町村への人事権の移譲を検討するという提言になっているところでございます。
 続きまして、7ページ目になります。三点目、最後になりますが、学校と教育行政との関係の在り方についてでございます。
 学校と保護者・地域住民との関係の在り方などにつきまして御検討される際の参考となるように、7ページ目に、現行制度にありますコミュニティ・スクールについての資料を添付させていただいております。
 現在1,183校が全国でコミュニティ・スクールに指定されておりますが、今後5年間で、公立小・中学校の約1割の3,000校に拡大することを文部科学省としても目指しているところでございます。
 資料2におきまして、教育再生実行会議の御提言を配付させていただいております。
 また、会議で出た意見は、提言本体の中に反映されているという状況でございますが、この資料2の一番最後のページに、委員から中央教育審議会での審議の際に留意してほしい事項という追加意見が提出されておりますので、あわせてごらんいただければと存じます。
 説明は以上でございます。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 では、橋本昌委員、よろしくお願いします。

【橋本(昌)委員】

 今、諮問の内容等について御説明をいただいたところでありますが、まず、この諮問の中で、教育長を地方公共団体の教育行政の責任者とすると書いてあるのですが、例えば、どういうふうな形の責任者なのか。ほかの部長とか、公営企業管理者と変わった形なのかどうか。国においては、下村大臣も失礼ながら、ワン・オブ・ミニスターズ、大臣がたくさんいる中の一人です。教育行政だけ、何でそんなふうに特別扱いしなければいけないのか。我々、地方公共団体の全体の行政を預かっている。その中で予算の配分、その他もいろいろと配慮していかなければいけない。もともと教育委員会制度が、この戦後の混乱の中で生まれた仕組みでありますから、今の時代に同じような仕組みを置いておく必要があるのかどうかということが一つです。
 それから、もう一つは、この教育再生実行会議の提言の中に、「議会の同意を得ることとし」と書いてあるのですが、それがこの諮問では抜けております。これは意図的に抜いたのか、もうそういう方向は文部科学省として向いていないのかどうか。例えば、議会の同意ということになりますと、最近、よく起きておりますのが、市町村で新しい市長が就任したときに、どうしても議会が、教育長を新しくしようとしても同意しない。そのために、例えば、3月から4月にかけて人事異動をやる、あるいは卒業式がある、入学式がある、そういうときにも教育長不在のままで来ております。教育委員の互選ということになっておりますが、ほかの委員さん方は、あくまでも教育長になるような立場の人を選んでおりません。例えば、PTAの代表とかいう形で来ているわけですので、なかなか次がすぐには選べない。教育次長か何かに任せておくというような形になってきてしまっております。こういったことについても、どういうふうに議会の同意というものについて、文部科学省として考えて、この諮問文から抜いたのかどうかということは、私は非常に気になっております。首長としては、せっかく自分の市町村行政、都道府県行政の極めて大きな部分ですから、自分の気が合った人とやりたいというのは当然ではないかと思っております。
 それから、もう一つは、政治的中立性というのが、この諮問文に書いてございます。国の方では教育委員会制度はないわけであります。あるいは、いろいろ諮問するにしても、この中央教育審議会の委員そのものも議会の同意などは得ておりません。下村大臣も極めて重要だとはいっても、ワン・オブ・ミニスターズとして、議会の同意ももちろん得ておりません。こういう中で、例えば、教科書検定なども、今日の新聞を見ておりましても、自民党の中でどうするか、いろいろな諸問題の取扱いについて議論されている。大変、国の方では政治的であります。私ども、多分、首長の方でも、選挙に当選してくると、自分のやりたい施策、教育行政、本県で見ても4分の1は教育行政にお金を使っています。もちろん、やりたい部分がある。そのときに政治的中立性ということで、全く別な分野に行ってしまっている。そういう形になると、やりたいこともやれない。先ほども申し上げたのですが、過疎が進んできている、統廃合をやらなくてはいけない。あるいは本県では、高校1年生に道徳を導入している。公立学校では全部やっておりますが、こういったことについても、とてもではないですが、選挙で選ばれた人でなければ、私は主張できないだろうと思っております。
 そういったことも含めて、これから、この諮問について議論していく中で、ぜひとも地方自治体の立場というものを考えた形での議論をお願いしたいと思っております。知事会の中では、教育再生実行会議の力をかりながら、文部科学省が、その力を伸ばしていこうとしているのではないかというような意見も、もう既に出ておるところでございますので、そういった点について御配慮をいただければありがたいと思っております。
 例えば、県の教育長につきましては、平成11年までは、我々知事が議会の同意もなしに任命しておりました。文部大臣の承認制でやっておりましたが、そういった形なども、私はいいのではないかと考えております。
 以上です。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 森委員、よろしくお願いします。

【森委員】

 今の橋本昌委員と基本的には方向は一緒でありますが、あまりにも、教育行政の実態というのを考えたときに、例えば、政治的中立性が要求されるような事項と、それ以外の、もっと前向きに、いろいろな政策をしていく部分と、私の感覚で比較したときに、恐らく政治的な中立性が要求されるような判断、決定というのは極めて限られている分野だと思います。
 実際問題として、予算権は市町村長が握っていますから、例えば、少人数学級を市町村の判断で先駆的に実施するとか、あるいは教職員の資質の向上を図るために、いろいろな研修会とか、長岡市は教員サポート錬成塾というのをやっておりますが、そういったことをやるとか、あるいは給食費等の減免をするとか、いろいろな判断があるわけですね。それから、建物の耐震性を高めるのはどうしたらいいかと、そういったもろもろの現実の行政の在り方を踏まえますと、非常に限られた部分だけ見て、こういう話が出てきているような気がしてしようがないのですね。ですから、教育長と市町村長の関係というのは、もっと幅の広いものであって、いろいろな業務が日常行われている中で、良好なコミュニケーションが保たれないと、前向きな行政、教育行政ができなくなる部分がある。ところが、例えば、いじめ問題とか、そういう現実の問題に、どうしようかという、その問題対処型で物事を考えると、こういう案になってくるような感じが私はするのです。
 ですから、教育というのは、もっとおおらかに、いろいろな形で、国だけではなくて、市町村や都道府県が独自の予算をとって、いろいろな工夫をして、前向きに物事を考えていくというのが教育行政だと考えたときに、教育長を責任者とすること自体は、私はあり得るとは思うのですが、市町村長と教育長との良好な関係とか、そういうのを壊さないような形で工夫しなければいけないのではないかと思いますね。
 現実の問題として、本当に私は、日常、教育長などと相談して、前向きに予算をつけていったり、いろいろな工夫をしたり、創意工夫をしたりするのが楽しくてしようがないわけですよ。そういうことが政治的中立性とか、そういったことで阻害されないようにしてもらいたい。
 二番目の権限の見直しについても、あまりにも問題対処型なのですね。マイナスをどう防ぐかというところに気持ちが行っているような気がしてしようがないのですね。教育って、それだけではないですよ。もっと夢が多いものですよ。現実に国だけではなくて、都道府県や市町村レベルで大きな予算を使っているわけですね。そういうことを、ぜひ御配慮いただきたいというふうに、橋本昌委員がおられますが、高知の知事が出している意見なども、本当にそういう観点から出ているのだろうと思います。
 だから、私は全否定しているわけではありませんで、こういうことを骨子にしながら、教育に夢を感じて前へ進める、市町村長や住民の意欲をそがないようにしていくにはどうしたらいいかという、その制度設計が非常に大事だというようなことだけ申し上げておきたい。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 次は、高橋委員、よろしくお願いします。

【高橋委員】

 岡山県の教育委員として四期目を迎えておりまして、その間、いろいろな教育課題も抱えて、責任も感じている経験をもとにお話をさせていただきたいと思います。
 この間、二回ほど、教育委員長もしました。やはり非常勤で責任を持つことは現実的ではありませんし、実際には、教育長が専決で決められていることが多いです。
 そういう中で、教育委員会で、私たち教育委員は一体、非常勤でどういう役割を果たさなければならないかという議論をしました。会社経営でいえば、執行主体は社長であり、本来、常勤である教育長が社長であるべきだろうという話になりました。教育委員は、社外重役的な立場で、しっかりと、方向性であるとか計画については合議することと、評価をするというのが、役割ではないかと考えます。教育委員長を形式的な責任者にしておくということは、首長や教育長の責任逃れになるのかもしれない、という話をしたことがありました。
 私は、首長、教育長、教育委員が、それぞれ、先ほどのお話にありましたように、地域の教育を積極的にどうしていくのかについて、戦略性を持って取り組む教育委員会の在り方を制度化すべきだと思います。
 その中で、私はいろいろなことがあると思うのですが、教育委員や教育長の人材をどう得るかだけではなくて、その人材をどう育てるか、あるいは教育委員として、何をどう研修していけばいいのかを考えることが重要だと思います。文科省も研修してくださるのですが、一方通行の講演ではなくて、しっかりと情報交換をする、教育委員とは何の役割をするのだとか、具体的にこの県の教育委員はどうしているのかという研修をすることが大事だと思います。
 もう一つは、教育委員は自分の経験や見識から意見を言うだけではなくて、それを、自らの職場や生活の場へ持って帰って、取り組む必要もあるのではないかと思います。前回の総会でも言ったのですが、経営者をしている教育委員の方が、教育には家庭の影響が大きい、その家庭の保護者は会社で働いている、その会社が教育に対してどういうふうに考えていくかということは責任のあることだと、教育委員になって思ったと話してくださいました。
 私も教員養成学部に所属しておりましたが、教育委員になるまでは自分の専門科目を教えればいいと思っていたのですが、教育委員になることによって、教育現場で何が必要とされているかということを考えて自らも養成教育を行う必要があると思いました。つまり教育委員が、その合議を有効なものにするためには、しっかりと研修をし、そして主体的に取り組む人材になる必要があると思います。また、ここでも指摘されていますが、市町村、県という自治体の大小があり、小さいところの教育委員に、人材が得にくいということもあります。そういうことにも配慮して、本当にいい意味で、教育の夢がしっかりとかなえられるような教育委員会制度を検討していただきたいと思っております。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 篠原さん、どうぞ。

【篠原委員】

 この問題は非常に根が深いと思いますが、要するに、私なりに解釈すれば、今の教育委員会制度では、教育委員長を中心とする教育委員会が形式的には権限を持っているわけですよ。しかし、実態は教育長を中心としたところが動かしていて、形式と実態の開きがある。これを実態に近づけて、きちんと一元化してやろうではないかということだと思います。基本的に、この流れに私は賛成します。そのために、どういう制度設計が必要なのかということですね。
 不祥事が各地域で起きたときに、記者会見に応じるのは、全部教育長ですよ。教育委員長の顔なんか、ほとんど出てこない。これ自体、一つとっても、今の教育委員会制度というのは形骸化しているということは、もうはっきり出ていると思うので、そういう観点に立って、私も議論に加わらせていただきたいと思います。

【三村会長】

 大臣、どうぞ。

【下村大臣】

 予算委員会で答弁があるものですから、本当は最後まで残って、委員の皆様方の御意見をお聞きしたいところでございますが、大変恐縮でございます。中座をさせていただきます。
 ただ、冒頭、橋本昌委員から少しお話ありましたが、これは省益でやるような話ではございません。私自身、教育再生実行会議の責任者でもありますが、文部行政の責任者でもありまして、両方兼務している中で、冒頭、少し申し上げましたが、安倍内閣の最重要課題の二つのうちの一つが教育再生実行会議だと。これから、この教育再生については、世の中が多様化し、非常にスピード化の中で、全般的に埋没しているところが多々あると思います。その中の一つとして、教育制度については、まず教育委員会が、何人かの方々から御指摘がありましたが、これはやはり形骸化していることは事実だと思うのですね。全国の教育委員会でも、相当きちっとされているところも、もちろんたくさんあります。しかし、制度的には、相当な創意工夫をしていかなければ、今の現実的ないろいろな問題について対処できていないというところがあるわけでございまして、これを、より機能性を持った現場の対応をしていくということでございます。
 流れの方向性としては、できるだけ地方に、教育については、それぞれ責任を持ってやってもらうという方向性については、そのとおりでありますが、しかし、何かあったときに、最終的に、特に義務教育については国が責任をとるべきであるというふうに思っていまして、そのときの担保をどうするかということについては御議論していただきたいと思います。
 それから、首長は、もちろんそれぞれの住民の方々が選ばれるわけでありますが、国会といいますか、国と違って、特に地方の場合には、二元代表制といいますか、首長を選ぶということと、それから議会を選ぶと。特に首長は、そういう意味では、国と違って大統領制でございます。その中に全部、例えば、首長部局に教育委員会を入れるということが、やはり教育における政治的な中立性という部分から、自治体によって、結果的に相当のリスクがあります。これは、しかし、住民が選んだからやむを得ないという考え方もあるかもしれませんが、少なくとも、やはり義務教育においては、政治的な中立性は教育の中でやはり担保しておく必要が今後ともあるのではないかという位置付けの中で、ほかの部長とは違う位置付けを、やはり教育長についてはとるべきであるし、その中で、教育委員会の果たすべき役割というのは、今後の御議論であるわけでございますが、一定の方向性については、教育再生実行会議の中で提案をされているところでもございます。ぜひ、これについては積極的な御議論を今後もしていただきたいと思いますし、また、私の方も、できるだけ中教審の会合に出させていただきたいと思いますが、地方にとっても、そして国にとっても、何よりも教育現場における子どもたちにとって、よりいい制度設計になるような御議論を、ぜひお願いしたいと思いますし、我々もそういう点から、ぜひ、いろいろな資料等を出させていただきながら、積極的な中教審における議論を深めていただきまして、答申を出していただければ、大変ありがたいと思います。
 大変恐縮でございますが、国会の方に行きます。

【三村会長】

 大臣、ここで退席されます。どうもありがとうございました。

(大臣退室)

【三村会長】

 今日、最終審議ではございませんので、これから年末までに議論するということになります。
 それで、その議論の場ですが、教育制度分科会を中心に議論していただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 最後になりますが、科学技術・学術審議会の事務局から、科学技術・学術審議会の審議に関係して、紹介及び中央教育審議会に対する依頼があるとのことでございますので、よろしくお願いいたします。

【磯谷科学技術・学術総括官】

 科学技術・学術総括官の磯谷でございます。座らせていただきます。
 参考資料1をごらんいただきたく存じます。
 4月22日に開催されました科学技術・学術審議会総会におきまして、我が国の研究開発力の抜本的強化のための基本方針(案)の審議がなされたところでございます。なお、科学技術・学術審議会のメンバーにつきましては、この資料の一番後ろに添付させていただいておりますので、後ほど御参照いただきたいと思います。
 そして、この基本方針の案の背景でございますが、近年、国際社会の中で、我が国の研究論文の被引用数など、いわゆる科学技術力を示す指標が低迷をしております。極めて憂慮される状況になっております。このため、この基本方針(案)につきましては、第6期の科学技術・学術審議会におきまして文部科学大臣へ建議されました「東日本大震災を踏まえた今後の科学技術・学術政策の在り方について」に書かれております指摘事項を踏まえまして、野依良治会長のリーダーシップのもとで取りまとめた案でございます。
 この基本方針(案)におきましては、研究開発を担う人材育成の在り方についても述べられております。例えば、恐縮ですが、5ページ目をごらんいただきますと、一番下の方に丸9という項目がございますが、我が国の研究開発力強化の観点から、初等中等教育、学部教育、とりわけ大学院教育の在り方について、中央教育審議会と連携した早急な検討を行うことが記載されているところでございます。22日の科学技術・学術審議会総会におきましては、野依会長の方から、科学技術・学術審議会の各分科会におきまして、この基本方針に基づき、スピード感を持って具体的方策を検討していただきたい、また、中央教育審議会との連携もしっかり行ってまいりたいとの御発言がありました。
 さらに、この基本方針(案)につきましては、22日の科学技術・学術審議会総会で出されました意見を踏まえて修正し、近いうちに確定させまして、今後、この方針をもとに、各分科会において議論することになっております。
 科学技術・学術審議会といたしましては、特に我が国の研究開発力強化の観点から、研究人材育成システムの改革について、関係の深い中央教育審議会委員の先生方との意見交換の場を設けるなどして、中央教育審議会と緊密に連携してまいりたいと考えております。今後、御協力をいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。

【三村会長】

 ありがとうございます。
 その委員でもあります、安西副会長から一言お願いします。

【安西副会長】

 私は科学技術・学術審議会の委員でもございますので、多少申し上げさせていただければと思います。
 この科学技術に向けた、あるいは技術開発も日本が科学技術立国を目指すという中で広く携わっていく人材の育成につきまして、なかなか中教審等ではそれに特化した議論はなされてきていないように思われます。一方で、イノベーション国家、また科学技術立国、そういったことを目指そうというのであれば、トップレベルの研究者、あるいはトップレベルの企業やそういったことだけではなく、地域の技術開発、あるいはいろいろな企業、経済等々を担っていく人材について、特に研究開発力という面から人材育成について議論をしていく必要があるのではないかと思っております。
 今の基本方針の案が配付されておりますが、もちろん若手、女性、外国人の積極的登用ということは当然でございますが、研究の質が問われてきている今、磯谷さんが言われたとおりで、先ほどの中教審の教育振興基本計画の答申が認められまして、その概要のところの下に、先ほど合田局長が言われた強みの中に、科学技術はものづくりの基盤技術と書いてあるのですが、実はこれが本当に今後ずっと続くものなのかどうかということが危ぶまれている状況もございます。そういう中でこうした問題につきましては、中教審におかれましても目を向けていただければありがたいと思っております。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 これは議論の対象というよりも、そういう要望があった以上、中教審としても、何らかの形で科学技術・学術審議会と合同の検討の場を設けて議論を行っていく方向で検討してまいりたいと思っておりますので、よろしく御承知おきいただきたいと思います。
 それでは、本日の議事はこれまでとしたいと思いますが、特に皆さんから何か発言ございますか。
 なければ、次回の日程については、追って事務局から連絡させていただきたいと思っております。
 どうも、皆さん、ありがとうございました。これで終了といたします。

―― 了 ――

お問合せ先

生涯学習政策局政策課

-- 登録:平成25年06月 --