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中央教育審議会(第82回) 議事録

1.日時

平成24年8月28日(水曜日)13時30分~16時30分

2.場所

文部科学省「第二講堂」(旧文部省庁舎6階)

3.議題

  1. 教職生活の全体を通じた教員の資質能力の総合的な向上方策について(答申)(案)について
  2. 新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて(答申)(案)について
  3. 大学入学者選抜の改善をはじめとする高等学校教育と大学教育の円滑な接続と連携の強化のための方策について(諮問)
  4. 初等中等教育分科会の審議状況について
  5. 第2期教育振興基本計画審議経過報告について
  6. スポーツ・青少年分科会「青少年の体験活動の推進の在り方に関する部会」中間報告(案)について
  7. 生涯学習分科会の審議状況について
  8. その他

4.出席者

委員

三村会長、安西副会長、小川副会長、相川委員、安彦委員、五十嵐委員、生重委員、衞藤委員、大日向委員、岡島委員、貝ノ瀬委員、加藤委員、金子委員、北城委員、國井委員、篠原委員、田村委員、長尾委員、橋本委員、菱沼委員、平尾委員、宮崎委員、村松委員

文部科学省

平野文部科学大臣、高井文部科学副大臣、城井文部科学大臣政務官、森口事務次官、山中文部科学審議官、藤木文部科学審議官、德久政策評価審議官、清木文教施設企画部長、合田生涯学習政策局長、布村初等中等教育局長、板東高等教育局長、久保スポーツ・青少年局長、藤野生涯学習政策局政策課長、他

5.議事録

【三村会長】

 それでは、ただいまから中央教育審議会第82回総会を開催いたします。
 御多忙のところ、御参集いただきましてありがとうございます。
 本日、平野大臣、高井副大臣、城井政務官が後ほど御出席の予定でございます。
 本日の議題ですが、お手元の会議次第にございますとおり、一番目が、教職生活の全体を通じた教員の資質能力の総合的な向上方策についての(答申)(案)、二番目が、新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けての(答申)(案)について、それぞれ御審議いただいた上、本日、文部科学大臣に提出したいと思っております。
 その後、新たな未来を築くための大学教育の質的転換についての(答申)(案)や、初等中等教育分科会高等学校部会での議論とともに関連して、大学入学者選抜の改善をはじめとする高等学校教育と大学教育の円滑な接続と連携の強化のための方策について、諮問をいただく予定にしております。
 続いて、四番目に、初等中等教育分科会から審議状況の報告、五番目に、教育振興基本計画部会の審議経過報告、六番目に、スポーツ・青少年分科会からの「青少年の体験活動の推進の在り方に関する部会」の中間報告(案)、七番目に、生涯学習分科会からの審議状況の報告について、それぞれ御説明と意見交換を行いたいと思います。
 最後になりますが、八番目として、いじめ問題への対策について報告があるとのことですので、その御説明後、意見交換を行いたいと思っております。
 大変たくさんの内容でございますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、審議に入りたいと思います。まず、事務局より本日の配付資料の確認をよろしくお願いいたします。

【藤野生涯学習政策局政策課長】

 配付資料の確認をさせていただきます。
 最初に次第がございまして、資料1-1と1-2は最初の議題であります教員の資質能力の総合的な向上方策について、答申の関係の資料でございます。
 資料2-1から2-3は、大学分科会で御検討いただきました大学教育の質的転換に向けての答申の関係の資料でございます。
 資料3は、本日、諮問の予定でございます高大接続の諮問文及び特別部会の設置に関するものが資料3-1、2でございます。
 また、クリップ留めしております資料4ですが、初等中等教育分科会の審議状況につきまして、1枚の資料と別添1から別添3までついております。
 資料5は、教育振興基本計画の関係でございます。
 資料6は、今後の体験活動の推進という一つづりになっております資料でございます。
 資料7は、生涯学習分科会における議論の整理の関係でございます。
 資料8は、いじめの関係について御説明をさせていただくものでございますが、資料の8-1から8-4まで配付させていただいております。
 また、参考資料として委員名簿を配付しております。
 過不足がございましたら、周りの職員まで御連絡いただければと思います。
 以上でございます。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 それでは、前回も審議いたしましたが、教職生活の全体を通じた教員の資質能力の総合的な向上方策についての(答申)(案)が前回に引き続き取りまとめられておりますので、まず、布村初等中等教育局長から御説明をよろしくお願いいたします。

【布村初等中等教育局長】

 失礼いたします。初等中等教育局長の布村でございます。
 資料の1-1と1-2を御覧ください。資料1-1が答申の概要を示したもので、資料1-2が答申案本体でございます。前回の7月23日の総会においていただいた意見につきましては、資料1-2の方で反映をさせていただいた形になっております。
 最初に、資料1-1で答申案のポイントのみ簡潔に御説明をさせていただきます。
 答申が全体で3章構成になってございまして、最初に現状と課題、二つ目に改革の方向性、三点目に当面の改善方策という構造になっております。現状と課題を踏まえまして、二番目の改革の方向性としては、まず、「学び続ける教員像」の確立ということを標榜しながら、教員養成の改革の方向性として、教員養成を修士レベル化し、高度専門職業人として位置付けるという方向性が示されております。その上で、教員免許制度につきましては、修士レベルの課程での学修を標準とする「一般免許状」、学士課程修了レベルの「基礎免許状」、「専門免許状」につきましては、特定分野に関し高い専門性を証明するという趣旨で、新たな免許状を創設するという形での方向性をお示しいただいております。
 この改革の方向性を目指して、当面の改善方策が三番目で、資料1-1の真ん中からちょっと下からでございますが、その実現のために、現状の教員養成の修士レベルの課程の質と量の充実、あるいは教育委員会と大学との連携・協働等、段階的に取組を推進することを通じて、教員の養成段階、採用段階、初任段階、そして、現職段階、管理職の段階と、教員の生涯にわたって、各段階全体を通じて高度化を図りながら、より教員の資質能力の向上を目指していこうという答申の骨格になってございます。
 このポイントにつきまして、前回いただいた御意見として、例えば学校現場においては、教員がチームとして対応することが必要であり、養成段階においてもチームとして対応できる力も身につける必要があるという御意見をいただきました。また、二つ目として、修士課程の改革だけではなくて、学部段階の教員養成も改革することが必要だという御意見もございました。また、三点目として、免許制度の改革により、多様な人材の登用が難しくならないようにする必要があるという御意見もいただきました。四点目として、教育委員会と大学との連携のほかに、NPO法人、あるいは民間企業との連携についても加えるべきであるという御意見もいただきました。また、教員の養成とともに、教育行政の長たる教育長への研修も必要という御意見など、様々な御意見をいただきました。これらの御意見につきましては、逐一御説明は省略させていただきますが、三村会長、田村部会長と御相談の上、答申案の中に反映をさせていただいております。
 以上でございます。よろしくお願いいたします。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 前回も議論いたしまして、今申し上げましたとおり、その内容については逐一変更させていただいているつもりでございますが、今日この段階で御意見があればお寄せいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 それでは、教職生活の全体を通じた教員の資質能力の総合的な向上方策について、本日の答申案でおおむね合意を得られたということで、後ほど答申させていただくことでよろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【三村会長】

 ありがとうございます。
 次に、「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて」(答申)(案)が取りまとめられておりますので、安西大学分科会長及び事務局から御説明をいただきたいと思います。これは4年間にわたった議論でございます。よろしくお願いいたします。

【安西副会長】

 それでは、私の方から、「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて」(答申)(案)でございますが、全体像を説明させていただきまして、その後で文部科学省の方から補足をお願いしたいと思います。
 平成20年9月に文部科学大臣から「中長期的な大学教育の在り方について」諮問を受けまして、4年間にわたって大学分科会で審議を重ねてまいりました。
 時代の大きな節目に当たりまして、知の創造と蓄積を担う自律的な存在である、その大学においては、ネットワーク、知識、アイデアに基づいた新しい時代の見通しを描くとともに、次の時代、また、それを切り拓く人材の育成、学術研究の推進を図る、未来を形づくり社会をリードする役割を果たす必要があるわけであります。また、主体性を持って自分で道を切り開いていく、答えのない問題に答えを自分で見出していく、そういう人間を育むことが大学の大きな役割になってきております。
 大学分科会では、その中でも、いわば待ったなしの課題であります学士課程教育の質の改善に焦点を当てて審議を進めてまいりました。
 その際に、学生や教職員等との双方向の意見交換、客観的なデータに基づいて議論をすること、社会で必要となる汎用的な能力、チームワークの力等々、初等中等教育から高等教育までの役割分担と連携でいかに育成をしていくか、そういう視点を持つこと、大学や文部科学省等の関係者が直ちにできることを速やかに実施する、その三つの視点を大事にしてまいりました。
 特に今回、大学分科会としても初めての試みでございますが、各地で様々なタイプの大学、4,000人近い学生等が参加した「大学教育改革地域フォーラム」を全国12か所で開催してまいりまして、学生、教員等々と議論を重ねております。
 そういう議論の中でもそうなのでありますが、これからの社会、成熟社会において必要なのは、思考力などの汎用的能力、チームワーク、知識等々を社会の発展に活用する倫理観等であると改めて認識をしております。そのためには、読書をしたり、考えたり、友人と様々な体験を共有して議論して文章をつくり、リライトをする、ディスカッションをするといった、質の高い主体的な知的体験、経験が不可欠であります。授業時間だけでなく、授業のための事前の読書、思考等々の準備、事後の探求等々、学生が主体的に関わるトータルの学修時間の確保が重要であります。
 しかし、実際には、我が国の大学生の主体的な学修時間は短いと言わざるを得ません。その理由としては、大学や教員の間で学士教育課程は、教員の個人芸というよりは組織として提供するプログラムであるという認識が確立していないということ、また、学修環境の整備が不十分であるということ、高等学校教育との接続や連携が不十分であるということ、地域社会、企業との接続や連携が不十分だということ等々の背景がある、そういう議論が行われてまいりました。
 そういう背景を乗り越えまして、学士課程教育の質的転換のために、まず各大学において、学長、副学長、学部長等々がチームになって教育課程の体系化、教員間の連携による組織的教育の実施、学生の学修成果の評価、また、教育課程や教育方法等の更なる改善等々、教学のPDCAサイクルを回して、文部科学省、また、大学支援組織がそれを支援する、そういう流れを確立する必要がございます。
 また、企業や地域社会には、サービス・ラーニング等々、大学教育への積極的な参画とともに、選考活動は卒業年度の夏季休暇以降にして、就職活動の長期化を是正していただきたいと考えておりまして、この点については、三村会長、また、北城委員をはじめとするリーダーシップで明確にできたものでございまして、心から感謝を申し上げますとともに、経済界の特別の御高配を求めたいと考えております。
 就職活動の早期化を是正して、一方で大学が努力をして十分な学修時間を確保するということが、有為な人材として学生を成長させ、結果的に企業等にとっても有益になると考えております。
 そのほか、これから中教審で専門的観点から速やかに審議を進めなければいけない課題として、高等学校教育の質の保証、大学入学者選抜の改善、大学教育の質的転換の一体的な改善、また、学位プログラム中心の大学制度、大学にふさわしいガバナンス、短期大学の学士課程の在り方等々がございます。特に、高大接続の課題につきましては、本審議会に新たに特別な審議の場を設置して審議を行うことを提案しているところでございます。
 社会全体が大学は学ぶところだと、そういう認識に立ち返って、主体性を持って答えのない問題に答えを見出していく力を身につける、それが大学の役割である、そういう趣旨を持って、学士課程教育の質的転換は社会全体が待ったなしで取り組むべき課題であります。そのためには、まず、大学教員が変わらなければなりません。そのために、大学分科会としても、審議だけではなくて、学生や教職員との対話、また、社会へのアピールにも努めていきたいと考えております。中教審委員の皆様、また、事務局にも格別の御高配をいただきたく、よろしくお願い申し上げます。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 板東局長からお願いします。

【板東高等教育局長】

 高等教育局の板東でございます。今、分科会長から大変詳しく御説明をいただきましたので、お手元の資料で改革方策の関係だけ、もう少し詳しくお話をさせていただきたいと思います。
 お手元の資料の2-2の概要ですが、先ほど安西分科会長から全体のそれぞれの柱についてポイントをお話しいただいております。今回の審議におきましては、3月の末に示されております審議まとめを踏まえまして、先ほどお話しいただきましたように、また、資料の2-1にございますように、「大学教育改革地域フォーラム」を12か所で展開をする、あるいは国公私立大学の長及び学部長に対し、学士課程教育の改善、そのための好循環を見出すためにどういった方策が必要であるか、そのあたりの認識も含めまして、詳細なアンケートをとらせていただきました。更にこれ以上の分析が必要な部分もございますが、お手元の資料2-3の答申(案)の後ろの方にもアンケートの結果について載せさせていただいておりますので、後ほど御覧いただければと思っております。
 こういった様々な分析や意見交換も踏まえまして、これから具体的な方策をどのように展開していったらいいかについて審議を深めさせていただいたということでございます。
 お手元の2-2の資料の8のところから少し御説明を加えさせていただきたいと思います。先ほどお話がございましたように、質的転換に向けては、7のところにございますような四つの視点に立った課題を改善していかなくてはいけないということでございまして、8として、それぞれの大学、あるいは大学支援組織、文部科学省、地域社会や企業、そういった様々なプレーヤーに向けまして、具体的にどういう改革方策を直ちに取り組んでいくべきかということについて整理をさせていただいております。
 大学といたしましては、先ほどお話がございましたように、学長をトップとしますチームをつくって、体系的な教育課程や組織的な取組の在り方ということをきちんと学位授与方針のもとに確立していく必要があるとしております。そして、その成果につきまして、学生の学修成果や様々な活動の評価といったような中で明らかに顕彰していくということ、そして、それを更なる改善につなげていく、こういったPDCAのサイクルをきちんとチームの構成員として担うことができるスタッフ、学部長等々のもとで学長がきちんと責任を持って展開をしていくというのが、大学として特に取り組むのが必要な事項ということになるわけでございます。
 そのために、教員の資質向上のためのFDや様々な教育改善のための仕掛け、例えばナンバリングとか、シラバスの更なる改善といったようなことに取り組んでいくということが必要になってまいります。
 また、大学支援組織といたしましては、ここにございますように、FDや教育課程についての専門家の養成であったり、大学ポートレート(仮称)などによります大学情報の積極的発信といったこと、あるいは学修成果をきちんと把握していく方法についての研究開発を進めていく、あるいは日本学術会議が今進めていただいております教育課程の参照基準ということにつきましては、更に様々な分野での参照基準策定を進めていただきまして、それを積極的に活用していく、あるいは大学評価の在り方を変えていく、こういった大学支援組織などの力を発揮しながら、こういった大学の改革をサポートしていくということでございます。
 また、文部科学省といたしましては、基盤的経費、補助金などの配分を通じまして、こういった取組を積極的に支援していくことが必要であるということでございますし、FDや教育課程の専門家養成に関する調査研究など、あるいは学生が安心して勉学に取り組めるような経済的支援の充実、財政基盤の充実などを図っていくということがございます。
 また、地域社会や企業としては、先ほど安西分科会長からお話がございましたような就職活動の問題についての改善がございますし、また、地域や企業と連携をして学士課程教育の充実を図っていくという取組を更に促進していくことなどが必要になってまいります。
 こういった事柄を具体的に進めながら、先ほど御説明がございましたように、更に審議を要する事項については、優先順位をつけながらきちんと速やかに審議を開始していくということで、先ほどお話がございました幾つかのポイントについて、最後のほうに掲げさせていただいているところでございます。
 以上でございます。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 4年間もかかったということで、実はいろいろな意見があったのではないだろうかと思っております。今日はこれでまとめたいと思いますが、大学分科会に所属された委員の方でも結構ですが、更につけ加えたい点、あるいはこういう点について一言言いたいという点がありましたら、よろしくお願いしたいと思います。
 最初に村松委員、どうぞよろしくお願いします。

【村松委員】

 4年間の審議の途中から加わらせていただきましたが、大学をアウトプットを中心に変えていく、そして、そのときに大学全体としてシステムとして取り組んでいかなければいけないということに賛同しております。自らも大学を預かる立場にありますので、自分のところもそうですが、国公私を超えた様々な大学でこの方向でいくことについて、一方では確かに大学生にもなってこのように言われなくてはいけないのかというような御意見も聞こえてくる部分もあるのですが、やはり今の時点、ここのところで本当に質的転換をしなければいけないというメッセージを強く打ち出していくこと自体に対して、大変共感を持っているところでございます。大学人としても、その方向ですべきところ、できるところをどんどんやっていかねばと思っています。
 ただ、まだもう少し具体的に詰めていかなければいけない部分があると思いますので、引き続き議論をいろいろさせていただければなと思っているところでございます。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 宮崎委員、どうぞ。

【宮崎委員】

 御指名を受けましてありがとうございます。全体の方向性は非常に的確な理念をまとめ上げることができたのではないかと思っておりますが、今、村松委員もおっしゃったように、800近くある大学というのは置かれている状況も抱えている問題も様々でありまして、総括的にまとめて進めるものではないので、総論でできたものをいかに各論で実行していくのか、これからここに書き込まれている内容を実現していくことが大事で、これはゴールじゃなくてスタートだと思うわけなのですが、その前にまず読んでいただかなければいけないという作業もあるかと思います。
 社会に広く周知していくためには、例えば提案なのですが、この中で大学だけでできること、これは先ほど来出ている「大学教育改革地域フォーラム」のように大学を核にして行うことができる問題もあると思うのです。ただ、3か月で十数校ですから、800近くを回るのは大変な作業ではないかということも思いますが、外の世界との関わり、例えば就職活動の問題などは、中教審の委員で経済界に軸足を持っている先生方などを中心に、まさに三村会長はキーパーソンだと思いますが、経済界の代表の方をお集めになって直接これを説明していただいて、ここに書いてあることをきちんと実行してくださいという要請を直接していただくような、そういう仕掛けも必要になってくるのではないかと思います。ですから、これから分科会としては、更に進める方策と同時に、実行体制についての検証というものも必要になってくるのではないかと思っております。

【三村会長】

 宿題を与えていただきました。
 次に、菱沼委員、どうぞよろしくお願いします。

【菱沼委員】

 御指名いただきましてありがとうございます。
 私も大学分科会のメンバーとして、この議論には参加させていただきまして、先ほども出ましたように、今の大学生がこういうふうに言わなければできないのかと思っていただくのも、そうでないところももちろんあると思います。非常に頑張っている大学生たちもいるという、学生の今見えていない力を信じて私たちが一緒にやっていくということを、今回、学ぶ主体の学生から意見を聞いたというのは非常に画期的だったと思いますので、大学というのは教員だけでできているものではなく、そこに学ぶ学生たち、その人たちが主体的に考えられる方向性を、もっと大学の学修のプロセスの中で実現していけたらと思っております。
 ありがとうございました。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 次は長尾委員、よろしくお願いします。

【長尾委員】

 先ほど報告がありました「大学教育改革地域フォーラム」を私のところでも実施させていただきました。今回のフォーラムは、今の大学生が勉強をしていないという統計からこの議論が始まったわけですが、実際に学生たちと話をし、対話をしていくと、学生たちは学修をしたくないのではないということがはっきり分かってまいりました。問題は教員の質であるということです。いかに教員が学生たちに学修するヒントを与えていくか、そして引っ張っていくのではなくて、後ろから優しく方向性をつけてあげるということができれば、日本の学生たちは決して捨てたものではない、学修時間は多くなるし、高等教育の質は上がるということを確信いたしました。ですから、今から実行することは、「いかに教員の教育の質を上げていく手法を考えていくか」ということだと思いました。

【三村会長】

 ありがとうございます。
 北城委員、よろしくお願いします。

【北城委員】

 ありがとうございます。私も大学分科会に入っていて、今後の具体的な改革の方向、八番に的確な方向を出していただいていると思うんですが、この方向が実現するためには、一つは、文部科学省でこういう改革の具体的な取組を行っているところを支援していく必要があるということで、今後、基盤的経費とか補助金等の配分を通じて、こうした改革を実行しているところを是非支援していただきたいと思います。
 それから、二番目は、就職活動については今回、具体的に卒業年度の夏季休暇以降に就職活動が始まるようにという提言を出していますので、是非これから経済界とともに議論をして、こういう方向で改革ができれば、一つの大きな進歩ではないかと思います。
 そして、この後は高等学校と大学の接続、大学入試の在り方が初等中等教育をゆがめているということもありますので、是非これを取り上げていただければ大きな改革ができると思います。
 最後に、こうした改革を実現するのは大学の役割が非常に大きいと思うので、その大学をどう運営するかという大学の運営体制の問題、ガバナンスの問題についても今後取り組むということなので、是非こうした改革が進展できるような運営体制が実現することを期待しております。

【三村会長】

 ありがとうございます。
 金子委員、よろしくお願いします。

【金子委員】

 私はこの大学分科会に4年間、ずっとこの過程に参加してまいりまして、今回、こういう形でかなり論議が明確な答申として形になったこと、大変喜ばしいと思います。
 それから、今後必要なことは、今、皆さんがおっしゃったとおりで、特につけ加えることはありません。ただ、私はこの大学教育の問題を考えていきますと、日本の企業とか社会の在り方とこれまでの大学教育というのは、ある意味では適応してきたところもあったと思うのです。かなり集団の中でみんな能力を発揮する、組織の中で能力を発揮する。それに日本の大学もある程度うまくかみ合ってきたところもあると思うのですが、どうもそれだけではこれからはいけないのではないか。そういう意味では、大学を改革するということと、社会とか企業とかの在り方の変化が対応していくことが必要で、そういった議論に広がっていくことが望ましいと思います。
 以上です。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 大学分科会の方にスピーチをお願いしました。ありがとうございました。
 ほかに各委員から御意見ありましたら、どうぞ。
 國井委員、どうぞ。

【國井委員】

 ありがとうございます。いろいろな面から非常によくまとまっていると思うのですが、一つ、教育の質についてコメントしたいと思います。シラバスのお話は、非常に重要だと思うのですが、同時に、教育手法に関していろいろな研究も続けていく必要があると思います。特にITを活用したeラーニングで非常に先進的な事例が海外でもどんどん出ております。新しい分野ほど教員の数も少ないわけですが、そういう中でいかに効率よく対話型、参加型で教育をするかということになると、ITをいかにうまく利用するかということがキーになってくると思いますので、是非ともそういうことについてもいろいろ探索をしていただき、活用していくようにお願いしたいと思います。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 次は加藤委員、よろしくお願いします。

【加藤委員】

 ありがとうございます。私は少し角度が違うかもしれませんが、今日、朝刊全紙に56万人文部科学省の調査結果が各紙に出ておりまして、今、御指摘された教育と社会、就職の接続が、はっきり言えば日本は崩壊しているというのが全紙に載っておりました。
 そういう意味では、今日の提言というのは、よりスピードを持って実行していただければと思っておりますが、その上で、先ほど宮崎委員も言いましたが、大学という名前だけついている中で、全体的に7割以上が普通科、総合学科が多いと思うのです。それが悪いというのではなくて、高専の役割が非常に高いわけですが、日本のいわゆるものづくりや知識・技能を高めて、または知的、様々な分野で活躍していくということを考えますと、教育との接続の中で何をしたいのか、何の技術を身につけ、知識を身につけるかという焦点があまりにも広過ぎる大学になっているのではないかと思います。そういう意味では、高専の充実というのも大学と直接はないかもしれませんが、そこをして、今日本はどうするかというと、この間、政府が経済戦略を出して、グリーン、ライフ、農業、それを支える中小というのを出したわけですよね。そうすると、グリーン、ライフのための人材というのを教育と社会、就職の接続過程でどうやって人材をつくっていくのか、その中に大学の役割は何があるのかということは対応をお願いできればと思っておりますし、特に高専になりますと、高等学校と大学の接続ですが、中学のときにどういう高等学校に行くのか、高専へ行くのかがまた問われてきてしまう。幅広くなって恐縮ですが、これはこれで委員の皆様の意思をきちんと遂行してもらいたいのですが、そういうところにしても、今日の全紙を読んできたら、あまりにも深刻な事態に陥っているということを感じていますので、その点、一つ発言させていただきたいと思います。
 また、こういう総会でなじまないかもしれませんが、私もほかの会議で発言しているのですが、大学、高等学校で自殺が1,000人を超えたという報道になっているわけです。私は日本全体の社会の問題だと思っておりますが、特に大学、高等学校だけが1,000人を超えたという事象だけをとらえるつもりはありません。ただ、私どもは、少子高齢化社会の中で貴重な人材、財産を失っていることは事実だと思っております。そのときに何かというと、新聞にも各紙書いてあるのですが、個人、一人というところに教育があまりにも追い込み過ぎているのではないかと思います。要するに、チームとか、友人とか、研究ですとか、そういうときにもう少し支え合う、相談し合う、お互いに励まし合う、自己研さんしながら、お互いに叱咤激励しながら相互発展を期すというのは、個というものと全体の支え合うというチームという、その中で知識、レベルを上げていく、また、心や気持ちの強さも一緒に学んでいく。その中で学歴ももっともっとそういうところに深みを置いていく。大学全体がそういうところにもう少しメスを入れてもらわないと、日本社会にとってはますますいびつなことになってしまうだろうと認識しておりますので、各委員の皆様、そして文部科学省の皆さんに、この中の内実を是非とも高めた実効性をお願いしたいと思っております。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 もしかしたら教育振興基本計画の中で今の点をもう少し取り上げるべきかと思っております。
 岡島委員、どうぞよろしくお願いします。

【岡島委員】

 ありがとうございます。答申には賛成で、大変御努力されて、こういう形でまとめられたことに敬意を表したいと思います。
 その中で、一点だけ、これからの政策の方に入るのか分かりませんが、大学進学率が5割という数ですね。これは昔のようにある程度限られた人が行く大学とは違って、非常に多様化しているのではないかと思うのです。ですから、大学ということを一くくりになかなかくくれない。くくっているのですけれども、いろいろな種類があるということを何らかの形で、格付とかそういうことではなくて、性格付け、幾つかに分類したりする必要があるのではないでしょうか。昔は国をリードする人とか、国際的にトップに活躍する人というようなことも言われていましたが、今はそういう人は大学5割の中から何%なのか、その辺のところもよくとらえながら、5割というと国民の半分です。かなりの率ですから、ある意味、社会的に立派に生活してくれる人みたいな部分も入ってくるかもしれない。そんなところも含めて、いろいろ分類しないといけないのではないかということと、今もお話がありましたが、高専とか高等学校、短大、その他との連携、これはシステムの問題かもしれませんが、できるだけ行ったり来たりができるような方法論が今後とられるといいかと思っております。高専も非常に評判がいいので、文系の高専とか、そんなのもあってもいいのではないかと思いました。
 以上です。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 五十嵐委員、よろしくお願いします。

【五十嵐委員】

 ありがとうございます。とても大事な内容で、すごく期待ができると思っています。
 核となるのは、成熟社会において求められる能力、これを連続的に育成していくことだろうと思っています。義務教育においては、教育の情報化に伴って、学びのイノベーションということで、新たな学びに向けた取組が少しずつ始まっているところです。次は高等学校、そして大学の教育だということを痛感していたところです。そういう意味では、大学教育の質的転換、そして、教育の方法の改善というのは本当に大事なことですし、是非実現していただきたいなと思っているところです。
 とりわけ今後に向けてなのですが、待ったなしで是非先に手がけていただきたいと切に思うのは、これからの未来を担う子どもたちを育てる教員に関することです。先ほども教員の資質、能力の向上に向けての策が出されましたが、このように大学教育で、これは教育学部にかかわらず、教員になろうとする人が、こういう大学教育の質的転換で新たな学びで自分たちが学びとっていくような、そういう教育を受けて教壇に立つと、きっと新たな学びが子どもたちに施せると思うのです。一方的なことしか受けていないと、新たな学びをそういうスタイルで子どもたちに学びとらせることは難しいです。ですので、とりわけ教員になる人に向けて、是非このあたりの実現を早くしていただければということをすごく期待するところです。
 以上です。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 あと、橋本委員と貝ノ瀨委員から札が上がっていますので、このお二人で打ち切りにしたいと思います。
 橋本委員、どうぞ。

【橋本委員】

 ありがとうございます。少し虫のいいお話をさせていただきますが、初等中等教育を担当している教育委員会ということを考えますと、義務教育の方では新しい教育課程になりまして、言語活動の充実等、思考力や表現力などを充実するということで今頑張っているところと考えております。
 一方、高等学校になりますと、今お話が出ましたように、大変多様な高等学校がありまして、本県の場合でも、専門高校でも半分ぐらいが進学するというような学校もございますし、様々でございます。その中で、高校教員は、大学が求めていると思ってしまっている部分をこれが必要だと考えまして、進学対策というような形で授業を展開し始めています。本県のSSH、スーパーサイエンスハイスクールの校長からの聞き取りをしたのですが、研究したことを英語で一生懸命子どもたちが発表し、また、英語での質問を受け答えていくという取組には大変効果があるけれども、時間がかかるというのも確かであると仰っていました。そうすると、他校の教員が見に来て、これをやって難関大学に入る割合が増えたのかという質問をされたというお話を聞きまして、校長は、これがこの子たちのこれからの人生に非常に重要であるし、大学に行っても必ずや生きていくというふうに考えているということで、続けたいということでしたが、そういうことを思うと、高校教員も必ずしもいいとは思っていないけれども、合理的なというか、刹那的なやり方の入試対策的な授業になっているという面があります。
 そういうことで、大震災を経てボランティア活動や社会的体験の大切さということも感じ始めている高等学校側でございますが、大学の授業の質が変わっていくこと、また、入試で求めるものがはっきりすることによって、高等学校側の充実にも努めていきたいなと考えているところです。
 以上でございます。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 貝ノ瀨委員、どうぞ。

【貝ノ瀨委員】

 私も大学教育の質的転換に向けてということで、この内容についてはぜひ早く実現していただきたいと考える立場です。
 その中で、とりわけ今後の具体的な改革方策の中で、地域社会・企業等との連携によって更なる改善を図っていくという視点が出されています。まさに賛成なのですが、義務教育段階では地域とともにある学校づくりということで、地域社会の市民の皆さんと学校が連携・協力し、場合によっては参画するコミュニティ・スクールという仕組みをつくって教育のガバナンス、学校のガバナンスを変えようという動きが拡大しています。そういう運動も拡大している中で、大学も地域社会と企業等との連携ということで、この内容を見ますと、雇用とかインターンシップ等に特化しているようです。大学のガバナンス改革とか、特に子どもたちの学びといいますか、そういう学びの方法論化をしっかりやっていくということの意味でも、地域社会の皆さん方や、とりわけ義務教育段階の教員等との具体的な連携が大学でなされることによって、更なる大学の授業の改善とか教育の質の改善にもつながっていくのではないかと思っていますので、そういった具体的な取組も考えていただきたい。
 以上です。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 議論もたくさん出していただきました。それでは、皆様、この答申案を御承認いただけますでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【三村会長】

 ありがとうございます。
 それでは、先ほど取りまとめました教職生活の全体を通じた教員の資質能力の総合的な向上方策について及び新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けての二つの答申を大臣にお渡ししたいと思いますが、お渡しする前に一言御挨拶を申し上げたいと思っております。
 まず、一番目の教職生活全体を通じた教員の資質能力の総合的な向上方策につきましては、先ほどありましたように、22年6月の諮問を受けまして、2年余にわたる審議を重ねてまいりました。ポイントは、先ほどお話がありましたように、「学び続ける教員像」の確立というところにございます。そのための方法といたしまして、教員養成の修士レベル化ということを中心にとらえつつ、養成から採用、研修、管理職の段階までをトータルな体系的なシステムとして構築する必要があると考えます。
 また、このようなシステムを構築するためには、教育委員会・学校及び大学がしっかり連携・協働して、教職生活の全体にわたり教員の学びを支援していくことが不可欠でございます。
 答申では、これらを実現するための当面の改善方策についても具体的に提言しておりますが、主要な取組につきましては、教育振興基本計画に織り込み、計画的に進めることといたしたいと思っております。
 二番目、ただいま非常に活発な議論をいただきました「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて」に関しては、平成20年9月に諮問を受けて以来、4年間にわたり審議を重ねてまいりました。関係者に本当に御苦労いただきました。ありがとうございました。
 本答申は、学生の学修時間が短いことなど、学士課程教育の現状の背景を分析して、学生が学修時間をかけて主体的に学ぶために、その一つとして、まず各大学においては、学長を中心としたチームが大学教育のPDCAサイクルを回し、文部科学省や大学支援組織はそれを支援すること。二番目として、課題を抱える高等学校・大学の接続については、その円滑化により、高等学校・大学の7年間で学生を知的に成長させるための入学者選抜の改善などについて、本審議会にて集中的に審議する場を設置することなどを提言いたしております。
 本審議会としても、本答申において、高大接続など今後の検討課題とされる事項については、今後、精力的に審議してまいります。
 文部科学省におかれては、この趣旨をとらえて、ぜひとも積極的に推進いただきたいと思っております。
 それでは、大臣に答申書を手交したいと思います。大臣、よろしくお願いいたします。

(答申文手交)

【三村会長】

 それでは、大臣から一言よろしくお願いいたします。

【平野大臣】

 それでは、ただいま三村会長から答申を二つちょうだいいたしました。
 まず、教職生活の全体を通じた教員の資質能力の総合的な向上方策につきましては、平成22年から諮問して以来、大変精力的に御審議をちょうだいいたしました。改めて大変ありがとうございました。
 昨今のいじめ、暴力行為等への対応など、学校現場におけるいろいろな課題に対応するため、教員のスキルに一層の磨きをかけ、教員の質を向上していくことが重要となっております。
 また、グローバル化など、社会が急激に変化する中で、児童生徒等の教育に直接関わる教員に求められる役割は、多様化、複雑化、高度化しており、教員が学び続けるための体制を支援していくことが今後ますます重要であると考えております。
 本日いただきました答申では、「学び続ける教員像」の確立のため、教員養成の修士レベル化や教育委員会・学校と大学との連携・協働の取組をより一層推進することなどにより、教員の質を向上するための提言がなされておると私は認識をいたします。
 教員は、学校現場で実践経験を積むことにより、より熟達し、教員としてのスキルに磨きがかかるものでありますが、教員が自信と誇りを持って教壇に立ち、社会の尊敬と信頼を得られるように、この答申を踏まえ、文部科学省としてもしっかり受けとめて施策に取り組んでまいりたいと思っております。
 次に、「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて」につきましては、平成20年9月に「中長期的な大学教育の在り方について」を諮問し、4年にわたり幅広い論点について精力的に御審議をいただきました。本日、このうち学士課程教育に関する答申をおまとめいただいたところであります。
 激しく変化する社会において、社会の変革を担う人材育成、知的基盤の形成やイノベーションの創出など、社会を変革するエンジンとして、大学が我が国の発展に果たすべき役割は極めて大きいものと思います。
 現在の日本の状況下にあって、大学改革の実行は、答申にもございますように、待ったなしであると認識をいたします。本答申では、学生の主体的な学びに向けた各大学、文部科学省、大学支援組織のそれぞれがなすべきことや、今後の検討課題を明確にお示しいただいたことに対しまして、深く感謝を申し上げます。
 文部科学省としても、本年6月に大学改革実行プランを策定し、公表しております。本答申においてお示しいただきました御提言をしっかり受けとめて、大学改革実行プランとともに連動させながら、速やかに関係諸施策に取り組んでまいります。
 最後に、三村会長をはじめ、委員の皆様におかれましては、御多忙の中、我が国の教育発展のために、中央教育審議会の運営に多大なる御尽力をちょうだいいたしました。このことについても改めて深く感謝を申し上げまして、私の一言、心からの御挨拶にしたいと思います。ありがとうございました。

【三村会長】

 大臣、ありがとうございました。
 それでは、引き続きまして、ただいま答申しました中で、課題として提起いたしました高等学校教育と大学教育の円滑な接続と連携に関しまして、大臣から諮問がございます。よろしくお願いいたします。

【平野大臣】

 社会構造が大きく変化し、先を見通すことの難しい時代にあっては、生涯を通じ主体的に学び考える力、予想外の事態をみずからの力で乗り越えることのできる力、社会に貢献することのできる力などの育成が重要となっております。
 このような力は、幼稚園から大学までの全ての学校段階の連携を通じて育むべきものでございます。
 しかし、高等学校教育と大学教育との接続・連携については、いろいろな課題が指摘されております。国民からの期待に十分に応え切れていないと言わざるを得ません。高等学校教育と大学教育の接点である大学入学者選抜の在り方、我が国の教育の在り方の全体に関わる大きな課題でもございます。
 本年6月に取りまとめた大学改革実行プランでも、学習意欲と力をはかる大学入試への転換を進めることとしております。
 中央教育審議会におかれましては、現在、高等学校教育の質の保証、大学教育の質的転換について御審議をいただいており、大学教育の質的転換については、本日まさにその成果を「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて」と題する答申としておまとめいただいたところでございます。
 この答申でも指摘されておりますとおり、高等学校教育、大学入学者選抜、大学教育は相互に密接に連関し合うものであり、どれか一つだけを取り上げることでは問題を解決することはできないと思います。
 我が国の将来を担う生徒・学生が、これからの時代に求められる力を確実に身につけ、可能性を最大限に伸ばしていくためには、高等学校教育、大学入学者選抜、大学教育の在り方を一体としてとらえ、その円滑な接続と連携のもとに改善を図っていくことが必要であります。
 以上のことから、「大学入学者選抜の改善をはじめとする高等学校教育と大学教育の円滑な接続と連携の強化のための方策について」、早急に御審議をいただくようお願いを申し上げます。
 その際、例えば次の点に御留意いただくことをお願い申し上げます。
 一つ、大学入試センター試験の在り方を含めた大学入学者選抜の改善方策について。
 二つ、各学校段階での教育を通じ、これからの時代に必要とされる力を育む観点から、大学入学者選抜と高等学校教育の質保証、大学教育の質的転換を一体的に行うための基本的な方向性、高等学校と大学との連携強化のための方策についてでございます。
 委員の皆様におかれましては、幅広い視点から精力的に御審議いただきますようお願い申し上げるところでございます。
 なお、まことに勝手なことでございますが、1年程度を目途に基本的な方向性をお示しいただきたいと考えております。
 どうぞよろしくお願いをいたします。

(諮問文手交)

【三村会長】

 ただいま諮問をちょうだいいたしました。
 今後、私どもといたしましては、直ちに特別部会を設置し、最善を尽くして審議を進めてまいりたいと存じます。
 平野大臣、高井副大臣、城井政務官は所用のため退室されます。どうも御出席ありがとうございました。

(大臣・副大臣・政務官退室)

【三村会長】

 それでは、ただいまの諮問を踏まえて、私より、本件を審議するための特別部会の設置について提案させていただきたいと思います。今回の諮問は、初等中等教育から高等教育を通じた検討が求められるものでございますので、お手元の資料3-2のとおり、総会直属の部会として高大接続特別部会を設置し、専門的な観点から調査審議を行うことが適当であると考えますが、皆様、いかがでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【三村会長】

 御賛成いただいたということで、なお、中央教育審議会令第6条第2項におきまして、部会に属すべき委員等は会長が指名することとされておりますので、人選につきましては私の方で進めさせていただきたいと思います。
 この後、御報告いただく初等中等教育分科会の審議状況の中でも関連する議論がございますので、この件についての御質問、御意見等については、その後で御発言をよろしくお願いいたしたいと思っております。よろしくお願いします。
 それでは、次に、初等中等教育分科会の審議状況につきまして、小川分科会長から御報告をよろしくお願いいたします。

【小川副会長】

 私の方から、初等中等教育分科会の審議状況、中でも、今の高大接続特別部会の審議内容にも一部関係するかと思いますが、高等学校教育部会のこれまでの審議状況を簡単に御報告したいと思います。
 お手元に資料4、そして、別添1の課題の整理と検討の視点、これをベースにして、私の方から5、6分ぐらいでその内容をお話しさせていただきたいと思います。
 高等学校教育部会は、9月に初等中等教育分科会から審議要請を受けまして、昨年11月から8月まで、これまで11回にわたって高等学校教育の現状や課題、そして高等学校教育改革のこれから取り組むべき課題等、広範囲にわたって議論をしてきました。
 そうしたこれまでの審議内容をまとめたものが資料4の別添1の「課題の整理と検討の視点」でございます。これは、高等学校教育部会がこれから検討すべき中心的な課題は何か、また、検討すべき方向性は何かということを整理する、ある意味では部会の海図みたいなもので、この「課題の整理と検討の視点」を踏まえて、現在の8月以降、中心的な重要な課題について個別的に審議を深めていくという形で、今後、この部会の運営を進めていくことになっています。
 まず、「課題の整理と検討の視点」ですが、別添1の資料を御覧いただければわかるとおり、1から7までの構成になっています。まず、高等学校教育の現状や課題ということについては、中に書かれていることですが、高等学校進学率が98%になり、生徒の興味・関心、能力・適性、進路等が極めて多様化する中で、例えば学力面では極めて大きな格差が見られる状況、また、高等学校中退者についても減少傾向にあるものの、依然として5万人を超えている状況などがあること。そうした中で、それら生徒の多様な実態、また問題に対応して、これまでできる限り幅広く柔軟な教育を実施するために、都道府県においては様々な取組が推進されてきたわけですが、そうした中で、生徒の多様な学習ニーズに応えていくという取組の一方で、そうした多様な学習ニーズにこたえていく状況の中で、高等学校教育として共通に求められるものは一体何なのかという視点が極めて弱くなっているのではないかという高等学校教育の現状についても整理しております。
 そうした高等学校教育の問題状況に対して、高等学校教育部会のまとめでは、まず、高等学校教育の課題として、将来の進路との関係を意識して学びに取り組ませること、また、社会の一員として求められる意識・態度や知識・技能等の育成、また、学習時間の減少などに見られる学習意欲の減退への対応、そうした取組を通しながら、どのような進路をとるにしろ、共通に必要とされるどのような汎用的な能力を育成していくべきか等々、そうした問題、課題を整理しております。
 以上のことを踏まえながら、7ページ以降に高等学校教育に期待されるものを整理し、そして、9ページ以降に今後の施策の方向性を整理しています。
 部会としては、今後、具体的な高等学校改革の振興方策を進めていく前提として、大きな二つの課題を設定しています。
 一つは、全ての生徒に最低限必要な能力を身に付けさせること。そしてもう一つは、学校ごとに地域の実情や生徒の実態を踏まえて、生徒が修得すべき内容を明らかにしながら、その内容を確実に修得させるとともに、修得状況を明らかにするなど、高等学校教育の質保証の仕組みを構築することとしています。
 最初の柱である全ての生徒に最低限共通して身に付けさせるべき学習内容、修得内容、そして能力、すなわちコアについては、現行の学習指導要領における必履修教科・科目との関係性を踏まえつつ、コアとは何かということを検討していくとしています。
 さらに、後半の高等学校教育の質保証の問題については、高等学校教育が質保証に関する機能をこれまで十分に果たしてきていないのではないか、高等学校教育の成果が見えにくくなっているという指摘も踏まえながら、今後の高等学校教育の質保証を検討するに当たっては、14ページ、15ページ辺りから記載していますように、高等学校教育においてどのような能力を身に付けさせるかを明確にしながら、二つ目としては、到達目標を誰がどのように設定するか。三つ目には、到達目標に対する達成度をどう把握するか。最後にそれらを踏まえて、高等学校教育の質を保証する仕組みをどのように構築していくかという点で、今後深めていく課題を整理しております。
 以上のような高等学校教育のコアとは何か、そしてまた、高等学校教育の質の保証の仕組みを構築することを共通のベースとしながら、さらに各生徒の進路等々に応じながら、各学校が取り組むべき具体的な各種の振興方策についても具体的に検討していくことになっています。
 先ほどの高大接続特別部会の設置の際にも御説明があったように、今言ったような高等学校教育の改革、充実を進めていくためには、大学などの高等教育と一体となった教育の充実を図っていくことが重要であるということは、この部会でも再三いろいろな委員から指摘されました。
 そうした指摘を踏まえて、先ほどこうした特別部会の設置という経緯になりましたが、高等学校教育部会としても、基本的には、高等学校教育体系の中でしっかり教育の質を保証する仕組みを作りながら、それを大学側が選抜や大学教育において有効に活用していただけるよう、また、高等学校教育部会の審議を踏まえて特別部会にそうした意見を反映していければなと考えております。
 最初に言いましたように、この課題の整理と検討の視点を踏まえて、8月以降、コアとは何かということと質の保証のための様々な仕組みについて、今後更に、年度内を目途に審議を進めていく予定となっております。
 簡単ですが、高等学校教育部会からの審議状況をお知らせいたしたいと思います。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 それでは、初等中等教育分科会の審議状況及び先ほどの高大接続の諮問について御意見があれば、ぜひともお聞かせいただきたいと思います。
 安彦委員、まず口火を切っていただけませんか。

【安彦委員】

 私は、高等学校教育部会の様子を少し補足させていただきます。
 来年度から新学習指導要領が高等学校で始まりますが、学習指導要領で今回改訂のときに一番注意したことは、多様性と共通性のバランスをとるということでした。言ってみれば、多様性をあまりにこれまで進め過ぎて、いわゆるゆとりその他の問題で一般に学力低下を起こしてはいないか、というような御批判もあったことがありまして、もう少し基礎的な力をしっかりと高等学校でもつける必要があるという声があって、共通性のほうに少しバランスをとる方向で改訂を進めてきたといういきさつがございます。
 これは特に言語活動を中心にして、国語、数学、外国語という3教科につきまして、小中の言語活動の重視の方向性を高等学校にも適用するということで、共通必履修科目というものをつくったわけであります。
 そういう流れもありまして、今回、この高等学校教育部会の審議も、まず、コアという言葉は初めて使われたと言っていいかと思いますが、そういう問題を前面に出すという議論が現在進められております。
 なお、私の個人的な意見では、多様性をあまりに強調してしまいますと、いわゆる専門学校、専修学校等の各種学校とどういう違いがあるのか、ということが曖昧になるという視点を持っていただきたいということがございまして、今までのそういうことにつきまして少し原理的に整理して、今度のこの審議に反映させていければと思っている次第です。
 以上でございます。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 委員の皆様から御意見があれば、ぜひとも何でも結構でございます。どうぞお寄せいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 それでは、高大接続につきましては、先ほど申し上げましたように、先ほどの分科会と連携しながらやらなければいけないということになると思いますが、早急に委員も決め審議を進めていただいて、1年という時間の区切りもございますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、次に、教育振興基本計画部会における審議経過報告をよろしくお願いいたします。合田局長よりお願いします。

【合田生涯学習政策局長】

 それでは、お手元の資料5-1と5-2を御覧いただきたいと存じます。
 先般、教育振興基本計画部会におきまして、審議経過報告を取りまとめいただきました。5-2がその本文でございます。概要につきまして5-1で整理をしてございますので、資料5-1に沿って御説明をさせていただきたいと思います。
 まず1枚目、第1部の総論ですが、これにつきましては、教育行政の四つの基本的方向性、「社会を生き抜く力の養成」、「未来への飛躍を支える人材の養成」、「学びのセーフティネットの構築」、「絆づくりと活力あるコミュニティの形成」、この四つの基本的方向性を整理していただいております。これは昨年の12月に公表をいただいております基本的な考え方に示された、その内容に沿って整理をされているということでございます。
 左下にございますように、我が国を取り巻く状況認識といたしまして、少子高齢化の問題、グローバル化、雇用の問題、さらには地域や家族の変容の問題、格差の問題、豊かさの変容の問題、いずれも相互に関連をしつつ、ある意味では大変危機的な状況に我が国が置かれているという状況認識でございます。そのことが東日本大震災によって一層顕在化をしている、あるいは加速をしているということでございます。
 一方、我が国には、それにもかかわらず様々な強みがあるということもあわせて整理をいただいております。
 そういったような状況認識のもとで、第1期、5年間の計画期間における様々な取組の評価を踏まえ、また、震災を通じて得られた教訓を踏まえつつ、今後の社会の方向性として、成熟社会に適合し知識を基盤とした自立、協働、創造、この三つをキーワードとする生涯学習社会を実現していくということが必要であると。そういったことによりまして、危機回避シナリオとしてですが、生涯現役、全員参加の個々人の自己実現、社会の担い手の増加、あるいは格差の改善、グローバル化に対応したイノベーションなどの社会全体の生産性の向上、つながりの再構築、社会関係資本の充実と言ってもいいかと思いますが、そういったようなシナリオが描けるのではないか。そういったようなシナリオを描いていくため、現実のものとしていくためには、四つの基本的な方向性、各学校段階を通じた視点でもって成果目標を達成する具体的な指標、そして、その達成のための具体的な方策、これを四つの方向性に沿って整理をいただいているということでございます。
 その具体的な内容が2枚目でございます。2枚目を御覧いただきますと、先ほどの四つの方向性に沿いまして、成果目標を八つに整理いただいております。まず、「社会を生き抜く力の養成」に関連しましては、初等中等教育段階の生きる力の確実な育成ということ、高等教育段階の課題探求能力の修得ということ、それらを含めまして、社会を生き抜くための力を生涯を通じて身につけられるようにするということ。その中で、特に社会的・職業的自立に向けた力の育成ということを四つ目の成果目標として取り出して整理をいただいております。
 二番目の「未来への飛躍を支える人材の養成」ということに関しましては、新たな価値を創造する人材、グローバル人材等の養成ということ。
 「学びのセーフティネットの構築」に関連いたしましては、意欲ある全ての者への学習機会の確保、安心・安全な教育研究環境の確保ということ。
 「絆づくりと活力あるコミュニティの形成」ということについては、互助・共助の活力あるコミュニティの形成ということを成果目標として掲げてございます。
 そのそれぞれにつきまして、第1の成果目標について申しますと、具体的に例えば国際学力調査でトップレベルの成績をおさめるといったような具体的な成果目標を設定し、その成果目標を達成するために新学習指導要領を踏まえた言語活動等の充実ですとか、ICT活用などによる学びのイノベーションですとか、そういったような具体的な方策を整理いただいているわけでございます。
 なお、その八つの成果目標の特定のものに特に関連をするというよりも、それらを通じた基本的な環境整備に関わる事柄もあるだろうということで、2枚目の一番下にありますような学校運営・地方教育行政改革ですとか、大学のガバナンス、あるいは財政基盤の強化といったようなこと、社会教育推進体制の強化、あるいは計画的な教職員定数の改善、私立学校の振興、こういったような共通の事項は、特定の成果目標とはちょっと別の構成で整理をいただいております。
 そういったような具体的な方策をまとめましたものが資料の3枚目のページでございまして、そこにありますような形で、具体的な施策として都合29の施策を整理いただいておりますが、そういったような格好で、先ほどの八つの成果目標を達成していこうということでいかがであろうかといったような内容になってございます。
 これは現時点での審議経過の御報告ということでございまして、今後、秋に、この内容につきまして更に関係各方面からの御意見をちょうだいしつつ、特に財政的な問題も含めまして議論を深めていただきまして、できますれば年内に答申としておまとめをいただければ大変ありがたいと思っておりまして、それをいただきましたならば、年度内、来年の3月までに次期、第2期の教育振興基本計画として閣議決定という運びで作業を進めさせていただければ大変ありがたいと考えているということでございます。
 大変簡単でございますが、概略は以上のとおりでございます。よろしくお願いいたします。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 非常に膨大な内容になっておりますが、今の段階で御意見がありましたら、どうぞお寄せいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 田村さん、何か御意見ありませんか。

【田村委員】

 御指名でございますので、一言申し上げさせていただきますと、高大連携のテーマは大きな問題だなと思います。一つは、早晩やらなくてはいけない仕事だったんですが、多様化と質の保証、質の維持の答えを出さなきゃいけないんですね。結局、多様化に動かされて、質が揺らぎ出しているという心配が出始めているというのが一つございます。
 それから、次のテーマとしておそらく出てくると思うのは、高等教育と社会のつながりですね。社会のものすごい多様性に対して、大学の中身の対応が十分できていない。典型的だったのが漫画だとか、ソフト関係が日本でも産業的には大きな力を持ち出しているわけですが、その力と大学の教育がつながっていないんですね。大学は今までのとおりの形でやっていますから、その変化の対応というのは次に高等教育で出てくるんだろうなと。この10年間に答えが求められるだろうという気がして感じているわけです。
 質の保証をオーソドックスにコアという考え方でやるというのは一つの方法だと思いますので、それはそれで検討するに値することだと思うんですが、えらい難しい問題だなと。つまり、コアでやると、子どもたちが応じてくれないんですよね。簡単にはいかないんですよね。そこをどうするかですね。やってくれないから、今のような問題が起きているわけですね。子どもたちの関心・興味がつながってこないというところですね。その議論はきちっとやらないと、大人の理屈で自分たちが納得して終わりと、こういうふうになってしまうと何にもならないから、これがすごく難しいだろうなと思うんです。これからの問題ですが、幾つか申し上げさせていただきました。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 篠原さん、何かいかがですか。

【篠原委員】

 この基本計画に関することですか。

【三村会長】

 ええ、主に。ほかでも結構ですよ。

【篠原委員】

 私も部会で意見を言わせていただいているので、あまり細かい話は今日申し上げるつもりはないんですが、今、田村先生もおっしゃったんだけれども、大学教育と大学院教育というのがもう一つ上にありまして、その辺の切り分けというか接続をどういうふうにしていくのか、特に博士課程について今非常に希望者が少なくなっているという状況ですよね。だから、専門教育というのを大学のどの時点からウエートを置いて大学院へどうつなげていくのかという点が大事になります。それから、大学の一、二年生というか、教養課程のときのリベラルアーツ教育ですね。社会性を持たせる、私がよく言う主権者教育、シティズンシップ教育です。そういうものにどの段階までウエートを置くのか、それが高等学校からの流れの中で考えていく必要があるし、もっと言えば、初等教育の段階からずっとつながってくる部分も結構あると思うんです。大学教育だとか、大学院教育だとか、高等学校の教育だというのを切り取って議論をするようにややなりがちなんですが、全体の流れ、継続性、整合性というものをこの計画部会の中できちんとつくっていく必要があるという意識で、私も議論に参加させていただいております。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。
 相川委員、何か御意見ございますか。

【相川委員】

 私もこの部会に属しておりまして、この計画、非常に奥が深い。計画としては非常にしっかりしたものですが、実施にあたり早い段階から自分たちの目的というか、興味を持つような教育、そういうものを高めてほしいと思います。やはり今の子どもたちは、自分が社会に出て存在価値があるかどうかということが分かりにくくなっているので、早い段階で自分たちは社会に出て一人の人間として役立つこと、そういう意識を早い段階で育てることで、中学校、高等学校、大学と進みしっかりとした目的が持てると思うんですが、それがどうも早い段階にないような気がします。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 どうぞ、北城委員、よろしくお願いします。

【北城委員】

 これは大学分科会とも関係するんですが、施策の25に大学におけるガバナンス機能強化ということが書かれているんですが、これは大学分科会で今後検討することになると思うんですが、できるだけ早く大学分科会の検討を進めていただいて、この基本計画に書き込めるような形で進展できれば連動できるんじゃないかと思います。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 どうぞ、長尾委員、よろしくお願いします。

【長尾委員】

 大学分科会、それから初等中等、いろいろなところで言葉として出ている2ページ目の5、「新たな価値を創造する人材」、その次に「グローバル人材」というのがあらゆるところで出てきていますが、ともすれば、英語ができればグローバル人材、留学させることがグローバル人材養成というふうな解釈をいろいろな部門で言っています。そうではなくて、小さいときから大学、高等教育まで、世界といかにつながっていくかということがグローバル人材養成ではないでしょうか。中身の問題、語学だけではない、歴史であったり、地理であったり、経済学であったり、宗教であったり、そういう内容的なことも我々はグローバル人材の中に解釈として入れていかないと、ちょっと方向性が変わってくるんではないかなと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。

【三村会長】

 グローバル人材の定義というのははっきりしておいたほうがいいですね。異質な文化も理解し、その中で自分の考え方を主張できる、こういう人間がグローバル人材だと私は思っているんですが、何らかの形ではっきりしたほうがいいと思いますね。おっしゃるとおりだと思います。
 そのほか、いかがでしょう。
 どうぞ、安彦委員。

【安彦委員】

 教育振興基本計画の中に入るのかどうかちょっと分からないんですが、我が国が直面している諸情勢というか、社会の現状というか、危機的な状況というか、そういうことから見たときに、私などの感じでは、今の異常気象その他、環境問題は非常に重要な問題じゃないかと思うんですね。それで、何人かの哲学関係の方たちも、本当にこれからの人類の将来は心配であると言っています。環境その他にもろもろいろいろな影響が出てきて、食料にもエネルギーにも温暖化にも、様々なところでその影響がこれからより身近な問題になってくるだろうと思います。そういうことに対して、人類の将来を非常に悲観する声も哲学者の間からは聞かれるわけで、そういう状況に全く無関係に、人材育成とかグローバル化とかということももちろん大事でしょうが、そのように育てられた人たちが本当に環境問題に国際的視野でもって取り組んでいってくれないと、人類は早晩、どうしようもない状況に陥るんじゃないか。
 そういう面からすると、一つは大震災からの教訓もそうですが、危機的なことに対してはっきりと私たちが自覚して、それに対する手を打っていくという方向性が全然入らないでいいのかな、ということなんです。これは本来政治の問題かもしれませんが、教育の方からも政治に対して問題を喚起するというか、そういうようなことができたら、例えばESD、持続発展教育とか、そういうような部分の中で、小出しでもいいですから何か出しておく。本当に私達の二代、三代先が心配で、今いろいろ心配はしているんだけれども、本気になって心配はしていなくて、何とかうまくいくんじゃないかみたいなところで先送りして終わっているわけですが、多分、そんな簡単なことではないんじゃないか。少なくとも私たちは次の世代、二つ先ぐらいの世代まで考えた上で、深刻にならない方向はこうだというぐらいの提言をしていかないといけないかないと、そんなことを考えたところです。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 五十嵐委員、よろしくお願いします。

【五十嵐委員】

 ありがとうございます。今日、いろいろ話題になっています初等中等教育と、それから高等学校、大学の教育の質的な転換、新たな学びにということから考えて、第2期の教育振興基本計画の中には、具体的にそれぞれの子どもたち一人一人、学ぶ者にとって変われるものになっているといいなと思って見ていたところなんですが、教育方法の改善の手段の一つとしてのICTというふうに見てみますと、この中の基本政策の1の確かな学力を身につけるための教育内容というところ、それから、基本施策の2の豊かな心と健やかな体の育成というところで、これは情報モラルのことについてなんですが、その部分、それから基本政策の3の教員の資質能力の総合的な向上というあたりで先ほどと関連するんですが、新たな学びを展開するためのというあたりで載っています。それから、施策の五番目、特別なニーズに対応したということで、特別なニーズのある子どもにもICT活用を含めたというところで表記があります。
 具体的にそういう環境を整えるためには、やはりきちんと環境を整えなければいけないのですが、それが基本政策24で、厚い資料の5-2では96ページの方にやっと数値目標がきちんと書かれて、これで少しはそれぞれがそういう整備をすることにつながればいいなと思っているんですが、24-2のところなんですが、ぽつの二つ目です。教育用コンピュータ1台当たりの児童生徒数3.6人という指針が出ていまして、ここに米印があって、この3.6という数字が各自治体で予算をとるときになかなかうまくいかない数字なので、具体的にどんなふうに学びが変わるのかというあたりを、予算取りのときにももう少しわかりやすくという声が前からあったところなんですが、ここにコンピュータ教室40台、各普通教室1台、特別教室6台、設置場所を限定しない可動式コンピュータ40台を整備することを目標となっているんですが、確かにそのとおりなんですが、これだとコンピュータ室40台は永遠にそのままで、こうなってくると、デスクトップがどーんと、リースの期限が来たらまた変わっていくということで、何も変わらなくなります。できれば、新たな学びの可能性としては、可動式のコンピュータが各普通教室にも動かすことができて、それぞれの教室で新たな学びが展開できる環境にしたいところですので、このあたりはただし書きか何かで、ただし、1のコンピュータは普通教室に移動して活用できる工夫が望まれるみたいなことが書かれると、ただコンピュータを配置するというだけではなくて、こういう環境の中で教室が変わっていって学びが変わるんだという具体的なイメージもついてくるのではないかなと思いました。
 いずれにしても、数値がこういうふうに書かれることが実現できる一歩になればいいなと願っているところです。
 以上です。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 橋本委員、よろしくお願いします。

【橋本委員】

 ありがとうございます。四つの基本的方向性を支える環境整備に基本施策の23に教職員体制の整備ということが位置付けられて、大変ありがたいなと思っております。教職員の定数改善という問題はもちろん計画的に推進していかなければならないし、お願いしたいところでありますけれども、学校を回ってみますと、小学校よりも、中学校の授業で非常に学力差というか、幅が広くなっているなと実感しております。そういう意味で、定数の問題もございますが、理数、あるいは英語等で少人数指導ができる中学校への手当てということについても、何か考えていただければありがたいなと考えております。
 以上です。

【三村会長】

 宮崎委員。

【宮崎委員】

 多様な人材を育てるというとても大切な点なんですが、しかしながら、多様に社会に出ていくと、社会が横並びで硬直しているとはみ出してしまうと。つまり、社会全体から改革していかなければいけない部分、価値観の変革というものが要求されているのではないかなという気がしているところです。一歩前にはみ出せば、出るくいは打たれて、一歩後ろにはみ出すと落ちこぼれというような社会の枠の中では、多様な人材を育ててしまうとかわいそうな目に遭うばかりになってしまうということになるのは避けたいと。社会全体がこれからそれなりの覚悟を持って変わっていくと。これは鶏が先か卵が先かですから、それを教育から揺り動かして変えていくんだと。時代の価値観を創造していく人材をつくるんだということで、この計画がとても大事なんだと私は思っているんですが、そうすると、もう一歩踏み込んで、例えば学びのセーフティネットなどの場合も、既にあるシステムに入り切れない、例えば経済的困難を抱える子どもたちに奨学金や補助金を出すというような消極的なやり方から発想を転換してしまって、一人一人にはそれぞれ同額の教育を受ける権利があって、その上で予算配分しておいて、それを持って教育機関に行くという、ひと頃はバウチャー制というようなことも言われまして、流行が先走ってひとり歩きしてしまったようなところがあると思うんですが、予算措置とか補助金のつけ方そのもの、あるいは教育機関、枠組みとしてのシステムの在り方そのものから根底から考えてみる必要があるのではないかという気がしておりますので、そういう大変深い基本計画だと思うんですが、ぜひそのような戦術の部分でしょうか、仕組みの部分というのも視野に入れていただければいいかなと思っています。よろしくお願いします。

【三村会長】

 ありがとうございました。さて、どうするかですな、これは。
 村松委員、よろしくお願いします。

【村松委員】

 ありがとうございます。先ほど環境教育のお話などが出て、その種のことがどこに入っているのか見てみますと、ビジョンで言うと、一番というのが社会を生き抜く力の養成で、その中のミッションの三番目が自立・協働・創造に向けた力の修得というタイトルになっているわけですね。このための基本施策の10の書きぶりがほかの基本施策の具体性に比べてかなり漠としているという気がいたします。基本的施策が現代的・社会的な課題に対応した学習等の推進ということで、厚い冊子で拝見すると、60ページに先ほどのESDの話なども入っていますが、冒頭のところに様々な御要望がみんな盛り込まれて、男女共同参画社会の形成の促進、人権、環境保全等々、ずらっと書いてあります。社会貢献につなげていく観点からもこういう力をつけるという形になっていますが、まず現状分析がどのようにされているのでしょうか。例えば冒頭にある男女共同参画社会について言うならば、中央教育審議会の委員は男女のバランスを考えていらっしゃると思いますが、学校教育で、これまでずっと男女平等教育をしてきたというわりには、社会がここまで男女共同参画が進んでいないのはなぜかとか、その種の分析がないままに、個々の人間に教育としてそういう力をつけていくというような書きぶりだけで本当に済むのだろうかなという気がいたします。
 こういう成果をどのようにしてはかろうとしているのかということがもう少し具体的に書き込まれてこそ基本施策になると思っておりまして、ミッションの3の書きぶりがほかのところに比べて比較的抽象度が高いので、もう少し具体的に書けないものかなと思う次第です。
 以上です。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 それでは、議論をこれで打ち切らせていただきます。一つ一つもっともな御意見でありまして、これはこれとして取り入れさせていただきます。宮崎さんの意見はなかなか難しいですけれどもね。
 それでは、次の話題に入ります。青少年の体験活動の推進の在り方に関する部会中間報告であります。
 衞藤分科会長、よろしくお願いします。

【衞藤委員】

 スポーツ・青少年分科会の青少年の体験活動の推進の在り方に関する部会の中間報告(案)、資料の6でございますが、これについて御報告いたします。
 1ページ目を御覧ください。今後の体験活動の推進について(中間報告(案))の審議状況でございますが、平成20年に文部科学大臣から、新しい時代に求められる青少年教育の在り方について諮問をいただき、スポーツ・青少年分科会のもとに青少年教育特別委員会を設置し、議論を進めてきました。
 その後、青少年の体験活動という観点から議論を進めるため、平成23年5月に青少年教育特別委員会を廃止し、青少年の体験活動の推進に関する部会を設置し、以後、12回にわたり会議を開催し、審議を行ってまいりました。
 8月20日に第12回の会議を開催し、中間報告(案)について審議を行い、大きな方向性については、現在、いただいた御意見を踏まえて修正を行っているところで、取りまとめ次第、中間報告として公表を予定しております。
 今後、パブリックコメント等を経て更に審議を進め、年内には中央教育審議会の答申として取りまとめを行う予定でございます。
 3ページ目を御覧ください。今後の青少年の体験活動の推進について(中間報告(案))の概要でございます。部会におきましては、青少年の体験活動について、社会を生き抜く力を持つ青少年の育成のために欠かせない教育であるとの認識に立ち、現在の課題や推進方策について議論を行ってまいりました。
 概要の1ページ目でございますが、まず初めに、1、青少年の体験活動の定義・意義・効果について整理しております。体験活動は、大きく1、生活・文化体験活動、2、自然体験活動、3、社会体験活動に分類しています。
 (2)、(3)の意義、効果につきましては、他者への共感や日本人としての心の成長、規範意識や道徳心の育成や、ニートや次世代のリーダーの育成に有効なことが指摘されており、体験が豊富な人ほど規範意識、職業意識などが高い傾向があることが分かっています。
 しかし、2ぽつ、現在の青少年の体験活動をめぐる状況や課題として、青少年教育施設の減少や保護者の経済力等により、体験活動の機会に格差が生じていることなど、体験活動の機会の確保が十分になされていないとの指摘があります。
 概要の2ページ目を御覧ください。そのような状況に対して、3ぽつ、青少年の体験活動を推進するための取組として、学校教育における子どもの体験活動の推進のため、教育委員会等において学校教育と社会教育が連携して学校への支援を行うことや、養成段階等で教員の指導力向上のための機会を提供する必要があること。大学生を対象とした様々な体験活動の機会が、社会を出る前の重要な経験となることから、大学の秋季入学等の議論を踏まえ、青年期の体験活動を社会全体で支援していくこと。体験活動に対する理解の促進として、意義や効果等の保護者への情報発信や、取組事例や体験活動プログラムなどの効果的な周知が必要であること。地域や家庭が果たす役割が大きいことから、学校、家庭、地域が連携した体験活動の推進が必要であること。また、民間団体や民間企業が体験活動の場を提供しているケースも多くあり、行政と民間団体、民間企業等が連携した取組が必要であるとしています。さらに、体験活動を行った青少年が社会で評価されるよう、体験活動の評価・顕彰制度の創設や、指導者資格を付与する仕組みについて検討することとしております。
 3ページ目になりますが、(3)青少年教育施設の役割・取組については、国立青少年教育施設はナショナルセンターとして機能を強化する必要があることや、今後、閑散期には施設を閉じる季節開設を検討するなど、より効果的・効率的な在り方について検討が必要であること。「新しい公共」型の管理運営の更なる推進や、幅広い人事交流等が必要であること。公立青少年教育施設での指定管理者制度の導入についてのメリット・デメリットを検証することなどを取りまとめています。
 さらに4ぽつ、東日本大震災を踏まえた青少年の体験活動、4ページ目になります。震災の経験を踏まえ、非常時の生活を想定した体験を行う機会を設けることや、国立青少年教育施設において、災害への対応や防災に係る研修プログラムの開発・実施などを行い、防災拠点としての機能強化を図ることとしております。さきの東日本大震災におきましては、その震災の翌日から、こういった施設が避難所として機能したという実例もあるわけであります。
 5ぽつ、青少年の国際交流の推進についてでは、国際社会で活躍できる能力・感覚を育成するため、取組の一層の充実が必要であるとしています。
 また、6ぽつ、今後更に議論すべき事項として、民間団体の活性化方策や体験活動を総合的に推進するための法律の整備を挙げております。
 説明は以上でございます。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 皆様、御意見いかがですか。
 平尾委員、よろしくお願いいたします。

【平尾委員】

 私はこの体験活動については大賛成しています。これは僕らの狭い世界だけかもしれませんが、スポーツの世界で言いますと、テクニカルスキル的なものはみんな非常にたくさん持っているんですが、問題なのはどうもヒューマンスキルだろうなと思っております。例えば自分の言いたいこと、相手の言いたいこと、このちょうどいいところで折り合いをつけるという、ある種のスキルかもしれませんよね。こういう経験そのものが非常に少ない。あと、ストレスとかフラストレーション、そういうものを抑制していくとか、我慢するとか、ムードをよくするとかというような、こういうたぐいのスキルがどうも最近の若い人は劣っているなという気がいたします。
 そういう意味でも、この体験活動は、実社会に近い、ある種冒険的な世界ですね。こういうものの中で連携を図っていくこと、僕は大変好きなフレーズだったんですが、先ほどの「答えのない問題に解を見出していく」という、これがこれからの実社会ではないかなと思います。そういうものと実際非常に近いものがそこにあるんではないかなと思っています。
 それともう一つは、家庭、コミュニティ、こういうものが昨今崩壊している中で、それに変わる新しい教育をする場として、こういうものが価値あるものになっていくんではないかなと思います。ただ、ここで重要になってくるのはリスクですね。ここで怪我をするとか事故が起こるというリスクに関して、安全性ばかりに気が行き過ぎるとこの体験活動の本質的な意味合いもなくなってくるような気もするので、この辺りのせめぎ合いというのが非常に難しいところだと思いますが、ここは大いに審議していかなきゃいけないところではないかなと思います。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。
 生重さん。

【生重委員】

 こちらが実現してくれるとてもいいなと思って拝見させていただきました。
 私も実は、農業体験で子どもたちを夏休みに4泊、民泊という形で農家でお預けする2泊を含めて4泊、大学生と小学生、大学生はリーダーという形で伴って一緒に行ってくれるという、確実に大学生の顔つきが変わりますし、もっとすごいのは、小学生がしっかり自立した顔になって帰ってまいります。私どもは農家民泊も含めて研究しているんですが、子どもたちの宿泊体験は、学校で行われますと、小学生の場合は2泊が多うございます。ところが、ちょっと例えが何なのですが、実際に研究会で話していることなので申しますと、排便を我慢できなくなる、その体験をして、他人のところでそういうことができるようになることで、一皮むけるというか、人間として成長するというところがあって、2泊だと子どもたちは我慢ができるんですね。その我慢をして帰ってくる段階のうちは変わらないと実は言われておりまして、他人のかまの飯を食う、そして、人のお宅でそういう排せつ行為ができるという貴重な体験を積んで彼らの格段の成長が見られて帰ってくる。ところが、学校現場でもそういう話は随分進んでいても、学校という場所では4泊以上の体験というのは到底無理だと。そこのところで、貧困格差みたいなのが実は出ていて、4泊以上宿泊すると安くして私ども頑張りましても、個人負担が二万五、六千円いただいているんですが、それでも頑張って大学生にはボランティアで来てもらってその価格というやり方で、経済的にお金を出してくださる家庭じゃない限り、子どもたちにその体験を提供できないというのがすごくいつも悩みで、何かもっと大がかりに、そういう体験が子どもたちにとって広くできるようなことも考えていただけたらありがたいなと思っております。
 どうぞよろしくお願いいたします。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 衞藤さんに対するものすごい応援演説がお二人からありましたが、ほかにいかがでしょうか。
 それでは、この議論は打ち切らせていただきます。引き続き、御検討をよろしくお願いいたします。
 次は生涯学習分科会の審議状況について、大日向分科会長、よろしくお願いします。

【大日向委員】

 それでは、「第6期生涯学習分科会における議論の整理(中間とりまとめ)」について御報告をいたします。資料は概要版が7-1、本文が7-2でございます。
 第6期生涯学習分科会におきましては、第5期の検討内容などを受けまして、かつ教育振興基本計画部会の審議に資することも念頭に置きながら、今後の生涯学習・社会教育の振興方策について審議を進めてまいりました。
 特に教育振興基本計画部会においては、今後の社会が自立・協働・創造が可能となるような「生涯学習社会の構築」を目指す必要があるとの報告を打ち出していることから、生涯学習分科会といたしましては、「生涯学習社会の構築」の中心的な役割を担う社会教育行政の今後の推進方策について、昨年6月から12回にわたって集中的に審議を行ってまいりました。
 そこでの議論の中間とりまとめは、本文、資料7-2を御覧いただければと思いますが、社会教育行政等の今後の推進方策を第1章に、また、今後の生涯学習・社会教育の振興方策を第2章に整理いたしました。なお、その内容につきましては、時間が限られておりますので、中間とりまとめの概要、資料7-1、3枚ですが、概要版に基づいて御説明をしたいと思います。
 まず、第1章の今後の社会教育行政の推進の在り方について、冒頭に簡潔にまとめております。少し読んでみたいと思いますが、「社会教育行政は、相互学習等が活発に行われるよう環境を醸成する役割を一層果たしていくことが必要。このため、今こそ、従来の『自前主義』から脱却し、首長部局・大学等・民間団体等と連携して、地域住民も一体となって協働して、『ひらく・つながる・むすぶ』といった機能を様々な領域で発揮する、『社会教育行政の再構築』(ネットワーク型行政の推進)を実施していくことが必要」とあります。
 この社会教育行政の方向性を打ち出すに当たっての流れをその下にまとめてございます。まず、1ぽつ、社会が急激に変化する中で求められるものとして、「個人の自立(人づくり)に向けた学習」と「絆づくり・地域づくりに向けた体制づくり」が挙げられています。
 そして、2ぽつに移りまして、社会教育が「人々の教養の向上、健康の増進等を図り、人と人との絆を高める役割」と「地域住民同士が学びあい・教えあう相互学習等を通じて、地域住民の自立に向けた意識、つまりは『自助』を高め、協働による地域づくりの実践、つまり『互助』、『共助』に結びつけていく役割」があることから、社会教育は人づくり・絆づくり・地域づくりに大きな役割を果たしていけるものと考えられます。
 しかしながら、近年、学校教育との連携・協働等の成果は見られてはおりますが、一方で、コミュニティ再生への対応や様々な課題への対応、そして社会教育の専門的職員の役割の変化への対応等が不十分といった課題がございます。このため、先ほど申し上げましたように、今後の社会教育行政は、学校支援のみならず、様々な領域において、人づくり、絆づくり、地域づくり支援の役割を担っていけるよう、首長部局や大学等の連携・協働を積極的に行っていく必要があります。
 概要の3枚目の図にそのことが示してあります。
 そして、これを進めるためには、国は様々な主体と連携・協働を行う先進的自治体の支援を通じた普及や、社会教育主事等の専門的職員の資質向上や役割の明確化が求められます。
 また、社会教育行政が一層ネットワーク型行政を進めるのに伴って、生涯学習振興行政についても、より一層その調和・統合機能を強化し、学習活動全体を俯瞰して、調整して、生涯学習振興の基本的方針等を提示することが必要となります。
 国は、生涯学習の実態把握や調査研究、学習の質の保証と学習成果の評価・活用の推進等の取組が求められます。
 概要2枚目をお開きください。こうした第1章の社会教育行政等の方向性も含めまして、今後の生涯学習・社会教育の振興方策について、「絆づくりと活力あるコミュニティの形成に向けた学習活動や体制づくりの推進」、「現代的・社会的課題に対応した学習機会及びライフステージに応じた学習機会の充実」、「社会生活を円滑に営む上で困難を有する者への学習機会の充実」、「学習の質保証・向上と学習成果の評価・活用の推進」、そして「生涯学習・社会教育の推進を支える基盤の整備」の五つの柱に整理しております。
 時間の関係がございまして、それぞれの取組についての説明は省略いたしますが、この五つの柱に記載された各取組につきましては、先ほど御説明のありました教育振興基本計画部会の審議経過報告にも盛り込まれています。
 生涯学習審議会といたしましては、引き続き、今後の社会教育行政の推進の在り方や具体的な取組方策について審議し、最終的な取りまとめに向けた議論を進めてまいります。
 以上です。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 御意見、ありますか。
 貝ノ瀨副分科会長でございますので、一言つけ加えていただけますか。

【貝ノ瀨委員】

 今、大日向分科会長のお話のとおりですが、今までどちらかというと、社会教育行政はいろいろなものを抱えて仕事をしていたということがあります。現実には、教育委員会のいろいろな仕事などを見ても分かりますように、学校教育、それ以外は徐々に首長部局、つまり市長、知事等のところで社会教育行政が既に行われています。そういう現状では、社会教育行政自体がネットワークを組んで、様々な部局、関係機関と連携をしながら、市民の自立とか学びを充実させていくということにつなげていくということになってくるだろうと思います。そうすると、今まで社会教育主事という存在があって、その方に依存するというか、そういう存在がなければ進められないような歴史がありました。しかし、現実に、もう既に社会教育主事さんの数も頭打ちになっていて、大事じゃないというわけではありません。社会教育主事さんの養成も質的な向上も十分図らなければいけないんですが、同時に、社会教育行政を進める中、生涯学習の活動の中で学んだ市民の皆さん方が自立して、市民の皆さんがコーディネートをしたり、様々な方たちとつながって学びの共同体をつくっていくコミュニティ創生の活動にだんだんなってきています。今後はその動きを更に広めていく、強めていくということが、これからの社会教育行政の在り方なんではないかというふうに思います。
 一方で、全国の学校はコミュニティ・スクールが徐々に拡大しております。現に今、4月1日現在、全国1,183校になっておりますが、そういうことを考えますと、学校教育の進めているコミュニティ・スクールの動きとちょうど重なってくるといいますか、新しい公共が実現しつつあるという動きだろうと思います。その動向を大いに進めていくという立場に立って、この整理をさせていただいたというところでございます。

【三村会長】

 ありがとうございます。
 いかがでしょうか。各委員の皆様から。
 生重さん、何かお話、ありますか。

【生重委員】

 私もここの分科会の委員として方向性を一にして、ちょうど私自身も学校支援を足場に活動を広げてきて、もっと広く日本中の子どもたちに多様な学びが提供できるような地域を確立する、それぞれの地域が自分たちの力で確立するということをお手伝いしている仕事をしているので、こういうエリアにおいてそれぞれが活性化していくということは、これからの社会において重要なかなめになるというふうにとらえて、審議会に出席しております。
 以上です。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 岡島委員、よろしくお願いします。

【岡島委員】

 ここに高齢者のところがあるんですが、今度の分科会で、ぜひ高齢者の社会参画というんでしょうか、今探してみたんですが、なかったものですから、年をとっても、65になっても、70になっても元気な人もたくさんいて、社会でサラリーマンでそれぞれの様々な技術を持った人もいるし、特に教員のOBの方々などはかなりいろいろな活動ができるはずで、いつだか、ここの席でも申し上げたかもしれませんが、江戸時代の寺子屋のほとんどはボランティアで、武士をリタイアした人だとか、僧侶だとか、そういう人がほぼただに近い形で塾を開いていた。そういうようなことを考えても、たくさん元気な教員のOBの方などもいらっしゃるわけですから、そういう方々に、例えば勉強をしたくない子、高等学校が嫌いな子はうちに来なさいと。1週間に1回くらいなら教えてあげますよというような形でどんどん参画してもらう。おそらくそのシステムのようなものがあればやりやすいんじゃないかと思うんですね。一人で自分で僕がやるというのはなかなか言いにくいかもしれませんが、そのような形だとか、私ども今度、NPOでシニア自然大学というのをやるんですが、大変な人気なわけですね。年をとっても何かやりたいんだということで、自然のことについて大学の単位になるようなこと、結構レベルの高いことをやろうとしても、お金を払って聞きたいんだという方もたくさんいらっしゃいます。そういうので、福祉と高齢者をくっつけないで、くっつけないでと言うと変ですが、高齢者の社会参画というテーマを……。
 あ、ありますか。ございました。すみません、余分なことを言って。21ページにあったそうです。
 それからもう一つ、女性・青少年施策を一くくりにしてあるわけですが、女性は女性でかなり大事な問題で、男女参画というのは一つのテーマでありまして、女・子どもというニュアンスがなかなか出てくるものですから、こういうくくりを若干考えていただきたいと思います。
 以上です。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 安彦委員、よろしくお願いします。

【安彦委員】

 一言だけですが、絆づくりというか、こういう地域づくりといった方向は、大震災以後の一つの流れにあると思うんですが、本文の11ページとかあちこちにもあるように、地域住民の自由・闊達な学習が行われるようという、この点はぜひ大原則として守っていただきたい。というのは、絆づくりだということで、逆に自由な活動を抑えにかかる人が出ないとも限らないわけで、むしろそういう意味では、特に首長さんとか行政の上から何かを仕掛ける人たちが、えてしてそういうことになる危険がありますので、ある意味では、行政が地域住民による自由・闊達な学習をむしろサポートする、そういう方向性をはっきりと保っていただきたいと思います。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 それでは、ここで議論を打ち切らせていただきます。
 次に、いじめ問題への対策につきまして、布村局長よりよろしくお願いします。

【布村初等中等教育局長】

 最後に8-1から8-4まで、いじめの関係の資料を配付させていただいておりますので、今回の大津市の事案の経緯などを御説明させていただきます。
 8-1の資料が今回の事案の経緯、あるいは文部科学省の取組をお示ししてございます。8-2は、7月に出しました文部科学大臣談話、8-3は、現在、緊急調査として、全国の国公私立の学校、幼稚園から高等学校までを対象に緊急調査を実施している調査の通知、8-4が文部科学省に新たに設置した子ども安全対策支援室という資料になっております。
 8-1の資料で経緯及び取組を御説明したいと思います。
 まず、経緯は御案内のとおりかと思いますが、昨年の10月に中学2年生の生徒が自ら命を絶たれたという事案でございます。自殺事案が多く発生したことから、昨年の6月には、背景調査を学校、あるいは教育委員会においてしっかり取り組んでいただきたいということを通知しておりまして、当該学校でもアンケート調査をしていただきました。その結果、11月に公表された際には、自殺との因果関係は不明であるが、いじめがあったという見解を公表されておりますが、一部のいじめの内容については公表されていなかったという経過になります。
 御遺族の方が今年の2月に民事訴訟を提訴されていて、その流れの中で、今年の7月に報道が始まったということになります。そこで、昨年の記者会見では公表されなかったいじめの具体的な内容に関する報道がなされたという経過をたどり、7月11日には警察が中学校、市の教育委員会を捜査しました。そして、大津市では、この8月25日から第三者調査委員会を設置され、この事案の事実関係を調査検証する会議を持っているところでございます。
 資料の2のところに赤枠で文部科学省の基本的な考え方を整理してございます。いじめは許されることではないが、どの学校でもどの子どもにも起こり得るものであることを十分に認識することが必要であると。そのためにも、各学校において子どもの兆候を見逃さずに、学校現場の教員は、未然に防ぐという意識のもとにしっかりとアンテナを張って、児童生徒が発するサインに対する感性を高めておくことが必要であるということ。それから、市町村の教育委員会は学校の設置者として、学校とともに迅速かつ適切な対応を行う必要があるということ、また、都道府県の教育委員会はそれをきちっとサポートする必要があるということ。このような基本的な認識のもと、それを繰り返し指導はしてきているところでございますが、今回の事案につきましては、1ページの一番下になりますが、学校においていじめの実態把握が適切に行われていたのかどうか、また、生徒が亡くなられた後の背景調査の進め方に関しまして、市町村教育委員会と学校が迅速かつ適切に連携して対応ができていたのかどうか、あるいは背景調査において得られた情報を確認するという方法が適切であったのかどうかなどの点において、課題があったのではないかと現在はとらえているところでございます。
 大きな三番が1ページ目の裏になりますけれども、文部科学省の取組としては、7月の13日に、資料8-2に添付してございますが、全国の学校に向けて文部科学大臣談話を発表いたしまして、学校や教育委員会でいじめの問題について抱え込まずに一丸となって取り組むこと、また、子どもたちには大人に相談してほしいという呼びかけをしたところでございます。
 それから、7月以降、いじめ相談ダイヤルへの相談件数が急増するという状況を踏まえまして、全国に緊急調査を行っております。これが資料8-3になります。この通知の際にも、改めて各学校、教育委員会における、いじめ問題の取組状況についてのチェックポイントをお示しし、再点検、総点検をやっていただきたいということを求めております。
 資料の8-4になりますが、文部科学大臣決定により、省内に子ども安全対策支援室を設置いたしまして、大津市からの御要望にも応じて、実態の把握、再発防止に取り組んでいくという市の教育委員会、あるいは大津市をしっかりサポートするということ、それから、学校や教育委員会がしっかり対応していくことが基本であることを前提として、学校現場への支援体制、再発防止のための取組について文部科学省が先頭に立っていこうということをお示ししつつ、市の方にも継続的に職員を派遣してきたところでございます。
 当面はこの支援室において、まずはいじめ問題等に関する総合的な取組方針をできるだけ速やかに、近日中に取りまとめ、全国に発信するとともに、来年度の予算要求にもつなげていき、極力いじめの問題について、全国の学校、教育委員会で迅速な取組が進むように、引き続き、国としても取組を促すべく取り組んでいる途上でございます。
 最後には、大津市の教育委員会で今回の事案について検証をする第三者委員会も動き出しましたので、それらの検証も参考としながら、今後のいじめ、あるいはいじめを起因とする自殺の防止に向けて、行政としてもしっかりと適切に取り組んでいきたいと考えているところでございます。
 概略、以上になります。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 御質問、御意見、ありましたらどうぞ。
 生重さん、最初にお願いします。

【生重委員】

 学校現場に近いところにいる人間として、全てを文部科学省や教育委員会が責任を負うというのは、もちろんお立場上はそういうところを求められて批判、非難を浴びるというところから言うと、そういうきちんとしたものを表明なさっていくのは当然なんですが、私は日頃から子どもたちのそばにいて感じるのは、いじめている側の方により大きな背景的な問題とか原因があって、学校の先生一人で対応していく、それがチームになって対応していくというふうになるべくお勧めしながらやっていくにしても、それでも解決できない問題が実はすごくあるんですね。そういう意味で、学校支援本部をあちこちいろいろなところで設置されていく現場を見ると、それは非常に有効であろうと。それはより多くの温かい大人の斜めの関係の目が入り、それから声をかける現場が出てくるという、先生一人で学級全部を見ている以上の効果が実はあらわれていて、そこの場でよく情報交換とか交流の場でお話をさせていただくんですが、子どもたち一人一人、本当に学級の一人一人が自信を持つこと、自分が必要だ、役に立つ、居場所がある、認められていると思えたときに、加担をするとか、傍観者になるとか、そういうところも少し勇気を持って発言できるようになっていく。それと、逃げ場がある。学級の中にしかいられないじゃなくて、逃げ場があるということも、見ていてすごく救いになっているんだと。そうであるならば、もちろん専門家がいて、カウンセラーが来て、一人一人のということももちろん大切で、予算化していくことも必要なんだと思うんですが、もっと社会の問題として、地域それぞれが自分のエリアはどうなんだ、自分の地域の学校はどうなんだという意識を持てる環境の醸成をしていくことが重要なんじゃないかなと思うんですね。
 昨日、たまたま私が地域のコミュニティ・スクールの委員をやっている学校で、先生と地域とPTAの保護者の立場を超えたワールドカフェというのを実施して、そのときに話が出たのが、心と体の健康づくりというテーマのワールドカフェを開催したんですが、そのときに、もちろん生活リズムが必要だとか、早寝早起きが大事だねとか、朝ご飯を食べさせる家庭環境をつくるのが大事だねとか、そういう基本的な話は、保護者も地域も先生もみんなで三者共有していかなきゃいけないね。
 その中で、他県の事例なんですが、怖いなと思ったのは、今、携帯電話すらも学校の方で言っても言ってもとまらないから、先生が管理するから回収しますと。朝集めますという例があって、よく携帯ショップで型落ちして100円とか200円で売っているものを二つ用意して、ポケットにちゃんと通話できるものを入れて、先生の没収の方には電源も通話もできないものの方をスイッチを切った状態で、はい、先生というふうに預けて、ずっと授業中も回収したはずの携帯でいじめが繰り返されるとか、とんでもない事例がいっぱい今聞こえてきていて、そういうのも含めて、もちろん学校と保護者が協働体制をとりながら、先生を信頼して一緒になって、そういう問題が起こったときには一丸となってやっていこうということが昨日、保護者の口から出たときに、こういうことを言い出せる保護者をどうつくっていくかという、その環境づくりみたいなこともぜひ力を入れてやっていくべきなんではないかなと思っております。
 以上です。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 では、篠原委員、よろしくお願いします。

【篠原委員】

 さっき布村局長から当面の今の文科省の問題に対する対応、こういうふうに進めていますということで、お話がありました。ぜひ進めていただきたいと思いますが、同時に今、生重委員が言われたような問題は非常に広範にわたっていると思うんですね。だから、どういうところだけがしっかりすればこれが直るというんじゃなくて、社会全体の問題としてどうとらえるかということが確かに大事だと思います。
 同時にもう一つ、それとともに、なぜこういういじめが起きるのかということですね。起きたらこう対処しましょうじゃなくて、なぜ起きるのかというところへ深掘りしていかないと、抜本的な解決にならないんじゃないかと。例えば、兆候を見逃さないようにしましょうというんだけれども、なぜ見逃されてきたのか、なぜそれが学校長、あるいは学校長から教育委員会へ報告がなかったのか。この体質的、構造的なところにメスを入れない限り、私はこのいじめ問題は抜本的にはなくならないんじゃないかと思っているので、これはこの間、部会でも申し上げましたが、ぜひ頭に入れながら対応していただきたいなと思います。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 相川委員、よろしくお願いします。

【相川委員】

 保護者の立場から、本当にこのいじめの問題は、私ども気になっている点です。
 つい最近、私、この相談を受けました。それは、今、引きこもりとか登校拒否がどうもいじめに端を発していることが非常に多かったりします。ですから、子どもに調査をするということ、そういう原因をつかんでいくということは大事なことだと思います。それと、今私が関係している子ですが、学校を信用していない。登校したいが原因の解決は学校、教育委員会、先生ではできないというような不信感を持っている。それはいじめが起きた原因を発信したときに、先生方の対応も悪かったし、教育委員会の方の対応も悪かったということで、非常に重くなっている。そうすると、子どもたちが頼るところがなくなる。そこに市民の人だとか、精神的な医学的な対応をする人・学校に関係していない所で、自分の気持ちを十分訴えられる、そういう場をぜひつくっていただきたいと。病院とかは相談をすると、3か月も4か月も先のようなことを言われると。そうすると、子どもは余計落ち込んで立ち直れない。ですから、いろいろな専門家をつくるということは確かに大事でしょうが、もっとそこまでいかないうちに、一般の市民、もうちょっと話を聞いてもらう人を早急につくって動いたほうが対応が早いんではないかなと思う。私は、そういうように学校とか教育委員会に頼る以外にも、一般市民に頼った対応を早くしてあげた方がいいんではないかなと感じました。

【三村会長】

 貝ノ瀨委員、どうぞ。

【貝ノ瀨委員】

 今、保護者というか、親の立場からお話がありましたが、私は教員を指導する立場からお話します。今の資料8-1の2のいじめ問題に対する文部科学省の基本的な考え方の一番最初のフレーズなんですが、いじめは決して許されないことであるが、どの学校でもどの子どもにも起こり得るものであることを十分に認識する必要があります。言葉尻をとらえるわけじゃありませんが、これを逆にしてみたらどうでしょうか。どの学校でもどの子にでも起こり得るものであることではあるが、しかし、いじめは決して許されないことであることを十分に認識することが必要であると。ニュアンスが変わってくるんじゃないかなと思うんですよね。このままだと、いじめは許されないんですよ、だけど、起こるんですよ。つまり、いじめというのは人間の宿命的なものだというふうな感じになっちゃって、指導する教員としては、甘く受けとめるというか、いじめがあっても、いじめというのはどこでもあるんだよ、また起きたんだよと、こういうふうに甘く受けとめないかどうか心配します。そして、どうしても宿命論ということに力点が置かれると、予防的な指導にも甘くなるのではないか。日頃の日常的な自尊感情を育てるとか、思いやりを持って接するとか、そういったことについての日常の日々の指導の大切さに手抜きが出てくるんではないかと、老婆心ながらそんなふうにも感じるんですね。ですから、そんな意図はないことは十分分かった上で申し上げているのですが、そんなふうにとられなければいいかなと感じた次第です。感想です。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 どうぞ、田村委員。

【田村委員】

 感想とおっしゃったんで、私も感想を一言申し上げさせていただきたいのですが、実際、そういう事例を見ていますと、必ずいじめられる子がいて、いじめる子がいてという状況じゃないんですね。仲よくしていて、あるとき突然どっちかがいじめられるということが起きるんです。予測がつかないんですね。ですから、文科省はどうしてもこういう書き方になっちゃうんだろうという気がして見ていました。
 昔は、古典的ないじめというやつは、いじめる方は大体決まっていて、いじめられる方も大体決まっていてという、こういうことを予測されると思うんですが、今はそうじゃないんですね。仲間内で、あるとき突然誰かがいじめられているということが起きるんです。信じられないんですけれどもね。それは実態として私どもも感じていますので、だから、よく見ていなきゃいけないんですね。とにかくよく見ていなければ、予防というのはすごく難しいんですね。できないと思ったほうがいいぐらいだと思っているんです。だから、こういう書き方になっちゃうんです。なるほどなと思っておりました。感想です。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 橋本委員、どうぞ。

【橋本委員】

 一言申し上げると、最近感じておりますのはネットいじめということであります。普通であれば、学校内で解決できるような事例であっても、ネットに載ると、そのスピードが非常に一瞬のうちに広がってしまいまして、それで確定的にいじめになってしまうというような事例、あるいは学校という区切りではとても解決できない、ほかの地域を巻き込んでというようなことが、一瞬というか、何秒のうちに広がっていくという、大変恐ろしい時代だなということを感じておりまして、その辺のネット対策ということもやっていかなければいけないのではないかと思っております。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 宮崎委員、これを最後にしたいと思います。その後、布村局長からお答えいただけるものがあれば、よろしくお願いします。

【宮崎委員】

 恐れ入ります。私、神奈川県の教育委員なんですが、神奈川県では、この事件を受けてすぐに、神奈川県はどんな事情があってもいじめは絶対に許しませんという通達を出しました。それで、暴力行為というのは立派な刑法犯、犯罪です。ですから、いじめは犯罪ですということで、学校の中でちょっと人間関係がトラブルになったからというような甘いものではなくて、お金を持ってこいと言えば立派な恐喝です。ですから、いじめは犯罪ですということで、毅然とした態度をもっととるべきだと思います。ですから、文科省としての考え方というのも、先ほど表現がというお話も出ましたが、もっと毅然とするべきだと思います。これはやってはならない犯罪ですということを大人がそこできちんと軸足をとらないから、子どもは増長するわけで、やってもどうせ大したことない。一義的には、私は現場の先生に大変に大きな責任があると思います。周りの環境もいろいろあると思います。だから、先生だけのせいだと言う気は全くありませんが、いろいろなケースを拝見しておりますと、そういうところで毅然とした態度をとってくれる大人がいれば、それ以上は進まないというケースもたくさんあるわけですね。その辺のところはもっと毅然としてもいいのではないかというのが意見です。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 では、議論を打ち切らせていただきます。
 布村局長、どうぞ。

【布村初等中等教育局長】

 貴重な御意見、たくさんありがとうございました。先ほど説明できませんでしたが、資料8-1の3ページ目に当たるところの過去からの取組状況を示した資料の中で、大きく分けて、いじめの早期発見・早期対応ということで、ここではアンテナを高くしてしっかり把握することと、いじめを許さない学校づくりということで、「いじめは人間として絶対に許されない」との認識のもと、毅然とした指導が必要であることを示しています。今回のメッセージはその辺を一つの文章で書いたので、御指摘のように少し誤解を含み得る表現だったと思いますので、その辺は十分留意していきたいと思います。
 それから、御示唆のありました学校地域支援本部、あるいはコミュニティ・スクールの場合には、いじめの問題が起きたとしても、それが大きな問題になりにくいこと、斜めの関係の大人の人がいて相談しやすいとか、大人の目があるということが効果としてお示しいただいておりますし、また、PTAの方々がネット上のパトロールに御協力をいただいて、いじめの問題が広がらないように取り組んでいただいております。地域の方々とのネットワークは学校としても十分大事にして取り組んでいって、少しでも速やかな解決につながるように、よりその実効性が高まるように、引き続き促していくということで、行政としても取り組んでいきたいと思っております。ありがとうございます。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 それでは、たくさんありましたが、本日の議事はこれまでとしたいと思っております。
 次回の日程については、追って事務局より通知いたしたいと思います。本日はどうもありがとうございました。

── 了 ──

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-- 登録:平成24年12月 --