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中央教育審議会(第76回) 議事録

1.日時

平成23年4月22日(金曜日)16時~18時

2.場所

文部科学省「講堂」(東館3階)

3.議題

  1. 東日本大震災にかかる文部科学省の対応等について
  2. 自由討議
  3. その他

4.議事録

【三村会長】

 それでは、ただいまから中央教育審議会第76回の総会を開催いたします。本日は急な開催にもかかわらず、御多忙の中御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 まず会議に先立ちまして、このたびの震災で亡くなられた方々の御冥福を祈り、黙祷を捧げたいと思いますので、御起立お願いいたします。では、黙祷。

( 黙祷 )

【三村会長】

 ありがとうございました。お座りいただきたいと思います。
 本日は、高木文部大臣、笠政務官にも御出席いただいております。
 本日の議題ですけれども、中教審の総会には珍しく、特に取り立てて議題というよりも、むしろ震災のいろいろな状況がどうなっているか、文科省関係でどういうことが起こっているのか、これを報告いただきまして、震災でおそらく一人一人がいろんなことを実は感じられたと思っております。したがって、今日は文科省からの話も非常に大事なのですが、それ以上に、さて我々として文科省にどういうことを期待するのか、どういう活動をしてもらいたいのか、これをぜひとも第1回の総会としては、皆さん一人一人からお話を伺えれば非常に結構だと思っております。
 本日は、報道関係者、NHKから、会議全体の状況についてカメラ撮影を行いたい旨申出がございましたので、許可いたしておりますので、御承知おきいただきたいと思います。
 審議に入ります前に、まず事務局より資料の確認をよろしくお願いします。

【上月生涯学習政策局政策課長】

 資料は、メインの資料として資料1から4まで、資料1は、東日本大震災による被害の状況について、資料2が、被害が甚大だった3県の公立学校・私立学校の始業の状況について、資料3が、文部科学省のこれまでの取組と今後の課題、資料4が、被災3県——3県というのは、岩手、宮城、福島県のことでございます——からの主な要望事項(教育関係)でございます。また、関連資料として、内閣総理大臣、文部科学大臣からのメッセージ等、関連資料を別冊としてつけておりますので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 それでは、はじめに、高木文部科学大臣から御挨拶をよろしくお願いいたします。

【高木大臣】

 皆さん、こんにちは。文部科学大臣高木義明でございます。
 三村会長はじめ、委員の皆様方には、大変今日はお忙しい中に、御参集いただきまして本当にありがとうございました。日頃より、教育行政には何かと御指導いただきまして、この場をかりて改めて感謝を申し上げたいと思います。
 改めてでございますけれども、先ほど黙祷がございました、3月11日に発生いたしました東日本大震災でお亡くなりになられた方々に、心から哀悼の誠を捧げたいと思います。同時に、今なお被災地で行方不明者の捜索をはじめ、避難所でいろいろ御苦労されておられる方々に対しても、心からお見舞いを申し上げます。
 この災害によりまして尊い命、子どもたち、そしてまた教職員の皆様方も犠牲になられた方がございます。私たちは、今回のこの大災害は、まずこれまでにない大きな地震、そして、これまた大津波、また原子力発電所の災害、そして加えて、たび重なる余震、こういったことで大変なつらい状況が今なお続いております。私どもにおきましても、政務三役を中心にしまして、現地にも赴きながら、そして、何よりも元気を取り戻す教育の場が早く確保されるように努力をしてまいりました。この裏には、被災された地元での首長をはじめ、教職員の方々はとりわけ、いわゆる避難場所となっている学校施設が多いものですから、学校教育とともに避難所の世話活動までなされており、いろんな御苦労がございます。
 そういう中ではございますけれども、今、日々一つ一つ物事は進んでおると思っております。それは災害でございますから、現地の人については、ほとんどものが進んでいないではないか、情報が流れてこないではないか、あるいは、ものや人がまだまだ不足をしている、こういう思いが強いのは、私はそのとおりだと思っておりますが、我々もこういった御意見を十分に聞きながら、今日はこういうスタイルでございますが、震災発生当時は防災服で身を固めながら、お互いに現場と文部科学省共通の思いを共有するためにも、それぞれ頑張ってまいりました。
 また、去る4月6日には、総理と私の連名によりまして、学校現場、子どもたちに、そしてまた教職員の皆さん方に励ましのメッセージも送らせていただきました。何よりも、今回のこのような、まさに戦後、ある意味では初めてという苦難なこの災害、困難な中、大変厳しい中にこそ、私はこれに立ち向かい、そして、お互いにみずからを信じ、そして助け合って、励まし合って、そういう生き抜く力、ある意味では教育の原点がまた出てきているのではないかと思っております。
 そういう意味で、これからしなければならないことは、就学の支援であります。経済的な状況にかかわらず学校に行けるという状況を、これまでもやってまいりましたが、特にこういう特殊事情の中でございますが、柔軟な、最大限の配慮もしていきたいと、このように思っております。
 また、県内はもとより、県外におきましても、子どもたちの受入れについても大変な御協力、御支援をいただいております。そういう意味では、特にこれから大事なのは、子どもたちの心のケアではないかと思っております。つらいあの日のことを思い出しながら、そしてまた、親を失い、家族を失ったその悲しさというのは、本当に胸が締めつけられる思いでございます。しかし、テレビなど報道を聞きますと、みんな一生懸命生き抜いておられますし、そしてまた行かなきゃならん、そういう意味では、我々としては、ここにまた学校のある意味では意義が出ておるのだと思っております。これからも先生の加配措置も含めて、格段の配慮をしていかなければならないと思っております。
 そういう中でございまして、やはり人づくりは国づくり、新しいまた日本の復活、このために人材の育成というのは何よりであろうと思っております。どうか会長はじめ委員の皆様方におかれましても、引き続きいろんな立場から御提言、また御助言を賜ればと、このように思っております。
 今日は本当にお忙しい中に御参集いただきましてありがとうございます。心から皆様方にこれからの御支援をお願い申し上げまして、簡単でございますが、御挨拶に代える次第でございます。ありがとうございます。

【三村会長】

 大臣、どうもありがとうございました。
 ここで大臣及び笠政務官は、公務の都合により御退席されると聞いております。どうもありがとうございました。

(大臣退席)

【三村会長】

 それでは、議題に移らせていただきます。
 まず、今回の東日本大震災にかかわる文部科学省の対応等について、文部科学省より御報告いただきたいと思います。

【板東生涯学習政策局長】

 それでは、生涯学習政策局でございますが、私のほうから、資料に基づきまして、現在の被害の状況、それから、文部科学省の取組などにつきましてお話をさせていただきたいと思います。
 まず資料1を御覧いただきたいと思います。これは現在の被害の状況につきましてまとめさせていただいているものでございます。
 まず人的被害でございますけれども、一番のところに書いておりますのは、学校関係ということでございますが、学校関係で人的被害がどれぐらいあったかと。これは教職員、それから、幼稚園から大学、専修学校等を含む全体ということでございますが、死亡で522名、そのほか負傷、それから行方不明になっている方々も数百人いらっしゃるというような状況がございます。
 また、2の物的被害のところでございますが、これはかなり幅広い都道府県で被害が出ているわけでございますが、文教施設全体でも10,300程度という被害の報告を受けているわけでございますし、その中で学校施設なども特に多いわけでございますが、そのほか、社会教育・文化関係の施設、あるいは文化財、研究関係の施設など、幅広く物的被害が出ているという状況でございます。
 それから、避難施設となっている学校なども非常に多いということで、これは4月21日現在でございますので、その後、学校が再開などに伴いまして閉鎖されてきているものもございますが、かなり多くの学校が避難施設となったということで、大きな今回の役割を果たしております。また、集計しておりませんけれども、このほかにも、社会教育施設とか文教関係の施設で、いろいろ避難場所などになっているところがございます。
 それから、裏を御覧いただきまして、被災した児童生徒の受入れ状況ということでございますが、これは3県以外のところも含めまして、被災地から他の都道府県の公立学校に移ったという児童生徒数につきましては、合計で8,943人ということ、そのうち3県の児童生徒であることが判明している人数が、6,510人ということでございますけれども、そのほか、出身県が不明の者がおりますので、実際この3県からはもう少し多い数字ということになろうかと思います。
 五番では、文化財の主なものを掲げているところでございます。
 それから、資料2の学校の再開の状況でございますが、これは3県のものを整理させていただいております。今日現在でかなり始業している、再開しているというところは増えてきているわけでございますけれども、例えば岩手県であれば宮古市など、宮城県でも亘理町とか山元、それから南三陸といった町では、まだこれからという状況でございます。福島では、かなり避難をして、その避難先で受入れなりされているところというのがあるということでございます。このような状況、それから、私学につきましては、裏のページに整理をさせていただいておりますけれども、私学においても、まだこれから再開というところも、この括弧の中にございますように、かなり出ているところでございます。
 それでは、資料3を中心といたしまして、主な文部科学省の取組と課題というところを御説明させていただきたいと思います。あわせて、関連資料ということで、非常に分厚い冊子がございますので、これも適宜あわせて御覧いただければと思います。
 まず全体ということでございますけれども、文部科学省全体としての対応体制ということで、資料3の1のところにございますけれども、震災、地震直後に「文部科学省非常災害対応本部会議」、それから「原子力災害対策支援本部」を立ち上げております。そして、いろいろな施設等における安全確保ということで、児童生徒、学生等の安全確保ということについての要請を出しております。そして、4月11日には、これから復旧・復興について本格的に取り組んでいくということで、「文部科学省復旧・復興対策本部」を設置しております。
 それから、先ほど大臣から申し上げましたように、メッセージを総理大臣、文部科学大臣から学校関係者に出しております。お手元の関連資料の1ページからでございますけれども、後で御覧いただければと思いますが、これは小学校、中高、それから学校の教職員の方々などに対するメッセージを出させていただいております。これは被災地向けというだけではなく、全国の被災地以外の子どもたちや学校の関係者に対しても、それぞれ取り組んでいただきたいこと、あるいは励ましの言葉を載せているものでございます。
 それから、個々の分野の取組のところでございますが、まず各学校段階における学校再開に向けた支援ということで、被災児童生徒の学校での受入れということでございます。この受入れについては、速やかに受入れをお願いしたいということで、お手元の関連資料のところでも、9ページに通知をつけさせていただいておりますけれども、教育委員会等に要請をさせていただいております。それから、様々な連絡先等につきましても、ウェブサイト等で周知を図らせていただいているということで、きめ細かく取組の支援をしていこうということでございます。
 それから、教科書の給与の関係、これも今申し上げました通知にも盛り込んでおりますが、これについても弾力的な扱いにより教科書が確保できるようにということで、通知を出させていただき、それから、教科書の確保・増刷等を関係団体にお願いして確保したというところでございます。
 それから、就学援助の関係でございますけれども、これにつきましては、今日付ということでございますが、第1次補正予算について閣議決定がされております。この資料の一番最後のほうに、別紙といたしまして、第1次補正案の概要という1枚紙をつけさせていただいておりますけれども、この中に、真ん中のほうでございますが、各学校段階における就学支援189億円ということで盛り込ませていただいているところでございます。初中教育関係につきましては、被災児童生徒就学支援等臨時特例交付金というものを創設して、奨学金とか、あるいは授業料の減免等に対応するということで、この交付金の創設が盛り込まれているところでございます。それから、大学関係等につきましても、その下にございますように、奨学金の緊急採用の拡充とか授業料減免措置の拡充といったことを盛り込んでおります。
 元の2ページのほうにお戻りいただきまして、今の補正のところの下のほうに書いてございますが、そのほか、通知等で、可能な限りいろいろな援助措置についての弾力的な対応についてお願いをしたり、それから、大学における学生の授業期間等、就学についての弾力的な措置についての通知とか、それから、緊急・応急採用奨学金等についての措置につきまして図ってきたところでございます。
 また、就職活動の関係でございますけれども、これにつきましては、関連資料の49ページのところでございますが、これは文部科学大臣と厚生労働大臣と連名によりまして、内定取消を行わないような配慮を主要経済団体に要請させていただいたというところでございます。
 それから、(4)子どもたちの心のケアの関係でございますが、これにつきましても、今の補正の中で、スクールカウンセラー等の緊急派遣ということで、一番最後のページの上でございますが、国公私合わせて1,300人相当の派遣に必要な経費ということでございます。この補正の前にも、いろいろな予算などを活用いたしまして、臨床心理士の派遣とか、あるいは23年度のスクールカウンセラー等活用事業の確保などをしてきておりますし、心のケアに関します様々な資料の提供などもしているところでございます。
 それから、(5)教職員の加配でございますけれども、これも関連資料、分厚い冊子のほうの92ページをごらんいただきたいと思います。前回も御紹介をさせていただいておりますけれども、小学校の1年生から35人学級が実施できるようにという定数改善を実施するための標準法の改正、あるいは予算が通ったところでございます。その関係で、この審議の過程におきまして修正がなされているところでございます。93ページのところに、教職員定数に関する加配事由の追加とか、その他のところで修正が図られているところでございますが、(4)のその他の丸3のところを御覧いただきますと、この震災に対応するということで、被災地の学校、あるいは被災した子どもたちを受け入れた学校などにおいて、その対応を十分にできるようにということで、これに対する特別の措置を講ずるということが、改正法の附則の中に盛り込まれたところでございます。次の94ページのところにも、文部科学大臣談話がございますけれども、この中にも、そこの趣旨、内容につきまして書かれておりまして、できるだけ早く対応する、4月中にも加配定数の追加内示を行うということを談話で発表しているところでございます。これに向けて、今、要望を踏まえての準備を進めているところでございます。
 それから、(6)学校施設・社会教育施設等の復旧ということでございます。これにつきましても、補正予算の中で必要な措置を盛り込むということで、また最後につけております第1次補正予算の内容のところを御覧いただければと思いますけれども、その一番最初、学校施設等の復旧ということで、2,450億円、公立学校、私立学校、国立大学等、また、社会教育・体育・文化施設の関係、それから研究機関の関係ということで措置をすることになっております。これは第1次補正でございますので、この後も含めて、こういった施設の復旧を図っていくということになるわけでございます。
 それから、施設の復旧ということ以外にも、この補正の一番最後のほうにございますけれども、防災対策ということで、全国の学校につきます、耐震化を更に進めていこうという予算も盛り込んでいるところでございます。
 それから、元にお戻りいただきまして、3ページの下のところから、大学等の教育研究機能の充実という、大学も今、研究機能などについて非常にダメージを受けているところでございまして、この早い復旧支援とか、あるいは、留学生、外国人研究者などが今帰国をしたり離れたりということがございますので、こういったところに関連しても支援をしていくというところが書かれているわけでございます。そして、今後、復興に向けて、大学等が非常に大きな役割を果たしていくということも期待されるところでございます。
 それから、二番目、被災地への支援ということ、4ページ目のところでございますけれども、大学病院などにおける取組ということで、災害派遣医療チームへかなりたくさんの医師が参加しているところでございますし、また、被災県の大学病院への支援ということをいろんな形でしたわけでございます。また、放射線測定などにつきましてのチーム派遣といったようなこと、こういった取組が行われたところでございます。
 また、被災地・被災者への支援といたしましては、大学や教育機関などにおける様々な取組が行われておりまして、現地の大学などにおきましても、現地の学校や子どもたちに対する支援活動などをはじめとして、様々な支援活動を実際被災県でも行っているところでございますし、また、それ以外の地域からも、様々な支援を行っているところでございます。ここに幾つか例を挙げさせていただいておりますが、例えば被災者を受け入れたり、あるいは、被災地にいろいろなものを運んだり、専門家の派遣をしたりというようなことがございますし、また、専門学校の例に挙げさせていただいているように、避難所などのケアなどについても、各機関で取り組んでいただいているところでございます。
 そして、学生が様々なボランティア活動に参加しているわけでございますが、その場合の修学上の配慮、安全確保といったことについても、大学に依頼をしている。例えば、ボランティア活動に関連したような科目につきましては、単位認定などを認めていただくような措置をとっていただくことを促進しているということでございます。
 あと、スポーツ関係についてここで例を挙げさせていただいておりますが、スポーツ振興くじの助成を活用して、様々な支援を行っていこうということでございます。
 また、被災地を支援するプログラムといたしまして、これはポータルサイトを今開設させていただいております。「東日本大震災・子どもの学び支援ポータルサイト」、これはニーズと支援、こういう支援ならできるという側とのマッチングを行っていこうということでございまして、これは関連資料の冊子の124ページのところを御覧いただければと思います。現在、まだ要請のところがなかなか、被災地の状況などから、挙がってくる件数は少ないというところはございますけれども、こういう支援をできるという提案もかなりの数に上っておりますし、今、文部科学省のほうからもいろいろなコーディネートをいたしまして、要請に関して実現を図っているところでございますし、それから、避難所などについても、こういうサイトが設けられているということを、ビラなどを掲示していただくような形で、より幅広く情報を寄せていただくようにという取組をしておりますし、電話などでもこの受付を開始しているところでございます。
 それから、7ページ目からは、原子力関係でございますけれども、これにつきましては、放射線のモニタリングの実施をしているということでございます。これについても、補正の中で必要な経費を盛り込んでいるところでございますし、今、総合的な放射線モニタリングを実施しているということで、モニタリングカーを使ったり、あるいは都道府県のモニタリングポストの情報を集約したりというようなことで、総合的な放射線についての情報の集約、それから提供をしているところでございます。
 それから、福島県内におきましては、学校の放射線量の測定をし、そして、真ん中以下のポチのところにございますが、学校施設等の利用判断に関する暫定的な考え方というのを通知しております。国際的な基準、考え方にのっとった整理をして、関連資料の69ページのところからございますが、県のほうに通知を出しているところでございます。
 そのほか、放射線に関しての理解を深めるための資料を作成して、教育関係者にも提供いたしております。お手元の関連資料では、100ページのところから資料をつけてございますので、後で御覧いただければと思います。また、今後、副読本などの見直し、改訂なども行っていこうということがございます。
 また、被ばく医療の関係も、これも補正予算の中にも盛り込んで、充実をさせるというところでございます。
 また、次のページ、電力需給関係、これは大学等をはじめといたしまして、学校関係もかなり、特に大学関係などかなり大口の利用者ということにもなるわけでございます。関係のところについての対応の協力要請をさせていただいているというところでございます。
 最後に、文化財の関係につきまして、これは先ほど申しましたように、文化財の被害も非常に多かったということでございます。職員の派遣をしたり、法令の弾力的な運用を図ったり、それから、レスキュー事業などを実施しているということでございます。
 以上、かいつまんで御説明をさせていただきました。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 それでは、この説明内容にこだわらず、いろいろこの1か月間、我々は考えたわけですけれども、文部省、こういうことを言っているけれども、全然やってないじゃないかという話でも、あるいは、これを契機に、こういうことをやはりやったほうがいいんじゃないかとか、何でも結構であります。しかも、今日は新メンバーでの初会合でもありますので、一々御紹介いたしませんでしたけれども、これは議長の独断と偏見で、全員にしゃべっていただきますので、よろしくお願いしたいと思います。
 順番は、申しわけありませんけど、私の前の村松委員からずっと行きますので、どうぞ心を平らかにして準備して。それから、1時間半ですので、時間どおりには終わらせたいと思います。1時間半というのは90分ですから、25人出席しておりますので、えいやで3分一人当たり、これは自主管理でぜひともよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、村松委員、よろしくお願いします。

【村松委員】

 私どもは初等中等教育の教員養成を行っており、自分たちのところが高等教育をしているという立場で、今日のお話を伺うと、教育の問題が、学校教育を含めて大変取り上げられているんですが、当初、そこへのメッセージが非常に不足していることについて、教育系大学関係者は非常に憂慮しておりました。で、自分たちができることとして、様々なことをやってきたんですけれども、こんなこともあるということで御紹介します。学校教員を支援するためのサイトで、メールや電話での相談を受け付けるということで、最初4月までを予定したのですが、やはり需要が多く、6月まで延期して、本学の先生がやっていたりとか、現地での、物がないところでの子どもたちをどういうようにして元気づけるかというためのノウハウみたいな情報を出すサイトをつくったりをしています。
 あるいは、いろいろなところからお話が来ていて、東京も当初計画停電がありましたし、現在もそうですし、夏に向けて相当節電ということがあるので、現在、子ども向けの節電のためのテキストづくりという話もあり、確定しておりませんが、つくる方向で産学連携でタイアップして動こうとしております。
 あと、ボランティアに関しまして、本学でも教育支援のボランティアということで動いています。今は、先生に被災地にも視察に行っていただいたりしていますけれども、まだ相当混乱していて、今回の教訓として、やはりあちこちの情報の一元化というのに非常に困難を来していたということがあって、現在でも依然としてそうだろうなというふうに思っています。現地は大変なので、支援したい側が積極的にニーズを発掘しに行かなければいけない状況だと思っております。本学でも、教育支援ボランティア制度をつくりまして、東京に避難していらっしゃる子どもさんたちだけで合宿しているような場所もございますので、そういうところでお子さんのケアをするようなことを恒常的に、毎日学生を派遣するようなことをしています。
 それから、今この会議と並行して、日本教育大学協会の会合を持っているんですが、そこでおそらく正式に決定しますけれども、教育大学協会としても、全国のいろんなニーズを発掘して、それを関連するところにお伝えするようなサイトをつくろうとしておりますので、正式に発足しましたら、来週にでももうすぐに御案内したいと思いますので、御活用いただければと思います。
 それぞれの立場ですべきことを探し出して、待っていないで、探してやらなきゃだめだと思っております。そんなところでございます。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 宮崎委員、よろしくお願いします。

【宮崎委員】

 今回の震災は、まさに未曾有のと言われますけれども、マグニチュード9.0にしても、数十メートルの津波にしても、続く原子力発電所の制御不能に陥った事態にしても、様々な分野で想定外という言葉が飛び交う事態に直面したわけですが、大学人の末端として、この想定外ということに、非常に深い反省を感じるところでございまして、想定していなかったことの学問の限界というんでしょうか、これはいろいろな学会で今様々にこれから議論されていかなければいけないところなのですが、想定の外になってしまったということに対する大いなる反省を学問の世界は迫られたのではないかと思っております。これを内側に入れるためのアカデミズムの再編というのが、今まず急がれているのではないかということを痛感しております。
 その中で、現実の生活の中では、被災した学生の救出、援助、今後の立ち直りの支援、それから、カリキュラムをどう変えていくかとか、電力不足の中で、村松先生からもお話がありましたけれども、特に実験系を伴ったり、情報系の科目等は、カリキュラムの変更を余儀なくされているところがありまして、その中でどのように推移していくかというような現実の問題にも直面しているのが今の大学でありますけれども、そういう、私の学部は政策情報学という超領域のコンセプトでつくられている学部なのですが、今回の事態を見て、これまでの個別科学が先鋭化してきた方向性では解決できない事態に直面しているということを痛感するんですね。ですから、様々な学問分野のコラボレーションによる、まさに超領域の対応が学会には求められているんだろうというふうに思っているのですが、具体的には、私どもの学部では、教授会メンバーが、それぞれ自分の研究・教育がどういう部分でこのような事態に実学として向き合うことができるかということを、きちんと明文化して報告書をつくるということに今取り組んでおりまして、当面のテーマに、防災・減災・復興というものを明文化して上げるような措置をとりました。
 そういうような形で、現実に学問がどのように力を発揮することができるかというのを、各教育界の中で手を携えて考えていかなければいけない場面に立たされているのではないかと思っております。ちょうど3月11日の地震が大学分科会の開始直前にありまして、委員の先生方がみんなで机の下にもぐった出来事のところから悪夢が始まったわけなんですが、そういう意味でも、これからの議論の方向性というのはまさに大事なところではないかと思っています。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 平尾委員、よろしくお願いします。

【平尾委員】

 初めまして、平尾でございます。私はスポーツという観点でお話をさせていただきたいと思います。
 私は神戸に今住んでおりまして、16年前の震災のときも実は神戸におりました。一応被災者といたしまして、その場を経験したわけですけれども、ここに少し書いておりますように、スポーツをこれから支援していくためのプログラムみたいなものを立てていかなければいけないとは思うんです。僕は今神戸製鋼にいるわけですが、実は我々もスポーツを復興させていく上で、チームとして、近くのグラウンドを利用したスポーツ教室等々を行っていったわけです。実はスポーツがいつのタイミングで必要かというのは、非常に僕は考えなければいけないところだなと思っておりまして、今この状態でスポーツスポーツと言っても、本当に必要なのかどうかということですね。やはり食べることだとか、寝ること、住むこと、身の回りのもっと最低限の生活のレベルをまず確保した上での後で、スポーツというものは多分必要になってくるような気がします。それまで組織的な、かつ効率的な計画をしっかりと練った上で、そこにスポーツを導入していくということが大変重要なことではないかなと思っております。
 当面のところは環境というものをしっかりと整備、例えば場所の確保等々、こういうものをしっかりとしていきながら、あとは人材の配置等々を考えていくべきではないかなと。あまり焦ってスポーツを持ち込んだところで、あまり有効なものにはならないような気がいたしますので、そこは組織的かつ効率的に考えていくべきだなと思います。
 以上です。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 菱沼委員、よろしくお願いします。

【菱沼委員】

 私は看護系の大学に勤務している者でございまして、ちょうど神戸の震災をきっかけにしまして、災害看護学という看護学の領域が立ち上がっております。看護系の教育をしています大学の協議会がございますが、その看護系大学協議会のホームページ上で災害看護学の成果をどんどん発信しておりまして、こういう時期にはどういう支援が必要かというような成果は、既に発信はしております。
 しかしながら、現在のところ、まだ看護師そのものへの支援とか、病院個々への支援とかいう、どちらかと言えば個別的な支援対応がなされている状況で、また、こちらの今日の資料にもございましたが、心のケアというようなことで、多分、これから長期的な支援をどのように組んでやっていくかということが、看護界全体の課題であろうかと今思っているところです。
 それで、先ほども御意見が出ましたが、想定外という言葉で全てを片付けるのは、やはり非常に無責任なことだろうなと思いまして、我々が大学教育で育てる人材が、想定外と言われる状況にきちんと対応できる人材を育ててきたのかという反省と、それを今後どうやって育てていくべきなのか、自分たちを含めて、どう変わっていけるかということは、これから、このことをきっかけに考えていかなければならない課題だと考えております。
 以上でございます。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 橋本委員、よろしくお願いします。

【橋本委員】

 青森県は、一部地域が被災しましたが、学校関係においては、そんなに大きな被害はなく、安堵しているところであります。
 しかしながら、今回、岩手、宮城、福島の被害甚大だということで、ここに今集中しているわけですが、被災した児童生徒が北海道から沖縄にまで広く受入れをしているという状況を踏まえたときに、全国で心のケア等がやはり課題になってきますし、これが長い時間が必要だというようなことになります。そうしたときに、本県のようなところでは、市部ではスクールカウンセラー、あるいは臨床心理士のような専門家はいるのですけれども、小さな町に行きますと、なかなかそのような方がいないということもありますので、やはりもう少しそのような心のケアに当たれる専門家を養成するとともに、できれば教職員定数のような形で、学校にも組み入れやすい仕組みをつくっていただければと思います。
 二点目として、二次的な被害として、経済・雇用の悪化ということで、高校生や大学生のこれからの夢が消えていくという事態であります。できるだけやはり産業界と手を組んで、新しい必要な産業というか、エコ関係とか、そういうものを早く計画されて、ぜひキャリア教育の充実も図っていただければと思います。
 三点目として、原発の立地県でもあります。今、今回の事態を思うときに、原子力安全の専門家の養成、これはかなり時間もかかることではありますけれども、やはりそういう養成数をたくさんにしていただいて、立地県にも十分な手当てをしていただければありがたいと思っております。
 以上でございます。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 長尾委員、よろしくお願いいたします。

【長尾委員】

 長尾でございます。
 私のところは広島女学院大学で、広島県の西にありまして、実際に被害に今回は遭っておりませんけれども、3月15日、すぐに大学全体として祈りの集いを持ちまして、そして、我々としては、連携校であります、つまり、キリスト教教育同盟の連携校であります大学に焦点を合わせて支援をしようということを決めて、今進めております。
 一番懸念することは、西と東という意識の分離で、被害に遭わなかったところが、我々がどうすればいいかというよりも、何ができるかということを実際に考えることなく、そのまま教育が進んでいってしまっている。これを一体化して、学生たちの意識をきちっと高めなければいけないと、1年間のプログラムをいろんなことで、東北の被害に遭った方と共有していくような教育にシフトしていかなければいけないと思って、今考えております。
 また、これを一つの教訓としまして、大学の質の保証ということがずっとうたわれておりますけれども、何をもって質の保証というのか、こういうときにしっかりとみずから考えられる人材を養成することが大学の教育である。であれば、将来、長い目で見たときに、今大学は何をすべきかということをしっかりと考えていきたいと思っております。
 以上です。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 寺島委員、よろしくお願いいたします。

【寺島委員】

 私の町は、ちょうど18年前の奥尻島の地震のちょうど対岸で、1年の予算50億くらいの被害が出たのですが、幸い、だれも死亡者がなかったということで、奥尻の支援に次の日から入ることができました。すぐ次の日、電話が一時だけ通じたんですよ。あとは通じなくなったんですが。そうしたら、何が欲しいと町長が言ったかというと、水をくれということで、漁船ですぐ朝、町内のポリバケツ全部と、孵化場を持っておったんで、水槽へ入れて送りました。もちろん、港の中は、今回と同じように、ロープ等があって危ないんですが、だめだったら次の漁船を出して引っ張ってくるということで出して着けたんです。
 みんなもうあの当時、国の自衛官も巡視船も入らないんですね。というのは、艦の安全を保つのが艦長の義務であって、戦地でない限り入らないということで。その後、おそらく神戸のときから改正されたと思うんですが。ぜひ今回、この文化財、弾力的に対応していただくということですが、ほかのことについても、全ての超法規というのか、法律とか規則とかは、その人に合わせるのが法律であって、後で変えればいいわけですから、現地が必要なものは、その判断で、今回はどんどんそのくらいの判断ができる指導者を、県や国は置いてほしいなと思います。当時も、私がちょうど副会長で指揮したんですが、例がないとか、何々にまずいとか、必ず後ろ向きな話が返ってくることが多かったんです。そういう意味では、神戸があって大分そういう経験は積んできていると思うのですが、今でもおそらくあると思うんです。現地がこうしてほしいと言っても、それはできないとかですね。それはぜひ文部省なり、それぞれの県の担当者には、現地が必要なものをやれるような体制をつくっていただければなと思っています。
 そういう意味では、先ほど見て、文化財の、これが一番主眼になってくるんですよね。復興住宅を建てるとき、全部埋蔵文化財が入っているものですからね。大変ありがたいなと思っております。
 皆さんの御支援で奥尻島は復興したものですから、私たちは今回もすぐ支援のチームを組んで、何班にも分けて今出しており、ちょうど山田町というところには6次にわたって人数が出ています。今、それで問題は、ある程度全部解消できたんですが、やはり学校においては、職員のほうが問題なんです。全く家が流された中で、寝泊まりしながら、着がえもない、作業着もない中で、おそらく教職員についても、まず避難者を優先するので、自分たちは食べないで、自炊して、それから服もないという状況があるとすれば、次のケアは教職員なりのほうが大切だと思っています。我々も、応援に行った人が見て、慌てて今度集めて、作業着を持っていったりしているんですが、全部集められていて、なかなかその作業着も今北海道にもないんです。
 1か月半を過ぎていますので、そろそろそういう対応と、もう一つ、応援を出すのはいいんですけど、今度は長期で欲しいと言っているようです。というのは、戸籍でも何でも、役場機能が回復しましたので、6か月、1年の人を欲しいということになってくるので、それは宮城をやって、福島の会長のところに私は行って、長期の人は直接出せないと。だから、県内で、一部ですから、それは応援を出してくれと。そこを玉突きでやるからと。と言いますのは、家のないようなところに6か月行けと言ったって、これは無理ですが、県内であったら2時間くらいで帰れるわけです。それから、月曜日に行って、金曜日に帰れますので、そういう話をして、県は県内でこれから長期の応援を出す。そして、そこに今度は全国の町村から玉突きで応援を出すということで話し合ってきたところなんですが。
 教員についても、おそらく応援とかになったら、住宅がない中では1週間が限界なんですよね。今は、食料を持って、自分で寝袋を持っていってということをやっていますので。そういうのも参考にしていただいて、教職員の応援についてのそういうケアも含めて、少し余裕が出てきているはずなので、避難者の人の次の段階に進んでいただければなと思ってお話しさせていただきました。
 以上です。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 田村委員、よろしくお願いします。

【田村委員】

 3月11日の当日、東京でも被災があった場所。九段会館というところなんですが、そこで死者が出ているわけですが、たまたま私はそこで、隣の部屋で教員評価機構の立ち上げをやっていまして、会議は直ちに解散しましたけれども、もう慌てて学校へ戻るのに、ようやく戻れて、その日は学校へ泊まったわけです。
 実は私どもの学校は東京と千葉にあるんですが、この被災という観点で言うと、東京にもあったし、また、千葉の学校もひどい状態でした。液状化の関係ですね。中高校では千葉県で4校なんですけれども、非常に大きな被害を受けているという状況です。隣の茨城も、かなりひどい状況が起きています。その点は、あの辺一体はかなりいろんな意味での被害があるということは、やっぱり考えていただけるとありがたいという気が第一点ございました。
 それから、今回の事件で感じたこと、私もその日は学校へ泊まったのですが、二つほどあります。
 一つは、国際化ということがすごく力強かったということです。実は被災を受けて直後に、私どもの姉妹校の中国の北京の学校から、教室いっぱいぐらいの大きさの紙に、中国の生徒がつたない日本語で激励の言葉を書いてくれまして、それを今学校の入り口のところに張ってありますが、中国語で何というのか知りませんけど、「加油」(頑張れ)ということを書いて、生徒が寄せ書きしているんです。それが一つ。それから、もう一つは、ニュージーランドの姉妹校からは、何と千羽鶴が山のように来ました。お金も大事なんですけれども、そういうふうに世界中から気にされているということが生徒に伝わると、すごく心強いんですね。ですから、国際化というのはこれからやっぱりますます大事だなということを痛感しました。
 現実に、今回の原発事故でも、評価を国際基準に合わせて最初からやっておけば、あんまり不信がなかったんじゃないかという気がしているんですよね。ですから、IAEAが、たまたま天野さんが事務局長をやっていますから、もう全面的に協力してもらって、とにかく不安をなくすということをやる。その手段は国際化しかないだろうというふうなことを感じております。
 それから、二点目ですけれども、先ほどからおっしゃっておられたように、学問の限界を考えました。何で人間が夢中になってサイエンスをやるかというと、ガリレオが示したように、サイエンスというのは未来を予言できるんですね。それからみんな夢中になってサイエンスをやったわけですから、それは未来が全く予言できなかった。このことから、やっぱり学問の反省というふうにさっきおっしゃっていまして、僕もそのとおりだと思います。やっぱり本当に考えていただきたいという気がします。
 最後に、ユネスコの関係をお手伝いしておりまして、それから、ACCUという組織があるんですけど、そこがアジアを中心にして、いろんな細かい連携をとっているんですが、そのACCUにも、その関連のユネスコスクールにも、アジアから非常にきめの細かい支援の手が差し伸べられてきています。それは、例えばブータンだとか、ラオスとか、カンボジアとかいうような、いわゆる最貧の国が、日本にすごくお世話になってきたということで、そういうものすごく貧乏な国の、貧民窟の子どもたちが、なけなしの自分たちの小遣いを集めて、義援金を送ってきたんです。こういう事実は、もう本当に涙が出るほどうれしかったですね。先輩がやってきたおかげなんですけれども、残念ながら、これが一般に伝わっていないんです。どこにも伝わっていない。どうして伝わらないのかよくわからないんです。この間、ある新聞にちょっと出ましたね。ラオスから支援が来たみたいな記事が。だけど、あれはもういろんなところから来ているんです。しかも、そういう本当にお金のない子たちが、お金を出して支援してきているということ、これはもう本当に元気になるんですね。日本人はこれから元気にならなきゃいけませんから、そういうことをぜひやっていただきたいなと。これは国としてぜひ考えていただきたいなというふうに今思っています。もう既におやりになっているかもしれません。私が知らないだけかもしれませんが、そういう事実がございました。
 以上です。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 篠原委員、よろしくお願いします。

【篠原委員】

 篠原でございます。
 先ほど板東局長から、当面の今回の震災に対する取組、対応についてお話を聞いて、それはそれでいいと思うんですけれども、やっぱりこれから少しずつこういうものを踏まえて、中長期的にどうあるべきかということも考えていく必要があると思うんですね。僕はそれを三つ挙げたいと思います。
 一つは、防災教育というものをやっぱり強めていくということが大事ではないかと。教科書とか副読本を含め、どういうふうに子どもたちに教えていくか。昔、戦前の教科書には、和歌山県の「稲むらの火」という有名な、津波を避けた。今、教科書にはそういうのは載っていませんかね。どうですか。

【山中初等中等教育局長】

 あります。載っている教科書もあります。

【篠原委員】

 載っている教科書もある。だから、そういうのをもう少し広く子どもたちに学ばせていく。そういう防災教育の強化というのは、一つ教訓として出てきたのではないかなと。
 それから、二点目は、各自治体、学校で防災のマニュアルをつくっていると思うんですが、これもやっぱりもう一遍見直す必要があると思うんですね。その場合に、例えば小中高でも、公立だけではなくて、私立も含めて、もう少しみんなで考えていくようにしないといけないと思うんですね。たまたま私の娘は私立に行っているんですけれども、電車の中で3.11の地震に遭いまして、そして、大久保駅でおろされて、それで電車もそのまま動かないと。それで、駅の構内から外へ出てくださいという、そういう、今、小学校4年生、当時は3年生ですね。一時パニックになりかかったみたいなんですね。我が家の方針として、携帯電話も何も持たせていませんから。そうしたら、たまたまそこに、今年大学に入られる若い女性がお二人いて、こっちにいらっしゃいということで、ずっとそこに励ましながら一緒にいてくれて、それで、うちの家内とやっとその女性たちの携帯がつながって、家内が大久保まで4時間かけて車で迎えに行くということだったんですけれども。やっぱり電車通学といったら、私立は非常に多いですから、そういう問題も含めて、少しマニュアルを考えていくというのも二つ目の教訓かなと。
 それから、三つ目は、やっぱり助け合いの精神。今度の東北地域の、みんな支援に対して感謝をし、それで、地域、家族のきずなを大事にする、郷土の精神と言ってもいいかもしれません。大都会に住んでいると、不機嫌、不寛容な空気がときどき出てくるのに慣らされているところがあるんですけど、やっぱり日本人の原点みたいなものを、あの地域を今回よく見ていて感じますので、ああいうものを子どもたちにどういうふうにこれから教え込んでいくかと。例えば学校では、子どもたちの募金活動みたいなものをやっている学校もあるようですし、私も小学校6年生のときに、たまたま伊勢湾台風というのがありまして、たまたま全校児童委員会の議長をやっていて、支援物資を送ろうと呼びかけたことが小学校6年生のときにあるんですが、やっぱりそういうようなマインドを、今回、子どもたちにぜひ学んでもらうようにしたらいいのではないかと。
 たまたま先週、菅さんが入った後の2日後でしたが、石巻に、私も炊き出しのお手伝いに行ってまいりました。そのときに、大分県の佐伯市というところの関係者が炊き出しをやったんですけれども、佐伯市の小学校の子どもたちが激励メッセージカードをみんな書きまして、それで、おうどんを被災者の方々にお渡しするときに、全部そのカードを一枚一枚つけて、子どもたちのメッセージを全部つけてお渡しするという手の込んだことを実はやったんですが、そのおうどんを食べながら、そのメッセージを見て、被災者の方々は喜んでおりました。そういうような、せっかくいろいろ芽生えてきているやつを線や面に広げていくということも、今後の取組として大事なのかなと。
 以上、三点申し上げました。ありがとうございました。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 國井委員、よろしくお願いします。

【國井委員】

 國井でございます。
 まず、私はITサービス業界におりますので、ITの分野から申し上げると、やはりITの利活用が不十分だったと思います。海外からはいろいろな情報が来ないというクレームもありましたし、そういう次元だけではなくて、現在いろいろデータをまとめられていますけれど、日常的にも、学校の中で教頭先生方は、様々なアンケートに対して回答するために日常の業務に負荷がかかっているということをよくお聞きします。今回のようなことがあればますます手がない。その中で、いろいろな情報を集約しなければいけない。そのときに、どれだけITがうまく利用されているかということですが、ITの技術そのものも、携帯電話がちゃんとつながらなかった等々で課題がありました。更に上の利活用を日常的にきっちりしておかないと、危機管理が非常に難しい、大変だと認識しております。国のブランド力の低下にもつながりますし、情報の集約を、高度化して推進する必要があると感じております。
 それから、二つ目に、大学のいろいろな研究機関や、大学病院に関して、被ばく者に対するいろいろな対応が必要です。原発作業者は高濃度の放射能を受けているわけですけれど、これに対しては、例えば肝細胞を採取しておいて、もし白血病等を発症したら、その後治療が楽だと聞いています。そういうことが、専門家の間ではある程度議論されていることとは思うんですが、あまりクイックに対応されていないと感じています。
 それから、三つ目、これも気になっていることなんですけれど、今回の補正予算の中でも、メンタルヘルスケア等々の予算が組まれて、カウンセラーの派遣もありますけれど、発達障害の児童、こういう人たちは、やはり特別なケアが必要だと思うんですね。発達障害の児童は、環境変化に対応するのが非常に難しいはずなんです。ですから、そういう児童に対して一律のケアでは、うまくいかないと思います。特別なケアが必要な児童に対しては、これで十分対応できるのかどうか、専門家でないのでよくわからないんですが、何となく厳しいんじゃないかなという気がしています。やはりそういう特別ケアが要る児童たちに対して、何らかの対応策というのを考えていただきたいと思います。
 以上です。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 北城委員、よろしくお願いします。

【北城委員】

 三点お話しいたします。最初は、宮崎委員もおっしゃっていた、想定外の震災という問題に対して、国民の生命を守り、社会に大きな混乱を起こさないための準備として、日本の大学とか、あるいは高度な専門家が十分な機能を果たしていたのかという反省が一つあります。地震対策については、それなりの成果を上げてきたと思います。しかし、津波の研究とか、津波に関する過去の調査であるとか、あるいは、津波が起きたときの社会学的な退避・避難への対策というようなことについて、十分研究が行われていなかったのではないか。または、研究が行われていても、それが十分反映されていなかったかもしれない。
 それから、原子力発電所に関して言えば、事故の防止についてはいろいろな対策がとられていたと思いますが、しかし、想定外で事故が起きてしまったときに、その後でどういう対策をとるかということに対する研究が十分されていなかったと思います。高度な専門家が、そういうことに対して十分な機能を果たしてきていなかったという反省があると思います。想定外が起きたと言っていますけれども、やはり専門家として何を想定し、また、問題が起きたときにどう対策をとるかということが、十分日本の大学で考えられてこなかったというのが一点目。
 それから、二点目は、こういう大きな問題が起きたときに、日本の総合大学は十分なリーダーシップを発揮して、対策を提示できるような仕組みになっているのか。例えば、今回の復興のビジョンづくりとか、あるいは電力の需給調整であるとか、次の震災が首都圏で起きるかもしれない。そのときにどういう対策をとるかというのは、いろいろな分野の専門家が入って対策を考えなければならないわけです。しかし、日本の大学は、各学部が力を持っていますが、総合大学として、迅速にその力を総合して活動するためのリーダーシップを発揮できる仕組みとか、あるいは、そういうことを行うことのできるリーダーを選ぶ仕組みが十分ないのではないか。したがって、日本の総合大学は、迅速にこういう総合的な問題に対して対応できるのかというのが二点目の問題点です。
 次に、三点目は、日本の教育は臨機応変に自分で判断して行動できる人を育ててきたのかということです。どちらかというと、与えられた問題に対して正解を出すということの教育は十分されてきたと思いますが、問題が起きたときに自分で考えて行動するということを育てるような教育をしてきたのかということも、今回の反省点だと思います。これから日本の教育を考える上で、この三点について考えていければと思いました。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 金子委員、よろしくお願いします。

【金子委員】

 今、北城委員がおっしゃったこととほとんど重なるんですけれども、日本の大学は、これまで知の中心と言われてきましたが、それはそれぞれの学問分野での水準を高めることによって知の中心であったわけであります。ただ、今回の事件をきっかけとして、そもそも、想定外と言われますけれども、本当に想定外であったのか、総合的に考えれば、実はそもそも考えておくべき事態であったかもしれません。それから、震災が起こった後の対応についても、大学は本当に知の中心としての、知の拠点としての役割を果たしたのかと言いますと、やはりこれもかなり反省すべき点が多いといいますか、非常に足りない部分が多かったのではないかと私も感じます。
 そういった意味で、社会的なニードに対して、それを的確にとらえて、大学の中の資源を組織的に動員するという側面が、やはり日本の高等教育、大学には欠けていた。それがあらわになったということは事実だと思います。この点に関して、こういった点はこれまでも指摘されていたところではありますけれども、しかし、これをきっかけに、これに対してむしろもっと本格的に考え直すべきであるというふうに感じました。
 以上です。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 加藤委員、よろしくお願いします。

【加藤委員】

 私も被災地を足早に回ってきたんですけれども、まずは、被災3県からの主な要望事項と記載されております。現場からの要望だと思うんですけれども、要は、それぞれ現場、現地というのは、私も一部しか見ておりませんけれども、全く区々な状況なわけです。例えば岩手におきますと、盛岡までは当然アクセス、物も行くんですが、待避所まで2時間ぐらいの距離感があったり、その間に被災所があったり、現地の被災地があったり。仙台へ行ってきたんですが、町からすぐそばが被災地でして、そしてまた、あそこは特に下水が全滅しておりましたので、これからも大変だなと思っております。そして、福島は、御覧のとおり見えない敵と闘っているわけで、それぞれ区々でございます。
 したがって、要は、今回、通達とか指導とかというのをいっぱい出されております。当然、予算もこれからということもありますけれども、やはり現場、現地等の実態が、本当にそこに行き渡っているのか、必要なもの、必要な人、臨時職員や教員や、そして、本当に大切な保健室はちゃんと確保しているのか。ただ生徒だけ移動して、教室だけあって、一時的にやっているんでしょうけれども、本当に保健室でもちゃんとケアされているのかどうか。要するに、要は文書ではなくて、実態実証、検証を、やはり常にそれを怠らずにやって、本当に必要なところに必要なものが届いているか、人もケアも含めてですけれども、スクールバスもここに書いてあります。私もテレビを見ていまして、本当に被災地から行くわけですから、子どもたちにとっても、そういったものは、きちっと安全面も含めて必要ですし、様々なことをお願いしたいというのが一つでございます。
 それと、もう一つは、これからも含めてなんですけれども、これから長い道のりに行くわけですけれども、やっぱり産学一体というか、地域と社会基盤、または、先ほども出ました職業教育といった一体性の中で、どうやって教育と人材育成というのを加味していくかということだと思っておりますので、そういう点でのビジョンというのがとても必要だなと思っております。
 また、やはり従来の延長の発想では、やろうとしても難しいと思うんです。例えば全国学力調査みたいなものが書いてありますけれども、ちょっと無理だよというのが福島、宮城からありますが、従来の延長的な調査とか、延長的な発想の文科省の対応ではなくて、ここはやはりエネルギーをどこに集中するのかということを、プライオリティーをつけて、エネルギーの集中化を図って、そして、明日を見据えた対策をぜひともとっていただきたいと思っております。
 最後ですけれども、私も情報関係なので、やはり余計そういった全ての学校というところ、また病院というところなどを含めて、全てのところに速やかにインターネット、情報ITをやるべきだと思っております。様々な情報の共有性もそうですし、また、それを活用するといった、全てのことがやはり情報というのは大切な、これからよりそういう子細のところは大切でございますので、早急なインターネットを含めた対策を講じていただきたい。
 以上でございます。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 貝ノ瀬委員、よろしくお願いします。

【貝ノ瀬委員】

 私は義務教育の教育現場を預かっているという、そういう立場から申し上げますと、学校というのは、子どもたちにとって、そしてまた地域にとって一番安全でなければいけないところだというふうに考えています。ですから、そういう意味からしますと、残念ながら、そうはいかなかったということでありますが、これからはやはり防災の拠点としての学校づくり、これをやはり第一に考えなければいけない。これはどこの自治体でもそうだと思いますけれども、学校は地域の避難場所になっているはずです。ですから、そういう意味でも、地域の方々にとってもやはり安全でなければならないというふうなことで、これから教育機関、学校機関等が復旧・復興ということになっていくと思いますけれど、同時に、復旧をしていくという作業の中に、やはり復興というか、21世紀、場合によっては22世紀を見据えた復興のプランといいますか、そういう、学校ならば、例えば防災機能を十分に備えた、そして生涯学習機能を十分に備えたという、そういう学校づくりというものも考えた上で、復旧というようなことも取り組んでいかなければならないのではないかなと思っています。
 それから、これはあまり世間では言われていないので申し上げますと、例えば関連資料で言いますと、9ページなんですけれど、子どもたちの就学機会の確保ということで、各教育委員会に通知文が文科省から出されました。これは、御覧いただくとわかりますけど、3月14日なんです。3月11日に発生して、わずか3日の間にこの通知が出されたということで、これは教育委員会の人間としては、地教委としては、大変に安心したといいますか、こういう弾力的に対応するということは、そうなっていくわけですが、早い段階でこれを出されたということで、やはり全国の教育委員会は粛々と対応できたと思います。
 そういった評価をしたいと思いますが、評価したついでに、今度指摘をしたいんですが、例えば放射能のことでありますけれども、教員向けと保護者向けとの文書がありますけど、やはりもっと易しく、分かりやすく、なかなか内容的に難しいものだろうから、限界があるかもしれませんが、学校の先生は必ずしもすぐのみ込みがいいというわけではありませんから。ですから、やはり分かりやすく、すぐ即戦的に使えるような、そういう資料を用意していただいて、そして啓発活動をしていただくということが求められると思います。
 特に放射能については、風評被害、これはもう様々言われていますので、私たちも十分理解していると思いますが、例えば給食の献立にしても、これをいろんな食材を使うわけですが、そのときに、どこの産地だということをあえて記入して、善意でしょうけれども、保護者に安心させたいという、そういったところもあるようでありますが、逆に、これは結果的に東北地方の食材を使わないということで、一定の排除がそこで生じているということになるわけでありまして、そういったことも含めて、正しい理解、冷静な対応というものを学校の指導者にはしっかり持ってもらうという、そういう啓発がこれから強く求められる。特に人権にかかわるようなことも様々報告されていますし、それから、都内でも、これはあちこちの学校で報告されていますが、一部の保護者の方が、休み時間には校庭に出さないでくださいとか、それから、学校をしばらくの間休ませてほしいとか、中には、もう御自分で子どもを学校に行かせないというふうな、そういうところも結構あるんです。ですから、そんなふうなことで、冷静に対応できないというようなところが相当ありますので、そこを私どもと国と一緒になって対応を図っていくということが必要だと思っていますので、よろしくお願いしたいと思います。
 以上です。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 奥野委員、よろしくお願いします。

【奥野委員】

 奥野史子です。
 まず、スポーツという観点からお話しさせていただくと、若干平尾さんとかぶる部分もあるんですけれども、やはり現地に入って支援をするという形には、様々な対応があると思いますし、段階があると思いますし、既に多くのスポーツ選手たちが現地に入って支援活動をしてくださっているんですけれども、やはりライフラインの復旧——例えば私の場合は水泳なので、プールがほんとに今使えない状況であったり、個別の対応というのがとられなければいけないと思うので、その点に関しては、マッチングポータルサイトというものをもっと広く周知させて、そこでマッチングできる形になればいいなというのを望みますので、もっと広く知っていただけるように。それと、現地から、何が必要か、どのタイミングでどういうことが必要なのかというのを、たくさん声を上げていただければなと感じるところです。
 それと、スポーツができなくても、子どもたちにとってストレスだったりを発散する方法としては、一つ、体を動かして遊ばせるということがあると思うんですね。今の子どもたちって、家の中でゲームや室内遊びというのが非常に多くて、外で遊ぶという機会がなかなかなかったかもしれないので、それを誰かが、どういう形かちょっとわかりませんが、流してあげるような、スポーツ指導員なのか、そういう方が現地にいらっしゃれば、もっと積極的に体を動かして、子どもたちの心のケアにも少しつながるのかなということを感じております。
 それと、私、京都市の教育委員をしているんですけれども、市教委の方が現地に行って感じたことということで、この間報告を受けまして、そのときに、もちろん、子どもたちへの心のケアというのは、本当にたくさんの大切なものをなくした子どもたちや、喪失感を持った子どもたちがいるので、もちろんそれは短期、中期、長期と、長い目で見てやっていかなければいけないんですが、そのときに非常に気になったのが先生方の心のケア、先ほど先生からもお話ありましたが、先生方の心のケアというのが、子どもたちを何とかしなきゃいけない、御自身も被災されている、そして、避難所となっている学校を取り仕切らなければいけない、学校を再開しなければいけない。本当にたくさんのことを抱え込んでいらっしゃって、非常に先生方が疲労困憊、もうかなりうつの状態の先生方もいらっしゃるということを、状況をお聞きしましたので、そのあたりの、子どもたちのケアもそうなんですが、先生方の心のケアというものも、やっぱりきちっと考えていかなければいけないことだなと感じています。
 それと、私は今京都に住んでおりまして、今回被災は全くしておりませんし、やはり遠隔地ということもありますので、京都にいて、その京都にいる子どもたちに対して、今回の震災というものはどのように教育の中で教えるというか、伝えていく、そして考えていくのかということを、学校現場もそれぞれ個別の対応でやってはいると思うんですけれども、何か今後こういう形で方針というか、何かそういうものがあればいいのかなという気もしていますし、あと、じゃ、もし自分たちの地域が被災したときに、今回東北地方があのように、本当に人々が連携して、地域の力で立ち上がっていかれる様子を報道で私たちは見ているんですけれども、もちろん、学校が拠点になっている、そして、地域の人たちがリーダーシップをとってやっていらっしゃるというのを見たときに、じゃ、全国の都道府県があのように地域の力でやっていけるのかどうか。今、コミュニティスクール(学校運営協議会)というもの、学校を中心にした地域づくりというのが盛んに行われるようになってきたんですが、その重要性というものを更に感じましたので、そういった形で、どんどん地域と学校が結びついていく、開かれた学校づくりというものも更に進めていっていただければいいなというふうに感じました。
 以上です。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 岡島委員、よろしくお願いします。

【岡島委員】

 私は、今回は被災地の子どもたちのストレスを減らす、生活面でのケアについてお話し申し上げたいと思っております。
 文部科学省でもう既にメンタルヘルスケアのほうで対応されていますけど、この前後だと思いますけれども、現在、私の仲間といいますか、自然体験活動のNGOが現地に入っております。ボーイスカウトとか、野鳥の会とか、民間の自然学校というようなところの民間のNGOなんですが、これは今まで阪神・淡路もそうですし、山古志、栗駒もみんなそうですけれども、大きな地震とか災害があったときには、いつもキャンプなんかしているものですから、最初に入ることになっておりまして、今回の震災でも、もう12日には20人ほど現地に入っておりました。現在でも、常時50〜60人が活動しております。その中で、東京にも連絡本部というものがありまして、全国からの支援、それから、特にアメリカのアウトドア団体の関心が強くて、非常に大きな寄附金が集まっております。
 その現場から今朝もずっと報告を受けていたんですが、子どもたちの生活面での手当て、特に放課後の対策、そういったものがこれから非常に大変になるだろうと思います。そしてまた、多分、宿泊を伴う受入れのようなものが必要となってくるのではないだろうか。1か月とか、3か月とか、1年とか、2年とか、場所によって違いますが。今回、加藤先生もおっしゃいましたけれども、非常に幅の広い場所で、幅の広い状況がありますので、それぞれ対応が違ってくる。子どもたちを長期に預かることを仕事としている人たちが多いものですから、こういう発想が生まれるんだと思いますけれども、現在でも現実に山村留学というような形で、数千人の子どもたちを毎年預かっている。また、阪神・淡路大震災のときも、あれは長野県の山の中の小さな自然学校ですけれども、三人のお子さんを3年間預かって、きちんとお返しした、そういうような実績もいろいろありまして、今日は二つのことをちょっと申し上げたい。
 一つは、全国の受入れ施設、受入れ体制をきちっとする。これは国公私立、たくさんありますけれども、特に私立の場合は、受入れ費用の負担を国がしていただければ、幾らでも受け入れられます。
 それから、もう一点、これは現地からの強い要請だったんですが、各県10とか15、場合によっては20ぐらいのこういった受入れ施設を臨時に設置してもらいたい。これは1か月で閉める場合もあるでしょうし、2年やる場合もあるでしょう。いろいろありますけれども、臨時でそういうものをつくれないだろうかと。施設は、過疎の廃校でも何でも、ハードのほうはいろんなところを利用すればいいでしょう。それから、こういった専門家を全国から集めて配置する。この専門家を集めて配置するというところにお金がかかるので、こういったところにきちんと手当てがあれば、すぐにでも開設できる。既に幾つかの団体では、自分たちのお金でもってこういう作業を始めております。そして、子どもたちのケアを受けもっております。そしてまた、現在、国立の施設が27ありますね。それから、公立が500幾つ、民間では、家族でやっているような小さな自然学校も含めますと、大体3,000ほどの団体があります。ですので、そういう力を合わせれば、今申し上げたような各県10を新設するにしても、そういうところに送り込む人材はかなりありますので、そういったところの手当てができれば非常にいいのではないか。どこのところで幾ら、何人というのは、まだきちんと把握してあるわけではありませんので、これをきちんと把握した上でやらなければいけないと思いますけれども、そういった作業もぜひ忘れないでほしいということでございます。
 以上です。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 大日向委員、よろしくお願いします。

【大日向委員】

 大日向と申します。私は、発達心理学が専門で、主に乳幼児期の子どもの発達、その親子関係、家族関係を研究し、また支援する活動に携わっております。その観点から、二点申し上げたいと思います。
 まず第一点は、先ほど3.11以降、この一月余りの文部科学省のお取組について御説明を伺いまして、いろいろ多方面にわたって支援、対応に御苦心くださっているということを理解いたしました。ただ、その対象が小学校、中学校の義務教育、あるいは、それ以上、高等学校、大学が中心であって、就学前の子どもたちの状況と、その支援対応がなかなか見えにくいということを感じました。テレビのニュース等を見ましても、小学校で始業式や入学式が行われたということが伝えられて、小学校以上の子どもたちの姿は見えるようになったんですが、就学前の子どもたちはどこにいるのか、幼稚園や保育園がどうなっているのかがなかなか見えず、大変心配でおります。就学前の施設は、規模も小さく、職員数も少ないところが少なくありません。建物も耐震性が弱いところもあるかもしれません。そういうところで被害状況がなかなか把握しづらいのかなと思います。また、就学前は、幼稚園だけでなくて、保育園に通っている子どもたちもいます。そういう子どもたちがどうなっているかということを考えますと、文部科学省、そして厚生労働省の強力な連携のもとに、就学前の子どもたちの状況把握と対応にぜひ一層の御注力をいただければと思います。
 二点目は、小さい子どもたち、そして、その親の不安が、今非常に強まっています。原発による水道水の汚染等の問題も発生しています。また心ない風評被害の問題も被災地の方々にとって深刻で、胸を痛めております。正しい情報の提供、そして、それに基づいて人々がいかに判断力をしっかり持つことができるかという、そうした支援も必要ではないかと思います。
 この二点を通して考えますことは、いずれも見えにくいところなんですね。見えにくいところ、あるいは、組織力の弱いところに長期的に、かつ行き届いた支援を届けていくかということを、ぜひとも今後とも考えていただければと思います。
 以上です。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 衞藤委員、よろしくお願いします。

【衞藤委員】

 私はこの1か月余りの間、子どもの健康や健康教育にかかわる学術団体、学会ですけれども、そちらを運営する立場から、正しい情報を整理し発信するということをしてまいりました。特に放射能の環境影響等につきましては、人々の不安が大変大きく、そういったものに関して様々な情報が飛び交っている中で、専門団体としての役割は何かということを追求してきました。今後は、中長期的に、学術団体としてどのようなことをしていくかということを検討していきたいと思っております。
 二点目には、学校の施設のことで申し上げたいと思います。宮城県のある小学校で、大変多数の児童、あるいは教職員が亡くなった学校がございます。ここは低地帯にありまして、川のそばにある学校です。津波が川を逆流しまして、あっという間に避難した子どもたちをさらっていったというようなことでございました。ここで考えさせられるのは、学校の施設の立地条件ということだと思います。これはそもそもいかに訓練をしてあっても、学校が低地帯にあったということ自体が大変リスクを高めたということがありますので、今後、小学校をまた建設するという場合に考えさせられる事例ではなかったかと思います。
 三点目は、親を失った子どもたちへの対応です。既に今推定されるだけでも100名から200名の間の、いわゆる孤児というお子さんたちがいるということでございますけれども、こういったお子さんたちをコミュニティでどのように受け入れていくか、福祉、教育等が連携して行っていく必要がありましょうし、この子たちにとって大変大事なことは、ごく普通の学校生活を行わせてあげるということだと思います。そういったことで、私どもも学術団体として支援できることがありましたら、協力していきたいと思っております。
 四点目は、災害時の人々の行動に関しましては、かなり冷静、沈着に行動ができたという、特に海外からそういう評価がなされております。避難所での感染症の流行等に関しましても、インフルエンザはちょうど流行期の最後のほうでございましたので、インフルエンザの流行は若干ありましたが、その他、例えばコレラのような伝染性の感染症等は、流行があったという話は聞いておりません。また、被災地に破傷風が多数発生したというようなことも聞いておりません。こういったことで、人々が突然起こった事態に際しましても冷静に行動できたということは、今後またこういったことはどうしてできたのかというようなことも調査していく必要があろうかと思っております。
 以上です。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 浦野委員、よろしくお願いします。

【浦野委員】

 今回の大きな困難からいかに復興していくかといった場面で、大学の果たす役割について、少し期待も込めてお願いをしておきたいと思います。
 今、東北地方の大学、例えば東北大学も700〜800億の損害とかいう話も聞きますけれども、それにめげているときではないと思うんですね。もちろん、復興に当たって、寸分たがわず元のとおりに戻すというのも一つの考え方ではあります。ただ、やはり新しい地域、新しい東北を目指して復興していこうという考え方もあると思います。例えば水産業を考えてみますと、八戸から塩釜まで、入江ごとに漁港があって、そして、働く人たちも本当に高齢化している。この水産業をこのまま本当に復旧させるというのは、少しやっぱり違うなというふうに例えば思うわけですが、こんなふうに、1次産業からサービス産業まで含めて、産業構造全体を一回考え直してみるというような、そういった広い選択肢を、このまま復旧したいと考えている人々に対して、早急に示す必要があるのではないかなと。これは幅広い選択肢が要ると思うんですけれども、それこそ大学の役割だと私は思うんですね。
 そういう中で、国の役割といいますか、私たち被災地でなかった国民は、それをいろんな形でサポートはしていく必要がありますけれども、やはり最後の決定は地域の中で行っていくということを今回考えていただきたいと思いますし、まさに大学にとっては、そういった幅広い選択肢を構想して、考えて、そして、それを説明して、そして、なおかつ、今度説得しなきゃいけませんよね。一人一人の地域の住民の方に。そして、それを実行していく、これは行政の仕事かもしれませんけれども。これらを構想し、説明し、説得し、実行していくという、そういったことを大学の使命として、今回、ぜひ私は果たしていただきたいと思うんですね。
 そう考えたときに、文科省の役割として、もちろん、大学の機能復旧に向けていろんなこともあるでしょうけれども、むしろそれにめげないで、今新しい大学の役割を地域の中で果たしてほしいという、そういうメッセージを文科省から送っていただければと思います。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 生重委員、よろしくお願いします。

【生重委員】

 私も早速この学びの支援ポータルサイトの御連絡をいただいたのですが、実は私どものところに、直接全国の学校とのつながりが深いということで、私ども、全国のキャリア教育のコーディネーターのネットワーク協議会をやっておりまして、各地の学校に、特に東北ともつながりが深うございますので、直接学校のニーズを聞きたいという企業からの問合せとか、もう一点、名古屋の某出版の会社の方から、著名人のスピーチを教材にした英語の教材をつくっている会社なんですけど、それを東北の希望している中高に無料配布をしたいんだけど、教材に例えば企業の広告を載せて、応援してくれる企業を集めてくれないかとか、某アイスクリームとかお菓子のメーカーから、今の救援物資は足りていると聞いている、もっと段階を経ていったときに、例えば音楽教育でブラスバンドの楽器がとか、学校ごとのきめ細やかなニーズを聞いてくれないかというオーダーが、今、実は入っておりまして、差しおいてそういう要望を受けているのもおかしいんですけど、そういうものをちょっと広く集めた後に、文部科学省のこちらのポータルサイトのほうに載せていくみたいなことを考えていきたいなと思っております。
 先日も、学芸大学の松沢先生が、調査に入る前に私どものほうにお寄りくださいまして、私どものネットワークの、子どもたちの支援をしている団体の場所と人材を御紹介申し上げまして、直接ぜひ聞いてきてほしいというふうにお願いを申し上げました。宮城県の私どものネットワークのNPOから連絡があって、新しい学用品を急遽用意してくれというオーダーが入ったので、全国のネットワークに急いで回しましたら、今、事務所のお教室にしている部分の半分ぐらいが段ボールで埋まっているんですが、文部科学省のほうから、新入生向けの学用品が配られたので、今送ってこられると、まだ余震もいっぱい続いているから困ると言われて、私どもの事務所にまだ新品の学用品がうず高く積まれている。じゃ、全部の学校に行くほどあるかといったら、それはないわけですね。新品をというオーダーで全国に発信をして、皆さんの善意で集まってきた新品のものを、今、仕分けをして。現地の人間からは、もうちょっと元気になったときに、連休ぐらいに、子どもたちがフリーマーケットのようなことをやって、自分たちも参加して、楽しみながらもののやりとりができるような環境をつくろうと思っているので、それまで預かっていてほしいと。そのときに担当の青年が言っていたのは、こんなに何でもかんでもみんなもらっていていいんだろうかと今思っていると。今、日々のたつきを立てていくこともしんどい状態であるにもかかわらず、こんなにいろんなものをみんなからもらっているこの生活が本当にいいのかという言葉を聞いたときに、ちょっと胸が詰まる思いがいたしました。
 そういうことも含めて、ぜひ国からも、文科省からも知恵をいただきながら、うまくそれぞれの学校の個性に合わせたものが、子どもたちの喜びとなり、学びの励みとなるようなものが届いていく体制を、私も自分のネットワークを通じて応援していきたいなと思っております。
 もう一点なんですが、私ども、3月の震災の日は、経済産業省で全国のネットワーク会議をやっておりまして、仙台の方もいらしたんですが、とにかく帰れないということで、インターネットですぐさまホテルを押さえて、お入りいただいた後、荷物を運んでいっていたので、大きな車で関東近郊の委員を送って、朝の4時半までかかって、ものすごい帰宅困難者の波にもまれながら、車で全然動かない東京の恐ろしさを感じながら帰ったんですが、帰りましたら早速連絡が入っておりまして、市区町村ごとに対応は違ってくるとは思っておりますが、貝ノ瀬先生もおっしゃっていましたとおり、学校防災ということで、私どもの住んでいるところでも学校防災連絡会というのがございまして、街道沿いは困難者のための炊き出しとか、それから、受入れをするんだということで連絡が回ったんですが、この防災連絡会というのが、トップを町会とか地域の方たちがやっていらっしゃる。当然、日常の平常の暮らしをしているときには、地域の方たちでそういう方を立てながらやはり組織というのがつくられていくんですが、緊急体制時にだれも来れなかった、これは笑い事では済まされない。緊急体制時に学校に来て、どうやって対応するのかということを、とにかく地元にいる人間が学校に集まってこれる体制ができていないというのがものすごく問題だというふうに感じました。
 それから、これもやっぱりそれぞれの教育委員会によって、ちょうど起こった時間帯の問題もあるんですが、子どもたちの帰し方がまちまちであった。それもやっぱり課題なのではないかと思っております。先ほどあわせて申しました帰宅困難者の中には、ベビーカーを引いている若いお母さんもいらっしゃいました。子どもがいるから、横浜から絶対に帰らなければいけないと言って、歩いて帰ってきた子もいる。でも、学校にとめ置かれないで、近所に預かってもらえるお宅がなかったときどうするのかということも含めて、ものすごくそういうことは、学校、地域ごとに検討する課題として大きく残ったなというふうに感じております。ぜひそういうことも含めて、一緒に考えていけるというような体制を、明日は我が身と思いながら、それぞれが真剣に取り組まなければいけないなと思っております。
 以上でございます。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 五十嵐委員、よろしくお願いします。

【五十嵐委員】

 学校現場から三つのことをお話しさせていただきたいと思っています。
 一つは、これからの学びの在り方についてです。実は本校では、被災地の友達に何ができるかなということで、あの大きな地震の後からいろんな取組をしてきました。その一つに、何とかメッセージを伝えたい、メッセージを送ろうという取組をしました。そのときに子どもたちは、日本全国から、そして世界中からたくさんの温かい応援や励ましの言葉が送られているということに気付いたんです。インターネット上で、本当にたくさんの愛があふれていました。それで、子どもたちは励ます立場だったのが、逆に励まされた、明るく前向きになれたというような面がありました。子どもたちがそのときに学んだのは、みんなで手をつないで、みんなで力を合わせれば、たとえ想定外のことであっても、知恵を出せば何とか乗り越えられるんじゃないかという、そういう前向きな明るい気持ちをもてたことだったんです。私は、これは本当に生きる力に結びつくなと痛感しました。今教員たちと話しているのは、生きる力、自ら考えて、判断して、表現して、問題を解決していく力、こういった力を、学習指導要領の中で示されているたくさんの内容を学ばせながら、どうやって身につけさせるのかということです。やっぱり学ばせ方にあるんじゃないかということを話しています。教室の中の学ばせ方が、将来の日本を担っていく子どもたちの力を育てるんだと思うんです。ですから、今、本校では、今までの、どちらかというと教師がのめり込んで教えていたスタイルから、子どもたちが何とか答えを見つけ出して、そこからまた問いを導き出して、また答えを考えていくというような、そういう学びの在り方をぜひみんなでやっていこうということに取り組んでいるんです。しかし、学習指導要領には目標や内容は書かれているんですが、そういう指導方法はないんですね。ですから、やっぱりそういう、どうやって教室の学びを変えていくか、どういう力を育てなければいけないからどうやっていくのかという現実的な教室での学びを、もう少しいろんな資料があるといいなというふうに思っているところです。
 二つ目です。二つ目は、今回の震災で痛感したことは、学校の役割です。学校は教育や文化の中心だけではなくて、地域の情報基盤でもあるということの現実です。このことを本当に痛感しました。そこで、やっぱりいろんな環境を整えなければいけないと思ったことが四点ほどあるんですけれども、一つは、計画停電等もありましたので、停電のときでもインターネットに接続できて、情報の収集や発信ができるように、太陽光エネルギーとか、自家発電装置とか、そういう蓄電の設備とか、そういった電力の供給設備と、一方で、通信衛星や高速無線中継基地と接続できるインターネットの接続環境をきちんと整備しなければならないな、これは人命にかかわるなと思ったことです。
 二点目は、安否情報を提供するクラウドと接続して、入力や検索サービスを提供できる環境をきちっとつくっていかなければならないということと、それを教職員や児童生徒がその操作ができるように、そのぐらいの訓練は日常からやって、地域住民のために活躍できなければいけないなと思いました。
 それから、三点目は、児童生徒に関する重要な情報がたくさんなくなっているという現状を聞いて、やっぱりそういう津波や火災などの災害によって失われることがないように、それから個人情報という観点からも、安全な多重化されたクラウド上で運用・管理できるように、校務の情報化を一層推進しなければならないなと思います。
 それから、四点目として、学校がいっぱい崩壊されていました。でも、建物がなくなっても学びはできるんじゃないかと思うんです。例えばスマートフォンやコンピュータと接続できれば、基礎・基本を習得する学習ができますので、日ごろからデジタル教材を整備しておく必要があります。また、日常の授業の中でもウェブカメラを使用して、テレビ会議とか、他校と授業を遠隔学習でやるとか、そういった取組を日常的に導入しておかないと、設備を整えるだけでは実際に使うのは無理な話だと思います。 こういったことから、今後の日本の学校のモデルというのは、コミュニティとエコと情報化というのがキーワードになるのではないかと思っています。
 それから、最後なんですけれども、被災地の学校が本当に早く元気になってほしい、早く学びを子どもたちに保証してあげたいということで、何ができるんだろうとすごく心を痛めているところなのですが、例えば日野市では、不登校の児童生徒に、不登校対応ということで、eラーニングという制度をつくっています。これは基礎・基本を自宅で学習できるシステムなんですが、これを導入すると、例えば避難所とか学校の仮設住宅とかにそういうところでも、子どもたちが遅れた分の学習が取り返せるのではないかと思うんです。これはもうすぐ情報提供は可能だと思いますので、何とかそういう力になれないかなと思っていることが一つです。それから、先日から東京都は教員の派遣を公募していて、もうあっという間の締め切りだったんですが、2、3日の決断でした。1年間、被災地のほうで、3県に派遣ということで、これは本当に心が痛みました。厳しいんです。出して差し上げたい。でも、新しいクラスのことを紹介した保護者会があったばかりです。1年間教員を派遣するということは、どの学校も校長も心を痛めました。何人かの教員たちが派遣されることになると思うんですが、そこでSOSです。教育学部、教員養成過程で実践演習というような形で、そういったことに協力できないんでしょうか。何とか教員の数を増やして、被災地の子どもたちに元気を取り戻してあげたいので、方策を早く考えてあげなければならないけれど、どうしたらいいものかと自分でも悩んでいるところです。
 以上です。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 安彦さん、よろしくお願いします。

【安彦委員】

 時間もありませんから、誤解を恐れず、単純化して三つほど申します。
 一つは、非常に大きく構えてみますと、神戸の震災のときもそうでしたけれども、私は戦後の学校教育は基本的に日本人をきちっと育ててきたというふうに思います。外国からいろいろ評価されたりして、暴動や略奪等々がなかったということを言われますけれども、そのこと自体、私は、全体として見た場合には、神戸のときもそうでしたけれども、日本人はよく教育されてきたし、そういう意味で、自信を持っていいんじゃないかと今は思います。一部、保守派の方たちは、もっと日本人の道徳性を高めろみたいなことを言いますけれども、私は、全体として、今の学校教育というのはそれなりにしっかり日本人を教育してきたというふうに思います。
 二点目ですけれども、これはむしろそれの足りない面で、先ほども何人かの方が言われましたが、やはり今回試されたのは、親や地域の大人だと思います。子どもがまず試されたのではないわけでして。そういう意味では、その方たちがどういう行動をとったかということが、やはり子どもに大きく影響した、影響していくと思います。今後もそうだと思いますが。その中で私が不満だったのは、社会教育関係の方たちがなかなか前面に出てこないといいますか、あるいは、地域の人の中でそういう役割を果たすような人たちの活躍が、つなぎ役として、子どもや保護者や地域の人をつなぐ上で、そういう人たちの動きというのが見えにくかった。そういう方たちを育てるといいますか、地域の人をサポートするために、やはり生涯学習局などは本当はいろんな力を尽くしてほしかったと思います。今後、その方向で、ぜひ保護者や地域の方をサポートするようなシステムといいますか、考え方をとっていただきたい。とりわけ、片方で、先ほど日本の教育、いいところはいいと言いましたけど、半面、一部の方々、あるいはジャーナリズム等から、過剰な自粛をしろ、みたいなことが言われるわけですね。こういうあたりは、自分で考えることをむしろ日本人自身が許さないようなところがありまして、そういう意味では、非常に私は不満に思っております。そういう大人の言動について、今回のそういうところを正していく方向が、やはり全体として、大人にかかわる人たち、むしろ今は学校の話ばかりですけれども、社会教育的な、大人の保護者や地域の方々のサポートというものについて、教育的に厚くしていただきたい。
 三点目は、やはり放射能のことですけれども、この点は、私は正直言って驚いたんですが、イギリスの友人、大学の先生から、先にいろんなお見舞いやら問合せが来まして、日本の学者からは一言も来ないうちに、外国の方からお見舞いやら、特に放射能についてのメールをもらいました。改めてそういうことを考えますと、これは世界的なというか、国際的な出来事でして、日本人だけの問題ではない。そういう意味では、モニターも文科省が責任を持っておられるようですけれども、やはり世界的にちゃんと信用を得るような情報提供をしないといけない。今のような形だけでほんとうにいいのか。ぜひ、そういう意味では、責任のある広報といいますか、情報提供ということを、とりわけ放射能に関しては、国際的に責任があると思いますので、ぜひその点を国際機関と連携するなどしてお考えいただきたい。
 同時に、それで、今回、先ほども東電での作業者の方の話がありましたけれども、こういう方々に対しては、やはり今後報奨というか、あるいは健康上の保障というか、アフターケアをちゃんとやらなければいけないだろうと思いますので、その点もぜひ政府として、あるいは文科省が部分的にでも関われるようでしたら、ぜひ発言してサポートしていただきたいと思います。
 以上です。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 実は6時までと思ったんですけど、あと三人おりますので、すいません、6時3分ぐらいまでという形で、よろしくお願いします。相川委員、よろしくお願いします。

【相川委員】

 私は日本PTAの相川ですが、実は先週と今週、被災地福島県、茨城県、宮城県、岩手県と回ってきました。ここにはちょっと載っておりませんけれども、茨城も相当な被害を受けているという報告を受けております。それで、おのおのの保護者、役員さんから聞いた話を取りまとめてお話をしたいと思います。また、来週は東北の6県の役員さんが集まって、各県内の情報を取りまとめて話し合う、このようになっております。
 それでは、まず福島県ですが、福島県は放射能の問題を非常に不安に感じていまして、保護者からそれに関する要望が強かった。それについては、文科省のほうから、数値的な指針を出していただいたので、この辺は収束をしてくるのではないかなと思います。ただ、第1次補正予算に組み込まれているというふうに聞いておりますが、各学校に検知器、測定器を置いていただければと思っております。というのは、毎日毎日、例えば教頭先生が確認をしながら、子どもたち、保護者に安心を与えるような情報が発信させられると。ですから、ぜひそうしていただきたい。
 それと、規定がおくれたために、今、各地に被災している子どもたちがいじめに遭っています。それは放射能の知識がないがために、うつるとか、汚いとか、子どもたちの特有の、これは保護者にも問題があるのですけれども、そういういじめが生じている。これは文科省の数値的な安心・安全な発信が遅れたために、現在生じている。今後もこういうことは早目に対応していただければと思っております。
 総じて、保護者からの報告、意見では、子どもたちが非常に明るい、被災を受けながらも明るい、こういうことが救われると、このように話がありました。それは、反面、子どもたちが明るく振る舞っているのは、心に非常に傷を負っていると。ですから、これはおいおいそういうものがあらわれてくるので、ぜひその心のケアをしていきたい、このような話がありました。
 それと、宮城県、仙台市を見てきましたけれども、まず宮城県の、仙台市内周辺は、放送、マスコミが報道されているように、あまりダメージは受けていなかった。それから、名取市と若林区ですが、名取市は宮城県になりますけれども、その周辺は非常にダメージが多かった。岩手県は、宮城県から見るとそのわりに学校がダメージを受けていない。これは先ほど話があったように、学校の建設場所が少し高台につくってあるからでしょう。平地、低いところの学校は相当ダメージを受けている。これは今後の学校建設には非常に大切なことではないかな、このように感じました。それで、ほとんどの学校は、倒壊等は免れている。その面では、日本の建築技術は高いというふうに認識はしております。
 被災地の学校ですが、地域の話では、学校を中心にコミュニティがつくられている。当然、行政が崩壊して、なかなか機能しない。そういう状況に、学校は校長先生を中心に、行政を兼ねてコントロールしている、コミュニティをつくっている。これは今まで特にこういうことが生じたことがないだけに、これは特出した状況ではなかったかなと。その中で、やはり先生が、自分が被害を受けながらも、子どもたちのため、地域のために非常に努力をしている現況がある。保護者のほうは、ぜひ先生の働きを皆さんに知らせてほしいと。また、校長先生も、権限を持って、いろんな面で協力、努力をしていたのですけれども、これは教育委員会なり文科省なりが、もうちょっと先生に権限を委譲すれば、もっと内容が、密度の高い、行政の内容も含めたことができたのではないかな、できるのではないかなと、こういう意見もありました。
 それと、地域は、やはりこれから行政と地域住民と保護者と、また自治会を合わせた、今進めている地域コミュニティをつくるべきだろう、より進めていくべきだろうという意見もありました。
 それと、あと、これは都市の学校ですが、普段から避難訓練等を行っています。通常、低学年は早目に帰宅をしますがそのときの震災の時間帯が3時前であり、低学年は帰宅を始めていた、また帰宅をしていた。緊急時の児童引き取り訓練というんでしょうか、避難訓練を各学校でしているのですが、これが十分機能しなかったというところも出て来ております。それはどういうことかと言いますと、交通網と通信網が遮断されたために、子どもたちが自宅に帰ったけれども、家に入れなかったとか、連絡が取れなかったとか、そういうような問題点もある。それと、学校に、場合によったら児童を泊めて、安全を確保することも必要だろう、このような意見もありました。そのようなことが現場でありました。
 それと、子どもたちを長期に支援をしてほしい。お父さん、お母さんが亡くなったりしているので、長期な支援をしてほしい、こういうような意見がありました。
 以上です。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 小川副会長、すいません、簡潔に。

【小川副会長】

 はい。もう時間もありませんし、今まで発言された委員の発言と重複しないように、二点だけ述べさせていただきます。その二点も中教審のこれからの運営に関する要望に絞ります。要望と言っても、おそらく会長が御判断されれば、それはできることかと思いますので、よろしくお願いします。
 一つは、3月11日の震災後、この被害の甚大さを考えたときに、中教審として何かをしなければならないのではないかということをずっと思ってきたんですが、ただ、中教審という組織の性格を考えると、そういう緊急の事態にはなかなか迅速に対応できないという面もあります。問題は、これから政府の復興計画づくりが始まるわけですので、その政府の復興計画の中にきちっと教育を位置付けて、適切な教育施策をその中に組み込んでもらうということは、中教審の重要な役割かなと思っています。
 そういう点で、各分科会でこの議論をやるというようなことは、恐らく時間的には無理な状況ですので、中教審の総意を、あらゆる知見を集約して迅速に取組をしていく必要があると思いますので、私は、できれば、これまでもできたかと思うんですが、会長、副会長、分科会長が適宜集まって、いろんな情報を共有しながら、きちっと中教審全体の議論を集約して、適切な政策立法できるような、そういう仕組みを一つつくってほしいということです。
 もう一つは、そういうことで、今後、中教審とすれば、政府の復興計画づくりにどういうふうに発信していくかということが、重要な役割であると思うのですけれども、私自身、全国の教育委員会にいろいろ出入りしていることもあって、実はそういう動きの中で、いろんな教育委員会の関係者から、これからの復興計画づくりの中で、教育の政策が大きく変わるのかなという、そういうある意味では不安とか危惧の声も聞かれています。復興には膨大な財源が必要ですので、その財源捻出のために、例えば高校授業料の無償も見直すべきだという議論が政府内や与野党の一部からも聞かれるようになっていますし、また、35人学級、ようやく1年生の実施がスタートするということになりますけれども、来年度以降の小学校2年生以上の35人学級はどうなるかということについても、そういう復興財源の捻出議論の中でかき消されるのではないかという、そういう不安、危惧の声が全国の教育委員会の関係者のほうからも聞こえてきます。
 そうした議論が出てくることもある意味ではやむを得ない状況もあるかと思いますが、やはり政府の復興計画の議論の中で、これからの教育施策はどうなるのかという、そういう教育関係者の大きな不安とか危惧が広がっている中で、中教審としては、しっかり議論して、政府の復興計画の中に教育をしっかり位置付けてもらって、適切な教育提言をしていくんだという、そういう決意とか思いを全国の教育関係者、国民、そして何よりも政府に対して、きちっとアピールしていく必要があるのではないかなと思っています。そういう点では、ぜひそういう思いを、中教審として何らかの形でメッセージを発信していただけないかというふうなことです。
 以上、簡単ですけれど。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 安西さん、どうぞ。

【安西副会長】

 今、小川副会長が言われたことは、私もそういうふうに思います。やはり今は教育の大きな、この大震災以降の時期を迎えて、中教審としてどういうふうにしていくのかというのは、これは文部科学省からの諮問ですから、そういう委員会でありますけれども、ぜひお考えいただければと私も思います。
 二点だけ手短に申し上げます。
 一つは、復興計画のことで、やはり子どもたちが本当に安全・安心に教育を受けていけるように、全ての子どもたちがそうあるように、もう一度やはり、文部科学省の横で拝見していますと、今、本当に忙しくて、震災対応にもう本当に奔走してくださっているのでありますけれども、ここでもう一度、今、復興予算等々のこともいろいろ言われておりますけれども、やはり教育が国の根幹だということをもう一度肝に銘じていただいて、それを継続して伸ばしていただければありがたいなと思っておりまして。安全・安心ということの中には、もちろん施設的なこともあります。ただ、復興計画等々、いろいろ言われている中で、高台に建てなきゃいけないとか、もう当然のことだとは思いますけれども、フォロワーになってほしくないんですね。復興はこういうふうにやるんだから、文科省は後についてきてねというふうになってほしくないなと思います。やはり子どもたちの将来を考えると、復興はこうあるべきだ、施設等も含めてこうあるべきだということを、それをやっぱり進んでやっていっていただきたいなと思いますし、ハードだけではなくて、これからの時代の子どもたちが何十年後に本当にいい人生を送れるためには、やっぱりこれからの時代の学びの在り方、学校のモデルというのを、今、震災等で200校近くの学校が潰滅状態だというふうに伺っておりますけれども、新しく学校を再興していかなければいけないんだとすれば、そういうところも、これからの時代の学校のモデルになる、するんだという、そういうことはぜひ具体的につくっていっていただきたいなと思います。それが、ぜひこれはもう新しい時代に向けての学校のモデル、学びのモデルを東北地方からつくっていくんだ、ハードも含めて、それをやっぱりぜひ、それどころじゃないよと言われるかもしれませんけれども、教育の将来を考えると、ぜひ申し上げておきたいなと思います。
 それから、もう一点だけ、これは高等教育、大学関係のことなんですけれども、大学関係で、もちろんボランティアとか、医療の支援とか、本当に個別には一生懸命大学側の支援が行われております。しかし、大学がこの時期に本当にこれからの時代のために、地域のために、日本のためにメッセージを出しているのか、それを本当に責任を持ってやろうとしているのかというと、私は疑問なんですね。大学は、地域の、例えば石巻専修大学というのは、本当に避難所として頑張っていただいていている大学もあれば、国立大学の大きな大学もある。それぞれ関与する部分は違うと思うんですよ。特に総合大学の日本のトップ大学と言われているところが、これからの時代のために発信をしているのか、そこはやっぱり問われるべきだと思うんですね。それは、大学がこれまで地域、あるいは日本の社会とかかわってきたかどうかということ、その距離感の違いだというふうな気がいたします。これは大学の学問の在り方、これからの時代の、産業界等々も含めて、社会との関係について、抽象的ではありますけれども、大学がもう一回問い直されなければいけない、そういう時代だと思います。ぜひそこはお考えいただきたいなと思っております。

【三村会長】

 ありがとうございました。
 よく時間10分超過で皆さんにお伺いできたと思います。御協力ありがとうございました。
 先ほど二人の副会長から非常に重い決意と宿題をいただいたと思います。これはおっしゃるとおりだと思いますので、どういう形でやるのか、ちょっと考えさせていただきたいと思います。私自身は、復旧だけに力を注いで日本の将来があるのか、こういうふうに非常に強く思っております。復旧だけやったって、その先何を考えいかなければいけないのか、何をしたらいいのか、こういうことも我々の視野に当然入っているべきだと考えております。
 いずれにいたしましても、本当に貴重な御意見、いろいろありがとうございました。文科省のほうでも重く受けとめていただいて、これに対して答えられるものについては、早急に答えていただきたい。それから、先ほどの宿題については、ちょっと考えさせていただきたいと思います。
 今日は長時間、貴重な御意見、ありがとうございました。ここで総会は終了いたしたいと思います。どうもありがとうございました。

── 了 ──

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-- 登録:平成23年06月 --