平成20年4月18日(金曜日)14時~15時30分
文部科学省「講堂」(東館3階)
(東京都千代田区霞が関3-2-2)
山崎会長、梶田副会長、三村副会長、安彦委員、安西委員、岩
委員、梅田委員、衞藤委員、荻上委員、加藤委員、金子委員、菊川委員、黒田委員、郷委員、島田委員、田村委員、角田委員、中村(正)委員、平野委員、宮城委員
渡海文部科学大臣、池坊文部科学副大臣、松浪文部科学副大臣、保坂大臣政務官、銭谷事務次官、林文部科学審議官、玉井文部科学審議官、坂田官房長、加茂川生涯学習政策局長、金森初等中等教育局長、清水高等教育局長、樋口スポーツ・青少年局長、合田総括審議官、川上生涯学習政策局政策課長、他
【山崎会長】
ただいまから中央教育審議会第65回総会を開催いたします。本日は、ご多忙の中、さらに、雨でお出ましにくいところご出席いただきまして、まことにありがとうございます。
本日は、「教育振興基本計画について」答申案をご審議いただくとともに、渡海文部科学大臣から「新しい時代に求められる青少年教育の在り方について」、別途の諮問を新たにいただく予定であります。
なお、会議の公開についてですが、本日は答申案を審議するため、規則に照らしますと非公開となるところでありますけれども、今回の答申案は国民の皆様の関心も非常に高いものでありますので、公開にいたしたいと思います。よろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【山崎会長】
それでは、公開ということで続けさせていただきます。ありがとうございました。
本日は、渡海大臣、池坊副大臣、松波副大臣、保坂大臣政務官にご出席いただいております。
開会に当たりまして、渡海大臣からごあいさつをいただきます。
【渡海大臣】
それでは、開会に先立ちまして一言ごあいさつを申し上げます。
今回、65回ということですが、お忙しい中、ご出席いただきましてありがとうございます。今、会長よりお話がありましたとおり、きょうは教育振興基本計画のご審議に当たり、最終答申をいただくに当たっての答申というふうに聞いておりまして、これは教育国民会議から端を発していると聞いておるところでございますが、一昨年の夏の教育基本法に基づいて行う教育振興基本計画でございまして、初めての試み、第1号でございます。そういことで大変熱心にご議論をいただいたわけでございますが、いよいよきょう答申をいただくためのご審議ということでございまして、長年にわたり、いろいろご議論があった、その経過の中からきょうがあるわけでございまして、先生方のご努力に心より敬意を表したいというふうに思っているところでございます。
教育の議論というのは、実はこれで終わるわけではございません。これからもいい意味で延々と続いていくわけでございますけれども、ある意味、一つの節目だというふうにも思っておるところでございまして、どうか最後の議論をしていただき、そしてまた、議論を受け取らせていただいてからごあいさつをさせていただくわけでございますが、きょうは、そういうことで冒頭から聞かせていただきたいということで出席をいたしておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
以上をもって、冒頭のごあいさつにかえさせていただきます。
【山崎会長】
どうも大臣、ご丁寧なごあいさつ、ありがとうございました。
それでは、議事に入らせていただきます。「教育振興基本計画について」の答申案を審議するわけでございますが、これは三村副会長のもとで部会を開いていただいて、極めて丁寧なご議論をいただいた結果をまとめたものでございます。そういうわけで、三村副会長から、この答申案についてご説明をいただきたいと存じます。どうぞ、よろしく。
【三村副会長】
教育振興基本計画特別部会の部会長として、本日提出しております答申案作成までの経緯とその内容の概要についてご説明いたしたいと思います。
教育振興基本計画は、改正教育基本法第17条の規定に基づき、教育の振興に関する施策の総合的かつ体系的な推進を図るため、今回初めて策定されるものであります。昨年2月に文部科学大臣から中央教育審議会に対し、本件に対する審議の要請が行われ、教育振興基本計画特別部会が設置されて以降、これまで14回にわたる会議を開催し、検討を行ってまいりました。各委員の皆様のほんとうに熱心なご議論、こころから感謝いたしたいと思います。
また、この間、田村部会長を主査とする打ち合わせ会も相当の頻度でやらせていただきましたけれども――において論点を整理していただきながら議論を進めてまいりました。
さらに、昨年11月から12月にかけては、広く意見募集を行うとともに、関係団体からのヒアリングを行い、それらも踏まえつつ議論を行いました。
なお、昨年12月の総会には、特別部会におけるそれまでの審議状況をご報告し、ご意見もいただいたところでございます。その後、本年4月2日に開催された特別部会において、答申案について審議を行い、部会長の責任で必要な修正を行った上で今日の総会にお諮りすることが了承され、本日の提出に至ったものでございます。今回の答申案では、教育振興基本計画を今後10年間を見通しつつ、政府が5年間に取り組むべき施策について示すものと位置づけ、検討を行いました。答申案の具体的な内容については事務局から説明していただきますので、私からごく簡単に概要を説明いたしますが、目次を開いていただきたいと思います。
まず、第1章においては、「我が国の教育をめぐる現状と課題」を概観した上で、教育こそが我が国の将来の発展の原動力であり、我が国を改めて教育立国を宣言し、社会全体で教育の振興に取り組む必要があることを述べました。この答申案の副題は、書いてありますように「『教育立国』の実現に向けて」と副題をつけましたけれども、それはこういうところからとったものでございます。
第2章では、今後10年間を通じて目指すべき教育の姿を明らかにするとともに、その実現のために目指すべき教育投資の方向について提言いたしました。特に教育投資については、関係者の注目の高かったところでありますし、議論も活発に行われた点だと思います。さまざまなデータも踏まえながら議論を行った結果、教育投資の目標を具体的な数値で示すのではなく、全体として欧米主要国に損傷のない教育水準を確保すべく、その充実を図っていく必要があるとの方向を示すという結論に至りました。
第3章、第4章は、今後5年間に取り組むべき具体的な施策に関する記述部分になります。第3章においては、まず、今後5年間に総合的かつ計画的に取り組むべき施策について4つの基本的方向に整理し、計75項目にわたってそれぞれの具体的な施策を掲げております。その際、できるだけわかりやすく、また、事後の評価にも資するものになるよう可能なものについては数値目標を示しました。これは、文部省の事務方にはいろいろご苦労をかけたと思っていますが、ありがとうございました。さらに、前回の総会において、全体的に総花的であるとのご指摘をいただいたことなどを踏まえ、75項目の施策の中でも特に重点的に取り組むべき事項を明確化し、別途整理するなどの工夫に努めました。
第4章では、5年間に施策を実施していくための留意事項等を示しております。
以上が今回の答申案の概要でございますけれども、最後に私から感想とお願いを申し上げたいと思います。
まず、本答申は、昨年度中の提出を目指して審議を行ってきたものでございますけれども、諸般の事情により、それがかないませんでした。このことについては、部会長として大変申しわけなく思っております。
また、今回の審議は、当初から改正教育基本法第17条に規定される教育振興基本計画の原案となる答申を策定することを目的として議論を進めてまいりました。このため、特別部会での審議と並行して、各府省にも関連施策に関する情報提供や意見を求め、参考にしてまいりましたが、最終的にはいろんな意見も総合しながら特別部会において案を審議し、その責任においてまとめたものとなっておりますことを改めてご理解いただきたいと存じます。
今回の答申案を踏まえ、今後、政府としての教育振興基本計画が策定されることになりますけれども、渡海大臣にご出席いただいておりますので、渡海大臣におかれましては、ぜひとも必要な予算についての財源を確保し、教育投資の充実を図ること、及び教員が子ども1人1人に向かい合う時間を確保する観点から、必要な教職員定数を措置することなど、今回の答申が基本計画に最大限反映されるよう、格段のご尽力をよろしくお願いしたいと存じます。
なお、答申案の中には、今後、施策として具体化するに当たり、さらに議論を要するものも含まれております。これらについては、引き続き関係の分科会において精力的な検討が行われるよう、この場をかりて各分科会によろしくお願いしたいと存じます。
委員の皆様には、以上を踏まえ、ご審議をいただき、答申としてぜひともご了承いただくよう、よろしくお願い申し上げます。私からは以上でございます。ありがとうございました。
【山崎会長】
それでは、事務局の側から補足説明をお願いいたします。
【加茂川生涯学習政策局長】
座ったままで失礼をいたします。事務局から若干の補足説明をさせていただきます。
改めて資料1の目次をごらんいただきたいと思います。ただいま、三村特別部会長からお話がございましたように、この答申案は第1章から、目次の2枚目、第4章までの4章構成になってございます。第1章が現状と課題の分析に始まりまして、教育の使命についておまとめいただき、「教育立国」の実現に向けて提言をいただいたというのが第1章でございまして、サブタイトルになっておりますのは、先ほどお話にあったとおりでございます。
第2章が10年を通じて目指すべき教育の姿についてご提言をいただいて、第2章の(2)に教育投資の方向について力強いご提言をいただいておる部分がございます。
3章、4章は、今後5年間に関する提言のまとめでございまして、特にご注意いただきたいと思いますのは、第3章の(1)でございます。「基本的な考え方」ということで、「『横』の連携」、「『縦』の接続」という部分がございます。また、「国・地方それぞれの役割の明確化」という部分がございますが、これは今回の教育振興基本計画が教育政策の総合計画の第1期、第1番目であるということで、いわば基本的な考えの中でも基本的な部分、思想と言ったらよろしいのでしょうか、そういった部分を設ける必要があるという部会でのご審議を踏まえて設けておる部分でございますので、特徴的な部分かと思います。
その後に、お話にもございました基本的方向1、2、3、4についてご提言をいただいて、施策について、この4つのテーマについて整理されておりますのが3章でございます。特に3章の(4)、目次の2ページ目をごらんいただきたいと思いますが、重点的に取り組むべき事項9テーマにつきましては、この36ページに再掲する形で整理をして提言いただいておるところでございます。
第4章は、先ほどもございましたように、「推進のために必要な事項」ということで、改めて国と地方の役割や期待される事柄、そして教育に対する財政措置についてご提言をいただいている部分でございます。
ポイントだけ何カ所かごらんいただきたいと思います。4ページをお開きいただきたいと思います。4ページは、先ほどもございました、サブタイトルになってございます「『教育立国』の実現に向けて」ご提言をいただいた部分でございます。改正教育基本法の2条に示されました教育の目標をここに掲げていただきまして、4ページの最下段の3行でございますが、改正教育基本法の理念を人間像の観点からこの3行でおまとめをいただいております。そして、5ページでございますが、ちょっと読ませていただきますと、1行目の後段から「人づくりこそが個人の幸福の実現と国家・社会の発展の礎であり、我が国の将来の発展の原動力たり得るものは人づくりすなわち教育をおいて他にない。改正教育基本法の理念の実現に向け、今こそ我が国は改めて『教育立国』を宣言し、教育の振興に取り組むべきである」とご提言をいただいております。そして、最後のパラグラフでございますが、「以上のような認識の下」、「今回の教育振興基本計画においては」、「今後おおむね10年先を見通した教育の目指すべき姿と、平成20年度から24年度までの5年間に総合的かつ計画的に取り組むべき施策について示すこととしたい」というおまとめをいただいておるところでございます。
7ページをごらんいただきたいと思います。先ほど目次で見ていただきました10年間を通じて目指すべき教育の姿を6ページから7ページにかけて整理していただきました後、7ページの中ほどから下でございますが、「目指すべき教育投資の方向」ということで、「今後10年間を通じて以上のような教育の姿の実現を目指すためには、関係者の一層の努力を促すとともに、その教育活動を支える諸条件の整備を行うことが必要である」。
同じパラグラフの最後の部分でございますが、「そうした中で現下の様々な教育課題についての国民の声に応え、所要の施策を講じる必要がある」とおまとめいただきまして、次の段落からは、各学校段階別ごとの課題の整理をしていただいております。例えば、幼児教育の無償化に始まりまして、8ページにかけまして各学校段階ごとの課題の整理をしていただいておりまして、教育施設の耐震化にもその課題の整理が及んでおります。
そして、8ページの後半部分のパラグラフでございますが、「以上を踏まえ、今後10年間を通じて、上述した教育の姿の実現を目指し、必要な予算について財源を確保し、欧米主要国と比べて遜色のない教育水準を確保すべく教育投資の充実を図っていくことが必要である」。「あわせて、特に高等教育については、世界最高水準の教育研究環境の実現を念頭に置きつつ、教育投資の充実を図るとともに」、「税制上の措置の活用を含む環境整備等を進める必要がある」ということでございまして、先ほど部会長のご発言にございました教育投資の方向については、ここに明示されておるわけでございます。
少し各論を見ていただきたいと思います。15ページをお開きいただきたいと思います。4つの基本的方向で75の施策を整理していただいておるわけでございますが、その最初、基本的方向の1は、「社会全体で教育の向上に取り組む」ということでございます。社会全体の教育力を向上させるということで、
の事柄がございますが、そのうち、施策の最初は「地域ぐるみで学校を支援し子どもたちをはぐくむ活動の推進」ということで、学校支援地域本部についてご提言をいただいています。そして、これについては広く全国の中学校区で地域が学校を支援する仕組みづくりが実施されるよう促すというおまとめをいただいております。
また、20ページをごらんいただきたいと思います。先を急いで恐縮でございます。ポイントだけお話をしようと思います。基本的方向の2ということで、これは主に義務教育の段階を、初等・中等教育レベルについておまとめをいただいておる部分でございますが、「『確かな学力』を確立する」、
の事柄としまして、施策の第1は「学習指導要領の改訂と着実な実施」についておまとめをいただいておられます。「『確かな学力』を確立するため」、「小・中学校の学習指導要領について、平成20年度に集中的に周知を図り、平成21年度から移行措置により可能な限り先行実施する」。また、完全実施につきましては、「小学校は平成23年度から、中学校では平成24年度から」というおまとめもいただいております。その上で、その後のパラグラフでございますが、読ませていただきますと、「授業時数や指導内容を増加する新学習指導要領の円滑な実施を図るために、教職員定数の改善をはじめとする教職員配置、算数・数学・理科に係る先行実施のための補助教材の作成・配付などの教育を支える諸条件を着実に実施する」というご提言をいただいております。また、その後には、小学校の外国語、武道の必修化、理科の観察実験等に関する支援策についてもおまとめをいただいておるところでございます。
26ページをごらんいただきたいと思います。同じく基本的な方向の2について1つご紹介をいたしますと、26ページには、「幼児教育における教育を推進する」ということで、施策としては認定こども園の活用等についてご提言いただいた部分がございます。26ページの中ほどより下の部分でございますが、認定こども園につきましては、最初のパラグラフの2行目あたりから、「今回の計画期間中のできる限り早期に認定件数が2,000件以上になることを目指し、制度の普及啓発や幼保連携型認定こども園への円滑な移行に向けた運用改善など必要な支援を講じる」とおまとめいただいてございます。
また、29ページをお開きいただきたいと思います。これは、基本的な方向3で、高等教育段階についてのご提言をおまとめいただいたものでございますが、2つほどご紹介いたしますと、29ページでは、中ほどでございますが、「世界最高水準の卓越した教育研究拠点の形成」ということで、最初のパラグラフの中ほど、「特に、平成23年度までに、世界的な卓越した教育研究拠点の形成を目指し150拠点程度を重点的に支援する」とご提言をいただいております。また、次の30ページには、国際化の推進ということで、中ほどから上のほうでございますが、「留学生交流の推進」として、留学生30万人計画についてご提言をいただいております。「新たに2020年頃の実現を目途として」という記述でございますが、これに関しては、今後5年間においては留学生数の大幅な増加を目指すというおまとめをいただいてございます。
具体的なご紹介としては、32ページ、もう1点ご紹介をいたしたいと思います。基本的方向の4、これは「安全・安心な教育環境を実現する」といった事柄に関することでございますが、学校教育施設の耐震化ということで、32ページから33ページにかけまして、特に33ページからでございますが、「大規模な地震が発生した際に倒壊又は崩壊の危険性の高い小・中学校等施設(約1万棟)について、優先的に耐震化を支援する。地方公共団体等に対し、今回の計画期間中のできる限り早期にこれらの耐震化が図られるように要請する」といった4つの基本的分野ごとの幾つかのポイントをご紹介させていただいたところでございます。
最後に40ページをごらんいただきたいと思います。第4章の計画推進のために必要な事項についておまとめをいただいた部分でございますが、40ページから41ページにかけまして、国の果たすべき役割、地方公共団体に期待される役割ということで、特に地方公共団体につきましては、40ページの中ほどの第2パラグラフで、「その際、地方公共団体の中でも、市町村と都道府県が担うべき役割はそれぞれ異なることに留意する必要がある」というきめ細やかなおまとめもいただいておるところでございます。
そして、41ページ、最後のご紹介でございますが、教育に対する財政措置ということで、(2)の部分、改正教育基本法16条の4項をご紹介していただいた上で、3行目からでございますが、「国と地方公共団体が、それぞれの役割を踏まえ取り組む必要があり、国は、教育振興基本計画に掲げられた施策の推進について所要の財政上の措置を講じていく必要がある」というおまとめをいただいてございます。また、五、六行先でございますが、地方につきましても、「各地方公共団体においても、厳しい財政状況の下ではあるが」、「当該地域における教育の振興に取り組まれるよう、強く期待したい」というおまとめもいただいておるところでございます。
ポイントだけご紹介申し上げました。以上でございます。
【山崎会長】
ありがとうございました。それでは、委員の皆様方からご意見、ご質問を伺いますが、総会の常といたしまして時間がありません。その上、今回の答申案につきましては、部会、分科会で極めて丁寧に細部までご議論をいただいておるものでありますので、特に今後の実施段階において、どういうところに注意しなければならないかといった問題をご提示いただければと存じます。それでは、どうぞ、どなたからでも挙手をお願いいたします。はい、どうぞ。
【角田委員】
ありがとうございます。今まで10数回にわたるこの特別部会で、随分整理をされてよくなってきているなというふうに思っております。きょうの答申の中で、20ページにも24ページにも、それからこの答申の柱として条件整備ということが随分出ております。特に20ページでは、教員の定数の改善の問題、さらには24ページでめり張りのある処遇の改善ということが具体的にうたわれてきておりまして、ぜひこの答申が、先ほど部会長の発言にもありましたけれども、教育基本計画の中で具体的に実施、推進されるように強くお願いをするところでございます。学校現場からすると、やっぱり中央教育審議会の答申というのは大変心強い、まさに学校の後押しをするバックボーンになるところでございますので、このことにつきましては、大変いろいろとほかの省庁との関係はあろうかというふうに思いますけれども、文部科学大臣を初めとして、皆様方にぜひ応援をしていただきたいと考えているところでございます。
次に、私、1つお願いといいましょうか、気になるところがございます。それは、20ページのところで、先ほどの条件整備ということについては大変結構だと思いながら、20ページの最初から10行目ぐらいでしょうか、「施策」の上のところでございます。「『確かな学力』を養い、世界トップクラスの学力水準を確保する」という部分でございますが、これは確かに今のこの知識基盤社会という中ではトップクラスを維持していくというか、あるいはリードしていくような人間を育てていかなければいけないと、これはわかるんですけれども、やっぱりここのところで書かれているのは、義務教育、特に小学校段階だと考えると、学力イコール、何か知的な学力だけといいましょうか、そういう雰囲気にとられるということがちょっと気になるところでございます。表現としては、トップクラスというのが何かぎらぎらしているというか、もっと教育というのは1人1人が自己肯定感を持つとか、あるいは自信を持って邁進をしていく、そのことが結果として世界のトップクラスを維持していくということにつながっていくのではないだろうかと常々思っているわけでございまして、学力だけが単一の価値といいましょうか、モノカルチャーというふうにならないように、全体を見れば、確かにそういうふうに生きる力というのがバランスよくなっているわけですけれども、この言葉だけが、どうも一人歩きしかねないようなところがあるような気がいたします。小学校では、足の速い子もいれば、あるいは歌のうまい子、いろんな子どもがいて、そしてクラスが成り立っているわけでございますので、そういう子どもたちが全部抱えられるような、そういう社会というものは、まさに教育立国の目指すべきところではないかと思っておりますので、この辺についてまたご配慮いただければありがたいと思います。
以上です。ありがとうございました。
【山崎会長】
ありがとうございました。前段のご意見につきましては、この教育振興基本計画は閣議決定されるべき性質のものだと承っております。当然、その中で条件整備、つまりは予算の問題も渡海大臣のご苦労によって実現を見るものと信じております。
後段のご意見は、これは教育現場の問題でありますので、文部科学省当局が運用の上で十分ご配慮いただくべき事柄だろうと存じます。
ほかにどなたか。はい、どうぞ。
【安彦委員】
特別部会の外にいたメンバーの一人として申し上げます。この答申案というのが比較的ほかの諮問にかかわる答申と少し違うというふうに思いましたのは、中教審の答申そのものは、ある意味では中教審が独立に審議して、そのまま答申に持っていきます。したがって、行政はそれを受けて、いわば自分の責任で行政の可能な範囲で実行し、施行するという形をとってきております。例えば教育課程部会のメンバーとして申し上げますと、中教審答申は当然それはそれとしてありまして、そして学習指導要領の改訂というのは行政が自己の責任で行っておられます。今回の場合に、私は伺いますと、部会長の三村先生が、中教審の委員が勝手にいろいろ言っても、実現可能でないものはあまり基本計画という性格を持たないだろうというご判断で、ある意味では実現可能性というものを念頭に置かれて、こういうまとめ方をされたと伺います。そういう意味でいきますと、いろんな意見があるのではなくて、非常にクリアに主張が入っておりまして、その点はよかったと私も考えております。しかし、反面、多分これは報道関係者あたりからは、先ほど部会長のほうからお話しありましたように、方向性しか出せなかった、具体的な数値も個別的な目標についてもあまりこの中に載っていないとする声、少なくとも5年先ぐらいは数値を入れるべきではないかというようなことが報道関係者から出てくることを予想いたします。
そういう意味でいきますと、中教審としては、ある意味では、むしろ実現可能性という行政サイドのことを非常に深く考慮してこういう答申にしているということをはっきりと外に説明をしていただきたい。私たち、逆に言えば、自由にものを言うというよりは、むしろ実現可能性のほうを前提に委員の方もまとめる方向で進めてこられたと思います。その点、外から、一般社会からはいろいろ言われるんじゃないかと思いますけれども、中教審がそのままある意味で責めを負うというのではなくて、私たちはむしろそういう不自由さを承知の上でやったのだということを明確にして出しておいていただきたいなと、これは要望でございます。
【山崎会長】
ありがとうございました。ほかにどなたか。どうぞ。
【加藤委員】
ありがとうございます。私も特別部会のほうの議論に参加しておりませんでしたけれども、今回の振興基本計画について、あらかじめ全体に目を通す中で、これまでの議論をよく反映していただいておりますし、教育立国ということを非常に明快に打ち出しているということは、国民にとっても非常に歓迎される方向性がはっきりしているのではないかなと受けとめました。ただ、その中で私としても、さまざまなこれまでここに至る分科会や部会の議論に参加してきた者として、今回のこの中にも盛り込まれておりますけれども、教育基本法の改訂以降、かなり新しい仕組みや制度がスタートしております。例えば、小学校課程に英語を必修化することでありますとか、あるいは教員免許の更新制の導入といったようなことがあって、これは相当大きな改革方向だと思いますし、その間、議論に参加をしてきた立場で申しますと、かなりいろんな意見があった中でスタートしているわけでございます。
1つ2つ、私も実際に実施の段階になって現場の声を幾つか立場上聞くわけですけれども、例えば教員免許の更新制をスムーズにスタートさせるために、既に教員養成課程のある大学でトライしていこうということがあります。そうした大学の先生からは、示された今後の方向性を見ると、本来の授業といいますか、自分たちの大学でのやるべきことがおろそかになりはしないか。例えば、土曜日にまでやらなければ、全くプラスアルファの仕事ですから、そういう意味で非常に懸念を述べておられますし、中には、大学で自分たちの本来やるべきことがやれないのであれば、ほかの大学に移っていかれる方があるという話を聞きまして、これは私は非常に心配だなと。そういうこともございますので、ほかにも幾つかあるんですが、力強くかつわかりやすく進めていくことは必要なんですが、そうした幾つか生み出される過程で多くの意見があった部分については、やはり見直すといいますか、いろんな改訂もしながら留意をしながら進めていく必要があるだろうと思っておりますので、一つの方向性がこれまでの議論で出てきたからといって、一直線に行くということだけではなくて、トライ・アンド・エラーでいろんな声を聞きながら、本来の趣旨がきちんと達成されるように、ぜひ文科省としてもしっかりとこれらをPDCAを回していただくということをお願いしておきたいと思います。よろしくお願いします。
【山崎会長】
貴重な、現実的な意見、ありがとうございました。その精神は十分に文部科学省当局で受けとめていただきたいと存じます。
まだまだご意見たくさんあるとは思いますが、恐れ入ります、それでは今挙手されているお二人、1分ずつでお願いします。
【黒田委員】
わかりました。教育改革国民会議のメンバーでしたので、こういうものができることを大変うれしく思っています。今、世界における日本の位置づけ、各国の位置づけというのは変わってきていますので、そういう時代認識を踏まえた上でいろいろ政策をつくっていかなければいけないということで、ポイントは国際化です。海外のすぐれた若者が、今は欧米、特にアメリカに行きます。欧米に行けない人が日本に来るのではなくて、日本のよさに惹かれて日本に来ていただきたいと思うのです。つまり、国際化をするということは、国内をよくすることでもなくてはいけません。そうではないと、いい人が日本に来てくれません。そこで、数値目標を出されて留学生30万人というのは、これはこれでいいのですが、このための予算措置を特別にやっていただきたいのです。国内の高等教育の予算を削って30万人計画のほうにもって行くということになると、ますます国内の水準が下がりますし、優れた留学生も来なくなります。数値目標だけを達成したつもりになっていても、実はレベルを下げているということになるということを大変懸念しております。日本人学生の海外経験というのも重要なのですが、そちらには数値目標は立てられませんでした。ですから、大臣がいらっしゃいますので、ぜひ30万人計画というものは、日本人学生の国内の水準を高くするための予算を削ってなさらないようにお願いしていただきたいと思います。
以上です。
【山崎会長】
ありがとうございました。それでは、安西委員、最後にお願いします。
【安西委員】
三村部会長、また関係者のご尽力を多とさせていただければと思います。
先ほどから出ておりまして、重ねてで恐縮でございますけれども、やはりこの方向性を実践していくには財源の確保、予算の確保がどうしても大切でありまして、ぜひ閣議決定に向けて大臣、また関係者にはご尽力を賜りたいというふうに思います。教育立国を標榜していくのであれば、やはり国の教育投資の充実ということは最低限の必要なことでありまして、そのことについて改めてでございますけれども、重ねてお願いを申し上げておきたいと思います。どうかよろしくお願い申し上げます。
【山崎会長】
私からも同じお願いを大臣に申し上げます。
それでは、いただいたご意見は、いずれも今後の文部科学大臣及び文部科学省当局のご努力に期待するということでございましたので、「教育振興基本計画について」という答申は、全体としてお認めいただけますでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【山崎会長】
ご異議がないようでございますので、「教育振興基本計画について-『教育立国』の実現に向けて-」という答申案を答申といたします。
これから答申を大臣にお渡ししたいと存じますが、報道のカメラの関係があるようですので、少々お待ちください。
【山崎会長】
ただいまお聞き取りのとおり、「教育振興基本計画について」という新しい答申が生まれまして、これを渡海文部科学大臣にお渡しするに当たって、一言ごあいさつを申し上げます。
本件につきましては、昨年2月に大臣から審議の要請を受けまして、教育振興基本計画特別部会を設置いたしまして、1年以上にわたって審議を重ねてまいりました。本答申におきましては、今後10年先を見通した教育の目指すべき姿を明らかにした上で、その実現に向け、平成20年度からの5年間に具体的に取り組むべき施策を示しております。その中では、目指すべき教育の姿を実現するために、教育投資の充実を図ることを述べた上で、新学習指導要領の着実な実施や、そのための条件整備、世界水準の教育研究拠点の形成などの施策について提言いたしております。文部科学大臣におかれましては、この答申を十分に尊重され、政府としての教育振興基本計画を策定し、教育立国の実現に向け、関連施策の充実に積極的に取り組んでいただきますよう、特にお願い申し上げます。
(答申書手交)
【山崎会長】
よろしいでしょうか。
【渡海大臣】
どうもありがとうございました。
【山崎会長】
それでは、答申をお渡しした段階で、改めて大臣から一言ごあいさつをお願いいたします。
【渡海大臣】
それでは、一言ごあいさつを申し上げます。冒頭申し上げましたが、長い時間にわたってご議論いただきまして、ありがとうございました。また、先ほど来、諸委員からいいただいたご意見、1つ1つお答えはいたしませんが、よくわかっておるつもりでございます。特に、これは非常に新しい試みですが、1点だけ言わせていただいた留学生の問題です。これは、ことしの冒頭の総理の所信表明、施政方針演説で出てきたものでございます。「渡海大臣、やってくれるか」、「ちゃんと受けとめる」、こういうふうに言われたわけでございますが、我々、今、実は早急に詰めております。無責任にやりますと言うのは簡単でございますが、今、黒田委員言われたように、いろいろな問題があります。しかし、やると決めた以上、きっちりと責任を持ってやり遂げていかなければいけないということでありますから、早急な問題は、むしろあいまいな結果なんです。今ここに書くのは私は無責任だと思うんです。ですから、そういう書き方になっておりますが、これは日本のトップリーダーが発信した約束でございますから、そのことを我々は重く受けとめ、きっちりやっていきたいと考えておるところでございます。
それだけではなくて、やはり国際化の中で方々に交流が図れる体制をつくっていきたいと考えております。あとの委員の先生方にもいろいろとご提言をいただいたところでございまして、主にしっかりと実効あるものにしろということなんだろうと受けとめております。大変重いご意見であると考えております。
三村部会長には、ほんとうにご苦労いただきました。冒頭、部会長が、実はおくれましたというお話をされたわけでございますが、できるだけ実効のあるものにしたい、この場所で、例えば数字を挙げることは簡単であるけれども、それは単なる目標で、これに向かって、あとは政府はとにかくやれと言うことでは無責任になる――ちょっと表現がよくないですかね、そういうお考えだったと私は理解をいたしております。それだけに、我々ができるだけやれることはやろうということでやったわけでございますが、なかなかその数字を入れるにはまだ至っていないというのが現状でございます。マスコミの皆さんもいらっしゃいますが、よくわかっていることでありますから、今後計画をつくる段階で最終的にどうしていくかというのは、これこそ我々に与えられた使命だと重く受けとめさせていただきたいと思っておるところでございまして、これは政府の決定でございますから、与党の中の手続もしっかりやらなきゃいけません。各府省の調整というものもまだまだ終わったわけではありませんので、きょうのご発言も受けて、我々はこれから頑張らせていただきたいと思っております。
ほんとうに長時間にわたりましてご議論いただきまして、ありがとうございました。教育再生待ったなしということで始まった一連の流れでございますけれども、いよいよ振興計画ができて、現実にいろいろなことがもうスタートし始めているわけでございますけれども、本格的にこれから5年、10年とスタートしていくわけでございます。この計画がそのために一つの指標となる計画であるということをしっかりと私も受けとめさせていただいて、頑張らせていただきたいということを申し上げまして、お礼にかえさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
【山崎会長】
渡海大臣、大変心強いお約束を含んだごあいさつをいただいて、ありがとうございました。
矢継ぎ早ですが、ここで大臣から中央教育審議会に対する新しい諮問をいただくことになっております。大臣から諮問に当たってのごあいさつをいただいた上で、私が代表して諮問を受け取らせていただきます。
【渡海大臣】
1つ終わって、また新しく諮問をさせていただきたいと思っておりますが、今回お願いいたしますのは、青少年の教育に関する諮問でございます。近年、青少年の問題、さまざまな問題が提起されております。学校教育におきましては、いろいろご議論をいただき、そして梶田部会長の教育課程部会からも、学習指導要領の中でもいろいろと反映をしていただいておるわけでございますが、幅広い青少年教育をどう考えるかということで、今回、先生方のご意見をいただきたいということで諮問をさせていただきたいと思っております。「新しい時代に求められる青少年教育の在り方について」というとこでお願いしたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げたいと思います。
それでは、会長に諮問させていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
(諮問文手交)
【山崎会長】
ここで、大臣は公務ご多忙のために退席されます。その後、新たな諮問の内容について事務局からご説明をいただきますので、しばらくお待ちください。
(大臣退席)
【山崎会長】
それでは、新しい諮問の理由、その他につきまして、事務局からご説明をいただきたいと存じます。よろしくどうぞ。
【樋口スポーツ・青少年局長】
スポーツ・青少年局長でございます。このたびの諮問につきましてご説明申し上げます。資料の2-1をごらんいただきたいと思います。今回の諮問事項は、「新しい時代に求められる青少年教育の在り方について」でございます。資料2-1を1枚おめくりいただけますでしょうか。諮問理由でございます。時代を担う青少年の健全な育成のためには、学校、家庭、地域が相互に連携して社会総がかりで取り組みを進めることが必要であります。しかしながら、現在、実際には青少年に対する教育は学校が中心となっておりまして、地域の青少年教育においては、その期待される役割を十分に果たし得ていない状況にあるわけであります。特に、今日、青少年の生きる力をはぐくむ上で、自然体験を初め文化・芸術、あるいは科学技術などに直接触れる体験的な学習活動等の重要性が高まる中にあって、適切な指導者、多様な活動プログラムなどの教育資源は不十分な状態にあるわけであります。このように青少年教育は大きな転換点を迎えており、青少年教育の再構築が必要になっていることから、このたび、新しい時代に求められる青少年教育のあり方につきまして包括的な諮問を行い、下に掲げてございます4点にわたる事項を中心に、今後、逐次検討していただくこととしております。審議事項といたしましては、「これからの青少年教育の意義・役割について」、「青少年教育における国、地方、民間の役割と連携について」、「青少年教育施設の在り方について」、そして、「その他今後の青少年教育の推進方策について」であります。
次に、お手元の資料、2-2をごらんいただけますでしょうか、諮問理由につきましての若干詳細な説明になっているわけでございますが、4点にわたる審議事項をお示しさせていただきました。それぞれについての補足を説明させていただきたいと思います。
1ページ目の下の(1)ございますが、「これからの青少年教育の意義・役割について」でございます。青少年が社会の責任ある一員として成長していく過程におきましては、学校教育において生きる力を育むとともに、地域社会におきまして、大人や多様な年齢層の人々と触れ合いまして、また、自然体験を初め文化・芸術や科学などに直接触れる体験的な学習活動等を通じて、豊かな人間性や協調性などを身につけることが必要であります。しかし、現状では、先ほど申し述べましたとおり、青少年に対する教育は、その大半を学校が担っており、多くの大人がみずからの子ども時代と比較して、青少年教育は期待される役割を十分に果たしているとは言いがたい状況にあります。
また、青少年団体は、これまでも団体ごとの特色を生かしながら、自然体験活動やボランティア活動などを通じて青少年教育に当たってまいりましたが、近年、その組織率は低下傾向にあり、活動規模や参加者等が縮小の傾向にあるわけであります。
一方で、小学校で1週間の集団宿泊体験や自然体験、農林漁業体験活動が必要であるという教育再生会議の提言でありますとか、今般改訂をされました学習指導要領におきましても、教育課程の編成に当たり、自然体験やものづくりなどの体験的な学習活動を積極的に取り入れることを求めております。こうした体験活動を実施するためには、適切な場、あるいは指導者、多様な活動プログラムの整備が必要となるわけでございますが、教職員を初めといたします学校教育関係者だけでは大きな混乱が生ずるわけであります。
こうした状況を踏まえまして、学校と地域、家庭が、車の両輪として青少年教育の再構築を図るために、改めて青少年教育の意義、必要性とは何なのか、学校との連携はいかにあるべきか、今後、青少年教育が果たすべき役割は何かという点について、今日的な見地から専門的な検討をお願いしたいと思っておるわけでございます。
2点目は、「青少年教育における国、地方、民間の役割と連携について」であります。青少年教育につきましては、国、地方公共団体、民間がさまざまな取り組みを行っておりますが、国や地方公共団体の財政が厳しい状況にある一方で、青少年教育の重要性に対する社会的な関心の高まりにこたえ、民間レベルにおいてもさまざまな取り組みが行われてきております。構造改革や地方分権が進む中で、青少年教育におきます国、地方、民間におけるそれぞれの取り組みの意義、役割や、それぞれ相互の関係の変化も求められております。このような中にあって、青少年教育におきまして、国、地方、民間がより効果的にそれぞれの取り組みの成果を上げることができるよう、地方や民間が担っている役割や今後期待される役割等を把握、検討した上で、国はどのような役割を今後果たしていくのか、そしてどのような事業を実施していくべきかという国がとるべき今後の施策の方向性でありますとか、地方や民間とどのように連携を進めていくべきかという点についてもご審議を賜りたいと考えているところでございます。
3点目は、「青少年教育施設の在り方について」でございます。青少年教育施設は、青少年教育の場として大きな意義を有しており、国や地方公共団体によって全国に広く設置されております。集団宿泊研修や体験活動を実施しておりまして、青少年の体験活動不足が指摘される中、その意義は増しているわけであります。
一方、公立施設が全国に設置されていることを踏まえ、国立の施設をみずから設置・運営していく必要性でありますとか、国立の施設でなければ果たせない機能、役割については、早急に検討していくことが求められているわけであります。また、青少年教育施設は多様化するニーズへの対応といたしまして、行財政改革や規制改革の観点から、いわゆる市場化テストの導入や業務の一層の民間委託等が必要だとの指摘もございまして、国立施設の設置、管理運営の効率化を求める声も高まってきております。こうした動きにどうこたえていくかについても検討する必要があるわけであります。このため、改めて青少年教育の意義、重要性を踏まえ、国公立の青少年教育施設につきまして、その管理運営のあり方、国として国立施設に今後期待する役割、あるいは国公立施設、民間施設との役割分担や、それを踏まえた連携のあり方などについてご議論いただきたいと思っているわけでございます。
最後、4点目でございますが、「その他今後の青少年教育の推進方策について」であります。3点の事項に加えまして、その他の青少年教育の新たな振興方策につきましてもご検討を賜りたいと思うわけでございます。民間青少年団体に対する支援のあり方でありますとか、ニートや引きこもり、不登校などの、いわゆる問題を抱える青少年に対する教育プログラムの開発のあり方、あるいは指導者の養成のあり方、青少年教育におけるスポーツの効用、役割、さらにはグローバル化する中にあっての青少年の国際交流の充実方策等についても幅広くご審議いただきたいと考えているわけであります。
以上、今後の審議に当たりまして、当面ご検討をお願いしたい点につきまして申し上げさせていただきましたが、このたび諮問をさせていただきました事項につきましては、会長、副会長初め、委員の皆様方におかれましては、幅広い観点から忌憚のないご意見をいただきますようお願いいたします。
なお、このたびの諮問事項につきましては、その内容が広範多岐にわたることから、これらを1つ1つ着実に実現していくために、本審議会におかれましては、審議の区切りがついた事項から逐次答申していただきますようお願い申し上げます。
以上でございます。
【山崎会長】
お聞き取りのとおりであります。我々、中教審では、学校を地域社会に開く、地域社会の力を学校に借りるということは既に決めているわけでありますが、今回、その学校の中にいる青少年を含めて、広く外にいる青少年をも教育の観点からとらえ直してみようということだと私は理解しております。青少年という言葉になりますと、まず、その定義がかなり難しい。さらには、ご承知のように、現在、この青少年というものに対しては、総務省、厚生労働省、さらに法務省等々、関与する官庁も多様にわたっているわけでありますが、やはりそれらを束ねていく核になるのは教育という観点であろうかと思いますので、以後、スポーツ・青少年分科会で踏み込んだ具体的なご議論を重ねていただきたいと存じます。
ただ、この場で、今答申をいただいたばかりですので、ごく概略についてご意見ないしはご質問がございましたら、どうぞご発言をいただきますようお願いいたします。
やぶから棒に意見を言えと言われてもお互い困るわけでありますけれども、特にこの場でご意見がないようでしたら、先ほど申しましたように、スポーツ・青少年分科会で改めて詳しくご議論をいただきたいと存じます。よろしくお願いいたします。
ということで、本日の議事はこれまでとしたいと存じます。
次回の総会については、追って事務局より連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。
では、本日はどうもありがとうございました。お疲れさまでした。
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