| 1. | 日時 | 平成17年12月8日(木曜日)15時~17時 |
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| 2. | 場所 | ホテルフロラシオン青山「ふじ」(1階) |
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| 3. | 議題 |
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| 4. | 配付資料 | |||||||||||||||||||||||||||
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| 5. | 出席者
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| 6. | 議事 |
平成17年12月8日
【鳥居会長】 それでは、定刻でございますので、まだお着きでない方もおられますけれども、中央教育審議会の総会を始めさせていただきたいと思います。今日は皆様ご多忙の中をご出席賜りまして、まことにありがとうございます。
今日は4つの議題を用意してあります。まず最初に1番目でございますが、先ごろ政府・与党合意が出されました三位一体の改革についてのご報告、それから、総人件費改革関連のご報告をいただきたいと思います。これが今日の議題の1番目でございます。
次に2番目といたしまして、「今後の教員養成・免許制度の在り方について」という中間報告の案を用意してありますので、初等中等教育分科会から報告をしてもらいまして、その後委員の皆様にご審議をいただきたいと思います。
それから3番目ですが、特別支援教育につきまして、正式のタイトルは「特別支援教育を推進するための制度の在り方について」という答申でございますが、これは先ほどの中間報告と違って、最終答申の案を用意してあります。これも初等中等教育分科会から報告をしていただきまして、その後皆様にご審議をしていただきたいと思います。
なお、今日は初等中等教育分科会の特別支援教育特別委員会の委員でいらっしゃいます、宮
委員長代理にお越しをいただいておりますので、宮
委員長代理におかれましては適宜ご質問にお答えいただき、またご審議に参加していただきたいと思っております。
それから議題の4番目でございますが、学習指導要領の見直しを今進めております。そのことにつきまして、教育課程部会の審議状況についてご報告をいただきたいと思っております。
なお、本日は中間報告案及び答申案を審議するということで、中央教育審議会の会議の公開に関する規則に照らしますと、答申案を審議するときは非公開という決まりになっています。けれども、たびたび採用させていただいている方式ですが、今回の答申案は、案文の段階から国民の皆様の間で広く議論していただいたほうがよろしいという判断から、ずっと公開にしてまいりましたので、今日の総会も公開で行いたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしゅうございましょうか。
(「異議なし」の声あり)
【鳥居会長】 ありがとうございます。それではご了承を得られましたので、本日の会議は公開とさせていただきます。
なお、審議に入ります前に、本日は小泉内閣の改造で就任されました馳浩副大臣と有村治子大臣政務官にご出席をいただいております。また、小坂憲次文部科学大臣も後ほど遅れてご到着される予定でございます。
最初に、馳副大臣から一言ごあいさつをいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
【馳副大臣】 こんにちは。総会で新たな議論のスタートが始まろうかと存じます。どうぞ、我が国の教育の根幹をしっかりと見据えた議論をいただいて、また、我が省としてもそれを受けて取り組んでいけるように頑張りますので、今後ともご指導よろしくお願いいたします。
【鳥居会長】 続きまして、有村政務官からよろしくお願いいたします。
【有村政務官】 先生方、こんにちは。このたびの11月の小泉内閣改造におきまして、文部科学大臣政務官を拝命いたしました有村治子でございます。いつも中教審というと教育基本法のあの答申もそうですけれども、本当に的確な内容を的確なタイミングでアドバイスいただいて、さすがだなというふうに思っておりました。その場に陪席をさせていただけますこと、光栄に存じております。
これからも教員免許状やあるいは特別支援教育、全国を回っていて私も思いますけれども、本当に先生方も、現場のPTAの方も関心の高いところですので、引き続きご高見を賜りますよう、心から皆様のご活躍を祈念申し上げ、就任のごあいさつとさせていただきます。
どうぞよろしくお願いいたします。
【鳥居会長】 ありがとうございました。それでは議事に入らせていただきます。
まず第1の議題でございますが、最初に三位一体の改革についての政府・与党の合意について、玉井官房長からご説明をお願いいたします。資料はお手元の資料1-1がありますので、それをご覧いただきながら、玉井官房長の説明を伺ってください。よろしくお願いします。
【玉井官房長】 官房長でございます。お手元の資料の1-1が、11月30日に政府・与党合意として三位一体改革がまとまりましたので、ご報告をさせていただきます。
今回の三位一体の改革は大きく2つの論点がございました。昨年の政府・与党合意におきまして、義務教育費の取り扱いがそもそも暫定でございまして、これをどのようにするのか。まさに中教審の結論を得て議論をすることになっておりましたので、この義務教育費をどうするかという大きな論点が1つ。
2つ目は、去年までで決まりましたのは、3兆円を目標とする中で、仮に義務教育を加えても2兆4,000億円でございますので、残り6,000億円をどのように取り扱うか、これが2つの大きな論点でございます。
ここのペーパーにございますのは、その2つの論点について政府・与党合意がまとまったということでございます。全体をごらんいただきますと、まず1ページ目の下のほうでございますけれども、「国庫補助負担金の改革について」ということで、この中ではその6,000億円を超える金額についての決着がついたということが、1枚目の一番下に書いてある意味でございます。
もう1枚めくっていただきますと、一番上にございますように全体で4兆円に上る国庫補助金負担金の改革を達成し、3兆円を目途とする、規模とする税源移譲が行われると、こういう全体像が書いてあるわけでございます。その中で「各分野」というのが、ちょうど2ページの上から4行目にありまして、イ.が文教でございますが、ここにつきましては「義務教育制度については、その根幹を維持し、義務教育費国庫負担制度を堅持する。その方針の下、費用負担について、小中学校を通じて国庫負担の割合は三分の一とし、8,500億円程度の減額及び税源移譲を確実に実施する。また、今後、与党において、義務教育や高等学校教育等の在り方、国、都道府県、市町村の役割について引き続き検討する。」、これが政府・与党合意の文書でございます。
文部科学大臣は、4大臣、つまり官房長官、それから財務大臣、総務大臣、そして経済財政政策担当大臣の4大臣のもとで各省が折衝をしたわけでございますし、また、与党側の政調会長、会長代理と議論を重ねてきたわけでございますが、この義務教育費国庫負担制度は非常に重要であって、この中教審答申を真摯に受けとめるべきであるということを、一貫して主張してまいったわけでございます。
それに対して、地方案を尊重すべきだという意見も常に出されながら、激しい議論が約1カ月以上重ねられてきまして、この11月30日を迎えたわけでございますが、最後の場面で安倍官房長官のほうから、政府全体のこの三位一体改革の中で、義務教育費につきましては小学校・中学校を通じて3分の1とすることによって、8,500億円を税源移譲の対象にしてほしいという提案がございました。そこで大臣のほうからは、あくまでも義務教育費国庫負担制度の堅持が大前提である。しかも、そのことも文書で明確にすべきであるという主張をずっと続けられました。
また、与党、自民党におきましても、文教制度調査会・文部科学部会においても同様の激しい議論をしていただきまして、そこにおいても、最終場面では3分の1になることはやむを得ないけれども、これは義務教育費国庫負担制度堅持が大前提であるという、党のほうからの強い働きかけがございました。
その結果、大臣としては苦渋の決断ではございましたけれども、こういう形で義務教育費国庫負担制度堅持ということが明確になされ、その上での3分の1と、8,500億円の減額ということを受け入れざるを得なかったわけでございます。ご理解を賜りたいと思います。
「また、今後、与党において」というこの文章でございますけれども、この約1カ月余りの議論を続ける間、与党、自民党の文教制度調査会・文部科学部会におかれましては、交付税の中に高等学校分が含まれており、8,000億円余りございますけれども、むしろこれを交付税ではなくて地方税に税源移譲することによって、税源移譲の金額を確保すべきではないかという提案をなさいました。そういうご議論がずっと重なった中で、「今後、与党において、義務教育や高等学校教育等の在り方、国、都道府県、市町村の役割について引き続き検討する」と、こういう文章も入ってきたわけでございます。
それから、今ごらんいただいているページの一番下のほうが、ハ.施設費でございます。今回の三位一体改革の中で、残り6,000億円の議論の一番の焦点になりましたのが、もちろん生活保護の議論もあったわけですけれども、もう1つあわせて施設費の取り扱いでございました。この施設費の取り扱いにつきまして、最終段階でございますけれども、ぎりぎりの折衝の結果、施設費についても税源移譲の対象とするという結論になったわけでございます。
そこでその次のページ、3ページ目でございますけれども、その具体的なものとして例示が上がっておりますけれども、消防、それから公立学校、地域介護、資源循環型と、各省庁の施設費についてもそれぞれ対象になってまいりました。6,000億円のうち、文部科学省に170億円を対象にしてほしいという要請が、政府全体でございました。この170億円につきまして、最終的に、やはり安倍官房長官のほうから170億円をぜひ協力してほしいと、それは施設費で協力してほしい。他省庁においても施設費において対応するので、ぜひ文部科学省においても施設費で対応してほしいという要請がありました。
最終場面におきまして、大臣においてもやむを得ないという判断をしたわけでございますが、ご案内のとおり、公立学校の施設費の中には負担金と補助金がございます。大変重要な負担金には一切手をつけておりません。残りの補助金のうちから、耐震化のような重要なものは残して、それ以外のところで、例えば、定時制・通信制高等学校の施設整備費補助金や、あるいは経年劣化による建てかえのための補助金など、そういったものを合わせて170億円程度を協力するという決断をしたわけでございまして、中教審でご議論して出した答申をしっかりと踏まえて対応させていただきましたのでご理解を賜ればと、かように思います。
このことがその次のページの別紙1にも、先ほど申し上げました170億円の話が表として載っているわけでございます。
以上、これが三位一体改革の政府・与党合意の文書でございますが、ぎりぎりまでの折衝を続けました。中教審の答申どおりのものにはならなかったことは、大変申しわけなく残念に思っておりますが、こういう結果になった、ただし、義務教育費国庫負担制度の堅持ということは最後まで主張し続けた、そしてそのことが文書に入ったということは、ぜひご理解を賜れば、かように思っております。
以上でございます。
【鳥居会長】 ありがとうございました。続きまして、経済財政諮問会議のほうから出ております「総人件費改革の基本方針」につきまして、銭谷初等中等教育局長からご説明をお願いいたします。
【銭谷初等中等教育局長】 初等中等教育局長の銭谷でございます。それでは、資料の1-2に基づいてご説明をさせていただきます。
その前に、ただいま官房長から説明がございましたように、11月30日に三位一体の改革についての政府・与党合意があったわけでございます。義務教育費国庫負担金担当局長といたしましては、中教審からご答申をいただきました2分の1国庫負担ということが、そのとおりできなかったという点につきまして大変残念に思っております。
中教審におかれましては、この問題につきまして特別部会を設けて、100時間を超えるご議論をいただいたわけでございますが、答申どおりにならなかったという点につきまして、担当局長としておわびを申し上げたいと存じます。
ただ、先ほどの官房長の説明にもございましたように、国と地方の負担によって教職員給与費の全額を保障する義務教育費国庫負担制度につきましては、これを堅持ということが明らかになったわけでございますので、今後この決定に基づいて、義務教育教職員給与費の措置についてしっかりと対応してまいりたいと思っております。この点おわびを申し上げますとともに、きちんと中教審の趣旨が今後とも生かせるように、行政を進めてまいりますことをまずもってお話をさせていただきたいと存じます。
それで資料の1-2でございますけれども、今年の11月14日の経済財政諮問会議で決定されました「総人件費改革基本指針」という資料をご用意をさせていただいております。
これは、去る10月26日の中央教育審議会答申におきましては、教職員の定数改善ということについても触れていただいて、それをきちんと進めるべきであると、その必要があるということを答申していただいているわけでございますが、それに関連した現在の政府部内の動きでございますので、ご紹介させていただくものでございます。
お手元の資料1-2をごらんいただきたいと存じます。これが11月14日の経済財政諮問会議において決定された総人件費改革基本指針というものの教育関係部分の抜粋でございます。
2枚目に、「平成18年度予算編成の基本方針」、これは一昨日閣議決定されたものでございますが、この閣議決定にありますように、1枚目の指針を受けて、政府としてはこの実行計画を年内に策定し、平成18年度予算や地方財政計画から順次反映することとされているものでございます。
この総人件費改革基本指針の中には、教育関係について特に重要な点が2点、指摘されております。1枚目に戻っていただいて恐縮でございますが、まず第1に、公務員の定員の純減目標、その中の地方公務員の純減目標、国基準関連分野という部分でございますが、線を引いた部分でございます。「特に人員の多い教職員については、児童・生徒の減少に伴う自然減を上回る純減を確保するよう検討する。」と記載されているところでございます。
それから、2点目としてもう1点でございますが、真ん中下のほうに(別紙2)「給与制度改革の方向性」(4)教職員の給与という部分がございますが、ここの部分で、「義務教育教職員の人材確保の観点から給与の優位性を定めた人材確保法について、廃止も含めた見直しを検討する。」とされているところでございます。
第1点目の、教職員の定数を児童生徒数の減少に伴う、いわば学級減に伴う教職員定数の自然減を上回って、さらに純減を確保するようにという点につきましては、現在の学校現場の実態や必要性、教育政策を踏まえた考え方になっているとは私ども思えないわけでございます。教職員を含めた国基準関連分野全体の記述の中で、特に教職員を特定して、児童生徒数の減少に伴う自然減を上回る純減を行うということについて、その理由が見出せないというのが、この経済財政諮問会議の指針を見ての私どもの感じ方でございます。
それから、2点目の「教職員給与」について触れた部分でございますけれども、いわゆる人材確保法は、ご案内のように、昭和49年に教職に優秀な人材を確保する観点から制定されたものでございます。現在は、この法律に基づく教職員給与の優位性がどのぐらいかというのは、資料1-2の一番最後のところに現在の状況が記載されております。この黄色のマーカーを塗った部分でございますけれども、いわゆる本給、本俸では一般の行政職の地方公務員に比べて11パーセントの教職員の優遇性があるわけでございますが、右のほうを見ていただきますとおわかりのように、学歴が教員はほとんど大卒でございます。また、平均年齢も高いということから、これらを補正すると実質的な優位性は本俸では5パーセント、それから本俸と諸手当を加えましたいわゆる年収ベースで見ますと、その下の右側でございますが、2パーセントの優位性にとどまっているという実態にございます。
学校を取り巻く状況がますます複雑化、多様化して、教員の職務は以前と比較して困難度を増している中で、引き続き優秀な人材を確保するためには、私どもは人材確保法の趣旨が、今後もなお必要なものであると考えているところでございます。
もちろん、文部科学省として公務員の総人件費改革の方向性について、政府の一員として真摯に取り組んでいくべきものと考えておりますけれども、学校教育の枢要な基盤である教職員の数や給与水準に関しまして、公務員の総人件費削減の視点からの財政論のみの議論に基づいた内容というのは、やはり学校現場の実態や必要性、教育政策を踏まえられていないという点で問題があると考えております。
中教審でも、答申をいただいております点を踏まえまして、今後必要な教職員の数やその給与費は、文部科学省で責任を持って確保していく必要があると考えておりまして、実行計画、これから政府として作るわけでございますが、そういう姿勢で臨んでいきたいということを、本日はご報告をさせていただきました。
以上でございます。
【鳥居会長】 どうもありがとうございました。ただいま報告していただきました2つの件ですが、1つは三位一体の改革の件、それからもう1つが総人件費改革の件ですが、それらについて、あまり時間はないんですが、全体の時間の配分を考えますとあと七、八分しか余裕がないのですが、特にご意見がありましたら。どうぞ、赤田委員。
【赤田委員】 ありがとうございます。意見ではありませんが一言申し上げたいと思います。義務教育費国庫負担金制度につきまして一言申し上げます。
義務教育費国庫負担制度は維持されたものの、負担率を3分の1にすることは将来にわたって漸減する端緒となるおそれがあり、また地方負担の漸増は先々地域間格差が生じることにもなり、全国の子どもたちのためにどうあるべきかということを考えてなく、何の理念もない単なる数字合わせの結論で、人材育成を最も重要とする日本の将来にとって憂慮すべきことであります。
これは、義務教育費国庫負担制度は負担率を現行のまま同制度を維持するというこの中央教育審議会の答申と、我々PTAをはじめ、教育関係団体が行った同制度の堅持を求める署名によって得た全国の637万人の民意を無視するものであり、まことに遺憾であります。
小泉総理自身が所信表明で言われた米百俵の精神を尊重し、中央教育審議会の答申を真摯に受けとめ、憲法で保障された義務教育を国としてしっかりと責任を持つべきであり、今後も全国知事会をはじめとする地方6団体の動向を、保護者として注視してまいりたいと考えております。
以上でございます。ありがとうございました。
【鳥居会長】 ありがとうございました。それでは見城委員、どうぞ。時間がないので手短に。
【見城委員】 わかりました。ありがとうございます。この三位一体の改革のご報告を受けまして、「義務教育費国庫負担制度を堅持する」という一文を守っていただいたという点は評価すべきと思います。しかし、国庫負担の割合を3分の1ということは、少なくとも100時間を超える中教審の議論の中では一度も出なかったことですし、最終的な結論として2分の1を堅持ということでお出ししたはずです。こういった意味はどこへ行ってしまったんでしょうか。
やはり、この部分を各地方が既にあの段階で検証しましたときに、2分の1が崩れることで教育費が危ないと、そういう検証データが出ていたはずです。今後お願いしたいのは、3分の1にした場合に、本当に全国の義務教育の教育費がきちんと確保できるのか、こういったデータはきちんと検証して出していただきたい。
それから、できれば義務教育費国庫負担制度を堅持するということであれば、この特別部会でも全額国庫負担にすべきだという意見が多々出ておりました。その辺も含めてやはりここであきらめずに、今後の日本の現状を考えますと、これは何らかの形でもっと訴えていくと、そういう動きが必要ではないかと思います。
以上です。ありがとうございました。
【鳥居会長】 ありがとうございました。角田委員、どうぞ。
【角田委員】 ありがとうございます。2つ。まず1つは、この三位一体改革についてなんですけれども、やっぱりこうなってしまったのかという、大変残念な感じでいっぱいでございます。つまり、当初この財政論、数字合わせではなしに教育論でやるべきであるというところから、この義務教育特別部会がスタートしているというふうに思います。そして、そのために100時間以上の時間をかけて、かなりの時間に教育論を割いてきました。
後半については財政論になったわけですが、これはもう止むを得ないことだと思いますけれども、しかし、その結果がわずか1月間というその政府・与党合意といいましょうか、真摯な議論があったとは言いながらも、その中で、全くわからないうちに2分の1から3分の1になってしまった。これは非常に遺憾なことだと私は思っておりますし、中教審というものを一体どういうふうに国は考えているのかということについて、強くその辺のところの反省といいましょうか、しっかり考えていただきたいと思うところです。
そこで、それらを踏まえた上でご質問なんですけれども、今後引き続き検討するという項目がございます。今回は2分の1から3分の1になった。そして、それを引き続き検討する、その引き続きということについては、高等学校教育云々というふうな話が先ほど官房長からございましたけれども、今後の検討の中に、例えば4分の1、5分の1というように、国の堅持というのは、国庫負担の制度を堅持することはするけれども、その数がどんどん少なくなるといったようなことも、その「引き続き検討する」ということの中に入っているのか。逆に、もっと言えば、2分の1に戻す、あるいは全額にする、そういったようなことも含めて引き続き検討するという可能性があるのかどうか、この辺について事務局のほうからのお答えをいただければありがたいというのが1点目でございます。
2点目は、この経済財政諮問会議のことについてでございますけれども、「純減を確保する」という表現に対して、これは、今、教育が非常に厳しい状況になっている、児童数の減少よりもさらに強く教員の縮減を図っていく。教員の数が多いから減らしていくと、こういうところにはちっとも教育に対する理念が見えてこない、そういう感じがして非常に憤りを感じるわけです。
今、困難な状況であると同時に、さらに、これから教育立国として国は教育を大事にしていくんだと言いながら、やっていることが全然違う方向に向いているのではないかと、こういうことを非常に危惧するわけでございます。免許の更新制をし、さらには上申制をして質の高い教員を確保するという中で、給与が少なくなることになれば、ますます教員になり手が少なくなるのではないだろうかということを心配するわけでありまして、是非この辺についても、この経済財政諮問会議の意見については、もっとさらに、今後の20年、30年先の教育を考えて、真摯に対応していただきたいというふうに考えているところでございます。
以上です。
【鳥居会長】 ご質問が2つありましたので、事務局から。
【銭谷初等中等教育長】 それでは私のほうから、ただいまの2点のご質問についてご説明を申し上げます。
まず、政府・与党の決定の中で、「引き続き検討」とされたその内容の中で、負担率の問題はどうなるのかというお尋ねでございました。この点につきましては、文部科学大臣も会見等で再三申し上げているわけでございますが、今回の義務教育費国庫負担制度を堅持し、負担率を3分の1としたということは、もうこれ以上負担率を下げない恒久的な措置の意味合いであるというふうにまず理解をしているところでございます。
加えて、今後検討という場合には、幾つかの要素があるわけでございますが、1つは、政府・与党、特に与党の中で全額国庫負担こそ望ましいといったようなご意見が非常にあるわけでございまして、そういった観点も踏まえつつ、そこにございますように、中教審でも議論をされました、国と県と市町村の高等学校教育あるいは義務教育における役割、こういうことについて引き続き与党において議論をしていこうという趣旨の内容でございます。
それから、2点目の総人件費改革における教員数が、児童生徒の減少に伴う自然減以上に純減ということにつきましては、これは、教育条件の悪化を招くわけでございますので、私どもとしてはそういうことにならないように、今の角田委員のお話の趣旨も踏まえながら、この問題にしっかり取り組んでいきたいというふうに思っているところでございます。
【鳥居会長】 ありがとうございました。
児童生徒数の自然減の数と先生の自然減のパーセンテージと同じだと考えているほうが間違いですよね。例えば30人いた学級が20人の学級になったと、10人減ったと、先生が減らせるのかと、先生はやっぱり1クラスに1人ずつはいるわけですから、先生の数はクラスの数を基準にして考えてみれば、そんなことできるはずがないということはよくわかることで、ぜひ政府におかれても、そのような単純なことは理解していただきたいというふうに思います。
まだありますか。どうぞ、湯川委員。
【湯川委員】 私もこれは質問になるのだと思いますが、3分の1にいきなりなってしまったことに対して、大変に残念というかショックを受けています。数少ない発言でしたが、言ってきたことは、自分たちが一生懸命出している税金が、日本の国の義務教育に使われている、それが目に見えるということが大変大切だと思うので、できることなら私は全額をという感覚なんですが、その中で、児童生徒数の減少に伴った自然減以上に教職員を減らすということで、例えばどういう先生をどう減らすかということ。すでに疑問になっていることなんですが、よく訴えられることは、受験に役立つ勉強の先生はいても、大変大事な人間教育、感性教育にかかわるようなこと、例えば音楽の専門の先生なんていうのはどんどん減らされていって、音楽の専門の先生がいないというような学校があるということも、直接訴えを受けたりいろいろしております。
そういう意味で、本当に子どもの心、感性に向き合うような先生というのがどういうふうに配置され、配備されているのか。大体、地方や学校によって違うということはおかしいのではないかというふうに思いますので、そういうとっても大切な根幹のところで、簡単にその児童生徒数の減少に伴う自然減以上に減らすということではなくて、どういう先生がどういうふうに配置されて、どういう教育を行っているかということが、私どもにも何かの形で、文科省を通して、分かるようなデータなり何なりいただけたらとてもうれしいのですが。
【鳥居会長】 ありがとうございました。
何かお答えになる方がありましたら、どうぞ。
【銭谷初等中等教育長】 湯川先生には文書等でもご意見をいただきまして、本当に義務教育費国庫負担制度についてご心配を賜ったこと、私どもありがたく思っております。
それで、学校の教職員の数の決め方でございますけれども、学校で学級編制をいたします。先ほど会長からもお話がございましたように、例えば、子どもが1学年70人おりますと2クラスということになりますね。その学級数に応じて、まず教員の基本的な数が決まってまいります。
小学校の場合は、クラスよりも若干多い先生が要るわけでございますが、中学校の場合は、学級担任に加えて各教科の先生も必要になりますので、教科の指導に必要な先生、クラス担任と合わせて措置をされるということになります。それは、各学校の基礎定数というふうに呼んでおりますけれども、学校ごとの基本的な教員の数が決まります。
それに加えて、最近は非常に子どもたちの生活指導など大変な学校とか、あるいは数学とか英語とか、そういう少人数教育というのが必要な教科などについて、そのための先生を加配したり、あるいは発達障害の子どもさんがいるような場合には、そのために必要な先生を措置しているという、加えて配るというふうに言いますが、加配という先生を措置しております。その基礎定数と加配の定数合わせて教職員の数ということになるわけでございます。
児童生徒数に応じた教職員数の自然減というのは、まずその学級編制だと70人子どもがいたのが30人に減って、クラスが1クラスになるということで、先生が一人減るということは理解できるかと思うのですが、経済財政諮問会議ではそれ以上に先生を減らしなさいということですので、私どもとしてはそれはちょっとおかしいのではないかということで、今取り組んでいこうとしているところでございます。
【鳥居会長】 ありがとうございました。
時間の関係で、この議題については、まだご意見もおありだとは思いますが、次の議題に移らせていただきたいと思います。
なお、馳副大臣とそれから有村大臣政務官におかれては、ご公務のためにちょうどこの時間でご退席というふうに伺っております。どうもありがとうございました。
それでは、次の議題に入らせていただきます。「今後の教員養成・免許制度の在り方について」の中間報告の案ができましたのでご審議をいただきたいと思います。
初等中等教育分科会長をお務めくださっております木村副会長から、中間報告案の概要についてご説明をお願いいたします。
【木村副会長】 それでは「今後の教員養成・免許制度の在り方について」の中間報告案についてご説明申し上げます。
中間報告案そのものは資料の2-3で、それの概要をまとめたものが資料の2-2、さらに、そのポイントをまとめたものが色刷りの資料の2-1となっております。
私のほうから、初めに資料の2-1に基づきまして、中間報告案のポイントについてご説明申し上げ、その後事務局から具体的な改革方策を中心に、報告案の概要について説明をしてもらうことにしてます。よろしくお願いいたします。
初等中等教育分科会では、昨年の10月に諮問をいただきまして以来、教員養成部会を中心に1年余りにわたり審議を行ってまいりました。
諮問事項のうち、教職大学院制度、これは資料2-1の赤い数字の2番目でありますけれども、それと3番目の教員免許更新制の導入等につきましては、部会の下にそれぞれワーキンググループを設置いたしまして、専門的な見地から検討を行いました。
また、関係団体のヒアリングを行って、各方面の意見をお聞きするとともに、義務教育特別部会における議論、あるいはまた、去る10月26日の本審議会の答申「新しい時代の義務教育を創造する」、これも踏まえつつ議論を進めてきております。
去る12月5日に開催されました初等中等教育分科会におきまして、これらの議論をもとに中間報告案を取りまとめましたので、その基本的な考え方について、まずご説明を申し上げます。
今回の中間報告案全体を貫く理念は、変化の激しいこれからの社会や、質の高い教育を求める国民の声に応えていくためには、何よりも子どもたちの教育に直接携わる教員が、広く国民や社会から尊敬と信頼を得られる存在となることが重要であるとの考え方でございます。
中間報告案では、この理念を具体化あるいはまた実現するためには、教員の養成・採用、現職研修等の各段階における改革を総合的に進めることが必要であるが、とりわけ教員養成並びに免許制度の改革が重要であることを強調しております。
中間報告案では、具体的に改革を進めるに当たりましては、大学における養成、開放制という教員養成の基本原則は尊重しつつも、教員を取り巻く非常に厳しい状況や、大学の教職課程が抱えますさまざまな課題等を考慮いたしますと、現在を我が国の教員養成の大きな転換期ととらえて改革を進めていく必要があるとしております。
改革の方向としては、教員が信頼されるためには、その養成課程と免許制度が信頼に足るものでなければならないという観点から、大学の教職課程を、教員として必要な資質能力を確実に身につけさせるものに、また教員免許状を、教員に必要な資質能力を確実に保証するものにそれぞれ改革すべきであるという方向性を提示しております。
改革の具体的方策としては、そこの赤い字のところでございますが、教職課程の質的水準の向上、それから、2番目の教職大学院制度の創設、3番目の教員免許更新制の導入、この3つの柱を掲げておりますが、これらはそれぞれ別個の項目として提言しているものではなく、養成段階から教職生活に至る全プロセスを通じて、資質保持のために総合的に改革を推進する必要があるという考え方のもとに提言をしているものでございます。
1番目の教職課程につきましては、教員養成の現状に対する厳しい批判に応えますために、既存の教職課程、特に学部段階の教職課程について、大学が責任を持って必要な資質能力を身につけさせるものとなるよう改革する必要があり、この観点から、各大学における組織的指導体制の整備や、教職課程の事後評価制度の導入等を提言しております。
2番目の、教職大学院制度の創設につきましては、社会のさまざまな領域におきまして、近年高度専門職業人が求められているという状況を踏まえまして、教員についても、より高度な専門性を備えた力量ある教員を養成するとともに、ただいま述べましたような教職課程改善のモデルとなるよう、教員養成に特化した専門職大学院として、教職大学院制度の創設を提言しております。
3番目の教員免許更新制の導入につきましては、養成段階を終了した後も、学校教育を取り巻く激しい変化に対応して必要な資質能力を確実に保持していくためには、免許状の在り方を抜本的に見直す必要があるとの観点から、免許状に一定の有効期限を付し、有効期限の到来時に資質・技能のリニューアルを図る必要があるとしまして、このための方策として、教員免許更新制の導入を提言しております。
以上のほか、中間報告案では、教職生活の全体を通じて資質能力の向上を図ります観点から、採用や現職研修、人事管理、教員評価の改善・充実等についても幾つかの提言を行っております。
中間報告案の基本的な考え方は以上のとおりでございますが、引き続き事務局のほうから、報告案の概要について説明をしたいと思います。よろしくお願いいたします。
【鳥居会長】 それでは戸渡教職員課長からご説明をお願いいたします。
【戸渡教職員課長】 教職員課長でございます。それでは私のほうから、中間報告案につきまして、具体的改革方策の部分を中心にご説明をさせていただきたいと思います。資料2-1(中間報告案のポイント)という資料に基づきましてご説明させていただきたいと思います。
先ほど分科会長のほうからもご報告いただきましたとおり、今回の報告案におきましては、改革の方向として大きく2つの方向が示されているわけでございますが、第1点目の、「大学の教職課程を、教員として必要な資質能力を確実に身につけさせるものに改革する。」という、この改革の基本的方向を受けまして、具体的方策としては、大きく下の改革方策のところの1番目と2番目が提言されているところでございます。
まず第1点目の「教職課程の質的水準の向上」という部分でございますが、大学で責任を持って教員として必要な資質能力を確実に身に付けさせるというために、まずは学部段階を中心に行われております教職課程につきまして、各大学における組織的指導体制を整備していくということで、大きく3点提言をいただいております。
1点目は「『教職指導』の実施を法令上、明確化」という点でございます。現在、教員養成段階におきましては個々の単位を習得していくという形が中心になるわけでございますけれども、その単位習得につきまして、個々の知識・技能のきちんとその単位習得の間をつなげていく、それによります教科指導や生徒指導等を実践できる資質能力の形成を、指導、助言、援助していく。それによってしっかりとした教員養成を図っていくという、そういう取り組みとしての教職指導、この部分、現在も行われておるわけでございますけれども、きちんと実施していくべき旨を、法令上も明確化してしっかり取り組んでいっていただく、そういう仕組みを整備する必要があるというのが、第1点でございます。
それから、第2点目の「教職実践演習(仮称)の新設・必修化」という点でございます。現在教職課程におきましては、個々の単位集積によりまして、卒業単位修了段階におきまして、個々人において、教員としての必要な資質能力が形成されているはずであるとされておるわけでございますけれども、この部分につきましても、養成段階である大学におきまして、使命感や責任感、教育的愛情等を持って教科指導等をきちんと実践できる資質能力というものが、確実に形成されているかどうかという部分を最終段階のところで確認し、大学として責任を持って送り出すということを確立するためにも、教職実践演習の新設とその必修化が必要であるという旨の提言をいただいております。
また、併せまして各大学において体系的な教育の展開を図っていく上で「教員養成カリキュラム委員会」等の設置推進とその機能の充実・強化を図っていくべき旨、提言されているところでございます。
そういった大学における指導体制の整備と併せまして、現在教職課程につきましては、文部科学大臣が認定ということを行っておるわけでございますけれども、そこの水準が確実に担保されているという点について、事後的にきちんとその水準担保が図れるような仕組みを整備していく必要があるということで、外部評価や第三者評価の導入、また水準が満たされていない法令違反等があるといった場合には、取り消し等をできるような措置を整備していくということが必要であるという内容となってございます。
大きな2点目の「教職大学院制度の創設」という点でございますが、1に述べておりますような学部段階における教職課程の充実の上に立って、より高度な専門性を備えた力量ある、また実践力のある教員を養成して、教職課程改善のモデルとなる、そういうものとして、教職大学院制度というものを創設していく必要があるとされておるところでございます。
この大学院におきましては、主に実践的な指導力を備えた新人教員の養成と現職教員を対象にスクールリーダーの養成を図っていくということを目的・機能といたしまして、教育課程につきましては、それを実現するために、事例研究やフィールドワークといったものを中心としながら、また教員組織につきましては、いわゆる学校現場経験等を持った実務家教員と言われる方を4割以上配置いたしまして、2年間にわたって45単位以上修得していただくというような形で、実践的な教育を行っていこうということでございます。
特に、修了要件といたしましては10単位以上は学校における実習ということで、現在の学部段階における実習の2.5倍に相当するような実習を準備いたしまして、さらにその実習等を進めるに当たりましても、市中の学校から連携協力校といったものを設定しておくことを義務づけて、実践的な教育、高等専門職業人の養成を図っていこうという内容でございます。
こういった大学の教職課程の充実の上に立ちまして免許状が授与されるわけでございますけれども、改革の大きな方向でございます2点目、教員免許状を教職生活の全体を通じて、教員として必要な資質能力を確実に保証するものに改革をするということで、養成段階の充実の上に立ちまして授与された免許状、それが生涯を通じて確実に能力を保証するものに改革をしていく必要があると、そういう改革の方向に立ちまして、教員免許状につきましては、免許更新制の導入というものが提言をされてございます。
この更新制の趣旨でございますけれども、免許状の取得後も、その時々で求められる教員として必要な資質能力というものが確実に保持されるように、定期的に必要な刷新、リニューアルを図るための制度として、更新制を導入するという考え方で整理されてございます。
免許状の有効期限につきましては10年間といたしまして、その10年間の有効期限内に一定の講習を受講いただいて修了するということによりまして、免許状を更新をしていくと。
講習の内容といたしましては、先ほどご説明いたしました教職実践演習という形で、新たに設置される科目として求めておる内容と同様の内容、及びその時々で求められます資質能力に刷新する内容、そういった内容を含むものとして講習を考えていく必要があるということでございます。
なお、この更新の講習を修了できなかった場合でございますけれども、その場合には免許状は失効するということでございます。ただ、一度失効はいたしますけれども、例えば、いわゆるペーパーティーチャーと言われる方々、あるいは今は教職から退くけれども、もうしばらくしたら教職にまた就きたいといったような方々につきましては、有効期限が切れても、また講習を受講していただければ免許状は再授与されるということで、失効してもまた一から取り直す必要はないというような仕組みで整理をすることが必要であるとされてございます。
なお、一番下でございますけれども、現在の教員免許制度によりまして、教員免許状を有しておられる現職教員の方々へのこの更新制の適用につきましては、制度上、また実施上さまざまな課題がございますので、そういった課題の整理をしながら、可能かどうかについて、さらに検討していくことが必要であるとされておるところでございます。
4番目の「その他」のところでございますけれども、特に取上げ事由の強化という部分でございますが、現在、教員免許状につきましては懲戒免職処分を受けた場合に、免許状が失効または取り上げられるという制度になっておるわけでございますけれども、いわゆる指導力がないという形で分限免職処分を受けた者についても免許状の取上げが可能かどうか、取上げられる方向で検討は必要であるという提言もいただいておるところでございます。
また併せまして、現に教職に就く方につきましては、採用段階で人物重視の採用の一層の充実といったこと、また受験年齢制限の緩和や撤廃、民間企業経験者等の活用など、多様な人材の登用促進を図っていく必要があるということ、また、現に教職に就いておられる方については、研修の改善・充実、人事管理制度ということで、例えば、指導力不足教員に対します人事管理システムによる分限制度の厳格な適用といったことなどを一層推進していくと同時に、一人一人の先生方が能力や業績というものをきちんと評価されて、その結果が処遇にも適切に反映されるような、そういう評価システムが必要であるといったことも、併せて提言いただいているところでございます。
以上でございます。
【鳥居会長】 どうもありがとうございました。
時間がだいぶ予定よりもたってしまっているんですが、皆様からご意見がありましたら伺いたいと思います。
梶田委員は、教員養成部会長をお務めくださいましたので、後で適宜時間の範囲内でお願いしたいと思います。飯野委員からどうぞ。
【飯野委員】 簡単なことなんですが、こういった改革によって教員の質が高くなるということは大変望ましいことですので、歓迎したいと思いますけれども、教職大学院制度の創設というところで、私は、これまで教員養成にかかわってきた大学、小さいながら一生懸命いい教員をつくるように頑張ってきていたようなところに、どれぐらいの配慮があるのかなという気がちょっといたします。
こういう教職大学院制度をつくるということで、明らかにそうでない今普通の学部、大学院で教員を養成しているところと差がはっきりとつけられるということですね。ですから、この大学院を出た場合には、もう初めからこれだけの資格を持っているとみなされるという前提ができるわけなんです。一方では、採用の場合には人物を中心に評価するとおっしゃっているわけなんですが、こういったはっきりとしたランクづけをした上で、また人物でというのは、何かちょっと矛盾している気がいたします。
ですから、これまで普通の形で教員養成をしてきたところが、このモデルになるという教職大学院を目指して、いずれはこういうものになっていくというところを目指していらっしゃるのか、そのあたりを伺いたく思います。
【鳥居会長】 梶田委員からでよろしいですか。
【梶田委員】 今おっしゃるとおりで、いずれは大学院ぐらいまでみんな出て、それで教職につくということが望ましいという話は、教員養成部会ではもうしばしば出ているわけですが、これは、例えばフィンランドではみんなそうなっているとか、多くのところではそういうふうになっております。あるいは2000年12月に報告が出ました教育改革国民会議の報告でもそういうふうになっております。
しかしこれは将来の話でして、そこに至るまで、今はご承知だと思いますが、例えば、今小学校・中学校で義務教育で教える場合に、短大でもいいんです、4年制でもいいんです。それからマスターでもいいんですね。そういうことになっておりますが、これを全部今一時に教職大学院にしようということでは全くなくて、今の制度はそのままにしながら、教職大学院という制度をつくることによって、今の教員養成のカリキュラム全体に、ひとつインパクトを与えたいというのが一番大きいわけですね。教職大学院をつくるということだけを取り上げて考えているわけではないということがございます。
いずれにせよ、今教職大学院をつくるから何か格差ができるんじゃなくて、もう既に免許状の種類に格差はあるんですよ。短大、学部、それからマスター、もう既にあるんです。それは将来的にはこれも整理しながら、全体の底上げもしながらという中で教職大学院の制度を、これを1つ、プラスアルファするのではなくて、ほかのものに全部いい影響を持つようにつくっていこうということで、かなりハードルの高いそういう中身を、カリキュラムの必要条件としてこれは言っているという、そういうことでありますので、その辺をぜひご理解いただきたいと思います。
【鳥居会長】 ほかにご意見ありますか。松下委員、どうぞ。
【松下委員】 お願い事でございます。制度とかカリキュラムの内容が整うということは非常に大事なことなんですが、そこで学ぶ一人一人の教員志望の学生が、知識、技術とともに子どもを育てる心が体得されていかなければならないと思うのです。
先ほど、「個人において、一人一人においての資質の向上」という言葉もございましたけれども、育てる心を体得するために一番大事なことは、生身の子どもにたくさん触れるということであると私は思っております。
この中間報告案の13ページの下のところにありますが、学校教育の場面のみならず、いろいろな場面で子どもに触れる実践を多く取り入れていっていただきたい。どのぐらいの実践をしたかということを記録し、単位につなげることがあってもいいのではないかと思います。学校外教育にかかわる者としては、学校の教室とか学校の中での子どもたちと全く違う顔色、喜々として行動している子どもたちに、先生になりたい学生に多く触れていただきたいということが願いです。
【鳥居会長】 ありがとうございました。
先ほどもう一人どなたか、角田委員、どうぞ。
【角田委員】 たびたび恐れ入ります。
私はこの教員養成の部会にも所属をしておりますので、今までこのことについてはよりよい制度に改革されるということで、努力をしてきたつもりでございますが、この答申1つ、あるいはこのことだけを考えてみると、非常に重要なことで、教員の資質向上ということは絶対やっていかなきゃいけないことだというふうに思って、これは大賛成なんです。
しかし、先ほどの国庫負担制度の問題と絡めて考えていくと、例えば人確法をなくす可能性がありますよと。つまり、教員の給与は一般の事務職と同じになる、あるいは場合によっては、総額裁量制ということを導入するともっと低くなるかもしれない。さらには、その教員の人数も児童の減少にあわせて減らしますよ、もっと減らしますよと、こういう数も減らしますよという問題が出てきます。処遇は悪くなるわ、あるいは教員の数は減らされるわということで、幾らこういういい制度をつくっても、教員になり手がなかったら、そして処遇をきちっとしていかなかったらば、やはりこれ絵にかいたもちになってしまうのではないかという、そこのところが非常に危惧されるところでございますので、ぜひ、処遇については十分ご配慮いただきたいというふうに考えております。
以上です。
【鳥居会長】 ありがとうございました。それでは野中委員、どうぞ。
【野中委員】 質問を1つ。
今、学生たちの間で、ほんとうに教員になりたくて教職を取る子どもたちと、それから「リスクマメジメントね」って言って取っている子たちも取れる制度をどのように考えるのか、また、時代の変化を踏まえた中身の改革、教員養成のカリキュラムの課程のことを、どのように考えるのかちょっと1つお聞きしたいんですが、それは長くなるのでまた、別の機会で。
人数で、今毎年その認定を受ける人数とそれから採用される人数、粗々でいいのですが、認定を受ける生徒の人数というのはおわかりになりますか。
【鳥居会長】 どうぞ。
【戸渡教職員課長】 毎年教員免許状を新たに取得されておられる実人数といたしましては、約11万人ちょっとでございまして、毎年度採用されております人数というのは、約2万人が小学校・中学校・高校の教員として採用されている、全体としてはそういう感じでございます。
【野中委員】 ありがとうございました。
戦後先生方がたくさん出てくるといいなと思う形で始められたその教員養成のシステムと、それから、この審議会がずっとやってきてくださったように、時代が激変する中で、先生の質を高めていこう、それから先生になりたいとほんとうに思っている子どもたちは、どこで教育を受けられるのかといったことが、全体の制度を改良していくのと同時に、何かそのあたりのところできっと工夫をしてくださってきているんだと思いますけれども、先ほど梶田先生からお話があったように、大学院を、その部分でもし、この部会の中で、改革をするので一番ここを変えれば、変えたいなというプライオリティがあるとすれば、それだけちょっとお教えいただけますか。部会のプロセスの中で、例えば免許制の更新なのか、それとも大学院なのか。
【梶田委員】 すべて通じて一番変えたいのは、教師というのはやっぱり子どもが好きでなきゃいけないし、それからとことん子どもとつき合おうという熱意とか使命感がなきゃいけないし、人間的な資質が一番大事だというところが、もう部会でいつも出ていることなんですよ。ただ、お勉強をよくやっていろんなことを知って、それからハウツーで、これはこういうふうにしたらいい、ああいうふうにしたらいいと、これはもちろん必要不可欠ですけれども、十分条件じゃないんですね。
一番、もう繰り返し繰り返しで、免許更新制でも、教職大学院でも、あるいはこれから大学そのものの教職課程の充実ということでもあるし、繰り返しでそれです。
これは、実は先ほど松下先生がちょっとおっしゃったことと関係しているんですけれども、そういうことのために、教職大学院ではインターンシップを非常に大事にしようと、普通の実習じゃなくて、現場につけ込んで、そこでいろんなことをやりながら、具体的に子どもとのつき合い方、物の言い方から始め、ぐずっている子どもをどういうふうにケアするかというようなことまで含めて、非常にある意味ではプリミティブだけれども、根本のところを一番重視した教員養成研修の改革をしなければ、何をやっても絵にかいたもちになるんじゃないかということは、繰り返し出ております。その辺が多分プライオリティというふうに思います。
【鳥居会長】 それでは見城委員、手を挙げられましたので、どうぞ。
【見城委員】 以前にも1回質問させていただいて、そのときに、それは問題として残っていると言われた部分なんですが、教育学部の大学院と、それからこの教職大学院、今のご説明で違いというものはわかりましたが、そうなると今後の教育学部から大学院に行く、その意味というのがどういうふうに位置づけられるのか。
それから2点目は、教職大学院制度の場合、実務家教員4割以上というという点です。というのは、大学生、学部からこちらの教職大学院に入っていくというのは、希望してもそう簡単には入れなくなる。つまり実務家が4割以上という意味、入り口になる部分と教育体制をどのように想定していらっしゃるんでしょうか。つまり学部のフレッシュマンに対してどういうふうに想定していらっしゃるのか、この2点です。
【戸渡教職員課長】 私のほうから、制度の内容としてちょっとご説明させていただきたいと思います。
資料2-1の2枚目に教職大学院制度の概要がございます。2番目の青のところでございます。教職大学院の主な目的・機能というところでございますけれども、学部段階で教員としての基礎的・基本的な資質能力を修得した学生、そういった方が入ってこられるという部分と先ほどの現職教員とあるわけです。
まず、学部段階で教員としての基礎的・基本的な資質能力を修得した学生という者も、別に教育学部の学生さんだけではなくて、現在は開放制ということで、いろいろな学部のところでも免許が取れると。それによって多様な人材をということになっておりますので、いろいろな学部から進学してくる学生さんがおられると。
それ以外に、学部段階で教員としてのいわゆる科目等をとっておられない方についても、この教職大学院に入学できるような、そういうコースの設定も可能にしていくということで、広く門戸を開けた形で、大学院レベルにおいて、理論と実践を融合した教育を展開することによって1つのモデルをつくっていく、そういう形で整理をされているというのがこの制度の概要でございます。
【梶田委員】 ちょっとだけよろしいですか。
【鳥居会長】 はい。
【梶田委員】 今のとおりなんですけれども、今まで教育学部の上に大学院があるわけですよね。これはこれで大事にしていきます。だけどもそのほかに、結局、1つは社会人をやっていて、社会人というかほかの職業ですね、例えば会社に勤めていて、30、40、50歳で、やはり自分は小学校で教えてみよう、こういう人にきちっとした、しかもレベルの高いそういう免許取得の道も開こうと。
それから学部段階では、理学部に行った、文学部に行った、農学部に行った、そういう人が、出てみて、あるいは3年生、4年生になって、やはり教職にという人を受け入れていく、こういうのもあります。
それから、もちろん従来の教育学部ではあるけれども、少し今までの大学院と毛色の変わった、もっとすぐに役立つといいますか、先ほどインターンシップを大事にするということを言いましたけれども、こういうようなことでやろうというそういう人も入ってきてという、それからもう1つは現職の先生ですね、30、40、50歳まで先生をやってきたけれども、ここで一休みしてもう一度自分を磨き直したいという人が入っていく、細かく4種類ですね。4種類の学生というか大学院生と一緒に学ぶことによって、今までの教育学部の上にある大学院とはひと味違うものにしていこうというのが、今回の教職大学院の構想なんです。
だからといって、教育学部の上にそのままこれを、教育学部でやってきたものを深めていく、高めていくというものが必要なくなるわけはないと、これはこれで同時並行でまだやっていこうという、今こういう考え方です。
ですから、教育学部を出れば、そのまま上に行ってもいいし、教職大学院のほうにも行っていいしと、こういうふうなことになります。滑り出しのときには、確かにそうたくさんすぐに教職大学院をぽんぽんぽんというわけにはいかないでしょうね。若干入り口は狭くなるかもしれませんが、これは年を追って条件整備ができたところから教職大学院をつくっていくことによって、どちらでも勉強できるような道を全国どこにでも準備しようというような話が部会では随分出ております。そういう方向に行くだろうと思いますし、行ってほしい、そういうふうに思っております。
【鳥居会長】 今の件に関連しているかもしれませんので、安西委員から、その後私から確認があります。
【安西委員】 手短に質問申し上げます。
教職大学院について、これ大学院ということになりまして、学費の問題なんですけれども、国立・公立・私立の学費格差が非常に大きく出てくるのではないかということをかなり懸念いたします。その点について、やはり教職ということでありますから、そういう国立・公立・私立にかかわらずやはりいい教育ができるように、もし教職大学院をやるのであったら、するようにしていただきたいと思いますけれども、私学の教職大学院ができるとしたときに、やはり学費が相当高くなる可能性がありますので、その点についてどう思われるかということはお聞きしておきたいと思います。
【鳥居会長】 ありがとうございました。
1つ確認なんですが、戸渡課長の説明と梶田委員の説明とで食い違っているところが2カ所あると思うんですけれども、それを質問の形で申し上げます。
いろんな学部の学生で、学部学生のときには教職課程をとらなかった者を、この大学院に入れるということも含むのかどうか。戸渡課長の説明ではそれは入ってないと思ったんですけれども。
それから2番目の質問ですけれども、社会人を入れるということを梶田委員、盛んに強調してくださいましたが、この資料の2-1の2番の部分を読むと、そのことが入っていませんけれども、それはどうなるのでしょうか。
【戸渡教職員課長】 すみません。私の説明が不足しておったかと思いますが、2のところの2の
に書いてございます部分の括弧の中でございますが、一種免許状未取得の学生についても、専門職大学院在学中に並行履修で免許状が取得できるようにしていくという形で、そういった学生も受け入れられる制度として考えて検討されているということでございます。
【鳥居会長】 これは、未取得というのは未履修。
【戸渡教職員課長】 未履修ということでございます。
【鳥居会長】 未履修も含むわけですね。それならわかります。
【戸渡教職員課長】 それから、社会人という方々については、別に出てすぐ入ってくる方々だけではなくて、一度社会に出ている方も、未取得の人もおられれば、学部段階で免許は取ったけども、一度社会に出てまた教職大学院に行きたいという方もおられるわけでございます。そういった方も当然広く受け入れていくものとして、この教職大学院は設置されます。
【鳥居会長】 それはここには書いてありませんね。
【戸渡教職員課長】 1の中に、学部段階で勉強したかどうかというところで書いてあるものですから、その後直結でなければいけないという趣旨では、この
のところはないということでございます。ちょっとわかりにくくて恐縮でございます。
【鳥居会長】 今日中間報告案をまとめるわけですけれども、中間報告案の中では、それはどこにどう書いてありますか。
【戸渡教職員課長】 この学部段階での教員としての基礎的・基本的な資質能力を修得したというのは、学部段階で勉強しているかしてないかという部分でございますので、そこから直結というところまでこれで意図してないわけでございますが、報告でいきますと22ページの部分でございます。
22ページの一番上の丸でございますけれども、「教員免許状を持たないまま大学を卒業し、社会経験を経た者等が、改めて教職を目指す場合の1つの有力な養成機関としての機能についても」ということで記述してあるということでございます。
【鳥居会長】 書いてありますね。わかりました。
それから、安西委員の質問には……。今の件はわかりましたのでもういいですけれども。
【戸渡教職員課長】 安西委員からのご意見の部分でございますが、ここにつきましては、中教審において学費の格差の点のご指摘がございましたが、現在制度設計についてご審議をいただいている段階であるということでございますが、国立大学に設置されます教職大学院の学費の基準額、そこをどういうようにしていくのかといったことを含めまして、これから制度が創設されるのにあわせて、文部科学省としても検討していきたいと思っているところでございます。現在の段階では、すぐれた教員養成支援のための教員養成推進プログラムとか、専門職大学院との形成支援プログラムというものを、国立・公立・私立の区別なく支援を行ってきているということもございます。そういった実績も生かしながら、国立・公立・私立を通じて教職大学院に係る各大学の意欲的な取り組みの支援方策というのを考えていきたいということです。
【鳥居会長】 法科大学院をつくったときに同じような問題が起きまして、いろいろ乗り越えてきたわけですけれども、似たようなことをこれからやっていくんだと思います。
どなたか手を、金子委員、どうぞ。
【金子委員】 先ほどの専門職大学院としての教職大学院と、それから従来の一般型の大学院との関係でありますけれども、先ほど梶田先生のお話を伺っておりますと、両者は併存して高度の教員養成を行っていくということだというふうに伺ったんですが、私もそれは2つのタイプといいますか、幾つかのタイプが同時に併存して、そのいいところがだんだんできてくればいいというふうに、将来的には思うわけでありますけれども、この色刷りの物の2ページ目の「教職大学院の主な目的・機能」というところですが、この米印で、「これ以外の教育分野の専門職大学院については、各大学の自主的な検討により、一般の専門職大学院として設置されることも含め、先進的・意欲的な取り組みの推進を期待する」というふうになっておりますが、これまでの大学院は必ずしも専門職大学院ではないわけでありまして、そういう一般の大学院課程においてこのような高度な教員養成を行うということも、私は十分あり得ると思いますし、先般出ました大学院についての報告を読みましても、大学院生をあまり縦割りにしないで、1つの大枠の中で幾つかのプログラムをつくっていくというような、柔軟な制度もあり得るべしというような方向で議論が行われているところでありますから、そういった意味では、通常の専門職大学院という名を冠しない大学院でも、そういったことは十分可能であるということは言うべきだと私は思います。
この意味で、その専門職大学院と限る必要は必ずしもないのではないかというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
【戸渡教職員課長】 部会等でご審議いただいていると、それは委員のご指摘のとおりでございます。ここに書いてございます教職大学院という枠組みの中にすべて教員に係るものは入れ込んでいくのかという点につきまして、そうではなくて、いろいろな先導的取り組みとして、この教職大学院という枠組みの外での専門職大学院制度を活用した取り組みというのもあるだろうし、先生ご指摘のように、一般の現在の大学院制度の中で意欲的な取り組みをやっていく。そこは今でもいろいろ各大学のご判断で取り組める分野でございますので、そこについてあえてこうあるべきだというのは、全体のその一部のところの、現在の教職課程の改善充実というところの中に絶対入っているということで、そこの取り組みを専門職大学院だけに限るとか、そういう形で整理してある部分ではないということでございます。
【鳥居会長】 これも法科大学院をつくるときに随分議論したことですが、法学部の大学院はどうなるんだという話がずっと出続けたわけです。同じような問題が、教育学部の大学院が既にあるところはどうなるんだろうという問題も重なって問題になってくると思いますので、今ちょっと幾つか手が挙がりましたけれども、梶田委員、どうぞ。
【梶田委員】 何か教職大学院という金太郎あめみたいな、どこを切っても同じような大学院ができるということじゃないんですよ。こういう新しい制度をつくろうと、それぞれこの新しい設置基準をつくるわけですよね、教職大学のちょっとハードルの高い、例えば、現場で教えたことの経験のある先生が4割以上いなきゃいけないとか、カリキュラムにもこういうものを備えなきゃいけないとかっていう、ちょっと違う設置基準をつくるわけですけれども、いずれにせよ、それを満たしながら、大学というのは、私もずっと大学におりましたから申し上げますけれども、どこかでつくったものを金太郎あめでうちもやりますと、こういう話じゃなくて、こういう制度を活用して、例えば私のおります兵庫教育大学だったら、新しいすぐれた教員の養成・研修のプログラムをどう立ち上げるかという話なんです。
したがって、教員になる人とか教員の現職の先生の研修に、これから3種類の違う枠組みができるということなんです。これは教育学部の上にある従来型の一般的な大学の設置基準であるものが1つあります。
それからもう1つが、専門職大学院という1つの枠組みが法科大学院のときにできているわけですよ。この枠組みの中でやるという、例えば既に臨床心理関係だとか教育に関係するいろんなことで、あるいは東京大学もそれで多分おやりになると思いますけれども、専門職大学院というこの枠組みの中でやる、その設置基準でやるプログラムの立て方が、1つ試みがある。
もう一つが、それとちょっと違う非常に実践性を重視した教職大学院という、これは専門職大学院の枠の中ですけれども、特別に法科大学院と教職大学院はちょっと設置基準を変えているわけですね。そういうことでやるということでありまして、これはもう言うまでもないことだと思いますけれども、金太郎あめみたいな教職大学院を全国につくっていくということはない。基本的には、各大学がより一層うちのプログラムを、教員の養成とか研修のプログラムをどうつくろうかというときに、どの枠でいこうか。既設の大学院でいこうか、専門職大学院の枠でいこうか、新しい教職大学院の枠でいこうか、そういう話になると思いますので、ぜひその辺をご理解いただきたい。
【鳥居会長】 まだご意見あるかもしれませんが、時間が大分経過していますので、このあたりで……、まだありますか。じゃ、一言ずつに、ちょっともう15分ほど時間が経過しているので、5時に終わらなくなっちゃうんで、ほんとうに簡単に。江上委員から。
【江上委員】 教職大学院制度創設についてですが、本編の22ページに、今回の大きな目的に加えて、隣接するものとして、小学校・中学校・高等学校の管理者等に必要な高度なマネジメント能力に特化した養成機能もあると、このように書いてあるんですが、私、先般東京都のある区で小学校・中学校の校長先生たちの講演と懇談する機会があってちょっと調査をさせていただいたんですが、自らのそのリーダーシップを陶冶するのに、教育学の大学院と、それからそれ以外のいろいろ幾つかの要素と、どちらが自分にとって最も役立つかということを伺いましたら、やはり教育界以外の人材との交流、あるいはそのケースというような、情報の取得ということが非常に上位に上がってまいりましたので、この教職大学院制度のカリキュラム、その教育の方法論等に、そういった観点もぜひとどめていただきたいなと思います。
それからもう1点は、これは今回ではなくて結構なんですが、教員免許更新制で海外で導入している事例があれば、それの成果も教えていただきたいと思うんですが。
【鳥居会長】 今日は中間報告案についてご審議をいただいています。けれども、今度答申をまとめますので、それまでの間に、今江上委員からリクエストのあったような情報を、事務局でぜひお願いしたいと思います。
それでは、見城委員も手短にお願いします。
【見城委員】 すみません、短くいたします。
この中間報告案の中で、もう26ページに入学者選抜のことが出てますが、読ませていただいても具体的ではないだけに少しわかりにくい部分があります。どういう形で入学者選抜が行われるのかというのをもう少し具体的にこれは煮詰めていただきたいと思います。それはやっぱりどういう試験をするのかというのも、面接なのか、何をその人の資質として見出していくのか、そういうセレクトしていく方法が、ほんとうに具体的にないのかあるのか、これではわからない。
私がなぜこういう質問をさせていただくかというと、国民がこの段階で教職大学院というものは本当に必要なのかどうかという疑問すら持っている、そういうこともあるわけです。ですから、これをつくる以上はやっぱり成功してほしい。そのためには入学者の選抜というのは非常に重要な部分だと思います。これがまだはっきりしていないという部分と、2点目は、先ほどもちょっと触れさせていただきましたが、教員組織として、実務家教員4割以上となっていますが、これは具体的に現在の先生方がつくということでしょうか。
現在、例えば小学校や中学とかそういうところで実際に教師をしている方々の、そういう実務家教員として4割以上は入れていくと。例えばそういう場合に、その教員は一、二年教えてまた学校の現場へ戻れるとか、そういうようなことで考えていらっしゃるんですか。その辺も含めて、教える教員の体制というのは重要だと思います。これだけでは不十分なところがありますのでお願いいたします。
【鳥居会長】 それでは、今のはご質問の形もありましたけれども、お答えになりますか。
【梶田委員】 一言だけ。
【鳥居会長】 では、手短にお願いします。大分時間が経過しております。
【梶田委員】 まだ入試の問題はこれから詰めていくことになると思います。今ワーキンググループをつくって、カリキュラムも入試もやっております。これは、まだ中間ですので、次に出すときにはもう少し詳しく。
もう1つの実務家教員、これが誤解があるといけませんので、ちょっと申し上げておきますと、今教えている先生ももちろんいいわけですが、例えば、兵庫教育大学で、もう来年春から2人実務経験のある人をお招きするということで募集しましたら、何十人か応募がありました。ほとんどドクターかマスターを持っております。ただし、今ドクターやマスターを持って高校で教えているとか、あるいは小学校・中学校で教えているとか、あるいは多くは教育委員会におられるとか、センターにおられるとか、そういう方々です。
そういう方々、5年以上あればということなんですけれども、そういう方々の中でよく申し上げておりますが、実務経験というのは必要条件になりますけれども、十分条件じゃないんです。大学の教員としてほかの人とつき合ってもいかなきゃいけませんし、つまり研究ということもやれなきゃいけません。ですから、実務経験があると同時に研究能力を実証するような実績があるという、こういうことで、今ちょうど2人を絞るという作業をやっております。そういうことでありますので、例えば、今小学校でやっておられますからそれすぐ来てください、それで教えてください、そういう意味じゃございませんので、そこのところを申し上げておきます。
【鳥居会長】 ありがとうございました。
だいぶ時間が経過していますので、この問題はこのあたりにしたいと思います。
実は私から、戸渡課長に前に質問をして議論が続いているんですけれども、免許の有効期限を定めて、かつ更新制を導入するついでに「取り上げ」という言葉を検討したらどうかということを、戸渡課長に何度かご提案しています。「取り上げる」という言葉を法律にする、落とすのはなかなか難しいんで、失効とか効果の有効と、失効でしょうかね、何かそういうような言葉で置きかえてはどうかというようなことも、次回までにご検討いただければと思います。
それでは、中間報告案につきまして、大変いろんなご意見をいただきました。これを最終的な答申までの間に、教員養成部会において検討していただくということで、中間報告の文書そのものは、結局今日は、資料2-3ですけれども、細かくは精査いたしませんでしたけれども、これを中間報告として後ほど大臣にご提出させていただきたいと思いますけれども、よろしゅうございましょうか。
(「異議なし」の声あり)
【鳥居会長】 ありがとうございました。それでは時間が大分経過しましたが、次の議題に移ります。「特別支援教育を推進するための制度の在り方について」、これは中間報告ではなくて答申案ですが、この審議に移ります。
木村先生から、まずご説明をお願いします。
【木村副会長】 それでは手短にご説明させていただきます。本文が資料の3-2、その概要をまとめたものが資料の3-1でございます。3-1に沿いましてご説明申し上げます。
昨年3月から初等中等教育分科会の下に設置されました特別支援教育特別委員会において、この議論を続けていまいりました。先ほどのケースと同じように、教育委員会でありますとか、あるいは関係団体等のご意見を伺いながら、昨年の12月に中間報告を公表いたしました。私も80パーセントぐらいの特別委員会に参加いたしましたが、非常に濃密な議論が行われたという印象を持っております。
その後、中間報告に対してパブリックコメントを募りましたが、それらを踏まえて、本年11月21日に特別支援教育特別委員会としての答申を取りまとめ、同じく12月5日の初等中等教育分科会において、この答申案についてご了承をいただいたところでございます。
3-1をごらんいただきたいと思います。まず、障害のある児童生徒等の教育の基本的な考え方につきましては、特別な場で教育を行う「特殊教育」という言葉から、一人一人のニーズに応じた適切な指導及び必要な支援を行う「特別支援教育」という言葉、内容もそうでありますけれども、それに転換することを提言しております。
具体的な今後の制度のあり方として、現行の盲・聾・養護学校制度の見直しにつきましては、児童生徒等の障害の重度化、あるいは重複化等を踏まえまして、現在の盲・聾・養護学校を、障害種別を超えた学校制度、とりあえず特別支援学校というふうに仮称で呼んでおりますが、そこに転換するとともに、小学校・中学校等に対する支援を行う地域の特別支援教育のセンターとしての機能を明確に位置づけるということを提言しております。
3番目の四角であります。また、小学校・中学校における特別支援教育につきましては、LD(学習障害)、ADHD(注意欠陥多動性障害)、それから高機能自閉症等も含め、障害のある児童生徒が通常の学級に在籍した上で、一人一人の障害に応じた特別な指導を、必要な時間のみ特別の場で行うこととする特別支援教室、これも仮称でありますけれども、この構想が目指しておりますシステムを実現すべきであるとしております。
具体的には、そこに
、
、
と書いてございますように、小学校・中学校における総合的な体制整備、LD・ADHDの児童生徒を新たに通級による指導の対象とするなど、現行の特殊学級や通級による指導等に関する制度の弾力化、研究開発学校やモデル校における実践教育などの取り組みを推進し、特殊学級が有する機能の維持、それから教職員配置等の関連や職員の専門性の確保等に留意しつつ、特別支援教室の構想が目指しているシステムの法令上の位置づけの明確化等について、今後検討すべきであるということを提言いたしております。
このほか、特別支援教育の専門性を支えます教員免許制度の見直しについては、特別支援学校(仮称)の創設に伴いまして、盲・聾・養護学校の別に設けられている現行の教員免許状を、障害の種類に対応した専門性を確保しつつ、LD・ADHD・高機能自閉症等を含めた総合的な専門性を担保する特別支援学校教員免許状、これも仮称でありますが、に転換すること、当分の間、盲・聾・養護学校の教員は、特殊教育免許の保有を要しないこととしている教育職員免許法附則の第16項を、時限を設けて廃止することなども提言をいたしております。
答申の詳しい内容については、瀧本特別支援教育課長からお願いをいたします。
【鳥居会長】 それでは、瀧本特別支援教育課長お願いします。
【瀧本特別支援教育課長】 それでは失礼させていただきます。お手元の答申の資料3-2のほうをごらん願います。簡単に説明をさせていただきたいと思います。
まず、資料の2ページ目のところでありますけれども、第1章として、障害のある児童生徒の現状と課題。この第1段落の中ほど、近年とございますが、「養護学校や特殊学級に在籍している児童生徒が増加する傾向にある、通級による指導を受けている児童生徒も増加してきている」と。第2段落の中ほどのところで、「盲・聾・養護学校においては、現在、約43.3パーセントの児童生徒が重複障害学級に在籍している」ということで、増加かつ重複が進んでいるということが書かれております。
さらにこの2ページの一番下の段落ですけれども、2行目の終りのほうから「14年度に文部科学省が実施した調査では、小学校・中学校の通常の学級に在籍をしております児童生徒のうち、LD等の児童生徒が約6パーセント程度の割合で存在する可能性」というのが示されておると、これが現状と課題でございます。
5ページに飛びまして、特別支援教育の理念と基本的な考え方というところですが、第2段落のところをごらんいただきますと、これまでの特殊教育では、障害の種類や程度に応じて盲・聾・養学校、あるいは特殊学級といった特別な場での指導を行うということに重点が置かれてきておりますけれども、その次の段落、特別支援教育につきましては、幼児児童生徒一人一人の教育的ニーズに対応し、適切な指導、必要な支援を行うものということで、理念と基本的な考え方を変えていこうということがうたわれております。
7ページ目のところを見ていただきますと、ここでは比較的重度の児童生徒を指導している盲・聾・養護学校についてはということですが、1番のところで、障害種別を超えた学校制度とあります。7ページの下のほうを見ていただきますと、(2)の
対象となる障害種別については、特別支援学校は、基本的には現在の盲・聾・養護学校の対象となっている5種類の障害種別及びこれらの重複障害に対応した教育を行う学校制度とすることが適当であると。
その次のところですが、ただし、特別支援学校の制度は各都道府県等において複数の障害に対応した教育を行う学校の設置を可能とするもの、制度上のある意味での規制緩和でございますけれども、これまでのように特定の障害に対応した学校を設けることも可能であると提言をされております。
では、具体にそういう学校をどのぐらい、どう配置するかというところは、8ページ目の下のほうの
の配置のところでございますが、いかなる形態の特別支援学校をどのように配置をしていくかという点については、都道府県等において、地理的な状況、各障害種別ごとの教育的ニーズの状況なども踏まえて、適切に判断をしていくべきものと指摘をされているところでございます。
少し飛ばさせていただきまして、13ページのところから、小学校・中学校における制度的見直しがございますけれども、14ページを開いていただきますと、中ほど下のほうに、小学校・中学校でこの分野を扱っておるのは、主として特殊学級及び通級による指導というものがありまして、この現状と課題というところですが、全国の小学校・中学校の特殊学級の平均在籍者数は約2.8人となっているが、その障害種別あるいは平均在籍者数には非常に幅がありまして、実態はさまざまなものとなっております。
15ページの上のところの最初の段落を見ていただきますと、特殊学級を担当する教員については、巡回による指導等のさまざまな工夫も行っておりますが、この段落の最後のところ、「十分な専門性を有しない教員が配置されるなど、必ずしも効果的に活用されていないような例も見られます」と。
さらに、通級による指導については、指導時間数あるいは対象となる障害が限定されているということで、特別支援教育を推進する観点から、より弾力的な対応をする必要があると指摘されているところであります。
次の次の段落に今回の答申で特別支援教室というものの構想が出されております。特別支援教室の構想が目指すものはということで、各学校に、障害のある児童生徒の実態に応じて、特別支援教育を担当する教員が柔軟に配置されるとともに、少し飛びますが、障害のある児童生徒が原則として通常の学級に在籍をしながら、特別な場で適切な指導及び必要な支援を受けることができるような、弾力的なシステムを構築することが必要ということで、この教室が構想されております。
次の16ページにまいりますと、16ページの中ほどのところで、しかしながら、制度化に向けては幾つもの検討課題がある。この中ほど以下のところで、固定式学級の機能の維持でございましたり、公立学校の教職員配置システムとの関連というふうな検討課題があるということで、17ページ以降に、当面の方策として、第1段階としてということで、アイウエのアのところに、特殊学校における交流及び共同学習の促進、あるいは次のページに、通級による指導の見直しといった点が指摘されておりまして、まずは当面こういったことを進めていくべきということが、今回の答申案では提言されているところであります。
19ページのところが免許の見直しでございますけれども、免許のことに関しましては、この新しい学校種、特別支援学校に対応した免許をつくるということと、もう1点、23ページの中ほど、下のところになお書きが、「なお、当分の間」とございます。現在小学校・中学校の免許があれば、盲・聾・養護学校の免許は保有を要しないというふうな法律の附則がございますが、これは今回の新しい免許状をつくり、その状況を見極めて、時限を付して廃止をしていくと。長年の懸案でありましたけれども、それをやることが適当ということでご提言を受けております。
以上、早口になりましたが、ポイントのみ紹介させていただきました。ありがとうございました。
【鳥居会長】 ありがとうございました。せかせてすみません。それでは早速ご審議に入っていただきたいと思います。
なお、今日は、この問題についての審議を部会でやってくださいました宮
委員が、来てくださっていますので、審議に参加していただいております。よろしくお願いします。どうぞ、湯川委員。
【湯川委員】 質問なんですけれども、多分この中に入っていると思うんですが、LDとか、ADHDとか、高機能自閉症とかいった、今までの従来の分け方の中には当てはまらない、まず絶対数においては少ないと思うんですけれども、日本でもアメリカのようにドメスティック・バイオレンスとか、ネグレクトとかいろんなことでコミュニケーションできない子どもたち、心身ともに、従来の障害とは違う子どもたちがかなりふえてきているという報告をいろんなところで聞いております。そして、それに対応できる施設がないということで、この中に多分、32ページの情緒障害児の指導といったようなこういう中にそういうものが含まれるかもしれませんが、全くそのカリキュラムも従来のものとは違うし、今から、できるだけ早くそういうことも、日本でも取り組んでいただく必要が出てきていると思うんですが、その辺は含まれておりますでしょうか。
【鳥居会長】 事務局か宮
委員かどちらからか……。多分、今のお話は切り分けて考えないといけない問題だと思うんですけれども。
【宮
委員】 今、湯川委員からお話がありました件に関しては、今後の検討課題になるかと思います。ただ、二次的に情緒障害を引き起こしている場合には、情緒障害の対応として考えた指導を行っていくということで、現場でも実践的には進んでいることでございます。
【鳥居会長】 ありがとうございました。
そのほかご意見ありませんか。はい、どうぞ。
【角田委員】 LDだとか、ADHDだとか、そういった今まで各学級の中に在籍していて手のかからなかったその子どもたちに手が差し延べられるという点では、これは大変大きく評価できるのではないかというふうに思います。
ただその一方で、通常の学級に重度の障害を持たれた方が入ってきたときの負担というのは、学級担任からすると非常に大変なものがあります。本人の保護者の理解もあれば、それから周りの保護者の理解も求めていかなければならないという点で、学校現場からすると、この答申は非常に重い意味を持っているように思います。
なおかつ、学級の定員が40人、こういう実態の中で、海外で行われているような統合教育がそのまま日本の中に当てはめられるかどうかということになると、なかなか難しい問題があろうというふうに思っています。
いろいろな形態が今考えられている、特殊学級をそのまま残すといったような形態もあるでしょうし、いろんな形態があるということですので、ぜひその辺のところが、一人一人の子どもの障害の程度に応じた、そういうシステムをきちっと担保できるような、そういうことをぜひお願いをしていきたいというふうに思います。
以上です。
【鳥居会長】 ありがとうございました。最終答申案のその文案等について、何か一言あれば伺いますけれども、もし、どなたか……。手短に、衞藤委員どうぞ。
【衞藤委員】 こういった特別の配慮を要する子どもたちに関しましては、特別支援教育という考え方は全体としては歓迎すべきと思いますけれども、既にあるいろいろな専門職種、具体的に申しますと、学校医、学校歯科医、学校薬剤師、あるいは養護教諭、栄養教諭等のそういった人々が、どういうふうにここにかかわるのかというようなことも配慮すべきではないでしょうか。
特に、医療・福祉に関する特別な配慮がまた必要になってくるだろうと思いますけれども、そういったことに関しては全く触れられてないように感じますが、その点をお聞きしたいと思います。
【鳥居会長】 宮
委員どうぞ。手短にお願いします。
【宮
委員】 25ページのところに「学校内外の人材の活用と関係機関との連携協力」とございまして、今お話があった関係の方々に関しましては、この教育を進めるために、チームワークを組んでネットワークづくり等をして、支援をしていただくということが書き込まれてございます。
それから、なお角田委員からお話がありました件に関しましては、27ページに「特別支援教育の普及啓発について」というところで、特に、障害のある児童生徒と障害のない児童生徒の交流、あるいはそのほか保護者の理解が非常に必要であるということなどについて書き込んでございます。
なお、特別支援教育はインクルーシブな教育を推進するということではなくて、一人一人の個別のニーズに応じた教育を、それぞれの場所で行うということでございまして、決して、小学校・中学校に重度の子を入れるという形で対応しているものではないということでございます。
【鳥居会長】 時間の関係で、このあたりで皆様にお諮りいたしますが、今資料3-2として出ております答申案を、この中央教育審議会の総会の答申としてお認めいただいて、大臣に提出したいと思いますけれども、よろしゅうございましょうか。
(「異議なし」の声あり)
【鳥居会長】 ありがとうございます。湯川委員、角田委員、それから衞藤委員等から出ましたご意見については、実際にこれを実行する中で、ぜひ配慮していただきたいと思います。
それでは、大臣のご都合もありまして、どうしてもこの後ご公務がございますので間もなくご退席されます。まず答申案をお渡しする前に、私からいつものように簡単なごあいさつをして、それから答申案をお渡ししたいと思います。
中央教育審議会では、本日「今後の教員養成・免許制度の在り方について」の中間報告、それと「特別支援教育を推進するための制度の在り方について」の答申を取りまとめまして、文部科学大臣に提出することになりました。
まず、最初の「今後の教員養成・免許制度の在り方について」は、広く国民や社会から尊敬と信頼を得られる教員を養成するということが重要であるという視点に立ちまして、教員養成・免許制度の改革の方向、それから方策を提唱しております。
具体的には、教職課程の質的な水準の向上、それから教職大学院制度の創設、教員免許更新制の導入などについて提言しております。
文部科学省におかれては、この提言について広く国民の理解が得られるようにご尽力を賜りたいと思います。また中央教育審議会におきましては、さらに審議を深めまして、先ほど来、教職大学院についても随分議論がありましたけれども、さらに議論を深めていただきたいと思います。
次に、「特別支援教育を推進するための制度の在り方について」の答申は、障害のある子ども一人一人のニーズに応じて、適切な指導及び必要な支援を行う視点に立って、特別支援教育を推進するための制度のあり方を提唱しております。
具体的には、今大臣がご到着になってからお聞きいただいたとおりでございますので、省略いたします。
文部科学省におかれましても、この提言を踏まえて必要な制度の見直しに着手をしていただいて、特別支援教育の一層の充実にご尽力賜りたいと思います。
なお、大臣がご到着になる前にもう一つの議題がございまして、三位一体の改革について審議、議論をいたしました。中央教育審議会の答申をなるべく、どうしても実行していただくために、大臣が先頭に立ってご尽力くださいましたことについて、何人かの委員から大変にありがたいというお言葉がありました。と同時に、2分の1という現行の制度が、間を取った形で3分の1になったということについては、非常に残念であるというご意見も出ました。
これから、まだまだいろいろとこの制度については先があると思いますので、大臣によろしくご指導をお願いしたいと思います。
それでは、これから答申をお渡しいたしますので、お願いいたします。
それではよろしくお願いいたします。
【小坂大臣】 しっかり受けとめさせていただきます。
【鳥居会長】 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
大臣から一言お言葉を。
【小坂大臣】 それでは、私から一言ごあいさつ申し上げたいと存じます。
去る10月31日に文部科学大臣を拝命いたしました小坂憲次でございます。中央教育審議会の皆様には、ただいま鳥居会長から「今後の教員養成・免許制度の在り方について」の中間報告、並びに「特別支援教育を推進するための制度の在り方」に対する答申を頂戴いたしました。
このことに言及いたします前に一言、生徒の、子どもたちの安全について申し上げたいと存じます。
このたび、広島市、また今市市におきまして女子児童が殺害をされるという大変痛ましく、絶対にあってはならない悲惨な事件がございました。被害に遭われた犠牲者の方には、心からご冥福をお祈り申し上げますとともに、ご遺族の方のご悲嘆はいかばかりと拝察を申し上げまして、心から哀悼の意を表したいと存じます。
これからこのようなことがないように、文部科学省といたしましては、登下校時、幼児・児童生徒を極力一人にさせない、そういう観点から、学校の状況を踏まえた安全な登下校方策を作成することなどにつきまして、一昨日、12月6日付で、各都道府県教育委員会教育長に対して要請をしたところでございます。
今後とも、学校や通学路における安全対策を一層推進してまいり、また具体的なことにつきまして関係機関と協議をして、前進をさせるように努力してまいりたいと存じます。
教育改革に関しまして、国家社会の基盤は人材であります。主要先進国では、各国とも国家で命運をかけて教育改革に力を入れております。時代や社会の変化の中で、我が国がさまざまな課題を乗り越えていく、真に豊かで教養のある国家として、さらに発展していくための人材を育成するために、国家戦略として、教育のあらゆる分野において、人間力向上のための教育改革を一層加速していく必要があると思っております。
このような観点から、文部科学省におきましては、知識基盤社会であります21世紀社会において、日本の国力を支える人材を育成するための諸施策を推進してまいりたいと考えております。
現下、問題になっております教育基本法の改正についてでありますけれども、この改正につきましては、新しい時代にふさわしい教育の基本理念を明確にするため、中央教育審議会のご答申や、与党における議論を踏まえまして、国民的な議論を深めつつ、速やかな改正を目指してしっかりと取り組んでまいりたいと存じます。
この点につきましても、就任以来、関係の皆様とこれまでの経緯について、また私の考えについて、意見交換をさせていただいているところでございます。
それぞれのお立場の皆さんの理解も、少しずつ前進をしているという認識にあるものでございます。
また、去る10月26日に「新しい時代の義務教育を創造する」という答申を頂戴いたしました。その中において、義務教育費国庫負担制度につきましてもご答申をちょうだいしたわけでございますけれども、ただいま鳥居会長からお話があり、また、既に会議の冒頭に事務局からの報告があったかと思うわけでございますが、この結果につきましては、皆様のご審議の成果をしっかりと踏まえながら、その答申を真摯に受けとめる中で、この答申に賜りました委員の皆様の真摯なご努力に対して、まずもって心から感謝を申し上げ、そのご苦労を胸にこの問題に取り組ませていただきました。
私は、就任以来、一貫してこの答申の中にあります教職員給与費の全額を保障するという観点から、義務教育費国庫負担制度の重要性を強く主張してまいりました。しかし、国の負担率を3分の1に引き下げるという内閣官房長官からの提案に対しましては、義務教育費国庫負担制度を堅持するという政府・与党の基本方針がこの中に明らかにされるということが大前提としてあるということならばということで、苦渋の決断をしたところでございます。
このたびの政府・与党の決定では、国の負担割合が2分の1ではないという点において、中教審答申どおりではございませんでした。しかし、国・地方の負担によりまして、教職員給与費の全額が保障される制度は、今後も維持されるべきとする答申の基本的な理念は踏まえたつもりでございました。「義務教育費国庫負担制度を堅持する」と明記し、決定された点は重要であると考えております。
私としては、政府・与党間の協議を、さらにその中の経過における各種の議論を踏まえまして、3分の1という負担率は、今後さらに削減されるということのない恒久的な措置であると、このように認識を持っているところでございます。
文部科学省といたしましては、中教審答申を踏まえまして、引き続き義務教育の構造改革に力を尽くしてまいります。とりわけ、答申の中にありました学校及び市区町村現場における裁量と責任の拡大という点について、今後、都道府県と市区町村の地方における役割について、与党の中でのご議論をしていただけるものと、このように考えておるわけでございます。
そういった点も踏まえる中で、鳥居会長を中心に委員の皆様それぞれのご努力によりまして、このような立派な答申をまとめていただきましたことに、重ねて感謝を申し上げる次第でございます。
さて、ただいま会長から賜りました「今後の教員養成・免許制度の在り方について」の中間報告と、そして「特別支援教育を推進するための制度の在り方について」の答申でございますけれども、これにつきましても、皆様が大変にお忙しい中で、それぞれにお時間を割いていただきまして、積極的にこのご審議にご参加を賜りまして、真摯な議論を重ねる中でのおまとめいただきました中間報告と答申でございました。ほんとうにありがたく、心から感謝を申し上げる次第でございます。
「教育は人なり」と言われるように、いつの時代にもすぐれた教員の養成・確保は重要な課題でありますが、とりわけ信頼される学校づくりに向けての取り組みが求められております昨今、喫緊の重要課題であると認識をいたしております。「今後の教員養成・免許制度の在り方について」の中間報告は、このような現状に適切に対応する上で、明確な方向性を示していただいたものと受けとめております。
文部科学省といたしましては、この中間報告について、国民の皆様方にその趣旨をご理解いただけるように努めるとともに、幅広くご意見を伺い、最終答申に向けて、さらなる議論に反映させていただきたいと考えております。
「特別支援教育を推進するための制度の在り方について」の答申は、障害のある児童生徒の教育の充実に向けた幅広い審議を行っていただき、十分な議論の積み重ねの上にお取りまとめをいただいたものと受けとめております。
文部科学省といたしましては、この答申について、国民の皆様方にその趣旨をご理解いただけるよう努めるとともに、必要な制度の見直しなど、具体的な作業に取り組んでまいりたいと存じます。
最後に、改めまして委員の皆様方に今日まで精力的なご審議をいただきまして、本日このような立派な中間報告・答申をおまとめいただきましたことに感謝を申し上げますとともに、今後の教育改革を実効あるものとして推進するために、引き続きまして皆様の英知を結集して、積極的なご議論を賜りますよう心からお願いを申し上げ、本日、皆様に初めてお目にかかる中で、私としての考え方並びに熱意をおくみ取りいただければ幸いでございます。
ほんとうにありがとうございました。
【鳥居会長】 どうもありがとうございました。ご公務の時間がありまして、もうご退席予定時間をちょっと過ぎておりますけれども、どうぞ、後はやっておきますから、これからやってください。
【小坂大臣】 ありがとうございます。官邸での会議の時間が来ておりますので、まことに恐縮でございますが、この場を失礼させていただきたいと存じます。
どうぞよろしくお願いいたします。
【鳥居会長】 どうもありがとうございました。
それでは最後の議題でございますが、学習指導要領の見直しの検討を行っております教育課程部会の審議状況について、今日はご報告をいただくだけにとどめたいと思いますが、これも木村副会長なんですが、初等中等教育分科会長兼教育課程部会長をお務めくださっておられます、木村副会長にお願いいたします。
【木村副会長】 3度目で大変恐縮でございますが、あと10分少々おつき合いをいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
資料は4-1と4-2でございます。4-2が大変膨大な資料になっておりますが、これに沿ってご説明をさせていただきます。
ご報告いたしますのは、現在教育課程部会でどういう議論が出ているかというものでございます。まず資料の4-1を1枚めくっていただきまして、2ページをごらんいただきたいと思います。
これは、本年2月に、文部科学大臣から中教審に対して検討要請がなされた4つの観点を記述したものでございます。そのうち、2番目でございますけれども、学習指導要領の見直し、これにつきましては教育課程部会で審議を行っておりますが、去る10月26日に出された中教審答申「新しい時代の義務教育を創造する」においても、教育内容の改善について基本的な考え方が示されておりますので、これも踏まえて議論を行っているところでございます。
5ページをごらんいただきたいと存じますが、教育課程部会におきましてはこういうスケジュールで議論をしてまいりました。特別部会の100時間には及びませんが、38時間、40時間ぐらいの議論は既にやってきております。
以上がこれまでの経緯でございます。それでは資料4-2、大変字が細かくて恐縮ですが、これに沿いまして少しご説明をさせていただきます。
一番左が、我々が議論しておりますこの学習指導要領に関して、去る10月26日の答申の中で触れられている部分を抜粋したものでございます。右側に、教育課程部会あるいは教育課程部会のもとに置かれております専門部会で出ましたご意見の主なもの、重要なものを記載しております。真ん中には、私どもが今後まとめていきます柱の素案を記述してあります。
この資料はまだたたき台ということで、本日はご議論いただくというところまでいっておりませんので、報告ということにさせていただきたいと思います。まず総論でございます。2ページです。(1)、真ん中の「学校教育の目的」であります。これは10月の答申を踏まえたものとなっておりまして、教育の目的については、一人一人の国民の人格形成並びに国家・社会の形成者の育成の2点であると、教育課程部会も同じ立場をとっております。
私どもの部会では、この目的は義務教育に限らず学校教育に共通するものであると考えております。このことを前提にいたしまして、現行学習指導要領のねらいを実現するための具体的な手立てにつきまして、次にご説明いたします2つの観点から議論を行っております。
第1の観点は、2ページの中ごろの(2)というところにありますが、「子どもに対する教育についての検討課題」であります。それからもう1つが、4ページの一番上の(3)の「学校や教育行政の在り方についての検討課題」です。この2つを観点としております。
恐縮でございますが、2ページの(2)の「子どもに対する教育についての検討課題」のところにお戻りいただいたいと存じます。学力につきましては、同じページの左下の下線のとおり、10月の答申では、「基礎的な知識・技能の育成と、自ら学び自ら考える力の育成」とは対立的に、二者択一的にとらえるべきものではなく、総合的に育成することが必要であるという考え方をすべきであり、またそれから「『確かな学力』を育成し、『生きる力』をはぐくむという基本的な考え方は、今後も引き続き重要である」と提言をされております。しかしながら、現実には右側に書いてございますように、「子どもたちの自主性を強調するあまり教師が指導を躊躇する状況があったのではないか」といった、ご批判、ご指摘も出ておりますので、それを踏まえまして、改めて徹底して身につけるべき基礎的・基本的な知識・技能というのは何であるか。基礎的・基本的な知識・技能を活用しながら育成すべき能力とは何かを明らかにするなど、確かな学力を育成するための具体的な手だてについて議論をしているところでございます。
3ページにいっていただきまして、アに続いてイでありますが、子どもたちの社会的自立や、あるいは、ウの社会の変化への対応も重要な課題であると考えております。特に右の下線部分でありますが、学習や職業に対して無気力な子どもが増えているという状況の中で、子どもたちが社会に参画する力を身につける、社会も教育に参画するという、社会と学校の双方向の関係を構築する必要があるのではないかという、強いご意見・ご指摘が出ております。
第2の視点は、先ほど申し上げましたように、4ページの(3)であります。真ん中の一番上ですが、「学校や教育行政の在り方についての検討課題」であります。これについては5ページの右側にございますように、学校教育の質を保証するためには、「プラン・ドゥー・シー」、いわゆるPDCAのサイクルの確立が必要であるという考え方が強く出されております。
次に、各論について簡単にご紹介申し上げます。6ページヘいっていただきますと、確かな学力を確立するための具体的な手立てという観点から、2行目ですが、「各教科の基礎的・基本的な知識・技能の定着」や、それからその下、「思考力・判断力・表現力等の育成」を、どのような道筋で確立するかということを議論をいたしております。
同じく6ページのウのところで、学習指導要領がめざす目標の右側の下線部のところでありますが、現行学習指導要領は「生きる力」をはぐくむこととしているが、それを実社会や実生活との関係でより具体化することが重要であるとの議論が出ております。
これらの議論のための素材をイメージとして整理したのが、7ページのカラーの資料でございます。これについては部会でさまざまなご意見がありまして、これもまだたたき台という段階でございます。
7ページのこのカラーの資料の右側にありますとおり「生きる力」を実社会や実生活で必要となる力という観点からより具体的にとらえますと、例えば、そこに書いてございますように、1番目、主体性・自律性の確立。2番目、学校や家庭など顔の見える他者と個人との関係。3番目、職業生活などより広い社会と個人との関係という観点で、大きく整理することができるのではないかというご意見をいただいております。
7ページの左側でありますが「生きる力」は、豊かな心・確かな学力・健やかな体の3つの要素で構成されているという、平成8年からの中央教育審議会の答申の考え方を踏襲しております。
真ん中の「確かな学力」の部分でありますが、ここでは各教科における基礎的・基本的な知識・技能の内容を明らかにしようとしております。これもまだ未消化でありますけれども、現在ではこういう案としております。
また、右側の思考力・それから判断力・表現力などの力の面については、例えば、2番目の黒い丸のところにありますように、情報を獲得し、思考し、表現する力など、育むべき教科横断的な力を具体化し、相互の関連を示すことを試みています。
今回の教育課程部会では、教科の相互の関連を考えるという視点と、それから各教科を横断的に見た場合に、その基本的な力というものはどういうものかを探る立場から議論をしております。
次のページになりますが、9ページの右側の下線部でありますが、このような教科を横断的に見て、共通な力というのは何だということを考える作業を通じて、学校内で、また学校と社会の間で、学校教育の目標等について共通認識を促し、学校教育の質を上げて行くことができるのではないかという意見も出されております。
それから、同じ9ページからでありますが、学校における「プラン・ドゥー・シー」の改善サイクルの確立による「学校教育の質の保証」ということが書いてございますが、これについては、到達目標の明確化、それから次の10ページのイでありますが、教育課程編成に関する現場主義の重視、それからウの、情報提供その他の基盤整備の充実について議論がなされております。
11ページのエでありますが、「教育成果の厳格な評価」につきましては、10月の答申において、全国的な学力調査・学校評価などについて、基本的な考え方が示されました。このうち、全国的な学力調査につきましては、文部科学省におきまして、梶田委員を主査とする専門家による検討会を設置し、実施方法等について検討を開始したところでございます。
次に12ページでございますが、教育内容の改善・充実に関しましては、文部科学大臣の審議要請におきまして、そこのアからカまでの6つの課題が提出されております。10月の答申では、左側の下線部にございますが、国語力の充実、理数教育の充実、小学校段階における英語教育の充実などが提言されております。
各教科ごとの教育内容については、13ページから16ページに記述がなされております。
この資料は、答申の提言を踏まえまして、教育課程部会において6つの課題を、それぞれそこにございますように、「知識・技能」、それから右側に移りまして「思考力・判断力・表現力」、それからその下でありますが、「意欲・関心・態度」の3つの観点で検討して、マトリックスの形で整理したものです。これもまだ試案でございます。
例を国語にとってご説明いたしますと、14ページ左側の「知識・技能」の側面では、下線部のところでありますが、音読や暗記・暗唱が指導上有効であるとか、あるいは描写・要約・説明・記録・報告などの指導が重要だという指摘がなされております。
また、右側の「思考力・判断力・表現力等」については、児童生徒の社会的自立のために必要な力として、例えば、A4、1枚1,000字程度で自分の考えをまとめて表現することができる力を重視する必要があるのではないかという議論がなされているところでございます。
それから、その下のアンダーラインのところで、読書習慣の重要性についての指摘も出ております。
小学校段階の英語教育については、少し飛びますが、16ページに記載してございます。この問題については、教育課程部会でも大変深刻に受け取っておりまして、アンダーラインにございますように、近隣諸国でかなり急ピッチにこういう取り組みが進んでいるということもあり、専門部会を含めて、国家戦略としてこの問題に取り組む必要があるのではないかという議論が出ております。
それから、一番下のところでありますけれども、下線の部分、言語力の育成との関連を検討するとともに、教育目標や内容、開始学年、それから教材や指導者の確保等の条件について具体的な検討を行っておりまして、今後、この点についてさらに審議を深める予定でございます。
「総合的な学習の時間」が17ページであります。10月の答申では左側の下線部のとおり、思考力などを育成する上で、総合的な学習の時間の役割は今後とも重要であるが、例えば、各教科との関係を明確化するなどの改善のポイントが指摘されております。我々の部会においてもこのことを大変重大に受けとめておりまして、右側の下線部のように、総合的な学習の時間においてどういう力を育成するのかを明確にする必要があるのではないか、そのような観点から、教育内容でありますとか、あるいはほかの教科との関係を整理する必要があるのではないかという議論が出ております。
それから一番下、右側の一番上の枠のところに「コーディネート」と書いてございますが、学校への支援策、そういうものを講じる必要性などが指摘をされております。
それから、授業内容の改善の観点からの授業時数の見直しについてでありますが、これについては、17ページの下のアンダーラインのところに書いてありますとおり、教育課程部会として引き続き各教科等を横断的に見渡した立場で、総括的に審議を行いたいと考えております。
最後の「学校週5日制」については、18ページです。10月の答申では左側の下線部のとおり、「学校週5日制についても、学校、家庭、地域の三者が互いに連携し、適切に役割を分担し合うという基本的な考え方は今後も重要であり、それを基本にしつつ、地方や学校の創意工夫を生かすことについて、今後さらに検討する必要がある」と提言をされております。教育課程部会においても、地域の人材や専門家など、学校外の人材の学校教育への参加といった観点から、この点について議論を行っております。
以上、かなりはしょりましたが、これまでの教育課程部会の審議状況をご説明申し上げました。今後、さらに審議を深めまして、各教科等の教育内容の具体的な改善のための考え方について議論を整理したいと考えております。
先ほど申し上げましたように、私どもの部会の最大の関心事といいますか、やらなければいけないと考えておりますことは、教科を横断的に眺めるということでありまして、これまではほとんどそれがなされておりませんでした。果たしてうまくいくかどうかわかりませんが、今後ともこのような視点に立って議論を深めたいと考えております。
私からの説明は、以上でございます。
【鳥居会長】 ありがとうございました。この学習指導要領の見直しというのは大変重要な問題なので、これからも教育課程部会のご審議を、ぜひ集中的にやっていただきたいというふうにお願いしておきます。
また、総会の委員の皆様におかれても、実際に学習指導要領というのを端から端まで見るというのはなかなかないと思いますけれども、あまり厚いものでありませんので、ぜひ一度ごらんになって、いろいろなご意見ありましたら、どうぞ、事務局にお寄せくださいますようにお願いをしておきたいと思います。
この件については、今日は審議は特にございませんけれども、これにて今日の総会は終わりにさせていただきます。ありがとうございました。
今後の日程についてもし何かありましたら、どうぞ。
【大槻生涯学習政策局政策課長】 追って調整の上、ご連絡させていただきます。
【鳥居会長】 わかりました。ありがとうございました。
それでは、今日はここまでにさせていただきます。どうもありがとうございました。
-了-
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