ここからサイトの主なメニューです

 現場の主体性と創意工夫で教育の質を高める
 −学校・教育委員会の改革−


  (1) 学校の組織運営の見直し

 学校の自主性・自律性の確立

 
 学校が主体的に教育活動を行い、保護者や地域住民に直接説明責任を果たしていくためには、学校に権限を与え、自主的な学校運営を行えるようにすることが必要である。
 現状でも、校長の裁量で創意工夫を発揮した特色ある教育活動を実施することが可能であるが、人事面、予算面では不十分な面がある。
 権限がない状態で責任を果たすことは困難であり、人事、学級編制、予算、教育内容等に関し学校・校長の裁量権限を拡大することが不可欠である。

 教職員の人事について校長の権限を拡大することが必要である。例えば、教員の公募制やFA(フリー・エージェント)制などを更に推進することが求められる。

 学級編制を含めた指導方法の工夫改善については、各学校がそれぞれの実情に応じて個別に判断することが適当である。このため、各学校が個別に学級編制を行うなど学校現場の判断が尊重されるよう現行の学級編制の仕組みを見直す必要がある。

 教育内容に関する学校の裁量を拡大するとともに、予算面で、学校の企画や提案に基づいた予算の配分や、使途を特定しない裁量的経費の措置など、学校裁量の拡大を更に進めることが必要である。

 学校運営を支える機能の充実のため、教頭の複数配置を引き続き推進したり、主任が機能するよう更にその定着を図るとともに、今後、管理職を補佐して担当する校務をつかさどるなど一定の権限を持つ主幹などの職をおくことができる仕組みについて検討する必要がある。
 また、事務の共同実施や共同実施組織に事務長を置くことを検討するなど、学校への権限移譲を更に進めるための事務処理体制の整備を進めることが必要である。

 機動的な学校運営のため、前述の教頭の複数配置や主任制、主幹制なども活用しつつ校長がその権限と責任において決定すべき事項と、職員会議の有効な活用により広く教職員が参加して行われることがふさわしい事項とを区別して学校運営に当たることが重要である。
 これによって、学校の意思決定が、校長のリーダーシップの下に、高い透明性を確保し、公平・公正に行われることが重要である。また、決定した事項についての教育委員会や校長等の説明責任が常に意識されることが重要である。

 教師が以前に比べ多忙になり、子どもと触れ合う時間が確保できないという指摘がある。今後、学校が処理する事務・業務の見直しや、国・都道府県・市町村が行う調査等の精選により、学校の負担軽減を図ることが必要である。

 学校・地方自治体の取組の評価

 
 学校教育の質の保証を求める保護者・国民のニーズは強く、学校評価の充実が必要である。このため、自己評価の実施とその公表の義務化を検討することが必要である。また、外部評価は教育活動の改善充実に有効であり、公表された自己評価結果を外部者が評価する方法を基本として、その充実を図ることが必要である。学校評価については、評価の視点や基準を明確にするとともに、学習到達度・理解度を把握する全国的な学力調査の結果や体力・運動能力調査の結果などの活用も必要である。

 全国的な学力調査や体力・運動能力調査の結果を含め、児童生徒の学力や体力等の状況、生徒指導の状況、教育施策や教育財政の充実度など、児童生徒がいかに健やかに育っているか、地方公共団体の教育への取組についての評価を行うことも重要である。このため、教育委員会による教育行政についての自己評価の導入や、外部評価の仕組みの検討が必要である。

 英国においては、国レベルの独立機関である教育水準局(OfSTED)が学校監査を実施している。国の基準等による事前のチェックだけではなく、教育の質についての事後チェックを充実することは今後我が国でも検討が必要である。

 保護者・地域住民の参画の推進

 
 地域に開かれ信頼される学校を実現するためには、保護者や地域住民の意見や要望を的確に反映させ、それぞれの地域の創意工夫を活かした特色ある学校づくりを進めることが不可欠である。それと同時に、保護者や地域住民が、学校に要求するばかりでなく、学校とともに地域の教育に責任を負うとの認識のもと、学校運営に積極的に協力していくことも求められる。学校が責任を果たすことは当然であるが、これからの時代に求められる教育は、学校のみでは実現し得ないものであり、保護者や地域住民には、学校教育への参画は、自らの権利であると同時に義務であるという意識を持つことが期待される。

 このため、学校運営協議会制度(コミュニティ・スクール)や学校評議員制度の積極的な活用を通じて、保護者や地域住民の学校運営への参画を促進する必要がある。その際には、校長との権限関係を明確にすることや、委員に適材を得ることが必要である。また、国や地方公共団体は、保護者や地域住民の学校運営への参画に関する取組の成功例について幅広く情報提供を行うなど、その促進のための支援策を講じることが必要である。

 学校運営への保護者や地域住民の参画は、学校運営が透明性を高め、公正・公平に行われるようにするとともに、教育活動等についての評価及び公開を通じ十分な説明責任を果たすという民主主義のルールに基づいて行われるようにする上で重要な意義を有するものである。

 学校施設の地域への開放や余裕教室の有効利用により、学校が地域住民の活動の場となり、学校が拠点の一つとなって地域づくりが進められていくことも必要である。

前のページ 次のページ


ページの先頭へ   文部科学省ホームページのトップへ