| 1.日 時 | 平成14年7月29日(月) 16:00~18:00 |
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| 2.場 所 | ホテルフロラシオン青山「ふじ」(1階) |
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| 3.議 題 |
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| 委 員: | 鳥居会長、木村副会長、浅見委員、荒木委員、今井委員、江上委員、梶田委員、岸本委員、國分委員、佐藤委員、髙倉委員、田村委員、千田委員、渡久山委員、永井委員、中嶋委員、中村委員、増田委員、松下委員、山本委員、横山委員 |
| 事務局: | 遠山文部科学大臣、小野事務次官、御手洗文部科学審議官、近藤生涯学習政策局長、矢野初等中等教育局長、寺脇生涯学習政策局審議官、加茂川初等中等教育局審議官、名取主任社会教育官、徳重主任体育官、金森総務課長、磯田総括会計官、山中生涯学習政策局政策課長、前川初等中等教育局財務課長、板東高等教育局企画課長、高橋主任教育改革官、その他関係官 |
| ○ | 鳥居会長 それでは、ただいまから第23回中央教育審議会総会を開催いたします。 皆様にはお忙しいところを御参集賜りまして、誠にありがとうございます。 今日は、四つのテーマを扱うことになります。 一つは、前回御審議いただきました「青少年の奉仕活動・体験活動の推進方策等について」という答申を、文部科学大臣に提出したいと思っております。 2番目は、前回の総会でも御審議いただきました大学分科会での答申案、「大学の質の保証に係る新たなシステムの構築について」「大学院における高度専門職業人養成について」「法科大学院の設置基準等について」、この三つについて、前回の総会及び7月23日に開催された大学分科会で出された御意見をもとにしまして、修正した点の御説明を申し上げまして、さらに御意見を賜りたいと思っております。 3番目は、教育基本法と教育振興基本計画につきまして、基本問題部会での審議の状況を総会に対して御報告した上で、御審議をいただくということでございます。 4番目は、義務教育費国庫負担制度につきまして事務当局から説明をしてもらいまして、皆様の御意見をいただきたいと思っております。 まず最初に、ただいまから第1番目の議事でありますけれども、「青少年の奉仕活動・体験活動の推進方策等について」、文部科学大臣に答申を提出したいと思います。 私からごく簡単に御挨拶を申し上げて、答申を遠山大臣に御提出いたしたいと思います。 中央教育審議会では、平成13年4月に文部科学大臣から「青少年の奉仕活動・体験活動の推進方策等について」諮問を受けて以降、生涯学習分科会を中心に今日まで審議を進めてまいりましたが、このたび答申を取りまとめ、文部科学大臣に提出する運びとなりました。 答申では、地域の連帯感や人間関係の希薄化が進む中で、個人が互いに支え合うという互恵の精神に基づき、利得を目的としない社会的課題の解決のための活動を幅広く奉仕活動としてとらえ、そのような奉仕活動を推進するための具体的方策を提言しております。 特に青少年にとっては、奉仕活動や体験活動を通じて、社会の構成員としての規範意識や他人を思いやる心をはぐくみ、社会のために主体的に取り組む基盤をつくることにつながると考えております。今後、この答申の提言の実現に向け、文部科学省をはじめ、関係機関において具体的な施策の推進に努めてくださることをお願いいたします。 それでは、これから大臣に答申をお渡しいたします。 本審議会は、平成13年4月11日に「青少年の奉仕活動・体験活動の推進方策等について」諮問を受け、審議を進めてまいりました。このたび、次のとおり結論を得ましたので、答申いたします。どうぞよろしくお願いいたします。 (鳥居会長より遠山文部科学大臣に答申を手交) |
| ○ | 遠山文部科学大臣 ありがとうございました。 |
| ○ | 鳥居会長 それでは、大臣から一言御挨拶をお願いいたします。 |
| ○ | 遠山文部科学大臣 ただいま、鳥居会長から「青少年の奉仕活動・体験活動の推進方策等について」答申をいただきました。 昨年4月の諮問から1年以上をかけまして、鳥居会長、山本分科会長をはじめといたしまして、委員の先生方には、大変熱心に御議論いただきまして、今日のような形におまとめいただきましたことに対しまして、心からお礼を申し上げたいと思います。 今回提出いただきました答申におきましては、個人が日常的に奉仕活動・体験活動を行って、社会に参画し、互いに支え合うような社会を目指すという、大変優れた目標を持った具体的な提言をいただいたと思っております。 今、会長からのお話にもございましたように、社会の構成員として必要な社会的な規律でありますとか、個人としてしっかりと立って生き、かつまた社会の一員として何らか貢献できるような人材をつくり上げるためには、今回御提言いただいた内容は大変有益と考えているところでございます。 文部科学省といたしましては、実行できるものはできるだけ速やかに実行するという姿勢を持ちまして、既に学校や地域での子どもたちの奉仕体験活動を推進するための法改正をいたしました。また、市町村や県での活動の支援のための予算措置もしたところでございます。そういうことで、昨年来の中教審の審議を踏まえまして、提言に盛られた施策の具体化を進めてきたところでございます。 また、本年4月からは学校週5日制が完全実施となりました。これによりまして、家庭や地域におきます多様な体験活動を推進することが、これまで以上に重要になってまいったと考えております。日本人にとっては、ともすれば欠けがちなこういう資質を養うことは大変大事だと思っておりまして、私どもも本日いただきました答申をしっかりと受けとめまして、これまで以上に、ここに盛られた内容が実現されますように、力いっぱいやっていきたいと思うところでございます。 殊に大人自身がこのことを自覚し、自らもこうした活動に取り組むことが必要でございますし、また、大人自身の姿勢を通じて、青少年、特に学校段階の子どもたちのみならず、18歳以降の青少年の活動への取組を促していくことが大変大事だと思っております。その意味で、できるだけ広報活動、あるいはフォーラムの開催などを通じて、この趣旨の徹底も行ってまいりたいと思っているところでございます。 先生方には大変長い間、この問題について鋭意御検討を賜りまして、本当にありがとうございました。心からお礼を申し上げまして、私からの御挨拶とさせていただきます。どうもありがとうございました。 |
| ○ | 鳥居会長 どうもありがとうございました。 それでは、次に2番目の議事でございますが、前回御審議いただきました大学分科会の三つの答申原案、「大学の質の保障に係る新たなシステムの構築について」「大学院における高度専門職業人養成について」「法科大学院の設置基準等について」、前回の総会、それから7月23日に開催された大学分科会で出された御意見を踏まえて、修正いたしました点を事務局から説明していただきます。その上で、もう一言という御意見がおありでしたら承りたいと思います。 では、事務局のほうから御説明をお願いします。 |
| ○ | 事務局 それでは、「大学の質の保証に係る新たなシステムの構築について」、「大学院における高度専門職業人養成について」、それから「法科大学院の設置基準等について」、大学分科会での答申案につきまして、資料2―1、2―2、2―3で御説明をさせていただきます。 まず、資料2―1をお開きいただければと存じます。「大学の質の保証に係る新たなシステムの構築について」でございます。前回の中央教育審議会の総会、それからその意見を踏まえまして、7月23日に大学分科会を開催いたしまして、総会の御意見を踏まえて、もう一度御意見を頂戴したところでございます。それらの意見を踏まえまして、修正をさせていただいております。時間もございませんので、修正をさせていただいた点のみ御説明させていただきます。 それでは、「第2章」の「設置認可の在り方の見直し」についてでございます。6ページ、あるいは7ページでございます。修正点でございますけれども、7ページの「(6) 」の部分でございます。設置認可の在り方につきましては、現在の設置認可を大きく弾力化することといたしまして、学位の在り方に着目いたしまして、現在、大学が出しております学位の分野を大きく変更するような場合には、従来どおり認可といたしますけれども、そうでない場合には、それを届出といたしまして、大学の自律的な学科編成を可能にするという考え方で、弾力化をいたしたいというものでございます。 ただ、学位につきまして、学位の分野を行政のほうでまた固定的に整理をするのではないかといったような御懸念、御疑問という点がございまして、そのあたりにつきまして、学位の分野に関しては、各大学がそれぞれの判断で適切な名称を付記している現状には変更はないといったようなこと。そして、それを注意的に付記いたしました後に、学位等の設置に当たっては、既存の学部等が授与する学位の対象とする分野とは異なる範疇のものか否かによって、認可か届出かが分かれるといったような表現を修正させていただいております。 それから、学位の分野でございますけれども、バイオテクロノジー、その他新しい分野の発展にも留意した整理をすべきということで、そういった内容を追加させていただいております。 それから、8ページでございます。8ページの「(9) 」のところでございますが、「新たな種類・分野の学位を授与する学部等の設置」と記載させていただいていたところでございますけれども、短期大学や高等専門学校の取り扱いについても記述すべきということで、そちらを追加させていただいているところでございます。 それから、9ページにつきましては、字句的な修正でございます。例えば、「(3)」のところでございますけれども、工場等制限法が本年7月に廃止されておりますので、そういったことについて注意的に表現を追加いたしております。 それから、11ページの第三者評価制度の導入のところでございますが、12ページをお開きいただければと存じます。12ページの「(4)」のところでございますが、認証評価機関による評価を受けた場合に、その評価に基づきまして、認定をされなかったという場合に、それが直接国からの行政処分に結びつくものではないということを記述させていただいております。これは法科大学院との関係もございまして、ペンディングになっておりましたけれども、そちらを整理して、このように文章を記述させていただいたところでございます。 14ページをお開きいただければと存じます。法令違反状態の大学に対する是正措置でございます。前回の総会におきましても、是正措置をきちんと発動していく必要があるといったような御意見があり、一方で、是正措置につきましてはやむを得ないとは思うけれども、例外的な措置であるべきであり、また、その前提として大学の透明性をまず第1に考えていく必要があるといったような御意見もいただいたところでございます。 また、字句的には、法令違反状態の大学に対する是正措置ということで、強行的な措置という表現がございまして、それはちょっとおかしいのではないかといったようなことでございましたので、そちらを修正させていただいております。「(2)」のところでございますが、「特に、変更命令は私立大学に対しては適用除外とされており、国が違法状態にある私立大学に対して是正措置を行おうとすれば、閉鎖命令という最終的な措置を発動するしか法的手段はない」という形で、「最終的な措置」という形の表現をさせていただいております。 それから、15ページでございます。「(2)」のところで、大学の情報提供の一層の促進といったようなことを少し強調させていただく表現にさせていただきまして、大学の透明性の確保といったようなところの表現を加えさせていただいたところでございます。 続きまして、資料2―2でございます。「大学院における高度専門職業人養成について」でございます。 こちらにつきましては、内容的な変更というよりも、字句的な修正でございます。「はじめに」のところでございますけれども、「高度で専門的な能力を持つ人材」といったような表現でございましたが、「職業能力を有する人材」といったような表現に修正をさせていただいております。 それから、3ページでございます。「基本的な考え方」の「2」の「高度専門職業人養成への期待」のところでございますが、「社会経済の高度化、多様化」といったような表現でございましたけれども、「社会経済の急激な変化と多様化、複雑化、高度化」といった形での、委員の御意見を踏まえて修正をさせていただいております。 それから、4ページの「3 専門大学院の制度と課題」の「(2)」の部分でございますが、「発展させていく必要があるとの指摘がある」という表現でございましたけれども、指摘があるというよりは、社会的な状況としてそういう要請が高まっているという表現のほうがよいのではないかということで、そのように修正させていただいているところでございます。 次の7ページをお開きいただければと存じます。「専門職大学院制度の創設」についてでございますが、7ページの「(1)」の部分でございます。工学系などの大学院の課程については、大学院の修士課程においても、「技術者等の高度専門職業人の養成が相当の比重をもって行われている」という表現でございますが、工学系だけではないという御指摘で、「工学系や薬学系など」と、「薬学系など」という表現を追加させていただいております。 それから、「専攻分野」のところでございますが、「国際的にも、社会的にも通用する」という表現でございましたが、「社会の各分野において国際的に通用する」というふうに、委員の御指摘を踏まえて修正させていただいております。 それから、「専攻分野」の中ほどでございますが、「国際的に共通の標準」という表現でございましたけれども、「水準」ということで表現を直させていただいております。 それから、同じく「専攻分野」の部分でございますが、若干の字句修正で「より広い」という言葉を追加させていただいております。 次の8ページでございます。「(2)」の部分でございますけれども、国際的な標準という表現でございましたけれども、標準という内容はないのではないかということで、「国際水準」というふうに直させていただいております。 それから、「7」の「学位」のところでございますが、「修士(○○)」、「博士(○○)」(○○は専攻分野名)ということを、注意的に追加させていただいております。 それから、10ページでございます。最後の第三者評価制度の導入でございますけれども、海外の評価機関を活用するということについて積極的に追加すべきということで、「分野によっては海外の国際的な評価機関を活用することが有益な場合もある。したがって、第三者評価制度の導入に当たっては」ということで、文章を追加修正させていただいているところでございます。 続きまして、資料2―3、「法科大学院の設置基準等について」でございますけれども、これにつきましては、前回の中教審総会におきましても、先週の大学分科会につきましても、特に修文につながるような御意見等は頂戴いたしておりませんので、文章上の表現の修正はいたしていないというところでございます。 以上でございます。 |
| ○ | 鳥居会長 ありがとうございました。 今、修文について御説明をいただいた三つの答申案ですが、いずれも細かい部分の修正案がほとんどなのですが、中に若干重要な修正も入っておりますので、それらについて御意見あるいは御質問があれば承りたいと思います。何かございましたらどうぞ。 |
| ○ | 資料2―1「大学の質の保証に係る新たなシステムの構築について」ですが、14ページ、15ページのところです。基本的には大学の自治等を考えた場合、自主性、自律性を踏まえた改善は、是正措置が行われる以前の段階として、大学の姿勢として透明性を高める、つまり公表を積極的になさることによって、自らの力で改善していくというのが本来の筋だと思うのです。そこのところを、今、こういう状況ですから、しょうがないと思ってはいるのですが、戦後60年、そういう努力をしてきたはずなので、これが一挙にここで、自助努力以前に改善命令が出されて、改善勧告、変更命令云々というような段階的な是正を文科省からされるということに対する、非常に残念な気持ちがはっきりあるのです。何とか自分たちの力でできないものだろうか。本来、大学というのは自治の組織だと思いますから、自分たちでやれないのかという意味での言葉がどこかに入ってこないのだろうかという気がするわけです。 情報公開の先般の委員会の答申でも、大学に関しては情報公開に制限をつけていいということも出ているのです。そういう意味で言うと、その辺、情報公開と言いながらも、大学についてはしなくていいといって、そのかわり改善をやるのだという段取りになっていくと、大学の自治というのは本当にちゃんと育っていくのかなということを心配するわけです。 その辺のところは、表現がなかなか難しいし、今の実態を見ると、しょうがないなとは思いながらも、ちょっと残念なのですね。これは国公私立を問わず、大学というのは本来そういうものだと思いますので、当然のことを今さら書くこともないのだというなら、それはそれでやむを得ないのですけれども、非常に残念だということであります。では、こうしたらいいということが具体的にあるわけではないので、非常に困るのですけれども、そういう話であります。 |
| ○ | 鳥居会長 この種の文章をつくるとき、「大学」と言ったときには国公私立大学全体を指しまして、「国立大学」「公立大学」「私立大学」というように、「国」とか、「公」とか、「私」という字をくっつけたときは、それだけを指すという言葉の使い方が定着していると思います。14ページはまさにその例でありまして、「(1)」番の「今後の大学の」云々という「大学」は、「国公私立大学」を指しています。 例えば、「(3)」番を見ていただきますと、「違法状態にある大学に対しては」というときの「大学」は、「国公私立」を全部含めた大学を指しています。 そのとき、ここに書いてないことがあるのですが、私学以外の大学、つまり、国立、公立については、途中で閉鎖命令の手前で、改善勧告でありますとか、変更命令でありますとか、特定組織のみを対象とした認可取消等、幾つかの定めがありまして、可能になっています。 ところが、私学だけが一足飛びに閉鎖命令ということになっていたので、そのことを一所懸命書いたつもりだったのだけれども、これを読む人が読むとそれがわかるけれども、わからない人が読むと、私学だけを特別に取り上げて、閉鎖に至るまでのプロセスを事細かに書いたというように読めてしまうのです。確かにそのような印象を世間に与えるのは得策ではないので、まさに委員のおっしゃる大学の自治を何だと思っているのだという反論、反感を招いていしまうので、そこのところはちょっと工夫する余地があるかもしれないというので、いかがでしょうか。 ここのところのさらなる修文を、私と吉川分科会長と事務局にお任せいただいて、手直しさせていただいてよろしいでしょうか。いいですね。では、そのようにさせていただきます。 |
| ○ | 事務局 今の修文につきましては、また御相談させていただきたいと思います。 それから、情報公開につきましては、次の15ページのところでございますけれども、「(2)」のところで、ここにございますように、情報社会に提供することによって、大学が社会から評価を受け、ひいては質の向上に資することになるということで、積極的に提供することが期待されるということで、あわせて書かせていただいているということでございます。 また、第三者評価を受けるということにつきましては、これはむしろいろいろな私学団体などが質の向上のための自主的な取組として、今、機関の整備などをお考えいただいていると考えているところでございます。 |
| ○ | 机上に、全私学連合からの要請文が配布されているのですけれども、これの6ページに、私学の短大のディグリーの関係があって、要請の中に、準学士の位置付けについて、称号ではなくて、学位として位置付けてほしいという要請が出ているのですけれども、このことについてどう考えていらっしゃるのか、あるいは文章の中でそれが改善されるのかどうか、ちょっとお聞かせいただきたい。 |
| ○ | 事務局 この事柄につきましては、引き続きまして、大学分科会のほうで、短大あるいは高専の準学士の在り方、あるいは短大自体の制度的な位置付け、在り方、そういったところにつきましてトータルで御議論させていただくことになっているところでございます。ここは設置認可の問題でございますので、学位自体の見直しの問題は直接に検討の対象になっていないということで、改めて短期大学の在り方という中で御議論させていただこうと思っているところでございます。 |
| ○ | 鳥居会長 よろしいですか。ありがとうございました。 そのほかにはございませんか。 ございませんようでしたらば、先ほど委員から出されました御意見を踏まえまして、若干の修文をさせていただくことにさせていただきたいと思います。 なお、今委員から出た短大の学位については、この答申の中で扱うのではなくて、別の答申で扱うということで御了解いただくことでよろしゅうございましょうか。 では、以上のようなことで取り扱いをさせていただきます。 なお、今日出ました3本の答申案のうち、資料2―3の法科大学院の答申でございますけれども、これは司法制度改革推進本部のほうで検討していることでもありまして、その検討が並行して進んできたことを踏まえて、司法制度改革推進本部のほうと両方を考えながら、最終的にこの扱いを決めざるを得ないと思います。 司法制度改革推進本部の検討では、第三者評価をはじめ、様々な意見もあったのですが、各意見がほぼ収束されつつあり、我々のほうの答申案もそれと整合性を持ったものにしてきたつもりでございます。司法制度改革推進本部は、現在、最終的な調整等を行っているようでございます。中央教育審議会の答申案については、推進本部のほうの検討状況を見ながら、一番適当な時期を選んで、調整が整い次第、文部科学大臣に答申を提出するのが、提出の仕方としては一番よろしいのではないかと思います。 そこで、提出の時期については、大変恐縮でございますが、会長に御一任いただくという方法をとりたいと思います。したがって、一つだけというのもあれですから、大学分科会の3答申は、一括して同じ日に文部科学大臣に答申提出としたいと思いますが、よろしゅうございましょうか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり) |
| ○ | 鳥居会長 ありがとうございます。 それでは、答申につきましては、後日、大臣に、私のほうで日を決めて提出させていただきたいと思います。 それでは、それまでに修文については、事務局と私と分科会長とでお打ち合わせをしたいと思います。よろしくお願いいたします。 それでは、今日の第3の、一番大きな議題でございますが、教育基本法と教育振興基本計画につきまして、基本問題部会での審議状況を総会に御報告したいと思います。その上で、御審議をいただきたいと思います。 まず、事務局から資料の説明をお願いいたします。 |
| ○ | 事務局 では、資料3、資料4でございます。資料3が、教育基本法に関します中教審基本問題部会の議論の概要、資料4が振興基本計画でございます。 まず、資料3の基本法に関する資料から御説明申し上げます。 1ページ目でございますけれども、これまで検討の視点に基づきまして整理していたところでございますが、基本問題部会で、事項ごとに整理して、方向性を示せるものは示すという形で整理したのがこの資料でございます。 教育基本法につきまして、全体につきましては、「1」にございますけれども、現行法で規定されている普遍的な理念は残しながら、新しい基本法はどうあるべきかという視点から見直す。 憲法との関係については、現行の憲法の枠内で見直す。 教育の振興に関する基本計画の策定の根拠となる規定を盛り込む等の基本的な考え方が整理されているところでございます。 前文は、今後、検討ということでございます。 2ページにまいりまして、議論の多かったところでございますけれども、「3 教育を受ける権利等について」でございます。現在の教育基本法には、「教育の機会均等」という規定がございますが、この規定については、重要な原則ということで、その内容については同様の規定を置く方向で検討する。この場合、憲法と同じように、教育を受ける権利として規定するかどうか等については、さらに検討ということでございます。 また、生涯にわたり学習する権利を規定する必要があるかどうかという点についても、さらに検討ということになっております。 「4」番目に、「国・地方公共団体等の責務」という点でございます。この点につきましては、地方分権の流れも踏まえつつ、わかりやすく規定すべきではないかといった意見がございました。この点については、さらに検討していこうということになっております。 これに関連いたしまして、一番最後の「○」でございますけれども、振興基本計画の根拠となる規定を設けようということでございます。 続きまして、3ページ目でございます。教育の基本理念につきまして、現行の教育基本法でございますと、第1条に規定されているところでございますが、「教育の目的」につきましても御議論いただいたところでございます。目的につきましては、現在及び将来の教育において、何が特に重要かという視点から集約した事項を盛り込んでいこうという方向で検討するということで、特に重要な事項として挙げられた事項ということで、2番目の「○」に掲げたような事項が、今まで指摘されてきたところでございます。 「(2)」の第2条の「教育の方針」でございますけれども、この規定につきましては、よりわかりやすい規定となるように見直す方向で検討するということで、見直しに関する事項がそこに掲げられているものでございます。 続きまして、4ページ目でございますが、「義務教育」につきましても、皆様からいろいろな御議論をいただいたところでございます。 一番上の「○」にございますが、就学年齢、学校区分、保護者の学校選択、教育選択などのシステムといった点について、御議論があったところでございます。 現在、教育基本法では、義務教育に関しては9年の普通教育と規定しておりますが、就学年齢、学校区分、就学の義務といった事項は、学校教育法レベルで規定しているということもございまして、これらの事項については、学校教育法のほうで具体的には検討してはいかがか。あるいは、どういう方向性を持っていくかということについては、教育基本計画の中に位置づけることがよいのではないかといったことが主要な御意見でございました。 また、一番下にございますが、幼児期の教育、飛び級等についても意見があったところでございますが、これらについてはさらに検討ということでございました。 5ページにまいりまして、「男女共学」でございますけれども、これに関しては男女共同参画社会、あるいは男女平等の推進といった観点から、そういう趣旨を盛り込むといった方向で検討していく。これを教育の理念に規定するのか、そのあたりもさらに検討ということになっております。 また、学校の役割につきまして、学校の役割をさらに詳しく教育基本法の中で規定すべきか否かという点については、さらに検討しようということになっております。 また、一番下でございますが、「学校の設置者」につきましては、現行法の国・地方公共団体及び「法律に定める法人」といったあたりは維持するといった方向で検討が行われたところでございます。 続きまして、6ページでございますけれども、学校教育に対する保護者、あるいは地域の住民の方の意見の反映、参加、参画といった事柄につきまして、「参加」「参画」といった言葉を使うかどうかといった点について、さらに検討しようということになっております。 また、「学校における学習者」ということで、学校における学習者の責務を書く必要があるかどうか。これらの点についても、さらに検討ということになっております。 「教員」につきまして、現在の教育基本法に、さらに教員の使命感、あるいは責務をより明確にする、あるいは資質向上、研鑽、研修の重要性、そういう事柄を盛り込むといった方向で検討するということでございます。 「家庭教育」につきましては、家庭あるいは保護者の果たすべき役割、責任といった点について、より明確に規定する方向で検討しようということになっております。 また、「社会教育」につきましても、地域における継続教育を支援するといった観点から見直そうという方向でございます。 続きまして、7ページでございますけれども、「政治教育」についての規定がございます。これについては、公共的なものへの主体的なかかわりを教えるといった観点から、現在の教育基本法の第8条の規定でございますが、見直そうという観点、また、条文の見直しについても検討しようということになっております。 「宗教教育」につきまして、重要であるということはあるのですが、いかなる場所で、どのような内容で行うべきかについては、御意見がいろいろ分かれているところでございます。この点につきまして、下から2番目の「○」にございますが、宗教的情操の涵養とか、特定宗教に基づかない普遍的な宗教心といった点についても議論があるところでござまして、さらに検討しようということになっております。 最後に、8ページ目でございますけれども、現在の規定に加えまして、生涯学習とか、国際化、情報化、あるいは障害者のための教育、高等教育の位置付けの明確化、私学の振興といった点につきまして、さらに盛り込むべきかどうか、いろいろ御意見があったわけでございますが、教育の理念の表現の仕方といったことも含めまして、さらに検討しようということになっているところでございます。 引き続きまして、資料4でございますが、教育振興基本計画についての議論の概要でございます。 教育振興基本計画につきまして、基本問題部会での御議論、総会での御議論も踏まえて整理したのが、本日の資料ということになっております。 まず、初めに「教育の現状と課題」ということで、今後、こういう形で教育振興基本計画をまとめていこうというその柱立てでございます。 初めは「教育の現状と課題」ということで、これまでの教育の現状、それから教育の課題については、今後の社会への対応、教育の意味を改めて問うといったことでございます。 そういうことを踏まえまして、「21世紀の教育が目指すもの」ということで、これからの教育の目標について、これまでの御意見を踏まえて、三つほど掲げまして、2ページ目でございますが、教育改革の基本的方向性ということで、御議論を踏まえて、基礎学力以下、生涯学習社会の実現といったところまでの幾つかの方向性を示しております。 そして、教育振興基本計画の必要性も記述した上で、教育振興基本計画策定に際しての基本的考え方について、今までの御議論をまとめたものでございます。 教育関係施策の総合性、戦略性の確保、あるいは重点施策の明確化、優先順位をつけた体系化、目標の明確化、教育への投資の意義といった点について、配慮していくという考え方でございます。 3ページから5ページまでが、今後の教育振興基本計画の策定に際して盛り込むべき施策を検討していく場合の基本的な視点ということで、整理させていただいております。 3ページ目は、初等中等教育関係ということで、教育方法・内容につきましては、学力、個性・才能、豊かな人間性、健やかな体といった点を挙げております。 また、教員、学校経営、柔軟な学校システムといった点。 4ページ目にまいりまして、教育施設・設備等の教育条件についてでございます。 また、高等教育関係につきまして、全体の問題、大学・大学院の教育・研究機能の充実、評価に基づく競争原理といった点について掲げてございます。 5ページでは、国際化、情報化の関係、それから家庭教育、社会教育、生涯学習関係といった柱について整理したものでございます。 最後に、施策を推進するために必要な事項ということで、今後の教育投資の在り方を考える上での基本的な視点、それから推進に当たっての国・地方公共団体、民間との連携、分担、定期的政策評価と一定期間後の見直し、積極的な関係機関との連携、情報公開と国民の意見の反映といった点を挙げているところでございます。 また、6ページ以下でございますけれども、これまで整理させていただいた教育振興基本計画の策定についての盛り込むべき施策の検討の視点に従いまして、文部科学省で現時点で具体的な施策として整理したものを、当面、重点的に実施すべきと考えられる施策の例ということで掲げたものでございます。 以上でございます。 |
| ○ | 鳥居会長 ありがとうございました。 今、説明していただきました二つの資料、教育基本法に関する議論の概要・資料3、それから教育振興基本計画に関する議論の概要・資料4は、基本問題部会を12回重ねまして、ようやくここまでまとめてきたものでございます。また、総会にも再三にわたって御説明し、皆様の御意見をいただきました。まだどこがどう固まったという状態ではありませんで、むしろこれから足りなきを補い、そして、だんだんに形を整えていって、教育基本法に関する最終的な形を整える必要がありますし、また、教育振興基本計画についても同様なのです。 そういうことで、今日の総会では、再び御自由な御審議をいただくという形で、今日出てまいりました資料をどうお考えになるか、御意見をいただければ幸いでございます。 最初に、教育基本法に関する議論の概要、資料3につきまして、御意見をいただきたいと思います。 |
| ○ | 実は教育基本法をめぐる議論といいますのは、抜本的に再編して改正しろというよりも、戦後50年の教育の経過の中で、いろいろな教育問題が起こっている。それに対処するために、条文に何々を加えろと、こういう論調がたぶん主流であろうと、私自身はそういう理解をしているわけです。 そういう観点から、本日提示されました議論の概要を見ますと、今後の検討課題にゆだねられている点はございますが、おおむね取り上げられていて、評価をいたすものでございます。 そうしたことを前提に、2点ほど申し上げさせていただきます。 第1点目は、教育基本法の議論の中で、教育行政にかかわる分野で申し上げますと、どうも教育界の議論と一般国民の感覚といいますか、認識が、どうも乖離しているという気がいたしてなりません。 といいますのは、いろいろな議論がされている中で、例えば我が国の伝統、文化の継承であるとか、あるいは国を愛する心であるとか、日本人としてのアイデンティティの問題にしましても、これは既に法規性を持つと言われている学習指導要領に明記されているわけです。現実の学校の現場、あるいは教育の現場では、指導要領の意を体して現実に行われているわけです。その辺のところがいまひとつ、教育基本法をめぐって国民的議論になり得ない、そんな気がいたしております。 そこで、今後、今申し上げたような現実に行われているということを視点に置いて、ぜひとも議論願いたいというのが1点でございます。 2点目は、生涯学習に関してですが、これまで生涯学習の意義としては、一生を通して学習意欲を高めて、自らの人格向上を目指すということが言われているわけですが、教育行政におきましては、生まれてから児童生徒である期間の子どもたちの人格形成に資するという教育の点で、家庭、学校、地域社会が別個のものとして機能するのではなくて、相互に連携した中で、より高い教育効果を得るという観点から、各種の生涯学習を推進しているわけでございます。 よく現行教育法は学校教育基本法だと言われますけれども、今日の実際の教育行政は、学校教育のみならず、家庭教育、あるいは地域社会の中での教育を含めた、生涯学習社会という体系の中で現実には行われているわけですから、教育基本法も生涯学習という視点から構築すべきだと思っております。そうすることによって、現実の教育行政におきましても、日本の教育の指針としての位置付けが明確になると考えているわけでございます。 |
| ○ | 鳥居会長 ありがとうございました。 委員が最初に出された問題は、まだ十分に議論を尽くしていない問題だと思います。私の記憶では、何度か出てきた考え方として、人格形成の一番基本のところに、人間がずうっと受け継いできた文化、文明の継承、そして伝統、歴史といったものに対する理解と敬意を払うということがあって、それが人格形成の一番もとになるべきだという考え方がもともとあるはずではないかという御意見は何度か出たと思いますが、まだ「議論の概要」というペーパーに残る形で定着しておりませんので、今のような御意見は貴重な御意見だと思います。 ただ、なおそれに加えて、既に実際に実行されているという御指摘がありましたので、今日はそのことをテークノートさせていただきたいと思います。ありがとうございました。 |
| ○ | ペーパーに残るというレベルでの話なのですけれども、実は3ページの教育の根本理念、あるいは教育の目的というところですが、その中に、「国家及び社会の形成者」というのがあります。現在の教育基本法の中には、「平和的な国家及び社会の」という、「平和的な」というのが入っているのです。これは形式的なことかもしれませんけれども、諮問文にもありますように、やはり普遍的な理念を維持しつつという前提で考えた場合には、この目的のところでも「平和的な国家及び社会の形成者」ということで、「平和的な」という言葉はぜひとも使ったほうがいいのではないか、逆に使うべきではないかと思います。 |
| ○ | 鳥居会長 ありがとうございました。 これについても何度か御議論がありまして、それに加えて、「民主的な」と。「平和的な国家」「民主的な国家」ということは再三出てきたと思いますので、この辺もまた議論を深める意味でテークノートさせていただきます。 そのほかに何かございましたら、どうぞ。 特に御意見がございませんようでしたらば、資料4、教育振興基本計画に関する議論の概要について、御意見をいただければと思いますが、いかがでしょうか。 一見しておわかりのとおり、資料3のほうは、こういう意見があったとか、これはこれから考慮していくとか、さらに見直すという締めくくりの文章で、大体どういう姿勢でこの項目については取り組むかということが煮詰まり始めているのですが、こちらの資料4のほうはまだそこまでいってませんで、とにかくグローサリーとして言葉が列挙してあるという形でありますので、ぜひ徹底して御意見を出していただければと思います。 |
| ○ | 先ほどの基本法の資料についての論議も、振興基本計画についてもそうなのですが、次のステップにいかないと、なかなか議論が出しにくいのですね。というのは、今までのものがほぼ出ておりますので、確かに表現の問題では、できるだけこういうふうにしてほしいということは私ども言えますけれども、やはり次のステップが必要ではないか。 例えば、教育振興基本計画につきましては、大事な論点はほとんど出ていると思うのです。ひょっとしたらまだ欠けている部分はあるかもしれませんが、大体出ているなと思いながら、また今日も見せてもらっております。 大事なのは、この広がりの中で、例えば最重点課題三つとか、その次三つとか、1段階、2段階ぐらいの重点課題の絞り込みだと思うのです。この段階になったら、すごい議論が出てくると思うのです。 大事な議論があって、全体の網羅的なものを出しても、なかなか説得力がない。それこそ何度も申し上げましたが、文部科学省の全部の局や課にまたがるものを出して、「これも大事です。あれも大事です」と言ったら、概算要求の費目をずうっと列挙するような話になるわけです。大事なのは、当面、今の段階で、いろいろと大事なことはいっぱいあるのだけれども、この三つは最優先でやってほしい。その後、この幾つをと。そのほかもみんな大事だけれどもという形で、最後に大事な、忘れてはならないものが全部列挙されているとか、そういう2段階、あるいは3段階の優先順位の提示がなければ、説得力を持たないのではないかという気がいたします。 ですから、ここで何をというのは、なかなか難しい面もあるかもしれませんが、今までの論議を踏まえて、会長、副会長、そして事務当局の方々で、この8月中に何とか優先順位の「この三つ」という、あるいはその次の第2段階優先順位、「この幾つ」というのを、たたき台として絞り込んでみていただいたらと。そうすると、9月からの論議は、時間が2倍も3倍もかかるぐらい盛り上がるのではないかと思います。 |
| ○ | 鳥居会長 なかなか我々―我々というのは、会長、副会長、事務局で、取りまとめていいものかどうか迷っているというか、難しいところだと思うのです。 今日の段階で、委員も含めて、ここが一番大事だという重点を、今、三つずつとおっしゃいましたけれども、確かに三つでも、パンチが効いていいと思うのですが、それぞれの3大重点項目、5大重点項目、あるいは2大重点項目で結構なのですが、それをむしろサジェストしていただいて、それを我々が吸収するという形にして、せっかくお集まりいただいていますので、何か御意見がありましたら。 特に事務局で整理していただいた資料の1ページ目には、教育の危機をこういう表現方法で表現してはどうかということで出ております。これは非常にわかりやすくできていると思います。 まず、社会全体が自信喪失、閉塞感、モラルの低下という状況に直面していて、青少年が学びの意欲の低下、人格陶冶能力の低下という事態に直面していて、あまりにも具体的な言葉が並んでいますけれども、様々の若者の問題、あるいは学生生徒の学校における問題を、いじめとか、不登校という形で列挙してあるのです。こういう問題提起でよろしいのかどうかということを考えていただければありがたいと思います。 戦後教育の問題というのは、半世紀前に設計された教育制度と大さっぱに書いてありますが、お一人お一人のお考えの中で、半世紀前、57年前に設計された教育制度なるものが、今、一体どのような新しい問題を提起しているかという形で思いがおありだと思いますので、それを聞かしていただければと思います。 それから、議論の分かれるところですが、平等主義、画一主義、あるいは画一的思考と言ってきたものは本当なのだろうか、それともこれは別の表現方法があるのだろうかということをお考えいただければと思うわけです。 その辺のところについて何か御意見がありましたら、ぜひお願いしたいと思います。 |
| ○ | 教育基本法を抜本的に見直して、教育振興基本計画の根拠規定をもしここで設けるということであるとすれば、高等教育をもう少しきちんと位置付けていただきたいと、いろいろな機会に申し上げてきました。 そして、今日、実は先ほど、「大学の質の保証に係る新たなシステムの構築」「大学院における高度専門職業人養成」「法科大学院の設置」、この答申案を審議しましたけれども、これを決めるということの意味が非常に大きいのだということを、ぜひ御理解いただきたいと思います。 こういう専門的な職業人を大学院で教育するということの日本の社会にとっての意味は、実に深い、大きなものがあるということを、広く国民の皆さんに理解していただいて、財政的にいろいろな意味において本格的に支援していただかないと、結局は新しい何かをつくったという程度でとどまってしまったら、今日、せっかくお決めいただいたことの意味が、歴史的に期待されている意味が実現されないことになるのではないかということを危惧しております。 先程の委員がおっしゃったように、計画の中で重点的に取り組むものがあるとすれば、ほかにももちろんいろいろあると思いますけれども、高等教育におけるこれが最も重要な柱の一つであることを強調させていただきたいと思います。 先ほどの基本法のほうで、表現にこだわるようですけれども、5ページ、「7」の「教育の主体」のところで、「学校」の一番最後のほうですが、「学校の役割について規定する場合には、高等教育機関の役割も盛り込まれるよう規定する必要があるとの意見があった」と。けれども、「意見があった」ということではなくて、もう少し中心的な位置付けが与えられてしかるべきではないかという思いを―ここで表現はこだわりません。これはこれで結構なのですけれども、教育基本法を基本的にいじるときには、ぜひさっき申し上げたようなことを一つの大きな柱として、国を挙げて取り組むようなもののきっかけにしていただきたいということを念願しております。 |
| ○ | 鳥居会長 表現の話なのですが、これは事務局とも相談したのですが、うっかり「意見があった」とか、「検討する」とか、「さらに検討する」と書きますと、次の朝、新聞に「これは軽く扱った」「これは重く扱った」と勝手な解釈が出てくるので、気をつけようよと言っているのです。しかし、気をつけても気をつけきれない、要するに勝手に解釈されてしまうと、どうにもならなくなってしまうので頭の痛い問題なのですが、私たちが会長、副会長と事務局で、資料3等をつくっているときは、どれを軽く、どれを重くということはあまり意識していないので、「意見があった」というのと、「さらに検討する」というのとはそんなに違わないということで、しばらくの間は進ませていただきたいと思うのですけれども。 |
| ○ | はい。こだわりません。 |
| ○ | 鳥居会長 したがって、「意見があった」というのを、もう二度と取上げないというような解釈で新聞記事を書かれるのは非常に困るという、別な表現で言えばそういうことだと思います。よろしくお願いします。 |
| ○ | 振興計画の位置付けなのですが、私自身は、先ほど委員がおっしゃったのとはだいぶ考え方が異なります。 といいますのは、以前、この総会でもいろいろな議論をしましたが、今回、教育基本法並びに振興基本計画の議論をする一つの意義として、現在、国民にとって非常にわかりにくい。今回の議論を通して、教育にどういう問題があり、それが体系的にどういう問題をはらんでいるのだということを、国民に明らかにするというのが一つの意義としてあったわけです。 とするならば、教育基本法とそれを根拠にする教育振興基本計画は軌を一にするものであって、理念的な話は基本法でするとしても、それを具体化する振興計画で、少なくとも国民に対して体系的に全貌をまず明らかにする必要があるだろう。そうして初めて国民は全体像がわかるのであって、個々の絞り込みはその先の話であって、少なくとも今の段階で教育振興基本計画を議論する場合には、基本法と軌を一にした形で、全体像をまず体系的に明らかにしていく、それが当面やるべき作業であろうと思っています。 |
| ○ | 有名な話ですけれども、20数年前にレーガン大統領が、「アメリカ国家の危機、それは教育の崩壊である」という年頭教書を出して、それ以後、アメリカのパブリックスクールが急速に回復したと思うのです。 最初の「教育の現状と課題」で書いているところですが、日本の国のこれから50年の最も重要なことは教育である。したがって、昔からそれぞれの家でも、貧乏しても、食べなくても、子どもは学校へやったのだ。したがって、最も重要な施策として、国は教育にお金をかけなければならないということを一番最初に書いてもらいたいと思うのです。 高等教育のところも、大学の法人化であるとか、世界最高水準の大学の育成であるとか、非公務員化であるとか、競争的環境、それはどれも大学を活性化することになるのですが、全体のパイが縮んだ中で、それをやったのではむちゃくちゃになってくるということです。したがって、国際的な基準の高等教育に対する国家の財政的支援、GDP何%以上には必ず保つようにするべきであるとか、そういう大きな枠をまずはめて、その中でやれということを強調してほしい。 例えば非公務員化は結構だと思うのですが、今までだったら12万何千人の公務員の給料は、国が確実に支援していたわけで、今度はそのたがが外れるわけです。予算を少なくしようと思えばいくらでもできるという危険があるということです。国は教育に対して最も重視してお金をかけるべきであるということを、すべての一番最初に、それがこれから50年、100年の国家の一番重要なことであるということを、国民みんなにわかるように最初に書いて、それからこうだこうだと書いていただいたらいいのではないかと思います。 |
| ○ | 私がかねて申し上げてきた気持ちは、教育基本法をいじるとすれば、体系的に、全体的に見直すとすれば、高等教育をきちんと位置付けてほしいということを申し上げているだけなのです。その上で、重点的にどうやるかというのは、その次のステップだと思っております。 今の教育基本法というのは、日本の教育の在り方全体を示しているかというと、必ずしもそうではなくて、学校というと大学が入るはずですけれども、ほかのほうは大体義務教育、初等中等教育が念頭に置かれているのです。ですから、高等教育を含めて、全体像をきちんと体系的に示す必要がある。そのことをまず基本に申し上げているのです。その上で、振興基本計画を立てていく上では、重点的に順番をつける必要があるでしょう。その中で、高等教育は重要ですよということを申し上げているわけです。全体像を示す必要があるということについては、私は、最初はそうすべきだ、しなければいけないと思っております。 |
| ○ | 鳥居会長 そうですね。全体像をどうわかりやすく表現するか。まだ我々は固まっていませんが、その全体像をうんとシンボリックに言うときに、大事な3項目とか、そういう話も出てきておかしくないと考えられますね。ありがとうございました。 |
| ○ | 今の全体像の話にかかわってのことですが、確かに今の教育基本法は義務教育基本法であると言われるぐらいに、そういう傾向が確かにあります。 最初に教育振興基本計画の部分で考えると、どうして教育振興基本計画が必要なのかということを必ず触れる必要があるだろうと思うわけです。それは全体像を触れることとつながるのですが、先程委員がおっしゃられたように、私たちの国、日本人というのは教育熱心だという誤解が長く続いていたわけです。ですから、国民というか、普通の方々は、十分に教育にお金を使って、十分にいい教育をして努力している、関係者も熱心だと思っているわけですね。それはある意味では非常に当たるところもあるのですけれども、実は総体で見ると、簡単に言えば、お金を使っていないということがはっきりしてきたわけです。 本当に質のいい教育をしてきたかというと、理系は別としても、文系に関してはかなりほっておかれたということが、実態としていろいろなところに出てくるわけです。例えば、1対1の教育なんていうのは、小・中・高・大を通して、日本では考えられてもいないわけです。そういう問題点をきちんと指摘する必要があると思うわけです。 かつては非常に熱心な国民だったのだけれども、実はいつの間にか教育にそうお金を使わなくなって、世の中も関心を持たなくなってきている。それでいいのかということを示すために、振興基本計画をつくるのだということを明示される必要があるのではないかと思います。 これからの教育は、おっしゃるように、初等中等教育から始まって、高等教育に至るまで、生涯学習の中で教育が行われる。これはある一定の年齢だけが対象ではなくて、お年寄りも対象になるという機関として学校が整備されていく必要がある。それには一定のお金を使わなければできないのだということをはっきり宣言をして、そのために振興基本計画をつくるのだという位置付けを明確にしないといけない。現状がこういう危機だという一般論ではなくて、総体として触れる必要があるという気がします。 基本的にそうなった最大の事情は、日本人の一人一人の人間として生きる目標がはっきりしなくなってきたということにあるのだろうと思います。かつては「末は大臣、大将か」で目標がはっきりしていたのですけれども、今はどうやったら幸福になれるかとか、どういう生き方を選ぶべきかということについて多様になり、迷いが出だしている。そのことに対する答えがなかなか出せないわけです。これは国が決めて、みんなこう考えなさいということで済んだ時代はそれでよかったわけですが、これからはそのようには全く期待できないわけですから、それに対しての仕組みとしては、振興基本計画のようなものをつくって、年次計画で一歩一歩進めていくということをやらない限り、うまくいかないという説明が必要だという気がしましたので、申し上げさせていただきました。 |
| ○ | 鳥居会長 資料4の2ページの上から2番目に四角がありまして、「教育振興基本計画の必要性」と書いてありますが、そこについて委員から御意見がありまして、この3行に加えて、あるいはこの3行を若干手直しして、今委員のおっしゃったようなことも書き加えてはどうかと受けとめることができると思います。他の委員の方々の御意見の中にもそれがありましたので、この点をまた次のステップに進むときに考慮させていただきたいと思います。 |
| ○ | 個別具体的なことで大変恐縮ですが、二つほど発言をさせていただきます。 私自身、いつも発言しておりますが、教員問題についてでございますが、旧教養審及び中教審の教員養成部会の取りまとめなどを担当させていただきましたので、その点から若干のコメントを申し上げたいと思います。 3ページの「教員」のところで、こういった問題をきちんと取り上げていただいて、大変うれしく思います。ただ、この取り上げ方は、使命感と不適格な教員というような側面がかなり前面に出ておりまして、もう一つ実践的指導力と専門性ということは、研修の充実等々のところに含まれているといえば、そのとおりかと思いますが、ここに書き込むかどうかは別といたしまして、検討に際しましては、どうぞ実践的指導力と専門性をセットにして考える、そこの部分を十分に御考慮いただきたい。書き込むかどうかは別として、そういうことをひとつお願いしたいと思います。 もう1点は、6ページ、「参考」として、当面、実施すべきと考えられる諸施策が書き込まれております。6ページの「(4) 」といたしまして、「優れた教員の養成・確保」も、こういったことをきちんと書き込んでおいていただいて、大変感謝しております。 ただ、ちょっと気になるところは、「○」の最初でございますが、「教員養成機能の強化」のところで、「再編統合等」と「等」のところがありますから、「再編統合等」でわかりますが、何か「再編統合」だけといいますか、これが前面に出ていることがちょっと気になるわけです。 と申しますのは、昨年の11月に、審議会とは別に教員養成大学・学部の在り方に関する報告書も取りまとめをさせていただきました。そのときに、教員養成機能の強化の第1番目は、実践的指導力を持つ教員を育てていくために、カリキュラムを一体どう改善するか、それがメインでございまして、その大きな手段として再編統合も考えるというような文脈で報告書をまとめさせていただいている。後の手段のほうがここのところにバーンと出てきているということについて、もちろん「再編統合」だけを強調しているということではないと思いますが、その根本にあるものはカリキュラムの改善であったというところがずれ落ちないように、ぜひ御配慮をいただきたいと思います。ありがとうございました。 |
| ○ | 鳥居会長 どうもありがとうございました。 教員養成学部におけるカリキュラムの改善、あるいは教育方法の改善は重要だということを盛り込むということをおっしゃっておられると思います。 |
| ○ | まず一番最初に、現状の分析を行っているわけですが、これからよりよい方向に変えていこうということで、今ここに問題があるのだというのがずらっと並べられているのだと思いますが、これまでの教育の果たしてきたプラスの面もきちんと総括すべきだと思います。これですと、自虐的に過ぎるという気がいたしました。 もう一つ、一番下のほうに、「学力、豊かな心、健やかな体」とあり、また、3ページにもそういったことが出てくるのです。今までの教育でもそうなのですが、知・徳・体というのは便利な言葉なのですが、ややもすると知育だけ、徳育だけ、体育だけというふうに、三つが切り売りされてしまって、それを一人の人間の中でどう統合していくかという視点が欠ける嫌いがあると思っています。そういった意味で、書き方上の問題、それから具体的な教育方法とか内容になると、バラバラに扱わなければいけない部分もかなりあることは事実ですが、もうちょっと人間総体として、一人の中でそれがどう統合されるのかということについて、どう教育していくかという視点も必要になるのではないか。 私の立場である体のほうの問題を言いますと、ここで「健やかな体、体力向上のため」となっているわけですが、体を通しての教育というのは、体力向上も一つの大きな視点になるわけですが、知育にも、徳育にも働きかけ得る総合的なものだと思っていますので、そういった点での御配慮もぜひお願いしたいと思いました。 |
| ○ | 先ほど教育予算、財政について、何人かの委員からもございましたけれども、私も全く賛成でございます。 昨今、義務教育費国庫負担法に基づく負担金の削減問題がずっと新聞に出ておりまして、現場の教職員は非常に不安がっているのです。といいますのは、現在でも各自治体によっては、文科省の一つの規制緩和によりまして、少人数学級が県でも実施に入っています。しかし、実際は金がかかってくるものですから、財政の困難な自治体では実施ができないという状況なのです。その上に、今の負担法の関係で、負担金が削られるということになると、現場は非常に厳しくなってくるわけです。ですから、非常に不安が出ているわけです。 それから、先ほど委員からも出ましたけれども、日本の教育予算は、OECDの国の中においても、GDPで3.55。平均が大体4.幾らだといいますから、平均よりも低いという統計数字もあるわけです。この数字についてはいろいろ意見もあるようですけれども、OECDが出した数字によるとそういう形です。 そういうことを考えますと、今の教育予算についても、日本は必ずしも多くないという状況の中で、いろいろ考え方はあるかもしれませんけれども、負担金を交付税化していくような形とか、あるいは削減していくという形では、ますます教育条件は悪くなっていく。そういうことは絶対してはいけないと思います。 ですから、教育振興基本計画をつくる場合には、きちんとした財政計画を裏打ちとしてつくるべきだということを、あえてまた申し上げたいと思います。 |
| ○ | 1ページの「教育の現状と課題」等々のところで、小学校教育を担っている者として考えますと、「(2)」の「教育の課題」ですが、「教育の意味を改めて問う」という二つ目の「○」の一番下の「・」です。「学校、家庭、地域の果たすべき役割の明確化と国民のコンセンサス」というところで、現実に学校、家庭、地域社会、それぞれの果たすべき役割について考えましょうということで、現場でも懸命に考えていますし、一番難しいところはその連携の在り方なのです。開かれた学校をつくるということで取り組んでおりますけれども、それぞれその立場、立場、その役割がありまして、なかなか抜け切れなくて、連携がとれないという難しさがあります。そういう意味で、ぜひ役割の明確化と連携ということを大事にして、改めて考えてみる必要があるのではないかと感じています。 |
| ○ | 鳥居会長 ありがとうございました。 今の点に関連して、ここのところを書くたびに、どうしようかといつも迷う問題は、今、まさにそのとおりおっしゃられたのです。実は、学校、家庭、地域が果たすべき役割については、2年前の中央教育審議会の答申ですかね、家庭に呼びかけるという形で書いた答申がありますけれども、あの後、今おっしゃった地域との連携、家庭と学校との連携をどうするのかという具体的なイメージがあまりはっきりしない。まして制度的には定着しないままに、言葉だけがどうしても歩くということになっているものですから、そこでもう少しはっきりしてほしいというお考えだと思います。何かお考えがありましたら、ほかの方からも聞かしていただきたいと思います。 |
| ○ | 簡単に2点申し上げます。まず一つは、お金を使う以上は、透明性をできるだけ高めないとだめだというように、これを書き加えていただきたいと思います。その部分については、教育界というのはいまひとつ十分でない点があるのではないかという気がして、いつも思うものですから。透明性をとにかく高めるということですね。これをやらないと、お金がこないだろうという気がします。 それから、6ページのところで、初等中等教育と高等教育に分かれているのですが、高等教育のほうは私学助成というのが入っていまして、初等中等教育にはそれがないのです。これはどこかに入れていただけないだろうかということです。例えば、比率が少なくても、高校ですと3割は私学でございますから、ぜひこれは触れていただきたいと思うわけであります。 |
| ○ | 鳥居会長 これは委員のおっしゃるとおりだと思いますので、考慮します。 |
| ○ | よく見ると、既にあちこちに散りばめて書かれていることなのですけれども、戦後、これだけの時間がたちまして、何が変わったかといえば、非常に豊かになって、多様性を人々が求めているということだと思います。もちろん、基礎・基本の重要さ、この充実に対応するヒト、モノ、カネが必要ですし、それから多様性、才能、個性に対応するということに関しても、それなりの量的・質的な拡大が必要であろうと思います。これを前向きな変化としてどこかできちんとつかまえる必要があると思います。 その場合に、教育のリソースの拡大ということだと思いますが、それが教員だけなのかということです。質とともに教員ももちろん必要だと思います。ただ、各界の専門領域、例えばそこに家庭とか、企業とか、地域社会とかかわるのだと思いますけれども、そのあたりからの参画が、今後の方向だと思っております。基本法のほうにも「参画」の言葉を書くのかどうか、部会は逡巡しているわけですけれども、その辺のコンセプトがはっきりしてくると、さっきおっしゃられた連携の問題も、意識の問題として前進するのではないかと考えます。 |
| ○ | 鳥居会長 ありがとうございました。 これはフランスのジョスパン法に、社会全体が教育にかかわる一体のものだということが書いてありましたけれども、日本の新しいコンセプトとしてそういうものをはっきり打ち出していくと、今委員がおっしゃったようなことにつながっていくのではないかと思います。 |
| ○ | 教育振興基本計画の1ページのところでございますが、「21世紀の教育が目指すもの」というところの下に、「知の大競争時代に持続的に発展し」云々とありますが、この「知の大競争時代」というのは、「知」だけでしょうか。つまり、確かにそうなのですけれども、これからの大競争時代には、知識を含めた十分な実力あるいは、もう少し大きな意味での人間的な力が、本当の意味で日本人に求められているのではなかろうか。「知の」と限定しなくてもよろしいのではないか。言うならば、「地球的規模の大競争時代」というように私は考えていたものですから、そこはいかがかなと思いました。 そのことと関連するのですけれども、現在の教育基本法の中で、2ヵ所にわたってとてもいい言葉が出ていると思いますが、例えば教育の目的では、「自主的精神」とか、あるいは教育の方針のところでは「自発的精神を養い」云々ということが書いてあります。子どもたちを見ていますと、知識とかについてはかなりのものをそれぞれ持っていますけれども、何かひ弱な感じを受けることがあります。独立心、あるいは自主的に自分の責任で判断し、行動していく自発性、そういった自主性、自発性の精神的なもろさを感ずることが非常に多いわけです。 この点について、教育基本法の見直しということであれば、「これからの教育の目標」というのが1ページのところにございますが、そこのところに文言として盛り込んでいただけないだろうか。例えば、一つとしては、「○」が三つございますが、「一人一人の自己実現と人間能力の多面的発展」という文言がございますが、そこのところに例えば「個の確立」とか、あるいは今申し上げたような「自主性」「自立性」といった表現を盛り込んでいただいて、これからの子どもたちが個人としていかなる困難にも立ち向かい、切り拓いていくたくましい人間に育ってほしい。そういう教育の目標を書いていただければありがたいと思います。 同じようなことは、ほかの箇所にももちろん書いてございますので、含まれているといえば、そういうことかと思いますけれども。 |
| ○ | 今の御意見に私も賛成いたします。一人一人が自分の内側に、生きていく原理を持つような育ちができるような教育に変えていかなければいけない。これは私の持論でもあるわけだけれども、こういうニュアンスが出るといいなと、今伺っていて、そういうことを思いました。 私自身、今、手を挙げましたのは、「教育新生プラン」というのがよくできていると思うのです。今月の改訂版の「教育新生プラン(レインボープラン)」を見ても、今、文部科学省がやられている、あるいはやろうとしておられるものが一覧表で全部出ていて、しかも、極めて具体的に、いつまでにどういう形でというのが出ている。文部科学省がああいうものを国民にわかりやすく出されたことは画期的だという気がして、いつも見せてもらっております。 そうすると、教育振興基本計画はその上をいかんといかんわけです、その上を。これは一つは、もちろん大事な課題が全部列挙されていていいのです。しかし、まず具体的でなければいけないということ。それから、5年だったら5年、10年だったら10年という中のきちんとした見通し、しかも、その見通しが10年後だったら10年後の日本社会についてのあるビジョンに基づくというようなことがないといけない。 繰り返すようですが、その中で、重点的な―全部出ていていいのですよ。しかし、特に大事にするのは、この3点ですというようなものが出ていないと、そこのところはなかなか説得力を持たないだろう。全部大事なのです。全部大事なことをみんなにわかってもらおうと思えば、「教育新生プラン」はインターネットでとれるわけですから、見てもらえばいいだろう。 一つだけ具体的に、そういう意味で申し上げますと、教育振興基本計画に関する議論の概要の中に、資料4のほうですが、例えば4ページ、「教育施設・設備等の教育条件」の5番目の「○」に、「私学の振興」とあります。それから、「高等教育」についても、「 でも、これは単なる補助金を増やせではだめなのです。これから5年、10年の中では。そうではなくて、けれども、一つは、高等教育全体、あるいは幼児教育全体に対する国や地方自治体が設置しているのではない、学校法人という公的な法人が設置している―これは「私学」と言うから間違うと思うのです。私的なものではないですよ、公法人ですから。つまり、地方自治体や国でない公法人が設置しているところの、いわば比重が極めて大きい。幼児教育は、国公立だけのもので語ることができないわけです。高等教育だって、700の4年制大学のうち、500が学校法人なのですから、こんなものを国公立だけで語るわけにいかない。 高等教育の振興に、例えば私学の振興がチラッとお義理に入っているだけではだめなのです。今度独立行政法人にしたら、独立行政法人であるいわゆる国立大学にどういう形でお金を出していくのか、公立の助成はどうするのか、学校法人をどういう形でやるのかということを考えなければいけないし、それが具体的に出ていなければ、「私学の振興」と言っても、結局はこれに書いてあるから、「補助金よこせ」という話で終わってしまうと思うのです。 具体的には、学校法人に対してもやはり経常費補助よりは、具体的な創意工夫のある教育プログラムに対する補助をやるべきだと思います。経常的にきちんと考えていないところは、つぶれていったってしょうがないですよ。そう思います。つぶれそうなところを税金で支えるというのはまずいと思います。 それから、学校法人の財政的基盤を確立するためには、税制の改革が不可欠なわけです。例えば、単なる無税になるだけでなくて、遺産を学校法人に寄附すれば、寄附の2倍か3倍が控除分になるとか、何でもいいのですけれども。少なくとも欧米の有名な大学というのは、ほとんど学校法人なのです。学校法人がつくってやっている。なぜあれだけのことをやれるかというと、寄附なのです。その寄附はなぜ集まるかというと、税制なのです。そういうことまで踏み込んだことが書かれないと、「私学の振興」とか書いたって、これは絵に描いた餅というか、お義理で1項目入れましたというだけになるのではないかと思いますので、ぜひその辺を詰めていただいて、具体策を……。これは他省庁との関係がありますから、事務局でもそれが可能かどうかとか、どういう形でこれが実現できるかということを含めて御検討いただいた上で、ぜひ入れていただきたいと思います。 |
| ○ | 委員がおっしゃったことに連動しますけれども、基本計画のほうの4ページのところでございます。高等教育関係のところで、今後、国公立大学の独立法人化がなされていくと、「 それから、今回の高等教育の今後の方向性について、従来、旧帝大の流れを中心とした国立での資金配分を、今後、どうしていくのかというような部分が、大きなかなめになっていくのではないかと思います。もっと特徴的な、こういう分野のこういう大学を支援していく、分野別に何かインセンティブをつけるような方向性を出さないと、私学は育っていかないだろうという気がしております。 それから、基本計画全体の今後の流れのことでちょっと申し上げておきますと、「21世紀新生プラン」は大変良いというお話がございましたが、私もプランの段階まではとても良いと思うのですけれども、これは文科省に限ったことではないのですが、そのプランの先を実現するとなると、外郭団体に執行を移すわけです。そうすると、どういうものができ上がってくるかというと、「心のノート」、「家庭教育ノート」。あれが果たして本当に有効なツールになっているかというと、私は極めて疑問を持っております。ですから、ここでとても理想的なことを常に話しても、執行段階になって実際にでき上がったものは、「こんなものか」という形になってしまうわけです。ですから、外郭団体の執行部門のところまで、今後、ぜひメスを入れるような議論が必要かなという気がしております。 |
| ○ | これからの教育のこれまでと違う最も重要なことは、先ほど委員がおっしゃいました「個の確立」を説明する言葉としては、「主体性」とか、「自主性」とか、「自己学習」という言葉であらわされているかと思うのですが、そのことを基本計画に盛り込むべき視点ということで、3ページのところを見ますと、「(学力)」というところに示されていると思うのです。「自ら考える教育」、あるいは「学ぶ意欲や態度を育てる教育」、あるいは「学び方、調べ方を習得させる教育が重要」というあたりに、そのことがしっかりと書かれていると思います。 これをそれではだれがどのように方向づけ、あるいは支援していくのかと考えますと、それはいろいろな方たちがそうだと思うのですが、「教員」という「 「教員」のところに、「使命感溢れる」とか、「不適格な教員」といったようなことが書かれておりますけれども、一般的にはそうだと思うのですが、子どもをどのように育てるかということと連動して、それを支援する教員はどのような資質がなければいけないかという、上に書いてあるような「学力」の中の要素を育てる教員というような、項目の間の連動を考えていただけたらいいと思います。 それは教員だけではなく、家庭もそうだと思いますが、どういう子どもを育てるか。そのためにどのように支援するかということを、連動して御検討いただければと思います。 |
| ○ | 鳥居会長 ありがとうございました。先ほど他の委員もおっしゃった問題と通ずるところがありますので、ぜひ検討させていただきたいと思います。 |
| ○ | 教育基本法ができたときと比べて、今一番大きく違うことは、生活習慣の中で子どもたちが日常的に歩かなくなったり、お手伝いをしなくなったというところがあると思うのです。その中で、先ほど学力の話とか、たくさん出ていますが、委員が言われたように、人間としてのたくましさという部分で、私はこの資料4の中の「健やかな体」、たった1行ですけれども、「体力向上のための教育への総合的な取り組み」はすごく深いと思うのです。 友達がみんな小学生を持つ母親が多いのですけれども、本当に二つに分かれてしまうのです。幼稚園を選ぶときでも、絶対に知識向上、教育のためにこの幼稚園はいいのだということで選ぶ母親と、「あ、あの幼稚園はプールがあるから、いいわよね」と、外遊びをする重要性をすごく感じているお母さんとに分かれてしまうのです。そこで分かれてしまうと、ずっとその子どもはスポーツをしない、体を動かさないでいってしまう。また、そっちの子どもはスポーツと何らかのかかわり方をするということになってくると思うのです。 先ほど委員も言われたように、体を通しての教育を考えたときに、体力向上ということは、今の時代だからこそ、もっとインパクトとして強く押し出さなければいけないということを強く感じています。 教えている学生も、みんな話していても論理的なのです。理屈っぽく話すのですけれども、いざとなったときにちょっともろかったりする子どもたちも多いものですから、体力向上ということは強く謳っていきたいと感じます。 |
| ○ | 鳥居会長 ありがとうございました。 まだほかにもいろいろ御意見がおありと思いますが、このあたりで、資料4に関する御審議を終わりにさせていただきます。 最後に委員が出された問題は、別の言葉でいうと、総合的な人間力といいますか、そういうものが大競争の中で問われている、体力も、精神力も、あらゆるものが問われていることをもっとわかりやすく出しましょうと。国民に理解してもらった上で、計画を提示しましょうということだと思いますので、これもまた事務局に考えていただきたいと思います。 さて、最後の議題でございますが、義務教育費の国庫負担金の在り方について、現在、地方分権改革推進会議、それから経済財政諮問会議等で議論が行われています。このことについて、現在の状況、それから文部科学省の考え方について、中央教育審議会の総会にも御説明をいただいておこうということでございます。 |
| ○ | 事務局 義務教育費国庫負担制度と申しますのは、全国の公立小中学校等の義務教育諸学校の教職員の給与の2分の1を国が負担するという制度でございますが、これをめぐりまして、現在、政府部内におきまして、地方分権改革推進会議、あるいは経済財政諮問会議等の場で、その制度の廃止、縮減、交付金化、あるいは一般財源化といった議論が行われております。 文部科学省といたしましては、この制度の意義はしっかりと踏まえつつも、見直すべきものは見直していくというスタンスで臨みたいと考えております。 しかしながら、これまでのこういった政府部内での議論は、主に財政論あるいは財源論といった観点からのものが多いのも事実でございまして、本日は中教審の先生方から、教育論あるいは教育制度論的な観点を含めた御意見をいただきたいと考えまして、議題に含めさせていただいたものでございます。 資料に沿って、簡単に御説明申し上げます。 資料5―1は、義務教育費国庫負担制度の意義や制度についてのものでございますが、まず義務教育について国がどういう責任を負っているかということでございます。義務教育は憲法上の国民の権利や義務に基づくものでありまして、国としてはすべての国民が全国どこでも一定の内容・水準の教育を無償で受けられるようにする状態をつくっていく責任を負っていると考えています。 「2」のところの「義務教育費国庫負担制度の意義」でございますが、義務教育の一定の水準を確保する上で、教職員はどうしても必要な要素でございまして、全体の義務教育費の7割以上は教員の給与費でございます。優れた教員が一定数確保されるためには、一定の給与水準が維持されて、また、必要な人数が配置されることが必要前提条件となるわけでございます。そのためには、給与費が継続的・安定的に確保される必要がある。そのために、国が2分の1を負担するという考え方でできている制度でございます。 2枚目を見ていただきますと、制度の概要でございますが、国庫負担の対象は義務教育の学校すべてでございますが、その対象職種、校長、教頭、教諭、それから非常勤も含めた講師、養護教諭、事務職員、学校栄養職員、こういった小・中学校等の基幹的な職員の給与費が対象である。その対象となる経費は、狭い意味での給与費のほかに、退職手当でありますとか、共済費長期給付負担金等が含まれております。 予算の額は、大体3兆円で推移しております。 これまでの見直しといたしましては、旅費、教材費は、かつては国庫負担の対象でございましたけれども、これを昭和60年度に廃止、一般財源化するという見直しをしているということでございます。 3ページ目は、関連する制度についての説明でございますが、義務教育費の国庫負担制度の前提といたしまして、小・中学校の教職員の給与を都道府県が負担する。つまり、市町村立の学校の教職員であっても、その給与費は都道府県が負担するという県費負担教職員制度があるわけでございます。これは市町村の負担とすることによって、教育水準の格差が生じる。財政力の小さい市町村においては、教育水準が低下してしまうおそれがあるということで、財政力のある都道府県が市町村にかわって負担するという制度になっていまして、国庫負担の対象となりますのは、この県費負担の職員が対象となっているということでございます。 2番目に、大きな関連制度といたしまして、学級編制、教職員定数の制度がございます。具体的な学級編制については、市町村が行いますけれども、その基準は都道府県が設けることになっております。また、各都道府県ごとの教職員の定数も、それを設定するのは都道府県でございます。学級編制と都道府県ごとに決める教職員定数については、国が法律に基づく標準を設けております。いわゆる義務標準法という法律でございますが、それによって学級編制の標準、小・中学校の一般の学級ですと40人というような標準を法律上定めている。また、その法律の規定に従って、各都道府県ごとの教職員の総数としての定数が設定されてまいるということでございます。 標準として各県ごとに定める定数を逐次改善していくというのが、定数改善計画でございまして、資料5―2にございますような、第7次の定数改善計画を現在進めている最中です。この趣旨といたしましては、全国どの小・中学校でも、国語、算数、数学、理科、英語といった、主に差のつきやすいような教科を中心にして、20人程度の少人数指導が行えるような状態をつくり出すということで、現在、定数改善計画が進行中です。義務教育費の国庫負担というのは、標準定数を上限として考えているわけでございます。 次の4ページ目にまいりまして、教員給与制度が国庫負担制度と密接な関連を持っております。公立学校の教員の給与は、現在、国立学校に準拠するという考え方に立っております。全国一律の制度となっているわけでございます。国庫負担につきましても、国立学校教員の給与水準によって、国庫負担の限度が設定されているということで、国庫負担制度との関係が密接にあるということでございます。 最後のページは、国庫負担制度と地方の自主性がどういう関係にあるかということでございます。先ほど申し上げましたような、優れた教員を一定数確保するという、その義務教育水準を確保するための目的のための関与を超える部分につきましては、地方の自主性にゆだねられている。具体的には、独自に学級編制基準を設定したり、あるいは標準定数を超える定数を各都道府県ごとに設定したり、あるいは具体的にどういう配置基準をつくるか、あるいは非常勤講師をどのように活用するか、こういったことはすべて地方の自主性にゆだねられている制度になっているということでございます。 これに対して、資料5―3、5―4でございますけれども、現在、政府全体の中でどのような検討状況になっているかということでございます。 資料5―3、これはいわゆる「骨太の方針第2弾」、あるいは「基本方針2002」と呼ばれているものでございますけれども、去る6月25日に閣議決定されました。これは政府としての確定された方針でございます。この中で、国と地方に関する部分、「(1)」というところでございますが、2行目の終わりあたりからですが、「地方分権改革推進会議の調査審議も踏まえつつ、福祉、教育、社会資本などを含めた国庫補助負担事業の廃止・縮減について、内閣総理大臣の主導の下、各大臣が責任を持って検討し、年内を目途に結論を出す。」。ここで言います国庫補助負担事業の中には、義務教育費の国庫負担制度も含まれてくるということでございます。 「(2) 」のところで、「これを踏まえ、国庫補助負担金、交付税、税源移譲を含む税源配分のあり方を三位一体で検討し、それらの望ましい姿とそこに至る具体的な改革工程を含む改革案を、今後一年以内を目途にとりまとめる。」、来年の6月を目途といたしまして、国庫補助負担金、交付税、税源移譲、こういったものを三位一体で検討して結論を出すということでございます。 その次のパラグラフ、「この改革案においては、国庫補助負担金について、『改革と展望』の期間中」、これは平成18年度までという意味でございますけれども、平成18年度までに「数兆円規模の削減を目指す。」、こういう方針が打ち出されています。 国から地方に対する国庫補助負担金は、現在、トータルで約17兆円ございます。そのうちの3兆円ばかりが義務教育費の国庫負担金でございますが、17兆円の中から数兆円規模の削減を目指すという方針が、既に政府全体の方針として決定されているわけでございます。 この「基本方針2002」の中にも出てまいります地方分権改革推進会議が、ではどのような検討を行っているかということでございますが、資料5―4でございます。 ことしの6月17日に、中間報告を出しております。この中間報告を出すに当たりましては、各省との協議は一切行われておりません。したがって、私ども文部科学省の意向はほとんど反映されていないと考えていただきたいと思いますが、大きな改革の方向性といたしまして、1ページ目の真ん中あたりから下のところ、「2.改革の方向」の「(1)」のところで、まず大きな改革の方向といたしまして、「ナショナル・ミニマムの達成からローカル・オプティマムの実現へ」という、これが一つの合い言葉になっているわけでございます。様々な行政分野において、ナショナル・ミニマムは既に達成されたのではないか。であるならば、財源を地方に移して、各地域ごとの最適状態であるローカル・オプティマムが実現されるような仕組みをつくるべきではないか。こういう考え方が基本的な考え方として示されています。 そのもとで、具体的な諸制度、諸事業についての見直しが行われているわけでございますが、具体的に義務教育費の国庫負担制度につきましては、2枚目にございます。2枚目の下から二つ目の「(2)」のところに、「義務教育に関する国と地方の経費負担の在り方の見直し」とございまして、具体的な提言といたしましては、「現行の義務教育費国庫負担制度を見直し、例えば何らかの客観的な指標に着目した交付金制度への移行等について検討すべき」である。現行の制度は、教職員の給与費として、実際に都道府県が負担した額の実額の2分の1、定率である2分の1を負担するということで下支えしているわけでございますが、こういう方法ではなくて、例えば何らかの客観的な指標というのは、例えば児童生徒数1人当たりの単価を掛けて、交付金という形にして、これを各都道府県に交付したらどうかという提言でございます。 次の「・」でございますが、「将来的には、義務教育費国庫負担金の一般財源化をも念頭に置きつつ検討すべき」である。一般財源化というのは、つまり義務教育費国庫負担制度の廃止にほかなりません。国庫負担制度を廃止して、国庫負担金の交付を一切廃止して、一般財源化と申しますのは、私どもが通常考えますのは、地方交付税交付金に吸収するということでございますが、そういったことを念頭に置きつつ検討すべきであるとされているわけでございます。 また、義務教育費国庫負担制度にかかわる関連の提言といたしましては、「(3)」のところで、教員の給与体系をより弾力的・機動的な方向で見直すということでありますとか、次のページにまいりまして、「(5)」のところで、手続の簡素化を検討せよと。 また、「(8)」のところでございますが、現在、国庫負担の対象となっております職種の中に、学校栄養職員と学校の事務職員がおります。こういったものにつきまして、先ほど御説明申し上げました定数に関する標準も定めているわけでございますが、こういった定めが地方の自由な人員配置を阻害しているという観点が示されておりまして、そういったものを見直せと。すなわち、具体的に申し上げれば、学校栄養職員や学校事務職員を標準定数から外す。外せば、国庫負担の対象からも必然的に外れていくことになると考えますけれども、このような提言が行われています。 4枚目から後は、具体的な中間報告の文言でございまして、これは後ほど御参照いただければと思います。 これらを踏まえまして、実は去る7月19日に、総理からの具体的な指示が各省大臣に対してございました。総理からの指示の中では、8月の下旬に経済財政諮問会議で集中的な審議を行う。それまでに具体的な課題について改革案をまとめて示すようにということでございまして、その中に義務教育に関する国庫負担制度の見直しという課題が含まれているわけでございます。私どもといたしましては、8月の末に予定されております経済財政諮問会議での集中審議のために、一定の改革のための見直しを検討する必要があるということでございます。 また、地方分権改革推進会議においては、10月にこの報告をまとめるということにしておりますけれども、もちろんそのたたき台になりますのは中間報告でございますが、中間報告に対する各省からの意見を踏まえた報告を10月にまとめることになっておりまして、その中には国庫補助負担金の廃止・縮減についての原案を盛り込むこととされております。 現在の状況は以上のとおりでございます。 |
| ○ | 鳥居会長 どうもありがとうございました。 時間が予定よりもだいぶたっておりますので、これだけはぜひ一言という御意見がありましたらお受けしたいと思います。 |
| ○ | 今、事務局から結論として、義務教育費国庫負担制度の基本を踏まえつつ、見直すべき点は見直していきたいという話がありましたけれども、まさにそのとおりであろうと思います。 問題は、制度の基本理念を踏まえつつというのが、経済財政諮問会議、あるいは地方分権の会議等で十分理解が得られるかどうか。やはり財政の論理であるとか、国・地方の分担関係というのは、そういう議論のほうがいわば腕力が強いわけであります。教育の論理というのは、いわば細腕みたいなところがあるわけですので、そういう会議で教育の論理を十分理解してもらうことが必要だろうと思います。 教育全体について言えますけれども、特に義務教育については、国がやはりきちんとしなければいけないわけで、北は北海道から南は沖縄まで、やはり等質の教育サービスが提供される。それもできるだけ水準の高いサービスが提供されることが必要であろうと思います。明治以来、そういう理念で我が国は国民の力をつけてきたわけですし、今日、高等教育このことがいろいろ言われますが、そういう初中教育のベースの上に立って、高等教育が存在しているわけですので、初中教育がガタガタになれば、やはり高等教育もガタガタになるということであろうと思います。やはりその基本的な考え方、あるいは理念を強く主張していただきたいと私は思うわけでございます。 今、話を伺っていると、容易ならぬ事態になっているようにも思います。先ほど教育振興基本計画についての議論がありましたけれども、ここがガタガタになれば、そのことを議論しても、しょうがないじゃないかというぐらいの問題ではないだろうかと、こんなふうに思うので、意見を申し上げておきます。 |
| ○ | 今のことと関連しますが、資料5―4の2枚目で、先ほど説明がありました「 これについては、資料4の3ページにありますように、今、あるいはこれからの教育は、教育内容・方法が、ここにありますように変わっていくわけです。ですから、変わっていくということを前提にして指標をつくらないと、すべてがおかしくなると思うのです。ですから、指標のつくり方については、今、私たちが検討している新しい教育の方向の骨格的なものでいいのですけれども、それをもとにして指標をつくっていただきたいと思います。 |
| ○ | 今のお話をお聞きしていて、本当に頑張ってほしいという気がするのです。現実に、地方に任せると格差が出るのははっきりしているのです。私学助成で既にそれが起きているわけです。私学助成で補助金を分けている条件としては、交付税で分けるのですが、本当は全部同じなはずなのですが、県ごとに全く変わってきてしまっているのです。国が考えているところにきているのは、現状では47都道府県のうちのわずか14しかないのです。33はそれ以下になってしまっているのです。それも県によって非常に差がついているわけです。実態として、交付税化すればそうなるのだということを、委員にぜひわかってほしいと思います。これは事実なのです。 日本人というのはあまり教育に熱心ではなくなってきているのではないかと思っているのです。教育に熱心でない民族は必ず滅びますから、それはガッチリと言っていただきたい。ぜひよろしく頑張ってください。 |
| ○ | 鳥居会長 ありがとうございました。時間の関係もございますので、お三方の御意見が代表的な御意見だということで、私流の言葉で言いますと、ぜひ小泉内閣に理解していただきたいのは、正しい改革と正しくない改革といいますか、良い改革と良くない改革といいますか、いろいろあるので、ぜひ良い改革、正しい改革を進めていただくという観点から、この話もよく御検討いただきたいと思います。 それでは、事務局のほうから、最後に次の予定についてお話を下さい。 |
| ○ | 事務局 今後の日程でございますけれども、資料9でございます。 次回の中央教育審議会総会は9月30日(月)午後2時から4時までということで考えております。 以上でございます。 |
| ○ | 鳥居会長 それでは、9月30日にまた総会を開かせていただきます。 ありがとうございました。 |
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