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「学校事故対応に関する調査研究」有識者会議(平成27年度)(第5回) 議事要旨

1.日時

平成28年1月18日(月曜日)16時00分~18時00分

2.場所

中央合同庁舎4号館 1214特別会議室

3.議題

  1. 学校事故対応に関する委員からのヒアリング
  2. 「学校事故対応に関する指針」の骨子(案)
  3. 今後のスケジュールについて

4.議事要旨

(1)4名の委員が以下のテーマで発表を行い,委員から意見・質問が出された。
<1>大泉委員:「危険を未然に防ぐための学校の危機管理」について
<2>園部委員:「食物アレルギー対応で必要な視点」について
<3>児玉委員:「学校における子供の心の健康問題」について
<4>美谷島委員:「公共交通事故被害者等支援の現状」について

(質疑応答)
【委員】
4人の方のお話を聞いていて感じたことをまとめて3点話をさせていただく。
一つ目:事故の未然防止の段階でも、事後対応の部分でも、学校あるいは設置者と、様々な職種、機関との連携の在り方が重要なポイントになるのかと思う。うまくいけば効果を発揮するが、連携の取り方を間違えると新たなトラブルになりかねないのではないか。
二つ目:ヤリハットもキーワードになるということは分かったが、そこから先をもう少し議論していなければならないと思った。ヒヤリ、ハッとしたけれども防げなかったのか、ヒヤリともハッともしなかったのかによって、その後の対処も随分変わってくると思う。
三つ目:一人の教員や校長が頑張ってどうにかなる問題ではなくて、全校でいろんな課題を共有していかなければならないが、今の学校では、皆で確認しあえるような時間をどれだけ取れるのか。教職員の勤務環境の改善なしに、ここで提案する指針に沿った対応を学校が実行することができるのかということも含めて発信していかなければならない。

(2)事務局より「学校事故対応に関する骨子」の指針(案)について説明を行い、委員から意見・質問が出された。

(質疑応答)
【委員】
「学校保健安全法」第29条は、学校を主語とする条文であり、これの参考となるものとしてという範囲の規定では、範囲が狭いと思う。事故対応においては、設置者が動かないといけない側面がすごく大きい。

【委員】
公立学校の場合の設置者については、「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」では、設置に関する権限は教育委員会に与えられているが、地方によっては、慣習により、市町村長を指す場合も結構ある。「いじめ防止対策推進法」では、首長と教育長に分けて書かれているので、この指針でもはっきりさせた方がよいのではないか。また、首長、教育長、教育委員会、学校長、それぞれの立場が明確になるように明記した方がよい。

【委員】
この指針には書かれていない、例えば、教員養成の問題だとか、事故後の国の支援体制の問題についてはどこかで言及するのか。この有識者会議の意見のまとめで、指針とは別にまとめられるのか。

【委員】
まず、関係調整を行っていくときに、何を目指して関係調整をしていけばいいのか、事後対応のあるべき方向性や理念を冒頭に入れておいてほしい。
二つ目としては、遺族からの要望聴取をどう位置付けるか、調査の結果分かったことを遺族にどう説明・開示していくかの原則も、どこかに入れておく必要がある。
三つ目は、資質向上に関わる話は、現場の教員だけでよいのか。学校設置者や私学担当課の職員の研修も重要になってくると思う。
これからこの指針案に沿って仕事をしていく中で、やはり気になるのは条件整備である。学校現場というか、少なくとも学校設置者のレベルまで下ろして、確実にやってもらえるようにしておかないと、この指針がまた火だねになって、いろんなトラブルが起こると思うし、コーディネーター等の専門家の確保の問題も出てくる。
また、いろんな指針等を参考にしてまとめられていると思うが、コーディネーターの設置については、ここの対応の方が先進的な提案をしていることになる。他の指針との兼ね合いを考えるのであれば、他の指針にもコーディネーターを置くように促すというのが一番妥当だと思う。
更に日頃からこの指針に沿って働けるように、学校教育行政、関係機関や専門家との間で理念を共有し、連携を図るための議論の蓄積が必要ではないか。
最後に、この指針案が出た後も、継続した形で、被害当事者の皆さんと文科省あるいは各都道府県レベルで、事後対応の在り方について定期的に協議して、システムを改善していくような場を設けることも考えなければならないと思う。

【委員】
骨子の中に、教職員の資質向上、研修について記載されているが、そこに学校安全委員会の設置というような校内体制の整備についても位置付けていただきたい。
また、年間計画の立案についても、4月1日や2日といった学校開始前に訓練を位置付けることが必要であるといったところも具体的に入れていただくよう工夫してほしい。

【委員】
2-1の保護者への連絡は、被害を受けた児童の保護者のことを差しているのだと思うが、2-2の保護者への説明は、当該児童生徒以外の保護者とされている。保護者説明会は開催されたが、被害者家族に対しての説明がされないというのは、個々の事後対応がうまくいくかいかないかの大きなポイントだと思う。通夜や葬儀,弔問することと説明することはやはり別であり、被害者家族への説明も必要だと思う。
子供が亡くなると、その学校の保護者ではなくなり、学校の中で行われている説明や、今後どうしていくのかの学校の考えを聞く機会がなくなるのは、その後の関係性を悪くするものだと思う。ここでは文字的にも保護者を分けてあるが、両方に説明をするということが必要だと思う。
心のケアはとても大事で、当然あるべきことだと思うが、児童の心のケアに加えて、家族支援が重要なキーポイントだと思う。
聴き取り調査を行うとあるが、誰が聴き取りを行うのかが一番の問題であり、すごく懸念している。学校の設置者が行うというのは、被害者に対してはちょっと難しいのではないかということを疑問に思った。

【委員】
学校で事故が起こってしまう、そして、事故後の対応もうまくできずに深刻な対立に至ってしまう事例が多いという背景には、一つは構造的な問題があると思っている。保健体育と養護の教員以外は、学校安全に関して一切学ばないまま現場に出てくる。そして、教員になってからも、各学校や教育委員会が行う研修任せになっている。この構造的な問題についても、提言あるいは指針で踏み込まないといけない。
マスコミが入ってくるような大きな事故が学校で起きると、校長自身が相当追い詰められて、正常な判断ができなくなるケースもある。そのような場合は、教育委員会がかなりてこ入れしないと、適正な対応はできないのが現在の学校の状況であるため、指針の中で、教育委員会、設置者がどんどん関わっていく体制を示さないといけないと思う。
事故事例の共有は、設置者も含めて、もっと上のレベルで行っていかないとできないし、できれば国レベルでやるべきだと思う。学校事故についても、事故が起こったら、それを整理して即座に全国の学校に提供していくような、そういうシステムが欲しいと思う。
「4」の検証委員会の設置については、検証と再発防止策の策定が並んでいるのに違和感がある。検証委員会は第三者あるいは専門家による検証であり、再発防止策は当事者、遺族、保護者も参加して作っていくものだと思うので、「5」として再発防止策の策定・実施を別項目として大きく立てるべきではないかと思う。

【委員】
こういう事件のときにいかに真実に向き合うかという、姿勢みたいなものを前文に書く、又は資料として今回のヒアリングの中から得られたものを提供するという形で、具体的な声を反映できると、現場が見たときに具体的なものが見えるのではないかという気がする。
2-1で事故発生直後、2-2で初期対応終了後とあるが、自分の感じ方からすると、三日間くらいが事故発生直後である。しかし、初期対応は、そこからいろいろ始まって、もうちょっと時間があって、更に少し落ち着いた状況の中で終了後の取組というのがあると思うので、ここは三つに分けていった方が良いと思う。
基本調査を学校が行った後、遺族への経過報告は明記しなくてもよいのか。詳細調査と同じように、調査のまとめがあって、学校としての再発防止策の策定とか実施とかというようなことがあるのではないか。恐らく、ここできちんとしたやりとりがあれば、詳細調査にいかない可能性だってあるのではないか。

【委員】
一つ目は、御遺族の意向をどう聴取するか、あるいは最初の基本調査の中身をどう説明するか。このあたりを何か記述しておかなければならないではないかと思う。今までの事案では学校・教育行政側に「事実を隠された」「最初言ってたこととは違う」等の批判が御遺族から寄せられているわけだから、御遺族の意向をどのように聴取し、聴取したことにどのように対処すべきか、その原則を示す必要がある。
二つ目は、検証委員、調査員のところで、研究者や専門家と呼ばれる人たちも、ヒアリングの能力の向上とか、報告書の取りまとめ方をどうするかなど、そういう調査実務についていろんな研究をしていかなければならない。そのあたりのバックアップとか日頃からの準備についても考えなければならない。
三つ目が、検証の進め方の<1>で関係者の処罰を目的とするものではないことを明確にするとあるが、調査が行われて事実経過が明らかになって、これは何らかの処分が出るようなケースではないかとなったときに、こういう形で指針に書いてしまっているのはどうなのか。まずは何があったかを把握する、それから何が原因か背景要因を分析する、そのことがまず一番大事なんだというぐらいの記述にとどめておいた方がよいと思う。
四つ目は、資料の保存について。例えばヒアリングの記録や報告書作成に使用した資料等、どういうものだけは絶対に残しておけという話はやはり必要なのではと思う。

【委員】
検証の対象となる事故の範囲だが、死亡事故だけではなく、重篤な障害等が生じた事例などという書き方をして、設置者において必要と認められる場合には、対象に加えられるようにした方がよいと思う。突然死を研究し、防止策を考えているが、心停止の場合は本当に短い間に死亡に至ってしまう危険が大きいが、早期の心肺蘇生とAEDで救命される可能性は高い。ところが,AEDで心拍は再開したものの対応が遅く、脳への血流が途絶えた時間が長かったために社会復帰できずに問題になるケースも見受けられる。
また、基本調査から詳細調査への移行の判断で、(登下校中の事故や座学中の突然死等は対象外)という、この括弧部分は取った方がよいと思う。
もう一つ、実施者レベルでの再発防止策の検討、あるいは作成という文言をできたら項目を独立させて書いた方がよい。


【委員】
報告書の活用のところで、「定期的に国,都道府県レベルで事故に係る報告書を収集・分析し、今後の再発防止に役立てていく」とあるが、これはすごくあやふやで、「基本的に」「定期的に」という言葉もどういうことなのかと思いながら、これを読んでいる。
この報告書が社会に安心を与えるものでなければいけないということから考えたら、できたこと、また、取り組んでいる途中であることをきちんと分けて、報告書の内容を再発防止に役立てていくんだということを、指針の中に入れておいた方がよいのではないかと思っている。

【委員】
初めて学校現場が取り組むことについては、スタート時に強力なリーダーシップを文科省に取っていただきたい。文科省には、目を光らせるというよりは、現場の負担が減るように一緒にやりましょうという姿勢で関わっていただきたいと思っている。

【委員】
「教育・保育施設等における重大事故の再発防止策に関する検討会 最終取りまとめ」の14ページでは、国に有識者で構成する会議を設けて、教訓を踏まえた検討とか事故データの見直しとか具体的に述べているので、整合性の問題も兼ねて、(6)の漠然とした表現をこの14ページに沿った形にしてみると具体的で分かりやすいのではないかと思う。

【委員】
指針の基本的な構造について、学校保健安全法は、まず設置者の義務を決めておいて、それから各学校について記載しているが、本文は、学校がやることを設置者が援助していくみたいな話になっている。もっと設置者が中心になってやっていくんだというのが必要ではないか。
また、ヒアリングはテクニックがいるため、学校がやるというのは現実には無理なのではないか。教育委員会の指導主事の中には、何人かはヒアリングのテクニックもきちんと学んだ人がいるので、大きな事故が起こったときは、教育委員会が仕切るようにしないと学校の負担が大きくなりすぎて、現実にはやれないことをやれと言っていることにならないか危惧している。

【委員】
せっかく今まで御遺族の方たちのヒアリングをしてきたので、この骨子案や最終的な報告書を出す案についても、書面だけでもいいので、こういう案を出そうと思っていることをヒアリングに来ていただいた御遺族や団体の方に見てもらって意見をもらう機会を設けてほしい。


(3)最後に、事務局より、今後のスケジュールについて説明を行った。


お問合せ先

初等中等教育局 健康教育・食育課

(初等中等教育局 健康教育・食育課)

-- 登録:平成28年03月 --