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今後の地域スポーツ推進体制の在り方に関する有識者会議(第1回) 議事要旨

1.日時

平成27年4月23日(木曜日)16時00分~18時00分

2.場所

文部科学省13階13F1会議室(東京都千代田区霞が関3-2-2)

3.議題

  1. 座長の選任等
  2. 今後の検討課題
  3. その他

4.議事要旨

【座長選任について】

○ 友添委員が座長に,桑田委員が座長代理に選任された。 

【今後の検討課題(案)について】

○ 事務局から資料3~資料5について説明後,以下のとおり,意見交換が行われた。

座長
○ 本日は,第1回ということで,我が国の地域スポーツ推進体制の在り方について幅広く御意見を伺いたい。事務局から地域スポーツの課題や現状について説明があったが,各委員が日々の実践や研究の中で感じていることや自身の問題意識に沿って,まず地域スポーツにおける課題などについてお話しいただきたい。

委員
○ 笹川スポーツ財団の「スポーツライフに関する調査」では,成人について22年間スポーツ実施率のデータを取ってきた。20歳になったときには既にスポーツをする人としない人に分かれており,男女差も見られる。そこで,10歳から19歳までを対象にした調査も実施しているが,10歳の時点でスポーツをする人としない人に分かれており,男女差も生じている。4歳から9歳までのデータも取ったところ,7歳,8歳の頃から女子はスポーツをしなくなる子が現れてくる。様々な要因はあると思われるが,将来のスポーツ好きの子供を育てるため,幼児の頃から体を動かすための施策について,子供の視点にたって考えていく必要があると感じている。

○ 同データでは,成人の週1回以上のスポーツ実施率は57%程度となっているが,これまでスポーツ実施率を伸ばしてきた要因は,ウォーキングやジョギングなどの施設を使わない身近なところで個人で行う「エクササイズ系」であり,競技団体に属しているスポーツ種目をみると,サッカーだけが少し伸びているが,その他の種目は伸びていない。スポーツ振興という意味で,競技団体の普及・強化を考えると「エクササイズ系」よりも「競技系のスポーツ種目」にも目を向けた施策をしていく必要があると感じている。

事務局
○ 現行の学習指導要領における改訂方針としては,運動嫌いをなくすため,中学校2年生まで一通りいろいろな種目を経験して,中学校3年生以降に自分の興味・関心に応じて選択するという方向で取組が進んでいる。それに伴って,武道やダンスが必修化されている。

○ 平成20年度から全国体力・運動能力,運動習慣等調査を実施しているが,「学校の体育が楽しい」と答えた小学校5年生と中学校2年生の割合は,直近のデータが一番高くなっている。一方,中学校2年生の女子で1週間の運動時間が60分未満の生徒が約2割いるという結果も出ている。

○ 運動嫌いをなくす方向で学習指導要領の改訂を行っているが,様々な課題があるということが,子供の段階における学校体育の課題だと考えている。

委員
○ 文部科学省の事業で総合型地域スポーツクラブ(以下「総合型クラブ」という。)の立場から学校体育や運動部活動についても実際の現場で携わった経験がある。総合型クラブのように学校以外で行うスポーツも,学校の体育授業も運動部活動も,それぞれがいろいろな課題や問題を抱えている。その中で,やはり指導者の問題が一番大きい。スポーツをする場所の問題もある。

委員
○ 地域スポーツの現場の課題として,総合型クラブと学校体育,体育協会との接点をどのようにしていけば良いのかという点がある。小さな自治体の中で総合型クラブを進めると,競技種目を専門にやっている体育協会の方々と総合型クラブの方々は,ある意味,表裏一体であり,どこに軸足を置くかという点が課題となっている。

○ 約10年前から美深町では小学生と中学生の全員を対象に体力・運動能力調査を行っており,調査を開始した頃は低い状況にあったが,現在は,相対的には中ぐらいに上がっている。子供のスポーツという点では,幼児センターで日常的にスポーツに関わる機会を設けるよう取組を始めている。

座長
○ 仕事で幼稚園の現場に行くと,自分の靴ひもを結ぶことができない子供や,階段を同じ側の足でしか昇ったり降りたりすることができない子供がいる。文部科学省から幼児期における運動指針も出ているが,必ずしも現場でうまく反映されているとは限らない。

○ 地域スポーツクラブを含む地域スポーツは,情報が住民にうまく届いていない点を考えてみる必要がある。世代によって情報伝達ツールは異なるため,回覧板や,地域の新聞,インターネット,フェイスブックなど,多様なツールをうまくつなげていく必要がある。こうした点も見直していく時期に来ている。

委員
○ 民間であればもっと焦点を絞れと言われる。「フォーカス・アンド・ディープ」というのが戦略の基本であり,何をすべきかについて集中すべきである。

○ 例えば,週1回以上のスポーツ実施率を現状の47.5%から65%以上にしたいのであれば,これから中年齢層が高齢者に上がってくるので,今の高齢者にもっと運動してもらうことと,中年齢層に新たに運動やスポーツをしてもらうということにフォーカスすれば,65%は達成できる。

○ 中長期的には,幼児や小学生をどうスポーツに向かせるかだが,基本的にはこの年齢層はだんだん人数が少なくなってきている。この年齢層のスポーツ実施率が上がっても,全体の実施率の伸びには大きく貢献しない。

○ 全国の総合型クラブのデータを見ると会員が1,000人以上いるのは7%ぐらいしかないが,例えば,我々が千葉でやっている新体操教室は900人の会員がおり,民間のスポーツクラブではどこのクラブも2,000人以上いる。総合型クラブの位置付けを官民一体のものにして,より一層民間を活用したらよい。現状では分離していてもったいない。

○ 高齢者のスポーツ実施率を一気に伸ばそうと思えば,今ある総合型クラブを高齢者にフォーカスすれば,恐らく民間は戦えない。高齢者は,子供にお金をかけるが,年金生活に入っていくため,自分自身には余りお金を掛けないので,官がそれをやれば民間は負ける。

○ 嘉納治五郎師範の教えで柔道に「自他共栄」という言葉があるが,官と民が共に栄えるような構図を文部科学省でやってもらえれば,様々な方法はある。

○ イオンでは,平成27年4月から「イオン放課後教室」を始めており,女性の社会進出の支援や子供の安全確保,子供の礼儀としつけの再生を目的としてショッピングセンターの中で学童保育を行っている。夜の9時まで子供を預かり,約100のプログラムの中で体育,知育,徳育,食育について教えており,特に日本の文化の中で失われつつある礼儀について子供たちを教育し直している。

○ 現在では2箇所(幕張,成増)で始めているが,イオンは全国に500のショッピングセンターがあり,イオン放課後教室が良ければ,すぐに500箇所に広げることができる。また,海外も,中国,インドネシア,タイなどにも出て行くことができる。そういう点を官が利用して,スポーツ実施率の65%を達成していくことにフォーカスし,民間に取り組ませ,官がコントロールしていくやり方もいいのではないか。

座長
○ これまで日本では,どの分野でも二者択一の論理でやってきた。これからは民と官が健全な競争をしながら,例えば,補助金の代わりに特定サービスの利用に限定した「バウチャー」を各家庭に配布し,それを,イオンでも地域のスポーツクラブでも,自分の好きなところに持って行って使う「スポーツ・バウチャー制度」の創設について,特区を作りながらやっていくことも考えられる。ただし,行政がやるには失敗は許されないため,うまく行く方向性が見えないと難しいという点もある。

委員
○ 私自身は0歳6か月の頃から民間のスイミングスクールで水泳を始めた。現在,小さい子供を教える立場になって,小さいときにスポーツに関わることが大人になったときに,もう一回スポーツをやってみようというきっかけになると感じている。実際,私自身も小学校5年生と6年生のときには中学受験があり,水泳をやめていたが,スポーツに戻ってきたきっかけは,小さい頃スポーツをやっていたからである。

○ トップアスリートになれたのは,スポーツを継続できたからである。また,良い先生に出会い,身近に接する親が「スポーツはいいよ」と言ってくれたことにより私は継続できた。良い指導者に出会い,良いスタッフに恵まれ,良い環境で練習ができたことがトップアスリートになっていくことにつながった。

○ スポーツは,様々な葛藤の中でそれを乗り越えていくことにより,人間形成ができることが,なぜスポーツをするのかという点についての大きな要素である。

座長
○ 5割を切っているスポーツ実施率を65%に上げていくことについて,実施率だけを上げればよいのかという問題は,検討しなければならない重要なテーマである。
    例えば,早朝,恐らく糖尿病のために黙々と楽しくなさそうに一生懸命歩いてる壮年の方がいて,他方で,夫婦で楽しく歩いている方もおり,両方とも実施率にカウントされている。指導者や仲間,友達がいるなど,社会資本としてスポーツがあることが大事であり,質的な意味での豊かなスポーツライフを過ごしてもらうことが大切である。

○ 単に実施率を高めるのであれば自転車を黙々とこいだり,トレッドミルの上で一生懸命走ってもらえばいいわけであり,「スポーツ」ではなく,「エクササイズ」でもいいのか,あるいは,スポーツでなければならないのか,「エクササイズ」も「フィットネス」もスポーツという大きなカテゴリーに入れてしまう方がいいのではないか,ということも検討課題として浮かび上がってくる。

○ スポーツコミュニティをどうするのか,コミュニティの中でのスポーツをどうするのかということから,総合型クラブ,スポーツ立国戦略,スポーツ基本法,スポーツ基本計画ができ,地域スポーツとトップスポーツを二者択一ではなく,うまく循環させながら施策を我々は一生懸命やってきた。
    これからは,中身に入り,何が大事で,何が余り大事ではないかということの仕分をすることが,レガシーとして残していくべきもの,発展させていくものにつながっていくのだろうと考える。

委員
○ 最初にアウトカムをどこに置くのかをはっきりとさせておかないと,いろんな議論が錯そうする。スポーツの意味の一つは,文化的な価値,やること自体が楽しい,別に世界一にならなくても自分で楽しければ良くて,健康と関わっていなくても自分が良ければいいという側面は絶対にある。

○ 日本の高齢社会,人口減,これから10年間で75歳以上の後期高齢者が非常に増えるという現実を目の当たりにしている中で,スポーツに対する期待は,明らかに健康長寿への貢献というものがある。スポーツによる健康長寿をアウトカムとすると,一定の健康長寿に貢献するというところを見ていかなければならない。つまり,やればいいのではなく,健康長寿という成果が出るようなスポーツ実施や実施率という発想ができるのではないか。私の専門から一つの例として申し上げたが,そういう考え方ができるのではないか。

○ 実施率との関係で,アウトカムを健康長寿としたときには,3つのステップがある。第1ステップは,始める人を増やすこと。健康長寿の点からは成果が出ていても出ていなくても,まず始めること。第2ステップは,成果が出るレベルでスポーツをする人を増やすこと。第3ステップは,科学的にも分かっていることだが,スポーツの効果は継続しないと消失するということが証明されているため,継続すること。
    つまり,一生涯,地域の中でスポーツが実施できる環境が維持されないといけない。1ステップから,2ステップ,3ステップに向かっての戦略をどのように作っていくのかという発想が必要ではないか。

○ 非常に残念な結果であるが,我々の調査では,7割近くの人が運動・スポーツに対して無関心であり,更にそのうちの7割が,今後も運動をしないという答えであった。約5,000人への調査だが,約半数が運動を拒否している。その人たちはどうして運動を開始しないかという点について,「分かっていてもやらない」「いいと思っていてもやらない」という議論が公衆衛生系では行われてきたが,我々の調査では,そういう情報を遮断していて,取ろうとしておらず,関心を示そうとしていない無関心層だということが分かってきた。

○ スポーツをする人を増やしていくときに,リテラシーを上げてもらう必要があると思っているが,リテラシーを上げるため,情報が届かない限り,価値を認知できない。自治体が上からの情報提供を一生懸命やってきたが,実は増やしたい層には,ほとんど届いていないのではないかという可能性が出ている。どういう仕組みを地域に作っていけばいいのかというのが次の大きな課題である。

○ 体育系大学での指導者の育成は,どちらかというと指導者の質を上げることに,研究面も含めて関心を持ってきた。しかしながら,スポーツ実施率を上げるという話になると,そもそもその場に来てくれない人の議論をしていることになる。つまり,スポーツに無関心の方のスポーツ実施率を引き上げる役割を指導者が持つのか,あるいは,持たないのかという点についても,議論しなければならない。もしそこに指導者が関わらないとすれば,誰がそこに関わるのかという議論をしないと問題は解決しない。

○ 高石市の例にもあったように,インセンティブでの実験を始めているところであるが,そこで分かったのは,敷居の低いプログラムには約7,000人の6割が入ってきたが,きちんと指導者がいる優良なプログラムには残りの4割しか入っていない。敷居の低いところに入ってきている6割の人の実態を調べると無関心層が入ってきている。ただし,残念ながら敷居の低いプログラムは,先ほどのステップ論では,始めたが成果は出ていないものとなっている。

○ 今後,優良な成果の出るプログラムに移行することを希望するかという調査に対して,65%ぐらいが移行してもいいという結果が出ている。最初,敷居の低いプログラムを入れるのは個人的には反対だったが,一つの仮説として,無関心層を一旦敷居の低い中に引き込んで,その中で情報提供し,次のステップに引き込んでいく,ということもあると考える。

座長
○ 20代,30代のスポーツ実施率が低いというのは,多忙であるためだということは分かるが,ライフスタイルが多様になってきており,夜に仕事をしている人,昼間に仕事をしている人,あるいはフリーターをしている人,いろんな人がいる。そういう人たちに対してどのような形でスポーツにうまく誘いこんでいけるのか。

委員
○ 周りの友人を見ていると,結婚してできなくなってしまう方もいるし,男女問わず仕事に力が入ってくる年代でもあるし,中には,仕事の前にスポーツをしたい方も増えてきている。指定管理者制度を活用している地域のスポーツクラブでも朝6時や7時からやっているところがある。仕事の前にスポーツをする方も増えていて,東京都内の方はお金をかけてでも朝早くからスポーツをしたいという人も増えている。

○ 同じ年代のお母さんは,子供に対してお金をたくさん出したいと思っている。そして,いろんなことをやらせたいのではなくて,サッカー選手にしたいからとか,特化したスポーツをやらせたいと思っていると感じる。

座長
○ 笹川スポーツ財団では,夜中にやっているスポーツジムや夜中に開講しているスポーツクラブについては調べているのか。

委員
○ そういったデータをとっていない。民間の方が情報を持っているのではないか。

委員
○ ニーズが多様化してきており,若者が朝活といって朝5時頃からやっているし,24時間のフィットネスクラブも増えている。

座長
○ 指導者については,うまく人材活用ができていない部分があると感じており,例えば,体育・スポーツ系の大学には,スポーツ指導論や運動生理学を学んだ大学院生も含めた大勢の学生がいるので,こうした人材がスポーツ指導のインストラクターとして,もっと活用される場があってもよい。

○ 24時間フィットネスクラブを実際に見たら,みんな黙々とマシーンをやって,一言も発せず,音楽を聴いて,まるで仕事や労働をしているかのように感じた。もちろん,これはこれであってもいいとは思うが,私たちがイメージしている「スポーツの楽しみ方」ではなく,若い人たちがうまくスポーツの施策の恩恵を受けていないのではないか。

委員
○ アカデミックな考え方は大変重要で,指針となって具体的に現場で我々が取り組むわけだが,理想と現実のギャップをどう埋めるのか,受皿をどうやって作るかが課題である。3,500ある総合型クラブはいろいろと差があり,多様な集まりでもあり,もちろん総合型クラブが全てだとは思っていない。総合型クラブの利点もあり,足りないところも多くある。民間との連携や,学校との連携,体育協会との連携,様々な団体との連携を共有して,ローカリティ―とオリジナリティーをどう作るのかという点が非常に大事なところだと感じている。私は大田区で総合型クラブを運営しているが,大都市型と地方型でも明らかに違う。

○ 地域スポーツを遂行するためのインフラが幾つもあり,個々ではみんな頑張っているが,大田区なら大田区の共通性,東京都なら東京都の共通性が,実はない。先ほどの話にあった情報が行っていないというのは,そのとおりである。しかしながら,実際に来てもらい,本物の技術,オリンピアンレベルのきちんとしたレベルをやってみせれば,子供たちは感動するし,親も感動する。今日できなかったことが,明日できるようになり,そこに感動の共有が起これば,スポーツに憧れを持つ,やってみたいと思うと考えている。

○ こうした内容を具体的に展開していくため,指導者や場所を確保するためにお金が必要になってくる。総合型クラブだけでは難しいが,事業的にきちんとやれるよう,民間と同じ考え方で総合型クラブもやっていかないと今後継続していく組織にはなり得ないのではないか。ただし,3,500ある総合型クラブが全部それをできないといけないとは思っていない。文部科学省の施策で行っている拠点化という考え方も含めて,階層的に,みんながエリアを見ていくような受皿の組織が,情報の共有化と相互の情報の流通を行い,そこに民間も入って,民間も一緒に,地域におけるスポーツをする場を広く作っていかなければならないと考える。

座長
○ 事務局からの説明にもあったとおり,年間予算が100万円で会費が月700円というように,日本の多くの地域スポーツクラブは,少ない予算の中で,手弁当で一生懸命やっていただいているが,自己財源がほとんどない状態であるため,マネジメントの視点を入れたり,法人格を取得したり,その中で自己財源を増やしていくことが必須だと伺った。

委員
○ 地域の違いを非常に感じている。委員のおっしゃったとおり民間をうまく使うことはそのとおりだと思うが,うちの町では民間としての事業で成り立つかというと非常に難しいという現実がある。その中でどうやっていくのかというのが非常に大きな課題だと感じている。

○ 指導者の問題も大きな課題の一つで,指導者が魅力的なパフォーマンスを見せて,感動して,そのことによって子供たちがついていく。指導者を確保するための財源をスポーツクラブ,あるいは地域がどう確保していくかということが課題である。そして,都市型では成り立っていても,地域ではなかなか成り立たないということが現実としてはあるということに対して,財源や人材を確保していくシステムが必要だと考える。

座長
○ 美深町では,スポーツ推進委員は総合型クラブとどのような関わりを持っているのか教えていただきたい。

委員
○ 町のスポーツ推進委員は20名おり,企画やマネジメントから,実際のスポーツの場における指導的な役割まで,全てを担っていただいている。町のスポーツは,スポーツ推進委員がいないと動いていかないという状況となっている。また,総合型クラブの指導者という立場も全面的に兼ねていただいている。

○ 約4,700人の町の中で,総合型クラブは一つだけであり,クラブの指導者は,スポーツ推進委員と地域のスポーツ少年団の方,冬季スポーツでエアリアルに関わっていただいたいる方たちで,約30名を超えている。

○ スポーツクラブの関係では,行政が中心となっての形だが,広域スポーツを推進していくため5つの近隣の市町村で広域のスポーツクラブを作って,子供たちにいろいろなスポーツを体験させることや体力づくりのプログラムなどに取り組んでいる。

座長
○ これまでもずっと言われてきた課題でもあるが,自己財源が少なくて,スポーツ指導者が十分ではないという,人的,あるいは財政的な問題がある。
    そして,新しい人たちをどう取り込んでいくのかという問題もある。一方で,スポーツを利用した地域の健康増進や活性化も含めて,スポーツは,非常に大きな役割が期待されている。2020年の東京オリンピック・パラリンピックの後のレガシーとして何を残せるのかということが,この会議の中でも提案されていかなければいけない。

委員
○ 前回の東京オリンピックのとき,スポーツ少年団ができ,ママさんバレーができ,地域スポーツクラブの先駆けもできた。

○ 「する」,「見る」,「支える」という点から,オリンピックやパラリンピックも,支える人が必要であるが,成人に対する質問紙調査では,過去1年間でスポーツボランティアを行ったのは約7%で,1994年から調べているが,ずっと7%前後で推移していて1割を超えないというような状況になっている。一方で,スポーツボランティアが,例えば,東京マラソンとかワールドカップなど様々なところで活躍していることは,皆さんの耳に入っている。

○ 総合型クラブで活動されている方の中には,有給で指導されている方もいれば,指導者をサポートしているボランティアスタッフの方もおり,イベントだけではなく,いろいろな形で地域スポーツの現場を支えられているということがあり,「スポーツボランティア」を東京オリンピック・パラリンピックのレガシーとして残せないかと思っている。

○ ロンドンオリンピックの例では,ボランティアの募集は2年前に始まり,開催年の1月1日に18歳以上であることが条件になっている。今の中学校2,3年生が大会の頃に18歳になるので,中学校2,3年生がスポーツボランティアのターゲットになってくる。中学校2,3年生の中には,選手として出る子供もいるかもしれないが,今後のオリンピック・パラリンピック教育の中で,スポーツボランティアという関わり方もあることを含めて,「スポーツボランティアの文化醸成」ができればと考えている。

座長
○ 前回の東京オリンピックのときには,スポーツ関係の人たちは,レガシーという言葉がなくても,スポーツ少年団を作ったり,スポーツ推進委員の前身の体育指導委員を作ったり,あるいは日本武道館などの施設を作った。まさか,日本武道館が武道の大会よりもコンサートに使われるとは誰も思っていなかった。むしろ先見性があったのではないかと思う。そういう意味では今だけの視点で見ているとなかなか見えないところがある。
委員
○ 東京だけではないか,という不満もよく言われるので,これを契機に,高齢化の加速率が世界一の日本の中で,スポーツをする人がすごく増えて,結果的に健康長寿に貢献できたということを世界に一つの例として示すということもあるのではないかと思う。この機会に地域においてソフトとハードでスポーツ環境が良くなって,その結果,健康長寿の人が全国に増えるというのが一つのレガシーになってくるのではないか。

○ 前回の東京オリンピックのときに,スポーツ少年団ができたと伺ったが,例えば,「スポーツ高齢者団」というものができてもよい。そういう目に見えるシンボルができ,分かりやすいメッセージも重要である。

委員
○ アスリートは,現役生活が終わった後も,スポーツで生計を立てていきたいと考えているが,一部のトップ層を除いてそのような環境になっていない。日本のスポーツ界の問題は,スポーツが職業や職域になっていないことである。

○ 総合型クラブが受け入れて雇うということもあるが,それには限界がある。総合型クラブに限らず地域スポーツで雇用という概念,あるいは経営,事業という概念をもっと示して,このようにやればできるということを示していけば,100年先まで継続していける地域のスポーツインフラにつながっていくのではないかと確信している。

委員
○ 私の場合,いろいろな人の支えがあってキャリアトランジションができたが,トップまで行っても,一握りのアスリートですら,セカンドキャリアで輝けない環境にある。そして,キャリアトランジションがうまくいかないのは,現役のときの情報が少ないためである。

○ アスリートは引退したら何をやっているのか分からない,という感じがあるが,子供たちがスポーツをやりたいと思うためには,アスリートが憧れる存在として継続していくことが必要である。トップのアスリートが輝かないとスポーツをやりたい人が減ってしまうと思うので,アスリートがずっと輝けるような環境が大切である。

座長
○ 家にはゲームがあり,様々な遊び道具があるなど,多様な楽しみ方がある中で,なぜスポーツを選択しないといけないのか。選択する魅力がスポーツにあるのかと問い返したとき,そうでもないという人が多くなってきているという現実がある。スポーツの立場からだけの発想では不十分であり,スポーツはこんなにすばらしいからみんなやるだろう,ということについて,見直すことから考えてみなければならない。

○ 2020年の東京オリンピック・パラリンピックは,地域に根付いてきた我が国の日本型のスポーツクラブや,世界の中ではこれほど必修でやっている国がない学校体育,300万人の子供たちが毎日汗を流している運動部活動など,日本型のスポーツクラブやスポーツ教育システムが世界の目標になることを発信できる機会になるのではないかと考えている。

委員
○ スポーツクラブの在り方として,習い事から始まって,楽しむスポーツ,そして,全部の種目では難しいかもしれないが,1種目か2種目はクラブの中の憧れのシンボルとして競技性のあるスポーツも必要である。

○ 競技スポーツとの連携は大変重要だと思っており,トップアスリートが身近にいて,ホームタウンゲームを見る,応援する,トップアスリートを支えていくという循環が必要であり,競技団体と総合型クラブが車の両輪として連携しながら,支えていくという構造が必要である。

○ 子供たちが減っていく中,例えば100人の子供たちがいて半分の50人がスポーツ嫌いだとすると残りの50人を各競技団体で取り合うことになってしまう。そうではなくて,競技団体と総合型クラブが連携しながらスポーツを好きな子供を60人,80人に増やしていくなど,スポーツ界トータルで考え方を示していく必要がある。

委員
○ 私も含めてここにいるメンバーは,スポーツ界のメンバーであり,我々としてはこうしたいという思いがすごく出ているが,2020年は非常に大きなテーマではあるが,国民側からすると幾つかある課題のうちの一つにすぎないかもしれない。

○ 一定の税金が投入されていくことを勘案すると,国民全体に対する利益との関係を絶えずこの議論の中で気をつけていかないと,一つの業界の主張になってしまうという視点も考えていかなければならない。地域の様々な課題の中で,地方公共団体の首長さんたちに,スポーツを大事にしていただくためにも,そうした視点は非常に重要になる。

○ 委員がおっしゃるようにスポーツが仕事になっていないというのはそのとおりであり,仕事になる仕掛けを結果的に作っていくためにも,国民全体,あるいは,社会の課題にどう対応するかという視点の議論が必要である。 

【今後のスケジュールについて】

○ 事務局より,次回以降の会議のスケジュールについて説明があった。

お問合せ先

スポーツ・青少年局スポーツ振興課

(スポーツ・青少年局スポーツ振興課)

-- 登録:平成27年05月 --