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「がん教育」の在り方に関する検討会(第2回) 議事録

1.日時

平成26年9月29日(月曜日)15時30分~18時00分

2.場所

文部科学省15階15F特別会議室

3.議題

  1. 「がん教育」の在り方について
  2. その他

4.出席者

委員

衞藤座長、青木委員、植田委員、小林委員、柏原委員、後藤委員、中川委員、野口委員、野津委員、堀部委員、前川委員、道永委員、南委員、横嶋委員、若尾委員

文部科学省

大路学校健康教育課長、濵谷学校健康教育課長補佐、森教科調査官、松永学校保健対策専門官

5.議事録

○事務局(森調査官) それでは、定刻になりましたので、ただいまから第2回「がん教育」の在り方に関する検討会を開催いたします。初めに資料を確認させていただきます。次第に配付資料の一覧がございますので、御確認いただき、不足がございましたら事務局の方にお申しつけいただきますようお願いします。配付資料の資料1は、「がん教育」の在り方に関する各論点について。資料2は「がん教育」の在り方に関する検討会の第1回の議事録についてです。それから、事前に委員の皆様方から聴取いただいた事項については、参考資料としてこちらの冊子の方にとじてあります。今日は中川委員については15分ぐらい遅れて出席、田中委員につきましては御欠席です。それでは、本日の会議の議事に入らせていただきます。衞藤座長、よろしくお願いいたします。
○衞藤座長 皆さん、こんにちは。第2回の検討会をこれから始めますので、よろしくお願いいたします。今日はちょっと部屋が広く、マイクがありませんので、やや大きめの声でお話しになるように、よろしくお願いいたします。初めに、日本PTA全国協議会からの委員が小林委員になりましたので、小林委員から簡単に自己紹介をお願いいたします。
○小林委員 改めまして、こんにちは。今御紹介いただきました、日本PTA全国協議会で今、副会長を務めております小林と申します。山梨県に住んでおります。どうぞよろしくお願いいたします。
○衞藤座長 よろしくお願いいたします。それでは、議事に入ります。本日の論点につきまして、まず事務局からの御説明をお願いいたします。
○事務局(森調査官) では、座ったまま失礼します。資料1の論点を見ていただければありがたいです。項目が全部で八つ記載されております。本日はこの八つの論点について、皆様からお話を伺うことになっております。最初に「がん教育」の定義についてです。この「がん教育」自体が健康教育の一環ということで始まっていますが、その辺、どのあたりの枠組みでやっていくか、最初に提案させていただいております。それから、二つ目の「がん教育」の目標、それから三つ目の「がん教育」の内容については、保健会で行われました、「がん教育」に関する検討委員会の報告書に記載されていることを基に、委員の皆様から幅広い意見をということで提案させていただいております。この二つについては保健会でもかなり検討をされていますので、その辺を踏まえて御検討いただけるとありがたいです。それから、四つ目以降については、その報告書の中で検討を要する事項と書かれているものになります。具体的には「がん教育」を位置付ける教科等について、「がん教育」を実施する校種・学年について、「がん教育」の進め方について、家庭や関係諸機関との連携について、「がん教育」で配慮が必要な事項についてになります。こちらの方は国の委員会の方でしっかりと議論をするということで報告書の方にも位置付いておりますので、今日の論点の中でも特にこの辺が中心的になると考えているところでございます。いずれにしましても、委員の皆様から事前に参考資料をお示しいただいたように、様々な意見をいただいております。参考資料の方に載せていない委員の先生方の御意見は、今日直接口頭でお話しいただけますので、今回の委員会で全員の御意見を聞かせていただいて、議論していただければありがたいと考えているところでございます。
○衞藤座長 ありがとうございました。それでは、ただいまの御説明を踏まえまして、「がん教育」の在り方について議論をしていきたいと考えます。まず、資料の1で示された八つの論点について、濃淡は若干あるという御説明でしたけれども、論点ごとにおおむね15分程度を目安に御検討いただき、御意見をいただければと思います。なお、その後に、自由討議として、更に論点等に縛られない時間も用意してあります。まずはこの資料1の論点に沿って一つ一つを整理しながら検討を進めていきたいと思います。なお、今日何かそれで決めるということではありませんので、どちらかというとそれぞれ自由な御意見といいますか、ブレーンストーミング的な発想でいろいろ御意見を出していただきたいという希望を持っておりますので、よろしくお願いいたします。それでは、最初に「がん教育」の定義についてということで、参考資料の方も御参照になりながら、御意見ございましたら積極的に御発言いただきたいと思います。なお、前回と同様、複数の方が発言を希望されますとなかなか整理が難しくなりますので、御発言希望される方は名札を立てていただいて、終わりましたらまた戻していただくと、そうしていただくと大変助かりますので、よろしくお願いします。いかがでしょうか。まず、定義ということに関しては。では、植田委員、どうぞ、お願いします。
○植田委員 参考資料の方にも幾つか上がっていまして、私自身の考えも書かせていただいているんですが、具体的に言いますと三つ目になりますが、まず「がん教育」で大事なのは、これまでの議論にもありましたように、基本的な知識を習得すること。ただし、今の学校教育の中では完全に知識だけを習得するとかということではなくて、がんに関心を持たせたり、あるいはがんに関わることで思考力とか判断力も高めるという意味で、そういった内容を書いております。それから、もう一つ柱となるのは、やはりがん患者とかあるいはその家族、親や肉親をがんで亡くした人、あるいはそういった人たちを深く理解をしていくということになろうかと思います。命を大切にするということが学校保健会の方では検討されましたけれども、私はそれを更に広げて、人間尊重に基づいてそういった内容を押さえていくというふうな、大きな二つの柱で考えたいと思っています。
○衞藤座長 ありがとうございました。そのほか、「がん教育」の定義についてということで、御発言ありますか。それでは、時間の配分の都合もございますので、また必要に応じて後で戻ることもできるという条件つきで、少し先へ進んでよろしいでしょうか。それでは、「がん教育」の目標についての論点に関して、いかがでしょうか。中川委員、どうぞ、お願いします。
○中川委員 この「がん教育」の目標については、先ほど御案内があった学校保健会の報告書の中にも、がんの教育の目標というのがございます。森調査官からその学校保健会の報告書を尊重してというような話がありましたが、私もかなり繰り返し議論された内容であり、具体的にはがんに関して正しく理解できるようにするということ、二つ目は命の大切について考える態度を育成する、この二つが「がん教育」の目標であるというふうに考えていいと思います。
○衞藤座長 ありがとうございました。学校保健会の方の報告事項を基に考えていいというような御意見かと思いますが、ほかにいかがですか。野津委員、どうぞ。
○野津委員 これらについては、学校保健会で十分議論されたことということで、前回の会議でも内容をお聞かせいただいて、基本的によく練られたものだというふうに私も理解させていただきました。その上で、前回は、共に生きていく社会づくりというような目標を示してはどうかということで意見を少し述べさせていただきました。そのことに関わりまして今回、定義の五つ目の項目に3行でそのような趣旨を踏まえた部分を少し書いてみました。あわせて、目標に関しましても、2ページ目の二つ目の黒丸になりますが、自他の健康や命の大切さについての認識を深め、自己及び社会の在り方について考える態度を育成するというような表現にできないものかと提案いたしましたので、御紹介させていただきます。
○衞藤座長 ありがとうございます。そのほかいかがですか。植田委員、どうぞ。
○植田委員 繰り返しになりますが、目標というところで、私、先ほど定義のときに「人間尊重」という言葉を出したんですが、そのこととも関係しますし、それから前回も少し御紹介したんですけれども、小中高校生の意識調査をすると、やはり不安とか恐怖とか、そういったものに対して高い率での回答が得られているんですね。そういう意味で、がんに対するいたずらな不安や偏見を払拭するというようなことを、少しダイレクトに「がん教育」では狙う必要があるんじゃないかというふうに考えて、そういう文言もどこかに入ればいいなというふうに考えています。
○衞藤座長 ありがとうございました。そのほか、いかがですか。若尾委員、どうぞお願いします。
○若尾委員 基本的には正しい理解、正しい知識と、あと命の大切さということがメインだと思うんですけれど、やっぱりそれに加えて、前回も出ましたけれど、支え合う気持ちですね。がん患者さんを含めた様々な人がこの社会にはいるということも知った上で、様々な人たちと支え合って共に生きるという、そういう気持ちも育むということも目標にしてもよろしいんじゃないかと考えました。
○衞藤座長 ありがとうございます。青木委員、どうぞ。
○青木委員 目標の1ページの四つ目に書いたんですが、正しい知識を理解した上で実践する力というのが身に付かないといけないし、思考力や判断力もつけながら実際にどのようにすればいいのかという実践力を身に付けることが必要じゃないかと思います。そういう文言が入るといいと思います。
○衞藤座長 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。それでは、場合によってはまた前に戻ることもあるということで、3点目の「がん教育」の内容についてという論点に関しては、いかがでしょうか。これは、参考資料は全体的な内容が、ア、がんとは、イ、疫学、ウ、予防、エ、早期発見・検診、オ、治療、カ、緩和ケア、キ、生活の質、ク、共生というふうに一応分類がされておりますが、そういったものも参考にされながら、それらを踏まえて御意見いただければいかがかと思いますが、いかがでしょうか。大体これで、前回の議論でかなり出ているということで、よろしいでしょうか。それではこれも、もしまたお気付きの点があれば後で振り返って出していただくということで、先ほど森調査官からの説明にもありましたけれども、4点目の、「がん教育」を位置付ける教科等について以降が、検討を要する事項として保健会の方の報告書に書いてあったことだということでありますので、まず、「がん教育」を位置付ける教科等についてということで、こういった論点での御意見をいただきたいと思います。なお、この「がん教育」は、ある特定の教科で行うとか、あるいは教育活動全体で行うとか、そういうことは全く決めておりませんので、いろんな観点があるかとは思いますので、それは幅広におっしゃっていただいても結構でございますので、この「がん教育」を位置付ける教科等についてということで御意見をいただきたいと思います。
○中川委員 よろしいでしょうか。
○衞藤座長 どうぞ、中川委員、お願いします。
○中川委員 学校保健会での議論の中では、医師などの医療者、あるいはがん経験者が学校に出向いて話をするというようなことが盛り込まれているわけですが、ただ、一方でやはりその保健体育という教科があり、その保健体育の教科の中で学習指導要領、改訂されることを希望しておりますが、新しい指導要領あるいは教科書の基にきちっと授業が展開される。ただ、何度も医師やがん経験者が学校に繰り返し各クラスを回るということはなかなか難しいと思いますので、やはりその保健体育という教科の中で各クラスで学び、また、できれば学年、例えば特別学習のような形を借りて、全学年に対して医療者やがん経験者がお話をすると、そういう2本立てはどうかなと思っております。それから、ちょっと戻っていいということでしたので、この参考資料の、ページがありませんが、3ページ目の疫学のところ、それの三つ目の黒ポツのところなんですが、生涯のうちがんにかかる可能性は男性58%、女性は43%、2008年とありますが、これは本年度になって、これは若尾委員が発表されていますが、新しい数字が出て、2010年で男性が60%、女性が45%というふうになっております。日本はがん登録がこれまで遅れていたこともあって、最新データが2010年でございます。大体年間1%ずつぐらい増えているんですね、この累積がんり患率が。そうすると2014年においては単純に計算すれば男性は64%、女性も49、もうあと2、3年すると実は男性三人に二人ががんになる、そういう時代になります。やはりそれを考えても、学校できちっと「がん教育」をするということが大事かなというふうに思ってございます。
○衞藤座長 ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。
○若尾委員 よろしいですか。意見ではなくて、ちょっと質問というか確認なんですが、この資料の三つ目の黒丸にある、LTというのはどういうものなのでしょうか。
○衞藤座長 何ページ目になりますか。
○若尾委員 「がん教育」を位置付ける教科等について、だからページで言うと3枚目の裏側ですね。3枚目の裏側の、その丸の、「がん教育」の位置付ける教科の三つ目の黒丸で、LTが出ていると思うのですが。
○衞藤座長 これは、何でしょうか。
○後藤委員 よろしいですか。私ですけれども、ホームルームの時間を指しております。
○若尾委員 何の略ですか。
○事務局(森調査官) ロングホームルームですね。
○衞藤座長 LHですか。
○事務局(森調査官) そうですね、HRの中で、ロングとショートがあって、これはちゃんと授業時数をとってやるという意味で、学校現場で使っています。
○衞藤座長 何分ぐらいですか、ホームルームは。
○事務局(森調査官) 50分です。
○衞藤座長 だそうです。
○若尾委員 ありがとうございます。
○衞藤座長 では、青木委員。
○青木委員 学校現場から見て、やはり保健体育、小学校は体育でしょうか、保健体育で教科としては扱いながら、特別活動とか、総合の時間で、外部の方の講演を聞いたり、がん患者の方のお話をお聞きしたりという会を何年かに1回、できれば毎年やりたいぐらいです。それから、命の大切さについては道徳等授業で取り組むことや、家庭科とか理科とか、教育活動のいろんなところに関連してやることが必要と思いますが、やはり保健体育でやるのが一番だと思います。
○衞藤座長 ありがとうございます。そのほかにはいかがですか。植田委員、どうぞ。
○植田委員 私も基本的に中川委員、それから青木委員と考え方が同じです。加えて、私の意見ではないんですが、真ん中やや下に黒丸のところを読むと、複数の教科に関連があることは承知しているが、中心的に取り組む教科を特定しないと取組への主体性がなくなるものと考えるという御意見があって、これは私が書いたものではないんですけれど、ここは重要な観点だというふうに感じました。学校教育全体で行うというのは、言葉としてはとてもきれいなんですけれども、結局その場合、学校現場ではどなたも責任をとらないといいますか、主体的に動かなくなって、結局余り推進されないということが過去にも内容としてはあるように思いますので、少しそこは注目したいなと思って今、読ませていただきました。
○衞藤座長 ありがとうございました。大変重要な御指摘だと思いますけれども、いかがでしょうか。小林委員、お願いいたします。
○小林委員 この黒丸の六つ目の方の意見、私ではなく、どなたかの意見だと思うんですが、今の植田委員の意見とまたちょっと反対だと思うんですが、体系的、計画的な指導を行うということが書いてあります。これは、基本的には保健体育中心だと思いますが、ちょっと幼稚な発言して申し訳ないんですが、保健体育の授業とかいうのはなかなか、大変先生方には失礼かもしれないですけれど、印象には残らない教科なので、やっぱり家に帰ってきて親子で話をするというときには総合的な学習の中でやったことの方が話をするんですよね。ですから、やっぱりそういうころも少し捉え、子供が受けるということを考えると、更にそこから家庭の中へいくということになると、保健体育が悪いというわけじゃないです、そういうことも大事かなと思います。それから、私は祖父、祖母、みんながんなので、将来的には遺伝で私もなんていう話もありますけれど、そういうことがない限りは基本的にテレビや新聞などでいろんな、例えば民間の保険会社のCMなどからそういう言葉を、今は接することが多いので、私はちょっと書いたんですが、社会保障制度の中でこういうこともあるんだよ、いわゆる国の医療保険制度だけではやっぱりちょっと大変なんだよというようなことも、私たち、ここにいらっしゃる方ほとんど学校では教わってきていないので、そういうこともやっぱり学校で少しは教えるということも、家庭の責任といえば家庭の責任かもしれませんけれど、そういう観点も少しは大事かなと思います。
○衞藤座長 ありがとうございます。そのほかいかがですか。どうぞ、前川委員。
○前川委員 今の御意見に賛成なんですけれど、私もこれを読みながら2番目のポツのところで、私の意見ではなくて、読んでいていいなと思いましたのは、命の大切さを学ぶ観点から道徳や国語の教材として、とありますけれども、今、各県でいろんな副読本が出ています。それは「がん教育」がほとんどなんですけれども、命の大切さというのに特化して国語の教科書の中とかに、副読本ではないけれど何か子供のがん経験者のとてもいい本というか、自費出版とか何か子供たちに訴えるようなのを国語の教科書の中に入れるとか、そういう方法で、保健体育は保健体育で「がん教育」をするけれども、別の科目でもちょっとフォローするような感じがあってもいいのかなというふうに考えます。
○衞藤座長 ありがとうございました。あと、ほかにございますか。それでは、少しでも先に進んでみたいと思いますが、「がん教育」を実施する校種・学年について。校種というのは小学校、中学校、高校と、そういうふうに学校の種類を分けてございますが、これはいかがでしょうか。では、青木委員、どうぞ。
○青木委員 現行の学習指導要領で小学校6年生で、「病気の予防」を扱っているし、それから中学校も3年生で、「健康な生活と疾病の予防」いうところで扱っています。ある程度理解ができないと難しいので、やはり小学校6年生と中学校3年生あたり、そして高校は適宜ということで、保健体育としては扱っていただいた方がいいと思います。今では、大分教科書にもがんのことが多く載ってきているように感じます。更にきちんとした学習指導要領に位置付けがあって、明確に小単元として「がんについての学習」が扱われるといいと思っています。
○衞藤座長 いかがでしょうか。小林委員、どうぞ。
○小林委員 先ほどの発言にもちょっと加えてなんですが、私もPTAの組織ですから、PとTの会ですので保護者代表という意味ではなくて先生も会員ですから、先生という立場も込みで言わせていただくと、先生たち本当に忙しいです、今。もう、あれもこれも学校現場で教えなければならないという、そういう中でやはり小学校低学年なんかにこれをまた教えるということは非常に難しい、お忙しい中で大変だと思います。ですから、ちょっとさっきの教科に戻りますけれど、もう、例えば文科省の方で今回の道徳の立派な教本を作りましたけれど、ああいう教本の中にこういうものを入れてやるとかということの中で、やっぱり体系的にやっていくのがいいのではないかなというふうに私は思います。
○衞藤座長 ありがとうございました。小学校については現在の学習指導要領では、体育科という教科の中で保健領域というのは小学校3年生から入っております。小学校1年生や2年生は生活科があるからということで、そういったものは入っていないという状況になります。そういった現状も踏まえて御発言いただけたらありがたいと思います。どうぞ、野口委員。
○野口委員 私も青木委員と同じで、教科の学習としてはその学習指導要領を見ますと、やはり小学校6年生で1時間、そして中学校についてはやっぱり3年生で1時間。2時間はとれないかなという気はしました。ごめんなさい、中学校では2時間とれるかなと思いました。高等学校では保健、教科というか科目として保健の中で2時間扱うことができると思います。加えて、それは知識や行動スキルなんか、とにかくまとまった形でがんを学ぶというところでいくと、やはり保健科。そして、そこに特別活動や総合的な学習、道徳等で各校種ともやっぱり1時間から2時間、これもなかなか学校裁量なので難しいところはあるんですけれども、連動させた形ですね。この教科で習った知識とか行動スキルが、やっぱり総合学習等々で今度それを生かして思考につなげていけるような形。そして、そこには専門家の方、あるいは学校の教員がなかなか教えられない部分について、社会なんかの中で関わっている人たちに来ていただいてというのが望ましいのではないかと思います。
○衞藤座長 ありがとうございました。今の2時間とか1時間というのは年間のという意味ですか。
○野口委員 そうです、はい。
○衞藤座長 年間百何時間とある中の2時間という意味ですか。
○野口委員 そうですね、30時間とか、はい。
○衞藤座長 はい。どうぞ、中川委員。
○中川委員 先ほど来議論がありましたように、私ももうかれこれ50か所以上で出前授業をした経験がありまして、そうすると確かに先生方は大変お忙しいんですよね。また、私、中学校2年生を対象にずっとやってまいりました。それはやっぱり義務教育の中で教えるべきというふうに思っておりましたので、本当は中3が望ましいんですね。というのは、例えばがんのことを教えるとすると、遺伝子とか細胞分裂とか、あるいは免疫とか、そういう基礎的な知識があった方が、より理解ができるんですね。ですから、そういう意味では中学校3年生というふうに思ったんですが、ただ、パイロット的に学校に行きますと、やっぱり中学校3年生が高校受験で結構ぴりぴりしていて、ちょっとこちらから出向いていく場合には、やっぱり中学校3年は厳しいんじゃないかなと。したがって中学校2年になったんですけれども、ただ、2年と3年でかなり違うんですよね、成長が。そういう意味では、もし可能だったら3年生の早い時期、秋から冬になるとちょっともう難しいかなという気がしますけれども、中学校2年生の後半あるいは中学校3年生の前半がいいんじゃないかなという、経験的にはそんなふうに思いました。
○衞藤座長 ありがとうございました。青木委員、どうぞ。
○青木委員 今の御意見についてですが、時間を確保するのは、中3では非常に難しいです。私の学校で最初やっていただいたときには、中学1年でやりました。6年で保健の授業をやって、中1でまたその特別活動なり総合学習でがんの専門家の方を呼んで講演会等をやると、つながってくると思います。教科では6年生の体育、保健領域でやり、中1で特別活動なり総合学習で、外部の方を呼んで講演会等を行う。それで、中3で保健分野で勉強して、高校でまたやってくだされば、つながっていくんじゃないかなと思います。間があいてしまうと、どうしても意識が薄れるので、間、間にうまく入っているといいと思います。
○衞藤座長 どうぞ、南委員、お願いします。
○南委員 私も先ほどから、ここの小学校6年、中3、高校と、ぽつぽつあって、これはどういう意味があるんだろうなと思っておりました。学ぶ方からすると、3年間のブランクがあると忘れてしまう。また忘れたところにまた、というのはどうなんだろう、でもこれは文科省の決まりなのかとさっきから疑問に思っていたんですけれど、教えていただけますか。
○事務局(森調査官) よろしいですか。
○衞藤座長 お願いします。
○事務局(森調査官) 恐らく、病気の予防が単元として位置付いている学年を皆さん指定されていると思います。小学校の場合は6年生に病気の予防が入っていまして、中学校は3年生に健康な生活と疾病の予防と入っています。高等学校は入学年次及び次の年次のどちらかで健康の保持増進と疾病の予防が位置付いており、それぞれの校種において位置付いている学年に入れた方が分かりやすいだろうということで記載されているのだと思います。つまり教科の保健の学年で決めているとは思います。
○南委員 分かりました。では、先ほどどなたかがおっしゃったように、やはり連動するように、その間の学年にも忘れないように何か入れ込むような方法がよいのではないかと思います。
○衞藤座長 いかがでしょうか。では、植田委員。
○植田委員 実施する校種と学年については、内容との関係で考えなければならないのは非常に難しいし悩ましいと思うんですけれども、小林委員が言われた内容などについては、例えば「がん教育」の定義だとか、目標の後半にありますような命の大切さだとか人権の尊重であるとか、そういったことが中心になると思うんですね。そういったものは、今後道徳がどういう形になるのか分かりませんけれど、そういうところで小学校の早い段階から中学校、高校と系統的にというようなことが考えられると思います。ただ、やはり病気の予防であるとか、保健的内容としてのがんというのは、私自身は余り早くから教えられないんじゃないかというふうに思っていて、現行の小学校6年生の病気の予防の中で病気の一つとして教えていくんですが、やはりまずはそのあたりから始まって、中学、高校が中心ではないかと。高校では医療制度であるとか、あるいはがん検診ですね。前もお話ししたようにがん検診の検診率これだけ低いですから、そういった行動に結びつくようなところまでやっぱり教えていくというふうな形がよろしいのではないかと考えています。余り小学校の低学年から、十分な時間がとれればいいですけれども、現実は厳しいのではないかなというふうに思うんですけれども。
○衞藤座長 ありがとうございます。ほかにはいかがですか。横嶋委員。
○横嶋委員 私も、資料1の丸の、三つ目から四つ目、五つ目のところの3点が連動して決まってくるものかなというふうに思っております。今、実施する校種・学年について議論されていますけれども、何をどの教科でどの受皿でやるかというところが決まってきて、校種・学年というのが決まってくるのかなと認識をしております。今の議論の中で植田先生がおっしゃられたように、健康教育、特に病気の予防という視点であると、現状小6と中3が中心となっているわけですけれども、例えば保健学習ですと小学校3年から6年までで時数的に24時間しかないわけですね。中学校3年間の保健学習の時間が48時間ということで、ある程度パイが決まっている中で、何を保健でやっていくかというところが議論されていって、その後、実施する学年だとか決まってくるのかなというふうに思っております。その中で、「がん教育」の内容については、私もこんなに内容があるのかというぐらい多岐にわたった内容が示されているかと思いますけれども、例えば人権に関することとか偏見とか、そういう話になると、やはり受皿が保健ではなくて道徳でありますとか学級活動というふうになってきますので、それは保健学習と絡めて体系的に学校保健計画の中に位置付けて、連動して学習していくような形が望ましいのかなというふうに考えています。
○衞藤座長 ありがとうございました。では、柏原委員、お願いいたします。
○柏原委員 先ほど出たとおりだと思います。目的、目標と内容が定まらない以上、こちらの方がどの学年で校種で何時間というのは決めかねるかと思います。例えば、今、この会の流れで言いますと、共生社会を目指すとか、生命尊重であるとか、人権であるとかということを、じゃあ1時間でこの保健体育、体育でできるのかというと、これは限界があるような気がします。ですので、正しい知識、がんの知識を学ぶ、それに素地を培うということであれば、体育の中の保健領域であるとか保健体育で学ぶことができると思いますが、そのほかのことにつきましては、先ほどおっしゃったように道徳であるとか特別活動であるとか総合的な学習の時間を活用して、その教科、領域の特性に合わせた「がん教育」の位置付けというのが必要になってくるかと思います。
○衞藤座長 ありがとうございました。これまでに話として出ていないと思うんですけれども、幼稚園も学校教育法における学校でありまして、学習指導要領はありませんけれども教育要領というのがあります。これは主に生活を通じていろいろなことを感じたり、習慣の積み重ね、生活習慣を確立するというようなことがありますけれども、そこは今、話の流れとしてはとてもそういうところには及ばないように感じますけれども、ただ、命を大切にするということ、そういうことの内容を考えたときに、体系ということを考えたときには全く考慮しなくてよいのかどうか、その辺を私としては気になったんですけれども、いかがでしょうか。それは必要ないということなら、必要ないということを記録にとどめておけばよいのかもしれませんけれど、道徳というものも幼稚園には別にないわけでありまして、全く学習するわけではないので体系が違うんですけれども、ただ、自然に触れてやさしい心を育むとか、そういうようなことは幼稚園の教育を通じて身に付けることってやっぱり書かれていて、それに沿って幼稚園教育というのは行われているわけなんですけれども、そこに全く関わることはないのかどうかということを私は今まで全然議論が出てきていないので、感じた次第です。もしもお気付きの点があったら、また後で結構ですので御指摘いただければと思います。そのほかでも結構ですので、この教育の時数、校種の分類についてということで。では、南委員、お願いします。
○南委員 今の御指摘とは少し違うんですが、同じく子供という視点から、「がん教育」の内容について申し上げるのですが、ここに書かれていますように大方のがんというのはやはり中高年以降に起こってきて、生活習慣病的な色彩が強いわけですが、現実には小児がんというものもあるわけです。実際、学校現場には、がんを克服したお子さんや、がんを病んでおられるお子さんも、ごくわずかでしょうけれどもいらっしゃるわけです。どうしてこういうことを申し上げるかというと、たまたま成育医療センターに行きましたときに、「がん教育」というのが教育の現場で出てくるのはとてもいいことだと思うが、ただ、やはりその視点の中で、がんイコール生活習慣病といわれると、当事者としては違うよねという、違和感のような矛盾というんでしょうか。子供として納得できない点が残る、そういうことにも答えるような教育内容であってほしいというお話を先生方から伺いましたので、こういうことを申し上げるわけです。政府もようやく小児がんを重視し最近になって拠点病院を作るなどの取組を始めたわけですが、いわゆる一般的ながんと小児のがんというのは実際、非常に様相が違うわけで、このあたりは何か学校保健会とかでは議論はあったのでしょうか。
○衞藤座長 中川委員。
○中川委員 それはありました。例えばこの参考資料の、先走りますけれども、前半のピンクの紙の前のページの表側、「がん教育」で配慮が必要な事項のところですね。そこでそういう議論はありました。それから、南委員がおっしゃるとおり、確かに大人では生活習慣病的な要素があります。ただ、大人においても最大見積もっても生活習慣の影響って3分の2で、女性の場合は半分以下ですよね。したがって現行の学習指導要領の問題というのはそこにありまして、生活習慣病のくくり方に入ってしまっているんですね。そうしますと、やはり少なくとも今のままではがんの患者さんは生活習慣が悪いというふうな理解が進む可能性があります。また、小児がんはむしろ遺伝的な要素の方が、あるいは全く原因が分からないものが多いですから、実際にわずかですが、私の経験だと10校に1校ぐらい小児がんの方がいますね。亡くなった方を含めて。ですから、そこは生活習慣とは関係ないということはきちっとメッセージしなければいけない、あるいは配慮しなければいけないということは、そのとおりだと思います。これは学校保健会の中でも議論がありました。
○衞藤座長 よろしいですか。
○南委員 はい、その点よろしくお願いいたします。
○衞藤座長 まず堀部委員、それから植田委員。
○堀部委員 今議論になりました小児がんについては、中川委員が言われましたように、小児に起こりやすいがん種が成人と異なります。その原因は、生活習慣病でないのですが、それを遺伝と言ってしまうと、その子に対する見方に偏見等が生まれやすくなりますので、どのようにがんを教えるかは非常に難しい問題です。今回「がん教育」と銘打って教育をする以上、小中高どこで取り上げても「教育」の頭に「がん」がつくので、それぞれの年代において、「がん」について正しく理解できる状況をつくらないといけません。表でがんを正しく理解をするということが挙げられていますが、何が正しい理解かということが重要です。現在の教科書では生活習慣病の中で扱われていますが、これは正しいとは言い切れません。医学の進歩によりがんの原因に関して理解が深まっている中、科学的根拠に基づいて正しく理解することが、基本的に重要であると思います。そうしますと、科学的根拠に基づいて理解するために理科で習う様々な知識が必要になりますので、中川委員が先ほど言われたように、そのような基礎知識が整った段階、すなわち、中学校の最終学年か高校の段階が適切と思います。やはりその段階できちっとそういう教育をすることが、がんに対して正しい理解を深める上で非常に大切と思います。生活習慣病は、がんの直接的な原因ではありませんが、それを引き起こす重要な誘因ですので、子供たちが自らの生活スタイルを作り上げる上で気をつけなくてはいけない幾つかの事項があります。また、それ以外にも遺伝的素因があり、これは小児がんだけでなく、大人のがんにもあります。しかし、そのような素因は、多かれ少なかれ、どなたも持っているわけですから、やはり人の成り立ち、体の成り立ち、細胞の成り立ち、そして、がんになる仕組みを正しく理解して、がんは誰にでも起き得るものだという共通の理解を持つ必要があります。確かに小児がんになった人は特別かもしれませんが、がんになること自体は特別でないという理解を共有できる状況をつくることが大切だと思います。また、がんの中には、特にウイルスの原因によって地方病的なものがありますので、そういう病気に対してどのように理解を深めていくかも問題です。最近は、人の交流が国内だけでなく、国際的にも盛んですが、普通に接して決してうつる病気ではないので、そうした方に対して偏見が生まれない形で理解できるように、やはり科学的根拠に基づいた病気に対する理解が大切だと思います。また、がんの治療についても、手術、放射線、化学療法の3本柱以外の治療法に関する情報が世の中にあふれています。一部には科学的根拠に基づいて行われているものもありますので、それらに対しても正しく理解できるように適切な教育が必要です。適切な時期は、小学校では科学的根拠の理解に限界があるかもしれませんので、やはり、中学3年生、高校でしっかり教育することが重要ではないかと思います。
○衞藤座長 ありがとうございます。植田委員、どうぞ。
○植田委員 学校保健会でも、中川委員がおっしゃったように小児がんのことについてはかなり時間をかけて話をしました。まず現行の学習指導要領で言うと、これは野津委員なんかが御専門でお詳しいかと思うんですが、小学校の場合もがんを生活習慣病だけが原因だというふうに教えているわけではなくて、主に生活、習慣という言葉ではなくて、小学生には生活行動が主に関わって起こる病気の中で、「主に」ということでちゃんと踏まえてはいるんですけれども、やはり内容的にそこに入れられると、生活行動や生活習慣でなってしまうのではないかというふうに捉えてしまうというところがあります。それで、それとはちょっと違って、議論があったときにやはり二つの次元があると思うんですが、一つは内容として小児がんを「がん教育」の中に入れるのかどうかですね。これについては、堀部委員もおっしゃったように、がんはいろんな原因でなるんだということを押さえるということがやはり大事だと思います。その中には生活習慣ももちろん関係するけれど、細菌やウイルスなどもあるし、小児がんというような形で別の原因でなるというようなこともあるということを、内容としてどこかで押さえていくと。これはもう小学校の段階から少しそれ以外に小児がんもあるんだと、小児がんも年間2,000とか2,500でしょうか、子供たちいるわけですから、やはりそれは学ぶ意義があると思いますので、まず内容としてきちっと押さえると。それから、もう一つ配慮しなければいけないのは、小児がんをり患した子供、あるいは今、小児がんを患っていて、まあ、小児がんを患って学校で学ぶというのはちょっと珍しい例かもしれませんが、かつて小児がんにかかって、今、安居していると。実際に私が関わっている現場でもそういった中学校あります、実際に。やはり今度は、その次元でどう配慮するかですね。これは非常に難しいですけれども、その地域でその学校で今度授業を行うのですが、いろんなことを養護教諭と一緒に聞いてみたところ、その小児がんにかかっていらっしゃる中学生の保護者の方は、是非「がん教育」を学校で勉強してほしい。それで、そういうことをして、これまでいろいろ説明したりとか、いろいろ配慮を求めたことがあるんだけれども、そういったことの基本的なところは是非みんなが共有して持ってほしいというようなことをおっしゃってくださっていますし、本人にも養護教諭から少し話を聞くと、本人も別に嫌な気持ちになったりしないので、勉強したいというようなことで、これは個別の事例いろいろとあると思うんですが、そういった結構細かいといいますか丁寧な配慮をしていくということが内容とは別に非常に重要なことにあって、それは多分、後半の、配慮が必要な事項についてというところで、もう一度検討というか議論をする必要があるかと思います。
○衞藤座長 ありがとうございました。どうぞ、中川委員。
○中川委員 学校保健会の報告書の中、今日は資料の中にないですね。あると便利かもしれませんが。こういうふうに書いてあります。がんには、たばこ、細菌・ウイルス、過量な飲酒、偏った食事、運動不足、持って生まれた素質など、多様な原因がある。こんな書き方をしております。御参考に。ここはなかなか、私はいい書き方なのかなと思います。
○衞藤座長 それでは、大路課長が国会からお戻りになっていますので、ちょっとここで御挨拶をいただいてよろしいですか。
○事務局(大路課長) もう会も始まっておりますし、前回でも長々と時間をいただいたので、あえて申し上げることはありませんが、お忙しいところお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。今日も是非有意義な議論を、これまでもしていただいていると思いますけれども、是非よろしくお願いいたします。
○衞藤座長 突然指名して申し訳ありませんでした。それでは、「がん教育」の進め方についてという論点の方に行きたいと思いますが、いかがでしょうか。内容、学年等で、それぞれ関わってくることではありますけれども、一応論点としては前回出た御意見等をまとめてありますので、御参考になりながら、更に何か御意見があれば、また前回と踏まえての御意見、どちらでも結構でございますので、いかがでしょうか。中川委員、どうぞ。
○中川委員 度々申し訳ありません。この4枚目の裏側のところに、医師、保健師、がん経験者などがという、いわゆる外部講師の活用は学校保健会の報告書でも大きな柱になった項目でありますが、実は医師が非常に積極的であります。これは医師会として道永委員の御意見も伺いたいのですが、学校医の先生というのも必ずおりますし、また、実は文部科学省の事業で、「がんプロフェッショナル基盤養成プログラム」というのが、通称「がんプロ」と言っておりますが、これは医師はかなり若いころに大学院に属しますが、医師としてですけれども、大学院、学生でもあると、そういう時期がかなりありまして、その大学院生を主なターゲットとしてがんのプロフェッショナルとして教育していく、そういうプログラムなんですが、この「がんプロ」の中に全国の81の医学部が今、幾つかちょっと忘れましたが二十何個グループを作って、今、組織を立ち上げているんですが、この「全国がんプロ協議会」というのがありまして、この中に「がん教育」部会というのがつくられました。この「がんプロ」に属する大学院生あるいは教官が、この全国各地での「がん教育」に関わるというふうに手を挙げております。ですから、医師側はかなりマンパワーがございます。是非道永委員の御意見もちょっと聞かせていただきたい。日本医師会としてですよね。
○道永委員 日本医師会の方では、是非学校医の先生に、この教育をしていただければと思っています。ただ、やはりその温度差があるので、その先生によって言うことが違うとまずいと思っていますので、そういったプロの方々にまず研修をしていただいて学校医がやるというのが一番だと考えています。子供たちにとってはよその知らない先生が来るよりは、学校にいつも来ている先生からお話を聞いた方が恐らく理解しやすいし、話を聞きやすいし、質問もできるしというところなので、そういうシステムができればいいなと思っていますが。
○衞藤座長 ありがとうございます。そのほか、いかがでしょうか。
○南委員 すみません、ちょっと伺ってもよろしいですか。そもそも学校医の先生というのは、どうやって決まるのでしょうか。
○道永委員 最近は、その地区によって多分違うと思うんですが、前は自分のお父さんがやっていたからその息子さんみたいな感じで、結構そういうふうにしてつながっていたんですね。今は医師会の方にまず話が来ます。医師会で、基本的には一番その地域で近い先生。そんな感じで決めています。それでないとやっぱりデューティーが多く、遠い先生ではなかなか難しいので。私は東京ですが、その中でも都立と、あと区立だとか、いろんなのがありますよね。そこによってちょっとずつ違いますね。地域によっても全然違うと思います。
○中川委員 年齢は何歳ぐらいの先生が多いんでしょうか。
○道永委員 今は若い方が多いんじゃないかと思います。
○中川委員 そのようなんですよね。
○青木委員 様々ですね。
○道永委員 とてもやる気のある先生が増えてきていて。
○青木委員 様々です。なかなかやる気にならないという人も……。
○道永委員 そうですよね、本当、地域差がありますよ。
○衞藤座長 地域により、かなりいろいろなばらつきはあるかもしれませんが。どうぞ。
○横嶋委員 教育委員会の立場といたしましては、これは地域によって違いますけれども、学校で欠員が出た場合には医師会に相談をして、できれば近隣の方を推薦していただくようなお願いはしております。ただ、定年制とか、特に宇都宮などは定年制は採用していないので、年齢が何歳以上はだめとかということは申しておりませんが、現状では大体、60代ぐらいが平均的な年齢かと思われます。今の御意見の中で、外部の講師として学校医の先生にお手伝いいただくということは非常に有効じゃないかなというふうに思っておりますので、是非それは今回、推奨していきたいなというふうには思っております。ただ、学校医の先生は年に何回も来られませんので、例えば年1回来てそれでぽっつり終わりというわけにはいかないと思いますので、できればそういう機会に教員の資質の向上を図るような場を設定したり、事前指導、事後指導も含めて計画的に学校医の先生にお手伝いをいただくような体制づくりができると、より効果が上がるのではないかなというふうに思っております。
○若尾委員 よろしいですか。
○衞藤座長 若尾委員、どうぞ。
○若尾委員 それで今、学校医の先生のバックアップというか、そこに対するアドバイスで、中川先生の方からは「がんプロ」の関係者というお話あったんですけれども、「がんプロ」もリソースとしては非常にいいと思うんですが、やっぱり地域との結びつきが弱いと思うんですね。逆に一方、今、全国の二次医療圏に一つのがん診療連携拠点病院というのが指定されておりまして、そのうち空白がまだ100ぐらいあるんですが、少なくとも300の二次医療圏には拠点病院がありますので、その拠点病院はその地域の医療、がん医療についていろいろ整備するという役割を持っていますので、拠点病院の方に協力を求めるというのも一つの手ではないかと考えます。地域、その学校が含まれる二次医療圏の拠点病院というのは担当がすぐありますので、そこは結びつけやすいんじゃないかと思います。そのときに相談支援センターというのが拠点病院にありまして、そこでは外との窓口となっていますので、相談支援センターを通して医師の派遣等の調整もできるんではないかと思います。
○衞藤座長 ありがとうございました。どうぞ、植田委員。
○植田委員 何度も申し訳ありません。よろしいですか。この進め方をどう捉えるかということはあるんですけれども、人のことが今出ているので、それに限定してお話しすると、やはり学校の健康教育ですごく成果を上げているのは喫煙教育だと思うんですね。実際、喫煙率がこれだけ低下したのは学校の健康教育の効果も大きいと思います。ただ、じゃあ学校でその喫煙教育をしたからこういうふうに喫煙率が減ったのかというとそうではなくて、やはり学校に、学校の先生は小学校、中学校、高校と保健の中で系統的に授業もしますけれど、それ以外に薬物乱用防止教室が学校にやってきて授業をしたり、世の中が喫煙するスペースを変えていくようなヘルスプロモーションの動きをしたり、本当に様々な活動をして成果を上げていると思うんですね。「がん教育」についても同じような発想で進めていく必要があって、やはり学校の保健と保健体育の授業については、いかに文部科学省などが少しリードしながら教員の資質を高めて、その人がベースをやっていくと。ただし、それだけではやはり専門的知識であるとか、そういったことが足りないという場合は、医師の先生の特別活動とか講演でやっていただくのも、もっと積極的にやると。それから、命の大切さだとか人権とか、そういう場合はがんの経験の方で来ていただける方がいたら、そういったところでも話していただくというような、やはりちょっと、ベースは保健と保健体育があって、そこを補うといいますか、そういう形をとらないとなかなか成功に結びつかないのではないか。もちろん、積極的に医師の先生がどんどん来てくださればいいですけれど、全国の全ての学校に来てくださるのを期待してよいのでしょうか。そのあたり、ちょっと不安になるんですけれども、そのあたり、喫煙教育とか喫煙、飲酒、薬物乱用防止教育のようなものをモデルにして考えていくのが現実的ではないかというふうに思いました。
○衞藤座長 では、青木委員、どうぞ。
○青木委員 植田先生と実は同じですが、進め方についての一番最後に書かせていただいたのですが薬物乱用防止教室等、行政から年間1回はやりなさいよということで義務づけられているところもあります。保健所とか関係諸機関のところにお願いしてきてもらうとか、あるいは警察にお願いするとか、 最近はライオンズクラブとかでも研修なさってその専門の方がいらして、ライオンズクラブから講師を派遣してというので年間1回実施することもあります。こういう形で行政の方から義務づけていただけるとありがたいです。「がん教育」を年間1回は必ず講演会なり、そういう教室を開きなさいというシステムができて、公的機関の医師会とか保健所、そのほかにも専門に来てくださるような、システムができ、もっと学校に入ってきていただければ、ありがたいです。教科のほかに年1回はやりなさいという、行政としての指導が入ると、いいと思います。
○衞藤座長 ありがとうございました。野津委員、どうぞ。
○野津委員 「がん教育」の充実のためには外部講師を活用した形での教育というようなことも、うまく位置付けていくべきだと私も思います。その場合、医師の方の研修を既に行っているということですが、是非とも、講師としての、質と量を保証するようにしなければなりません。全ての学校において外部講師による有意義な指導ができるようなところまで見通しを持てるようにする必要があります。中川委員のような先生の話を聞いていますと非常に魅力的で説明力もあって内容も分かりやすいんですが、これが日本全国の学校で外部講師を確保して進めるとしたときに、そこで話される内容が専門的になりすぎたり、脅し的になってしまったりというようなことがとても心配されます。ところで、学校と地域における専門家との連携というのは、健康教育でしばしば求められますが、その連携の名の下に単なる依存で終わっていたりすることも少なくありません。私は常々、有機的な連携のためには二重ロックのかかった二つのドアをあけることが必要だと申し上げております。一つ目のドアでは共通理解と相互尊重、二つ目のドアには役割分担と協調的アプローチ。この二つのドアの四つのロックをうまくあけることによって初めて効果的に連携が進められていくと考えています。学校の先生方と学校外の専門家とがお互いに尊重し、共通理解し、実のあるものになることを期待したいと思っております。
○衞藤座長 ありがとうございました。中川委員、どうぞ。
○中川委員 今の御発言に関連して、まず植田委員がおっしゃった医者が全国の中学校に行けるかという問題なんですが、そもそも校医というのは必ずあるわけですね。また、私が申し上げた「がんプロ」、あるいは若尾委員がおっしゃった地域の拠点病院。地域の拠点病院のミッションとして、やはり「がん教育」が挙げられておりますから、私はそこはマンパワーとしては足りると思っています。ただ、野津委員が御指摘になったその内容ですね、中身。これは大変私も危惧していまして、例えばこういう例があります。がん対策推進協議会の委員でもある30代の女性、子宮頸(けい)がんの経験者の方が、ある中学校に行って、その校医の先生と一緒にやったんですね。そのときにその医師の方は、子宮頸(けい)がんは性病であるというふうに言って、その女性の方はそんなことはないですよと言ったんだけれど、いや、性病だと言ってですね。そういった例は当然予想されます。ですから、その医師にしても、あるいは患者、がん経験者の方に関してもやっぱりきちっとしたガイドラインと、それから、私は教材をある程度、もちろん現場の先生方がお話しいただくことは必要なんですが、ある程度の均一性がなければいけないと思っていまして、そういう意味では何らかの、例えば私、かつて文部科学省の制作協力をもらったような、そういう映像もあります。そういったものをなるべく使う。その中で、その医師が御自身の経験から少し補足するというような形をとらないと、やっぱりおっしゃったようなことが起こると思いますので、そこも非常に重要な問題かなと思います。
○衞藤座長 ありがとうございました。一部、関係諸機関の連携の話も入ってきておりますので、次の家庭や関係諸機関との連携についてということで、家庭も含めて論点に関して御意見いただきたいと思いますが、柏原委員お願いいたします。
○柏原委員 様々な関係機関との連携の、齟齬(そご)があったりとか失敗があったりというような例示も含めて、医師会の応援というのは、必ずしも出向いていって授業をすることが全てではないと思っています。少なくともそれを、本気で子供の健康を守ることを教育の目的として、体制ができたときに、いや、そんなのどうでもいいよと言う医者はいないはずです。その医師会の先生方が、それから外部の関係機関というその立ち位置にある方は、少なくとも学校の知恵袋であっていただきたいし、それから応援団であっていただきたい。それを発信するのは、やはり行政からの発信が必要だと思います。だから、一律に全ての医師会に所属していらっしゃる先生方が質の高いすばらしい授業をされるなんていうことは、それは、それとは全然違う意味を持っていると思います。あくまでそれを発信していく。少なくとも学校保健理事という方は各医師会にいらっしゃるわけですから、たとえ一人でも気持ちを向ける方がいらっしゃったら、その先には子供たちは何百人といます。子供たちの健康を守っていくというスタンスで進めていかないと、連携というのは図っていけないのではないかと私は考えます。
○衞藤座長 ありがとうございました。そのほか、いかがですか。では、小林委員、どうぞ。
○小林委員 一つ訂正とおわびしなければいけないんですが、保健体育の教科がイメージが薄いといったのは、成績の点数的に印象がない、いわゆる受験の5科目以外という意味でさっき発言したので、逆に言うとさっき多くの委員の先生方がおっしゃったように、喫煙のことにしても薬物のことにしても、保健の、体育の先生から教わるということは、私も今の世代になっても非常に残っていることが多いです。それをまずおわびしておきますというか、訂正しておきます。その上で何が言いたいかというと、話が前のと今のこの家庭の連携に結びつくんですけれど、やっぱり学校の先生、特に小中学校は総合的学習で例えば「がん教育」をやるといっても、その前、手前にはものすごい準備段階があるんですよね、先生方ね。例えば災害、防災教育にいくにしても、社会の勉強、理科の勉強、いろんな勉強の中からそこへ行くというのがあるわけですから、やっぱり「がん教育」についても、ただ外部の先生が来ればいいやとか医師が来ればいいやという問題ではないということは先生方お分かりだと思うんですが、やっぱり現場の先生たちが本当に忙しいということは、もう皆さん承知だと思いますけれど、そうは言っても学校の先生が、現場の先生がちゃんと知識を持って教えていくということが、やっぱり重要なのかなと思うんです。ただ、やっぱり外部の方を積極的にいろんな教科や、「がん教育」も含めていろんなところで取り入れるということは大事だと思うので、文科省も進めている学校地域支援本部の、ああいうものをちゃんと使って、地域の大きな病院から町医者まで、みんなが支援していくことが大事かなと思います。最後にもう一つですが、座長の先生がさっきおっしゃったように、幼稚園をどうするかというところなんですけれど、やっぱりそこで重要なのは家庭だと思うんです。小学校へ入ってくる段階で、やっぱり肥満っぽい児童というのは比較的そのまま太ったまま大人になるということが一般論として多いと思うんですけれど、幼稚園のときからその運動をしようとか体力向上させようとかということになると、その幼稚園、保育園児のときから家庭でそういったことを学んでいくということが大事だと思うので、さっき問題が流れてしまっていますけれど、やっぱり幼稚園からということも大事だなというふうに今思いました。
○衞藤座長 ありがとうございます。そのほか、いかがでしょうか。中川委員、どうぞ。
○中川委員 すみません、度々。先ほど、医師の話が出ておりましたが、私は医療者と並び、やはりがん経験者が子供たちに向き合うというのは非常に大きな意味があると思っておりまして、まさにその命の大切さの部分はそちらが大事かな。これは前川委員にちょっとお尋ねしますが、がん経験者が各地の全国津々浦々の学校に入って話すということは、可能でしょうか。
○衞藤座長 前川委員、どうぞ。
○前川委員 いろんな患者さんとお会いして、がん患者様とか、やっぱりその人によっていろいろな患者さんがいらっしゃいます。ですから、この方は話せる、しっかりされているという人を見つけるのも、どこで見つけるか、県とかいろんな教育委員会とかで話し合って見つけることが大事。とんでもない患者さんがいて、とんでもないことを言ったら、子供たちの心をすごく傷つけます。さっきの性病の話とか、ああいう変なふうにならないためにも、やっぱりそれまでの準備段階は必要ですけれども、やはり話したい、子供たちの役に立ちたいという患者さんはいっぱいいらっしゃると思います。ただ、本当に気をつけないといけないことも多々あります。それは議論を深めていって。
○中川委員 実は、学校保健会のときにも私、少し御提案したんですけれども、もともと、この教育委員会と保健福祉セクションで、どちらかというと県にしろ自治体の保健福祉部局は非常に「がん教育」にもともと熱心なところがありまして、ですから例えば今回は文部科学省、教育委員会という流れがありますが、例えばあの学校保健会の報告書も保健福祉部局に流していただいたんですよね。同時にその情報を共有することが非常に重要で、今日来られていませんけれども神奈川県など、私も少し各地の自治体と関わりましたが、この保健福祉部局とこの教育委員会と、このタッグを組むことが非常に重要で、その際に医師あるいはがん経験者、今、がん患者会というのが非常に増えておりますので、ここは保健福祉部局が非常にチャンネルがあるんですね。ここにこういう患者委員の方がいて活動していると、それはもう大体保健福祉部局が把握していますから、そこのチャンネルを是非教育委員会側が使っていただくのが大事かなというふうに思っております。私の経験では、やっぱり各地に非常に志と、また、知識を持った患者委員がおりますから、各、全学校に行くということは可能だと思います。ただし、そこでやはり、医師においてもそうですが、がん患者さんに関しても一定の研修的なものが必要で、そうしないと非常に混乱の原因があるということもそのとおりだと思います。
○衞藤座長 ありがとうございます。そのほか、いかがですか。どうぞ、植田委員。
○植田委員 ちょっと違う観点なんですが、学校にはやはり学校保健委員会という組織があって、校長はもちろんですけれど、養護教諭の先生であるとか、一般の他教科の先生であるとか、保健主事という方もいらっしゃいますし、そのときに学校医の先生も入って、その学校の健康課題について話し合うことがあるわけですね。ですから、やはり連携をとるときには学校保健委員会を活性化して、それを使うということがまず大事だろうと思います。それから、その学校保健委員会、年に1回、2回開かれる学校が多いかと思うんですけれども、少なくとも「がん教育」を翌年の年度にするのであれば、前の年の学校保健委員会のあたりから準備を始めて翌年にやっていくということが大事だと思います。急にぱっと学校に来て何かをしようとしても、学校は年間行事でずっと動いているわけですから、そこでもし入れるのであれば、その学校はちゃんと年間計画を立てていないということにも裏返しで言うとなってしまうところですから、そのあたりは丁寧にしていくということも大事だと思います。
○衞藤座長 ありがとうございました。いかがでしょうか。どうぞ、前川委員。
○前川委員 先ほどの中川委員の御質問に関連して、今、思い出したんですけれども、昨年、私が住んでいる山口県下松市で第1回目の「がん教育」が始まりました。各校1年に1回なんですけれど、1校ずつ回って3年間でという、ちょっとまだ試験的な感じなんですけれど、そのときに私が外部講師として患者の立場からといって行ったんですけれど、その前に息子さんを小児がんで1か月ぐらい前に亡くされたお父さんが、僕が話したいと言って、その中学校で過ごした息子が亡くなったそのことを、本当、切々と話されました。そういう、やっぱり自分の友達のお父さん、亡くなった友達のお父さんが話されたということで、子供たちはすごく心にぐっと届いたと思うんですね。ですから、患者だけじゃなくて、本当そういう経験された方とかいっぱいいらっしゃると思いますので、余り外部講師に関して、少ないんじゃないかとかいう心配はひょっとしてないのではないか。本当に話したいという方がいらっしゃると思います。ということを思い出しました。ちょっと違いますけれども。
○衞藤座長 ありがとうございました。いかがでしょうか。それでは8番目の、「がん教育」で配慮が必要な事項についてという論点に関しての御意見をいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。今のお話とも関係あるかもしれません。これ前回も随分こういった観点で出てきていると思いますけれども、何かそのほかの視点とか、こういう点はどうかというのがございましたら、よろしくお願いします。今のところ全て教室で、集団指導というようなことでする場面を想定しておりますので、それだけでよいのか。個別に特に何か配慮をしなければならない場面というのはないのかとか、そういうようなことでもいいですけれど、いかがでしょうか。どうぞ、堀部委員。
○堀部委員 既に前の報告書にもありましたが、小児がんの当事者がいる家族や小児がんで亡くされた家族がみえる場合に、どのように配慮するかが重要です。配慮が必要であることは皆さん御理解できるところですし、私もそう思いますが、学校関係者の方にお伺いしたいことは、家族背景についてどこまで理解されているのか。個人情報に関してどこまでの情報を得て教育に臨まれているのかということです。こういう病気を扱う場合、そこまで開示されない、家族によってはあえて伏せられる方もあります。先ほど小児がん経験者自ら手を挙げられた方がみえるとのことでしたが、逆に一切出したくない触れたくないと思われている方もみえるので、非常に難しい問題だと思います。教育の現場では、状況はいかがでしょうか。
○衞藤座長 青木委員、お願いします。
○青木委員 難しいです。家庭のいろんな事情とか、まして身体上のことは、本当に把握はできていないです。今、環境調査というものを保護者に書いてもらうのですが、年齢も書かないし職業も書かないです。家庭状況を把握することは、なかなか難しいです。お会いしたときの保護者からの話とか子供の話から、ああ、そうなんだと、病気なんだとか、それぐらいの情報しかありません。なかなか今は、個人情報なので、把握するのは難しいです。
○衞藤座長 そうですよね。野津委員、いかがですか。
○野津委員 そうした細やかな配慮については、学校では集団指導すると同時に個別指導というチャンネルを活用してケアしていくというのがあります。しかし、今、青木委員が言われたように、学校の先生方は、子供の親の職業も知らされない中で個別指導を行うような非常に難しい状況もあります。少なくとも、本校ではがんに関してこういう教育を、何月ごろ何年生に実施する、あるいは今度外部の講師の先生を招いて何月にこういう講演会を開催するというようなことを、保護者に通知し、それぞれの家庭の事情に応じて子供に話して聞かせたり、場合によっては学校に申し出て配慮してもらうようにすることなどが考えられます。
○青木委員 そうなんです。中川先生のこういう講演がありますよとお知らせしたり、私があちこちでしゃべっているうちに、実はと言っていろいろ家庭の事情を話されて、子供がもしかしたらそのお話を聞いたときに落ち込んでしまうかも分かりませんがというふうに、保護者から申し出があったりとかで、初めて知る状況が多いです。なかなか、把握は難しい状況です。
○衞藤座長 では、前川委員、どうぞ。
○前川委員 私も時々経験者として、命の授業ということで、子供を亡くした母として、小児がんで子供が亡くなっていますので、それと自分の3度のがん経験というのでお話しに行くことがあるんですけれども、中川先生も言われているんですけれども、その講演の前に必ず、皆さんの中にはそういう経験されたり、御家族ががんの方もいらっしゃるから、途中でつらくなったら保健室へ行ってもいいですよ、外に出られてもいいですよというのは必ず声をかけます。その前に校長室とかで、どんな感じですかと言ったとき、やっぱり先生が御存じないということで、そういう声かけで、しております。ただ、先生も把握されている子供さんで、高校生だったんですけれど、いや、僕は聞きますと。多分御家族ががんだったと思うんですけれど、聞いて、そして勇気を出して聞いて、とてもよかったとかいう子供さんもいらっしゃるので、やはり私たち大人が余り何か、傷つけてはいけない、いけないという思いやりも必要だけれど、それ、必要過ぎるのもいけないし、非常に微妙な問題ですね。そして、終わった後、私とかの場合、後でもっと話を聞きたいと自分の心を吐き出しに来られる生徒さんもいらっしゃるので、そういう時間もあってもいいかなというふうに思います。すみません、本当、体験談で申し訳ないんですけれども。
○衞藤座長 では、中川委員、どうぞ。
○中川委員 今、前川委員がおっしゃったように、私ももうかれこれ1,700名ぐらいの中学生に話をして、青木先生のところが最初でしたけれども、確かに必ず学校側からはそういう、親御さんががんになったとか、小児がんの経験者とか、それは必ず聞くんです。青木委員がおっしゃったようにそこから漏れているケースも非常に多くて、ただ、こういう例がありました。ある男の子が1か月ぐらい前におじいちゃんをがんで亡くしたそうなんですよね。それで、そういう授業があると聞かされて非常に、どうしようかな、聞けるのかなと思っていた。ところが聞いてみると、前川委員がおっしゃったように、聞いてよかった、おじいちゃんが何で死んだのかよく分からなかったけれども、これでよく分かったと、やっぱり聞いてよかったと、そういうことはよく聞きます。それから、こんな例もありました。小児がんの経験者が、学校が把握していなくて、終わった後私のところへやってきて、実は僕が昔このがんやったんだ、それはその生活習慣が悪かったのかみたいなことを言ってきて、ちょっと御説明しましたけれども、前川委員がおっしゃったように、多くの大人が、子供ががんの話を聞いて落ち込むのではないかとかそういうふうに思うのですが、私の経験ではそういうことは全くなく、もう大人と同じように話せます。ただ、これも前川委員が御紹介したように、必ずその親をがんで亡くした生徒もいるかもしれないし、小児がんの生徒もいるかもしれない。だから、聞いていてつらくなることはもう当然あり得ることで、それは当たり前。そのときはもう遠慮なく手を挙げてくれというふうに必ず言っております。実際に手を挙げた生徒は一人もいないんですよ。そうなんです。ですから、ちょっとその勝手なステレオタイプなイメージが大人側にあって、私もこういうことを始める前に随分周囲からとめられました。例えば保護者ですね、クレームするんじゃないかと。でも、随分たくさん保護者の方が来られていますが、全くそういうことはないですね。一例もそういうことはありませんでした。ちょっともう一点、先ほどの前の項目で、家庭との連携についてなんですけれども、私かねてから逆世代教育が非常に有効だろうというふうに申し上げておりまして、子供たち、がんの知識を持ってもらうのはいいんですけれど、それは多くの場合大人になってからの話で、ちょうどその親がまさにがん年齢なんですよね。しかし、植田委員なんかの御指摘もあったように、がん検診受診率、ものすごく低いわけです。欧米の半分以下ですね。こういうデータがあります。約1,100名の生徒さんに対して、事前、事後、そして6か月のアンケートをしているのですけれども、その中で授業の直後に家族にがん検診を勧めようと思うという生徒は89%でした。それで6か月後に、実際にこの6か月の間に親にがん検診を勧めたという生徒数は48%です。ですから、それはもう十分機能していますので、そういう面でも家庭との連携というのはあり得るのかなと思いました。長々とすみませんでした。
○衞藤座長 野津委員、どうぞ。
○野津委員 今のところに少し関わって、意見を述べさせていただきます。まず一つは、生徒に対してがんに関する教育をやるというときに、生徒個々の判断で受けたくなければ、聞きたくなければ出ていってもいいと言うと、途端にほとんどいなくなってしまうということも懸念されます。特に、学校差が大きい高校の先生から、そうしたことを心配する声があります。教育現場ではいろいろなことがあり、一筋縄では難しい面があると言えます。それからもう一つ、今、中川委員から逆世代教育というようなお話がありましたが、副次的にそういう効果があるという期待であれば。
○中川委員 そういうつもりです。それを狙っているわけではなく。
○野津委員 はい。そこを間違うことがあってはならないと思います。学校教育の場において、子供を使って親を変えようというようなことは本来的ではありませんので、副次的にもそうした意図は前面に出さない方がいいと思います。
○中川委員 ああ、そうなんですか。
○衞藤座長 では、青木委員、それから野口委員。
○青木委員 保健体育の時間でも講演会などでも前もって配慮をしたりしますが、最近私も考えていて、そういう子ほど聞いてほしいし、家族にがん患者がいたり、亡くなった方がいる子ほどしっかりと正しい知識を持って、自分はそうならないように、怖いと思っていたのがそうじゃなかったんだということを認識してほしいです。もちろん把握することは必要だし、配慮することは必要ですが、中学生の場合だったら、かえって正面から向かい合ってきちんと教育していった方が私はいいんじゃないかと最近考えています。
○衞藤座長 では野口委員。
○野口委員 本校で数年前に緩和医療の医師に講演をしてもらったときに、限りある命を生きてということで講演してもらいました。折しもそのときは1か月前にうちの生徒が小児がんで亡くなって、そして野辺の送りも学校としてはして、生徒たちも随分ざわざわした感じの中で、どうだろうかと、この時期にやるのはということで教員たちで話し合ったんですが、いや、こういうときだからこそしようと、実施しましょうということで、実施をしました。思うのは、まず家族に、感想なんか後から子供たちが書いてくれたのを読んだときに、家族にその身近な人にがんをまさに今もう抱えて戦っていて家族も苦悩していると、そういう子供たちはいるという押さえで、常に「がん教育」を進めていいんじゃないかということが一つ。ただ、しかしながら、その中でもやっぱり心に非常にダメージを受けている子というのもいるので、そういう子につきましては、集団もそうなんですけれども、あらかじめ先ほど出ていたような形でアプローチする、あるいは終わった後に個別にフォローするということは必要だと思います。それから、そのときに、やはりとっても身近だった子が一人だけ、聞いていられなくて涙流しながら途中で席を立ちましたけれども、その子も後からやっぱり、立ったものの何か聞きたかったという、そういう揺れている思いはありました。そこについてもフォローが必要だと思います。そういうふうに、配慮といっても十把一からげで配慮と考えるのではなくて、やっぱり様々なケースがあるので、そのケースに応じて配慮ということを考えなければいけないんですが、基本的には私たちはもういるんだと、家族の中にいて、子供たち何も言わないけれどいろんな思いを抱えながらそういうとき話をすごく真剣に聞いているんだということで、いろんなふうにアプローチを考えておっていいと思うし、フォローは絶対的に必要な子もいるという押さえでいけば、やっぱり思いの強さというのは通るんですよね。だから亡くなった子供が、この話を父親が生きているときに聞いて、自分は父親の死を認めたくなくて、それから限りあるということも認めたくなくて、腹を割って話をせずにして死を迎えてしまったと、今でもすごい心残りだという子もいれば、やはりその、まさに今がんでお父さんが幾ばくもないというような余命の中で今日の話を聞いて、もうすぐに病院に行ってじっくり親と話をしたいと、親の背中を見て、親の思いをもう十二分に受けて残りの時間を使いたいとか、やっぱり様々な感想があって、必ずしも何か傷つくようなイメージではないということですね、高校生ぐらいだと。それから、やっぱり友達が、クラスの子が亡くなっていますから、その学年というのは非常にまた受けとめ方が重かったんですけれども、その中でも、この話をもっと早くに聞いていれば、そのクラスメートにできることが、声をかけることがあったんじゃないかと、何か触れてはいけないという形でその子が学校に来ていたときも接していたけれど、こんなことであればもっと腹を割って触れ合いたかったという意見もありました。そういうことなので、ちょっとその配慮ということについてもケースバイケースで、配慮は必要だということは皆さんもう異論はないでしょうから、配慮の仕方についても考えていかなければいけないかなという。
○衞藤座長 ありがとうございました。南委員、どうぞ、お願いします。
○南委員 この配慮という項目に、この小児がんのことが出ているということについて、です。先ほど既に話題にしてしまったのですが、小児がんについては教育の内容ということとも関わっていくと思います。確かに小児がんが希少であるということからいくと、がん教育として教える内容の大部にわたる話ではもちろんないと思うわけです。ただ、果たして「配慮すべきこと」とくくるのが適当なのか。何かこう客観的に、がんについての基礎的な知識として触れることが適当なのではないかという考え方もあるかと思います。すみません、まとまりがなくて。内容ということに関して言えば、やはり、がんについての基礎的な、国民として不可欠の情報を盛り込むべきなのではないでしょうか。命の大事さといったこととは少し別のことなのではないかと思います。先ほどから何度もお話が出ましたけれども、がんというのは極めてありふれた病気なんだと、原因は生活習慣もあるけれども、それ以外にもこれだけいろいろな原因があって誰でもかかりうる病気であるという知識を、子供にも知ってもらうべきではないのでしょうか。そこで例えば具体的に小児がんの生存率など、たまたま兄弟を亡くした子供とか患者本人が聞いたとしてもつらくなるような話に踏み込む必要はなく、客観的に必要な情報だけを教える、ということが望ましいのではないでしょうか。過剰配慮という言葉が適当かどうかは分かりませんが、家族の事情まで考慮しすぎることで、必要なことを教えるということに支障がでることは避けた方がよいと思うのですが。授業を聞いて、何かすごく怖くなったとか、その後、家庭で子供の対応に困っているとか、そういうことは余りないと思いますが、そのときにはその対応を考えればよろしいのではないかと思うのですが。学校教育でがんについて教育することを今議論しているんですから、余り個別の様々な配慮をしすぎると教育すべき内容の客観性に支障が生じるのではないか、逆にその点を心配をする次第です。客観的に必要な、がんの基本的知識についての教育は健康教育の一環であり、人の命の大切さ、なぜ生命を尊重しなければならないのか、といったこととはある程度わけて考えた方がよいように思います。健康問題については、がん以外にも生命を脅かす怖い病気はたくさんあるわけですから、予防しうる病気は予防して、健康を大事にしなければいけないということを教えるべきでしょう。自殺についての教育の在り方も一方で問題になっていますが、それについては命の尊さということもセットになるのでしょうが、ここは「がん教育」の在り方を論じているわけですから、客観的な健康教育の一環で取り組むことが求められているのではないかと思いますがいかがでしょうか。長々とすみません。
○衞藤座長 ありがとうございました。小林委員。
○小林委員 短くします。日本の先生のほとんどは、子供はもちろん、親とか地域に対して、ものすごい配慮してくださっています、正直。まあ、たまに変な先生いますけれども。だから、そこは今、南さんおっしゃったように、本当に配慮してくださっているから、もう既にね、現場で、そこはいいと思います。お二人の委員が言われたように、やっぱり親なんですね。今、モンスター何とかというのもありますけれど、ですからそこは、ちょっとこれは学校現場プラスPTA活動の中で、今スマホの問題やいじめの問題や防災の問題やっていて、正直、私も災害ボランティアとしていろいろやってきた中で防災の講話なんか学校へ行ってやるけれど、子供たちにちゃんとうち帰って親に家具の固定だとか備蓄品がなんていうことやってねっていうと、今度先生たちがそれをフォローしてくださって1週間後にまた聞いてくれるみたいなことをやるので、決してその逆教育というと逆教育だけれど、別にそれは普通の教育というふうに前向きに取り組んで、「がん教育」もいけばいいんじゃないかなと思うので。ちょっと難しいことがあればPTAでやるということも一つの手かなというふうには思います。
○衞藤座長 ありがとうございます。それでは、この資料1に示していただいた各論点に関しての議論はこのくらいにしまして、あともう少し時間がございますので、自由討議ということで広く、特にこの論点にかかわらず、「がん教育」に関しての御意見を伺いたいと思っておりますので、どういう観点からでも結構でございますので、いかがでしょうか。本日は、一応基本的には全ての委員の方から御意見はいただいているかと思いますけれども、後藤委員の御発言がそんなに多くなかったような気がしますので、まずお願いします。
○後藤委員 やはり、先ほど南委員がおっしゃった、配慮すべき事項というところで考えるならば、感情に対する配慮は必要かなと感じています。ただ、教えるべき内容をきちっと整理すれば、配慮すべき内容はそれほど多くはないんじゃないかなと思っています。もし、感情面で配慮する生徒が出てくるのであれば、学校カウンセラーさんとの連携を図ってみたりするなどの方法が考えられると思います。現在、私は、夜間定時制に勤務しているのですが、不登校で学校に行けなくなった子たちは数多くいます。いろんな背景を持って通っている生徒さんはいらっしゃるんですけれど、その中には親を亡くしてしまって心を閉ざしてしまって学校に行けなくなってしまったというお子さんもみえます。ただ、今現在、高校に来ているということは親を亡くしたという苦い経験をある程度自分の中で整理をし、クリアをしてから学校に登校しているという段階になっているのだと思います。そういう子たちの中で「がん教育」の授業を行った際には、原因がわかって良かったと積極的に話を聞きに来たりしてくれる状況もありました。そういうことも考えながら整理するならば、学習内容だけでなく先ほど中川委員がおっしゃった教育プログラムというか、外部の先生が来られたときに何気なく言ってしまった一言がその生徒の核心に触れるようなことがないような一貫性をもったプログラムが必要だと思います。それぞれの校種で体系化を図り、学習内容の系統性を保ったプログラムができれば、公教育といった意味で、北は北海道、南は沖縄まで一律に良い教育がほどこされるのではないかなというふうに思っています。
○衞藤座長 ありがとうございました。そのほか、どういう観点からでも結構ですけれども。では、植田委員、どうぞ。
○植田委員 先ほどから出ている配慮のことに関わってなのですが、やはりがんの教育がもしまとまった形で進むのであれば、私は最初の段階といいますか、まだやっぱり過渡期にあって、やはり配慮すべき事項はある程度示していくことが必要かというふうにちょっと感じています。世の中が変わって、「がん教育」が浸透して国民の教養も高まり、そういったことに対する偏見とか払拭も、かなりなくなった暁には、是非、もう本当に堂々としたいところあるんですが、やはり最初の配慮というのは、野口委員が言われたのにちょっと賛同するところあるんですが、ケースバイケースでもあるんだけれど、その事例をやっぱり示していくというのは、こういった会でやはり示しておく必要はあるんじゃないかと思っています。加えて、第1回目にもちょっと言ったのですが、グリーフケアといって、人間にはやっぱりがんの経験者の方でも、その後それを乗り越えてすばらしいクオリティー・オブ・ライフを持っていらっしゃる方もいますし、実はがんのことだけではなくて様々なことで人間にはそういう力があるので、そのことはやはり道徳だとか特別活動の中で、がんを特化して教える、それ使うかどうかはちょっと難しいところですけれど、そういったこともやりながら、ちょっと時間をかけて丁寧にやる必要があるんじゃないかというふうに思っています。
○衞藤座長 ありがとうございます。
○横嶋委員 今の植田委員のお考えに賛成なんですけれども、ここでの議論で今、事例を伺っている中では、恐らく先進的にすばらしい講師の方がモデル的にやられたところでは、余り混乱がないんだと思うんです。ただ、これから国、それから県、市とおりていって、実際の現場で日本各地で行われたときに、やはりがんに関する認識の低い地域であったり、または講師であったりという方が必ず、教育を進めていく事例も出てくるかと思います。そうしますと、やはり喫煙、飲酒、薬物乱用防止、また性に関する指導など、学校は経験がある部分についてはある程度ノウハウを持ってはいますけれども、「がん教育」に関するノウハウって多分ほとんどない状況で進めていかなければならないと思われます。そうしたときに、今議題に出ているような配慮すべきことということをきちんと示して、示しながらも指導を躊躇(ちゅうちょ)するということではなくて、積極的に「がん教育」を進めていくという方向で進めていけばいいのかなというふうに思っております。
○衞藤座長 ありがとうございました。野津委員を先に、それから前川委員でよろしいですか。
○野津委員 話題が少し変わりますが、今日の項目にあります内容、位置付ける教科、校種・学年というようなことに関わってです。「がん教育」の内容を「保健」で全て扱うわけではないとしても、どうしても「保健」における配当時間の確保ということが出てくるだろうと思うんです。前回の会議で申し上げたように、これまでの学習指導要領では一次予防ということに軸足が置かれています。ここで提案されているがん教育の内容の項目を見渡すと今回の項目二次予防、三次予防というような観点も保健に位置付けたら、より充実するのではないかという御意見もあるかと思います。余り無理なことを言ってもとは思いますが、この委員会でそうした保健の配当時間の拡充もあわせて意見としてまとまればと個人的に願っているところです。
○衞藤座長 ありがとうございました。前川委員。
○前川委員 すみません。ちょっと関係ない話でもいいですか。ちょっと疑問点というか。先ほど植田委員が、今、「がん教育」の過渡期とおっしゃったんですけれど、本当そのとおりで、今、各地で「がん教育」がされています。各県で。でも、それぞれの地域でいろんなことをされていて、まだ本当ばらばらなんですね。あるところでは何かNPOで患者が「がん教育」をしようという、患者だけが「がん教育」をしようというような、そういうNPOができて、今、研修を受けている人がいるとか、あと各県で「がん教育」の副読本を作成されたりとか、いろんな動きがあって、私はその動きがどのようになって、いつ、統一というふうにはならないのかもしれないけれども、この流れがはっきり分からない。各地ででき上がりつつもあるものが、どのようにこれから方向が、どのようにいくのかというのがちょっと何かすごく不透明な感じがして、そのあたり疑問に思っているんですけれど。これからのことです。
○衞藤座長 何かそれに対しては、どうでしょうか。お答えいただければ。
○南委員 答えじゃないんですが、関連で。よろしいですか。私もまさに同感で、国民の健康教育自体がものすごく混とんとしている印象があります。初回のときにも申し上げたことですが、日本人の国民としての公教育としての健康教育というものが、綿密によその国と比べたりしていませんから印象的なことに止まりますが、どう考えても、ヘルスサイエンスに基づいた健康教育といったらいいかもしれませんけれども、行きわたっていない、足りていないのが現状だと思います。その中で、やはり本来は健康教育というのがまず土台にあって、その上で各領域や各疾患の教育があるべきなんだろうと思いますけれども、いきなり「がん教育」を論じているわけです。教育時間の制約というのもあるわけで、そういう状況なので、今前川さんが指摘されたような各現場で統一性のない秩序のない動きがおこっている。やはりがんという病気が余りにも国民にとってありふれた病気なので、ともかく、このがんという病気とそれがもたらす様々な問題について、もっと知らないと困るから、教育をしなければ、という動きが起こるのは当然のことかもしれません。健康の問題だけではなくて、がんになったら、働き続けられるのか、といった社会保障的な問題や、一家の稼ぎ頭ががんになれば、その世帯の財政はどのような状況になってしまうのかとか、そういうことも含めた「がん教育」は待ったなしに必要とされていると思いますね。だからあえて、「がん」を入り口とする健康の教育が必要なのでは……。 私はそういうふうに理解して、この会に参加したんですけれども、このような混とんとした状況なので、各地で行われている「がん教育」と呼ばれる動き、つまり、がんについての様々な情報提供が非常に多様でいろんな形になっているという状況なのではないかと私は理解しているところです。お答えになるかどうか分からないんですが。その中であえて今、学校として公の教育として何を教えていくかということが問題です。15歳までが義務教育なわけですから、まずはそこまでに、とにかく必ず知っておいてもらいたいがんに関する知識を教育しようじゃないかというのが、基本法に刻まれた精神ではないのかと、そういうふうに私は理解したんですけれども、その辺御説明できる方がいたらお願いしたいと思います。
○衞藤座長 中川委員、どうぞ。
○中川委員 まず、野津委員がおっしゃった、保健の教育が充足しているかという問題について、南委員の趣旨に対してもそうなんですが、やっぱり足りないと思うんですね。とりわけ日本人がここまで長生きになり、当然様々な疾病を抱えるようになる。また、財政的にも非常に余裕がなくなって、そういう意味では予防というのも非常に重要。例えば、こんな例がありますね。2011年だったと思いますが、内閣府が、これ定期的にやっているんですが、がん対策に関する世論調査というのがあって、その中で国民が生活の中でがんを防ぐために最も心がけていることは、何と焼き肉、焼き魚の焦げを残すというですね。それはやっぱり正直言って、日本人のこの認識の足りなさ、是非、やはり保健、体育も必要ですからやっぱりプラスにしなければいけないということですよね。この委員会の中で是非提言すべきだと思います。前川委員がおっしゃった、ばらばらであるというのはそうだと思うんですが、これは若干仕方がないところもあって、現時点では学習指導要領の中に位置付けられているわけではありませんから、そこをやっぱりある程度収束させていくというのが、やはりこの委員会の中の役割なのかなというふうに思っています。そうしないといけない。
○衞藤座長 いかがでしょうか。若干、野津委員のおっしゃったことと、これまで「がん教育」を重視するということの中で、現行のままでは恐らく位置付けられないだろうという一つの齟齬(そご)が出てきているように感じていまして、例えば野津委員がおっしゃった、今、一次予防を大切にするという、つまり病気とかけがのそもそもの発生の予防ということに立脚した教育というのが保健教育の原点なわけです。ところが、がんであるとか、献血のことであるとか、あるいは安全の関係で言ったら災害のこととか、そういうことというのは予防だけではないわけですね。むしろ、そういうことが起こったときにどうするかとか、むしろ二次予防というのはその早期に発見して早期に対策をとることだし、三次予防というのは治療を受けるとか、不幸にしてその病気になってしまったらリハビリを受けるとか、そういうようなことを言っているわけですから、二次予防、三次予防というような、がんの場合でしたらそういうことまでも含めてやっぱり教育するということを念頭に置いているわけですから、明らかにそこには齟齬(そご)がある。それを今後どうしていくか、じゃあどういうふうにアピールしていくのかというと、保健教育の枠組み自体をやっぱり広めていくような意見を言っていかないと、それは今後につながっていかないというようなことが、今日の議論の中から見えてきたように私は思うんですけれども。野津委員、いかがでしょうか。
○野津委員 本当にそうだと思います。そうした中で、二次予防や三次予防のどこまでを学校での保健教育の内容として取り上げるのか、また「がん教育」だけでよいのか、といった意見も出てくるかもしれません。そういう方針がここの委員会で立っていくと、教える内容や位置付ける学年等々についてもそうしたことを想定しながら、具体的に議論できるのかなというふうに思っています。
○衞藤座長 では、先にどうぞ。
○柏原委員 「がん教育」の目標についてというところに戻ってくるのではないかというように考えます。第1回の皆さんのお話を伺って、一つ目は、やっぱりがんというものにこだわるということから、がんの概念や予防方法等について科学的根拠に基づき正しく理解することにより、生涯にわたり自分の健康を適切に管理し改善していく資質や能力を養うということ。二つ目は、がんのり患に対する正しい認識により、がんのり患者への偏見や差別を払拭し、人権尊重の精神を培うとともに、共生社会を目指した実践的な態度を養う。そして三つ目が、関係機関等との連携を図り、生命尊重の精神とクオリティー・オブ・ライフの向上の意義を理解するというように、自分なりにまとめてみました。これが、疾患に変わったときに違うのかというと、多分同じなんです。ところが、ここに「がん」という文字が入ることが意味があるのではないかというように考えました。これは最初、冒頭、森調査官の方から議論尽くされましたというお話がありましたが、どうしても皆様のお話を伺っていて、私が、それ以外にもあると考えてました。このフレームワークをがんというものに落とし込んでいくときに、内容であるとか学年であるとか教科であるとか領域であるとかということが、おのずと定まってくるのかなというように考えます。
○衞藤座長 ありがとうございます。では、野口委員、お願いします。
○野口委員 ちょっと話が一回ずれますが、また戻ります。高校生なんかで、やはり自殺予防教育というのは非常に重要です。子供たち、生徒を死なせないというのは一つ、学校の中でものすごく大きいです。じゃあ自殺予防教育を徹底すれば、深くすれば、子供たち、高校生は、若者たちは自殺をしないのかというと、そうではないんですね。教育をするとともに、自殺予防のやっぱり支援がないと、間違って命を落としてしまうこともある。同じように健康教育というのは、多くは教育をすごく深く濃くやったら、じゃあそのとおり健康的な実践とか態度、理解が深まるのかというと、なかなかそう言い切れない部分もあると思うんですね。「がん教育」についても、教育ということは非常に大事です。学校の先生方が教科に関しては中心にもちろんやっていくわけですから、先生方に対しての研修というのもきっちりやっていっていただければなと思います。そこが深くならないと、幾ら外部の方が来ても、フォローもケアもやっぱり何か浅くなっちゃうと思うんですね。それから2点目が、「がん教育」においても自殺予防教育と同じように、教育もそうなんですけれど、その教育支援ということも、もう一つ考えていった方が効果があるのではないか。中川委員、それから前川委員が学校に出向いてそういうふうに子供たちに話をするというのは、教育であり、学校にとっては教育的な支援なんですね。先生方、自分たちでは語り切れないもの、子供たちに伝え切れないものを、そういう外部の方が来ることによって伝えることができるという部分では、学校にとっては支援の一つでもあると思いますので、ちょっとその車の両輪のように、「がん教育」ということを考えたときに、教育もそうなんですけれども、どんなふうに支援をしていくかというふうな足があってもいいのかなというふうに思いました。
○衞藤座長 植田委員、どうぞ。
○植田委員 よろしいですか。ちょっと違う視点なんですけれども、「がん教育」で配慮が必要な事項になるのかもしれませんが、やはりがんの教育のことがマスコミでも流れ、こういった検討委員会も持たれ、一番不安に思っているのは学校の先生方じゃないかと思うんですね。だんだん「がん教育」が、やらなければいけないことが、必要性に迫られてきたり、やらなければいけないという、そういうことは分かっていらっしゃるんだけれど、やはり、もし自分の教えるクラスにがんの患者がいたりとか、あるいは家族が亡くなった子がいたらと、やっぱりそれは不安に思われてきているんじゃないかと思うので、やはり教師、教える教師の支援というのも、配慮は子供たちの配慮ばかり考えていましたけれど、まずやっぱり教師の支援もこの委員会としては考える必要があるだろうと思いました。
○衞藤座長 前川委員、どうぞ。
○前川委員 植田委員のおっしゃるとおりで、実は私、そう言いたかったんですけれど、先生方がいっぱいいらっしゃるので言えなかったんですけれど、学校とかに行ったとき、実は先生方が余り御存じない。子供の心に何か入っていないというのをひしひしと感じております。ですから、植田先生がそういうお言葉をおっしゃったので何かすごくほっとして、これからいい方向に、先生方の方に、教育といってはいけない、研修か何かそういうのが進むのではないかと思って、すごく心強く思いました。ありがとうございました。
○衞藤座長 今日、いろいろ御意見いただいた中で、私として、今の学習指導要領のままでは恐らく実現できなくて、その課題としてあると思うのは、体育、保健体育の教科の中で教える、それ以外に総合的な学習の時間とか特別活動というようなところで外部の講師の方を呼んでというような、そういう一つの仕組みが何となくイメージが描けましたけれど、では、それを調整したり系統性を持たせる責任は誰が持つのかとか、誰が進めるのかというようなあたりの御意見があったことが印象に残りました。それから、そういったことを展開するためには、地域の保健医療資源とうまく結びついて、あるいは拠点病院だとか、「がんプロ」というような話もありましたけれど、そういうところとどのように学校教育がつながっていくのか、それはどういうふうに、学校の外からの支援とか、そういうのはどうやってそれが保証されていくのかという、その仕組みは今全くありませんので、それもどうするのかということは一つの課題としてあるかと思いました。そして、今の教員の方たちが「がん教育」をする、自信を持ってか、あるいは気持ちをおおらかにできるようなその仕組みなり、研修の仕組みなりそういったことをつくるにはどうしたらいいかと、そのようなことが、それ以外にもあったかもしれませんけれど、私の中では今の三つぐらいのことが、今のままではだめだ、新しい教育課程をつくる上でこのことを配慮しない限り成り立たないと思ったことです。あと、もう二、三分、時間はあるんですけれど、いかがでしょうか。よろしいですか。
○南委員 森さんにお聞きしたいんですが、学習指導要領の調整は可能性があるのでしょうか。
○事務局(森調査官) まず、今日の議論で八つの論点を話し合っていただけるとありがたいです。既に「がん教育」自体は始まって、モデル校等も実施している中でどのように現行やっていくかが優先すべきことで、そのためには目標と内容とそれから配慮する事項等について、どういうことが必要なのかということを議論していくのが大事だと思います。それを更に発展していくためにどうしたらいいかということが次に来ると思いますが、現状としては、報告書のがん教育の「内容」が恐らく高校卒業のラインだと思います。その内容について、今日は御意見は余りありませんでしたが、この通りでよろしいかというのが一番聞きたかったことです。高校の卒業ラインをイメージして、それを小学校ではどのくらいできるのか、中学校ではどのくらいできるのかという話になっていくと思います。今、国民にとって必要な内容は何かということをまず議論していただくというのが先にあって、そのためにどのぐらい時間が必要になるか、指導要領の改善をする必要があるかというのはその後の話だと思いますので、まずは内容を深めていただければ非常にありがたいです。
○衞藤座長 全ての国民が高校を卒業した段階で、がんに関して身に付けておくべきものは何かということをまず決めて、それを実現するためには、じゃあ高校では何、中学校で何、小学校では何という、そういうことが必要だということでしょうか。
○事務局(森調査官) そうですね。はい。
○南委員 すみません、よろしいですか。それはあくまでヘルスサイエンスというか、健康教育の一環としての「がん教育」ということですか。それとも、がんがもたらす生活や就労など、様々な問題までも含めた教育ということになるんでしょうかしら。
○事務局(森調査官) 基本的には健康教育の中の一環ということで、がん対策基本法の方にも書かれています。でも、南委員がおっしゃられるように、恐らくそれだけの枠組みでおさまり切らない内容になっていると思いますので、必要だと思うようでしたらそういったものも是非出していただいて、高校卒業段階までに必要な内容をお示し願います。今日は御議論する時間もないと思うので、この後お持ち帰りいただいて、本当にこの八つの内容でいいかどうかも含めて御意見いただければありがたいです。疾病の原因と予防が一致していなかったりとか、恐らくまだ書き足りないところがあるのではないでしょうか。それから今、南委員がおっしゃられたように、共生や社会保障など必要なものがあると感じた場合は是非書いていただいて、次のヒアリング等踏まえて、それらを考慮して骨子を作っていけたらなというふうに思っております。
○衞藤座長 そうしますと大体、今その自由討議の時間をほぼ使い切りましたので、今、森調査官からお話がありましたように、本日の議論に加えて宿題のような形ですけれども、教育内容に関して更に深めていただいて、それはどういう形であれするのかというのを教えていただきたいので、お願いします。森調査官の方に御連絡をいただくというようなことと、それから、次回はヒアリングを予定しているので、それらの結果を踏まえて、論点に対するたたき台を示させていただくということを目指していきますということで、本日は大体時間がまいりましたので、あと事務局から連絡事項がありますでしょうか。
○事務局(森調査官) それでは、次回、11月を予定しております。次回ヒアリングということで、モデル校等で実際に取り組まれていることを発表していただいて、委員の方々に御議論いただきたいと思います。
○衞藤座長 それでは、本日予定しておりました議題は、以上で終了いたしました。
 本日はこれにて終了いたします。皆様の御協力、どうもありがとうございました。

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-- 登録:平成26年12月 --