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「がん教育」の在り方に関する検討会(第1回) 議事録

1.日時

平成26年7月14日(月曜日)10時00分~12時00分

2.場所

文部科学省スポーツ・青少年局会議室

3.議題

  1. 「がん教育」の在り方について
  2. その他

4.出席者

委員

衞藤座長、青木委員、植田委員、佐藤委員、柏原委員、後藤委員、田中委員、中川委員、野口委員、野津委員、堀部委員、前川委員、道永委員、南委員、横嶋委員、若尾委員

文部科学省

久保スポーツ・青少年局長、大路学校健康教育課長、濵谷学校健康教育課長補佐、森教科調査官、松永学校保健対策専門官

5.議事録

(冒頭 座長選出が行われた後、久保局長挨拶)
○衞藤座長 局長、どうもありがとうございました。
 なお、久保局長におかれましては、所用のため退席されますので、御了承ください。
 それでは、次の議事に入りたいと思います。これまでのがん教育の考え方等につきまして、事務局からの説明をお願いしたいと思います。
○事務局(大路課長) それでは引き続きまして、私の方からこれまでの経緯、それからこの検討会の位置づけ、それから現在行われているがん教育の現状と検討の方向性といったことについて、概略を簡単に説明させていただきたいと思います。
 資料はちょっと前後して大変恐縮でございますが、資料の最後の5を御覧いただきたいと存じます。先ほどの局長の挨拶にもございましたように、がん対策推進基本計画の中に、がん教育につきまして、5年以内に学校での教育の在り方を含め、健康教育全体の中でがん教育をどのようにすべきか検討し、検討結果に基づく教育活動の実施を目標とするということが、目標として明記をされているところでございます。
 現在、この5か年計画の中の3年目に当たるわけでございまして、ある意味、残すところ3年でこの在り方を検討して、学校で実施ができるような状況まで持っていく必要があるというような状況でございます。
 そうした中で平成25年度、昨年度のところを御覧いただきたいと思うんですけれども、少し専門的に、日本学校保健会に対する補助事業の中で委員会を開催していただいて、がん教育の在り方についての検討をしていただきました。本日ここに御参加いただいております先生方の中にも、植田先生にその委員会の座長を務めていただきまして、中川先生、野口先生、前川先生といった方々に、この委員会の中に入っていただいて検討していただいております。その検討していただいた結果が資料3として配付をさせていただいている、本年3月にまとめていただいた報告書でございます。これについては、また後ほど触れさせていただきたいと思います。
 26年度から3か年の中でどういった検討を進めていくかということでございますけれども、まず26年度におきましては、実質的に私どもとしては初年度かと思っておりますけれども、文部科学省として新規予算を確保いたしまして、二つの取組を今年度の新たな取組として始めるつもりでございます。その一つがこの検討会と書いてあるものです。これは本日お集まりいただいている検討会でございます。それから下の方に書いてございますモデル事業ということで、全国各地の学校を指定しまして、がん教育の取組をそれぞれ進めていただき、そうしたところから得られる成果や課題を、この検討委員会にも随時フィードバックしながら、がん教育のこれからの在り方についての参考にしていただく。この二つを並行して走らせていくことによって、がん教育の在り方についての検討を更に深めていきたいと考えているところでございます。
 3年間ございますけれども、そのうちの1年目で、できましたら1年間のうちに、がん教育をどうするのかというフレームワークの部分を固めていただきたいというふうに思っております。そのフレームワークが固まったものに基づいて、2年目、3年目、少し時間をかけて本格的に実施するための準備といったような形で、検討会を別途設けるのか、あるいはこの会をそのまま引き継いだ形で検討いただくのか、また別のものを作るのかというようなことは、またこれから検討していかなきゃならないこととは思っておりますけれども、一応そういった形で今後3年間を進めていくといったような予定で私どもとしては考えているところでございます。いずれにしろ、この委員会におけるいろいろな議論の状況も踏まえながら、そこは臨機応変に対応してまいりたいと考えているところでございます。
 一番下の、小さい字で書いてございますけれども、学習指導要領の改訂の検討がそう遠くない将来に開始をされるというふうに思っております。そうした中で、がん教育の位置づけをどうしていくのかということについても、この会の議論を踏まえながら、別の会議になりますけれども、反映をさせていくようなことも視野に入れて検討してまいりたいと考えているところでございます。
 それでは、次に、がん教育の現状ということで御説明を申し上げたいと思います。資料3、昨年度まとめていただいた資料の前半部分に、学習指導要領のがんについての教育がどのように取り上げられているかということを、抜粋という形で添付をさせていただいております。関係部分のみの抜粋でございますけれども、御覧いただきますように、がんという言葉がところどころに入ってきておりますが、例えば小学校でいいますと、ページをめくっていただいて、2ページの上から5行目のところに「肺がん」という言葉があったりとか、中学校においても次のページの3行目の後ろから4行目に「肺がん」という言葉があったり、いわゆる生活習慣病を教える中で、それから飲酒、喫煙の害について教える中で、がんという内容を取り扱うというのが、小・中・高を通じた、がん教育の現状であるかと言えるかと思います。
 それでは、具体的に、教科書でどのように取り扱われているのかということでございます。この黄色い資料を一枚めくっていただきまして、参考資料2ということで、小学校、中学校、高等学校の教科書を全部添付するわけにはいかなかったものですから、一番採択率が高い教科書のみでございますけれども、抜粋をして添付をしております。お手元に行っておりませんで恐縮でございますが、小学校、東京書籍の教科書でございますけれども、上の方に主な生活習慣病の一つとして、がんということが書かれております。
 それからページをめくっていただいて、35ページ右下で、日本人の死因の内訳と書いてあるところに、がんが30%ということで一番死因としては多くなっているといったようなことが書かれてございます。
 それから喫煙の害と健康ということで、39ページのところで、喫煙の開始年齢と病気による死亡の関係ということが右上のところにグラフで記載をされております。それから、真ん中辺りの記述で、たばこを長い期間吸い続けると肺がんや心臓病などの病気にかかりやすくなりますといったような形の記載となってございます。中学校がその次のページからでございまして、ほぼ同じような扱いになっているというのではないかと思いますけれども、まず、生活習慣病の中のがん、80ページにございます。
 それから、81ページから82ページにかけて、枠で囲っておりますけれども、がんに関して、いわゆるがんを防ぐための12か条ということで、やや詳しめの記載がされております。
 それから、83ページに検診検査についての記述でございます。これはがんに特化したということでは必ずしもございませんけれども、生活病関連の予防についてその検査を受けることが重要だという記載でございます。
 それから、またページをめくっていただきまして、84ページに喫煙と健康という関係で、喫煙者と非喫煙者におけるがんの死亡率の違いということを、右下の資料4という形で記載がされております。
 85ページにいきますと、左下のところに、喫煙期間と肺がんの危険性、それから資料7として、夫の喫煙と妻の肺がんの危険性に関するグラフがあります。
 それから、次に高等学校でございますけれども、16ページというページが付されたところで、代表的な生活習慣病の一つとしてがんということで、がんの症状と、それからがんの種類として代表的なものがここに記載をされているということでございます。
 それから、17ページの右上に、胃がんの進行度別の5年生存率ということで絵が描いてございまして、進行度と5年の生存率、5年経過後の生存している数が、そういう形で資料が掲載されております。
 同じく24ページからですけれども、喫煙と健康でございます。
 それから、26ページからは、飲酒と健康というところの中で、がんということが取り上げられているというのが現状でございます。
 それから、高等学校の教科書の後ろから参考資料3と書いた資料を添付させていただいておりますけれども、これは文部科学省の方で全ての小学生、中学生、高校生に配付する啓発教材を活用して配付しております。この啓発教材は必ずしも指導要領の書いてある内容に縛られることなく、私どもとして、子供たちが知っている方がいいだろうと思うような内容を少し幅広く盛り込んで作成をして、配付をしているものでございますけれども、そうした資料の中で、がんについて、御覧いただきますような形で取り上げているというような状況でございます。
 これを御覧いただきまして、がんに関する教育というのは行われているか、行われていないかというと、一応がんを教育上に位置づけて取り上げることにはなっていることはなっているわけでございますけれども、がんというテーマに関連する事柄が十分に全部網羅されていると思われているかという視点で見たときに、これで十分なのかというような視点で、これは考えていく必要があるかなというふうに感じているところでございます。
 また、この検討会で何を御議論いただくかということをあえて言うとすれば、がん教育に関してどういう内容のものをがん教育の内容として盛り込んでいくのかという話と、内容面の話、それから、それをどういう方向で指導していくのかという方向に関する話、そうしたことを考えて、結論をいただくということが重要なのではないかなというふうに思ってございます。
 最後に、昨年度まとめていただきました報告書が一つの議論の土台になるというふうに思っておりますので、この報告書で盛り込んでいただいた内容について、簡単に御説明を申し上げたいと思います。資料3を御覧いただきまして、先ほど御紹介させていただきましたように、最初の連番の4ページ、5ページの真ん中までは現在の指導要領で何が書かれているという記載でございますので、今後の方向性という部分については、2として5ページの真ん中から展開されているページの内容を御覧いただきたいと思います。
 2で書かれている方向性につきましては、大きく三つのことが書いてあるというふうに理解をしておりますけれども、一つはがん教育というのはどういう目標で進めているのかという話。それから、二つ目ががん教育の内容として、どういう内容が書かれているのかという話。それから、三つ目として、この指導を行うに当たっての留意点としてどういうことを留意しなければならないのかということ。
 順番に御説明を申し上げたいと思いますけれども、まず目標に関する点でございますけれども、1、2に書いてあるところに、がん教育が目標とすべき内容が書いてあるかというふうに思いますけれども、特に2と書いてございます。がん教育の目標として二つが記載をされております。一つが、がんに関して正しく理解できるようにするという目標でございます。それから、二つ目が、命の大切さについて考える態度を育成すると、この二つの目標をがん教育を進めるに当たっての目標としてはどうかという指摘でいただいているところでございます。
 それから、ページをめくっていただきまして、3に書いてございますが、がん教育として教えるべき具体的な内容でございまして、アからクまで八つの項目を列挙していただいております。アとして、「がんとは」ということで、がんの発生要因。それから、イとして「疫学」として、がんは死因の1位であって、男性、女性、御覧いただいているパーセントで生涯のうちにがんにかかる、そういったようなところ。それから、ウとして「予防」に関すること。それから、エとして「早期発見・検診」に関すること。それから、オとして、「治療」について、手術、放射線、抗がん剤、と様々な治療があるということ。それから、カとして、「緩和ケア」に関すること。それから、キとして「生活の質」に関すること。それから、クとして「共生」に関すること。こういった内容を、がんについて教育を行っていくため、子供たちに教える内容として取り上げていく必要があるのではないかという目標をいただいております。
 7ページ以降でございますけれども、三つのがん教育を進めるに当たっての留意点ということでございますけれども、これも幾つか留意点を示していただいておりますが、1として書いてございますのは、保健体育を初めとして、特別活動、総合的な学習の時間、道徳といった様々な活動において相互に関連づけて指導をするということが重要であるということでございます。それから、2として、内容の取扱いに関して、先ほど御覧いただいたような内容については、中学校、高等学校において、より積極的に取り組むことが望ましい内容ではないかということでございますけれども、その一方で小学校において、全く教えなくてもいいのか、あるいは小学生でも理解できるようながん教育の内容というのがあるのではないかといったような御指摘、それから、小学校において実践をした結果、効果が上がったような事例もあったといったような御指摘もある中で、中学校、高等学校を中心に据えつつも、小学校においてもどうやって取り扱っていったらいいかということを検討していく必要があるのではないかと、そういうまとめになっています。
 それから、3でございます。私なりにここは一番重要かと思っておりますけれども、関係機関との連携によるがん教育の推進ということでございます。一つは、二つ目の段落にございますように、後からちょっと説明しますモデル事業でもこういうことを求めておりますけれども、教育委員会や学校が単独で行うのではなく、保健福祉部局や医療機関、地域の医師会などの協力を求めながら取組を進めていくことが重要ではないかということ、それが一つでございます。
 それから、もう一つは、次の段落にございますけれども、外部講師として、医師、看護師、保健師、それから、がん経験者を活用することによって、より充実した教育活動を実施するという、そういう視点が必要なのではないかということでございます。この点に関しては、一言だけちょっとニュアンスも含めて、申し上げさせていただきますけれども、決してこれは外部講師を招くということは外部講師に丸投げして指導していただきたいということではございません。保健なら保健の先生がしっかりその教育内容をグリップする中で、外部講師とあらかじめその教える内容等に関して、きちっとその連携を図った上で指導に当たっていただくことが重要だというふうに思っておりまして、そうした方式を学校の中に入れていく際に、様々な課題があるんだろうと思います。そういった課題をどうクリアしていくかということで、一つの大きな論点としてあるのではないかと思ってございます。ここに書いてある文言以上のことを申し上げたかもしれませんが、そういったことが非常に重要になってくるのではないかと思っております。
 それから、ページをめくっていただき、8ページに配慮が必要な事項として書いてございますけれども、以下のようなケースについては配慮が求められるのではないかということです。がんというのは生活習慣が原因となるということを強調し過ぎますと、生活習慣が原因とならないようながんもあるんだという辺りについての配慮も必要ではないかということです。小児がん、それから小児がん既往のある児童生徒、家族にがん患者がいる、家族をがんで亡くした児童生徒、クラスにがん患者、がん既往の生徒がいる場合、それから生活習慣を原因とするがんなどについて、やはりそういったケースについては配慮が求められているということを記載をしていただいております。
 それから、参考資料として、中川先生作成の資料を初めとして、とにかく学校で何かやってくれというときに、何もない状態でやるというのはなかなか難しい状況があるので、こういった資料も参考になるのではないかという形で記載をしていただいているところでございます。
 3番が、がん教育の今後の論点として書いているところでございまして、これはいずれ指導要領に仮に反映をさせていくときに整理をしていかなければならない事柄になってくるかと思っておりますけれども、がん教育をどの教科で位置づけていくのか。それから、がん教育をまとまった分野として扱う場合には、どのような目標を設定して取り組んでいくのかというような話。それから、保健体育科におけるがん教育の位置づけ。それから、がん教育を実施する校種、学年についてといったようなことを、今後の検討する課題として書いている部分が添付をされている部分であります。
 最後に、10ページのところの、がんの教育総合支援事業、これはちょっと後でお話しますけれども、評価の例として、少し薄い字で書いていただいております。これも、がん教育をやったときに、子供たちが知識や技能を、その教育を通じて身につけているかどうかということを計る尺度が必要ではないかということで、評価の例という形で記載をいただいているところでございます。これにつきましても、またいろいろ今後の展開の中で議論をいただいていく必要があるのではないかと思います。
 ということで、すみません、最後にばかりで申し訳ないんですけれども、資料4を御覧いただきたいと思います。
 二本立てで今年度事業を実施しているということを初めに申し上げました。二つ目の、いわゆるモデル事業についてでございますけれども、全国の教育委員会、学校において、御覧いただきますように21の地域、それから、実は学校がまだ決まっていない未定というふうに記載がしてあるところがあって、厳密なカウントは今まだできない状況でございますけれども、現在のところ21か所の70校で、がん教育の取組を進めていただくことになってございます。こうしたところにおけるその取組を通じて得られた成果、課題といったものについて、我々としても状況を把握させていただきながら、この委員会にも適宜反映をさせていただければというふうに考えているところでございます。
 いろいろ申し上げましたけれども、これまでの検討の経過、それから、この委員会の位置づけ、それから、がん教育の現状と課題といったようなことについて説明をさせていただきました。どうぞよろしく御審議をお願いいたします。
○衞藤座長 ありがとうございました。
 ただいま資料3から5につきまして、詳細に御説明をいただきました。今の御説明につきまして、御質問、御意見などありましたら、どうぞどなたからでも結構ですので、まず御発言をお願いしたいと思います。
 御発言のある方は、恐れ入ります。こちらから見にくいものですから、この名札を立ててください。こちらで順番を把握するためです。それでは、御発言のある方はよろしくお願いします。
○中川委員 これでよろしいですか。
○衞藤座長 はい、どうぞ。
○中川委員 今、課長に御説明いただいた資料5の2枚目の部分ですけれども、スケジュールの部分です。ここで学習指導要領の改訂の必要性についての検討というのが一番下側に小さな字で書いてあるわけですが、これは私も委員だった学校保健会の中での検討会の中でも再三議論になった件ですけれども、課長に御説明いただいた現行の学習指導要領に従った教育の中で、やはりがんが生活習慣病の中に位置づけられているというのは、私ども、私はがんの臨床医なんですけれども、やはり大きな違和感があります。もちろん生活習慣が重要であることは確かですが、例えば、せいぜい男の場合でも3分の2ですし、女性の場合だと半分程度は生活習慣が発がん原因ですから、やはり今のままだと少し誤解を生んでしまいます。つまり、がんになった方は生活習慣がいけないんだというように理解されている。現実に職場で、がんをり患すると3分の1の方が離職に追い込まれるといいます。そういった、やはり差別の助長、差別と言っていいか分かりませんが、そこまで考えたときには、やはり今の位置づけというのは問題があろうかというふうに思いますので、是非学習指導要領の中できちんとがんを一つの柱として位置づけていただきたいというふうに思います。
 以上です。
○衞藤座長 ありがとうございます。そのほかいかがでしょうか。
 私からもちょっと意見を言わせていただきます。私はもともと小児科医でございまして、臨床医を10年していたことがありますが、そのときにはB型肝炎の母子感染防止、30年前に制度化されましたけれども、そういったようなことに関わっていたので、肝臓がんの予防に通じるような問題のいろいろなことに関係してきたわけです。本日の資料2の検討事項は、がん教育の1番目は、がん教育の在り方を中心にしての検討だということで、それに連なる資料3の検討結果もかなり参考になるかと思いますが、この5ページの目標として掲げられていることは、がんに関して正しく理解できるようにするとか、命の大切さについて考える態度を育成するということになっています。したがって、ここでがん教育の在り方として検討することは、教えるということにとどまらず、その結果、子供が何を学んだかということまでを目標にしているということが大変大事だろうと思います。
 ともすれば、専門性の高い内容の教育に関しては、これを教える、あれを教えるといって、そこに重点が置かれる傾向がありますけれども、最終的に子供が、例えば高等学校を卒業した時に何を学びとっているか、それは全ての子供が何を学びとっているか、そこを目標にすべきだということを、ここで明確に確認をしていきたいと私は思います。
 以上、私の意見でございます。ほかに御意見、御質問ありますでしょうか。
 どうぞ、植田委員。
○植田委員 私も学校保健会のこの報告書に携わらせていただいて、いろんなことを考えることができたわけですが、先ほど中川委員もおっしゃっていたんですが、がんについて、生活習慣病だけではなくて、細菌であるとかウィルスであるとか、そういったものによるがんは多くなってきていますし、やはりそういったものを教えていくということはとても大事です。一方で、子供たちの調査をしてみると、がんに対して余り知識を持っていないんだけれども、闇雲に怖いというような感想が上ってくるんですね。きちんと知識を学ばせるということは、最終的にそういった怖さというものを払拭したり、あるいは表現が正しいかどうか分からないですけれども、正しく怖がるというのでしょうか。そういった態度みたいなものを最終的に身に付けていく必要があるんだろうと思います。ですから、単に知識をたくさん付けるだけではなくて、やはり学習過程であるとか方法というのはとても大事になってくるということは間違いないと思います。
 それから、大路課長もちょっとおっしゃっていたんですが、このがん教育を考えるというのは保健学習というような観点にとどまらず、これからの日本の学校教育の在り方というものを検討するきっかけにもなるようなものですね。例えば学校というのはややもすると、学校内で全てのことを収めてしまうという、少し言い過ぎかもしれませんが、閉鎖性があるようなところもないわけではないということを考えると、例えば外部講師が入ったり、あるいは教育委員会と各自治体の保健局、これは少しそういった縦割りの部分を越えて協力するというようなことが可能性として示されているので、そういったこれからの日本の教育、特に子供たちは数も減ってきたり、いろんな大人と触れ合う機会も減ってきているわけですから、そういったところでがん教育にとどまらず学校教育全体を見直すきっかけにもなるようにというふうには考えておりまして、そういった、少し大きいですけれども、そういうことも踏まえて検討していくことは大事じゃないかなと思っています。
 以上です。
○衞藤座長 ありがとうございます。そのほかいかがでしょうか。青木委員、どうぞ。
○青木委員 「がんちゃんの冒険」を中川先生がお作りになった時に、最初に本校で試行していただいて、そのときに子供たちの反応を前提に想定をして、多分怖がる、あるいは家族を亡くしたばかりの子供がいるのではないかと思いました。このような生徒においては、DVDを視聴したり講演をお聞きして、泣いたり落ち込んだりすることもあるのではないかと考えました。保護者会でこのDVDを見せて、がんについてのこういう講演会や学習をしますとお話しすると、小学校のときに父親を亡くしたばかりなので、とても不安ですと親御さんからのお声もありました。そのために、実施する前のプログラムについて大分打合せをさせていただいて、子供に対して途中途中にフォローを入れる内容まで考えました。どうしてこういう勉強をするのかとか、それから、初めは怖いと泣いてしまう子に対してどう対応していくかということで、教職員全員が周りで見守りながら進めていったわけです。
 やはり先ほど植田先生がおっしゃったように、怖いというイメージを子供たちに余り強く植え過ぎると良くないので、正しい知識でどうすれば防げるのだよというところに必ず持っていかないと子供たちはとても怖がってしまいます。子供の心理を踏まえながら作っていただいたのが、最初のスタートだったと思います。
 慎重に取り扱うことが必要と思います。それから、あと薬物乱用防止教室等も、保健の授業で取り扱いながら、学校行事として一つの、外部の方に来ていただいて、年に1回ぐらい薬物乱用防止教室をやるのがもう定着してきているんです。そういう意味では教育の成果というか、学習指導要領だけじゃなくて、教科だけじゃなくて、ほかからのいろんな働きかけで、すごく成果を上げている一つじゃないかなと思います。
 がん教育についても、私も身内を亡くしていますし、たくさんの人ががんで家族を亡くしている経験からすれば、大勢の人ががんについては本当に関心があると思います。自分自身も不安をすごく持っておりますし、そういう意味では学校教育で保健体育、あるいは体育の授業の保健分野で教えながらも、そういった薬物と同じように学校単位として、外部の方の力を借りて進めていくのが、これからはもっと大事かなと思っておりますので、是非進めていただければと思います。
○衞藤座長 ありがとうございます。そのほか、どうぞ、前川委員。
○前川委員 今、外部の講師のお話が出たんですけれども、以前、がん対策推進協議会において、文科省の方に教科書で、がん教育がされているか質問しました。文科省の担当者から、教科書を示して、行っていますとの答弁がありました。理科の教科書で子供の心に入らないような、何か一度見て、ああそうかと思って、忘れるような内容ではないかと、その時にちょっと感想を申しました。先だって、トップクラスの進学校の高校生の900人にがんの経験と息子の死をテーマに命の大切さについてお話ししました。この時、養護教諭の先生からお聞きしたのですが、がんのことを何も覚えていない。知らない。がんがうつる病気だと思っていた生徒がいるとお聞きしました。
 がんのことを教科で習っていても身についていないので、根本的な見直しをしていくべきだと思っています。以上です。
○衞藤座長 ありがとうございます。そのほか、御説明に関する御意見。どうぞ、田中委員。
○田中委員 神奈川県でございますけれども、本県では昨年からがん教育について取組が始まっております。中川先生にも大変、御協力をいただいて、県のがんの推進計画の中でがん教育を位置づけておりますので、その一環として、昨年は本県の知事部局の方の保健福祉の方の部局が担当して、がん教育を推進していたと。今回、文部科学省の方で委託事業が出ましたので、今年から教育委員会が担うということで、バトンタッチしながら、今年も一緒にやりますけれども、そういう形の中で取組をしております。
 そうした中で、やはりがん教育という非常に専門的で、お医者さんじゃないと分からないんじゃないか。我々教育者もそういうように思ってございまして、なかなか自信を持ってがん教育を推進していけないと、今考えているところでもあります。そうした中で、今、薬物乱用のお話もありましたけれども、保健体育の授業の中では体育の教員が教科書を中心に、あるいは副読本等を活用して基本的な知識は教えられるかもしれませんけれども、やはりそこで専門のドクター等のフォローが必要かなと思っております。そういった部分では、やはり薬物乱用等でやっております教科外の活動、授業以外のところでの講演会とか、そういったことを年に1回、2回やるといったことでフォローしながら、お互いにそういうふうにリンクしながら教育を推進していくのがいいのかなんていうことは今、まだスタートの段階ですけれども、そのように考えているところでございます。
○衞藤座長 ありがとうございます。ほかは。
○若尾委員 若尾でございます。
 ほかの委員の方々の繰り返しになる部分もあるんですが、今まで正しい知識ということで、予防の知識を中心にがん教育を進めてきたと思うんですが、現状でそれが知識として身についていないという御指摘がありました。やはり、その正しい知識を得て、それによって行動変容に結びつけないといけない。例えば検診を受ける、生活習慣を守るといった、そういうところに結びついてないというのが今までの現状でございます。その背景には、やはりがんといっても、なかなか身近なものとして捉えられていない。今は二人に一人はがんになる時代ですので、必ず皆さん、周りにはがんの方がいらっしゃるんです。それがなかなか自分のこととして捉えられていないというのが問題であって、やはりがんというのはごく普通のことで、自分のこととして捉える必要があるということをしっかりと伝えていくということで、そういった中で行動変容につなげて、さらに、この報告書の中にもありましたけれども、がんの患者さんと共生していく社会を創らないといけない。そこまで踏み込んだ形での指導、あるいは教育ができるような形が必要ではないかと思います。
 そういったためにも、やはり患者さん、体験者の方などのお話などを含めて、単なる知識ではなくて、感性に訴えるというのは余り適切な表現ではないかもしれませんけれども、心に伝えるような授業が必要なのではないかと思います。以上です。
○衞藤座長 ありがとうございます。そのほかいかがですか。
○柏原委員 小学校の校長でございます。
 小学校で、どういうように取り扱うことがふさわしいかという内容の取扱いが挙げられております。先ほど皆さんの御意見も伺った上で、小学校では今、生活習慣病が引き起こす一つの疾病としてがんを取り扱っています。生活習慣によって、がんや心臓病につながることがあるというような扱いであって、がんになった人がみんな生活習慣が悪いというようなことは教えてはおりません。
 それを踏まえて、先ほど座長がおっしゃったように、最終的には高等学校で正しい行動選択ができるよう、何を学びとったのかということが最も大切なことだと思います。小学校段階では、一つには、やはりがんを教えるのではなくて、がんで教える。それが一つの教材であるということは押さえておかなくてはいけないことかと思います。
 そして、先ほど植田委員がおっしゃった、かかってしまったときの対応やがんを発症する原因として、ウィルスや細菌でかかることがあるという内容は扱っていません。時代の流れの中で、ウィルス感染、細菌感染によってもがんにかかることがあるという内容は、小学校でも取り扱ってもよいのではないかと感じます。以上です。
○衞藤座長 ありがとうございました。どうぞ、堀部委員。
○堀部委員 名古屋センターの堀部といいます。
 私は小児がんの医療に実際に関わっている者で、そういう意味では生活習慣病でない、ある意味、体質、成長と発達の中で起きるがんを扱っています。がん教育の今回の目標の一つに、がんに関して正しい理解を求めることがあると思いますが、正しい理解とはどういうことかに関して、国民が共通認識を持てるようにすることが非常に大事であると思います。生活習慣病の一つであるという認識からの脱却が必要であるとか、感染症が引き金になるという意見がありましたけれども、激変しつつあるがん医療を踏まえた共通認識が必要です。すなわち、ゲノム医学の進歩によって、診断の時から、要は患者さんの、がんだけでないかもしれませんが、全ての体質を明らかにして、その情報を基に治療選択をしていく時代が間もなく来るんです。
 それはがんになりやすい体質、薬の効きやすさ、それから、どういうがんの人にどういう特殊な薬が効くかなどについてあらかじめ情報として持っていないとがん医療ができなくなる時代がくるんです。がんは、もともと個々に違う体質、すなわち、異なるがんのなりやすさがベースにあり、そこに生活習慣が加わって、がんになっていく。いろいろな感染がきっかけになってがんになっていく。また、治療する上でもそういうものを配慮していかなければなりません。がんは、遺伝子病と言われており、人を始め、生き物の体質というか、設計図に傷がついてがんになるということについて、子供の成長段階に合わせてどのように情報提供するかが問題です。一律的な扱いはできないと思いますが、がんの最新の生物学における理解、医療現場におけるがんの診断や治療の位置づけを、専門家の情報を得た上で、どのようにかみ砕いて教えるかに関して突っ込んだ議論が必要と思います。がんについて、新しい、正しい理解の共通認識を作ることをしないと変わっていかないのではないか、また、変わらないといけないのではないかと感じています。
 先ほど若尾先生も言われましたけれども、そのような教育が行動変容につながらないといけないと思います。国民性の違いもありますが、日本のがんの検診率が極めて低いとか、喫煙の問題とか、いろいろな問題があります。それらに関する、がん対策推進計画にもある様々な評価指標が改善していくことにつながっていかないと、真の教育の成果といえないのではないかと思います。
 もう一面は、やはり命の大切さとか、共生への理解が大切です、がんそのものの正しい理解の基に、がん患者本人や家族、社会が、いろいろな面で変容が求められると思いますので、そうした医療以外の面の評価指標も必要になると思います。今、まさにがん医療の変貌の時期であり、それについて国民に理解を求める時期ですので、国民のがんに対する認識を変えなくてはいけない時期とちょうどタイムリーに一致している気がします。この時期をうまく利用して次世代のがん医療を見据えた教育ができると、国民もそうした医療についていけるようになると思います。
○衞藤座長 ありがとうございます。
 今、堀部委員がおっしゃった内容の中に、がんの生物学の進歩によってかなり個別性の高い各ケースに応じた情報があって、それを多分医療側からはインフォームドコンセントとして説明をして、がんの今後の治療の同意を得るというようなことが当然必要になってくるわけですけれども、それは患者の立場に立ったら、今度は説明を受ける。それについての情報を得て、理解をする態度、意思決定をするということを求められることになるわけですから、それを受け入れられるだけの素地(そじ)が学校教育を通じてなり社会教育を通じて国民側に形成されているかということが今度は問われてくるというふうに私は感じました。ありがとうございました。どうぞ、佐藤委員。
○佐藤委員 私は保護者という形で、ここにいらっしゃる先生方とは違いまして、全くの素人の立場だと思います。まず、学校教育で、今現在、生活習慣病の中の一つとしてがんが入っていますよという、それさえも実は知りませんでした。
 先ほど中川先生からもございましたが、がんというものは、生活習慣病の中でも違うんだよと。取り出してやるんだという御意見がございました。確かにそのとおりであって、私自身も、がんという言葉は知っています。だけど詳しいことは分からない。先ほど座長の方から、正しく恐れるという言葉がありました。
 実は、私は福島県に住んでいまして、東日本大震災後に発生した原発事故で今も苦戦をしています。放射線教育というものを学校ではやってきているわけですね。私たちも、小学校や中学校の時では教科書に載っていたと思います。ですが、実際にあのような事故が起きて、その放射線がどういったものかというのは実は分かりませんでした。それゆえに混乱を起こしたということがございました。やはりその発達段階に応じて、先ほど、このがん教育の実施校一覧というのがございましたが、小学校1年生から始まっているところもございます。その発達段階に応じて教育をしていくというのは大事だと思いますが、ただがんだけを取り出した場合に、どうしても専門的なものがかなり入ってくるというところで、そこをどのように伝えるのかな、教えるのかなというところがある意味、無責任な言い方をしますが、興味があります。それをこれからいろんな先生方が考えて、前へ進めていくことだと思います。とにかくこれだけ言われている時代でございますので、正しく恐れるためにも、きちんとした教育がなされるべきだろうと。半分感想になってしまいましたが、以上でございます。
○衞藤座長 ありがとうございます。はい、道永委員。
○道永委員 大体同じなんですけれども、植田先生がおっしゃったように、学校教育そのものを変えるのに少しいいチャンスだと思っています。今、学校はどうしても知識偏重で、そちらの方に重きを置いていますけれども、やはり人間、生きていくために一番大事な話で、がん教育というよりも、さっきから出ていますけれども、命の大切さ、そういうのを教えるのはとても大事だと思っています。
 医師会としましては、資料3の7ページに、関係機関との連携というところで、2行目、学校医を初めとする医師、看護師うんぬんがございます。医師会としては、是非学校医の先生を使っていただきたい。使うというとおかしいですけれども、教育をしていただきたいと思うんですが、学校医の先生もそんなに全ての先生が同じことを教えるということは難しいと思うので、もし可能でしたら、医師会がちょっと、いろんな有識者をお願いすることになると思いますけれども、学校医の先生が使える教科書みたいな、そういったものを作れるといいなと思っています。子供たちは逆に教科書は要らないのかなと思って、先生がつくったDVDだとか、ああいうものを見た方がすごくインプットは強いと思うんですね。
 だから、この生活習慣病うんぬんは絶対差別になるので反対です。ですから、恐らく教科書になると、また教育委員会が作ると思うので、ちょっとそれはまずいのかなと思っていますので、是非医師がそこに参画できるような状態にしていただければと思います。
○衞藤座長 いかがでしょうか。どうぞ、田中委員。
○田中委員 自由意見みたいな、自由討議みたいな感じで。
○衞藤座長 自由討議はこの後ありますので、一応今、文科省の方の御説明に関しての質疑で、それがそろそろ尽きたら自由討議に移ろうかなと思っているところなんですけれども。この御説明に対する御意見とか御質問ということで、ほかにございますか。もしなければ、自由討議で、内容的には少し重なりながらですが。それでは、最初に全ての今日御参加の委員の方には御発言いただきたいと思いますけれども。では、野津委員、どうぞ。
○野津委員 私は健康教育学、あるいは保健科教育学というようなことを専門にやってきている者です。そこから、がん教育ということにかかわって、少し意見を述べたいと思います。
 がん教育を学校現場でより良く、正しく進めていくようにするには、学校教育の王道ともいうべき姿に整えていくことだというふうに思っております。具体的にいえば、指導する「場」と「中身」と「人」の三つがそろった姿を見えるようにすることです。「場」については、指導する時間の枠がきちんと計画的に確保できること。「中身」については、明確な内容とその指導方法が確立されていること。それから、「人」については、その指導と評価ができる担当者とその責任が明確にされていること。そして、できるだけ多くの人がそれに携われるようにすることというふうに私は考えております。これらのことをクリアする主なものが、先ほどから出ておりますようにやはり学習指導要領だと思います。
 日本の学習指導要領は、教育内容の構成原理として、コンセプチュアル・アプローチというものを厳密にとっているわけではなくて、絶妙にイシューズ・フォーカスド・アプローチも取り込んだ、バランスのとれた内容になっていると思いますが、そうした中にがん教育をどう位置づけるかというのは、難しい点がありながらも可能性はそれなりにあるというふうに思っております。ただし、現行の学習指導要領の構成を見ますと、一つ一つの病気を取り上げて教えていくというような組み方をしておりません。その辺をどうがん教育というようなことを考えながら納めていくのか。それは恐らく学習指導要領の内容を検討する場で十分吟味されることにはなると思うんですが、この会議ではそこに向けて基本的な考え方を示すことが求められているのかなというふうに私は理解しています。
 あと一つ。先ほどから怖いとか恐れるとかという話が出ていますが、子供たちに何をどう教えると、どう受け止められるかというのは、よほど丁寧に慎重に考えないと、そこには齟齬(そご)があり得るということです。例えば、うつる病気だとなると、生活習慣が原因の病気よりもむしろ怖いと思う子が多かったり、また身近な病気ということで教えて、身近に思うようになると怖さが増したりする。喫煙防止教育で小学校に行った時に、こういう現象がみられました。授業で勉強する前では、喫煙は漠然とですがとても害があって、恐ろしいと思っているのですが、実際に勉強しますと、1日20本を、20年も吸って、やっと肺がんで死亡する確率が2倍程度、そんな程度だったのかなんて思いかねないところがありますので、丁寧にその辺を考えながら、どう教えていくかというのを議論する必要があると思います。
○衞藤座長 田中委員、先ほど自由討議と。
○田中委員 それでは、野津先生がおっしゃった学習指導要領のお話をさせていただこうかなと思ったんですけれども。
 昨年の報告書にありますように、がん教育というのは基礎的な教養として必ず身につけさせなくちゃいけない、必要不可欠であると。そこは私も本当にそう思うところで、学校教育の中でなるべく小さな時から教えていくことがいいんだろうなと。それは今お話にもありましたけれども、発達段階に応じた教え方があるんだろうと思っていますし、そこを規定していくのは学習指導要領なんだなと思っているんですけれども、1点、学校教育の現場、今日は校長先生がいらっしゃいますけれども、やはり次から次へと新しい取組が学校教育に入ってくるということに対して、やはり学校現場というのは今、多忙感がある中で、また新しい教育をやらなくてはいけないのかという、そういう考えがあることも確かであって、その中でがん教育というのは本当にやらなくてはいけないんだよ。やる必要があるんだよということを、教職員、それから管理職の先生方にも十分御理解をいただくことも必要、共通理解を得ることが必要でございまして、そのためにはやはり学習指導要領に位置づける、明確に位置づけていくということも、大きなそれが力になるのかなと思っています。
 私ども教育委員会の立場として、各学校さんに学習指導要領を踏襲した教育を推進していくわけでございますけれども、やはり一番柱、根幹になっている学習指導要領の中できちんと位置づけていただくということは、学校教育の中にがん教育がすんなり入っていけることにつながっていくんじゃないのかなと。実際にはそういうふうに感じるところがあるというお話をさせていただきました。
○衞藤座長 ありがとうございました。どうぞ、野口委員、お願いします。
○野口委員 皆さん1回ずつということで、発言をさせていただきます。
 高等学校におりますと、小児がんの子供たちに会うことがしばしばあります。いわゆるサバイバーで、ずっと治療してきて、何とか復学をできた子供たち、あるいはずっと健康に学校生活を送ってきたんですけれども、小児がんの診断を受けてというふうな、なかなか悲しい転帰をたどる子供たちもいます。その中で、やはりがんに対してきちんと知識を持っていないと、教員もそうですし、周りの子供たちもものすごく右往左往します。それから、あるお母さんがおっしゃっていたのは、「先生、がん、どう思いますか」と突然質問をされて、どうしてその質問をそのお母様がされたかというと、ずっと小中高と来る中で、担任が変わるたびにいろんな説明を、子供に理解してもらいたくて説明をする。しかしながら、みんな先生方は引くと言うんですね。要するに、教職員も、がんイコールちょっと怖い病気というイメージがあって、結局そのたびに、そのお母様は少し悲しい思いをしながらおられたというのがケースとしてあります。
 そういうことからも、きちんとやっぱりがんに対して、先ほど堀部委員から何が正しいかということを考えていくのが大事だという話がありましたけれども、正しい知識を持つことも一つ大事。それから、命の大切さという部分は、なかなか教えられたということで、子供たちが命の大切さを思うというよりも、何かを通してやはり自分が感じ取った、考えた、深くそこのところで心に突き刺さってくるものがあったという経験を通して、あっ、命って本当に大切なんだな、当たり前の生活がこんなに幸せなんだなというふうに感じて、それがやはり生きる力につながっていくということからすると、やはり教員だけでは限界もあるでしょうから、医師の方やいろんな、やっぱり社会なり資源を活用して、子供たちに教育の中でやっぱり訴え続けて伝えていくということとどんなふうに進めていくところでは、前回、昨年度のこの検討委員会の二つのがんの教育の目標というのはいいんじゃないかなというふうに、私はすごく思っています。
 ここでまた今年度、もっと膨らみを持って、様々なことを皆さんと考えていくことができれば本当により良い教育と、それから子供たちに対して、次の時代を担う子供たちですから、何か伝えていくものが大きなものとしてできるんじゃないかなというふうに思います。
 感想も含めて、以上です。
○衞藤座長 ありがとうございました。どうぞ、前川委員。
○前川委員 私も検討委員会に所属させていただいたんですけれども、野口先生のおっしゃったこととちょっとかぶりますが、応援メッセージのような感じで。このときは、命を育むがん教育というのに結構フォーカスされていた感じだったような気がいたします。
 今、この第1回は何か、がん教育、がん教育ということで、まずがん教育に視点が変わってきたように感じます。やはり今、野口先生がおっしゃったように、知識も大事で命の大切さも大事。いろんな子供たちがいるということで、命を育むというのを入れれば、がんの怖さ、そしてがんと向き合う強い力も持てるというふうな方向性に、この検討会がなっていけばいいなというふうに感じました。ちょっと応援メッセージでございます。
○衞藤座長 ありがとうございます。青木委員、どうぞ。
○青木委員 命の大切さというと、道徳教育とかいろんなところから取り組んではいるのですが、がん教育をする中で命の大切さにつながっていくというように持っていった方がいいと思います。命の大切さが大きくて、いろんな方面から出てくるわけですから、やはりがん教育をする中でがんと向かい合うことが命の大切さにつながっていくというように指導する必要があると思います。それから、学習指導要領でも、例えば保健の分野で出てくれば保健体育の先生がやるだけになってしまうので、例えば総則に、食育の推進というのが入ってくると、もっと保健体育だけじゃなくて、学校全体として担任や養護教諭の先生が特活や総合学習で、がん教育に取り組めるところが入ってくると思います。それから、厚生労働省もやっていらっしゃると思うのですが、一緒に文科と厚生労働省で国民運動としてもっと積極的にがんは取り組んでいかなきゃいけない大きな問題だと、私は思っています。もっと子供たちには学校教育も推進しながら、国民全体でがんについて、もっともっと啓発していって、社会全体で考えて取り組まないと、難しいものもあるのではないかと思います。
○衞藤座長 南委員。
○南委員 私もまだ発言をするだけまとまった考えもないのですが、一人一言というお話でしたので。私は報道という立場でここに参加しておりますが、実はかつて医師として精神科医療に携わっていたこともあります。新聞の報道の立場にかれこれ30年近くおりますが、国民の健康教育についてはずっと考えておりまして、この国の、国民の健康教育を現代に適したものに変えていくのは非常に難しい障壁がある、ということをかねて感じておりました。今、青木先生がお話しくださった食育の時もそうでしたし、もっと遡れば心のケアという問題、自殺対策の問題などを教育現場に導入するときの現場の状況を見ていて、教育現場に新しいことを入れることの難しさは重々感じていたところです。
 「発達段階に応じてふさわしい教え方や内容」というのは、言うのは簡単なんですが、実は非常に難しい。少なくとも普通の大人が考えることには限度があります。先ほど柏原委員が、小学校ぐらいだったら、「がんを教える」ではなく、「がんで教える」と言われましたが、教育現場にいらっしゃる方の言葉だと感銘深く思いました。子供は、小さければ小さいほど世界は狭いわけで、家族と自分と学校と、これしか世界がない。そういう子供たちに対してどういうことを、誰がどのように教えるのかということ。だんだんに長じて中学・高校と、もう少し社会性とかが出てきた段階の子供には、どのように教えるのか、例えば感染症の予防とか、命の大切さなどを、どうやって教えるのか。そういったことを折に触れて考えながら、本当に学校という場は、新しいことを導入するのは容易でないということを痛感してきました。
 今回、がん教育の検討会、ということで事前に御説明を最初に受けた時にも申し上げましたが、健康教育ではなく、がん教育というのには実は違和感がありました。ただ、これをどう受けとめるか次第で、今日のお話を伺っていても大体わかりましたが、がん対策基本法にうたわれているように、がんに対する教育を充実させて、国民の二人に一人はかかるほどありふれた病気であるがんを国民がきちんと認識するよう、国として対応しようという、予防教育の一環で捉えるのであればこれは健康教育に資するものにほかなりません。道永委員も言われましたけれども、学校における健康教育を考えるいい機会だと捉えて、私も参加させていただく所存です。
 最後に、私は報道の立場ですので、伝えるということと、伝わるということは違うということは身に染みて感じています。同じように、教えるということと、子供が学んだと実感できるということには、時に乖離(かいり)があるんだと思いますね。そこをやはり上手に、がんという極めてありふれた国民の病気を通じて、各発達段階の子供たちにきちんと学びとってもらう、さっきどなたかおっしゃいましたけれども、行動変容につなげていく、そんなことをきちんと目指す議論であってほしいと思います。
○衞藤座長 ありがとうございます。今、名札が立っている野津委員。
○野津委員 先ほど青木委員の方から、がん教育の目標について発言されました。私もその点に関して追加の意見を述べたいと思います。
 日本学校保健会の委員会報告に示された命の大切さについて考える態度を育成する、という2番目の目標は、学校現場に下りていったときに、一つ目のがんに関して正しく理解できるようにする目標しか残っていかないのではないかと危惧を感じております。これからがん教育に取り組んでいくことになる学校現場にしてみると、命を大切にする教育は学校教育全体で既に取り組んできているのではないかと受け止められ、そこで止まってしまうような気がします。もっと、がん教育ならではの特徴的な目標を示すようにした方がいいのではないかと思います。
 熟慮したものではないんですが、とりあえず私が思うのは、正しく理解することに並べてもう一つ目標を上げるとすれば、共生社会を考え築いていく態度を育成するなど、はどうでしょう。共生社会については、保健教育でこそ考えていかなきゃいけない課題がほかにも幾つかあろうかと思います。精神疾患の方とか糖尿病の方とか、LGBTのこともあるでしょう。そういうことも合わせて、共生社会の在り方について考えていくことができるんじゃないかなと思います。
○衞藤座長 ありがとうございます。横嶋委員。
○横嶋委員 宇都宮市で教員対象のがん教育に関する研修会を昨年度2回、実施をさせていただきましたが、がん教育について教員が何かまた新しいことをやるのではないかなというような認識を持っておりました。その中で、現状において、各学校で行われているがん教育について、本日配られた資料のようなものを基に説明をしましたところ、既にこれだけのことががん教育の位置づけで行われているのだということを再認識したというような状況も見られました。
 このがん教育につきましては、教科横断的な内容ということで、学校教育全体を通して行う内容かと思いますけれども、まず、今日の資料の資料3の6ページのところ、がん教育の具体的な内容としてアからクまで書かれていますが、その中で一部がこれまでも学校教育の中で行われてきていると思われます。ただ、この全部を今度、学校教育のどの部分で受皿を見つけていくか、また、学校教育でやるべき部分と学校教育外でやるべき部分を整理していく必要があるのかなというふうに思います。まず学校の中で、各学校でがん教育が推進されるようになるためには、実際に指導する教員が、これは学校教育の中で必要だとかいう認識を持ってもらわないと、トップダウンでこれを教えなさいというふうに上から申したところで、学校はうまく機能しないという状況も考えられるのではないかと思います。
 ですので、外部指導者というのもまずあると思いますが、その前に学校が何でこれが必要か、何を教えるのかというところをよく整理をして、学校に示していけるようなものをこちらで提示していく必要があるかなというふうに思っております。研修会などでも、医師会などと協力して講師の先生を派遣していただくことなどは、すごく大切なことではありますが、それを受けて今度、各学校で指導するのは教員というところがあるものですから、まず教員が教えられる内容は何なのかというところがちょっとまだ学校自体も見えていないところがありまして、そういった部分では中川先生の「がんちゃんの冒険」などは一つの教材として学校は非常に使いやすかったというような反応をいただいていますから、教員が教える内容があって、それをこういう教材で教えるんですよということが具体的に示せていければ、学校も取り組みやすい部分はあるかなというふうに思います。
 そのときに、この6ページの内容のところを精査していく必要はあるのかなというふうに思いました。以上です。
○衞藤座長 ありがとうございます。中川委員。
○中川委員 これまで実際、学校現場で授業をされている方、あるいは教育の専門の先生方と、また、恐らく生徒、受ける側(がわ)、あるいは御父兄、あるいは医療の立場、様々な、例えば堀部委員がおっしゃったように、いざ病気になったときのリテラシーの問題とか、様々な視点があって、これはなかなか一概に今までどおりの形で進むというのは非常に難しいと思うんですね。
 そういう意味では、南委員がおっしゃったように、新しい教育の切り口になる。それは課長も少し以前の検討会でおっしゃったことがあったと思いますけれども、例えば外部委員を入れてというのは新しい考え方ですね。私は、せっかくこういう場があって、たたき台もあるわけですから、そこはもう少し広く議論していただきたいなというふうに思っています。
 がんって、非常に特殊かつ難しいというか、いろんな要素を持っている病気で、端的に言うと、ほとんどのがんは怖くないんですよ。症状は出しませんから。そしてがん全体の6割は完治します。早期がんなら9割以上です。ただ、それが、ですから日本人が思っている、例えば子供にがんって痛い病気かというと、3割方が痛い病気、7割方が怖い病気なんですね。ちなみに、私も30か所ぐらい授業をやってきました。これは前川委員とやったこともありますし、あるいは田中先生の神奈川でやったこともありますし、その第1回目は青木先生のところだったわけですが、子供たちは決して怖がらないです。それは本当に子供たちをばかにできず、むしろ大人と同じぐらい普通に語れるんですね。
 青木先生のところでは、事前にいろんなお子さんの背景を聞いた上で、例えば御親戚にがんの方がいたら配慮するとか、そういうときにやってきたんです。ところが何回もやってきますと、そこから漏れるお子さんもいるんですね。つまりノンケアで、しかしその休み時間に子供たちが僕のところへやってきて、実はお母さんが死んだんだ、そんなことを言う子供もいるんです。しかし、実はちゃんと聞けて、聞いてよかった、よく分からなかったから。ですからその辺は大人が勝手に考えてはいけないと思うんですね。実践を通してやっぱり評価していくことも必要で。
 例えば私の弟もがんの専門医なんですけれども、実はその連れ合いですか、私の義理の妹がやっぱり大腸がんで死にましてね。48歳で。結局、検便のということを知らないんですよ。これは旦那を含めて。でも、実はそれがやっぱり日本の現実で、まして一般の国民は、がんのことなんか怖いわけでは、決して怖いわけでも痛い病気でもないのに、勝手にそのように、その一部は教育に責任があると思うんですが、そのように思って大人になって、そして、私の弟ですら、そういうことを経験する。まして多くの国民がどれだけ。少し、本当は適切に教育を受けていたら、そういう悲劇に遭遇しなかったかもしれない。そういうものすごい事例が我々の背景にはあるんだということを考えていただいて、是非議論をしていただきたい。
 ですから、確かに今までのやり方というのはあるかもしれないし、指導要領の入れ方というのはあると思うんです。でも、それはあくまでも戦術であって、やはり確かに患者さんを含めて、余り日本人は生きること死ぬことを考えてこなかったんですよ。患者さんはやっぱり自分が死ぬなんて、ましてや東大病院に来たのに死ぬなんてと思っているんです。でも、やっぱりそれはちょっとおかしいとは言いませんけれども、理にかなった考え方ではなくて、がんという病気は確かに今、がんで学ぶとおっしゃいました。あれはとてもいいことだと思うんですよ。そういうところもある病気であるということを、がん教育が遅れてきた現状から、是非逆手にとってでも、そこまで踏み込みたいなという気持ちがしております。
 ちょっと長くなりました。
○衞藤座長 ありがとうございます。前川委員。
○前川委員 今、中川先生がおっしゃった、ほかの委員の先生ががんで学ぶとおっしゃった。本当にいいことだと思います。今、がんというのは、国民の大多数の方は、がんイコール死と捉える方が多いのではないかと思います。やっぱりがんと言えないという患者さんがいっぱいおられます。人ががんだと聞いたら、ああ、あの人がんなのかという、そういう偏見の目というのがあることは否定できないと思います。それを、がんって誰でもなる病気だけれども、それに向き合って一生懸命生きることが大切だなというふうなことになる、これからのがん教育がそういうきっかけになればいいなと思います。そして、命の教育、命を育むということをすごく私がこだわっているのは、やはりがんだけでは命とつながらない。人として生きているということは必ず死が訪れる。でも、死というのがあるからこそ今を大事に生きて、たとえがんになろうとも、たとえ何があろうとも頑張っていこうという気持ち、生きる力をつける授業でもあるような形になればいいなというふうに考えております。
○衞藤座長 植田委員。
○植田委員 繰り返しになるかもしれませんが、前の検討委員会でもかなり議論を尽くしたところがあるんですけれども、私はその上で、やはり国民の教養として、高校を出た段階で、衞藤先生もおっしゃったんですが、最低限こういったものをがんについては知っておくということをやっぱり押さえることは大事だと思っています。これはほかの委員もおっしゃっていることだと思うんですが、病気としてのがんは、やっぱりきちんと国民がみんな最低限のことは知っている。そして、それをもって行動できるというんでしょうかね。そこがやはり大事なんじゃないかと思います。
 繰り返しになりますが、子供たちはがんに対して全体的にやっぱり知識がまだないですし、知識がなくて怖いというふうに思っているわけですから、こういった検討委員会があって、今後、学習指導要領などに何かが入っていって、その後にそういった数値が変わると。
 もう一つは、やはり検診率が低い。これは明らかに世界に比べて極めて低いわけですから、この検診率が、例えばこういったことをして、10年後に調べてみるとやはり上がったというのを、そういうのを示したいなという思いがすごくある。ですから、まず基本的な知識、病気としてのがんというのは押さえる。それから、命のことをおっしゃっています。これもやはり大事なんですが、私は、ここはちょっとシンプルに考えていまして、保健学習とか保健教育の中で命のことまで扱えるかというのは、時間のこととか、これまでの歴史的な流れとか、いろいろ考えて、ちょっと現実は難しいんで。ただし、学習指導要領というのは保健学習だけではなくて、道徳であったり総合的な学習であったり、あるいはそういう教科を越えた特別活動の時間などについても示されているわけですから、青木先生はおっしゃってくださったんですが、ちょっと大きなところで頭出しなどがあると、非常にそういったところに入りやすいと思うんですが、そういうところの時間もうまく取り入れていって教えるべきだと思っています。特に道徳だとか、特別活動が中心になるんじゃないかと思っています。
 そのときに、小児がんの話も出たんですけれども、小児がんについては、例えばアメリカではグリーフケアというような教材が開発されて、小児がんにかかっている子供たちそのものを理解したり、あるいはがん患者の家族がいる人を理解するというような教材もあったりするんですね。こういったものは意外と日本では使われていなかったりするので、そういうものを道徳だとか特別活動の時間に積極的に使う。また、そういったことを経験された方も入って、そういったところを中心にやっていくと。ですから、ちょっとそこは切り分けて考えた方が、私は結果的にがんの怖さを払拭したり、検診率を上げたり、あるいは共生的社会を生んでいくということにつながるんじゃないかなというふうに思っているんですけれども。
 全体でやる部分と、それもちょっと分けて、かつ、やっぱりシンプルに考えて、最低限これはというふうなものをここで決めていきたいなというふうな思いがあります。以上です。
○衞藤座長 ありがとうございます。若尾委員。
○若尾委員 今の植田先生の御意見、非常に賛同いたします。青木先生もおっしゃったように、やはりもっと広く考える場が必要だと思います。ただ、それと同時に、先生がおっしゃったように、知識として学ぶのと、広く道徳など含めて学ぶことは、分けて考えるというのが非常に効果的だと思います。
 その中で、先ほど野津先生から御指摘がございましたが、単に命だけではなくて、共生社会の在り方を考えるということも、その大きな枠組みの中で考えていただければ事業になると思います。先生もおっしゃいましたけれども、今働いている世代でもがんになって会社を辞めてしまうことが非常に多い中、そうじゃなくて、みんなで助け合っていくんだという、そういう基本的な考え方等を養うためにも、共生社会、ダイバーシティをちゃんと受け入れるということを学んでいけるように材料にしたらと思います。
○衞藤座長 前川委員。
○前川委員 すみません、度々。植田委員のおっしゃるとおりで、私の頭の中でちょっといろいろ複雑になっていたんですけれども、授業は授業としてきちっと教えて、全校生徒とかに命の大切さとかいうのをお伝えするという形がやはりいいなと、ちょっと私自身が整理できたような気がします。ありがとうございます。
○衞藤座長 野津委員。
○野津委員 先ほど、がんを教えるのではなくて、がんで教えるといったことがありましたが、教科教育においてはこれまで、教科書を教えるのではなく教科書で教える。さらには、教科書でも教えるんだということが、ずっと言われてきており、それにあやかれば、命の大切さについてがん教育でも教えるということになろうかと思います。ただ繰り返しになりますが、がん教育の目標、狙いとして二つのうちの一つとしてそれを挙げたときに、受け止める学校現場の先生方とか、がん教育の推進に関わる方々に、命の大切さについて教育することは学校教育の中に既に位置づいており、それをがん教育でも行えばよいというだけになるようで、もったいないなと思います。がん教育の具体的な目標はもっと独自性のあるもので示せた方がいいんじゃないかなという意見です。
○衞藤座長 柏原委員。
○柏原委員 戦後、学校保健統計の結果で改善されたというのはう歯と寄生虫です。う歯のり患率の改善については、歯科医師会の力が強かったと思います。そういう点では、先ほど道永委員がおっしゃったように、医師会のお力はこれを動かすとても大きな原動力となるのではないかと思います。学校教育だけでは、これはなし得ないと思います。
 2点目です。これは、今、子供たちが求められている生きる力や命の尊重についてですが、このがん教育に関して、かかったから駄目なんだという教育は、やはりしたくないと考えます。がんにかかっていたとしても、そのことを受容して、次にどう切り開いていくのかという力を子供たちに身につけさせたいなというように思います。そのことについて委員の皆様からお知恵をいただければと思います。よろしくお願いいたします。
○衞藤座長 中川委員、どうぞ。
○中川委員 この生きること、死ぬことということに、私はどうしてもこだわって緩和ケアなんてやってきましたので、実はがんになると、実は患者さんは一段、我々より上になるんですね。それぐらい、やはり命に限りがあるということは非常に実感するんです。それは、我々はいつも尊敬しながら接しているんですね。ですから、仮に治らない。もちろん治った方がいいし、できるだけ元気にならないと、それはそうなんです。ただ、限りのある時間というものを使おうという。ですから、患者さんががんになってからの方が生きている気がするとか、そういうことをよくおっしゃるんですよね。それは、全ての日本人がそこをそれこそ共有すべきポイントじゃないのというふうに思っていて、ただ、野津委員がおっしゃるように、ちょっとテクニカルな部分というのは私ども不案内ですから、例えばこの黄色のファイルの最後のページに、冨岡政務官の発言の下から1/4ぐらいですか、がんの教育という、命の大切さを基本にしたなどということを言われています。国会でもそういう議論があったとするならば、私はこういったことも尊重せざるを得ないだろうと思うんですね。ただし、そのテクニカルなやり方として、そこをどのようにお伝えするかというのは、また専門の先生のお知恵もいただきたいと思うんですけれども、やはりこれは非常に重要な問題だし、それこそリテラシー、堀部委員がおっしゃったようなこと、もちろん最新の医療を知るということもそうなんですけれども、それとともに、やはり命には実は限りがあって、がんが治っても人は死ぬわけですから、そういう大きな意味で私は医療のリテラシーだと思っているんですね。その切り口として、やはりほかの病気ではそこまで踏み込めない点が僕はがんにあると思っていまして、がんの教育に関しては、日本は遅れてきたわけですから、せっかくですから、知識とともに、そこまで踏み込むというか。ただし、繰り返しですが、そのやり方はまたいろいろ御指導いただきたい。そういうことです。
○衞藤座長 後藤委員、どうぞ。
○後藤委員 皆様の意見を拝聴しまして、考えさせられることがすごく多くて勉強になります。拝聴していて、考えさせる部分がすごく多くて。私は現場の教員をしております。夜間定時制高校で今も教壇に立っているわけですけれども、現行の指導要領で授業をしていく中では、がんの扱いというのは皆様も御承知のとおり、生活習慣病の中では、疫学、予防。保健医療サービスの活用の中では、検診という形で扱っています。今回こういうお話をいただいて、1時間、別にがんに対しての授業を行ってみました。やってみると、生徒の意識や理解力はすごく変わるのだなということを実感しました。生徒は1年次に、疫学や予防、検診といった学習を終えているはずなんですけど、改めてがんについて一つのフレーズとして教えていくと、「先生、分かったよ」と言うんですよ。教えていたつもりが、つもりになっていたんだなと反省していますが、こうやって一連の流れでがんというものを教えていくと、変な危機感というか、こうだからこうしようというものが生まれてくるんだなと思いました。今日は、生徒の学習カードを持って参りましたが、この中の記述内容には「検診を受けたい」とか「検診などの情報は保健所で得ることができる」といったものがあります。
 そういうことを考えると、先ほど若尾委員がおっしゃっていました行動変容というか、そこに対してすごく期待が持てるのではないかなと思っています。今、いただいた資料に目を通しますと、私が授業をしたところは全部網羅しているかというと、まだまだ網羅できていません。実は1時間で終わらないような内容だなと思っていて、2時間、3時間というふうに広がっていく内容ではないかと可能性を感じています。
 ただ、先ほど野津委員からもお話がありましたけれども、学習指導要領で示されている内容では、年間の授業時数から考えますとほかにも教えなきゃいけない内容が非常に多くあるのも現実です。その中で、がんに対してどこまで時間を設けられるのだろうかといったことに関しては疑問も残ります。なかなかバランスが難しいなというのが先生方のお話を聞いていた中での率直な感想で、命の大切さを教えるという意味では大事な部分でありますけれども、保健学習と保健指導ということも少し両輪に捉えていかないと難しい内容ではないかなということも感じております。
 ちょっと話はずれるかもしれませんけれども、学習指導要領の中の結婚生活と健康という単元では、自他の健康の責任感という言葉があります。この言葉を受けて授業を行ったときに、出産、妊娠に関わることについて、夫がどれだけサポートしていくかということを教えることが大事になってきます。そういった意味では自他の健康の責任感でないですけれども、命の大切さ、それから、がん患者及びその家族ということを授業内容に盛り込むのであれば、こういう文言が一つのきっかけになっていくのかなというふうに感じております。
○衞藤座長 ありがとうございます。若尾委員、どうぞ。
○若尾委員 この後、もしかしするともう事務局などで考えられていることかもしれないんですが、今、皆さん、非常に大切さということは共通認識をしていらっしゃると思うんですね。じゃ、どう進めるかということで、最初にも説明がありましたけれども、今年度モデル事業で70の学校でモデル事業が行われるということです。さらには、それ以前にも様々な研究班で、様々なツールを使って事業が行われていると。先ほども御紹介がありましたけれども、中川先生が対がん協会で作られた「がんちゃんの冒険」のDVDとか、あるいは、がんセンターの方では、こちらの資料にもありましたが、「がんのことをもっと知ろう」という副読本を作って、更に昨年度、副読本のための指導書というのを研究班で作ったり、あるいは「がんのひみつ」という学習漫画を作って学校等に配付させていただいて、いろいろなツールがあって、それに対する評価なども行われると思いますので、そういうのをやはり集約して、どうアプローチして、どういう効果があったか、どの点がカバーできてどの点はカバーできていないかという情報、今、モデル事業と既存の研究の情報を集めて共有するということが次の最終像を考えるに当たって参考になるのではないかと思っております。
○衞藤座長 ありがとうございます。
 これまで余り発言が出ていない観点で、ちょっと申し上げたいことがあります。がん教育の「がん」と平仮名で書いて、この内容、恐らくやまいだれの「癌(がん)」と、それから骨肉腫のような肉腫とか、あるいは白血病のようなもの、リンパ腫、そういうようなものを全部含んだ、どんどん勝手に増殖していろんな場所に転移したりとか、そういうような病気のことを指しているんだと思いますけれども、そういうものの中に、実は大変地域性のあるものが、そんなに多くないんですけれども、ある。例えば、有名なのは成人T細胞白血病という病気は西南日本に多いんですね。沖縄県、鹿児島県、長崎県、高知県、あるいは、あとは本州の海伝いの場所に多いというような、HTLV-1という特殊なウィルスが原因となる疾患。それは実はそういった地域だけではなくて大都会、東京とか大阪とか人口がたくさん集中するところにも若干そういったウィルスを持っていらっしゃる方がいて、そのようなものというのは、がんということを考えたときに、例えば多発している西南日本のある地帯では、非常に身近な治りにくい悲惨な病気というような形で子供たちも認識しているというようなこともあります。それは、そういうことで触れないということではなくて、そういった地域性もある病気の中にあるということも考慮した上で、やはりこの教育の内容を考えていく必要もあるだろうということです。全ての状況を予想することは難しいかもしれませんけれども、そういう場合には、どういうふうな対応をするのかということを考えていく必要があろうということを、申し上げておきます。
 自由討議としてもう少し時間をとりたいと思います。佐藤委員は何か御発言おありですか。
○佐藤委員 まだ自分の中にまとまりがないもんですから。
○衞藤座長 はい、分かりました。道永委員、どうぞ。
○道永委員 いえ、ないです。
○衞藤座長 あとはいかがでしょうか。一応、先ほどの御紹介の中で、今年度中にそのフレームワークを作らなくてはいけないということは、ある程度、現実的なところでこういったがん教育をしていくというものを出していきまして、青写真を書かなければいけないということになってまいりますので、先ほど若尾委員が御提案になったように、今、資料をいろいろ集めるというようなこともありましょうし、あるいは外国の情報を集める意義もあります。幾つか集まっていると思いますけれども、アメリカにはがん教育学会という学会もあって、主には医療機関における患者教育ですが、現実には地域で様々な教育パッケージとして開発しています。そういうようなものをまたこの中で活用するという例もあるようであります。そういった既存の資料というものを収集するということも、これから気になるところでありますけれども、いかがでしょう。自由討議としてはその辺も深く追求していくものですけど、何か特に御発言ないでしょうか。はい、どうぞ。
○植田委員 申し訳ありません。検討委員会の報告書に最後に、評価のことが示されていて、大路課長の方からも少し紹介があったんですけれども、これはモデル事業で、当時は70もモデル事業が出されるというふうにちょっと思っていなかったことがあったんですが、70も事業が進められているということを考えると、この評価の面の(1)とかについては、どれくらい児童生徒がそういった授業を受けて変わったか、変化したかという知識、理解もそうですけれども、意識も含めて観点を示していて、それから、(1)の3などでは、11ページですけれども、学習課程に関連して、実際にその授業を受けた後で、どういうふうに変わったかというのを調べたり、それから、(2)の方は、今度はそういう授業ではなくて、事業としてプログラムとして行うときのプログラム評価というんでしょうか、何かがん教育に対して、例えば行ったことで教職員だとか、あるいは教育委員会の中とか、そういったところが変わったのかどうか、あるいはそこにどの課題があったのかというようなことを調べるような、観点しか出せなかったところがあるんですけれども、一応こういった基準を設けましたので、できましたら26年から始まるそういった実施校のそういう評価を、是非ここでも知りたいというふうに思います。時間的に難しいのかもしれませんけれども、少し、実際にどんな変化があって、あるいはどんな課題があったのかというのを、そういうデータを見ながら議論できればいいかなというふうに思ったんですけれども。以上です。
○衞藤座長 では、野津委員、どうぞ。
○野津委員 事務局へのお願いを、私も一つ。今回、参考資料として現行教科書におけるがん教育に係る記載ページが示されましたけれども、今、教科書の改訂の時期で、新しい教科書が出つつあります。しかるべき時期になりましたら、そちらの新しい教科書の記載ページについても資料として、是非提供していただければと思います。教科書会社においては恐らく、こうしたがん教育の検討の動きを捉えて、現行の学習指導要領の中でも、更にいろいろな工夫されていると予想されますので、よろしくお願いいたします。
○衞藤座長 ありがとうございました。
 それでは、前半は大路課長から御意見いただいた内容に関しましての御議論、それから後半は自由討議という形で進めてまいりましたけれども、本日の議論を踏まえて、がん教育の在り方につきましての検討課題をまた整理して、また御提案をするというふうに考えております。
 それから、今後のこの検討会の審議の進め方に関して、若干の提案をしたいと思います。審議においては、可能な限り委員の皆様方の御意見を反映できるようにしたいとは考えておりますが、会議の時間中に十分御発言をいただくことが困難な場合や、御質問や意見等とか、欠席される場合もあるかと思います。今後、可能な限り事前に会議資料を皆様に送付し、内容を事前に把握いただくとともに、場合によっては会議時間が延長すること等によって発言時間の確保に努めたいというふうに考えております。よろしくお願いいたします。
 最後に、事務局から連絡事項がございましたら、お願いいたします。
○事務局 それでは配付資料5を、どうか内容を御覧いただければ有り難いです。
 今後の検討会の日程案について載っております。第1回目が本日7月14日ということですが、次回は9月下旬を予定しております。近日中にこちらの方から、事務局の方から先生方に日程調整の方をさせていただきまして、決定次第、改めてお知らせいたしますので、よろしくお願いいたします。
 その際に、大変恐縮なんですが、今日お話しいただいたことを基に、次の論点を洗い出ししまして先生方の方に送らせていただきますので、それについて御意見を書いて出していただくような形をとろうというふうに考えております。どうぞよろしくお願いいたします。
 その後、11月、1月、2月ということで、大体2か月に1回ということで最終的にフレームワークをつくって報告書を作成するというような形をとっていこうというふうに考えておりますので、御協力よろしくお願いいたします。以上です。
○衞藤座長 本日予定しておりました議題は、以上で終了いたします。
 本日はこれにて終了いたします。皆さん、どうもありがとうございました。

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スポーツ・青少年局学校健康教育課

(スポーツ・青少年局学校健康教育課)

-- 登録:平成26年10月 --