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学校給食における食物アレルギー対応に関する調査研究協力者会議(第1回) 議事録

1.日時

平成25年5月23日(木曜日)13時30分~15時30分

2.場所

文部科学省5階3会議室

3.議題

  1. 調布市の事例報告について
  2. 学校給食における食物アレルギー対応の在り方について

4.出席者

委員

西間座長、今井委員、海老澤委員、大澤委員、川元委員、倉橋委員、齊藤委員、園部委員、林部委員、古屋委員、柳澤委員

文部科学省

義家文部科学大臣政務官、久保スポーツ・青少年局長、山脇大臣官房審議官(スポーツ・青少年局担当)、大路学校健康教育課長、小幡健康教育企画室長、知念学校保健対策専門官

オブザーバー

調布市教育委員会、消防庁救急企画室、厚生労働省雇用均等・児童家庭局保育課

5.議事録

【小幡室長】 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第1回学校給食における食物アレルギー対応に関する調査研究協力者会議を開催いたします。
 皆様方におかれましては、御多忙の中、御出席いただきまして、まことにありがとうございます。
 会議の開催に当たりまして、冒頭に文部科学省義家大臣政務官から挨拶申し上げる予定でございましたが、国会の関係で会議途中からの出席となります。  

 今のところ、14時半ごろとなると思いますが、到着次第挨拶をさせていただくということでお願いいたします。
 その際、報道各社のテレビカメラが入りまして、挨拶、その後、会議の様子を3分程度カメラが撮影することになりますけれども、あらかじめ御了承いただければと思います。
 続きまして、委員の皆様方を御紹介いたします。資料1の別紙でございますが、そこに委員の一覧がございますので、こちらを御参照いただければと思いますが、まず昭和大学医学部小児科学講座講師、今井孝成委員でございます。
【今井委員】 よろしくお願いします。
【小幡室長】 国立病院機構相模原病院臨床研究センターアレルギー性疾患研究部長、海老澤元宏委員でございます。
【海老澤委員】 よろしくお願いします。
【小幡室長】 埼玉県川口市立芝富士小学校校長、大澤正則委員でございます。
【大澤委員】 はい、よろしくお願いいたします。
【小幡室長】 横浜市教育委員会事務局指導部健康教育課給食指導担当係長、川元礼子委員でございます。
【川元委員】 よろしくお願いいたします。
【小幡室長】 愛知県犬山市立東小学校栄養教諭、倉橋伸子委員でございます。
【倉橋委員】 よろしくお願いいたします。
【小幡室長】 千葉県野田市立清水台小学校校長、桑原辰夫委員におかれましては、本日、所用のため欠席とさせていただいております。
 山形県教育庁スポーツ保健課主査、齊藤るみ委員でございます。
【齊藤委員】 はい、よろしくお願いいたします。
【小幡室長】 NPO法人アレルギーを考える母の会代表、園部まり子委員でございます。
【園部委員】 よろしくお願いいたします。
【小幡室長】 福岡女学院看護大学学長、西間三馨委員でございます。
【西間委員】 よろしくお願いします。
【小幡室長】 大阪狭山市教育委員会学校教育グループ職員、前学校給食グループ課長、林部吉博委員でございます。
【林部委員】 よろしくお願いします。
【小幡室長】 山梨県甲州市立奥野田小学校養護教諭、古屋睦子委員でございます。
【古屋委員】 よろしくお願いいたします。
【小幡室長】 茨城県小美玉市立美野里中学校栄養教諭、柳澤けい子委員でございます。
【柳澤委員】 よろしくお願いします。
【小幡室長】 そして、オブザーバーとして、本日は調布市教育委員会教育部学務課長、高橋和男さんにも御参加いただいております。
【調布市教育委員会】 よろしくお願いします。
【小幡室長】 また、厚生労働省雇用均等・児童家庭局保育課、また消防庁救急企画室より、オブザーバーとしても参加いただいております。
【消防庁】 よろしくお願いします。
【厚生労働省】 よろしくお願いします。
【小幡室長】 続きまして文部科学省関係者を紹介いたします。
 スポーツ・青少年局長、久保公人です。
【久保局長】 久保でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
【小幡室長】 大臣官房審議官スポーツ・青少年局担当、山脇良雄です。
【山脇審議官】 よろしくお願い申し上げます。
【小幡室長】 スポーツ・青少年局学校健康教育課長、大路正浩です。
【大路課長】 どうぞ、よろしくお願いいたします。
【小幡室長】 同じく学校健康教育課学校保健対策専門官、知念希和でございます。
【知念専門官】 知念です。よろしくお願いいたします。
【小幡室長】 申しおくれましたが、私、健康教育企画室長の小幡泰弘です。よろしくお願いいたします。
 続きまして、会議を進めるに当たり、座長を選出させていただきたいと考えております。事務局といたしましては、平成20年度に策定いたしました「学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン」の作成に携わっていただき、また、その後も教職員に対する講習会の講師等でいろいろ学校の関係者に対して研修していただいております西間委員にお願いをしたいと考えておりますが、いかがでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【小幡室長】 ありがとうございます。
 それでは、西間委員に座長をお願いしたいと思います。
 この後の進行は、西間座長にお願いしたいと思いますが、一言御挨拶いただいた後、議事の進行をお願いしたいと思います。
【西間座長】 ただいま御紹介いただきました、また、座長に選任していただきました西間でございます。よろしくお願いします。
 この有識者会議は非常に社会の耳目を集めておりまして、かつ、私たちが出す結論は今後の学校における給食にかなり大きな影響を与えるものであろうかと思います。
 それで、後ほどまた説明があると思いますが、この資料1の趣旨に非常によく簡潔にまとめられておりますけれども、昨年の事例からもう半年くらいたちますが、それに対する分析、それから更に新しく追加して調査をするものの分析を経て、学校におけるよりよい食物アレルギーの対策、給食というのがいかにあるべきか、それからもちろん給食だけではなくて、アレルギー児に対する対応はどのようにあるべきか、何をなさねばならないかということについて、良い形で提案できるように頑張っていきたいと思います。
 幸い、ここのメンバーは現場に非常に強い方々がおられますので、机上の空論ではなくて、本当にやれるものは何かという、芯の入った良い会議ができると思いますので、十分にいい意味のざっくばらんに話をしていただいて、実りある結論に来年の春にはたどり着いておきたいと思います。どうぞ、御協力よろしくお願いします。
 それでは、早速議事に入りたいと思いますが、配付資料の確認を室長からお願いします。
【小幡室長】 それでは、配付資料の確認をさせていただきたいと思います。資料の番号が資料1から資料6まで、あと参考資料として1から3までございます。
 資料1として、この会議の設置についての要綱でございます。資料2として「これまでの学校におけるアレルギー疾患に対する取組」、資料3といたしまして「学校給食における食物アレルギー対応に関する調査研究」、資料4といたしまして、この会議の年間スケジュール(案)の資料、資料5として「今後実施する調査(案)について」というものでございます。
 資料6は、調布市から提出いただきましたが、調布市立の調布で行っています検証結果報告書の概要版でございます。
 また、参考資料といたしまして、参考資料1と参考資料2として、文部科学省から事務連絡をしたものでございます。最後に、参考資料3がガイドラインでございます。カラーコピーで用意させていただいております。
 以上でございます。不足等がございましたら、事務局におっしゃっていただければと思います。
【西間座長】 よろしいですか。ありますか。なければ、また後ほど言ってください。
 それでは、まず事務局から本会議の趣旨、先ほど話してしまいましたけれども、今から正式に本会議の趣旨及び食物アレルギーの状況や対策について説明をしていただきたいと思います。
 その後に、調布市の事例について、市教育委員会教育部学務課の高橋課長が来られておりますので、そちらから説明をしていただきたいと思います。
 そして、学校給食におけるアレルギー対応の在り方についての検討を行いたいということでございます。
 では、まず事務局からの説明をお願いいたします。
【小幡室長】 それでは、私から説明をさせていただければと思います。資料1は、先ほど座長からもお話がございましたが、この協力者会議の設置について、趣旨と、その調査・検討事項について書いてあるものでございます。趣旨といたしましては、平成19年に発表いたしました調査におきまして、約2.6%の児童生徒が食物アレルギーを持っているという結果であったわけでございますが、この後、文部科学省でもガイドラインを作成するなど、また、その後研修会等をやってきたところでございますが、昨年12月に東京都調布市で学校給食終了後にアナフィラキシーショックの疑いにより児童が亡くなる事故が発生したところでございます。
 今回、こうした事故が二度と起こらないよう、再発防止の観点から学校給食における望ましい食物アレルギー対策の普及が極めて重要、かつ喫緊の課題ということでございますので、これを受け、児童生徒の食物アレルギーの実態や食物アレルギーに対応した学校給食の体制等の取組状況について調査・分析するとともに、今後の学校給食における食物アレルギー対応に関する課題について検討を行い、対応の充実を図る、こういう趣旨に基づきましてこの会議を設置させていただいたところでございます。
 続きまして資料2でございますが、こちらの資料は、「これまでの学校におけるアレルギー疾患に関する取組」ということでございます。先ほど御説明いたしましたが、2.6%の児童生徒が食物アレルギーの有病者であるということが明らかになっている。また、アナフィラキシーショックの、これは既往を有する者の数ということでございますが、割合として0.14%あるという結果が明らかになっております。
 給食における取組状況といたしましては、(2)でございますが、完全給食を実施している学校では学校給食について医師の診断等に基づき配慮しているとした学校は、小学校で84.1%、中学校で72.2%、全体では80.9%という結果が出ております。
 次のページをごらんいただければと思います。この学校の中で除去食対応を行っている小学校は58.1%、中学校で40.6%、また代替食、特別食対応を行っている小学校は20.8%、中学校で15%、また弁当持参の学校は小学校24.5%、中学校12.4%という結果が出ております。
 (3)でございますが、本日、参考資料3でもお配りしている、そのガイドラインを策定したということでございます。文部科学省の報告書の結果を受け、学校における適切なアレルギー疾患への対応を推進するために、平成20年にこのガイドラインを策定し、各学校に配付いたしたところでございます。あわせて、教職員、保護者、主治医用の活用のしおりも策定しております。ガイドラインはすべての幼稚園、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校及び関係機関へ送付し、また更に日本医師会に本取組の周知協力の依頼の通知も発出したところでございます。
 また(4)でございますが、アレルギー疾患に対する普及啓発講習会の開催ということで、平成21年度から学校関係者を対象に全国各地において普及啓発講習会を実施しているところでございます。平成24年度からは保育所との連携ということで、厚生労働省と共催の形で開催をしております。今年度におきましても、山形、長野、三重、島根、徳島、東京の6か所におきまして、この講習会を開催する予定としております。
 (5)でございますが、参考資料1、2でお配りさせていただいておりますが、調布市における事故を受け、文部科学省としましては、この参考資料1、2にございます事務連絡を都道府県教育委員会等に発出したところでございます。
 資料3を御覧いただければと思います。学校給食における食物アレルギー対応に関する調査研究ということでございますが、こちらは今年度の予算で1,200万円ほど計上されているものでございます。この調査研究の中で、この有識者会議を設置し、議論いただき、再発防止策の検討をしていただくわけでございますが、真ん中にある囲みにありますように、有識者会議の設置と並行して左にあります「食物アレルギーの実態及び学校の取組状況の把握」もしながら、結果をこの会議に報告し、議論に反映していただきたいと思っているところでございます。この調査については、また後ほど少し説明をさせていただければと思います。
 資料4でございます。資料4におきまして、この会議の年間のスケジュール(案)というものでございます。あくまでこれは事務局としてこの案を今のところ考えているものでございますので、今後この会議におきまして委員の皆様からの御意見も頂きながら調整をさせていただきたいと思っておりますが、第1回、本日でございますが、この後調布市から事例報告をしていただき、皆様方から自由に御意見を頂きたいと思っているところでございます。
 第2回は、今のところ7月を予定しています。調布市で今やっています再発防止検討委員会が、6月中に報告をまとめると伺っていますので、その結果も踏まえて第2回については7月に開催したいと考えております。7月には、その調布の報告のほかにも論点整理、また調査内容の検討などについてもお願いをしたいと思っております。
 7月に中間的なまとめをしていただきたいと考えているところでございますので、7月末には中間まとめ案の議論をもう一度していただきたいと思っております。中間まとめ案ということでございますが、もちろん、まだ議論が深まっていない状況でありますので、大きな方向性、方針、また大きな課題等の骨格についてまとめていただき、さらには平成26年度の予算概算要求に向けた国としてやるべきことなどについても御提言を頂きたいと考えているところでございます。
 9月以降は自治体等の、また学校などからのヒアリングなどもしながら、調査結果の分析結果を踏まえた検討をしていただき、来年の3月くらいに最終的なまとめをしていただきたいというように考えているところでございます。
 最初に申し上げましたが、これはあくまでも私どもの案でございますので、今後皆様と調整をさせていただければと考えております。
 資料5でございますが、少し実施予定の調査についてもお話をさせていただきたいと思います。(1)として「食物アレルギーの実態及び学校の取組状況の把握」という調査になりますが、これは先ほどの予算の中にもありましたが、新しく新規で今年度予算の中でやらせていただきたいと考えている調査でございます。食物アレルギーの実態、あと、どういう形で学校が対応しているのかという具体的な調査でございますので、サンプル調査として調べていきたいと、今のところ考えております。
 まだ中身については固まっていないところでございます。少し事務局としても整理させていただきまして、次回の会議でどういった調査が必要かということを御意見いただきたいと考えているところでございます。
 また(2)でございますが「アレルギー疾患に関する調査」ということでございます。これは平成19年度に発表いたしました報告書の中で示したものでございますが、食物アレルギー、アナフィラキシー以外のものも入ったアレルギー全体の調査になります。食物アレルギーで児童生徒の2.6%という数字が出ていますが、これはこのときに発表した数字になっております。またその後、文部科学省としてこの数字について把握していないところでございますので、今回改めてフォローアップとして、このアレルギー疾患の基本的な調査ということをしたいと考えています。この調査は悉皆(しっかい)調査で行う予定としております。
 それぞれ秋以降に結果が出てきますけれども、この会議におきまして報告をさせていただき、議論に反映をしていただきたいというように考えているところでございます。
 以上でございます。
 よろしくお願いいたします。
【西間座長】 ただいまの説明のところで一応切りたいと思いますが、今までの説明で何か御質問はございますか。確認しておきたいこととかは、ありますでしょうか。大体のこの会議のイメージというのが、どういうところで進行していって、どういうところで着地するというイメージは大体おできになりましたでしょうか。よろしいですか。
 それでは、実際的なところに入っていきたいと思います。調布市教育委員会の高橋課長から御説明をお願いします。
【調布市教育委員会】 調布市教育委員会学務課長の高橋でございます。
 私からは事故の経過、まず調布市のアレルギーの現状をお話しさせていただきまして、それから事故の概要、それに対して検証委員会の報告等がございます。それとともに、その後、今現在行っております再発防止検討委員会の状況を御説明させていただくという流れで、お話をさせていただきたいというふうに思います。
 まず、調布のアレルギー対策の現状でございますけれども、20年くらい前から始めていると。きっかりとした記録があるわけではないのですけれども、やはりそこから徐々に始めてきたということで、その中で平成7年には市としての統一の基準をつくりまして、アレルギー対応は除去食を原則とすると。献立によりましては代替食の提供を行い、また家庭からの持参という形で提供をさせていただくということでございました。
 その今まで積み重ねた経験と、平成20年6月からは文科省監修の「学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン」を導入するという形になりまして、それをもとに現在までその対応を続けてきたということでございます。
 ガイドラインにおいては、保護者が学校生活管理指導表(アレルギー疾患用)をお出しいただくことから始めまして、面談をし、どのような対応がいいかということを決めさせていただくという形をとっております。ただ、詳細の面談記録や、記録の用紙、書きとめ状況といったものは用意されていなかったということで、なかなかその部分できちんとした記録が残っていなかった部分があるかというふうには思います。
 また、給食での対応方針については、対応が決まりますと、毎月月末に翌月の対応、給食の実際の対応をどのようにするかということで、重篤な場合や原因食品が多い場合におきましては面談を行い、またそれで決定をしていくと。ただ軽い方もいらっしゃいますので、その場合は書面でもって、例えば献立のやり取りだけで済ませる場合もございました。
 その際も、各自・各学校によってその様式がばらばらだったりしていて、親との意思疎通はできているのですけれども市全体としての統一感がなかったということはありました。毎月の献立において対応を決めていますと、複数、また除去食を支障なく調理するために、対応の必要な全員分がわかる、そういう一覧表を栄養士が作成いたしまして、各担任に知らせるとともに、それをもとに調理に入っていくという形をとらせていただきます。
 調理の過程はなかなか正直言って難しい部分はありますけれども、基本的に別室、つまりアレルギー専用の部屋があるわけではございません。ですから、その作業過程を分けること、またコンタミネーションを防ぐために作業工程を工夫しながら、コンタミネーションが生じないような形で調理を行っているという現状でございます。
 また、提供におきましては、誤配等が起きないように食器の色を変更したり、該当児童のネームプレートを作成したり、また原因食品のカードを作成する工夫をしております。ただ、やはりこの場合も市としての統一したものはなかったということでございます。
 おかわりにつきましては、重篤な子やコンタミネーションの心配もございますので、除去食を提供している日にちにつきましては、現在は全ての料理について禁止をさせています。事故が起きるまでは学校によって若干ずつ判断がありましたけれども、現在としてはそういう形でさせていただいております。
 また、中学校におきましては、中学校は調布の場合、小学校で調理した給食を配送する親子調理方式という形をとっているために、除去食、つまりアレルギーの対応食を作成することが難しいということで、現在は自分で除去をするという形の除去をさせていただいております。当然、各中学校には栄養士が配置されておりますので、栄養士から保護者に実際のどんな献立と、また、詳しい調味料などの状況まで含めて情報提供いたしまして、そこでもって親子で話し合っていただいて、何を除去するかというのを確認をしていただいているという形になっております。それが、今のところ私ども調布の現状でございます。
 また、後ほど、事故の対策の検討委員会を行っておりますので、そこの意見を踏まえながら、調理、アレルギー対応につきましてはその方法を変えていったりする予定ではございます。
 また、研修体制でございますけれども、平成21年6月からガイドラインの導入をしたというお話を差し上げまして、そこから各学校の研修体制を引くようにいたしました。具体的には、エピペンを持つ子のいる学校において、学校医による校内研修を行うようにいたしました。しかしながら食物アレルギーについての講演ができる学校医が少なく、全ての学校で行うのはなかなか難しい状況であったということでございます。23年度からは、養護教諭を中心としたDVDを活用した研修を中心に切りかえておりましたが、実際の学校医、アレルギーの専門医からではない研修ですから、なかなか学校に浸透していかなかった実態があるようでございます。
 今回の事故を受けまして、食物アレルギーについての基礎知識の習得と、実際にエピペンを打てるようにすることを主眼として現在は研修を行っています。昨年度の3学期中にはエピペントレーナーを使用したエピペンについての校内研修を行いまして、2月にはアレルギーの専門医と救命救急医による集合研修を行っております。新年度につきましては、5月にエピペンを持つ児童生徒の担任へのアレルギー研修を実施いたしまして、夏休みまでには校内研修を全ての学校において実施したいと考えております。
 また今後は、再発防止検討委員会の中でも、誰がどこまでという到達目標を定めて行うべきだという意見を頂いておりますので、そこを定めながら研修を行っていきたいというふうに考えております。
 それが今の調布市の現状でございます。
 さて、次に12月の事故の概要につきましてお話をさせていただきたいと思います。大分報道等のことで皆様もお知りになっていることも多いかと思いますが、おさらいという意味でも重複する部分があるかもしれませんが、お話をさせていただきたいと思います。
 発生したのが平成24年12月20日木曜日、13時25分ごろでございました。当該児童は5年生の11歳でございました。当該児童の状況でございますけれども、小児ぜんそくの持病と卵、牛乳、ピーナツにアレルギーを保持している子でございました。ただ、卵につきましては平成24年の2学期からは解除となっております。そのほかに、教室内のランドセルにエピペン一本、そのほか、ぜんそく用の吸入器を一体、常時携持をしておりました。
 栄養士と調理員と母親は、毎月、詳しい調味料までの載った献立表をもとに、アレルギーを起こす食材について打合せを行っておりました。12月20日の献立に使用する粉チーズの除去についても確認をしており、担任と保護者には文書で粉チーズの除去についてお知らせをしておりました。
 その日の経過でございますけれども、献立のうちじゃがいものチヂミにつきましては粉チーズが含まれておりましたので、除去食対応のため粉チーズを要らない状況で、除去食をつくる分を取り分けまして冷蔵庫に保管しております。その他の普通食につきましては粉チーズを加え、焼きまして、四角く切り分けております。除去食は直径10センチ程度の紙カップに入れて丸い形にいたしまして、普通食とは別に焼いております。それででき上がった除去食につきましては、当該児童専用の黄色のトレーとふちがオレンジ色の食器に配食をしております。この児童は乳アレルギーにつきましてかなり厳しい状態でありましたので、お盆から食器、箸、スプーンに至るまで、その子専用の食器を使っていたということでございます。当然、洗浄する際も、ほかの食器とは混じらないようにしておりました。配食が終わりますと、栄養士と調理員二人で、給食室で除去すべきものであるかどうかを、その除去食専用のボードに書き込まれたものでもって、除去食かどうかを確認させていただいております。やはりアレルギーの厳しい子でありましたので、その日の食事をワンセットにお盆に盛りまして、それで調理員の方が直接手渡すという方法をとっておりまして、当日もそのようにさせていただいて、基本はそのとき何が除去食であるかということを伝えるという形をとっておりました。ただ、後の聞き取りでは、どのような言葉で伝えたかは、その調理員の方は覚えていないということでございます。
 給食が済みまして、当日のじゃがいものチヂミにつきましてはちょっと不思議な味がするという話がございまして、なかなかおかわりが進まなかったということで、担任の方が各児童のところへ回っておかわりする子はいないかということでございましたけれども、その当該児童がおかわりを希望されまして、その際、母親の方が献立表にマーカーでもって食べられないものについて印をつけていたのです。そこを担任と確認いたしまして、「それじゃあ、ついてないね」ということでおかわりを認めると。本来であれば、担任用のそういうおかわりができないという一覧表がございましたので、それで確認をすべきだったのですが、そこではしないで提供をしてしまいました。それが12時50分ごろでございました。
 その後、13時22分になりますと、当該児童が担任に気持ちが悪いと訴えていまして、クラスの生徒の子に養護教諭を呼びに行ってもらいまして、呼吸の乱れがあり、当該児童が吸入器を当てていました。担任は今までと様子が違うというふうに感じまして、当該児童のランドセルからエピペンを取り出しまして「これを打つか」と聞いたのですが、当該児童が「違う。打たないで」というふうに言われたために、そこではエピペンを打っておりません。
 ほどなく養護教諭が教室に到着して、やはり尋常でない、普通ではないということで、救急車を要請するようにいたしまして、担任がその要請をしに教室を離れております。13時29分ごろには担任は職員室に行き、校長と相談後、救急を要請するとともに保護者に連絡をしております。
 31分ごろになりますと、当該児童がトイレに行きたいという形で、自力で立てない状態だったので、養護教諭がおぶってトイレに連れて行ったということでございます。そのとき、お子さんの名前を呼んでも明確な回答がなかったということでございました。
 その後、近くにいた教諭等が集まって話して、校長もその場に居合わせまして、13時35分、右の太もも側面にエピペンを打っております。養護教諭はその際、AEDも試みますが、AEDは「処置の必要なし」という判定が下っております。その判定後、養護教諭が心臓マッサージを、担任がマウス・ツー・マウスによる人工呼吸を行っております。
 13時40分には救急車が到着し、14時には病院へ搬送が始まっております。それで14時12分には病院に到着し、その後、治療を受けましたが、16時29分に死亡が確認されております。
 それが当日の事故の状況でございます。そのことにつきまして、1月から私ども調布市では事故の検証を行う検証委員会を立ち上げまして、検証を行って、3月12日にその検証結果を出しております。その報告書がきょう資料で送らせていただいた、概要版になっておりますけれども、実際はちょっと分厚かったので概要版を用意させていただいております。
 その中で、事故の発生の要因といたしまして、ちょうど3ページ以降になりますけれども、まずは除去食の提供、つまりおかわりのところも含めまして、その部分と、緊急時の対応において問題があったという判断をしております。その除去食の提供の場面においては、まずどの料理が除去食であるかというのがお子さんに伝わっていなかったということ。また、担任が本来確認をしておかわりと認めるところを、確認をしなかったということが大きな原因であるというふうに言っております。
 緊急時の対応におきましては、まずエピペンを打つことができず、初期対応が誤っております。また養護教諭においても、同じような対応を誤っていると。その点を事故の要因として指摘しておりますが、それだけではなく、ほかの背景にあるものもあるということで、5点について指摘がなされております。
 1点目については、情報の共有化ということにつきまして、当然食物アレルギーのことについては全教職員が把握をする必要があるのですが、その全ての者が把握できていなかったのではないかと。また、同じクラスの児童においても、その友達が何を食べていけないのかということについて、指導がしっかりなされていなかったのではないかと。また、情報共有する際に、同一のもので情報共有がなされていなかったのではないかと。担任に渡されたもの、保護者に渡されたもの、また栄養士がつくったものは同一ではなかったと、異なる資料を持っていたということを指摘を受けております。
 2番目に、除去食の調理と配食につきまして指摘がありまして、先ほど御説明いたしましたように、このお子様は、このお子さん専用の1食分を全部盛った形で提供されていたために、それを見ただけでは何が除去食であるかということがわからない状態で提供されております。ですから、それを補うために何が除去食かということは伝えられるべきなのですが、それがしっかり伝わっていなかった。伝わっていれば食べなかっただろうということは十分推測されるということでございます。
 また、その当日、担任においては別途紙でもっておかわりができないものはどういうものであるかという情報は提供されているのですが、その日はどうなのかという情報の提供がなかったと。つまり紙を見ないとわからない。すぐ見てわかる状況で提供がされていればよかったのではないかという指摘でございます。
 3点目は、給食指導についてでございます。給食指導につきましては、この担任の方が給食を完食するという目標を持って給食指導をされていたということで、おかわりについてどういう影響があるのかということをしっかりと理解していなかった、注意を怠っていたのではないかという指摘がされております。また、そのおかわりがいいかどうかという判断をする、おかわりをしていけないというものは一覧表になっておりますけれども、それが最終的には当日、職員室の自席の引き出しにしまってあったということが確認されていまして、当日教室には置いていなかった。つまり確認できる状況になかったということが指摘されております。
 4番目には、緊急時の対応についてです。エピペンを担任が打とうと言ったときに、「違う。打たないで」という言葉で、それでそのとき打っていればという仮定になりますけれども、初期対応がきちんとできていなかったのではないかと。また、養護教諭が来たときに、エピペンを打つことをしなかった。本来、養護教諭がしっかりとその子供の健康管理等に注意をすべきであったのですけれども、エピペンを打つことを想像しなかったみたいに受け取れるのではないかと。そういうことが指摘されております。
 5番目には、アレルギーに対する研修でございます。そのお子さんは5年生でありましたので、5年間同じ小学校に在籍しておりますが、その間、食物アレルギーに関する研修は毎年その学校では行われておりましたけれども、行ってはいてもなかなかエピペンを打つことができなかったということとか、また養護教諭はアナフィラキシーショックであったということを疑っていなかったように思われる節がある。本来、アナフィラキシーショックですと、その対処法は寝かせて足を高くするということが必要ですけれども、その処置は養護教諭はとっていらっしゃいません。そういうことが徹底できていなかったのではないかということで、ある程度そういう危機に対する意識が低かったのではないかということが指摘をされております。
 その要因を受けまして、事故防止の提言というものがされておりまして、5ページ以降になります。要因ごとに提言が決まっておりまして、まず情報共有に関する提言につきましては、面談の際の面談調書をしっかり作成し、記録を残して、それを学校内で各先生の間で情報共有を図るべきである。また、管理指導表についても記載内容の保護者同意をもらえるよう努力し、その管理指導表についている情報についても学校内の情報共有を図るべきであると。また面談の際、緊急対応時、どうしたらいいかということを決めますけれども、個別対応のその子に合わせたプランを作成し、それを学校内で情報共有を図るべきであると。また給食での毎月毎月の保護者との打合せについては、きちんとした記録を残しまして、統一した資料で保護者、担任、栄養士、調理員、その4者が同じ資料でもって対応を図るべきであると。
 次に、除去食及び配食・配膳方法についての提言でございますけれども、除去食等を書面でしっかり確認できるようにする。口頭だけでなく、皆が情報共有するためにも書面が必要であるということです。そして、今回ありましたように、子供さん、担任も含めまして何が除去食であるかということがはっきりわかっていなかったという状況がございますので、それをはっきりわかる対策をとるべきであると。また、実際に今調布市の現状で各校少しずつ対応がばらついているということがございましたので、全校で統一した調理から配食までの管理を行うべきであると。また、「おかわり」について統一したルールをつくるべきであるという提言がなされております。
 給食指導に関する提言につきましては、アレルギーを持つ児童・生徒への自分自身を守る指導、つまり何は食べていけないのか、そういうことを理解しない限り、自分自身は守れませんよと。特に私ども調布市の場合、中学校へ行きますと、それほどアレルギーについての対応ができていません。自分で除去をするということでありますので、自分のアレルギーがどうであるかと、何を食べていけないのかというのはしっかりわからないと、中学に進んだときにうまく対応ができなくなりますので、そういう指導をするべきだと。また、他のアレルギーを持つ子供さん以外の児童生徒への、アレルギーを持つ子への理解を進める指導が必要であると。いじめとか、差別とかにつながらない指導も必要なのですけれども、過去の事例からもお友達から指摘を受けて、「これは食べてはいけないんじゃないの」と指摘を受けて、実際に未遂で終わったケースもございます。やはり友達の指摘というのも事故が起きない。それにばかり頼ってはいけないと思いますけれども、一つの方策になるだろうということも、この指導の中には入っております。
 次に、緊急時の対応に対する提言でございます。これはエピペンを打てるようになるように研修等を行い、意識を改革する必要があるだろうと。これは研修でしかないかなというふうには思っております。実際にそういう場面に私どもも居合わせていませんので、やはり研修を通じて打てるような状況にするということが必要だということでございます。
 次は、教職員の研修の在り方についての提言でございます。食物アレルギーに関する研修を児童生徒の命を守るための研修と位置づけ、緊張感を持って内容の充実を図りなさいというふうな提言がございます。
 また最後に、教育委員会事務局への提言ということで、事故発生の情報提供と学校への指導とか、助言、支援について不足していたのではないかということで、その不足がないようにしっかり行いなさいという提言を頂いております。
 また、国等への働きかけということでございまして、実際に緊急時、エピペンを打つということにためらいのない状況がつくれるように、調布市からの勝手な言い分ではございますけれども、いろいろな解説書を読んでいますと、責任がないかもしれないと。はっきりした言い方で、そのエピペンを打ったことに対する責任を免除すると言いましょうか、そういう状態になる。ですからその部分については、是非アメリカなど、州法によって違うという話ですが、アメリカにおいては打ったことについて責任を問わないというふうな法律もできているところもあると聞いておりますので、そのような状態にしていただければということを働きかけなさいという形で言われております。
 また、ガイドラインが今現在ございますけれども、ガイドラインの中では実際に食物を提供する場面においての調理現場とか、提供する場面においての具体的な指示が示されていないと。できればそういうところまで配慮のあるようなガイドラインをつくっていただければということを働きかけなさいというふうになっています。
 あともう一つは、人的なものでございますけれども、大規模校やアレルギーに配慮の児童・生徒の多い学校について、例えば看護師や保健師といった専門的知識や経験のある人材について配置がされるよう、働きかけなさいというような提言がなされております。
 今申し上げたのが、事故の検証委員会での報告書の概要でございます。
 それを受けまして、この4月から調布市において食物アレルギー事故防止再発検討委員会が立ち上がりまして、今現在、3回の本部会が行われております。この会は、先ほどありました事故の検証委員会の報告を受けまして、アレルギーの専門家や危機管理の専門家とともに事故防止を立てていくということを目的といたしております。
 調布市の事故においては、事故を防止する部会と、防止、それに緊急時の対応、給食の指導に関することということで、それぞれその3分野において作業部会を持って作業をしております。委員につきましては弁護士の方、アレルギーの専門医、先ほど言った危機管理の専門家、また食物アレルギーを持つ子の保護者、あとは市の職員等19人で構成をされております。
 本部会は4月10日、4月24日、5月14日と3回開かれておりまして、その中で基本方針が確認をされております。学校給食におきましては、「学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン」に準拠して対応していく。その同じガイドラインに足りない点やわかりにくい点を部会等で話し合って、そのガイドラインを埋めていこうと、そういう議論をしていきましょうという方針が確認されています。
 各部会におきましては、事故防止検討部会におきましては、ガイドラインに示されている食物アレルギーの対応の流れ、フローチャートがありますけれども、そこにおいて明らかになっていない点を検討するとともに、過去の食物アレルギーの事故からの対応を見直すという作業を、今現在行っております。
 緊急対応検討部会におきましては、アナフィラキシー等の発症時、緊急対応のときの、特にエピペンを打てるようになるということや、また、私どもは狛江市に接しておりまして、狛江市にある慈恵医大病院のアレルギーについての助言を頂いておりまして、その助言の内容を検討するということを行っております。
 また、給食指導部会におきましては、指導の全体計画を立てるべきだということで、食物アレルギーのある子供と持たない子が発達段階におきましてお互いの違いを認め合い、助け合う中で、給食を楽しみ、食を通じて成長できるような計画を立てましょうと。また食物アレルギーについての正しい知識を身につける啓発活動や、アレルギーを持つ子の保護者同士つながり合える仕組みについても検討しております。
 今、それが委員会の現状でございます。
 あと、最後に繰り返しになりますけれども、先ほど私どもの検証委員会の中で国への働きかけをしなさいと、エピペンを打てる状況をつくってほしいと、また実際のそのガイドラインの中にない部分を、できれば埋めていってほしい。特におかわりの部分とか、そういういろいろなルールが決められるのであれば、決めてほしいということです。また、私どもの給食の調理室の中においては、正直言って、今現状としてはそういう除去食をつくる部屋はございません。また狭い中で場所を区分けしながら、コンタミのことを心配しながら、除去食をつくっておりますので、そういう除去食の作業場での確保について、何かしら援助がいただければということを最後に申し上げまして、私からの報告とさせていただきたいと思います。
 以上でございます。
【西間座長】 ありがとうございました。
 非常に膨大な中身がありますが、これにつきまして若干の質問を受けたいと思います。
 最初に調布市における取組というのがありましたね。こういう事故が起きる前のいろいろな体制の説明が数分間あったと思いますが、それは文章で出せますか。
【調布市教育委員会】 すみません。ちょっと準備ができませんでしたので、今現状としては出すことができません。
【西間座長】 じゃあ、次回もまたありますので、それまでに。
【調布市教育委員会】 はい。お出しすることはできます。
【西間座長】 おそらく書きとめられても追いつかなかったと思うので、じゃあ、それはよろしく。
【調布市教育委員会】 わかりました。
【西間座長】 じゃあ、どうぞ委員の方、今の高橋さんの説明で何か御質問とか、確認したいところはございますでしょうか。今回は概要ですから、いろいろな、細かいところは書かれておりませんけれども、既に委員の方は詳細のところも読まれた方もおられるとは思うのですが、いかがでしょうか。
 はい、海老澤先生。
【海老澤委員】 今、自分は調布市の事故再発防止委員会に出ていまして、今、高橋さんからの御説明を、もう少し補足をさせていただきたいと思います。
 まず、調布市のアレルギー対応に関しての補足ですが、平成20年6月からガイドラインを導入されたとおっしゃっていたのですが、実質、たしか21年から管理指導表の運用というのを始めていらっしゃると思います。それで、平成20年にガイドラインを文部科学省で出したのが、たしか4月でしたか、多分それくらいだと思いますが、そのときに各教育委員会あてに各校2冊配れるように日本学校保健会から送付しました。それに関して調布市の教育委員会としては、それを当時、多分配ったのでしょうということなのですが、実際には現在、各学校にそれが2冊ずつあるかということが把握できていなかったのです。それで、つい最近白黒のコピーをお配りになって、要は管理指導表というのは診断書がわりに使っていたのですけれども、ガイドラインというものを実際に、市の教育委員会から、きちんと各学校で使って、内容を理解して、きちんとそれに準拠しなさいということが完全にはできていなかったということが明らかになりました。
 それと、市の教育委員会として、例えばどういう食物アレルギーの子供がどれくらいいてとか、市の20ある小学校にアナフィラキシーの子が何人いてとか、そういうことに関して、まず今年になるまできちんと把握したことが一度もなかったということも明らかになっています。したがって、市としての、各校に対する食物アレルギー・アナフィラキシーに対する対応策の統一した基準というのがなかったと。どちらかというと各学校の養護教諭、あるいは栄養教諭、あるいは担任の先生とか、そういう先生方のところで、いろいろな判断が多分任されていた可能性があると。
 ガイドラインの中には、当然校長先生、教頭先生、担任の先生、栄養教諭の先生、養護教諭の先生がチームをつくって、そういう重症な子供が入ってきたときに委員会というものを立ち上げて、お母さん方の情報を共有して、それで対応しましょうとなっていますが、この間、調布市の学校を全部調べたら、やはりそこら辺が十分できていなかった。
 だから、結局ガイドラインを文部科学省と日本学校保健会で我々が5年前につくったものが、どうも十分に活用されていなかったという現状が明らかになったのです。もし、管理指導表が提出されたときに、ここに色刷りになっているとわかるのですが、管理指導表のカラーとこのガイドラインのカラーというのはマッチングしているのです。ですからガイドラインをきちんと、この管理指導表が出てきたときに、ここのアナフィラキシー・食物アレルギーというところを担任の先生、養護教諭の先生、栄養教諭の先生、校長先生、皆さんが読んでくれれば、必然的に知識のレベルアップを繰り返し繰り返ししていくわけです。
 もちろん研修ということをしていくのは大切なのですけれども、一番大切なガイドラインがどこに行っているかというのもわからないような状況で、白黒のコピーを配っているような状況ですから、非常にそこら辺の教育委員会と学校の連携の問題、多分これは調布市だけではないと思うのです。管理指導表は運用しているけれども、このガイドラインの本当の一番大切な点をきちんと読み込んでいないというところがこの事件の背景にあったのではないかということを、今、事故再発防止の委員会で議論しているところです。
 それに対して、じゃあ、何が足らなかった、どうしてそれができなかったのかということが、多分全国展開していくときに非常に重要になるのではないかというふうに考えています。
 それと、あとは事故検証のこの報告書の中には書いていないのですけれども、例えば12月の富士見台小学校の給食のメニューを実際に見せていただくと、毎日牛乳が出ているのに加えてチーズが非常に多く出ています。多分月の半分以上出ています。非常に重症な牛乳アナフィラキシーのお子さんが在校していて、そのように献立に非常にチーズが多く出ているとちょっと危ないかもと思うわけです。チーズというのは僕ら食物アレルギーの専門家からすると、非常に少ない量で牛乳の症状を誘発しやすい食材という意識が、僕らの中にはあります。ですから、リスクということを考えていったときに、例えばチーズが固形物でパッケージされているものがそこに出ているのだったら、子供でも十分避けることができますが、この事故では、じゃがいものチヂミというものの中にチーズが練り込んだ形で隠れたアレルゲンとして給食が提供されていたわけです。
 そういう方法というのは、もちろん「それをおかわりしなかったらいいじゃないか」、「ちゃんとチェックすればいいじゃないか」という報告書ですけれども、そこのところをさらにリスクを減らしていくためにどういうことができるかとか、献立の立て方とか、小学校まで残るアナフィラキシーのかなり多くが牛乳なので、チーズをそういう見えない形で練り込むような方策というのもどうなのかなということも、今後きっと議論していったほうがいいと思います。
 あと、エピペンが打てなかったということに関しては、これは担任の先生が第一発見者ですが、担任の先生が、多分職員室に救急車を呼びに行かれたのだと思うのです。そこに養護教諭の先生と入れ違いになってしまったりして、やはり現場での情報共有というのがきちんとできていなかったということも大きな点だと思うのです。最初に「エピペン打とうか」と担任の先生が言ったのを、「それを言ったのだけれども、どうでしょうか」ということを、もう一回そこで養護教諭の先生とその場で話し合えていたら、そこの次の段階で打てたかもしれないし、多分いろいろな状況があったのかなと。
 ただ、緊急時の対応として、第一発見者の人が絶対そこから離れないということとか、あるいはきちんとした対応に関して共通の意識を持って、例えば防災訓練じゃないですが、そういう緊急時の訓練とか、そういうのが全校でできていたりすれば、また状況は変わっていたのかなと思います。
 だから、高橋課長が御報告されたことがもちろん検証委員会の報告なのですけれども、今再発防止委員会で議論しているのは、なぜ市全体としてガイドラインの考え方を共有できていなかったか、それと各学校任せになってしまっていたのはどうしてなのかということ、先生たちがなぜガイドラインをきちんと読んでくださらなかったのかというところを、また普及啓発で我々ができていなかったというところを、きちんと原因を把握していかなければいけないのではと思っています。
 以上です。
【西間座長】 その調布の委員会は大体いつまでの予定ですか、常設委員会ですか、それともある程度の期間で結論を出して報告する、公表すると、どういうことになっている委員会ですか。
【調布市教育委員会】 今の予定では、6月末までに報告を出したいと。ただ、ちょっと前回の委員会の中では、きちんと議論をして報告は出したほうがいいんじゃないかという意見もありまして、一応めどとしては6月末なのですが、ちょっと延びるかなというニュアンスも出ている状況ではあります。
【西間座長】 7月くらいですか。
【調布市教育委員会】 そうですね。一応、今のところはめどは6月末までと。
【西間座長】 調布で結論をある程度出されたとすれば、ここの会議との整合性をとる、それの違いをチェックしないといけないから、出るのであれば早く出してもらったほうがこちらの会議としてはやりやすいですね。
【海老澤委員】 一応6月末、私は、調布市職員ではありませんが、6月末にはきちんと今申し上げたポイントを押さえて、文部科学省にきちんと報告するということは、調布市の市長さんとか、あるいは教育委員会の方とお約束はしていただいています。
【西間座長】 でも、今、海老澤先生が言われたことというのは大変なことを含んでいますよね。実際そういう報告書が出たら、今度は現場の人間にとっては、かなりそれからやる仕事が多くあります。総論的には、まあ良いとして。
【海老澤委員】 だから、結局、これをなぜ活用できなかったということが、多分一番大きいのだと思うのです。だからこれが学校の先生の食物アレルギーとか、アナフィラキシー、喘息(ぜんそく)の緊急時対応とかのガイドラインとして血が流れなかったというか、そういったところをやはり一番僕らが反省して、しっかりやっていかなければいけないのだろうと思うのです。
【西間座長】 ガイドラインができたのは、文科省が全国調査をして、アレルギー疾患が予想したよりもはるかに多い数が出た、文科省はそれに対し、対応するときに、専門医を入れて検討会をやった、その結果としてガイドラインを出して、学校保健会を通して全国全部の小中高に2冊ずつ配付した。しかし、その後、学校でどういうことが行われたかというところまでの作業はやっていないのです。それがこういう状況だということです。
 だから、文科省としては調査をした。これは大変だからきっちりとした、ある程度均てん化されてやれるようなことをこのガイドラインとして出したという作業までやって、それから5年くらいたつという状況でしょうね。
 だから、そういう次の作業は計画の中には入っていなかったのですね。
【海老澤委員】 そうですね。あと、管理指導表を使ってくれている市町村は多いのですけれども、ただそれが診断書がわりになってしまっている可能性があるのです。それが要はガイドラインとセットできちんと運用されて、その精神をきちんと理解していただいてやっていただけていないというところが一番問題かなというふうに思います。
【西間座長】 だから、学校保健会から出したのだけれども、あと日本医師会との調整はできていませんでしたからね。
【海老澤委員】 まあ、依頼は出したのですけどね。
【西間座長】 ほかにいかがですか。
 よろしいですか。それでは、文部科学省の義家弘介文部科学大臣政務官が到着されましたので、御挨拶をしていただだきたいと思います。
 じゃあ、よろしくお願いします。
【義家政務官】 委員の皆さん、本日は大変ありがとうございます。本会議で遅参して、まずもって申し訳ありません。きょうは議論に最後までしっかりと耳を傾けた上で、今後に生かしてまいりたいと思っております。
 このたびの本会議の開催に当たりまして、まずは委員の皆様におかれましては委員を快くお引き受けいただくとともに、本日の会議に御出席いただき、文部科学省として厚く御礼申し上げます。本当にありがとうございます。
 また、本会議の開催の契機となりました昨年12月の、今議題にも報告にも挙がっていた調布市の小学校における食物アレルギーを有する児童の死亡事故は、大変残念な事故であり、改めて御遺族にお悔やみを申し上げたいと思っております。
 文部科学省では、この食物アレルギーを持つ児童生徒に対して、以前から「学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン」、これは平成20年3月に出されたものでありますが、等を通じて、学校長はじめとした校内体制の整備並びに保護者や主治医等と十分な連携を図りつつ、可能な限り生徒児童の状況に応じた対応に努めることなどを指導してきたところでございます。
 今回の事故の経過を見てもわかるとおり、保護者と学校等、関係者間の情報共有や教職員等への研修の在り方などもしっかり検証していく必要があると考えております。
 私としましては、一人一人の教職員が日々様々な児童生徒の指導や管理に直面している中で、いかに文部科学省、都道府県教育委員会、市町村教育委員会、そして学校が共通認識のもとで組織として対応するかが重要な課題であるというふうに考えております。
 現在、調布市におかれましては、事故を受けた再発防止検討委員会が開催されており、4月に行われた第1回の会議では、亡くなった児童の御遺族からのメッセージとして、このような思いが届けられていると伺っております。「国や医学界、教育現場、行政がこの死をむだにせず、多くのアレルギーを持つ子供やその保護者の安心につながるような確実な施策をつくり上げて、未来に向いていた娘の思いに応えてほしい」。この思いをしっかりと受けとめ、取り組んでいくことが、私どもの責務であると認識しております。
 本日は、学校給食における食物アレルギーの対応に関する今後の方策について、御意見・御示唆を賜りたいと考えておりますので、委員の皆様におかれましては、それぞれの観点から忌憚(きたん)のない御意見を頂きたいと思っております。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
【西間座長】 どうもありがとうございました。
 昨年の12月の事件を決してむだにしないという覚悟が皆さんにはあると思いますので、それでは議論を続けたいと思います。
 海老澤先生の今のお話はいかがですか。何かそれについては。委員会からはありますか。調布市から今の海老澤先生のお話についていかがですか。
【調布市教育委員会】 はい。海老澤先生のおっしゃるとおりでございます。
【西間座長】 はい、どうぞ、園部さん。
【園部委員】 NPO法人アレルギーを考える母の会の園部と申します。当事者の立場から調布の患者さん、または栄養士さん、それから現場の教員の先生方から御相談を頂くことが、これまでに何回かありました。
 不思議なことに、あの事故の前に患者さんからは学校組織としての複数での面接をなかなか持ってもらえないという悩みの声も聞いておりましたし、現場の栄養士さんからは食物アレルギーの給食対応をどういうものに基づいてつくっていいのかわからないという、驚くような、もうガイドラインができて数年たっているのに昨年、栄養士さんからそういうお話がありまして、東京都教育委員会としてもちゃんと専門医を招いた研修をやっている、そういうお知らせが来ないのですかというふうに伺ったところ、そういう連絡は来ませんと。
 それから、校長先生を中心にガイドラインに基づくお話合いをすることとか、地元の校医の先生からお話を聞くことはあったけれども、給食対応について具体的にどうしたらいいかわからないので、自分で苦労してネットで情報を集めて対応していましたという栄養士さんの声も聞きました。
 それから、担任の先生たちは校長先生から、ガイドラインに基づいてちゃんと対応しておくように、何かあったらあなたの責任ですよというような厳しいことを言われて、ピーナツだけがアレルギーの患者さんが多品目除去の患者さんが転入してきたことをきっかけに校長先生から「きょうからあなたも、その多品目除去の子と同じ給食を取れば安心だから、それを食べるように」というふうに言われて、ピーナツ以外の給食をとても楽しみにしていたお子さんがとてもがっかりして不登校になってしまったという深刻な相談も受けました。
 今まで、この事故が起きるまでの間、各校でやっていた研修は、研修の内容がどういうものだったのか。本来教育委員会に保護者が望むのは、やはり学校現場の負担を減らして、学校の先生方が何か困ったことがあれば栄養士さんも、または養護の先生も、担任の先生も、教育委員会に相談をすればこういう対策がある、ああいう対策があるということを教えていただいて、現場の負担が軽くなるような教育委員会であっていただきたい。
 やはり保護者も、学校と対立すると子供がつらい思いの学校になってしまうと思っておりますし、逆に教育委員会から、今回、担任の先生も一生懸命動いてくださっていたと思いますし、養護の先生も、それぞれが一生懸命動いていたけれども、この残念なことになってしまったのは、私たち神奈川県の研修のお手伝いをちょっとしているものですから、とても感じるのは、やはり現場に役立つ、力のつく、何をどうすればいいのかガイドラインを詳しくわかりやすくひも解いてくださるような実効性のある研修の中身だったのかどうか、そこを検証していただくことが非常に大事なのではないか。そうすると、やはり校医となっている必ずしも小児科医とは限らない先生方や、専門医とは限らない先生方、専門医であってもエピペンを処方するような患者さんの重篤な症状に出会ったことのない専門医の先生方もたくさんおられますので、やはり臨床経験豊富で現場に強い、そういう選(え)りすぐりの講師を選んだ研修、またはそういう方に来ていただくのが難しい場合は教育委員会として皆さんの悩みをまとめて御指導を受けに行くような、そういう姿勢があってほしいというふうに願っております。
 調布の検討会もちょっと傍聴させていただいたのですが、やはり精通した専門医に学ぶ姿勢が、申し訳ないのですが、検討委員の皆様方にまだまだ弱いというふうに感じております。
 子供の命を守るために、ぜひその辺を御考慮いただけるとうれしいです。
【西間座長】 では、今の話は調布の検討でもこのような意見をこの報告書の中に入れ込んでということになりましょうか。現場としてはですね。
 ただ、これは全国的な問題ですね。だからこの後調査が始まるときに、文科省として教育委員会と各学校との間、どういう指導があって、どういう報告があってという、その辺の調査項目は今の予定では入っているのですか。
【小幡室長】 まだこれから調査については設計していきますので、今のような御意見もしっかり反映させていただきます。
【西間座長】 そうですね。そうすると地域性というのがかなりわかってくるでしょうね。それから今の意見については、海老澤先生は委員だから、ちゃんと含んで入れてください。
【海老澤委員】 ええ。きちんと教育委員会の方々にも食物アレルギーというのがどういうものか、アナフィラキシーがどういうものかというのを御理解いただくために、私の病院に来ていただいて、見学してもらっていますので、多分今までとは状況は違ってくるのではないかと思います。
 今までの議論、この検証委員会の報告書もそうですけれども、机上の空論的なところがちょっと大きいのです。それで結局この報告書自体は学校の先生のミスをどちらかというと追及しているような形の側面もあると。しかし、問題はやはりシステムとしてきちんと事故を防げなかったという観点で捉えていないというところが、一番いけないのではないかと僕は思います。
【西間座長】 そうですね。相模原病院の見学をして、それでいろいろ思うことがあったとしても、その学校の先生たちは日本全部が相模原病院のレベルではないから、要するに日本の最先端のところの病院を見て、いざ自分のところに戻ったときには、これはもう全然違うわけです。やはりそれぞれのローカリティ―とか、土地に合わせたことをやらざるを得なくなってくるわけで、これは学校の問題、教育委員会のでこぼこもあるでしょうけれども、同じように医学のほうのでこぼこも相当激しいものがありますよね。
 それはこの会ではなかなか検討できないところですから、よそに移さなければならないでしょうけれども、でも、大きな問題の一つではあるのです。
 まだ発言されていない方、どうぞ。
 どうぞ、今井先生。
【今井委員】 一言よろしいですか。
 今回調布の下部組織の委員会が三つ立ち上がっているように、今回の食物アレルギーの対策というのは、事前にどうその患者の情報をしっかり把握していくかということと、あとは現場で安全な給食をつくって、安全に給食が毎日食べられる状況をつくるということと、あとは、万が一それでも起きてくるアナフィラキシー症状に対して適切に対応できるという、大きくこういった三つがあると思うので、これを1年間で全部しっかりとした方向性を持っていくのは、すごく大変な作業かなというのは思っておりますけれども、さらに大もとにあるところとして、いつも現場で働いていて感じるのが、きょうは調布の事故が起きてしまったので、どうしてもつるし上げの状況になっていってしまっていますけれども、これは調布がたまたま事故が起きただけであって、実経験的にはこれはもう全国的に同じようなレベルがあって、たまたま調布で事故が起きてしまっただけだという認識になっていただいたほうがいいと思います。
 これまで文科省で調査がなかったので実態の把握はできていませんけれども、一部地域の調査であるとか、経験上では、もうこの管理指導表はまずはほとんど使われていないのが実態ですし、ましてやガイドラインは読み込まれていないというのがまさに実態だと思いますので、そういった状況を何とか変えていく対策を講じていくというのが、もう大もとにある一つのやるべきことなのかなというふうに思います。
 で、出たときに、現場の先生方にこのガイドラインや管理指導表を「使っていますか」とか、「知っていますか」とか聞いても、やはり知らないとか、使っていないという声が多い中で、なぜ使っていけないのかというところを当時の専門官の方々にも聞いたこともあるのですけれども、なかなかそういったつくる、出すことはできるのだけれども、現場でこれを使いなさいというところまでは言えないというふうに伺ったこともあるので、僕はそういった組織とは違いますから、そのあたりがすごく歯がゆく思います。
 せっかくいいものができておりますので、それを何とかこの事故をきっかけにもう少し、強制力と言うとちょっとあれなのかもしれませんけれども、現場でしっかりと運用できる体制をつくっていっていただければなというふうに思います。
【西間座長】 先生方、どうですか。はい、どうぞ。
【大澤委員】 私は今小学校の校長を7年目になりますが、ずっと単独調理場に勤めております。学校給食の実施形態は、市町村によって様々であり、私が勤める川口市においても、小学校52校のうち、単独調理が26校で、他は共同調理方式による学校給食です。単独調理校であっても、全校に栄養士が配置されているわけではありません。
 ですから、ある程度のガイドラインは出していただきたい。学校には今、情報管理や防犯、防災など、様々な危機管理に対する対応マニュアルを作成しています。このアナフィラキシーに関しても、その学校独自の運営スタイルに合った危機管理体制、システムをつくるべきであると思います。ある程度、行政の方で、大まかな、大きなものを示していただいて、それに基づいた各学校の実態に合わせた危機管理体制というものをつくり上げるべきかな、と私はこのところ強く感じているところです。
 本校では、7月に学校保健委員会を校内研修として、アレルギー問題について講師を招いて実施します。市教委にも参加願おうと考えています。どのようなスタイルになるか、まだこれから内容検討を進めますが、学校独自のスタイルを、その学校でしかないものを、この学校にはこのスタイルがベストだよと、そういうものをいろいろな声を聞きながらつくり上げていくことが必要ではないかと思います。子供の命を守るために、そんな考えで、私は今、ここに参加させていただいています。
 以上です。
【西間座長】 そうですね。共通性を持ちながら、そこの個別化したものが必要である。個別化するためには、そこのメンバーがそのマニュアルづくりに参加してつくり上げないと、生きたものにならない。でも問題は、そこでかなりいいマニュアルができても、構成員が変わりますよね。特に学校の先生方はどんどんかわっていくので、いつの間にやらそのマニュアルは引き出しの中となる。だから継続性が大事です。それはいかがですか。
【大澤委員】 教室に掲示してあります。避難のことであるとか、必要なものはいつでも見られるように掲示してあります。
【西間座長】 あと、学校の先生はまだおられますが、どうですか。校長先生もう1人はお休みですね。栄養のほうの先生も来られていますね。どうですか。栄養教諭の倉橋先生とか、柳澤先生。はい。
【倉橋委員】 失礼します。
 私は栄養教諭なのですが、実はこの3月まで県の教育委員会というところで行政にかかわっておりまして、実際、県にいるときにはこの国のガイドラインを受けて、愛知県でもこういった食物アレルギーについてはぜひきちんと対応していこうということで、それを受けながら県独自で手引きをつくり、研修会を進めていくということをずっと数年行っておりました。
 この4月に、実は学校のほうに来ましたら、学校にやはりそのエピペンを持つような食物アレルギーの子供がおりまして、学校現場に戻って最も強く感じたのは、先ほど海老澤先生が言われたように、このガイドラインができているのだけれども、やはり学校ってとてもそういったガイドラインを活用することになれていないというか、そういうところを読み込むということにやはりとても弱いなと。自分が県にいるときには、最も大事なことはガイドラインに書いてあること、あるいは通知文に書いてあることが非常に重要だということを3年間非常に勉強させていただいたのですが、いざ学校現場に出てみると、やはり学校の先生方というのはとてもそういうことに弱い。
 なので、そこの部分がもっとわかりやすいようにすることがとても大事だと。それは一体誰がすべきかというところで、先ほど校長先生も言われたのですが、そういうことがわかる先生方が、やはりそういうことをきちんと体制をつくっていかないと、なかなか担任の先生までには伝わらないのが現状にあるなということを、非常に強く感じました。
 なので、自分も学校現場においてすぐに行ったことは、そういった子供たちの調査をすることとともに、校長先生方にどうやって今後進めていくかというような話合いの場を持つということをすぐに始めたのですけれども、もう一つが、先ほど調布の中でも話があったように、何か保護者の方から相談事があったときに、先生方というのはすぐに本当にお子さんや保護者の方の相談を受けるのです。それはやはり子供のことや、保護者の気持ちを受けとめなければならないということで受けるのですが、忙しい日常業務の中でそれを記録にとどめることに慣れていない、自分は少し行政にかかわったということもあったものですから、どんなことでも必ず記録にとどめて、それを必ず共通理解を図って、ちゃんと読みましたよということをお互いに記録にとどめましょうねということを最初にしたのですけれども、やはりそういうことはとても弱いなと。
 なので、やはり学校現場が弱いところを何らかの形でわかるようにちゃんと補強していかなければいけないし、それから行政もやはりただ出したというだけでは学校現場にはそんなことは全然通用しないということが非常に自分もわかったので、もっとわかりやすく、誰もが見られるような、なかなか1冊の冊子をただ出しただけでは、全然学校では生かされないので、もっと誰でもわかりやすいようなものを、もう少し噛(か)み砕いて適材適所つくっていかないと、なかなか書いてある内容というのは理解されないのかなと。
 ただ、学校に戻って非常に思ったのは、調布市さんには本当に申し訳ないのですが、あの調布市の事件以来、管理職の方たちの食物アレルギーに対する意識というのは非常に違うなということを、強く感じました。ですので、校長はじめ、そういったことにかかわる養護教諭ですとか、保健主事という人たちは、このことについて非常に知っていかなければ、何とかしなければいけないし、危機管理というのもかなり自分が前いたときよりは変わってきているなと。
 なので、もし学校の中においてこういったことをきちんと進めていこうとするタイミングとすれば、今最もそれがいい時期であると思うし、それから、やはり給食を実際に提供する自分の立場としては、ハード面がかなっていないところに保護者の希望だけを受け入れていくというのは、もう危険だと。やはり今いる学校には食物アレルギーに対応できるようなスペースですとか、いろいろな器具をある程度整えているのですけれども、そのハード面をなくして、ただ保護者のそういったお気持ちだけを受けるような除去食ですとか、代替食というのは、特に代替食については非常に危険ではないかなということを思いますし、それからそういったハード面が仮にかなったとしても、最後は人が子供たちを見守っていくわけなので、そういう人をいかに育てていくのかというところが非常に大事かなということを、行政にいながら、そしてこの4月から学校現場におりて、非常に強く感じているところです。
【西間座長】 今度行政に戻ると、すごくいい先生になるでしょうね。本当に現場に出ると、いろいろなことが。
【倉橋委員】 よくわかります。
【西間座長】 でしょうね。
 柳澤さん、どうですか。同じ栄養教諭として。
【柳澤委員】 私はもうずっと現場の第一線の栄養教諭なのです。私が最初に単独校で、平成14年くらいだと思いますが、相談を受けて、最初は一人のお子さんにかかわって、今、倉橋先生が言ったようにハードがないところで、人と人のつながりだけで一人のアレルギーのお子さんにかかわっていくことに対して、すごい負担を感じました。それを当時の校長先生から教育委員会に上げていきました。要望がすごく強いわけです。親御さんの困った要望。でも、それを受けとめるだけのものが、その当時の学校にはなかったのです。
 その後、単独校でやっていた給食が、校長先生がおっしゃったように、うちの市の場合、広域合併をして、平成22年にセンター方式に変わったのです。それまでは調布市さんのように単独でやっていましたが、学校ばらばらのアレルギー対応をしていました。それが一緒にすることに対して、市は非常にこれではだめだというのを担当者の方に御理解いただいて、センターを建てるときにはアレルギー対応ができる施設をつくりますということで、それの建設にかかわるようにということで、特調室をつくっていただいたり、あとは例えばハード面は、現場に言わせると、おかわりの問題が出ていますけれども、うちの場合は別容器を使って必ず一食何グラムきょうの給食はこの子に供給するかというのを押さえて、おかわり分ももう供給してしまうのです。だから二人分をもう一人として供給していくのです。
 それとあと、配食器具の問題があるのです。同じもので配食できないわけです。だからセンター建設計画を立てるときに、食器具を選ぶ段階で備品かごというのを使用してもらって、調理器具を6種類くらい、毎日使う・使わない関係なく送るようにしました。そうすると、必ず余分の食器具が残りますから、残った違う食器具でアレルギーのお子さんに対応してくださいというように、特別なことをしなくても簡単に個別対応のラインが流れるような給食の供給システムというのをお願いしたわけです。
 実際、それをやってみますと、給食を作る現場はとてもやりやすいのですけれども、それを学校に説明するのが大変なのです。一般の学校がそういうことをやっていないので、ただ、おかわりの分は大丈夫なのですが、年度が替わるたびに、こちらが出したものを現場が理解してくれるのに時間がかかります。
 だから、アレルギー対応をやってみて思ったのは、22年から始まったときに、20年にこのガイドラインができたとき、ありがたかったです。このガイドラインの趣旨に添って建設ができるわけです。このガイドラインを一つのバイブルにして、行政に責められるわけです。こういうふうにできているので、こういう施設をつくってください、というようにです。ただ、先生、申しわけないのですけれども、この管理表は診断書のかわりになってしまって、献立を立てようとしたときに、この表では代替食の献立を作成するのが難しいので、自分の市独自で違う調査表を出して、献立を立てるために使っているというような形をとっています。
 でも、運用する段階のマニュアルというのは、やはり給食のシステムが違いますから、そこでそこの施設が考えるしかないと思います。ただ、基本方針があったというのは、予算をとるときには非常に有効でした。
 それで施設をつくっても、それだけでは無理なのです。センターにした場合はつくるところ、配膳員さん、担任、子供、そしてそれが戻ってくる残量調査まで、一連に何人もの職種の違う人たちの意見を一致させるというのは、相当研修しないと無理でした。だから調理人さんに研修する、配膳員さんに研修する、担任の先生に研修する、同じ研修の方法ではだめなのです。求めているものが違うので、これを基本にして対象者に合わせた研修方法を考えるとか、たくさんの、これをするために必要なことというのを一つ一つ考えていくしかなかったという気がします。
 でも、それでもまだ不十分だと思います。調査をして、うちは幼稚園からやっていますから、幼・小・中と一人一人の個別のデータが上がってくるのです。それを一本一本データベースに起こしていって、それが3年蓄積されてくるわけです。それを担当者会議の中にかけていって、小学校から中学校に上がる生徒のデータにするとか、幼稚園から小学校に上がるデータにするとかいうようなことをしたくて始まったのですが、それをやれるようになるかなと思うのに、先生、やはり二、三年かかります。
【西間座長】 この冊子はつくったときの文科省の考え方は、この一つのもので診断書がわりにされていると言われますけれども、一枚の紙の中に極力書きやすい形で情報を入れて、子供と保護者、医療者側、そして学校側の第三者の共通理解とした。それでアレルギー児を学校の中で十分に生活させようというのが基本だったので、後を現場現場でするのは、まさに先生が言われたことの作業がなければ、これは生きないわけです。ガイドラインは憲法的なものですね。それはそのとおりです。
【海老澤委員】 それについて、いいですか。
【西間座長】 はい、どうぞ。
【海老澤委員】 この管理指導表をもとに、例えば食物アレルギーの診断を僕らはするわけですが、それで例えば卵なら卵を除去してください、牛乳なら牛乳を除去してくださいというふうに指導を僕らは学校側にお願いするわけです。それで、例えばその二つを例に挙げて不十分というふうにおっしゃるのは、どこが不十分なのですか。
【柳澤委員】 言いづらいんですけど。
【西間座長】 それは、もう好きに言っていいですよ。どうぞ。
【柳澤委員】 先生のところと、私の県は違うので、まずそれを前提にしていただくと、同じようにお医者様が患者さんに指導されますよね。それを私たちはどちらかというと用紙に書いてもらって、紙に起こしてもらって、それを見ながらお母さんと相談して決めるわけなのですが、そのときにお母さんたちの思いが強く入ってしまうのです。そうすると、私は直接先生から食事箋をいただいているわけではありませんから、これがちょっと。
【海老澤委員】 その思いというのは、例えば、ありがちかもしれませんけれども、例えば卵だったら、これは食べて、これは食べないとか、牛乳だったら、これは摂って、これは摂らないという、そういうことですか。
【柳澤委員】 はい、例えば。
【海老澤委員】 それは、基本的にこのガイドラインの中では、小学校まで食物アレルギーが残るお子さんについて、そういう細かい対応というのは通常すべきではないというふうに、ここに書いてあるのです。
【柳澤委員】 はい。だからやらないようにしようとするわけです。でも保護者の方はやってくださいというふうに。
【海老澤委員】 だから、それを、小学校に本当の食物アレルギーが残っているのだったら、それは学校では通常やってはいけないことなのです。治りかけている子供たちでも、きちんと全部治っていなかったら、例えば食べた後に運動したり、風邪をひいたり、そういうことによって症状というのは誘発されるわけです。
 だから学校のリスクマネジメントというのは、これは調布市でも僕は言いましたけれども、小学校まで食物アレルギーが残るというと、大体僕たちの見ている子供たちというのは、アナフィラキシーを起こすリスクって持っている子たちが多いのです。そうした場合に、そういう親のリクエストに基づいた細かい対応というのをやってしまうと、逆に危険性が上がっていくと考えるというのが、このガイドラインの中に書いてあることなのです。
【柳澤委員】 ですから、お断りしているのです。そのお断りするのが、大変なのです。
【海老澤委員】 だから、このガイドラインを示していただいて、学校の対応は、茨城県の対応はこうですと示していただいて、それでそういうことをきちんと全県、あるいは市で統一がとれた形でやっていただきたいというのが、僕らが今調布市にお願いしていることなのです。
【柳澤委員】 そうやっていただきたいです。
【海老澤委員】 だから、それの指示が出ていないのです。
【柳澤委員】 はい。
【海老澤委員】 指示が出ていないというところが一番問題だというふうに、僕は申し上げているわけで、教育委員会から統一して、例えば相模原市なら相模原市、横浜市なら横浜市、こういうふうにしますよということをうたっていれば、そういう余計なリクエストに対して応えなくていい訳です。もう「これは方針です」ということで、「これがアナフィラキシーのリスクを下げて、安全に給食を提供できる唯一の方法です」と。そうしなかったら、とてもじゃないですが、そんな細かいことをやっていたら、学校現場がもたないですよ。実際、そんなことをやったら大変ですよね。そこが一番僕がポイントだと思うのです。
【柳澤委員】 実際はやっていないのです。ただ学校からは校長先生からそのことを専門家の立場で保護者に説明してくださいと、そのために面談をするということをしています。最終的にはできないものはできないというふうにお断りはしているのですが、そうしているわけですが、現場の栄養士としては非常に厳しい部分というのがあるので、やはりそこはお医者様の診断の明確化とか、あとは校長先生や教育委員会の対応だと思います。
【海老澤委員】 今まさにおっしゃったことは、調布市で教育委員会と、医師会とあわせて、共同作業をしていきましょうと話し合っているところです。そうでないと、教育委員会からちゃんと学校に全部指示が出て、かつ、その出てくる管理指導表の質をしっかりしていくというのを医師会とやっていく、そういうことと、あと緊急時にどうするかということ、あわせて、これはもうセットでやっていかないと、絶対だめだと思います。
【柳澤委員】 そのとおりなのです。で、現場はそうしてほしいのです。でもなかなか動いてくれないというところと。
【海老澤委員】 だから結局、調布市も教育委員会から言っていないから、現場が困ってしまうのです。それで事故が起きたら現場の先生たちが責められると、それじゃだめですよというふうに、私は申し上げていて、だからそういう報告をきちんと文部科学省に上げて、先ほど今井委員が言ったように、全国でそんな状態なので、それを全国できちんとやっていけるように、僕たちがどうしたらいいのかということをこの会で議論していくというのが一番重要なのではないでしょうか。
【西間座長】 何かもう結論を出してくれたような感じですね。
【海老澤委員】 すみません。
【西間座長】 どうぞ、養護教諭の立場からですか。
【古屋委員】 私も調布市の報告を聞いて、すごく養護教諭としてショックを受けました。
【西間座長】 でしょうね。
【古屋委員】 きょう私もこのガイドラインが出るだろうと思って、学校から持ってきました。山梨県は各校2冊ずつ、確かに学校に来ました。そしてこの管理指導表についても、インターネットで取っていて、保護者に「食物アレルギー対応の必要なお子さんは」ということで提出をお願いしています。そして次に、甲州市のガイドラインで、これにつけ加えて、保護者が記入する調査票をお願いしています。
 甲州市の場合は給食調理場がセンター方式が多く、栄養士の先生も兼職です。今、私のいる学校でも2校を兼務しております。各学校に1名、栄養士の先生、または栄養教諭の先生がいる学校というのは、すべてではないと思います。
 そういったわけで、これはつくるときに、私が平成22年度に養護教諭の代表で市の役員をしたときに、養護教諭全体で、養護教諭の立場から内容について検討しました。栄養士の先生方は市としてどういうことが必要なのかということで、ガイドラインをとりあえずつくってみようということになり、行政は何をすべきかということで、行政はまず、この市に何人、食物アレルギーを持つ子供がいるだろうかというところから把握してくれなければ動けないということで、取り組んでいます。
 まず、就学時の健康診断のとき保健調査票に食物アレルギーの欄を設けています。そして次に、2月、3月に行われる学校での保護者説明会のときに、それを役立てようということで、食物アレルギーのあるお子さんの保護者と面談をします。その面談は栄養士、それから養護教諭、給食主任が校内でやっています。それで、「食物アレルギーの対応の必要なお子さん」は、市の教育委員会で出される調査票や、学校生活管理指導表を提出してくださいとお願いし、対応をするということにしています。
 このような流れで対応していますけれども、入学時に保護者と面接するときに、とても困ることがあります。調査票の中に医師の診断に関する問合せの同意書というのがあります。ここに「同意する」と書いてくださる場合には主治医と連絡がとれます。主治医と連絡をとると、主治医の言ってくれることと、保護者の申出に食い違いがある場合です。そこが1点目。
 そして2点目ですけれども、保育園や幼稚園から上がってくるときに、保育園ではどうしていたかを保護者に聞くことがあります。保育園の実際の対応の内容と保護者の意見が違う場合があるということが二つ目の困ることです。
 そして、あとここにありましたけれども、保護者は学校に来たら自分の子供だけ違ったものを食べているということで心配なさいます。いじめられるのではないかとか、あの子だけ違うということで。でも、それは担任がきちんと話をすれば子供たちもわかってくれますし、周りの子供たちも「何々ちゃんは何を食べてちゃいけないんだよね」というふうな形で接してくれます。ですから、その面ではクリアできるのです。
 学校の中でもエピペンを持って来る子が最近増えています。保険適用になったということもありまして、前任校では、校内研修でエピペンを持つ子の主治医の先生が来てくださいました。研修をして、先生たちが言うことが、悩みが増えるということです。症状の見極めをどうするかということです。
 養護教諭としても、そういう緊急の現場に直面していたこともないので、研修は何回も受けますけれども、やはりいざとなると不安があります。ですから、養護教諭がいなかった場合には、担任がということになると心配や緊張が大きく、現場としては非常に今、悩んでいます。
 それから、あと連携ということで、エピペンを持つ子の主治医の先生が来てくださったこともありますが、校内研修に来てくださる先生がなかなか見つからないこともあります。年1回は職員も校内研修を受けていく方向にはしたいのですけれども、そういった先生が見つからないということも、また悩みの種です。
 そしてもう一つ言えることは、校内の中での緊急時の対応として、やはり、海老澤先生がこのガイドラインがとおっしゃったのですけれども、対応をするときに、多分これは保健室の中にあると思うのですが、もう少しこれを何というか。
【西間座長】 コンパクトなものですか。
【古屋委員】 コンパクトなやつがあれば、さらに先生方にお話しするのにしやすいなということは思いました。
 以上です。
【西間座長】 ありがとうございます。
【海老澤委員】 今、相模原病院でこういうコンパクトな冊子というのは、患者さんたちに今お渡ししているのです。だから、日本アレルギー学会とかでも、こういうわかりやすいフローチャートで症状3段階くらいのこういうようなもので、あと薬のこともきちんと書いてあるようなものとかをつくっていかなければいけませんねということで、今、準備しています。そういうこともまた文部科学省にお役立ていただければと思います。
【西間座長】 それは、今度みんなに配ってください。
【海老澤委員】 はい、わかりました。
【西間座長】 まだ発言されていない方、きょう最終には自分の存在を示して帰ってくださいね。
 はい、どうぞ。
【林部委員】 大阪狭山市、3月まで学校給食にかかわっていたのですけれども、ちょっと3月いっぱいで定年退職ということで、今現在、嘱託で学校教育のほうで勤務している者です。
 大阪狭山市では、平成22年の9月から、ちょうど私が4月に給食センターへ変わりまして、その当時から給食のアレルギーを除去食ということで対応しているのですけれども、本市はセンター方式を取り入れておりまして、給食では先ほど言いましたように、本市は隣の市、堺市などとは全然やり方が違いますので、これと言うのはなかなか難しいものがあるのですけれども、本市の場合は先ほどありましたように保護者に面談を、学校では校長、教頭、養護の先生、担任の先生、それから給食センターで栄養士、栄養教諭、あと職員を入れながら、大体保護者というのは給食のアレルギー云々(うんぬん)よりも、まず給食というものをどういうものか、なかなか把握されていませんので、写真や現物を持っていきながら1時間かけながら説明をして、それからアレルギーの話をしています。
 本市の場合、先ほどおっしゃっています管理指導表なのですけれども、保護者に提示を求めまして、原本は学校で管理していただきまして、給食センターはそのコピーを頂いております。それに基づきまして給食の提供をしているのですけれども、一応給食を始める前には、本市の場合は除去食の容器に入れまして、名前と、それからシールで卵とか、牛乳とか、この子は何かわかるようにシールで張りまして、それを給食センターから学校へ配送しているのですが、職員室で管理職の教頭先生や校長先生が確認をして、確認印を押すファイルをつくっております。それとあと、1か月ごとのファイルを担任の先生にお渡ししまして、例えばAクラスの誰それが、いついつの献立はどういう除去食ですよというものをお渡ししまして、担任の先生が食べたときにちゃんと食べているかというのを確認していただいて、確認印を押していただくというシステムをとっております。それを1か月ごとに給食センターのほうに返していただくという、給食センターから学校へ届いた場合、学校がどういう形でやっているかというのがなかなか見えませんので、そういう方式をとっております。
 それと同時に、学校の担任の先生、特にアレルギー除去食を申請されているクラスの先生とか、養護の先生を給食センターへ来ていただいて、アレルギーについての勉強会をしたりしております。また学校によっては、特に4月になりましたら新1年生が入ってきたり、先生もかなりかわられますので、学校から除去食の話をしてくれという要望がありましたら、学校へ出向きまして、そういう形の意思統一をさせていただいているのが現状でございます。
 それと、本市の場合、普通の給食以外にバイキング給食というのを取り入れておりまして、年間通じて小学校には1クラス3回のバイキング給食を取り入れています。その中にもアレルギー対応しておりますので、メニューについては2か月から3か月に1回変わりますので、事前に献立表とその写真を、アレルギーを申請されている保護者と学校のほうに送りまして、バイキング給食の前までに保護者のほうで給食センターに直接電話で確認をしながら体制をとっております。
 あと、緊急対応ということで、本市の消防署と学校との連携をとっておりまして、各学校には、それぞれ様式が違うのですけれども、緊急時の対応という形で、その子供の診察番号とか、主治医の名前を書いたものを校長先生の机のところに置いてあるという形の緊急体制をとっているのが、今現状でございます。
 まだまだいろいろ、特に年度変わりのときには一番気をつけなくてはいけないのですけれども、これからいろいろな部分で勉強しながら、まだ完璧というのは行かないのですが、取り組んでいきたいと思っております。
 以上です。
【西間座長】 ありがとうございます。
 あとお二方、はい、どうぞ。
【齊藤委員】 山形県教育庁スポーツ保健課の齊藤と申します。私は平成18年度より県教育委員会に栄養教諭として在籍しておりますが、それまでは小学校に勤務しておりました。「学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン」が発行されましたときには現職に就いており、ガイドラインの活用に当たっては配慮すべき点があることから、県の学校におけるアレルギー疾患対策検討会で協議した結果、留意事項を作成し通知した経緯があります。
 やはり、共同調理場と単独調理場の違いや食数や施設設備の違いがあり、県で対応を統一することは難しいので、ガイドラインに示されている対応レベルを参考にしていただきながら、子供の命を守るという視点から、無理な対応による事故が起こることのないよう、調理場の施設設備、人員に応じた最良の対応を検討するよう指導してきたところです。
 また、現在対応している児童生徒だけではなく、給食で初めて食べて食物アレルギーが発症する可能性もあるので、現在対応必要な児童生徒がいなくても、万が一発症した場合の体制を整えておくこともお願いしているところですし、さらに機会を捉え継続していきたいと思っています。
 山形県教育委員会では、学校における危機管理の手引きを作成しており、平成25年3月には学校給食編を発行しました。学校給食については、食中毒等防止のため衛生管理の徹底が必要ですので、その内容に加え学校給食における食物アレルギーの対応についても記載しました。その際、ガイドラインを参考にさせていただき、さらに学校給食調理後から児童生徒の食事までの留意点も記載したところです。
 先ほど申し上げましたように、市町村などによって実状が違いますので、市町村として、学校として、どのように対応するのか、調理場ではどのように対応するのか、市町村などにおいて基本的な対応方針を示し、共通理解を図りながら対応することが大切だと思います。
 また、保護者の要望をすべて受けることは難しいですし、この児童生徒には対応したけれども、他の児童生徒には対応しなかったということがないよう、市町村として方針を定めて対応することが、事故を防ぐことにつながると思います。
 県教育委員会としても危機管理の手引きを発行しましたが、配布して終わりではなく、活用してこその危機管理対応だと思いますので、研修会などの機会を捉え、より学校現場で役立てられるよう指導していきたいと思っています。
【西間座長】 川元さん、最後のトリですよ。
【川元委員】 はい。横浜市教育委員会、川元です。
 横浜市では、給食の食物アレルギーの対応のために、すでにマニュアルをつくっていました。しかし、「学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン」が出たことで、アレルギー疾患が食物だけではないなということが示され、アレルギー疾患のある全部の児童に対する対応を行っていかなければいけないということから、「アレルギー疾患の児童・生徒対応マニュアル」を、平成23年6月に作成いたしました。
 この作成に当たっては、今井先生、海老澤先生、他たくさんの先生方に内容を御指導いただき、今、これをもとに各学校に周知徹底をしているところです。横浜市は御存じのとおり学校数が大変多く、小学校だけでも約350校あります。
 ただ、共同調理場方式ではなく、全部自校方式でやらせていただいております。数が多い分、現場の対応も大変ですがマニュアルをまず使っていただくということが大切と考えています。
 生活管理指導表を出していただくだけではなく、保護者からの対応依頼表も書いていただき、面談を必ずして、それをきちんと記録に残す形をお願いしています。そのことも全部マニュアルの中に記載させていただいています。しかし、350校ある中で、給食の施設も、調理に携わる人員も、アレルギーの児童の数も全部違いますので、すべての要望を引き受けるというわけにはいきません。引き受けられるものと引き受けられないものをきちんと学校ごとに判断しながら、できないものはできないという決定をしていかなければいけないと考えています。校長先生が最終的には決定を下すわけですが、その点を研修等できちんと周知していかなければいけないということを感じています。
 マニュアルを出しただけでは浸透していかないので、それぞれの職種に合わせた研修が必要であると思っております。まずは、管理職である学校の校長先生にこれを読み込んでいただくということが第一で、次に教職員に対する研修をしていただくということが必要だと思います。また、どんなに気をつけていても、食べたことがないお子さんがいて事故が起こるという事例もありますので、いざというときの対応ができるような研修を市教委でも行っておりますが、その研修ももっと進めていかなければいけないと思っています。
 また、栄養職員、栄養教諭に対する研修内容と、調理員に対する研修内容とは違うと思いますので、対象者に合わせた研修をきちんと行っていく必要があると思います。
給食での対応については、横浜市のマニュアルの中には、調理作業手順という形で載せさせていただいており、教室にいる子供たちに確実に届くための流れも載せさせていただいております。ここでは「ヒヤリ、ハット」なども活用しながら、こんなところで事故が起きやすいというところをきちんと現場に知らせながら、研修を行っていく必要があると考えております。
 作成したマニュアルは、これで完全ということはないと思います。今回の調布市さんの事故を受けて変えていかなければいけないところが出てきているかもしれないですので、内容についても今後検証していきたいと思っております。
 以上です。
【西間座長】 ありがとうございます。
 一応皆様、全部お話はいただいたのですけれども、まだまだ話し足りないこともたくさんありましょうし、それからお聞きになりたいこともおそらくたくさんあると思います。これに関しましては、いろいろな質問・疑問等はどこに集めればいいのですか。きょう聞いた中でも、やはりここを確認したいなというのは多分幾つもあったろうし、それから皆さんそれぞれ実践されていて、いろいろなことをされているみたいですから、その資料の収集とか、それはどこにでしょう。
【小幡室長】 はい。事務局のいつも連絡させていただいているところに、メール等で、何でも結構ですので、いただければ。
【西間座長】 そうですね。きょう言い足りなかったこととか、それぞれの委員にお聞きしたいことは、そこに出しましょうか。時間が過ぎておりますので、そういう形で処理をしたいと思います。
 いずれにしましても、昨年12月の出来事で家族が非常に不安になっていることは、これは当然そうなのですけれども、それと教育現場が本当に不安になっていて、それぞれにいろいろな職種がありますが、皆さん一体どうすればいいのだということで、早くどういう形か決めてくれ、指示を出してくれ、もしくは今回一体何が起きたかということを早く知らせてくれという要望が非常に強いのです。
 それは、医者もそうなのです。実際、身内のことを言うと何なんですけれども、私達も食物アレルギーで重症な、強烈なアナフィラキシーを起こして大変なことになるのは、それはもうたくさん診ていたけれども、亡くなるというのはなかなか経験がないのです。何とか助かっていて、だから逆に言えば、少々食物アレルギーでショックを起こしても、「まあ、死ぬことはあまりないよね」と、「ハチとか薬物は別だけど、死ぬことはあまりないよね」と言っていたら、今回どう見ても食物アレルギーで亡くなっている。それも極めて短時間に亡くなっているというので、医療者側も相当不安になっているのです。死ぬかもしれないというのは、もう非常に恐怖です。症状が出ても、「まあまあ、もうちょっとたったら、よくなるからさ。」とか言っていたのが、それじゃ済まなくて、そばで注意深く見て「血圧は、何は、酸素は、えっと薬は、あった、あった」とかいう、そういうふうに、やはりバタバタなるのです。前と明らかに医療現場も、食物アレルギーの患者さんが来たときの対応が、やはり慎重になったというか、構え出したのです。
 そういういろいろなことを今度のことは含んでいますので、早い時期、中間報告のとき、少しでもまとめられたらということがございます。ですから、相当急いでやらなければならないわけです。
 義家大臣政務官は、今のお話を聞かれて、燃えてきますか。
【義家政務官】 はい。私は高校の教員だったので、あまりそのアレルギーとか、給食とかというのはかなり無縁ではあったわけですけれども、現実に今現場のお話をお聞きしながら、非常に大変だろうなというところは肌で感じた次第です。
 例えば、変に都市伝説みたいに流れるところが保護者間であって、何か私が聞いたところでは、アレルギーと嫌いなものを全部混同しながら、学校現場の担任や保健の先生や栄養士に要求してくるというような具体的な声もこれまで聞いてきました。
 私の小中学校のころは、何でも、残して食べさせられたのですよね。それってとてつもなく危険なこと、今この話を聞けばですが。
 私も卵アレルギーだったのです。卵とか食べると湿疹(しっしん)が出たのですけれども、先生に言ったら、「それは鍛え方が足りない」と。で一生懸命、そういう時代だったわけで、やはりアレルギー体質というのは増えていますか。
【西間座長】 明らかに増えていますね。
【義家政務官】 その要因が一体何なのかということも含め、これは厚生労働省のあれでしょうけれども、本当にこれは省庁またいで対応していかなければいけない重要な課題であろうと思います。文科省としてできることはしっかりと取り組んでまいりたいと思います。今後とも御議論をよろしくお願いいたします。
【西間座長】 ありがとうございます。
 ということで、きょうは終わりたいと思いますが、事務局から今後の予定を説明してください。
【小幡室長】 先ほど年間のスケジュール案というのは御説明させていただきましたが、第2回、第3回ということで7月中に開催させていただきたいと思っておりますが、事前に委員の皆様の御予定を伺ったところで、なかなか皆様お忙しいということで、全員が出席できる日というのがなかなかなかったわけで、できるだけ多くの委員が集まっていただけるということで、座長にも無理な日程調整をお願いしまして、次回、第2回につきましては7月3日水曜日13時30分から、また第3回につきましては7月29日月曜日13時30分から開催をさせていただくような形で、今のところ考えているところでございます。
 また改めまして場所等も含めて、詳細につきましては後日お知らせをさせていただきたいと思っております。
 なお、本日の議事録につきましては、後日委員の皆様に御確認をいただいた後に、ホームページに掲載させていただく予定としておりますので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。
【西間座長】 局長はよろしいですか。いいですか。
【小幡室長】 事務局からは以上でございます。
【西間座長】 それでは、どうも長時間ありがとうございました。

―― 了 ――

 

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