平成24年11月14日(水曜日)10時~12時
文部科学省東館13階スポーツ・青少年局会議室
朝原委員、北村委員、柴田委員、平尾委員、平野委員、間野委員、宮嶋委員、山口座長、上村協力員、河野協力員
久保スポーツ・青少年局長、山脇審議官(スポーツ・青少年担当)、杉浦競技スポーツ課長、大槻スポーツ政策調査分析官
○:委員、協力員、説明員(随行者からの補足説明を含む)
△:事務局
○10月16日から19日までの4日間、日本オリンピック委員会(JOC)において、今回のロンドンオリンピックの検証を実施した。2016年リオデジャネイロオリンピック、2020年オリンピックへ向けた戦略プランを含めて、各競技団体と議論した。これまでに24競技に対して実施し、来週、2競技に対して実施する予定。ナショナルトレーニングセンター(NTC)と競技別NTCは競技力向上に大きな効果があったことが改めて確認できた。ただ、今後さらなる充実や改善の必要性もある。競技団体から出されている要望には、例えば、競泳では、NTCのプールを一般開放していることなどから、フルで使えないという現状や、水深がオリンピック標準では3メートルなのに対して、2メートルしかないなどの課題もある。提出したアンケートの結果は、こうした課題に対する改善やさらなる充実を望む声が反映されていると思う。その他については、おおむね良好だった。
○プールについては、民間の方の利用の際、安全確保などのため、水深を変えたり、飛び込みの下のプール底に台を置いたり、それを練習の際に取り除いたり、ということを行っているとも聞いている。また、プールの深さについては、今、御説明があったように、「オリンピック本番と同じような環境」とは異なる背景がある。
○プール全体は可動床になっているため、深さをゼロメートルまでできるかはわからないが、床を上下させるのに何分もかかるし、台を入れているまま可動床を動かすことは無理なので、台を全部出し入れするため時間がかかっているのではないかと思う。また、水球も同じ国立スポーツ科学センター(JISS)のプールを使っているので、たまに水球と競泳の時間配分が難しいこともある。できれば、水球について別のNTCを作るか、または、3メートルのプールをもう一個作ってもらうか、何か措置をしてもらえるとありがたいと思う。それが無理なのであれば、他のプールをできるだけ早い時間から開放してもらうなど、連動してもらえれば、もっと有効に使えると思う。
○水球は、水中の格闘技と言われているように、深さをかなり深くしないと難しい。
○前回の御議論の中で、マルチサポート事業におけるサポート活動の実績の増加について、スタッフ数の増加によるものなのか、それとも活動数の増加によるものなのかという御質問があったため、御説明する。平成22年度のサポートスタッフの実人数は32名で、平成23年度が36名ということで、それほど増加はない。したがって、活動数が増えているということになる。
○「栄養」については、確か日本体育協会がスポーツ管理栄養士を養成していると思うが、「心理」や「マネジメント」、「映像技術」などは、どういうバックグラウンドを持った方が来ているのか。
○「スポーツ心理」については、日本スポーツ心理学会が認定している資格を取得した、スポーツ心理の専門の方が来ている。
○スポーツメンタルトレーニング指導士か。
○その通り。「マネジメント」については、多様な方がおり、語学系など非常に多岐に渡っている。スポーツに特化した資格というよりは、それ以外の分野の、資格を持っている方も多くいる。「映像技術」については、資格ではないと思うが、例えば、テレビ局で映像を専門に働いていた方とか、おおむねIT関係の方が多い。
事務局より、報告書(案)の内容について、「1.はじめに」「2.競技結果」「3.国立スポーツ科学センター」「4.ナショナルトレーニングセンター」「5.マルチサポート事業」「6.おわりに」という構成としたこと、これまでの会議における委員等からの指摘事項や、配付資料の内容を盛り込んだことについて説明があり、さらに、その内容について説明が行われた後、質疑応答・意見交換が行われた。
○「競技団体への「NTC中核拠点・競技別NTCの効果」アンケートについて」という表について。アンケート手法には、基本的にいくつかのねらいがある。宣伝やプロモーションのために実施するのか、自分の仮説を正当化するために実施するのか、あるいは調査をするのか。手法上の限界はあるので、自由記述で実施するのが一般的。「大会本番と同じような環境(器具等)で練習できたことは有効であった」というのは88.2パーセントであったということについて、どういう意図があって引用するのか。自由記述に関する説明を全部カットしているため、先ほどの御説明がなければ、100パーセントから88.2パーセントを引いた数は有効でなかったと解釈されるおそれがある。何らかのコメントをつけておかないといけないのではないか。水泳については、先ほどの御説明では、大会本番と同じような環境であったとは言えないので、そのままこのアンケートの質問事項には答えにくいと、そういう内容であったかと思うがどうか。そうすると数字だけが一人歩きするため、一般的な論文と同じなので、検証するからにはこちら側の意図を明確にした方がいいのではないかと思う。
○このアンケートのサンプル数はいくつか。
○17。
○このパーセントは、自由記述で実施した回答を分類したものか。それとも、最初から「有効であった」と答えた回答をまとめたものか。
△まとめる前の資料によると、例えば、「常時優先利用できる練習環境は有効であったか」という質問に対し、「はい」「いいえ」「どちらでもない」という回答がある。このパーセントは、「はい」の回答数を集計したもの。
○「どちらでもない」という人もいるため、そういう選択肢を書いて、「はい」と答えた人がこのパーセントであったと書いた方が良いと思う。
○引用するときは「区分」というよりは、「質問事項」と書いた方が適切ではないか。
○自由記述については、「競技団体への「NTC中核拠点・競技別NTCの効果」アンケートについて」という表の下の文章にある「・」の箇条書き部分で記載していないということでよいか。
△当該部分には、電話で確認したときの回答内容を記載した。
○電話をしたのは。
△JOC。
○自由記述については、「中核拠点に対する各NFの要望としては、併設するJISS 診療機能の夜間・休日でのフルサポート化や本番と同等の施設の整備、練習施設・共用スペースの拡充などがある。」と書かれている。
○出典がわかりにくいので、明らかにしてもらいたい。
○NTCが、「今大会でメダルを獲得した競技のトレーニングに大きく貢献したといえる」という記述に関し、フェンシングの人たちは御自分でも「JISS、NTCを一番利用しているのは自分たちかもしれない」と言っていたので、フェンシングを競技の例示に入れていただきたい。ヨーロッパが主流の競技でメダルを取れたということは評価すべきことだと思う。
○確かフェンシングはNTC中核拠点に専用施設があると思うが。
△その通り。
○言葉の問題だが、「本報告書は、前回の第29回オリンピック競技大会(2008/北京)(北京オリンピック)から今回のロンドンオリンピックまでの」という記述について、読みようによっては、北京オリンピックを「含めて」と読めるのではないか。「第29回オリンピック競技大会(2008/北京)(北京オリンピック)後、今回の」、とした方が、誤解がないのではないか。それから、「NTC・JISS(専用トレーニング施設)競技別利用日数(H20~23)」のグラフの後の文章に、「NTC中核拠点がある競技」と書いてあるが、読みようによっては別々の場所にあると読めなくもないため「NTC中核拠点に施設がある」とした方が正確なのではないか。
○報告書案の図表はすべて「表」と表記してあるが、「表」と「図」を書き分けた方がよい。
○「マルチサポート・ハウスの機能別利用者人数」について、一番利用者人数が多いのは、「リカバリーミール」で、二番目が「リカバリーボックス」だが、その中身がはっきりしない。それぞれが何なのかを、どこかに書いておいた方が良いのではないか。
○今回マルチサポート事業に帯同したドクターやトレーナーから「マルチサポートは非常に良いが、JISSに無いものがあり、初めて使うので怖かった」「日本人選手は日本と同じ環境」と書いてあるが、「同じ環境ではなく、やっぱり特殊だった」という話を聞いた。高気圧カプセルなどをJISSでも利用できるように、逆に言えば、JISSの方にそういうものを普段から整備して、同じようにしていくということを書き込んではどうか。
○高気圧カプセルは現在JISSに入っていないということか。
○マルチサポート・ハウスで活用した高気圧カプセルはポータブルなので、合宿や遠征に持って行っている競技団体は結構ある。JISSやNTCに恒常的に設置するかについては、別の議論が必要。その他、交代浴のプールなどについては、NTCの中に設置をして、いつでも使えるようにしている。
○マルチサポート・ハウスに関して、「日本人選手は日本と同じ環境でリラックスしながら、次の試合へ向けて準備している様子も見られ」と書いてある。4位から8位のような入賞圏内にある人たちがメダルを取るためには、こういうマルチサポート・ハウスは非常に有効だったと思う。しかし、本当に金メダルを取ろうという人たちにとっては、マルチサポート・ハウスは、あまりにも温か過ぎると言うか、日本そのままと言うか。金メダルを取るときには、アドレナリンが出て、いつも以上の力が出るような、何かが必要。それが何か考える必要があるのではないか。マルチサポート・ハウスを否定するわけではない。「確実にメダルを獲得するためのアドバンテージを得る機能についても検討していく必要がある」と書いてあるが、具体的ではない。自らが闘争心をかきたてるような環境をオリンピック村の中にも見出せるように指導していくことも重要だということを書く必要があるのではないか。
○普段のトレーニングや合宿等でそれを出すことは非常に大事なこと。ただ、それを出し切るためには、ある程度の調整は必要。いくら良い力を持っていても、出し切れなかったら力がないのと一緒。そういう厳しい環境にオリンピックの直前に置いた方が良いのかというと、残念ながら厳しいと思う。練習環境の中で、例えば、NTCの中に体験するためのトレーニング施設を作るとか、あるいは、山の中、本当に隔離した中で合宿をやらせるとか、そういう施設を作っていただければ非常にありがたい。野山を使ったサーキットトレーニングができるなど、自然を使って自分の感性を磨くような場所を作るということは、次の世代、次からやらなければならないことだと思う。
○実はこのマルチサポート・ハウスについて、ある冬季競技種目の選手何人かと話をした。その競技種目は、今まで、自分たちのNFで村外サポート拠点を毎回作っていた。ある監督2、3人から、「ハウスがあると心地良いため、そこにこもってしまい、良くない」という発言があった。調整はそこですれば良いが、選手村に出ていて、海外の選手と触れ合いながら、自然に自分の心の中から燃えていくものがあり、試合で使えば120パーセント発揮できるのだろうという内容を言っていた。トレーニングの後、最後の最後、調整をしたその後だと思うが、闘争心をかき立てるための環境をもう少しプラスアルファで考えていく必要もある気もする。
○そう思っている人はマルチサポート・ハウスには来ないと思う。ここが居心地いい人もいれば、選手村の強豪と一緒にいて闘争心かきたてる方がいいという人もいると思う。マルチサポート・ハウスを設置して、こういうサポートをしている、そこがうまくいったという話なので、そういう記述をすると、表現として非常に難しい。
○闘争心を上げるために例えば、マルチサポート・ハウスで、今までのメダリストの映像や、アドレナリンが上がるような他のVTRを流しておくということは良いことだと思う。そういう映像を見ると、「自分もこういうふうになりたいという気持ちを持っていたのか」と思う選手もいるだろう。今までの映像や、ロンドンオリンピックで初めにメダルをとった人の映像をマルチサポート・ハウスに行けば何度も見ることができるようにすると、また別の使い方ができるかと思う。
○そのような監督の意見は、完全に個人的な主観やその選手の印象などが大きく影響しており、少し論理性に欠けるところがあるのではないかと思う。環境が良くなるということは、成績をあげる絶対的な条件なので、おそらく、それを取れなかったときにいろいろな言い訳をする人も出てくると思う。それを気にしていると、このプロジェクトはなかなか進まないのが現実ではないか。あくまで、これは監督の選手個人への印象や、主観的な考え方として解決すべきことではないか。
○研究開発について、フェンシングでは、メダリストや団体競技において、開発したシューズを履けていない選手もいる。本当にトップアスリートになると、企業スポンサーがついており、他のメーカーは履けないとか、そういう制約があったらしい。よって、今後の課題のところに、スポンサー問題をどうクリアしていくのかについて書く必要があるのではないか。
○フェンシング用のシューズは、団体でメダルを取った選手が履いていることは確かめている。例えば、ストップが必要だという選手には、足の裏側にストップをかけやすいような、あるいは、足の癖があり内側が非常に減ってしまうとか、内側にストップがかけやすいとかそういう選手にはそういう形で改良していると聞いている。これについては、過日、選手から直接話を伺っている。フェンシングは、シューズだけではなく、ヒルト、要するにグリップなどについても特別な開発をしており、これについても手首の動かし方など、非常に有効であったという話を聞いている。全員から話を聞いているわけではないので、何人かには、御指摘のあったことがあろうかと思う。また、企業と連携してこういったことを進めていくわけだが、当然、今回の筑波大学の取組は、産官学、特に産業界と一緒になってやっていく新しいチャレンジなので、どういった表現で今の御発言を書いていくか。一つの知見として考えられるポイントだと思う。
○補足だが、御指摘のことは、今後課題になってくると思う。フェンシングの選手のうち、スポンサーが付いていた選手は、本人が「別のメーカーを履きたい」とうことで、違うメーカーのシューズを選んで履いた。それ以外の選手は、スポンサーがついていなくて、開発ができなかったという実情があった。そこで、マルチサポート事業で開発し、そのシューズを使ったという経緯がある。最終的にはアスリート・ファーストということで、選手が選ぶ、ということが重要な点になってくると思う。これはすごく重要な点だと思う。
○フェンシング用のシューズは、団体でメダルを取った選手が履いていることは確かめている。選手のプレースタイルに合わせたフェンシング用シューズや、選手の要望を取り入れた形状のヒルト(グリップ)の製作などを行った。選手からは、「満足している」あるいは「最高だった」といったようなコメントを得ている。筑波大学の取組は、筑波大学が主管校となって、国内の大学、研究機関、民間企業と連携して、オールジャパン体制によるマルチサポート・システムを構築することであり、産官学の連携・協働という日本トップスポーツ界初のチャレンジでもある。そのチャレンジをポジティブに捉えて、課題を整理する必要があると思う。スポンサー問題をどうクリアしていくかについてもそのひとつとして考えられるポイントだと思う。
○新しい用具、機器を開発すると、契約やスポンサーが出てくる。いろいろな課題が今回、出てきていると思うので、アスリート・ファーストということも入れながら、課題のところには書くのかと思うが、反映していただければと思う。
○「6.おわりに」だが、「スポーツ界のみならず、国民全体のコンセンサスを得ながら進めていくことが必要である」と書いてある。どう補強するか。仮想市場法という方法もある。正に、今回この3つの事業をやってメダルにつながった。競技者視点で見ると良い報告書だが、国民視点で見るとどうなのかと思う。もう一点、「競技別NTCの競技種目の拡充、それらと連動したマルチサポート事業の充実等、さらなる充実に向けた方策を検討」とあるが、その「等」について、例えば先進国がやっているような、寄宿舎の整備や、デュアルキャリアなど、次のリオデジャネイロオリンピックまでに盛り込みたいようなことについて、芽を出しておいた方が良いのではないのか。韓国は「ネクストジェネレーション・スポーツタレント財団」という財団を作ってかなり始めている。
○韓国体育科学研究院(KISS)の前所長がそこの所長になっている。
○こういう取組が良いというわけではないが、次やりたいことについて、芽出しをしておくと良いと思ったところ。
○何回目かの会議で発言したが、ロンドンオリンピック強化タスクフォースが機能したことは間違いないと思う。どこに書くかは別として、あのタスクフォースは機能して、タスクフォースは継続すべきだというようなことを書いておいた方が良いと思う。
○「6.おわりに」の「コンセンサス」を「理解」としてはどうか。
○全員の「コンセンサス」は難しいと思う。
○低反発マットレスの評判はどうだったのか。選手村に持ち込んで、全選手に入っていたのか。
○選手村で活用していた。全選手ではない。
この後、座長より、本日の会議における意見を含め、報告案の今後の取り扱いについては、座長に一任してもらいたい旨の発言があり、委員から了承された。また、座長より、本検証チームの検証結果について、中央教育審議会における議論の一助としてもらうため、後日、スポーツ・青少年分科会に報告する旨の発言があった。
○自分の思っていることは言えたかとは思う。自分自身も、今後いろいろなことを勉強していきたい。
○今までのオリンピックやロンドンオリンピックで強化がどのように進められていったのかということは、参考になった。今後続けていかなければならない部分と、うまく整理していかなければいけない部分もあると思う。そういうものを見極めた上で、さらに効率が良い強化というものを日本でも考えていかなければいけないと感じた。
○国際競技力を今後伸ばしていく上で、是非しなければならない周辺状況の整備はたくさんあると思う。報告書に盛り込んでいただきたいという気持ちはないが、2つ私見を述べさせていただく。スポーツ界の国際化という問題について重要性が叫ばれて久しいが、なかなか具体的な方策というものが出てきていないのが現状ではないかと思う。例えば、国際オリンピック委員会(IOC)や国際競技連盟(IF)、国際スポーツ機関などで、日本人の役員の方がどれだけいるか、あるいはスタッフの方がいるかというと、かなり少ない状況だと思う。そういった中で、国際的な日本の発言力が低いことによって、日本のポテンシャルは低いのではないかと思っている。そのことによる影響として、日本人に不利な形でのルール改正が行われたり、国際大会の招致といったことに不利な状況が生じたりしているのではないかと思う。例えば、昭和56年からJOCにおいて、スポーツ指導者の在外研修制度が始まっており、既に30年近く経っているが、これは年間10人としても、300人くらいの方が行っていると思うが、例えば、こういった枠、適用範囲を拡充することによって、指導者だけではなく、マネジメントスタッフや、医・科学関係の研究者や、国際審判といった、いろいろなジャンルの方が海外に駐在し、在外研修を受けることにより、国際化の一助となるのではないかと思っている。というのは、指導者の海外研修だけではなく、国際的な人脈を作ったり、国際機関と連携したりするということが必要だと思うので、この部分を少し拡充するというのはいかがかという提案。それから、JSCが実施している能力育成教育というものがあり、海外もしくは国内で勉強する方のスカラシップだが、5人くらいの枠だと思うが、こういったものを拡充することによって、どんどん指導者のみならずいろいろなスタッフが出ていくという機会を作っていただければと思う。ラグビーでは在外研修に審判の方が昨年1名行ったという事実もある。もう一つ、スポーツ振興基本計画で一貫指導の重要性が各競技団体とも取り組まれてきた結果がこの成功につながっていることは疑いのないことと思うし、一貫指導に関しては、JOCとNFが中心となって実施していると思うが、それを少し、上にも下にも拡充していく必要があるのではないか。あくまでも個人の意見だが、今、都道府県の予算は国民体育大会を中心に、トータルすると100億円近くあると思うが、そういったところがインフラとして発掘をする、それにNFが強化・育成をする、最後にそこで世界に通用する選手たちをメダルに直結したマルチサポートで送り出す、といった一貫した連携がとられれば、機能がもっと発揮されるのではないか。つまり、各層の役割の明確化と連携といったものを国として明確に打ち出してもらえるといいのではないかと思う。
○今回、実際検証チームに入って、検証して、JOC、JSCの皆さんの御苦労のたまものだということを強く理解した。これから先、国民の世論をどうこちらにつけていくのかが大事な中で、今回、メダリストが実人数で76人、ということは反対に言うと、210人くらいは何もメダルを手にしていないで帰ってきたわけであり、そういった方たちは極端に露出がなく、忘れ去られていってしまう。そういった方々も、オリンピックに出場するだけで大変な努力をされてきたわけであり、その人のセカンドキャリアの問題、ここをきちんと道筋をつけていかなければいけないのでなないか。聞くところによると、中国には非常にメダリストの方がたくさんいるが、今、言ったような成功できなかったアスリートだけで20万人おり、一人っ子政策の中で大変な問題になってきていると。6歳から預けたにもかかわらず、何もできないままそのまま実家に帰ってきてしまうこともあるという。このようなことは日本では絶対起きてはならないと思うし、そのために、新しい基本計画の中で、好循環、連携事業というものが始まっているが、是非、雇用の場というか、そういったものも用意していただきたい。実際は、オリンピアンの半分は企業が雇用している。ひとつ、アイディアとしてあるのは、公共スポーツ施設だけで、専任で大体10万人くらい雇用がある。そのうち、そういうところで働いているメダリストやオリンピアンがどれくらいいるのかというと、たぶんほとんどいない。第3セクターの試験に受かって、第3セクターの指定管理者になってスポーツ施設で働くということだが、地方自治法の範囲内なので、文部科学省の手が届かないところかもしれないが、そういった指定管理者制度において、望ましい条件の一つとして、オリンピアンがいる、トップアスリートがいるなどということは、国民にとって分かりやすいし、夢を与えるのではないか。総合型もそうだが、そのような施策も考えていただければと思う。
○現場で見ていると、「全部いいね」「よかったね」というだけではいけないと思っており、あえて、こういうところは変わった方がいいのではないかということは、感じていたことを述べさせていただいた。選手が強くなり、メダルを取っていくということは、非常に良いことなので、それを否定するつもりはない。ただ、こういう世界がものすごく小さくなっていく中で、アスリートの果たすべき役割というのは、単にその国のためにメダルを取ればいいというだけではなくなってきていると思う。一人ひとりが外交官でなければいけないと思っており、日本を代表する一人の選手というだけではなく、外国の人と接したときに、きちんとした対応ができるかとか、そういうことも含めてこれからは選手へ教育をしていかなければならない時代だと思っている。それから、先ほどIFのお話が出たが、IFに入っている日本人の数は、人数だけはかなりいる。ただ、実質的に名誉職になっているところが多い。通訳の方を付けていって、御高齢の方が役職を果たしていらっしゃることもあり、実際にIFの中できちんと機能をし、IFを、日本に不利なルールを作らない形でウォッチしながら、運営していくスタッフとしての役割を果たしているかというと、いささか疑問がある方が少なくない。今はNFからIFに行くというのが当たり前の流れになっているが、中国や韓国の場合には、国からIFに行っている方がいるような競技団体もある。IFで何をやるべきという考え、選手と同じだが、対等に他国の人と話をして自分たちに不利にならないように話をまとめていく、そういうことができる方が入って欲しい。そして、選手も一人ひとりが外交官だという意識を持ってやっていって欲しい。そういう思いはすごく強く感じている。
○今、JOCは検証を終えたところで、これから情報戦略チームが各競技団体とももう1回話をし、今回のことをきちんと検証して、次のリオデジャネイロオリンピック、そして2020年、来るであろう東京大会に向けて、もう1つはボールゲームについて、特別な強化プランを作っていただかないと、これは非常に厳しくなると思う。ぜひその3つの強化プランを今年度中に作り上げて、皆さんと一緒にいろいろなことをやりたいと思う。そのためには、今お話があったようなことをきちんとやっていかなければならないと思うし、指導者の養成がすべてに尽きると思う。NFの体質強化、これをしなければ、いつまで経ってもここで議論していることと同じことをまた次の回でも議論しなければなくなってしまうと思う。よって、是非、NFの体質、体力の強化と言ったらいい良いのか、組織力の強化を、図っていかなければならないのではないかと思っている。是非、御検討をお願いしたい。
○スポーツ基本法で国の責務をスポーツに関してうたっていただいた初めてのオリンピックであり、そしてスポーツ基本計画がある。そういった変わった後の状況でこういった検証チームを作っていただき、国の取組を明確にしていただいた。国の責務というのは非常に重要なものと感じている。そういった意味で、こういったアクティビティがますます前向きな意味で活発になると良いと感じている。
○国のスポーツの向かう方向が、すごくこれから大事だと思った。国民全体のスポーツに関するコンセンサスという言葉が出てきているように、「メダルをとればそれでいいのか」と言うと、それに国民は感動するのだろうが、それで選手が社会に出て役割を果たせるかというと、それは分からないと思うので、どのように選手を育成し、選手を強化していくのかということが、これから大事なことだと思う。国際的な選手を作るにしても、もちろん競技力は必要だが、社会にしっかりと溶け込んで社会に出ても活躍できるような選手ができるような策を織り込んだ強化策や、育成策というものが、これから大事だと思う。2回目のときに発言させていただいたが、マルチサポート等々で効率的に議論するために、現場の選手と指導者と強化の担当者とのコミュニケーション、連携が、うまくいけばもっと効率的な強化ができるのではないかと思った。
○検証と言ったときに費用対効果という話が出てくるわけだが、非常にスポーツにおいては、費用対効果を測ることは難しいし、また、算出すること自体がひとつのフィクションに過ぎないということになってしまうし、非常に難しい。いずれにしても、ロンドンオリンピックは、いろいろな面で過去最多の結果を数値的に出せたということが、いわゆる国家予算としてのスポーツ予算を強化して、NTCなどを充実させて対応した結果だということで、そういう意味で非常に良かったし、こういう形で検証チームがさらにそれをサポートしていくという意味で良い企画であったと思っている。
○ロンドンオリンピックを見ていて感じたことは、選手のパフォーマンスや技術レベルはすごく上がっているが、レフェリーやジャッジが、それについていけていないこと。少しそういう感じがして、国際レフェリーカレッジみたいなものを、NTCに作ってもいいのではないかと思った。こういったところで国際審判員の資格も取れる、リカレント教育もできる、あるいは、グローバル人材を養成できると、そのように感じた。もう一つ、一回、この報告書にマルチサポート事業のDVDも入れたらいいのではないかと言ったが、これは検証をしているのであり、検証チームがプロモーションビデオを入れるのはおかしいと思い直した。ただ、そういうことをあまり知られていないと感じたので、是非、JISSやNTC、マルチサポート事業が、努力していることについて、プロモーションビデオやDVDを、スポーツ団体、あるいは愛好者、国民の皆様に見てもらえれば、もっと理解が深まるのではないかという感じがした。
最後に、最終回にあたり事務局から挨拶があり、会議が終了した。
以上
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