平成21年6月8日(月曜日)10時~12時
文部科学省13F3会議室
野家スポーツ・青少年総括官、坂元生涯スポーツ課長 他
○総合型クラブに文化的な要素を含めるのかどうかは、立ち上げ時のプランニングや意識が大きくかかわっている。
○市場調査の段階で文化的な項目を選択肢に入れると、住民へのPRにもつながる。
○スポーツの中に文化的要素を取り入れると、会員数が立ち上げの段階から2,000~3,000人の団体になってしまい、クラブ側の受け入れ体制の整備が問題となる。
○今まではチーム練習を毎日繰り返すのがスポーツで、総合型クラブもその延長だととらえていた人たちのほうが多い。総合型クラブが、これまでスポーツクラブに参加できなかった人たちも参加しやすい、広く門戸の開かれた仕組みだというためにも、文化的要素を取り入れてきた。
○クラブ間で、会員の奪い合いが見られるところがある。既存の文化系クラブがあるところでは、新たに文化的要素を取り入れた総合型クラブが創設されることに抵抗する地域もある。
○地域住民のニーズ調査等を行わず、データに基づかないで総合型クラブの創設を始めているケースのほうが多いのではないか。
○ニーズ調査は定量的な調査だけでなく、例えば、グループ・インタビューなどの定性的な調査も考えられる。そのような調査を実施せずにクラブを創設することが、住民のニーズとのミスマッチを生むのではないか。
○クラブを立ち上げる側が、地域の事前調査や定期的な住民のニーズ調査をしていない。
○総合型クラブと住民の関係は、きちんと相手の意見を聞いて、住民が欲しいものをつくっているのかという問題に置き換えることができる。
○総合型クラブの創設が、行政からの上から目線での取組ととらえられているのは、まだコミュニティーの醸成というところまで総合型クラブが認識されていないからである。
○総合型地域スポーツクラブの「スポーツ」の与える印象が強い。学校や施設でスポーツ活動をしているクラブが集まって総合型クラブをつくったというのが現実であり、文化系クラブは細々と活動している。
○これまでの総合型クラブは、トップダウン型のイメージを持たれてしまっていたことで現場に混乱をもたらした。参加者最優先の理念に基づいたクラブづくりはまだまだ少ない。従来やってきたプログラムをそのまま押しつけるクラブが依然として多い。
○すべての総合型クラブに拠点があるわけではないので、拠点、クラブハウスの整備が必要であり、拠点を作ることによってクラブが地域に根付いていくのではないか。
○都市と農村の格差は、単に都市が進んでいて農村が進んでいないという問題ではなく、例えば、都市は利便性が良すぎてコミュニティーの形成がしづらいなど都市ならではの問題がある。
○農村地域と一括りにせず、寒冷地区、温暖地区など違う観点からより区分化すると、何かモデル型が見えてくるのではないか。今後の10年では、そういうケースごとのモデル提示に取り組んでいってもいいのではないか。
○地域特性をふまえてどのようなクラブをつくるのかという点で、モデルづくりをすることはいいことだが、コミュニティーを作りたいという発想が重要ではないか。
○地域格差については一言では語れず、人口密度や小・中学校の廃校問題など様々な問題を含んでいる。クラブには適正人数があるように思う。
○会員規模としては、住民の10%である1,000人程度が目標となる。1,000人という数値が一つの目標になれば、クラブハウスを核にしてマネジメントしたり、地域資源をうまく活用しながら、これまでの競技別のチームを取り込んだり、何か新しいクラブライフを提案するなど、今までにないものがそこに根付く。しかしその目標は押しつけでるものではない。
○仮に「住民の10%」という数値目標を定めると、行政が「たった10%のために」ととらえることのないよう、会員外に対する事業もますます取り入れるようにしないと総合型クラブの評価が低くなってしまう。
○総合型クラブが、単にスポーツをして汗をかくだけではなく、クラブに入ることでの利益を共有できることが大切で、それがなければクラブもなかなかなか活性化しない。
○自分の力を還元したり、色々なものをもらったりできるコミュニティーライフというものが必要であるという基本的な考えをどこかで学ぶチャンスがなければ、総合型クラブについても単なるギブ・アンド・テイク、何か得るものがないと入らないという考えになってしまう。
○クラブマネジャーというのは、理念、ミッション、ビジョンをきちんと抱き事務的にとりまとめていく専門職なので、その意味では地元の人でなくてもできるのではないか。逆に、そういう専門職をきちんと配置しようとすると、年間6,000~7,000万円の事業規模で、1,800人ぐらいの会員で、会費が月額3,000円必要になる。このように考えると、数値的な計算は可能である。
○クラブハウスというシンボル的な窓口やクラブマネジャーという人の窓口など、色々な意味で「窓口」が重要になってくる。住民側から見て、スポーツのことは総合型クラブに聞けるという環境作りが求められてくるのではないか。
○小学校の会員が多いと、学校も非常に協力的である。学校と一体となっているようなところが、学校の協力を得ている。
○行政主導でなければ総合型クラブが立ち上がらないのは現実であり、地域住民は総合型クラブの必要性についてまだ十分には理解できていない。
○広域スポーツセンターに関しては、もう少し国主導で進めても良かったのではないか。
○総合型クラブは都道府県等の公共施設の指定管理を受け、財源を確保した上で、クラブのネットワークに対してさまざまな事業を提案し、事業収入をどう確保していくかということが考えられるのではないか。
○地方の時代とはいえ、地方が自立できていない現状を考えると、より中央集権的に取り組んでいく方向に転換することも必要ではないか。
○県が予算化しない限り予算が増えず、totoの助成も受けられないという状況があり、広域スポーツセンターに関しては、新規職員は1人もいない。
○国としては、生涯スポーツ社会の実現のために総合型クラブの提案をし、そのための環境整備や予算措置をしているが、その必要性を感じない人は、スポーツをしている人しか見ていないことが多い。スポーツをしていない人たちがいかにスポーツに参加してくれるか、今スポーツをしている人たちが更にできるようにするにはどうすべきかという視点は重要である。
○生涯スポーツ社会や地域スポーツの振興という国としての大きな取組を、形あるものにしていくためには、やはり国としてのグランドデザインがあって、そして都道府県、市町村のそれぞれのデザインを考えてもらわなければいけない。
○今、国が取り組んでいるのは、各市町村に少なくとも1つは総合型クラブをつくるという目標であるが、これはあくまでモデルであり、今後は地域の住民がそれを参考に地域に合ったものをつくっていく必要がある。
○総合型クラブの必要性について、地域住民を納得させるための材料が不足しているのではないか。広域スポーツセンターが中心となって情報発信やコンサルタント的な役割を果たすべき。
○広域スポーツセンターの機能強化に早急に取り組まなければならない。
○行政からの働きかけが難しいのであれば、体協が人材養成をして、それを広域スポーツセンターに派遣していく仕組みが必要。
○三位一体改革により都道府県や市町村に対する補助ができなくなったことで、都道府県を経由して直接広域スポーツセンターに補助をするということができない状況にある。本来、広域スポーツセンターがやるべき職務が県の体協に移ってしまい、広域スポーツセンターも困っているかもしれない。
○広域スポーツセンターの役割や定義、財源等も含め再考する必要がある。
○スポーツ少年団も含め既存のクラブとの関係をどうするかについて、事業本部制という考え方に立ち、緩やかな連携をする総合型クラブの形があってもいいのではないか。
○コミュニティーをどのようにつくるかということが基盤にないと、クラブはなかなか回っていかない。誰かの情熱にだけ頼る仕組みは極めて危険なので、むしろみんなでお金を出し合い、人を雇う制度を考える必要がある。
○文科系のクラブは、会費を払うことに対して何の抵抗もないが、スポーツに関しては、お金を出してスポーツをすることに強い抵抗がある。
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