CONTENTS
はじめに
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第1章 運動部活動の現況
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第1部 運動部活動の概
第2章 運動部活動の意義
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第3章 運動部活動の現状における課題
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第2部 これからの運動部活動の在り方
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第1章 基本的考え方
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第2章 具体的提案
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1 活動日数・活動時間数について
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2 入部の在り方について
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3 運営の在り方について
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4 顧問の実技指導力の向上とスポーツ医・科学に関する外部の専門家や諸機関の活用について
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5 外部指導者の活用について
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6 複数校合同の運動部活動について
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7 これからの運動部活動と地域スポーツ(社会体育)との関係の在り方について
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8 その他
中学生・高校生のスポーツ活動に関する調査研究協力者
はじめに
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国民が生涯にわたって健康で活力ある生活を送るために,スポーツは極めて重要なものである。とりわけ,青少年が自己の発育・発達の程度にふさわしいスポーツ活動を行うことは,体力の向上など心身の健全な発達を促進するのみならず,生涯を通じてスポーツ活動を実践していく上での基礎づくりや競技力の向上などにとっても大きな意義を有する。
しかしながら,運動部活動をはじめ青少年のスポーツ活動については,一部に勝利至上主義の弊害が生じている例なども指摘されている。
また,近年の生徒(部員)数の減少やそれに伴う教員(顧問)数の減少,生徒のスポーツニーズの多様化などにより,今後運動部活動をはじめ青少年のスポーツ活動をどのように展開していくかの検討が求められているところである。
このような中,本協力者会議は,文部省体育局長による委嘱(平成7年9月27日)を受けて,平成7年度には文部省が初めて行う「中学生・高校生のスポーツ活動に関する調査」(実態及び意識調査)の調査対象・調査方法・調査項目等についての検討を行い,平成8年度には調査の実施と結果の分析,平成9年度にはその調査結果等を踏まえつつ,運動部活動をはじめ中学生・高校生のスポーツ活動の望ましい在り方について検討してきたところである。
その間,文部省の審議会においても,運動部活動の在り方等に関する検討がなされ,平成8年7月の中央教育審議会第一次答申や平成9年9月の保健体育審議会答申で,運動部活動の在り方等に関する指摘(提言)がなされている。
この報告書は,こうした「中学生・高校生のスポーツ活動に関する調査」の結果や,中央教育審議会及び保健体育審議会答申の指摘等を踏まえた,本協力者会議の検討結果を報告するものである。
なお,調査結果の内容が運動部活動に関する事柄がほとんどであったこと,これまでの協力者の意見も運動部活動についてがほとんどであったことから,報告書の内容は運動部活動を中心として記述していることをお断りする。
第1部 運動部活動の概要
第1章 運動部活動の現況
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運動部活動は,学校教育活動の一環として,スポーツに興味と関心を持つ同好の生徒が,教師(顧問)の指導の下に,主に放課後などにおいて自発的・自主的に運動やスポーツを行うものであり,全国の中学校・高等学校等で多様に展開されている。
我々としては,運動部活動にこれまでたずさわられた関係者,そして今現在日々たずさわられている関係者の幾多の御努力に,心から敬意を表したい。
本章では,今,中学校や高等学校においてどのように運動部活動が行われているのか,平成8年に文部省が,本協力者会議の検討を踏まえ,全国の中学校100校,高等学校100校の生徒や保護者,教員など計約5万4千人を対象に実施した「中学生・高校生のスポーツ活動に関する調査」(以下「平成8年調査」と言う。)をもとに,その概要を紹介する。
1 生徒の所属状況等
(1) 生徒の所属状況
調査対象の中学校・高等学校の全てで運動部が設けられ,中学校で73.9%,高等学校で49.0%の生徒が何らかの運動部に所属していた。
1校当たりの運動部数と1部当たりの部員数は,中学校では約15部・約30人,高等学校では約24部・約20人であった。
なお,自分の学校の運動部の活動状況について校長に聞いたところ,中学校で98.0%,高等学校で93.8%が,「活発である」と答えた。
※ 生徒の運動部等への所属状況
| |
中学校
|
高等学校
|
|
全 体
|
男 子
|
女 子
|
全 体
|
男 子
|
女 子
|
|
運動部に所属している者
|
73.9%
|
83.0%
|
64.1%
|
49.0%
|
56.3%
|
41.1%
|
|
地域のスポーツクラブ等に所属している者
|
7.7
|
10.2
|
5.0
|
4.2
|
5.7
|
2.6
|
|
文化部など運動部以外の部に所属している者
|
17.1
|
7.9
|
27.1
|
22.0
|
13.8
|
30.9
|
|
学校以外の文化的教室等に所属している者
|
7.0
|
3.9
|
10.4
|
3.1
|
1.4
|
5.0
|
|
どれにも所属していない者
|
7.8
|
7.6
|
8.2
|
27.3
|
28.1
|
26.6
|
(複数回答可)
また,保護者の学生時代(中学生〜大学生)の継続的スポーツ経験及び現在のスポーツ活動実施の有無と,その子供の運動部等への所属状況には,一定の相関関係が見られた。
(2) 入部の在り方,入部希望者の調整
i) 入部の在り方
生徒に対し,自分の学校における部活動(文化部等を含む)への入部の在り方はどのようになっているかを聞いたところ,中学生では,「原則として全員入部であり,その部の活動の全てに参加することになっている」が54.6%,「希望者だけが入部することになっている」が38.9%,「原則として全員入部であるが,その部の活動の一部にだけ参加すればよいことになっている」が6.6%であった。
高校生では,「希望者だけが入部することになっている」が78.6%,「原則として全員入部であり,その部の活動の全てに参加することになっている」が16.6%,「原則として全員入部であるが,その部の活動の一部にだけ参加すればよいことになっている」が4.8%であった。
ii) 入部希望者の調整
また,校長に対し,「部活動の入部希望者を調整しているか」どうかを聞いたところ,中学校で83.0%,高等学校で95.0%が,「生徒の希望どおりでほとんど調整していない」とした。
※ 入部の在り方
| |
中学校
|
高等学校
|
|
希望者だけが入部することになっている
|
38.9%
|
78.6%
|
|
原則として全員入部であり,その部の活動の全てに参加することになっている。
|
54.6 |
16.6 |
|
原則として全員入部であるが,その部の活動の一部にだけ参加すればよいことになっている
|
6.6 |
4.8 |
※ 入部希望者の調整
| |
中学校
|
高等学校
|
|
生徒の希望どおりでほとんど調整していない
|
83.0%
|
95.0%
|
|
多少調整している
|
17.0
|
5.0
|
(3) 運動部の新設及び学年途中の転部の取扱い
i) 部の新設の取扱い
運動部の新設について校長に聞いたところ,中学校では37.4%が「新設部は原則として認めていない」,26.3%が「指導者がいれば初年度から認めている」と答えたのに対し,高等学校では82.0%が「最初は同好会として認め2〜3年して部として認める」と答えた。
※ 部の新設の取扱い
| |
中学校
|
高等学校
|
|
最初は同好会として認め2〜3年して部として認める
|
14.1%
|
82.0%
|
|
新設部は原則として認めていない
|
37.4
|
10.0
|
|
指導者がいれば初年度から認めている
|
26.3
|
2.0
|
|
その他
|
22.2
|
6.0
|
ii) 学年途中の転部の取扱い
また,学年途中の転部に対し学校がどう対処しているかを校長に聞いたところ,最も回答が多かったのは,中学校では「認めているが年1〜2回まで」(41.0%),高等学校では「何回でも認めている」(60.8%)であった。「認めていない」と回答した校長が,中学校で17.0%,高等学校で2.1%いた。
※ 学年途中の転部の取扱い
| |
中学校
|
高等学校
|
|
何回でも認めている
|
28.0%
|
60.8%
|
|
認めているが年1〜2回まで
|
41.0
|
19.6
|
|
その他
|
14.0
|
17.5
|
|
認めていない
|
17.0
|
2.1
|
2 顧問の就任状況等
(1) 運動部の顧問の配置及び就任状況
i) 顧問の配置
校長に対し,運動部の顧問の配置はどのようになっているかを聞いたところ,「全教員が当たることを原則としている」が中学校で57.0%,高等学校で44.0%,「希望する教員が当たることを原則としている」が中学校で35.0%,高等学校で41.0%であった。
※ 顧問の配置
| |
中学校
|
高等学校
|
|
全教員が当たることを原則としている
|
57.0%
|
44.0%
|
|
希望する教員が当たることを原則としている
|
35.0
|
41.0
|
|
その他
|
8.0
|
15.0
|
ii) 顧問の就任状況
教員に対し,運動部の顧問への就任状況を聞いたところ,中学校では62.1%(男性の77.4%,女性の39.2%),高等学校では53.4%(男性の61.1%,女性の28.3%)が,運動部の顧問に就任していると答えた。
※ 顧問の就任状況(年齢別)
| |
中学校
|
| 全 体 |
25歳未満 |
25〜
35歳未満
|
35〜
45歳未満
|
45〜
55歳未満
|
55歳以上 |
|
顧問として指導している
|
62.1%
|
75.6%
|
74.2%
|
63.7%
|
37.5%
|
27.6%
|
|
指導していない
|
37.9
|
24.4
|
25.8
|
36.3
|
62.5
|
72.4
|
| |
高等学校
|
| 全 体 |
25歳未満 |
25〜
35歳未満
|
35〜
45歳未満
|
45〜
55歳未満
|
55歳以上 |
|
顧問として指導している
|
53.4%
|
54.5%
|
64.0%
|
57.5%
|
45.9%
|
33.9%
|
|
指導していない
|
46.6
|
45.5
|
36.0
|
42.5
|
54.1
|
66.1
|
なお,運動部を何人の教員(外部指導者を除く)で指導しているかを顧問に聞いたところ,中学校で64.3%,高等学校で77.6%が「複数で」指導していると答え,中学校で35.7%,高等学校で22.4%が「1人で」指導していると答えた。
また,主に担当している運動部の他に運動部を指導している顧問が,中学校で12.0%,高等学校で14.9%いた。
(2) 顧問の指導経験年数
現在運動部で指導している競技種目の指導経験年数を運動部の顧問に聞いたところ,中学校では54.0%が6年未満であったのに対し,高等学校では58.2%が6年以上であった。
中学校で66.2%,高等学校で73.3%が,3年以上の指導経験を有する。
※ 顧問の指導経験年数(年齢別)
| |
中学校
|
| 全 体 |
25歳未満 |
25〜
35歳未満
|
35〜
45歳未満
|
45〜
55歳未満
|
55歳以上 |
|
指
導
経
験
年
数
|
6年未満
|
54.0%
|
100.0%
|
69.2%
|
34.8%
|
34.0%
|
20.7%
|
|
3 年未満
|
33.8
|
95.5
|
38.8
|
19.7
|
24.8
|
6.9
|
|
3 〜 6 年未満
|
20.2
|
4.5
|
30.5
|
15.1
|
9.2
|
13.8
|
|
6年以上
|
46.0
|
−
|
30.8
|
65.2
|
66.0
|
79.3
|
|
6 〜10年未満
|
17.6
|
−
|
21.2
|
17.7
|
15.6
|
13.8
|
|
10〜15年未満
|
16.7
|
−
|
9.6
|
28.8
|
12.8
|
17.2
|
|
15〜20年未満
|
7.4
|
−
|
−
|
15.3
|
14.9
|
3.5
|
|
20年以上
|
4.3
|
−
|
−
|
3.4
|
22.7
|
44.8
|
| |
高等学校
|
| 全 体 |
25歳未満 |
25〜
35歳未満
|
35〜
45歳未満
|
45〜
55歳未満
|
55歳以上 |
|
指
導
経
験
年
数
|
6年未満
|
41.8%
|
100.0%
|
66.4%
|
29.6%
|
26.9%
|
18.2%
|
|
3 年未満
|
26.7
|
92.2
|
39.0
|
18.4
|
17.8
|
10.9
|
|
3 〜 6 年未満
|
15.1
|
7.8
|
27.4
|
11.2
|
9.2
|
7.3
|
|
6年以上
|
58.2
|
−
|
33.6
|
70.4
|
73.1
|
81.8
|
|
6 〜10年未満
|
15.5
|
−
|
22.9
|
16.2
|
8.0
|
11.5
|
|
10〜15年未満
|
16.0
|
−
|
10.7
|
27.3
|
9.5
|
9.1
|
|
15〜20年未満
|
11.6
|
−
|
−
|
21.8
|
13.5
|
5.5
|
|
20年以上
|
15.1
|
−
|
−
|
5.3
|
42.1
|
55.8
|
(3) 指導者会議等,保護者会等の組織の有無
校長に対し,運動部の顧問等が集まる指導者会議等の組織があるかを聞いたところ,中学校で86.0%,高等学校で82.8%が「ある」と答えた。
また,運動部員の保護者に対し,子供が所属している運動部に保護者会等の組織があるかを聞いたところ,「ある」と答えたのは,中学校で34.4%,高等学校で24.4%であった。
3 運動部活動に対する満足度等
(1) 部活動は楽しいか(運動部員)
「運動部の活動は楽しいか」を運動部員に聞いたところ,中学校の運動部員の83.4%,高等学校の運動部員の83.8%が,運動部活動は「楽しい」と答えた。
※ 運動部活動は楽しいか(校種及び学年別)
| |
中学校
|
高等学校
|
|
全 体
|
1年生
|
2年生
|
3年生
|
全 体
|
1年生
|
2年生
|
3年生
|
|
楽しい
|
83.4%
|
87.8%
|
82.5%
|
79.4%
|
83.8%
|
83.5%
|
82.9%
|
85.2%
|
|
とても楽しい
|
43.1
|
52.8
|
38.6
|
37.4
|
43.4
|
45.5
|
38.7
|
45.6
|
|
どちらかというと楽しい
|
40.3
|
35.0
|
43.9
|
42.0
|
40.4
|
38.1
|
44.2
|
39.7
|
|
苦しい
|
16.6
|
12.2
|
17.5
|
20.6
|
16.2
|
16.5
|
17.2
|
14.8
|
|
どちらかというと苦しい
|
12.2
|
9.6
|
13.4
|
13.7
|
11.9
|
12.1
|
12.7
|
10.8
|
|
とても苦しい
|
4.5
|
2.6
|
4.1
|
6.9
|
4.3
|
4.4
|
4.5
|
4.0
|
(2) 子供の運動部活動について満足しているか(運動部員の保護者)
運動部員の保護者に「子供の運動部活動について満足しているか」を聞いたところ,中学校で87.4%,高等学校で90.3%が,「満足している」と答えた。
※ 子供の運動部活動に満足しているか
| |
中学校
|
高等学校
|
|
満足している
|
87.4%
|
90.3%
|
|
大いに満足している
|
16.4
|
20.3
|
|
ある程度満足している
|
55.3
|
56.7
|
|
少しは満足している
|
15.6
|
13.4
|
|
満足していない
|
12.7
|
9.7
|
|
あまり満足していない
|
11.4
|
8.7
|
|
全く不満である
|
1.3
|
1.0
|
(3) 運動部活動の指導をどう受け止めているか(運動部顧問)
運動部の顧問に対し,「運動部活動の指導をどのように受け止めているか」を聞いたところ,中学校,高等学校とも,約9割の顧問が「やりがいを感じる」とした(中学校88.4%,高等学校87.7%)。
※ 運動部活動の指導をどう受け止めているか
| |
中学校
|
高等学校
|
|
やりがいを感じる
|
88.4% |
87.7% |
| 子供のために重要な活動であり大いにやりがいを感じる |
41.4 |
48.0 |
|
趣味の延長として考え楽しんでいる
|
12.0 |
14.0 |
| 要請により引き受けたがある程度はやりがいを感じる |
35.0 |
25.8 |
|
やりがいを感じない
|
11.6 |
12.3 |
| 仕方なく引き受けたのであまりやりがいを感じない |
9.3 |
9.4 |
| いやいややっている |
2.4 |
2.9 |
(4) 生徒の意見の反映状況(運動部員)
運動部員に対し,「所属している運動部の練習や試合に生徒の意見は反映されていると思うか」を聞いたところ,中学生では75.4%,高校生では82.0%が,「反映されている」と答えた。
※ 生徒の意見の反映状況
| |
中学校
|
高等学校
|
|
反映されている
|
75.4%
|
82.0%
|
|
よく反映されている
|
12.4
|
21.6
|
|
ある程度は反映されている
|
35.2
|
38.2
|
|
少しは反映されている
|
27.8
|
22.2
|
|
反映されていない
|
24.7
|
18.0
|
|
ほとんど反映されていない
|
15.0
|
11.9
|
|
全く反映されていない
|
9.6
|
6.1
|
(5) 競技志向と楽しみ志向(運動部員)
生徒(運動部員)に対し「運動部活動の在り方はどうあるべきだと思うか」を聞いたところ,中学生で56.5%,高校生で62.6%が「ある程度勝つことを中心にしながら楽しむことがよい」と答え,中学生で21.2%,高校生で18.8%が「みんなで楽しむことを中心とし,できれば勝つという形がよい」と答えた。「厳しく徹底して勝つことを目指すべきである」と答えた運動部員は中学生で11.8%,高校生で12.1%であった。
他方,運動部員に「所属している運動部は何を目指して活動していると思うか」を聞いたところ,中学生で55.9%,高校生で51.5%が「どちらかといえば勝つことを目指している」と答え,中学生で22.8%,高校生で26.4%が「厳しく徹底して勝つことを目指している」と答えた。
4 生徒の学期中の活動状況(運動部員)
(1) 週当たりの活動日数及び平日の1日当たりの活動時間数
i) 中学校
運動部に所属している中学生に,学期中の週当たりの活動日数及び平日の1日当たりの活動時間数を聞いたところ,72.4%が週6〜7日活動しており,活動日数では6日と答えた者が多く(46.3%),活動時間数では,最も多いのは2〜3時間未満(54.8%),次いで1〜2時間未満(28.0%)であった。
日数と時間数の組合せで最も多いのは,6日で2〜3時間未満である(26.7%)。
※ 中学校
| |
全 体 |
平日の1日当たりの活動時間数
|
|
1時間未満
|
1〜
2時間未満
|
2〜
3時間未満
|
3〜
4時間未満
|
4時間以上
|
|
週
当
た
活り
動の
日
数
|
1 日
|
0.66%
|
0.12%
|
0.26%
|
0.21%
|
0.01%
|
0.0 %
|
|
2 日
|
1.28
|
0.09
|
0.64
|
0.44
|
0.03
|
0.03
|
|
3 日
|
3.04
|
0.16
|
1.48
|
1.07
|
0.31
|
0.01
|
|
4 日
|
5.09
|
0.21
|
2.14
|
2.15
|
0.50
|
0.04
|
|
5 日
|
17.57
|
0.23
|
5.87
|
9.59
|
1.75
|
0.11
|
|
6 日
|
46.33
|
0.32
|
12.51
|
26.74
|
6.46
|
0.47
|
|
7 日
|
26.02
|
0.07
|
5.16
|
14.60
|
5.53
|
0.69
|
|
全 体
|
100.0
|
1.21
|
28.02
|
54.79
|
14.63
|
1.35
|
ii) 高等学校
高校生については,77.8%が週6〜7日活動しており,活動日数では6日と答えた者が多く(41.7%),活動時間数では,最も多いのは2〜3時間未満(51.8%),次いで1〜2時間未満(24.6%),3〜4時間未満(17.8%)であった。
日数と時間数の組合せで最も多いのは,6日で2〜3時間未満(24.2%),次いで7日で2〜3時間未満(18.7%)である。
中学生と比較すると,週7日活動している生徒の割合が1割程度高くなっており,また,活動時間数についても,中学生と比べて,3時間以上と答えた者の割合が若干高い。
※ 高等学校
| |
全 体 |
平日の1日当たりの活動時間数
|
|
1時間未満
|
1〜
2時間未満
|
2〜
3時間未満
|
3〜
4時間未満
|
4時間以上
|
|
週
当
た
活り
動の
日
数
|
1 日
|
1.35%
|
0.38%
|
0.38%
|
0.18%
|
0.02%
|
0.02%
|
|
2 日
|
0.92
|
0.09
|
0.66
|
0.11
|
0.05
|
0.0
|
|
3 日
|
2.64
|
0.18
|
1.49
|
0.89
|
0.07
|
0.04
|
|
4 日
|
4.08
|
0.09
|
2.21
|
1.64
|
0.18
|
0.0
|
|
5 日
|
13.23
|
0.13
|
6.11
|
6.00
|
0.97
|
0.11
|
|
6 日
|
41.73
|
0.15
|
10.32
|
24.16
|
6.42
|
0.78
|
|
7 日
|
36.06
|
0.04
|
3.48
|
18.72
|
10.12
|
3.81
|
|
全 体
|
100.0
|
1.07
|
24.60
|
51.77
|
17.80
|
4.75
|
(2) 授業がある土曜日,休業土曜日,日曜日の活動時間数
i) 中学校
運動部に所属する生徒に,授業がある土曜日の活動状況を聞いたところ,中学生では96.3%が活動しており,活動時間数では,最も多いのは2〜3時間未満(40.4%),次いで3〜4時間未満(31.8%)であった(毎週かどうかなど頻度は不明。以下同じ)。
休業日となる土曜日(以下「休業土曜日」と言う。)の活動状況については,59.6%が活動しており,活動時間数では,最も多いのは3〜4時間未満(22.3%),次いで2〜3時間未満(20.9%)であった。
日曜日については,73.9%が活動しており,活動時間数では,最も多いのは3〜4時間未満(28.6%),次いで2〜3時間未満(23.0%),4時間以上(18.1%)である。
※ 中学校
| |
授業がある土曜日
|
休業土曜日
|
日曜日
|
|
活動していない
|
3.71%
|
40.41%
|
26.09%
|
|
1時間未満
|
0.76
|
0.48
|
0.42
|
|
1〜2時間未満
|
11.04
|
4.08
|
3.91
|
|
2〜3時間未満
|
40.40
|
20.86
|
22.95
|
|
3〜4時間未満
|
31.84
|
22.25
|
28.55
|
|
4時間以上
|
12.26
|
11.92
|
18.08
|
注) 毎週かどうかなど頻度は不明。
ii) 高等学校
高校生については,授業がある土曜日については,95.1%が活動しており,活動時間数では,最も多いのは2〜3時間未満(36.9%),次いで3〜4時間未満(31.2%),4時間以上(16.8%)であった。
休業土曜日については,78.9%が活動しており,活動時間数では,最も多いのは3〜4時間未満(29.9%),次いで2〜3時間未満(23.8%),4時間以上(21.6%)である。
日曜日については,72.1%が活動しており,活動時間数では,最も多いのは3〜4時間未満(27.3%),次いで4時間以上(22.4%),2〜3時間未満(19.5%)である。
※ 高等学校
| |
授業がある土曜日
|
休業土曜日
|
日曜日
|
|
活動していない
|
4.94%
|
21.12%
|
27.91%
|
|
1時間未満
|
0.64
|
0.31
|
0.38
|
|
1〜2時間未満
|
9.47
|
3.28
|
2.47
|
|
2〜3時間未満
|
36.94
|
23.79
|
19.50
|
|
3〜4時間未満
|
31.21
|
29.90
|
27.34
|
|
4時間以上
|
16.81
|
21.60
|
22.40
|
注) 毎週かどうかなど頻度は不明。
5 生徒の長期休業中の活動状況(運動部員)
(1) 夏季休業中の活動状況
i) 中学校
運動部員に対し夏季休業中の活動状況を聞いたところ(2年生以上が回答),中学生では98.7%が夏季休業中の活動をしており,活動日数については,26日以上が28.8%,16〜20日が21.9%,21〜25日が21.0%であった。
活動時間数については,2〜3時間未満が41.0%,3〜4時間未満が35.4%である。なお,14.4%が4時間以上活動していた。
ii) 高等学校
高校生では97.7%が活動をしており,活動日数については,26日以上が45.1%,21〜25日が19.2%,16〜20日が18.0%であった。
活動時間数については,2〜3時間未満が35.7%,3〜4時間未満が34.3%である。なお,21.0%が4時間以上活動していた。
※ 夏季休業中の活動状況(2年生以上が回答)
| |
中学校
|
高等学校
|
|
活動していない
|
1.3%
|
2.3%
|
|
1 日〜10日
|
12.2
|
7.7
|
|
11日〜15日
|
14.7
|
7.8
|
|
16日〜20日
|
21.9
|
18.0
|
|
21日〜25日
|
21.0
|
19.2
|
|
26日以上
|
28.8
|
45.1
|
(2) 冬季休業中及び春季休業中の活動状況
i) 中学校
冬季休業中については(2年生以上が回答),中学生では90.0%が活動しており,活動日数については,6〜10日が46.6%,1〜5日が24.6%であった。
活動時間数については,2〜3時間未満が41.9%,3〜4時間未満が28.3%である。なお,8.1%が4時間以上活動していた。
春季休業中については,91.0%が活動しており,活動日数については,6〜10日が43.8%,1〜5日が27.5%であった。
活動時間数については,2〜3時間未満が41.0%,3〜4時間未満が30.6%である。なお,9.0%が4時間以上活動していた。
ii) 高等学校
冬季休業中については,高校生では89.5%が活動をしており,活動日数については,6日〜10日が38.1%,11日以上が36.6%であった。
活動時間数については,2〜3時間未満が36.4%,3〜4時間未満が29.8%であった。なお,14.0%が4時間以上活動していた。
春季休業中については,93.1%が活動しており,活動日数については,11日以上が46.2%,6〜10日が33.1%であった。
活動時間数については,2〜3時間未満が35.8%,3〜4時間未満が31.2%である。なお,17.6%が4時間以上活動していた。
※ 冬季休業中及び春季休業中の活動状況(2年生以上が回答)
| |
冬季休業中
|
春季休業中
|
| |
中学校
|
高等学校
|
中学校
|
高等学校
|
|
活動していない
|
10.0%
|
10.5%
|
9.0%
|
7.0%
|
|
1 日〜 5 日
|
24.6
|
14.7
|
27.5
|
13.8
|
|
6 日〜10日
|
46.6
|
38.1
|
43.8
|
33.1
|
|
11日以上
|
18.8
|
36.6
|
19.8
|
46.2
|
6 顧問の学期中の指導状況(運動部顧問)
(1) 週当たりの指導日数及び平日の1日当たりの指導時間数
i) 中学校
運動部の顧問に対し,学期中の週当たりの指導日数及び平日の1日当たりの指導時間数を聞いたところ,中学校では43.0%が週6〜7日指導しており,指導日数では6日と答えた者が多く(33.4%),指導時間数では,最も多いのは1〜2時間未満(45.9%),次いで2〜3時間未満(41.1%)であった。
※ 中学校
| |
全 体 |
平日の1日当たりの活動時間数
|
|
1時間未満
|
1〜
2時間未満
|
2〜
3時間未満
|
3〜
4時間未満
|
4時間以上
|
|
週
当
た
活り
動の
日
数
|
1 日
|
6.06%
|
1.30%
|
2.26%
|
1.85%
|
0.0 %
|
0.07%
|
|
2 日
|
8.48
|
2.67
|
4.38
|
1.09
|
0.21
|
0.07
|
|
3 日
|
12.25
|
1.85
|
7.18
|
3.08
|
0.27
|
0.0
|
|
4 日
|
11.91
|
1.23
|
6.43
|
4.10
|
0.14
|
0.0
|
|
5 日
|
18.30
|
0.62
|
9.85
|
7.46
|
0.55
|
0.0
|
|
6 日
|
33.38
|
0.89
|
13.06
|
17.92
|
1.71
|
0.0
|
|
7 日
|
9.62
|
0.14
|
2.60
|
5.68
|
1.23
|
0.14
|
|
全 体
|
100.0
|
8.71
|
45.85
|
41.09
|
4.08
|
0.27
|
ii) 高等学校
高等学校の顧問では,39.9%が週6〜7日指導しており,指導日数では6日と答えた者が多く(27.0%),指導時間数では,最も多いのは2〜3時間未満(41.0%),次いで1〜2時間未満(37.0%)であった。
※ 高等学校
| |
全 体 |
平日の1日当たりの活動時間数
|
|
1時間未満
|
1〜
2時間未満
|
2〜
3時間未満
|
3〜
4時間未満
|
4時間以上
|
|
週
当
た
活り
動の
日
数
|
1 日
|
15.13%
|
6.54%
|
4.57%
|
1.41%
|
0.18%
|
0.13%
|
|
2 日
|
10.80
|
2.15
|
6.15
|
2.11
|
0.18
|
0.09
|
|
3 日
|
10.51
|
1.01
|
5.80
|
3.25
|
0.61
|
0.09
|
|
4 日
|
9.46
|
0.40
|
5.31
|
3.86
|
0.09
|
0.04
|
|
5 日
|
14.21
|
0.75
|
6.68
|
6.54
|
0.70
|
0.04
|
|
6 日
|
27.03
|
0.40
|
6.68
|
17.00
|
3.43
|
0.44
|
|
7 日
|
12.86
|
0.13
|
1.98
|
6.85
|
3.60
|
0.83
|
|
全 体
|
100.0
|
11.61
|
37.04
|
40.96
|
8.74
|
1.65
|
(2) 授業がある土曜日,休業土曜日,日曜日の指導時間数
i) 中学校
運動部の顧問に,授業がある土曜日の指導状況を聞いたところ,中学校では95.6%が指導しており,指導時間数では,最も多いのは2〜3時間未満(47.8%),次いで3〜4時間未満(25.2%)であった。
休業土曜日の指導状況については,49.7%が指導しており,指導時間数では,最も多いのは2〜3時間未満(19.1%),次いで3〜4時間未満(17.2%)であった。
日曜日については,76.4%が指導しており,指導時間数では,最も多いのは3〜4時間未満(30.7%),次いで2〜3時間未満(23.8%)である。
※ 中学校
| |
授業がある土曜日
|
休業土曜日
|
日曜日
|
|
指導(活動)していない
|
4.37%
|
50.27%
|
23.64%
|
|
1時間未満
|
1.81
|
2.16
|
1.48
|
|
1〜2時間未満
|
14.45
|
4.04
|
4.16
|
|
2〜3時間未満
|
47.78
|
19.07
|
23.77
|
|
3〜4時間未満
|
25.20
|
17.18
|
30.69
|
|
4時間以上
|
6.38
|
7.28
|
16.25
|
ii) 高等学校
高等学校については,授業がある土曜日については,88.8%が指導しており,指導時間数では,最も多いのは2〜3時間未満(35.8%),次いで3〜4時間未満(21.5%)であった。
休業土曜日については,73.2%が指導しており,指導時間数では,最も多いのは3〜4時間未満(23.9%),次いで2〜3時間未満(22.3%),4時間以上(17.9%)であった。
日曜日については,67.7%が指導しており,指導時間数では,最も多いのは3〜4時間未満(22.1%),次いで4時間以上(21.2%),2〜3時間未満(17.8%)である。
※ 高等学校
| |
授業がある土曜日
|
休業土曜日
|
日曜日
|
|
指導(活動)していない
|
11.19%
|
26.77%
|
32.33%
|
|
1時間未満
|
7.08
|
3.80
|
3.23
|
|
1〜2時間未満
|
15.08
|
5.38
|
3.40
|
|
2〜3時間未満
|
35.78
|
22.25
|
17.76
|
|
3〜4時間未満
|
21.45
|
23.87
|
22.08
|
|
4時間以上
|
9.43
|
17.93
|
21.20
|
注) 運動部活動の現況に関しては,第3章「運動部活動の現状における課題」及び第2部「これからの運動部活動の在り方」において,他の項目との関連を踏まえて考察している。
第2章 運動部活動の意義
戻る
第1章では,運動部活動の現況を見てきたが,第2章においては,運動部活動の意義について,平成8年調査の結果を紹介し,考察する。
1 平成8年調査の結果から
(1) 入部の理由(運動部員)
運動部員に対し,現在の運動部に所属した理由を聞いたところ(最大2つまで回答可),中学生では,「そのスポーツを楽しみたかったから」(49.8%),「そのスポーツをうまくなりたかったから」(42.3%),「体を鍛えたかったから」(23.4%)の順であった。
高校生では,「そのスポーツを楽しみたかったから」(48.7%),「そのスポーツをうまくなりたかったから」(30.1%),「充実して過ごせると思ったから」(21.4%),「体を鍛えたかったから」(18.5%)の順である。
「選手として活躍したかったから」は,中学生では16.0%で第4位,高校生では17.5%で第5位であった。
また,「入りたい部が自分の学校になかったから仕方なく」,「全員加入で仕方なく」と答えた者は,それぞれ中学生で6.0%,2.7%,高校生で2.1%,1.2%である。
※ 入部の理由
| |
中学校
|
高等学校
|
|
そのスポーツを楽しみたかったから
|
49.8%
|
48.7%
|
|
そのスポーツをうまくなりたかったから
|
42.3
|
30.1
|
|
体を鍛えたかったから
|
23.4
|
18.5
|
|
選手として活躍したかったから
|
16.0
|
17.5
|
|
充実して過ごせると思ったから
|
8.7
|
21.4
|
|
人間的に成長したかったから
|
5.2
|
9.9
|
|
友達をつくりたかったから
|
4.2
|
9.5
|
|
入りたい部が自分の学校になかったから仕方なく
|
6.0
|
2.1
|
|
全員加入で仕方なく
|
2.7
|
1.2
|
(最大2つまで回答可)
(2) 運動部活動をすることによって子供に何を期待するか(運動部員の保護者)
運動部員の保護者に対し,「運動部活動をすることによって子供に何を最も期待するか」を聞いたところ(1つだけ回答),中学校,高等学校とも,「人間的な成長」と答えた者が最も多く,中学校48.4%,高等学校50.6%と,いずれも約半数であった。
続いて,中学校では「体力の向上」(20.2%),「充実した生活」(19.9%),高等学校では「充実した生活」(25.4%)と答えた者が多かった。
「選手として活躍すること」を挙げた者は,中学校,高等学校とも約5%である。
※ 子供に期待すること
| |
中学校
|
高等学校
|
|
人間的な成長
|
48.4%
|
50.6%
|
|
充実した生活
|
19.9
|
25.4
|
|
体力の向上
|
20.2
|
11.8
|
|
友達づくり
|
5.5
|
6.1
|
|
選手として活躍すること
|
4.9
|
5.0
|
(3) 指導の目標(運動部顧問)
運動部の顧問に,「運動部を指導するに当たっての目標は特に何か」を聞いたところ(最大2つまで回答可),中学校,高等学校とも,「協調性や社会性を身につけさせる」と答えた者が最も多かった(中学校44.0%,高等学校42.0%)。
「競技力を向上し大会で少しでも良い成績をおさめる」は,中学校では20.7%で第6位,高等学校では33.2%で第2位であった。
※ 指導の目標
| |
中学校
|
高等学校
|
|
協調性や社会性を身につけさせる
|
44.0%
|
42.0%
|
|
将来にわたってスポーツに親しむ態度を育てる
|
36.8
|
31.7
|
|
精神力や責任感を育てる
|
31.9
|
30.5
|
|
競技力を向上し大会で少しでも良い成績をおさめる
|
20.7
|
33.2
|
|
明るく楽しんで仲間と活動させる
|
25.6
|
20.2
|
|
体を鍛え将来活力ある生活ができるようにする
|
24.4
|
20.6
|
|
特にない
|
1.4
|
2.1
|
(最大2つまで回答可)
(4) 運動部活動を通して得たこと(運動部員)
運動部員に対し,「運動部活動をしていて特にどのようなことを得たか」を聞いたところ(最大3つまで回答可),中学生は「体力が伸びてきた」(53.9%),「スポーツの楽しさ」(49.8%),「技術が向上してきた」(44.4%),「友達ができた」(38.3%)の順,高校生は「友達ができた」(50.1%),「スポーツの楽しさ」(41.6%),「技術が向上してきた」(41.6%),「体力が伸びてきた」(37.4%)の順であった。
中学生,高校生とも,「特に変わらない」と答えた者は,数%である。
※ 運動部活動を通して得たこと
| |
中学校
|
高等学校
|
|
体力が伸びてきた
|
53.9%
|
37.4%
|
|
スポーツの楽しさ
|
49.8
|
41.6
|
|
友達ができた
|
38.3
|
50.1
|
|
技術が向上してきた
|
44.4
|
41.6
|
|
精神力や責任感が伸びてきた
|
16.4
|
28.8
|
|
選手として活躍できている
|
13.3
|
11.9
|
|
生活が充実している
|
7.9
|
18.7
|
|
協調性が伸びてきた
|
4.9
|
8.6
|
|
特に変わらない
|
7.2
|
4.7
|
(最大3つまで回答可)
(5) 子供が運動部活動を通して得たこと(運動部員の保護者)
運動部員の保護者に対し,「子供が運動部活動をしていて特にどのようなことを得たか」を聞いたところ(最大3つまで回答可),中学校は「スポーツの楽しさ」(47.0%),「友達ができた」(41.5%),「体力が伸びてきた」(41.4%),「精神力や責任感が伸びてきた」(31.5%)の順,高等学校は「友達ができた」(48.0%),「スポーツの楽しさ」(41.9%),「精神力や責任感が伸びてきた」(40.7%),「生き生きと生活している」(36.3%)の順であった。
中学校,高等学校とも,「特に変わらない」と答えた者は,数%である。
※ 子供が運動部活動を通して得たこと
| |
中学校
|
高等学校
|
|
スポーツの楽しさ
|
47.0%
|
41.9%
|
|
友達ができた
|
41.5
|
48.0
|
|
体力が伸びてきた
|
41.4
|
29.6
|
|
精神力や責任感が伸びてきた
|
31.5
|
40.7
|
|
生き生きと生活している
|
27.2
|
36.3
|
|
協調性が伸びてきた
|
18.5
|
20.8
|
|
技術の向上
|
18.0
|
17.0
|
|
特に変わらない
|
5.6
|
3.3
|
(最大3つまで回答可)
(6) 運動部活動の評価
i) 運動部活動は運動部の生徒の現在の生活に役立っていると思うか
(全生徒,全保護者,全教員,校長)
中学校,高等学校の全生徒,全保護者,全教員及び校長に対し,「運動部活動は運動部の生徒の現在の生活に役立っていると思うか」を聞いたところ,ほぼいずれも9割以上(教員,校長については,ほぼ95%以上)が,「役立っている」と答えた。
運動部員とそれ以外の生徒,運動部員の保護者とそれ以外の保護者,運動部顧問とそれ以外の教員とを比較すると,いずれも前者の方が役立っていると答えた者の割合が若干高いが,後者でも約9割が役立っているとしている。
ii) 運動部活動は運動部の生徒の将来のために役立つと思うか
(全生徒,全保護者,全教員,校長)
i)と同じ対象に,「運動部活動は運動部の生徒の将来のために役立つと思うか」を聞いたところ,いずれも9割以上(保護者,教員,校長は95%以上)が,「役立つ」と答えた。
運動部員とそれ以外の生徒,運動部員の保護者とそれ以外の保護者,運動部顧問とそれ以外の教員とを比較すると,いずれも前者の方が役立つと答えた者の割合が若干高いが,後者でも約9割(教員,校長は95%以上)が,役立つとしている。
2 考 察
以上平成8年調査の結果を紹介してきたが,運動部活動の意義としては,次のようなことが考えられる。
(1) 喜びと生きがいの場
運動部におけるスポーツの実践は,参加する生徒にとって心身をリフレッシュさせるものである。
のみならず,運動部活動は,好きなスポーツに仲間とともに取り組む場であり,また,教科の学習とは離れて各自のよさが認められることもあり,多くの生徒の生活に張り合いを与え,喜びと生きがいをもたらしている。
(2) 生涯にわたってスポーツに親しむための基礎づくり
運動部において生徒が,興味・関心のあるスポーツを自ら選んで取り組み継続的に活動することは,そのスポーツに関する専門的な技能や知識を向上させ,生涯にわたって親しむことのできる得意なスポーツを身に付ける格好の機会となるとともに,スポーツの行い方や楽しみ方,他者に対する配慮,さらにはスポーツの見方など,将来スポーツを楽しんでいく上で望まれる能力と態度の基礎を育成する。
(3) 体力の向上と健康の増進
発育・発達の特に著しいこの時期に,計画的・継続的にスポーツに取り組むことは,21世紀の高齢社会を生きていく生徒たちにとって,生涯にわたってたくましく生きるための体力と健康の基礎を培い,健康管理を含め将来自ら体力と健康を保持・増進していくための能力と態度を育成するものであり,この点でも運動部活動は大きな意義を有する。
(4) 豊かな人間性の育成
運動部活動は,学級や学年を離れた集団の中で生徒たちが,互いに認め合い,励まし合い,汗を流し,協力し合い,高め合いながら,自発的・自主的に活動を展開するものであり,生徒にとって,友情や連帯感をはぐくみ,自己の存在や責任を見つめ,努力や忍耐,スポーツマンシップ,思いやり,集団生活のルール等を身に付ける場となっている。
それは,成就感や達成感,時には挫折感も味わう中で,各生徒が,自ら学び,考え,判断し,行動し,よりよく問題を解決する能力をはぐくみ,また,自らを律しつつ他人を認め協調する心を養い,人間として成長していくものであり,まさに中央教育審議会第一次答申の示す「豊かな人間性」をはぐくむ機会であると言える。
言い換えれば,運動部活動は,生涯にわたってたくましく生きるための体力や健康の基礎を培うことと相まって,生徒の「生きる力」の育成に大きな意義を有している。
(5) 明るく充実した学校生活の展開
運動部活動は,参加する生徒各自のためになっているだけでなく,それを学校の教育活動に位置付け,教師(顧問)をはじめとして学校が支援することにより,生徒や保護者の学校への信頼感をより高めるとともに,明るく充実した学校生活の展開,学校の活性化にもつながっている。
つまり,運動部活動においては,共通の目標に向かって努力する過程を通して,顧問と生徒,生徒同士に密接な触れ合いが見られ,授業とは異なる人間関係の深まりが認められる。担任や保護者にはできない相談が,顧問やチームメイトにならできるということもある。そのような中で,スポーツを通じて,自己の存在を確認しつつ成長を図る場を生徒に提供することは,学校を明るくし,活性化し,母校愛をはぐくむものであり,教員にとっても生徒理解を深めるための重要な機会である。
また,このような取組が,他の生徒にも影響を与え,生徒全体の一体感や愛校心を醸成するということも認められる。さらには,体育授業や体育的行事における運動部員のリーダーシップの発揮が,他の生徒の取組に様々な好影響を与えていることも評価できる。
(参 考)保健体育審議会答申から
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(運動部活動の基本的意義)
運動部活動は,学校教育活動の一環として行われており,スポーツに興味と関心を持つ同好の生徒によって自主的に組織され,より高い水準の技能や記録に挑戦する中で,スポーツの楽しさや喜びを味わい,豊かな学校生活を経験する活動である。
この運動部活動は,生涯にわたってスポーツに親しむ能力や態度を育て,体力の向上や健康の増進を図るだけでなく,学級や学年を離れて生徒が自発的・自主的に活動を組織し展開することにより,生徒の自主性協調性,責任感,連帯感などを育成するとともに,仲間や教師(顧問)との密接な触れ合いの場として大きな意義を有するものである。
これを学校教育活動に位置付け,顧問をはじめとして学校が関与することにより,生徒のスポーツ活動と人間形成を適切に支援するとともに,生徒の明るい学校生活を一層保障し,生徒や保護者の学校への信頼感をより高めることにつながっている。さらには,運動部の取組がその学校の一体感や愛校心を醸成するということも現に認められる。
(運動部活動と体力・運動能力の向上)
このように,運動部活動は様々な教育的意義を有するが,自発性・自主性に基づいて行われるという運動部活動の特性にかんがみ,体力・運動能力の向上の面でも,個人の主体的取組が期待でき,その成果も大きいと考えられる。また,教科体育だけでは確保できない活動の量と頻度を確保できるので,望ましい運動・スポーツ習慣を定着できる場としても極めて有意義と考えられる。(以下略)
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第3章 運動部活動の現状における課題
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本章においては,運動部活動の現状における課題は何か,平成8年調査の結果を踏まえて考察する。
1 平成8年調査の結果から
(1) 運動部活動の問題点(全生徒,全保護者,全教員)
全生徒,全保護者,全教員に対し,「生徒にとって現在の運動部活動の一番の問題点は何だと思うか」を聞いたところ(1つだけ回答),中学校の生徒の33.4%,保護者の21.5%,高等学校の生徒の24.3%,保護者の22.6%が「特にない」と答えた。これに対し,教員で「特にない」と答えた者は中学校で4.1%,高等学校で6.2%である。
問題点については,
生徒は,回答がバラついたが,中学生では,「活動場所がせまい」(14.8%),「活動時間が多すぎる」(13.0%),「生徒同士の人間関係」(11.8%)の順であり,高校生では,「活動時間が多すぎる」(13.8%),「指導者の指導力の不足」(13.3%),「活動場所がせまい」(11.9%)及び「生徒同士の人間関係」(11.9%)の順であった。
保護者は,中学校では,「活動時間が多すぎる」(16.8%),「指導者の指導力の不足」(16.1%),「生徒同士の人間関係」(15.0%)の順で,これに「活動場所がせまい」(12.2%)が続いており,高等学校では,「活動時間が多すぎる」(19.7%),「指導者の指導力の不足」(15.0%)の順で,これに「生徒同士の人間関係」(11.4%)が続いた。
教員は,中学校では,「活動時間が多すぎる」(20.2%),「活動場所がせまい」(18.8%),「指導者の指導力の不足」(18.3%)の順で,これに「生徒同士の人間関係」(13.6%)が続いており,高等学校では,「活動時間が多すぎる」(25.2%),「指導者の指導力の不足」(16.2%)の順で,これに「活動場所がせまい」(14.3%)が続いている。
「指導者の意識の過熱など」,「練習内容が厳しすぎる」等とした者は,いずれも数%以下であった。
※ 運動部活動の一番の問題点
| |
中学校
|
高等学校
|
| |
生 徒
|
保護者
|
教 員
|
生 徒
|
保護者
|
教 員
|
|
特にない
|
33.4%
|
21.5%
|
4.1%
|
24.3%
|
22.6%
|
6.2%
|
|
活動時間が多すぎる
|
13.0
|
16.8
|
20.2
|
13.8
|
19.7
|
25.2
|
|
指導者の指導力の不足
|
8.9
|
16.1
|
18.3
|
13.3
|
15.0
|
16.2
|
|
活動場所がせまい
|
14.8
|
12.2
|
18.8
|
11.9
|
6.8
|
14.3
|
|
生徒同士の人間関係
|
11.8
|
15.0
|
13.6
|
11.9
|
11.4
|
7.6
|
|
指導者の意識の過熱など
|
3.3
|
3.0
|
6.6
|
7.0
|
4.5
|
5.8
|
|
費用がかかりすぎる
|
2.2
|
3.8
|
1.7
|
5.7
|
6.1
|
6.6
|
|
活動時間が少なすぎる
|
3.8
|
2.4
|
4.0
|
2.8
|
3.0
|
5.5
|
|
練習内容が厳しすぎる
|
4.5
|
1.5
|
0.5
|
5.1
|
2.8
|
1.3
|
|
保護者の無理解
|
0.9
|
0.9
|
4.0
|
2.3
|
1.2
|
1.5
|
|
保護者の期待の過熱
|
0.5
|
2.2
|
2.6
|
0.6
|
2.0
|
1.6
|
|
練習内容が易しすぎる
|
1.5
|
1.1
|
0.0
|
1.0
|
0.6
|
0.4
|
|
その他
|
3.0
|
4.6
|
10.1
|
4.2
|
5.1
|
11.5
|
(2) 生徒の活動上の悩み(運動部員)
運動部の生徒に「運動部活動をしていてどのようなことに悩んでいるか」を聞いたところ(最大3つまで回答可),中学生では,「疲れがたまる」(28.9%),「休日が少なすぎる」(27.2%),「遊んだり勉強する時間がない」(25.4%),「活動場所がせまい」(19.8%),「思うほどうまくならない」(15.2%)の順であり,高校生では,「疲れがたまる」(32.8%),「遊んだり勉強する時間がない」(32.1%),「休日が少なすぎる」(28.7%),「思うほどうまくならない」(18.8%),「指導者が十分に指導してくれない」(18.0%),「活動場所がせまい」(15.6%)の順であった。
活動日数別に見ると,おおよその傾向として,中学生,高校生とも,活動日数が週6〜7日の者では,「疲れがたまる」,「遊んだり勉強する時間がない」,「休日が少なすぎる」など,活動日数が週2〜5日の者では,「活動場所がせまい」,「思うほどうまくならない」,「指導者が十分に指導してくれない」など,活動日数が週1日の者では,「疲れがたまる」,「指導者が十分に指導してくれない」などの項目の分布が見られた。
※ 生徒の悩み
i) 中学校
| |
全 体 |
学期中の週当たりの活動日数
|
|
1 日
|
2 日
|
3 日
|
4 日
|
5 日
|
6 日
|
7 日
|
|
疲れがたまる
|
28.9%
|
14.3%
|
12.9%
|
24.6%
|
21.6%
|
30.1%
|
30.0%
|
28.9%
|
|
休日が少なすぎる
|
27.2
|
11.9
|
12.9
|
12.7
|
10.3
|
15.6
|
25.7
|
42.6
|
|
遊んだり勉強する時間がない
|
25.4
|
11.9
|
10.8
|
18.6
|
18.6
|
23.5
|
26.0
|
28.6
|
|
活動場所がせまい
|
19.8
|
11.9
|
23.7
|
25.0
|
30.5
|
24.8
|
20.7
|
13.1
|
|
思うほどうまくならない
|
15.2
|
9.5
|
17.2
|
16.4
|
19.1
|
17.3
|
15.9
|
11.7
|
|
指導者が十分に指導してくれない
|
14.4
|
19.1
|
17.2
|
26.8
|
21.3
|
18.7
|
14.2
|
9.3
|
|
練習時間が長すぎる
|
13.1
|
7.1
|
12.9
|
8.6
|
8.6
|
10.8
|
12.7
|
16.9
|
|
生徒同士の人間関係
|
11.6
|
4.8
|
10.8
|
9.6
|
11.6
|
11.2
|
12.4
|
10.4
|
|
練習時間が短すぎる
|
6.0
|
23.8
|
14.0
|
16.8
|
14.1
|
7.0
|
5.5
|
3.1
|
|
練習内容が厳しすぎる
|
4.9
|
4.8
|
7.5
|
2.7
|
4.2
|
4.7
|
4.4
|
6.3
|
|
生徒の意見が少しも反映されない
|
4.4
|
11.9
|
8.6
|
5.5
|
3.1
|
5.0
|
3.9
|
4.6
|
|
指導者の意識の過熱など
|
4.3
|
7.1
|
5.4
|
5.9
|
5.3
|
3.6
|
3.7
|
5.3
|
|
練習内容が易しすぎる
|
3.7
|
9.5
|
8.6
|
5.0
|
5.8
|
4.2
|
3.6
|
2.6
|
|
費用がかかりすぎる
|
3.1
|
7.1
|
3.2
|
2.7
|
3.3
|
2.7
|
3.0
|
3.5
|
|
合宿や他校との試合が多すぎる
|
2.1
|
0.0
|
2.2
|
0.0
|
0.6
|
1.7
|
2.3
|
2.4
|
|
保護者が無関心である
|
1.1
|
0.0
|
1.1
|
1.4
|
1.7
|
1.6
|
0.8
|
1.0
|
|
保護者が熱中しすぎる
|
0.8
|
2.4
|
2.2
|
0.9
|
1.1
|
1.0
|
0.8
|
0.4
|
|
特別の悩みはない
|
24.5
|
38.1
|
36.6
|
25.0
|
27.4
|
26.2
|
24.8
|
21.6
|
ii) 高等学校
| |
全 体 |
学期中の週当たりの活動日数
|
|
1 日
|
2 日
|
3 日
|
4 日
|
5 日
|
6 日
|
7 日
|
|
疲れがたまる
|
32.8%
|
23.1%
|
12.2%
|
21.3%
|
21.0%
|
31.0%
|
34.9%
|
33.5%
|
|
遊んだり勉強する時間がない
|
32.1
|
7.7
|
9.8
|
11.5
|
19.0
|
24.5
|
34.4
|
35.5
|
|
休日が少なすぎる
|
28.7
|
1.9
|
2.4
|
4.9
|
3.5
|
11.2
|
23.8
|
44.5
|
|
思うほどうまくならない
|
18.8
|
9.6
|
22.0
|
21.3
|
25.5
|
21.2
|
21.5
|
14.7
|
|
指導者が十分に指導してくれない
|
18.0
|
23.1
|
36.6
|
29.5
|
33.0
|
26.6
|
18.7
|
12.0
|
|
活動場所がせまい
|
15.6
|
15.4
|
29.3
|
19.7
|
25.0
|
21.5
|
18.3
|
9.7
|
|
生徒同士の人間関係
|
10.4
|
3.9
|
14.6
|
17.2
|
12.5
|
11.8
|
10.5
|
9.3
|
|
練習時間が長すぎる
|
9.8
|
3.9
|
4.9
|
6.6
|
5.5
|
4.4
|
7.1
|
15.3
|
|
費用がかかりすぎる
|
8.9
|
19.2
|
14.6
|
10.7
|
9.0
|
9.1
|
8.1
|
9.3
|
|
練習時間が短すぎる
|
5.3
|
7.7
|
14.6
|
10.7
|
11.0
|
9.9
|
5.6
|
2.6
|
|
指導者の意識の過熱など
|
4.9
|
1.9
|
2.4
|
4.9
|
7.0
|
5.7
|
4.5
|
5.0
|
|
生徒の意見が少しも反映されない
|
3.9
|
3.9
|
4.9
|
3.3
|
4.0
|
4.7
|
3.4
|
4.3
|
|
練習内容が易しすぎる
|
3.6
|
0.0
|
4.9
|
5.7
|
5.5
|
6.3
|
3.6
|
2.5
|
|
練習内容が厳しすぎる
|
3.3
|
5.8
|
2.4
|
1.6
|
2.0
|
2.0
|
2.4
|
4.7
|
|
合宿や他校との試合が多すぎる
|
1.8
|
0.0
|
0.0
|
0.0
|
0.5
|
0.9
|
1.9
|
2.3
|
|
保護者が無関心である
|
1.4
|
1.9
|
0.0
|
2.5
|
2.5
|
1.5
|
1.6
|
1.2
|
|
保護者が熱中しすぎる
|
0.4
|
0.0
|
0.0
|
0.0
|
0.0
|
0.2
|
0.5
|
0.4
|
|
特別の悩みはない
|
16.6
|
76.9
|
31.7
|
29.5
|
29.0
|
22.6
|
16.1
|
11.5
|
(最大3つまで回答可)
(3) 子供の運動部活動についての不満(運動部員の保護者)
運動部員の保護者に対し,子供の運動部活動についての不満を聞いたところ(最大2つまで回答可),「特別の不満はない」と答えた者が,中学校で48.3%,高等学校で44.7%であった。
次いで,「帰宅が遅くなる」(中学校24.4%,高等学校30.9%),「休日が少なすぎる」(中学校15.2%,高等学校18.9%),「勉強に差し支える」(中学校9.9%,高等学校15.2%)の順であった。
※ 保護者の不満
| |
中学校
|
高等学校
|
|
特別の不満はない
|
48.3%
|
44.7%
|
|
帰宅が遅くなる
|
24.4
|
30.9
|
|
休日が少なすぎる
|
15.2
|
18.9
|
|
勉強に差し支える
|
9.9
|
15.2
|
|
練習時間が長すぎる
|
8.1
|
8.0
|
|
費用がかかりすぎる
|
3.4
|
5.9
|
|
生徒同士の人間関係
|
5.2
|
2.6
|
|
練習内容が易しすぎる
|
4.9
|
2.8
|
|
指導者の意識の過熱など
|
2.4
|
2.2
|
|
全員加入とされており,本人の希望に合わない活動を強制されている
|
1.8
|
0.5
|
|
合宿や他校との試合が多すぎる
|
1.2
|
0.9
|
|
練習内容が厳しすぎる
|
0.8
|
0.9
|
(最大2つまで回答可)
(4) 活動量の当否(運動部員,運動部員の保護者)
運動部員及び運動部員の保護者に対し,「所属している運動部の活動量は適当だと思うか」を聞いたところ,中学校の運動部員の66.1%,高等学校の運動部員の71.1%が「適当である」と答え,運動部員の保護者については中学校,高等学校とも約8割(中学校79.6%,高等学校79.1%)が「適当である」と答えた。
運動部員について,学期中の週当たりの活動日数別に見ると,「適当でない」と答えた者は週1日活動している生徒で最も多く(中学校52.0%,高等学校39.2%),次いで中学生では週2日活動している生徒(39.2%),週7日活動している生徒(38.4%)の順,高校生では週7日活動している生徒(36.2%),週2日活動している生徒(32.7%)の順であった。
(5) 子供の負担になっているか(運動部員の保護者)
運動部員の保護者に「子供の生活にとって運動部活動は大きな負担になっているか」を聞いたところ,中学校で40.2%,高等学校で38.5%が「少しは負担であるが現状のままでよい」と答え,中学校で33.4%,高等学校で30.0%が「ほとんど負担とは思わない」と答えた。
「ある程度負担であるが仕方ない」と答えた保護者は中学校で23.2%,高等学校で28.3%であり,「大きな負担となっており改善すべきである」とした保護者は中学校で3.3%,高等学校で3.2%であった。
(6) 顧問の指導上の悩み(運動部顧問)
運動部の顧問に対し,「運動部を指導していて特に悩んでいることは何か」を聞いたところ(最大3つまで回答可),中学校,高等学校とも,「校務が忙しくて思うように指導できない」(中学校58.2%,高等学校55.1%),「自分の専門的指導力の不足」(中学校40.0%,高等学校35.3%),「施設・設備等の不足」(中学校28.1%,高等学校26.2%)が上位3位を占めた。続いて,中学校では,「自分の研究や自由な時間等の妨げになっている」(26.2%),高等学校では,「部員数が少ない」(22.6%),「自分の研究や自由な時間等の妨げになっている」(20.4%)の順であった。
学期中の週当たりの指導日数との関連を見ると,中学校では,指導日数にかかわらず,「校務が忙しくて思うように指導できない」が第1位,「自分の専門的指導力の不足」が第2位であり,次いで「施設・設備等の不足」又は「自分の研究や自由な時間等の妨げになっている」が第3位又は第4位となっている。高等学校では,指導日数にかかわらず「校務が忙しくて思うように指導できない」が第1位であるが,第2位以下は指導日数によってバラついている。
なお,「自分の研究や自由な時間等の妨げになっている」と答えた者の割合が高いのは,中学校では7日,2日,6日,1日指導している者の順,高等学校では1日,2日,3日,4日指導している者の順となっており,指導日数が多ければこの悩みが高いという関係は認められなかった。
※ 顧問の悩み
i) 中学校
| |
全 体 |
学期中の週当たりの指導日数
|
|
1 日
|
2 日
|
3 日
|
4 日
|
5 日
|
6 日
|
7 日
|
| 校務が忙しくて思うように指導できない |
58.2%
|
66.7%
|
68.0%
|
62.4%
|
69.7%
|
57.8%
|
54.0%
|
45.3%
|
|
自分の専門的指導力の不足
|
40.0
|
50.0
|
37.7
|
41.4
|
34.9
|
40.4
|
41.4
|
33.8
|
|
施設・設備等の不足
|
28.1
|
31.0
|
27.9
|
27.6
|
33.1
|
23.3
|
28.3
|
30.4
|
|
自分の研究や自由な時間等の妨げになっている
|
26.2
|
26.2
|
29.5
|
20.4
|
24.6
|
24.4
|
26.7
|
33.8
|
|
部員同士の人間関係
|
12.5
|
3.6
|
8.2
|
16.0
|
12.0
|
11.9
|
14.9
|
12.2
|
|
競技志向の生徒と楽しみ志向の生徒の共存
|
10.3
|
8.3
|
9.0
|
9.9
|
13.1
|
12.6
|
10.2
|
7.4
|
|
部員数が多い
|
9.3
|
4.8
|
9.0
|
11.6
|
8.6
|
11.9
|
8.0
|
10.1
|
|
生徒の塾(習い事)との関連
|
9.1
|
3.6
|
9.0
|
9.4
|
10.3
|
10.0
|
8.2
|
12.8
|
|
部員数が少ない
|
8.7
|
7.1
|
10.7
|
7.2
|
4.0
|
6.7
|
12.2
|
8.1
|
|
部員のやる気が不足
|
8.7
|
7.1
|
9.8
|
9.9
|
4.0
|
11.5
|
8.8
|
8.1
|
|
予算が不足
|
8.1
|
6.0
|
5.7
|
7.7
|
9.1
|
7.4
|
7.4
|
12.8
|
|
部員のケガが心配
|
5.3
|
3.6
|
4.1
|
3.9
|
5.7
|
5.6
|
5.8
|
6.8
|
|
保護者の無理解
|
3.9
|
1.2
|
0.8
|
2.8
|
2.9
|
4.8
|
4.8
|
6.1
|
|
保護者の期待の過熱
|
3.3
|
3.6
|
2.5
|
0.6
|
5.1
|
4.1
|
2.8
|
6.1
|
|
部員の能力不足
|
2.5
|
3.6
|
3.3
|
2.2
|
2.3
|
3.7
|
2.0
|
2.0
|
|
部員の考えがつかめない
|
2.1
|
1.2
|
0.0
|
3.3
|
1.1
|
4.4
|
1.6
|
1.4
|
|
自分の経済的負担
|
1.7
|
1.2
|
1.6
|
1.1
|
1.1
|
0.4
|
2.2
|
4.7
|
|
意義を見出せない
|
1.5
|
3.6
|
3.3
|
2.8
|
0.6
|
0.7
|
0.6
|
0.7
|
|
外部指導者との関係
|
1.3
|
1.2
|
1.6
|
1.1
|
1.1
|
1.9
|
1.0
|
1.4
|
|
特にない
|
2.1
|
4.8
|
1.6
|
1.1
|
1.7
|
2.6
|
1.6
|
1.4
|
(最大3つまで回答可)
ii) 高等学校
| |
全 体 |
学期中の週当たりの指導日数
|
|
1 日
|
2 日
|
3 日
|
4 日
|
5 日
|
6 日
|
7 日
|
| 校務が忙しくて思うように指導できない |
55.1%
|
68.5%
|
64.6%
|
68.1%
|
65.2%
|
50.6%
|
45.9%
|
40.0%
|
|
自分の専門的指導力の不足
|
35.3
|
51.4
|
49.6
|
46.2
|
38.7
|
31.3
|
24.9
|
20.6
|
|
施設・設備等の不足
|
26.2
|
15.9
|
20.5
|
21.5
|
21.3
|
31.3
|
30.6
|
36.7
|
|
部員数が少ない
|
22.6
|
15.0
|
20.5
|
19.1
|
27.4
|
24.7
|
25.2
|
23.6
|
|
自分の研究や自由な時間等の妨げになっている
|
20.4
|
29.1
|
22.8
|
21.9
|
19.5
|
18.8
|
18.9
|
13.4
|
|
予算が不足
|
14.4
|
8.6
|
6.7
|
10.0
|
9.6
|
17.0
|
17.2
|
26.5
|
|
部員のやる気が不足
|
9.4
|
9.5
|
10.6
|
11.6
|
12.2
|
11.9
|
8.1
|
5.2
|
|
競技志向の生徒と楽しみ志向 の生徒の共存
|
9.3
|
4.9
|
6.7
|
8.8
|
10.9
|
8.9
|
13.6
|
7.2
|
|
部員のケガが心配
|
9.1
|
9.2
|
5.9
|
7.6
|
8.3
|
8.9
|
9.1
|
12.1
|
|
部員の能力不足
|
7.0
|
2.8
|
5.5
|
4.8
|
7.0
|
6.0
|
9.6
|
11.1
|
|
部員同士の人間関係
|
6.1
|
5.2
|
6.7
|
6.0
|
3.9
|
6.0
|
5.9
|
8.5
|
|
部員数が多い
|
3.9
|
1.5
|
2.8
|
3.6
|
3.9
|
3.6
|
5.5
|
5.2
|
|
自分の経済的負担
|
4.5
|
4.0
|
3.5
|
4.0
|
2.6
|
4.5
|
5.0
|
6.9
|
|
生徒の塾(習い事)との関連
|
4.2
|
1.5
|
3.2
|
4.4
|
4.8
|
6.0
|
5.0
|
4.3
|
|
部員の考えがつかめない
|
2.7
|
0.9
|
3.5
|
1.6
|
2.6
|
3.6
|
3.4
|
3.0
|
|
保護者の無理解
|
2.0
|
0.0
|
0.8
|
0.4
|
1.7
|
2.7
|
3.5
|
2.6
|
|
意義を見出せない
|
1.7
|
4.6
|
2.4
|
0.8
|
1.3
|
1.5
|
1.2
|
0.7
|
|
保護者の期待の過熱
|
1.6
|
0.6
|
0.4
|
0.4
|
0.0
|
1.2
|
2.1
|
5.2
|
|
外部指導者との関係
|
1.4
|
1.8
|
2.8
|
0.8
|
1.3
|
0.6
|
1.2
|
2.0
|
|
特にない
|
2.4
|
3.7
|
2.0
|
0.8
|
0.9
|
2.7
|
2.3
|
3.3
|
(最大3つまで回答可)
(7) 運動部活動の運営管理上の悩み(校長)
校長に対し,「運動部活動について特に悩んでいることは何か」を聞いたところ(最大2つまで回答可),中学校では,「指導者の負担加重」と答えた者が最も多く(56.0%),次いで「指導者の不足」(42.0%),「施設・設備等の不備・不足」(28.0%)と答えた者が多かった。高等学校では,「指導者の不足」と答えた者が最も多く(45.5%),次いで「指導者の負担加重」(43.4%),「施設・設備等の不備・不足」(31.3%)の順であった。
※ 校長の悩み
| |
中学校
|
高等学校
|
|
指導者の負担加重
|
56.0%
|
43.4%
|
|
指導者の不足
|
42.0
|
45.5
|
|
施設・設備等の不備・不足
|
28.0
|
31.3
|
|
入部者の減少
|
12.0
|
26.3
|
|
予算の不足
|
21.0
|
15.2
|
|
指導者の指導力の不足
|
17.0
|
18.2
|
|
保護者の期待が過熱
|
4.0
|
1.0
|
|
生徒の塾(習い事)との関連
|
3.0
|
1.0
|
|
保護者の無理解
|
2.0
|
2.0
|
|
指導者の意識の過熱など
|
2.0
|
1.0
|
|
特にない
|
0.0
|
2.0
|
(最大2つまで回答可)
(8) スポーツ外傷・障害の経験の有無(運動部員)
運動部員に対し,スポーツ外傷(ケガ)又はスポーツ障害(使い過ぎによって身体のどこかをいためること)で1週間以上練習を休んだ経験の有無を聞いたところ,スポーツ外傷については,中学生で20.0%,高校生で33.4%であり,スポーツ障害については,中学生で12.6%,高校生で24.9%であった。
学年別で比較すると,中学生,高校生とも,学年が上がるほど経験がある者の割合が高くなり,スポーツ外傷については,中学3年生で34.0%,高校3年生で40.8%,スポーツ障害については,中学3年生で20.8%,高校3年生で30.5%となっている。
※ スポーツ外傷・障害の経験の有無
i) 中学校
| |
スポーツ外傷の経験の有無
|
スポーツ障害の経験の有無
|
| 全 体 |
学年別
|
全 体 |
学年別
|
|
1年生
|
2年生
|
3年生
|
1年生
|
2年生
|
3年生
|
|
あ る
|
20.0%
|
6.3%
|
21.2%
|
34.0%
|
12.6%
|
4.1%
|
13.6%
|
20.8%
|
|
な い
|
80.0
|
93.8
|
78.8
|
66.0
|
87.4
|
95.9
|
86.4
|
79.2
|
ii) 高等学校
| |
スポーツ外傷の経験の有無
|
スポーツ障害の経験の有無
|
| 全 体 |
学年別
|
全 体 |
学年別
|
|
1年生
|
2年生
|
3年生
|
1年生
|
2年生
|
3年生
|
|
あ る
|
33.4%
|
25.8%
|
36.0%
|
40.8%
|
24.9%
|
18.8%
|
27.1%
|
30.5%
|
|
な い
|
66.6
|
74.3
|
64.0
|
59.2
|
75.1
|
81.2
|
72.9
|
69.5
|
なお,運動部員に対し,「小学生又は中学生の時から継続しているスポーツ障害があるか」を聞いたところ,中学生では5.9%の者が小学生の時から継続しているスポーツ障害があると答えた。高校生では,4.1%の者が小学生の時から継続しているスポーツ障害があると答え,10.3%の者が中学生の時から継続しているスポーツ障害があると答えている。
(9) スポーツ外傷・障害の予防知識の有無(運動部顧問)
運動部の顧問に対し,「スポーツ外傷・障害を予防するための知識を持っているか」を聞いたところ,「知っている」と答えた者は中学校で66.6%,高等学校で69.5%であり,「知らない」と答えた者は中学校で33.4%,高等学校で30.5%であった。
「大いに知っている」と答えた者は中学校で2.0%,高等学校で3.3%であり,「全く知らない」と答えた者は中学校で6.6%,高等学校で8.0%である。
学期中の指導日数別に比較すると,高等学校では指導日数が多い者ほど知っていると答えた者の割合が高くなっている。中学校では週1日指導している者から週4日指導している者までは知っていると答えた者の割合が増えている(48.3%→70.3%)が,週4日以上指導している者では知っていると答えた者の割合はほぼ7割で固定している。
なお,週6日以上指導している者のうち,中学校で28.8%,高等学校で16.6%が,知らないと答えている。
2 考 察
これまで見てきたように,全体としては,運動部活動に対する生徒や保護者の満足度等は高い。我々としては,多くの運動部において健全に活動が行われているものと考える。
しかしながら,運動部活動の現状をめぐる課題として,主に次のようなことが指摘できるであろう。
(1) 活動量の問題
平成8年調査の結果によれば,運動部員のうち,中学生で26.0%,高校生で36.1%が学期中週7日活動しており,また,中学生で13.2%,高校生で21.1%が週6日以上・1日3時間以上の活動を行っている。長期休業中についても,相当程度の日数や時間数の活動を行っている生徒が存在している。
運動部活動の問題点や悩み,不満として,このような運動部における活動量の多さを指摘する者が,生徒,保護者,教員の10数%〜30数%に上っている。
行き過ぎた活動量は,生徒の心身に疲労を蓄積し,スポーツ障害の要因となるのみならず,その学校を卒業すれば(その)スポーツは行わないといういわゆるバーンアウト(燃え尽き)の一因ともなると考えられる。
さらには,生徒のバランスのとれた生活や成長を考えたとき,運動部活動に極端に偏ることは,望ましいことではない。
この点については,中央教育審議会第一次答申においても,「勝利至上主義的な考え方から休日もほとんどなく長時間にわたる活動を子供たちに強制するような一部の在り方は改善を図っていく必要がある」と指摘されている。
さらに,保健体育審議会答申においても,「一部に見られる勝利至上主義的な在り方については,生徒の豊かな学校生活を保障し全人格的な成長を図るという運動部活動の基本的意義を踏まえ,指導者が・・・・生徒の発育・発達段階に深い理解を持ち,特にスポーツ障害が生じないよう十分留意することが必要」であり,「大会で勝つことのみを重視し過重な練習を強いたり,その生徒のバランスのとれた生活や成長に支障を来している」場合は問題である旨の指摘がなされているところである。
(2) 顧問の実技指導力の問題
平成8年調査の結果によれば,顧問の指導上の悩みとしては,中学校,高等学校とも,「校務が忙しくて思うように指導できない」という事柄に続いて,「自分の専門的指導力の不足」と答えた者が多かった(中学校40.0%,高等学校35.3%)。
これについては,ある程度実技の指導力を有しつつもなお一層向上させたいと感じている顧問が相当数含まれている一方,名目的に就任している顧問も一定程度含まれているものと思われる。
ある競技の運動部にその競技の経験があまりない顧問が就任する場合があること自体は当然あり得ることであるが,顧問が実技の指導力を向上させ生徒のスポーツニーズによりこたえていくことも望まれているところである。
より大きな問題は,中学生で20.0%,高校生で33.4%の運動部員がスポーツ外傷によって,中学生で12.6%,高校生で24.9%の運動部員がスポーツ障害によって,1週間以上練習を休んだ経験があるにもかかわらず,スポーツ外傷・障害の予防知識をほとんど又は全く持っていないと答えた運動部顧問が中学校で33.4%,高等学校で30.5%に上っていることである。
外傷や障害が発生するのはスポーツ自体の特性によるとの意見もあるものの,その発生は多かれ少なかれ,運動部活動のよさ自体を損なうものであり,活動量だけでなく活動の質も合わせて,十分な配慮の下に活動を行う必要がある。
なお,調査結果によれば,顧問の意識の過熱や厳しすぎる練習内容などを問題点等として指摘した生徒や保護者等が数%いた。この点に関連して付言すれば,万が一にも体罰が行われるようなことがあってはならないことは言うまでもない。
(3) 部員数や顧問数の減少,顧問の高齢化の問題
中学校では昭和61年をピークに,高等学校では平成元年をピークに生徒数が大幅に減少しており,平成8年で比較すると,中学生で157万8千人,高校生で109万7千人の減少となっている。
それに伴い,中学校では昭和62年をピークに,高等学校では平成3年をピークに教員数も減少しており,平成8年で比較すると,中学校で2万1千人,高等学校で7千人の減少が見られる。
この点,学校数がほぼ横ばいであることを考えれば,全体の傾向としては,1校当たりの生徒数,教員数が減っていることになる。
このような生徒数の減少と教員数の減少は,運動部の部員数や顧問数の減少につながるものであり,平成8年調査の結果でも,「ここ3か年程度において生徒や顧問の減少により休部や廃部となった運動部があるか」という校長への質問に対し,中学校では1〜2部あると答えた者が43.0%,3部以上あると答えた者が1%おり,高等学校でも31.6%が1〜2部あると答えている。
また,平成3年と平成8年の比較で,(財)日本中学校体育連盟の加盟運動部数は約5千部の減少を見せており,全国高等学校体育連盟の加盟運動部数は,女子は増加(約800部)しているものの,男子は約300部の減少が見られるところである(全国大会主催競技での比較)。
なお,生徒数の減少は,新規採用教員数を減らし,教員の平均年齢を上げ,教員全体の高齢化に結び付いており,運動部の顧問も,全体として少しずつ,高齢化してきていると考えられる。
(4) 全員入部
中央教育審議会第一次答申では,「学校が全ての子供に対して部活動への参加を義務づけ画一的に活動を強制するような一部の在り方は改善を図っていく必要がある」旨指摘されており,保健体育審議会答申も,「部活動への参加が強制にわたることのないよう運営すべきである」と指摘している。
これについては,第2部で考察したい。
第2部 これからの運動部活動の在り方
戻る
第1部で述べたように,運動部活動は,自発的・自主的な生徒の活動を学校が支援しているものであり,各学校における多様な展開が考えられる。
他方,運動部活動に対する生徒や保護者の期待は大きく,教員や校長,地域のスポーツクラブ等の指導者もその必要性を高く認めている。
本協力者会議では,これからの運動部活動の全体的な在り方について,必ずしも一律に論ずることはできないことは踏まえつつも,多様な生徒のニーズにいかにこたえ,その成長をいかに支えていくかということに視点を置いて検討した。
第1章 基本的考え方
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中央教育審議会第一次答申では,今後の教育においては,学校・家庭・地域社会全体を通して,子供たちに次のような[生きる力]をはぐくんでいくことが基本であるとの提言がなされている。
- 自分で課題を見つけ,自ら学び,自ら考え,主体的に判断し,行動し,よりよく問題を解決する能力
- 自らを律しつつ,他人と協調し,他人を思いやる心や感動する心など豊かな人間性とたくましく生きるための健康や体力
また,[生きる力]をはぐくんでいくためにも,一人一人の個性をかけがえのないものとして尊重し,その伸長を図ることを一層推し進めていく必要があり,個性尊重の考え方に内在する自立心,自己抑制力,自己責任や自助の精神,さらには,他者との共生,異質なものへの寛容,社会との調和といった理念が,一層重視されなければならないとされている。
さらに,子供に[生きる力]をはぐくむためには,子供たちをはじめ,社会全体に[ゆとり]を持たせることが必要であることが強調されている。
そして,これらを踏まえ,これからの学校の目指す教育としては,
- [生きる力]の育成を基本とし,知識を一方的に教え込むことになりがちであった教育から,子供たちが,自ら学び,自ら考える教育への転換を目指す。そして,知・徳・体のバランスのとれた教育を展開し,豊かな人間性とたくましい体をはぐくんでいく。
- 生涯学習社会を見据えつつ,学校ですべての教育を完結するという考え方を採らずに,自ら学び,自ら考える力などの[生きる力]という生涯学習の基礎的な資質の育成を重視する。
とし,そうした教育を実現するため,学校は,
- [ゆとり]のある教育環境で[ゆとり]のある教育活動を展開する。そして,子供たち一人一人が大切にされ,教員や仲間と楽しく学び合い活動する中で,存在感や自己実現の喜びを実感しつつ,[生きる力]を身に付けていく。
- 子供たちを,一つの物差しではなく,多元的な,多様な物差しで見,子供たち一人一人のよさや可能性を見いだし,それを伸ばすという視点を重視する。
- 豊かな人間性と専門的な知識・技術や幅広い教養を基盤とする実践的な指導力を備えた教員によって,子供たちに[生きる力]をはぐくんでいく。
- 地域や学校,子供たちの実態に応じて,創意工夫を生かした特色ある教育活動を展開する。
- 家庭や地域社会との連携を進め,家庭や地域社会とともに子供たちを育成する開かれた学校となる。
ことなどが必要であるとの提言がなされている。
第1部で考察した運動部活動の意義の多くが,今後の教育において重視すべきとされている事柄に大きく貢献できるものであることが読み取れるが,これからの運動部活動を考えるに当たって,このような考えを十分踏まえることはもとより必要であり,本協力者会議としては,今後の運動部活動の展開に当たって,主に次のような視点が基本となると考えた。
(生徒の個性の尊重と柔軟な運営)
部活動は,生徒が自発的・自主的に活動を組織し展開することに一つの本質を有しており,運動部活動の指導者はできる限り,個々の生徒の個性を把握し,理解し,その願いにこたえられるよう努めていくことが求められる。
また,運動部の運営において顧問が,競技種目によって差はあるものの,安全への配慮など適切な支援を行いつつ,可能な限りで生徒に運営を任せていくことは,生徒の[生きる力]の育成に大いに貢献するものであると考える。
さらに,学校全体としても,運動部活動の運営について,より広く生徒の意見を反映させることが望まれるところである。
これらは,生徒の志向に対応した活動内容の多様化にもつながるものであり,そのためには,各学校において,運動部活動の運営に柔軟な考え方を一層導入することが必要である。
(生徒の生活のバランスの確保)
保健体育審議会答申でも述べられているように,運動部において継続的にスポーツをする上で,個々の生徒が今以上の技能や記録に挑戦することは自然なことであり,それを学校が支援すること自体が問題とされるものではない。問題とされるのは,大会で勝つことのみを重視し過重な練習を強いたり,その生徒のバランスのとれた生活や成長に支障を来している場合である。
保健体育審議会答申は,また,世界のトップレベルを目指すような資質を有する選手についても,目先の勝敗にとらわれずに,長期的・計画的に指導を行うということが指導の理念として最も重要であるとも提言している。
運動部において行き過ぎた練習が行われた場合,生徒の心身に疲労が蓄積され,スポーツ障害やバーンアウト(燃え尽き)を発生させる要因となることは容易に予想される。
さらに,生徒のバランスのとれた生活や成長を考えると,運動部活動に極端に偏ることは望ましくない。中央教育審議会第一次答申は,子供たちに[ゆとり]を持たせるためには,子供たちが主体的,自発的に使える時間をできるだけ多く確保することが必要であるとしており,運動部活動はこのような生徒の主体的,自発的な活動の時間であるとの考え方もでき得るものの,やはり,適切に活動日数や活動時間数を設定し,生徒の家庭や地域社会での活動時間に配慮するという考え方も必要である。
また,運動部活動の中においても,生徒に[ゆとり]を持たせることが求められている。
(開かれた運動部活動)
これからの学校は,家庭や地域社会とともに子供たちを育成する開かれた学校となることが必要であるとされているが,運動部活動についても,学校は,自らをできるだけ開かれたものとし,保護者や地域の人々に,自らの考えや現状を率直に語るとともに,その意見を十分に聞く努力を払うことが望まれる。
また,運動部活動の展開に当たっては,指導に際し地域の人々の教育力の活用を図ったり,家庭や地域社会の支援をいただくことに積極的であってほしいと願う。
このような取組は,運動部活動をより多彩で活発なものにするとともに,家庭や地域の人々の理解をより深めることに大いに資する。
第2章 具体的提案
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第2章では,生徒にとって望ましいこれからの運動部活動の在り方はどのようなものか,それを実現するためにはどのようなことが考えられるのか,平成8年調査の結果も踏まえながら,具体の事項を考察し,各般の参考に供することとする。
1 活動日数・活動時間数について
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[1] 平成8年調査の結果から
(1) 適当な週当たりの活動(指導)日数等
i) 中学校
ア 生徒の意識
運動部に所属している中学生に対し,適当(妥当)と思う学期中の週当たりの活動日数及び平日の1日当たりの活動時間数を聞いたところ,最も多かったのは,活動日数では週5日(35.9%),活動時間数では2〜3時間未満(47.2%)であった。日数と時間数の組合せで最も多いのは,活動日数が週5日で活動時間数が2〜3時間未満(19.2%),次いで週6日で2〜3時間未満(16.4%)である。
また,実際の活動日数との関係を見ると,おおむね,週1〜3日活動している生徒には活動日数が適当又はもう少し活動してもよいと思っている生徒が多く,週4日〜5日活動している生徒には活動日数が適当と思っている生徒が多いのに対し,週6日活動している生徒には活動日数が適当又は1日休みたい生徒が多く,週7日活動している生徒には1日又は2日休みたいと思っている生徒が比較的多いと推測される。
イ 保護者の意識
運動部員の保護者については,最も多かったのは,活動日数では週5日(36.6%),活動時間数では1〜2時間未満(51.8%)であった。日数と時間数の組合せで最も多いのは,週5日で1〜2時間未満(18.6%),次いで週5日で2〜3時間未満(16.7%)である。
ウ 顧問の意識
運動部の顧問に対し,適当(妥当)と思う学期中の週当たりの指導日数及び平日の1日当たりの指導時間数を聞いたところ,指導日数では週5日と答えた者が最も多く(39.3%),指導時間数では2〜3時間未満と答えた者が最も多かった(50.0%)。日数と時間数の組合せで最も多いのは,指導日数が週5日で指導時間数が2〜3時間未満(21.1%),次いで週6日で2〜3時間未満(18.7%)であった。
また,実際の指導日数との関係を見ると,おおむね,週1日指導している顧問では週4日,週2〜5日指導している顧問では週5日,週6〜7日指導している顧問では週6日が,適当と考える指導日数の分布の中心となっている。
ii) 高等学校
ア 生徒の意識
高等学校については,生徒では,活動日数では週6日と答えた者が最も多く(39.5%),活動時間数では2〜3時間未満と答えた者が多かった(54.3%)。日数と時間数の組合せで最も多いのは,活動日数が週6日で活動時間数が2〜3時間未満(24.7%),次いで週5日で2〜3時間未満(18.5%)であった。
また,実際の活動日数との関係を見ると,週1〜3日活動している生徒には活動日数が適当又はもう少し活動してもよいと思っている生徒が多く,週4〜5日活動している生徒には活動日数が適当と思っている生徒が多いのに対し,週6日活動している生徒には活動日数が適当又は1日休みたい生徒が多く,週7日活動している生徒には1日休みたいと思っている生徒が比較的多いと推測される。
イ 保護者の意識
保護者については,最も多かったのは,活動日数では週5日(34.1%),活動時間数では2〜3時間未満(49.6%)であった。日数と時間数の組合せで最も多いのは,週5日で2〜3時間未満(17.8%),次いで週6日で2〜3時間未満(17.1%)である。
ウ 顧問の意識
顧問については,指導日数では週6日と答えた者が最も多く(35.0%),指導時間数では2〜3時間未満と答えた者が最も多かった(51.2%)。日数と時間数の組合せで最も多いのは,指導日数が週6日で指導時間数が2〜3時間未満(24.2%),次いで週5日で2〜3時間未満(15.8%)であった。
また,実際の指導日数との関係を見ると,週1〜2日指導している顧問では3〜5日,週3〜5日指導している顧問では5日,週6〜7日指導している顧問では6日が適当であると答えた者の割合が高い。
(2) 活動量の当否
「所属している運動部の活動量は適当だと思うか」という質問に対し「適当でない」と答えた運動部員は,週1日活動している者で最も多く,次いで中学生では週2日活動している生徒,週7日活動している生徒の順であり,高校生では週7日活動している生徒,週2日活動している生徒の順であった。
(3) 運動部活動は楽しいか
「運動部の活動は楽しいか」という質問に対し「苦しい」と答えた運動部員は,中学生では週2日活動している生徒,週7日活動している生徒の順,高校生では週7日活動している生徒,週1日活動している生徒の順で多かった。
(4) 活動上の悩み
活動上の悩みとして「疲れがたまる」「休日が少なすぎる」「遊んだり勉強する時間がない」を挙げた運動部員は,中学生,高校生とも,週6日以上活動している生徒で多くなっている。
(5) スポーツ障害の発生状況
スポーツ障害で1週間以上練習を休んだ経験を有する運動部員は,中学生,高校生とも週1〜2日活動している生徒で最も多かったものの,週3日以上活動している生徒では,活動日数が上がるにつれて経験のある者の割合が高くなる傾向が見られた。
(6) 休業土曜日と日曜日の運動部活動について
「学校が休業日(休み)となる土曜日と日曜日の運動部活動についてどう思うか」について,中学校の運動部員,運動部員の保護者,運動部顧問の7割余り,高等学校の運動部員,運動部員の保護者,運動部顧問の6割〜7割余りが,休業土曜日と日曜日の少なくとも一方を休みにした方がよいと答えている。
[2] 考 察
運動部活動の意義の実現ということを考えれば,少ない活動日数・活動時間数が望ましいとも言えないものの,スポーツ障害やバーンアウトの予防の観点,生徒のバランスのとれた生活と成長の確保の観点などを踏まえると,行き過ぎた活動は望ましくなく,適切な休養日等が確保されることは必要なことである。
したがって,我々としては,[1] に示した調査結果の分析も踏まえ,次のような休養日等の設定例を示し,各般の参考に供するところである。
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〔運動部における休養日等の設定例〕(参考)
- 中学校の運動部では,学期中は週当たり2日以上の休養日を設定。
- 高等学校の運動部では,学期中は週当たり1日以上の休養日を設定。
- 練習試合や大会への参加など休業土曜日や日曜日に活動する必要がある場合は,休養日を他の曜日で確保。
- 休業土曜日や日曜日の活動については,子供の[ゆとり]を確保し,家族や部員以外の友達,地域の人々などとより触れ合えるようにするという学校週5日制の趣旨に適切に配慮。
- 長期休業中の活動については,上記の学期中の休養日の設定に準じた扱いを行うとともに,ある程度長期のまとまった休養日を設け,生徒に十分な休養を与える。
- なお,効率的な練習を行い,長くても平日は2〜3時間程度以内,休業土曜日や日曜日に実施する場合でも3〜4時間程度以内で練習を終えることを目処とする。長期休業中の練習についても,これに準ずる。
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これまでの運動部活動では,活動日数等が多ければ多いほど積極的に部活動が行われているとの考えも一部に見られたが,今後,各学校,各運動部において,適切に休養日等が確保されることを期待したい。
なお,委員の中には,可能なところでは,オフシーズンを設け,生徒のスポーツ障害やバーンアウトを予防するとともに,多様なスポーツ経験を通じて幅広い成長を促すことが望まれるとの意見もあった。
また,他校の状況との比較などから各学校,各顧問の判断だけではなかなか休養日等を設定しにくい現実があるとの委員の意見もあったところであり,これを踏まえると,都道府県・市町村の教育委員会や学校体育団体において,休養日等の目安を示していくことも検討されてよい。
2 入部の在り方について
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[1] 平成8年調査の結果から
(1) 入部の理由
運動部員の入部の理由について,全員入部,希望者のみ入部という入部の在り方で比較してみたところ,「そのスポーツを楽しみたかったから」,「そのスポーツをうまくなりたかったから」,「体を鍛えたかったから」,「充実して過ごせると思ったから」などと答えた者の割合がいずれも高く,差はほとんど認められなかった。「全員加入で仕方なく」と答えた者は,全員入部の生徒であっても,中学生,高校生とも,4%程度にとどまる。
(2) 部活動は楽しいか
「運動部の活動は楽しいか」ということを,全員入部,希望者のみ入部という入部の在り方で比較すると,全員入部の生徒も8割以上が「楽しい」と答えており,希望者のみ入部の生徒との差は極わずかであった。
(3) 保護者の運動部活動についての不満
運動部員の保護者に対する子供の運動部活動についての不満についての質問で,「全員加入とされており,本人の希望に合わない活動を強制されている」と答えた保護者は,中学校で1.8%,高等学校では0.5%にとどまっている。
[2] 考 察
入部の在り方に関する本協力者会議の検討においては,i)子供の体力・運動能力が低下してきている現状もあり,運動部活動の意義をより多くの生徒が経験することはむしろ望ましいと考えられる,ii)生徒数が減少する中で全員入部によって部員数が確保できている状況も認められる, 特別活動の必修クラブ活動を部活動で代替している学校も多い, 調査結果からは全員入部が特に問題であると読み取ることは難しい,などの意見が多く出た。
しかしながら,生徒が自発的・自主的に活動を組織し展開するという部活動の本質を突き詰めると,運動部活動への参加については,生徒一人一人の考えを大切にすることが必要であり,保健体育審議会答申で指摘されているとおり,部活動への参加が強制にわたることのないようにすべきである。
なお,部活動で必修クラブ活動を代替させるために全生徒を何らかの部に所属させている学校もあるようである。けれども,部活動による必修クラブ活動の代替は,学習指導要領上「部活動に参加する生徒については,当該部活動への参加によりクラブ活動を履修した場合と同様の成果があると認められるとき」に,学校の判断により行うことができるものであり,学校においては,部活動による必修クラブ活動の代替を行うために部活動に入部を強制することがないよう適切に運営すべきである。
3 運営の在り方について
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[1] 平成8年調査の結果から
(1) 生徒の意見の反映状況と部活動の楽しさ
運動部員に対し,「所属している運動部の練習や試合に生徒の意見は反映されていると思うか」を聞いたところ,中学生で75.4%,高校生で82.0%が「反映されている」と答えた。
「運動部活動は楽しいか」ということと他の要因との関係では,この「生徒の意見の反映状況」が最も関係が強く認められたところであり,中学生,高校生とも「反映されている」と答えた者ほど「楽しい」と答えた者の割合が高く,中学生では「よく反映されている」90.6%から「全く反映されていない」64.8%まで約26%の開き,高校生では「よく反映されている」91.5%から「全く反映されていない」54.4%まで約37%の開きがあった。
(2) 転部の取扱い
転部を認めていない学校が中学校で17.0%,高等学校で2.1%ある。
(3) 競技志向の生徒と楽しみ志向の生徒が一緒に練習することについて
競技志向の生徒と楽しみ志向の生徒が一緒に練習することについて運動部員に聞いたところ,「同じ部で一緒に練習したい」と答えた者が中学生で74.7%,高校生で72.6%と最も多く,次いで「同じ部で別々に練習したい」と答えた者が中学生で16.4%,高校生で14.0%であった。
[2] 考 察
(1) 保健体育審議会の指摘(提言)
運動部の運営の在り方について,保健体育審議会答申では,これまでに述べた活動日数・活動時間数等の問題以外で,次のようなことが指摘されている。
- 一部に見られる勝利至上主義的な在り方については,生徒の豊かな学校生活を保障し全人格的な成長を図るという運動部活動の基本的意義を踏まえ,指導者が生徒の主体性を尊重した運営を心掛けることが必要。
- 健康・交流志向や競技志向など志向の違いに対する配慮,シーズン制,複数種目制など,生徒の志向に対応した活動内容の多様化を図ることも考えられる。
(2) 本協力者会議の考え
本協力者会議としては,これらも踏まえ,運動部の運営において今後,次のような工夫が行われることが求められていると考える。
(生徒の意見の十分な反映と運営の柔軟性)
- 運動部の運営に生徒の意見を反映させることが基本的に重要であり,運動部の指導者は,部の運営(目標の設定や練習計画の設定等)について,生徒との意見交換を十分に行い,生徒の意見を十分に反映させることが必要である。
指導者の一方的な方針に基づいて活動するのではなく,部員一人一人が主体性を持ってより納得してスポーツに取り組めるようにすることは,スポーツの行い方,楽しみ方,見方,スポーツ集団における他者との関係の持ち方やリーダーシップなど,生徒たちが生涯にわたってスポーツを愛好する上で望まれる能力と態度を一層伸長するものであり,将来,運動部員の一人でも多くが,地域スポーツの実践者やリーダー,支援者となることを促進することにつながるものと考えられる。
また,スポーツとの関わりのみならず,全人的な力である[生きる力]をはぐくむためにも,生徒たちが,自ら課題を見いだし,自ら目標を設定し,自ら工夫して活動に取り組むようにすることが必要である。
ここでいう生徒の意見の反映ということは,多くの場合,部員全体の集団としての意見の反映ということになろうが,究極的には,個々の部員の情報をどの程度把握し,理解し,その願いをどの程度満たせるかということに,教員としての顧問の力量,あるいは学校としての対応が問われることになろう。
- また,運動部の運営に生徒の意見を反映させることは,健康・交流志向や競技志向など志向の違いに配慮した運営につながり,また,オフシーズンを設ける部やシーズンにより違う種目を行う部もできてくるなど,生徒の志向に対応した活動内容の多様化に結び付いていくものと考えられる。
- さらに,競技種目の特性による違いは予想されるものの,生徒同士の人間関係や事故防止などについて顧問が適切な支援を行いつつ,可能な限りで生徒に運営を任せていくことも生徒の[生きる力]の育成に大いに貢献するものである。
- また,各学校で,より多くの生徒が入部を希望するようになるための工夫や,運動部間の移動をしやすくするための工夫を図ることも望まれる。このため,例えば,全生徒に対し運動部の運営についてアンケート調査を行い可能な範囲で意見を反映させることや,希望する生徒が複数の運動部で活動できるような環境を整えたり,学期ごとに転部・入部の希望のアンケート調査を行い可能な範囲で意見を反映させることなどが考えられる。
- 運動部の運営においては,レギュラー以外の生徒についても,練習試合などに参加できる機会を配慮することが望ましい。さらには,中学校体育連盟(中体連)や高等学校体育連盟(高体連)等において,例えば市町村内の大会について,レギュラー以外の運動部員が参加する大会を設けることを検討していくことも望まれる。
(開かれた運動部活動)
- これからの学校は,保護者や地域に「開かれた学校」となることが肝要であり,運動部の運営についても,保護者や地域の人々に対して自らの考えや現状を率直に語り,その意見を十分に聞くなど,「開かれた運動部」となる努力をさらに払っていくことが大切である。
このための方策としては,例えば,保護者(説明)会や部活動参観日等の設定,部活動通信の発行などが考えられるところである。また,後に述べる外部指導者の活用も「開かれた運動部活動」という取組の一環としてとらえることもできる。
- さらには,各運動部と地域スポーツクラブ(例えば,スポーツ少年団やママさんバレーボールチーム,地域の野球チーム,卓球チームなど)との交流を図っていくことや,民間スポーツクラブと連携していくことも考えられる。
また,各運動部が,障害者や高齢者のスポーツを含めた地域スポーツに貢献していくことや,部活動の一環として優れた選手のプレーを見に行くことなどもあるとよい。
このような取組は,運動部員の成長にとって大きな意義を有するのみならず,「スポーツボランティア」や「見るスポーツ」というスポーツへの多様な関わりに関する理解を深め,「文化としてのスポーツ」を支えるための基盤を育成するものであり,なお一層の取組が望まれるところである。
4 顧問の実技指導力の向上とスポーツ医・科学に関する外部の専門家や諸機関の活用について
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(1) 保健体育審議会の指摘(提言)
保健体育審議会答申では,顧問に対して研修を行うなどによりその指導力の向上を図っていくことが求められること,スポーツ医・科学の知識を身に付けた外部の指導者や諸機関の活用を図ることも重要であり,そのための条件整備策について検討する必要があることが指摘されている。
(2) 本協力者会議の考え
第1部第3章で見たように,運動部の顧問においては,スポーツ外傷・障害の予防知識を含め,スポーツ医・科学の成果に立脚した実技指導力をより向上させることが課題である。
このため,国や地方公共団体,関係団体において,研修会の開催や手引等の作成など,スポーツ医・科学に関する情報はもとより,運動部の運営や指導の在り方に関する情報提供を充実させていくことが望まれる。
また,各学校においても,顧問相互の情報交換や顧問と養護教諭との情報交換が一層密接に行われることを望むところである。
さらに,地方公共団体が,スポーツドクター(スポーツ医)や大学の専門家,都道府県・市町村のスポーツ施設の専門家やスポーツ相談コーナーなどの活用のための情報を集約し,学校からの求めに応じて提供していくことも期待したい。このようにしてできた人間関係のつながりは,運動部における医学的検査(メディカルチェック)の実施と充実にもつながっていくであろう。
なお,我々としては,運動部の顧問に求められるのは,実技の指導力だけでなく,生徒の人間として調和のとれた成長を目指し,心身ともに健全な国民の育成を期するという学校教育の目的を踏まえて,適切に運動部を運営できる能力であり,後者の方がより比重が大きいことを強調したい。
5 外部指導者の活用について
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[1] 平成8年調査の結果から
(1) 運動部員の保護者,運動部顧問,校長の意識
運動部員の保護者,運動部顧問,校長に対し,「(これからの)運動部の指導に外部指導者の活用を図ることについてどう思うか」を聞いたところでは,中学校,高等学校とも,運動部員保護者,運動部顧問の約9割,校長の約8割が「活用するほうがよい」,又は「活用してもよい」と答えている。
(2) 地域のスポーツクラブ等の指導者の意識
地域のスポーツクラブ等の指導者に対し,「仮に近隣の学校から運動部の指導に協力を依頼された場合,協力する意志があるか」を聞いたところでは,36.7%が「求めがあれば是非協力したい」,59.9%が「自分の時間等の制約がなければ協力したい」と答えた。
「協力したいとは思わない」と答えた者は3.3%である。
[2] 考 察
(1) 保健体育審議会の指摘(提言)
運動部活動における外部指導者の活用については,保健体育審議会答申では,次のような趣旨の指摘(提言)がなされている。
- 教員(顧問)数の減少が進んでいる状況の中で,今後,生徒の多様なスポーツニーズにこたえていくためには,運動部活動における外部指導者の活用を促進することが望まれる。
- そのため,外部指導者の養成・確保策などについて検討を進めるとともに,採用する際には,広く都道府県スポーツ・リーダーバンクやスポーツ・レクリエーション団体に登録されている有資格指導者を積極的に活用していくことが望まれ,地方公共団体においては,外部指導者の活用のための措置を講ずることが必要である。
- また,外部指導者の活用方法についても,例えば,各学校の判断により,顧問との連携・協力の下に,外部指導者のみで実技指導を行ったり,顧問が引率できない場合に外部指導者が学校体育大会へ引率できるようにすることを認めていくことも考えられる。
(2) 本協力者会議の考え
外部指導者の活用については,我々としては,次のように考える。
(外部指導者の活用の必要性)
今後も,全体として,教員(顧問)数の減少や顧問の高齢化が進んでいく状況であることを踏まえると,多様な生徒のスポーツニーズにより広くこたえるためには,少しでも多くの教員が顧問になることを働きかけるとともに,外部の指導者の協力を求めることが必要である。
また,外部指導者の活用は,生徒が保護者やその学校の教職員以外の人と触れ合える一つの機会であり,生徒の成長にとっても意義のあることと言える。
(外部指導者の活用に当たっての考え方)
他方,運動部活動の意義は,生徒にスポーツの場を提供しその技能等を伸長することのみならず,むしろそれを通じて生徒の人間的な成長を促すことにある。
そして,部活動を通して生徒と密接に触れ合うことは,教員にとっては生徒理解を深める場として意義が認められるところであり,他方,生徒や保護者からすれば親身になって生徒を支える顧問の姿が,学校への信頼感をより高めることにつながるものである。
したがって,外部指導者の協力を得る場合でも,活動方針や活動計画の作成をはじめ運営全体についてはやはり顧問が進めるべきであり,外部指導者は実技指導面でその顧問を支える人々として位置付けられると考える。
外部指導者の導入は,教員(顧問)数の減少や高齢化等への対応ということのみならず,運動部の顧問にとっては,その外部指導者の持っている実技指導力を学び,自らの指導力を向上させることができる機会であると積極的に理解されることを期待したい。
(外部指導者の活用に当たっての留意事項)
また,外部指導者が学校教育や生徒の心身の発育・発達などに応じた運動部活動の指導を行うことができるよう,その協力を得るに当たっては,学校として校内の組織を整え外部指導者との十分な情報交換に留意することや,各顧問が外部指導者と適切な連携を図ることなどが必要である。
さらには,顧問を中心として,生徒,保護者,外部指導者を含めて,一体となって運動部を運営していくような取組が望まれる。
(外部指導者の活用を促進するための条件整備)
外部指導者の活用を促進するための条件整備としては,まず,地方公共団体において,外部指導者の活用のための予算上の措置を講じる必要がある。
すでに文部省では,従前の予算を拡大し,平成9年度から,都道府県が,中学校,高等学校等の運動部に外部指導者を派遣したり,外部指導者に対する研修会を開催するための経費の一部を補助しているところであるが,今後見込まれる需要を考えれば,地方公共団体においては,外部指導者の活用のための予算上の措置を一層図っていくことが求められる。
その際,地方公共団体においては,学校教育や生徒の心身の発育・発達などに応じた適切な指導が行われることとなるよう,外部指導者たり得る人の名簿を整備し学校の求めに応じて情報を提供する体制を整えることや,外部指導者に対する研修の機会を設けることなども強く望まれることである。
さらには,将来的に,保健体育審議会答申で提言されている「スポーツ・健康推進会議(仮称)」(おおむね中学校区程度の範囲において,地域住民主導により,スポーツや健康教育に関する総合的な企画や運営を行う組織)が組織されていけば,その指導者の中から運動部活動の外部指導者を紹介できるシステムが普及することも考えられる。
また,保健体育審議会の指摘・提言のうち,「各学校の判断により,顧問との連携・協力の下に,外部指導者のみで実技指導を行ったり,顧問が引率できない場合に外部指導者が学校体育大会へ引率できるようにすることを認めていくことも考えられる」ということについては,基本的には次のように考えられよう。
すなわち,先に述べたように,運動部の運営全体については顧問が進めるべきであり,外部指導者は実技指導面でその顧問を支える人々として位置付けられるが,顧問が常時指導に立ち会わなければならないわけではなく,顧問と外部指導者との間で活動方針や活動計画,安全面の配慮等について十分に打合せが行われ,教育委員会又は校長の了解がある場合には,指導の一部を外部指導者にゆだねることもあってよいと考える。また,運動部活動の一環としての大会(学校体育大会)への引率についても,十分な打合せの下,教育委員会又は校長の了解がある場合には,宿泊を伴う場合を除き,外部指導者が引率することがあってもよいと考える。これらの場合,生徒や保護者にもその旨を周知しておくことが望ましい。
ただし,この場合,都道府県や市町村など学校の設置者においては,外部指導者のみで実技指導をしたり引率したりする際の教育委員会,校長,顧問及び外部指導者の関係や責任の所在(特に事故防止のための対応及び不幸にして事故が発生した場合の対応)を明らかにするなど,万全を期すことが求められる。特に,外部指導者本人の事故に備え,保険加入の推進を図ることや(ボランティアとして指導を依頼する場合),非常勤職員として位置付けることを検討する必要がある。この点,専門的な資格を持った人材を確保し複数校での指導に当たらせることや,地域スポーツとの連携等も考慮して教育委員会の地域スポーツ(社会体育)担当職員の身分を併せ持った非常勤の職員として位置付けることを考慮することもよい。
6 複数校合同の運動部活動について
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[1] 平成8年調査の結果から
運動部員,運動部顧問及び校長に対し,複数校の運動部が合同で活動することについてどう思うかを聞いたところ,賛成した者は,中学校では,運動部員の46.5%,運動部顧問の50.5%,校長の55.6%,高等学校では,運動部員の54.6%,運動部顧問の58.0%,校長の56.1%,であり,総じて意見が割れているととらえられた。
[2] 考 察
複数校合同の運動部活動は,生徒数の減少によりその学校の生徒だけでは部を組織し難い状況も一部に見られることや,学校にその競技種目を指導できる顧問がいない場合に,近隣の学校にそのような顧問がいれば,合同で部を組織することができてもよいのではとの考えなどから,言われているものである。
複数校の運動部が合同で活動する形態としては,陸上競技や水泳のような個人競技における合同練習,バレーボールやバスケットボールなどのような団体競技における練習試合なども考えられるが,現在主に議論されているのは,複数校の運動部が一つのチームをつくって活動する形態についてである。
(1) 保健体育審議会の指摘(提言)
保健体育審議会答申では,生徒数の減少に伴い運動部活動が1校で維持できないような状況も一部に生じてきていることについては,既に複数校による合同の活動を認めている例もあることを踏まえて,今後,指導者の雇用形態や事故発生時の責任の内容も含めて指導の在り方,学校体育大会への参加資格の見直しなど,このような取組が一層可能となるような種々の条件整備策について検討を進める必要があると指摘されている。
(2) 本協力者会議の考え
(基本的考え方と配慮事項)
生徒の立場で考えると,運動部活動において,同じ学校の生徒と一緒に活動したいと思うのも自然である。そこで,生徒数の減少に対し,ある部員が複数の部に参加することにより部を維持しているという取組もあり得る。また,複数校合同の活動となると,学校間の移動に時間を要することが生徒の負担になることも事実であろう。
しかし,生徒数の減少等によりその学校だけではどうしても部を組織し難い場合において,他校との合同の部であってもそのスポーツをやりたいという生徒の願いにこたえるために,環境を整備していくことは望ましいことである。
複数校合同の部を設ける場合,それぞれの学校や顧問の間で十分な連携を図り,一人一人の部員に配慮が行き届くようにすることはもとより,競技力が高い生徒のみを集め強力チームが編成されることのないようにする必要があることは基本的に押さえておくべき事柄であり,合同の部の編成は,あくまで近隣校でのみ認められるとすべきである。また,生徒の移動の問題等を考えると,実際には,週に何日かは単独で,他の何日かは合同で,練習するということになろう。
なお,合同練習や合同合宿,練習試合などは,生徒にとっては他校の生徒との交流の機会であり,顧問にとっても相互の交流の機会であるので,適切な配慮の下に行われるならば,有意義な取組である。
(複数校合同の運動部活動を可能とするための条件整備)
保健体育審議会答申の指摘・提言のうち,「今後,指導者の雇用形態や事故発生時の責任の内容を含めて指導の在り方,学校体育大会への参加資格の見直しなど,このような取組が一層可能となるような種々の条件整備策について検討を進める必要がある」ということについては,中体連,高体連等の学校体育団体や,行政においても,十分に検討を進める必要があるが,基本的には次のように考えられよう。
つまり,複数校合同の部を設ける場合でも,それぞれの学校に顧問を置いて,学校間・顧問間で十分な連携を図り,一人一人の部員に十分配慮が行き届くようにすることが必要である。しかし,全顧問が常時指導に立ち会わなければならないわけではなく,主に指導する顧問とそれ以外の顧問との間で活動方針や活動計画,安全面への配慮等について十分に打合せが行われ,教育委員会又は各校長の了解がある場合には,指導の一部を主に指導する顧問にゆだねることもあってよいと考えられる。また,学校体育大会への引率については,十分な打合せの下,教育委員会又は各校長の了解がある場合には,宿泊を伴う場合を除き,主に指導する顧問が引率することがあってもよいと考えられる。これらの場合,生徒や保護者にもその旨を周知しておくことが望ましい。
なお,万一事故が発生した場合に備え,学校間で事故への対応等について十分な共通理解を図っておく必要があるが,その際,教育委員会が指針を示して適切な指導助言を行うなど,このような取組が一層可能となるように対応を進める必要がある。また,複数校合同の運動部活動を可能とするためには,学校体育大会の参加資格の見直しが不可欠であり,中体連や高体連等の学校体育団体は,この点について早急に検討する必要がある。
7 これからの運動部活動と地域スポーツ(社会体育)との関係の在り方について
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[1] 平成8年調査の結果から
(1) 運動部活動の必要性
全保護者,全教員,校長及び地域のスポーツクラブ等の指導者に対し,「中学校や高等学校において運動部活動を設けることは必要なことだと思うか」を聞いたところ,いずれも9割以上(保護者,校長,地域のスポーツクラブ等の指導者は95%以上)が「必要である」とした。
また,運動部員の保護者とそれ以外の保護者,運動部顧問とそれ以外の教員とを比較すると,いずれも前者の方が必要であると答えた者の割合が若干高いが,後者でも9割以上が必要であると答えた。
(2) 運動部活動の将来の在り方
1 生徒の考え(運動部員)
運動部員に対し,「あなたが入学してすぐのこととして答えてください。仮に,あなたが所属している運動部と同じ種目を行えるスポーツクラブ,スポーツスクール,道場等が近くにあったとして,あなたは運動部に所属したと思いますか,そのようなスポーツクラブ等に所属したと思いますか。そのスポーツクラブ等においても運動部と同じレベルの活動が行われていて,かかる費用も同じくらいとして考えてください。」と聞いたところ,「運動部に所属した」,又は「運動部と地域のスポーツクラブ等の両方に所属した」と答えた生徒が,中学生で90.5%,高校生で91.5%であった。
2 保護者の考え(全保護者)
全保護者に対し,「運動部活動を将来どのようにしていくのがよいと思うか」を聞いたところ,中学校で90.6%,高等学校で90.1%が全部又は大部分の運動部活動は「学校に残した方がよい」と答えた。
運動部員の保護者とそれ以外の保護者を比較したところ,前者の方が残した方がよいと答えた者の割合が高いが,後者でも中学校で83.6%,高等学校で86.3%が残した方がよいと答えている。
3 校長の考え
同じ質問を校長に聞いたところ,中学校長の52.0%,高等学校長の70.4%が,全部又は大部分は「学校に残した方がよい」と答えた。
4 教員の考え(全教員)
教員に対し同じ質問を行ったところ,高等学校では59.7%の教員が全部又は大部分は「学校に残した方がよい」と答えたのに対し,中学校では53.2%の教員が「地域に移した方がよい」と答えた(そのうち60.0%は,「基本的には社会体育へ移行すべきであるが短・中期的には無理である」という意見)。
5 地域のスポーツクラブ等の指導者の考え
地域のスポーツクラブ等の指導者に対し,「あなたはこれからの運動部活動の在り方や,運動部活動と社会体育の関係の在り方について,どのようにしていくのがよいと思いますか」と聞いたところ,90.5%の者が,全部又は大部分の運動部活動は「学校に残した方がよい」とした。
最も多いのは,運動部活動と社会体育とが連携して多様な子供のニーズにこたえていくのが妥当であるという意見(60.5%)であった。
[2] 考 察
(1) 保健体育審議会の指摘(提言)
保健体育審議会答申では,これからの運動部活動と地域スポーツ(社会体育)との関係について,外部指導者の活用のほか,主に次のような提言がなされている。
- 地域や学校段階等において多様な実情があることにも配慮し,全体としては,学校における運動部活動の適切な展開と地域スポーツの一層の振興を図り,両者の連携を図りながら,多様な児童生徒のニーズにこたえる環境を整備するという考え方が必要である。
- 地域において活発なスポーツ活動が行われており,しかも学校に指導者がいない場合など,地域社会にゆだねることが適切かつ可能な場合にはゆだねていくことも必要であると考える。
(2) 本協力者会議の考え
保健体育審議会答申も指摘(提言)しているように,今後,スポーツ施設の質的充実と住民の視点に立った運営や,学校体育施設の共同利用化,スポーツ指導者の確保と効果的な活用,各ライフステージの特性を踏まえた各種事業の展開,スポーツクラブの育成など,地域におけるスポーツ環境づくりが一層進展することが期待されており,我々としてもこれを強く願うところである。
他方,今のところ,全国の中学校区程度の地域で,現在運動部活動で行われているような多様なスポーツ活動が展開できる環境が整備されているとは言い難い状況である。また,これまで述べてきたように,運動部活動には固有の意義が認められ,学校が可能な限りでこれを支援することは重要なことと考える。
生徒にとっては,学校教育活動の一環としての運動部活動や地域スポーツから自分のニーズにより合ったものを選択できるようになることが最も望ましく,全体としては,保健体育審議会答申の言うように,学校における運動部活動の適切な展開と地域スポーツの一層の振興を図り,両者の連携を図りながら,両者が相まって,多様な生徒のニーズにこたえる環境を整備するという考え方が妥当である。
なお,学校の負担等も考慮すれば,中央教育審議会第一次答申や保健体育審議会答申で指摘されているように,地域において活発なスポーツ活動が行われており,しかも学校に指導者がいない場合など,地域社会にゆだねることが適切かつ可能な場合には,ゆだねていくことも必要であると考える。
8 その他
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[1] 学校体育大会と部活動
(1) 保健体育審議会の指摘(提言)
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学校体育大会の開催が,日頃の運動部活動において技能や勝敗を過度に重視する姿勢をもたらしているとの指摘もあるものの,従来「文武両道」とも言われてきたように,知・徳・体のバランスのとれた国民を育成する上で,運動部活動は大きな意義を有しており,その成果の発表の場である学校体育大会にも大きな貢献が認められるところである。
運動部において継続的にスポーツをする上で,個々の生徒が今以上の技能や記録に挑戦することは自然なことであり,それを学校が支援すること自体が問題とされるものではない。問題とされるのは,大会で勝つことのみを重視し過重な練習を強いたり,その生徒のバランスのとれた生活や成長に支障を来している場合である。
このように運動部活動には,より高い技能や記録に挑戦するというスポーツ本来の活動を行う過程で,ともすれば過重な練習を強い,調和のとれた人間形成を図るという本来の目的と矛盾する場合も見られる。このことを常に念頭に置いて,顧問,校長などその指導者,管理者や,運動部活動の大会の主催者である中体連や高体連などの学校体育団体は,より健全な活動を促進することに努める必要がある。
とりわけ,いわゆる勝利至上主義に基づく過重な練習による弊害を是正するため,中体連,高体連,各競技団体が互いに連携を図りながら,運動部活動における練習の在り方,全国大会の在り方,各年齢期の適時性に基づいた特別ルールなどを検討する必要がある。特に,全国大会については,学校教育活動の一環であることを認識し,華美にわたることのないよう大会規模など節度あるものとするとともに,日程や時期,種目,開催地負担の軽減方策などについても絶えざる検討を行う必要がある。あわせて学校体育団体についても,学校教育の動向を踏まえた合理的な組織運営の工夫や組織の改善充実に努めることが望まれる。
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(2) 本協力者会議の考え
平成8年調査において,運動部員,運動部員保護者,運動部顧問,及び校長に対し,運動部活動の全国大会の開催回数について次のように聞いたところ,中学校,高等学校を含め,「現状(今)のままでよい」と答えた者が,運動部員の約6割,運動部員の保護者,運動部顧問,校長の約8〜9割であった。
「現在,運動部活動の全国レベルの大会は,中学校で年1回,高等学校で年2回となっています。
これらの全国大会への参加の大部分は,地方ブロック大会や都道府県大会などを経て行われることとなっています。
あなたはこのような全国大会の回数を増やすことについてどう思いますか。」
※ 全国大会の開催回数について
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中学校
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高等学校
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|
運動部員
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運動部員
保護者
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運動部
顧 問
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校 長
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運動部員
|
運動部員
保護者
|
運動部
顧 問
|
校 長
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|
現状のままでよい
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57.2%
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86.4%
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77.2%
|
80.0%
|
62.5%
|
88.7%
|
83.1%
|
90.9%
|
|
増やすべきである
|
38.0
|
9.3
|
9.6
|
1.0
|
35.7
|
7.0
|
5.9
|
2.0
|
|
減らすべきである
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−
|
−
|
−
|
−
|
1.8
|
4.3
|
11.0
|
7.1
|
|
なくてよい
|
4.9
|
4.3
|
13.2
|
19.0
|
−
|
−
|
−
|
−
|
このような結果の背景には,生徒の生活のバランスの確保やスポーツ障害の予防の観点,学校等の負担が現状以上に増えることは望ましくないとの考えなどがあるものと思われる。この調査結果を踏まえると,本協力者会議としては,全国中学校体育大会や全国高等学校総合体育大会など中学校,高等学校の運動部活動の全国大会の開催回数は,現状どおりで妥当であろうと考える。
なお,委員の中には,学校体育の全国大会に結び付かない都道府県大会等や練習試合などで,競技レベルの高い特定の運動部員が年中試合をやっているような状況が見受けられ,生徒の将来的な成長を考えた場合問題があるとの意見があった。
[2] 国際競技力向上のための一貫指導における運動部活動との連携
(1) 保健体育審議会の指摘(提言)
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運動部活動は先に述べたように,学校教育活動の一環として行われ,様々な教育的意義を有している。一方,競技スポーツの面から見ても,多くの競技において選手は,高校生までのジュニア期を学校における運動部活動で過ごしている。国際競技力の向上を図るためには運動部活動への過度の依存を見直すことが必要であるが,以上のような現状においては,運動部活動と国際競技力向上のための各競技団体が取り組む一貫指導との適切な連携が重要である。
将来性のある選手が運動部活動を日常的な活動の場にしている場合には,指導者と競技団体との間で,指導カリキュラムの作成及び指導結果のフィードバックなどの連携を適切に図ったり,競技団体の指導者が運動部活動の現場に定期的に指導に出向くようにすることなども考えられる。その際,その選手に対する指導が優先され,他の生徒の活動に支障が生じないよう留意する必要がある。
さらに,競技団体により地域の育成の拠点が別に設けられ,そこで育成することが特に望まれるような場合には,運動部活動に所属せずに育成拠点で活動することについて,学校側が配慮することも必要である。
なお,一貫指導のカリキュラムは,必ずしも優れた資質を有した者だけに適しているのではなく,中学校や高等学校の部活動などにおいて,一般的に活用できる部分も多いと考えられるので,運動部活動などでの指導において,一貫指導カリキュラムを積極的に活用することも検討されてよい。
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(2) 本協力者会議の考え
本協力者会議としても,運動部活動の関係者と各競技団体の関係者において,将来性のある選手がいる場合の競技団体との適切な連携や,今後各中央競技団体が定める一貫指導カリキュラムの活用などについて,必要な検討を行うことが望まれると考える。
中学生・高校生のスポーツ活動に関する調査研究協力者
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〔平成7年9月〜平成10年3月〕
【五十音順】
| 井 形 高 明 |
徳島大学教授 |
| 伊良子 妙 子 |
イラコテニスカレッジ校長 |
| 岡 本 裕 之 |
[前]全国高等学校体育連盟理事長〔〜平成9年3月〕 |
| 落 合 優 |
横浜国立大学教授 |
| ○ 加賀谷 熈 彦 |
埼玉大学教育学部長 |
| 柿 添 賢 之 |
東京都教育委員会多摩教育事務所主任指導主事〔平成9年4月〜〕 |
| 勝 澤 要 |
静岡県教育委員会総務課長 |
| 北 島 孝 二 |
(財)日本バスケットボール協会理事 |
| 木 下 孝 二 |
(財)日本オリンピック委員会強化事業部長 |
| 栗 田 しのぶ |
新宿区立東戸山中学校教諭 |
| 古 賀 香 正 |
(財)日本体育協会スポーツ少年団部長〔平成9年4月〜〕 |
| 佐 藤 則 夫 |
[前](財)日本体育協会スポーツ少年団部長〔〜平成9年3月〕 |
| 高 澤 晴 夫 |
横浜市衛生局スポーツ医科学センター開設準備室代表 |
| 高 田 日呂美 |
全国高等学校体育連盟理事長〔平成9年4月〜〕
(東京都立板橋高等学校長) |
| 高 松 薫 |
筑波大学教授 |
| 畑 攻 |
日本女子体育大学助教授 |
| 東 川 安 雄 |
広島大学助教授 |
| 本 間 三和子 |
筑波大学講師 |
| 宮 本 政 明 |
(財)日本中学校体育連盟副会長
(三鷹市立第四中学校長) |
| 森 正 博 |
[前]全国都道府県体育・保健・給食主管課長協議会幹事長〔〜平成9年3月〕
(埼玉県教育委員会体育課長) |
| 矢 島 博 |
神奈川県教育委員会スポーツ課専任主幹〔〜平成9年3月〕 |
| 山 井 今朝雄 |
全国都道府県体育・保健・給食主管課長協議会幹事長〔平成9年4月〜〕
(山梨県教育委員会スポーツ健康課長) |
※ ○は座長。職名は委嘱時。
なお,調査結果の集計については,文部省統計数理研究所の多大の協力を得た。
名前などの旧漢字や、特殊文字については適宜汎用的な文字などに書き換えるようにしておりますので、ご了承願います。
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