参考資料2 民間教育事業者における評価・情報公開等に係るガイドライン作成に向けた検討について

平成25年9月11日
民間教育事業者における評価・情報公開等の在り方に関する検討会

○ 我が国において、豊かな社会を築くためには、社会全体で多種多様な学習機会が提供され、また、その提供される学習機会の質が向上することが重要であり、このことは、「第2期教育振興基本計画」(平成25年6月14日閣議決定)においても示されている。

○ また、サービス産業としての民間教育事業者が、充実した学習サービスを提供するための自主的な取組を推進することは、これらの産業が健全に発展していく上でも、重要な意義を有するものである。

○ 当検討会では、民間教育事業者における学習の質の保証・向上という目標に向けた具体的な方策について議論を行ってきたが、これまでの検討を踏まえ、今後、以下の考え方に沿って、「民間教育事業者における評価・情報公開等に係るガイドライン」の作成に向けた検討を進めることとする。

1.ガイドラインの趣旨

○ 平成24年度に文部科学省において実施した「民間教育事業者の情報公開等の在り方に関する調査研究」では、規模や業種によって程度の差はあるものの、多くの事業者において、Plan(計画)、Do(実施)、Check(評価)、Act(改善)のマネジメントシステムに沿った取組を行っている、若しくは今後行うことを検討しているということが明らかとなった。ガイドラインは、このような事業者による自主的な取組を支援し、提供される学習機会の質の向上を図ることを目指すものとする。

○ また、上記調査においては、学習者が民間教育事業者を選択する際に、費用やプログラム内容、事業者に関する基本的な情報(経営者氏名、本社の所在地、従業員数、教室・場所、事業内容等)、学習成果に関する情報を重視しているということが明らかとなった。これらの情報が適切に学習者に提供されることは、学習者が自ら適切な学習機会を選択することに資するとともに、事業者間の公正な競争を促し、ひいては、提供される学習機会の質の向上にもつながるものと考えられる。このため、ガイドラインは、学習者のニーズに沿った事業者による情報提供の取組を更に推進し、提供される学習機会の質の向上につなげていくことを目指すものとする。

2.ガイドラインの対象

○ 民間事業者が提供する学習サービスの質の保証・向上に関しては、特定の業種等を対象としたガイドライン作成等の取組が進められている例もあることから、本ガイドライン作成に当たっては、これらの先行的な取組も参考として、整合性も図りつつ、共通に重要な内容を示すことで、民間教育事業者全般において、提供する学習の質の保証・向上を目指す土壌づくりを推進するものとすることが望ましいと考えられる。

○ ガイドラインの対象としては、一般的に民間教育事業者として想起される、学習塾や語学学校、カルチャーセンター、音楽教室、書道教室、生花・茶道教室、そろばん教室、スポーツ教室などを主として念頭に置きつつ、幅広く学習サービスを提供する民間事業者の利用が可能な基礎的なガイドラインとすることが適当である。

3.ガイドラインの項目

○ 上記の趣旨を踏まえ、ガイドラインにおいては、①事業改善に向けた自己点検・評価、②学習者のニーズに沿った情報公開等について、参考となる項目を示すことが必要である。具体的なガイドラインの項目については、現時点では以下のものが考えられるが、更に調査研究等を行った上で、今後のガイドライン案の検討・作成に反映するものとする。

 

【事業改善に向けた自己点検・評価に関する項目】

・ 学習サービスの計画
(学習者のニーズを把握しているか/学習環境の維持管理を実施しているか / 講師に必要な訓練を行っているか / 学習者のニーズに沿った情報を公開しているか 等。)
・ 学習サービスの実施
(学習サービスの計画に基づき、学習サービスを実施しているか / 学習者に対してオリエンテーションを行っているか 等。)
・ 学習サービスの評価
(PDCAが適切に行われているか定期的に確認しているか / 評価に必要な情報を収集しているか 等。)
 ・ 学習サービスの改善
(PDCAが適切に行われるように定期的に改善を行っているか / 評価に基づき、改善を行っているか 等。)  等

【学習者のニーズに沿った情報公開に関する項目】

・ 事業者に関する基本的な情報を公開しているか。
・ 学習サービスの受講に必要な費用を公開しているか。  等

○ なお、ガイドラインの作成に向けた調査研究においては、学習者が重視する、途中退会等の受講料の扱いや、経営者氏名、従業員数、教室数等の事業者に関する基本的な情報等について、学習者に対する詳細なニーズ調査を重点的に実施することが必要と考えられる。また、学習者に対するニーズ調査を行う項目に沿って、再度、民間教育事業者に対しても、取組状況についてアンケート調査を行うことも有効と考えられる。

4.ガイドラインの検討に当たっての留意事項

○ ガイドラインは、広く民間教育事業者全般を対象として、共通に重要な内容を示すものであることから、それぞれの業種ごとに、その特徴を踏まえて、ガイドラインに独自の項目を追加して取組を進めることが有効な場合もあることが想定される。このため、業種ごとに特化したガイドラインの在り方については、業界主体による取組の推進方策も含め、引き続き、検討することが望ましい。

○ 作成されたガイドラインが有効に活用されるものとなるためには、事業者がガイドライン等に沿って、評価・情報公開等の取組を実施していることを、学習者等に分かりやすく公開するための取組を推進する必要があることから、ガイドラインの周知・普及の在り方については、今後、更に検討を行うことが重要である。

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生涯学習政策局生涯学習推進課

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