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子供の読書活動推進に関する有識者会議(第4回) 議事録

1.日時

平成29年11月2日(木曜日)午前10時~12時

2.場所

文部科学省庁舎15階15F特別会議室(東館15階)

3.議題

  1. 論点まとめ(案)について
  2. その他

4.出席者

委員

(座長)秋田喜代美
(副座長)堀川照代
(委員)糸賀雅児,佐川二亮,設楽敬一,白井哲,杉原あけみ,鈴木惠治,野口武悟,濵田秀行,張替惠子,平久江祐司,福田孝子

文部科学省

常盤豊生涯学習政策局長,神山修生涯学習政策局審議官,土肥克己生涯学習政策局 青少年教育課長,小沢文雄青少年教育課 青少年体験活動推進専門官

5.議事録

子供の読書活動推進に関する有識者会議(第4回)

平成29年11月2日 

【秋田座長】
 おはようございます。定刻でございますので、ただいまから第4回子供の読書活動推進に関する有識者会議を開催いたします。お聞き苦しくて申し訳ありません。
 本日は、お忙しいところをお集まりいただき、まことにありがとうございます。
 本日は、全ての委員に御出席いただきました。
 また、事務局においては、局長もこれから来られるということです。神山審議官に御出席いただいております。ありがとうございます。
 それでは、まず事務局より資料の確認をお願いいたします。

【小沢青少年教育課青少年体験活動推進専門官】
 本日もお手元のタブレットを活用しながら進めさせていただければと思います。
 まず、議事次第、一枚ものでございます。資料1、資料2、資料3がございまして、資料4につきましては4-1と4-2がございます。別途参考資料が1点ございます。
 また、座席表と名簿等につきましては、机上に配付させていただいておりますし、端末の御利用のクイックガイドについても併せて配付をしております。
 また、フリーズやタッチパネルが反応しないなど、不具合がございましたら、電源を切らずに事務局までお声掛けをお願いいたします。
 以上でございます。

【秋田座長】
 それでは、ただ今から今日の議題に入りたいと思います。
 本日と来月の会議の2回で、各委員やヒアリングでお聞きした意見を踏まえ、次期の国の読書計画策定に向けた本会議としての意見のまとめをしていきたいと思っております。
 まず、事務局より、これまでの本会議の主な御意見のまとめについて、次に第1回の会議で紹介がございました子供の読書活動の推進をテーマにして行った青少年意見募集の結果について、続いて子供読書に関する団体等への書面ヒアリングの結果について御説明願います。よろしくお願いします。

【小沢青少年教育課青少年体験活動推進専門官】
 それでは、資料の順番に説明させていただきます。
 まず、資料1を御覧いただければと思います。前回の会議でも第2回会議までのまとめをしたものに、第3回の主な御意見を加えております。
 例えば3ページ目の「3.「子ども司書」、読書コンシェルジュについて」の項目では、「子供の読書活動推進に当たっては、子供同士の影響力を生かした取組が重要である」といった御意見であるとか、次の4ページ目「(ローマ数字の)3 高校生が読書をする工夫について」の項目では、ヒアリングで「高校生直木賞」の取組が紹介されたことに関して、「自分と異なる考えを知り、それを受け入れることで自分を広げる経験ができたり、物事の価値を決める共通の尺度を探るという経験ができたりする経験ができる点で意義があるものである。」といったような御意見などを入れております。
 次に資料2「青少年意見募集事業結果」について説明いたします。こちらは内閣府で子供や若者の意見を聞き政策に活用すると共に、子供や若者の社会参加意識を高め、積極的に意見を述べる機会を提供する趣旨で、様々なテーマについて子供や若者から意見を聴取している制度でございます。具体的には、中学生から29歳の若者を対象に、公募により500名程度を任命しまして、年に4回から5回程度、Webを通じて意見を報告するものです。
 では、調査の全体の構造でございますけれども、要約版でいいますと2ページを御覧ください。全体を通して若者が自主的に読書を行うという状況を作るために何が必要なのかというような視点に基づきまして、新しい視点によるアイデアを得ようとして調査を行ったものです。それぞれの問いについては、順次御説明申し上げます。
 調査につきましては、本年8月から9月の1か月間程度で行いまして、男性が66名、女性101名、合計167名の回答がございました。年齢層につきましては、大学生が34.1%、高校生が33.5%を占めており、今回、主要論点にもなっております高校生、高校を終えた直後である大学生が主要な割合を占めているということで、高校生の実情を把握する上で有用な調査になるのではないかと考えております。
 続きまして回答者がどのような特性を持っているのかという点でございますけれども、質問1-1で「あなたは普段どのくらい本を読んでいますか」という問いに対して、1か月に大体1冊を読む割合、これは不読率の指標でもありますが、この調査によると72.4%ということで、そのうち高校生については59%といった形になっております。このことから、一般より若干読書に関心がある層が回答しているのではないかということを前提にお考えいただければと思います。
 質問1-2の「本を読むとき、どのように入手していますか」という問いについては、参考資料の方に細かい統計、高校生の割合も出ておりまして、こちらの方で見ますと、書店購入が76.8、図書館が57.1、ネットが28.6、学校図書館が48.2、電子書籍等については10.7%という割合になっておるところです。
 続いて、それぞれの問いについて説明をいたします。要約版ですと6ページ、全体版ですと8から18ページでございます。質問2は、読書に対する基本的認識、イメージ感覚の調査になります。自主的な読書のためには読書がよいイメージに捉えられているということが、まず必要ではないかというような問題意識の基に、読書に対するポジティブ、あるいはネガティブな所について自由に意見を述べていただいております。この調査では友人がこのようなことを言っているという部分も含めて回答をしてもらっており、このような世代の読書への意識、感覚といったものが伺えるものになっております。
 その上で、質問の2-3では、ネガティブな状況をポジティブに変えていくためには、どういうふうにすればよいのかといったことを尋ねております。例えば発達段階に応じた対応、読み聞かせ、読書習慣が必要であるとか、場所について、図書館等の読書をする場が大事であるとか、あるいは同世代での自主的な読書に関する共有が必要であるとか、テクノロジーの変化、電子書籍等、そのような部分の変化が必要ではないかとか、あるいはポジティブなイメージを高める方策として、例えばブーム、見た目であるとか、芸能人の活用などの話も上がっていました。
 続いて、質問3につきましては、読書のきっかけとなった経験について自由記述で書いてもらっていますが、読み聞かせや学校での読書タイム、図書館の様々な手法が青少年には一定の効果が出ているのではないかと思われる結果が出ております。
 質問4につきましては、回答者が好きなもの、気に入ったことを人に勧めたり、感想を伝えたりした経験ということについて、読書も含めた青少年の興味、関心の変化をもたらす媒体や経験について調査しております。つまり、日常生活において他者に興味、関心を伝えることや、逆に他人からの働きかけによって興味、関心を高められ、意識と行動の変化が促されには、どのような形態でなされているのかを把握するものです。結果を見ると、SNS等の情報媒体を通したものが結構多いのではないかという想定をしていたのですが、意外と直接口頭で伝えるとか、周りの人の影響といったエピソードが多かったのが印象的でした。
 質問5につきましては、読書活動の形態としてのビブリオバトルとブックトークについて尋ねたものです。こちらにつきましては、一定の成果は出ていますけれども、浸透というところではこれからという部分も見えております。一方、今後やってみたいという回答も結構あり、そのような結果から、様々な読書活動の手段を検討していく必要があると考えております。
 最後に、質問6につきましては、若者自身が読書推進者となった場合にどのような考えと行動をとるのかということを調べております。例として読書を困難にしている状況を設定して、そのような状況についてあなただったらどうのように働きかけますかという形で問いを立て、若い世代がどのようにそれを考え解決するか。ある意味ケーススタディという手法をイメージした設問と回答になっております。具体的には部活動や塾で時間がない友達であるとか、スマホに熱中している友達であるとか、友達同士でずっとおしゃべりをしているとか、あるいは本自体、活字自体が苦手な友達に対してどのような対応によって本を読むようになるのかという問いをしております。ここには、若者同士の感覚や意見、という生に近い声が載っていると考えております。
 高校生が自主的な読書をするようになるという目標に向けて政策を検討する際に、参考になる資料であると考えております。
 資料2については以上でございます。
 続きまして、資料3でございます。
 こちらにつきましては、第4次「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」の策定に向けた書面ヒアリング調査の中間報告でございます。この趣旨としましては、第4次基本計画の策定に向けた検討を進めるに当たりまして、子供読書活動を推進する関係団体の御意見等を把握するために書面で行ったものです。前回の計画においても照会を行っていた全国的な図書館団体、及び学校関係、読書に関係する一般的な民間の団体に文書をお送りしております。また、委員からヒアリング対象として推薦があったものの、直接のヒアリングの機会が作れなかった団体等にも送付をしております。送付先については、資料の12ページに一覧を掲載しております。期間、送付団体数及び回答数につきましては、表記のとおりでございます。続いて内容について説明いたします。
 この調査票は大きく分けて具体的な問いと自由意見の部分がございます。具体的な問いについては、今回の有識者会議における主要な論点として挙げていた点を中心に4点について尋ねております。順を追って各項目の意見の概要について説明をさせていただきます。
 まず、(1)「子供の発達段階に応じて読書習慣を形成するために必要なこと」を聞いた点については、例えば1ページのところで、成長に合わせて本の世界に触れ、読書の楽しさを知ってもらえるような働きかけが重要ではないかということで、発達段階に応じ事業であったり、読書への接し方の工夫等について御意見がございました。
 続いて、2ページでは、子供と本をつなぐ人に対し、発達段階に応じた支援の仕方を学ぶ機会を提供、人材育成について、子供を取り巻く人々に子供の読書との接し方の理解を浸透させることが重要ではないかという御意見であるとか、図書館が他施設・団体と連携して、保護者にも働きかけるということが重要ではないかという点で、家庭の働きかけを子供や家族がふだんから接している団体との連携で行うことが大事であるといった御意見がございました。
 次に3ページの(2)「高校生の不読率が改善されない中で、その改善を図っていくために必要なこと」を聞いた点でございます。
 例えば4ページの方にいきますと、特別支援学校の図書館に高校生を招き、自分の読んだ本の魅力について伝える取組を実施するといった点であるとか、その下の方で、高校生の興味を引きそうな情報による読書意欲の喚起、高校生が本を読むための仕掛けを工夫する、具体的に高校生ゴンクールという名称も挙がっています。このように、高校生が読書を通した活動に関わるような仕組みや場が必要ではないかといった御意見がございました。
 その下、司書教諭が各教科のカリキュラム展開に応じた資料を学校図書館で提供する、また、読書が必須となる授業を実践するという御意見がありました。探究型学習のために学校図書館活用ということで、学校における教科のカリキュラムと学校の教育活動の中での読書といったものの重要性について御意見がありました。また、5ページでは、本会議でも御意見が出ていました、電子書籍や電子図書館に関して更にコンテンツを魅力のあるものにし、環境を整備することが必要といった高校生に親和性が高いと考えられる部分で読書にアクセスするといったことも御意見として頂いております。
 続いて(3)「子供の読書の取組が進んでいない市町村において推進を図るために必要なことについて」でございます。
 こちらにつきましては、例えば5ページの下、知事を本部長とする読書推進体制を作ることにより全市町村を巻き込んだ読書活動の推進を行うことや、は区市町村が主体になって取り組み、都道府県や国が支援する措置や体制づくりが必要という、読書活動の現場である、基礎自治体である市町村における推進を国と県が積極的に支援していく仕組みが大事ではないかといった御意見がありました。続いて6ページにいきますと、子ども読書活動推進計画をまちぐるみで検討する等、連携の重要性、そのような計画を立てるプロセスも通じて普及啓発をしていく活動の工夫が必要な点や、幼児期から積極的な教育への投資という点でエビデンスを示すことや、7ページでは、「学校図書館図書整備等5か年計画」について、地方交付税について本来の目的に使用されるようにする働きかけについて御意見がありました。このような取組で社会的な機運を高め、読書環境の充実を図っていくという必要性についても御意見を頂きました。
 次に(4)「子供が主体的・能動的に読書をするために必要な工夫について」聞きました。8ページになりますが、大人自身が本に親しむ姿という部分を見せることが必要であるとか、子供の身近な生活圏内に本がある環境を作る等、子供が本に接する環境づくりが大事ではないかとった御意見や、子供たちが自ら本の面白さや楽しさをほかの人に伝える機会を増やすこと等を通じて、大人も一緒になって読書を楽しむ必要性があるといった読書活動を推進するアイデア的な御意見も挙がっております。
 また、9ページでは、図書館資料を使った調べ学習の促進や、朝の読書など、学校で読書に親しむ時間の定着といった、以前から行われております学校での取組の重要性といったものも御意見を頂いております。
 最後に10ページ以降については自由記述ということで、それぞれ御意見を頂きましたので御覧いただければと思います。
 今回のヒアリング結果につきましては、頂いた御意見を、第4次計画策定を進める上で生かしていきたいと考えております。
 また、第4次計画策定の折には、パブリックコメントの機会を設けて、御意見を更に広く伺う予定でございます。
 本会議においても、読書関係団体の意見状況という点で会議の意見取りまとめ協議の御参考にしていただければと思います。
 説明は以上でございます。

【秋田座長】
 ありがとうございました。
 それでは、続いて本日の議題であります本会議の論点まとめについて協議を行いたいと思います。まず、協議の基礎となる案を事務局で作成していただいておりますので、説明をお願いします。

【小沢青少年教育課青少年体験活動推進専門官】
 引き続きまして資料4-1、4-2に基づいて説明をさせていただきます。
 本会議につきましては、第1回の会議にお示ししている設置要綱のとおり、次期の国の基本計画が子供の読書活動の推進に一層意義のあるものになるよう御意見をお伺いするという会議でございまして、その意見まとめとして論点まとめを作成するものでございます。したがって、これ自身は第4次の計画そのものではございません。計画策定の際には、この論点まとめ、先ほどの書面ヒアリングの内容、及びこれまでの計画を受けて引き継いでいくべき事項等々もありますので、別途また構成する必要があるとは考えておりますが、第4次計画の柱になる部分については、本会議で御提言を頂ければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 また、全体として議論の基になるよう、できるだけ明確に論理がわかるような形で書いておりますので、表現ぶりについても若干粗い部分もございますけれども、その点、事務局案を議論の下地として御協議いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、中身について説明いたします。
 まず、目次を御覧下さい。資料のとおり、第1章から第3章に分かれておりまして、第1章では、本会議での現状と課題、第2章では、課題の分析と基本的な方向性、3章では、その方針に基づいた具体的な取組を記載しております。以下、それぞれの章につきまして、事前に各委員におかれてはお読みいただいているとは思いますので、趣旨を中心に簡単に御説明をさせていただきます。
 まず、第1章2ページになります。第3次基本計画での数値目標につきましては、不読率と市町村の計画策定がございますが、子供の読書の法律では「基本理念で、子供が自主的に読書活動を行うことができるようにするということがございます。計画策定の方については、その目的達成のためのプロセスという考えの下、子供の不読率を課題として整理をしております。
 ちなみに、最新の不読率の状況は、先日、新聞報道等でもされておりますが、御紹介させていただきますと、小学生が5.6%ということで1.6%悪化、中学生が15%、0.4%改善、高校生が50.4%、6.7%改善ということで、特に高校生の不読率が改善しておりまして、現在の基本計画ができた2013年の45%から上昇していた不読率が改善に転じたことになります。ただし、目標達成にはまだ遠く、小学生の部分も若干上昇しているということもありまして、取組の工夫が必要になっているということが伺えます。そういった問題意識の基に第1章を書かせていただいております。
 続きまして、第2章で3ページになり、課題の分析と取組の方向性というところでございます。
子供が発達段階を進むに従って様々なことを学び、目指すべき大人になっていくということを前提とすれば、発達段階が進むに連れて読書に親しみ、読書活動が広がっていくということが単純に考えられるわけですけれども、法律の対象である18歳以下の子供の、ある意味、最終段階における高校生の不読率が一番高いという状況は、厳しい状況であると言えるかと思います。そのような状況を踏まえれば、発達段階の最終的な段階である高校生の状況が望ましい状況になることを目標に様々な取組を進めていくことが法律の趣旨にも合うのではないかというように考えまして、このような記述をしております。そのような中で、高校生が本を読まないことへの基本的な取組の方向性を中心に書いております。第1回会議の主要論点でもお示ししておりますけれども、高校生の不読には読書習慣がそもそも身に付いていない部分と、生活時間や学校での特性など、高校生という年代の特性に応じた読書活動の2点が課題解決の視点として挙げられているかと思います。また、そのような視点を持った政策が効果的に行われるような体制の整備も重要という点で、市町村の取組、目標設定の重要性についても書かせていただいております。
 続きまして、第3章、こちらは具体的な取組を掲げており、順に趣旨を御説明しますと、まず、第一に、国、都道府県、市町村の役割でございます。都道府県、市町村の関係につきましては、第2回会議の秋田県のヒアリングにおいて、全県的な推進体制を構築して市町村とも積極的に関わりを進めていらっしゃる取り組み例が挙げられていましたけれども、ある意味、推進の理想的なモデルとしてふさわしいものと考えられます。書面での団体ヒアリングにおいても、都道府県による市町村の支援の必要性について御意見も出てございます。市町村自身に計画策定がなかなか進まない理由を伺ったことがあるのですが、人材が不足しているあるいは図書館が設置されていないといったところを挙げていました。これについては、もちろん同じような市町村で計画を策定しているところもありますので、市町村の自主的な取組に期待することは基本でありますけれども、同時に、国や県がそのような市町村の実態を踏まえて有効なサポートをしていく必要があると考えております。そのために必要な取組としてまとめたものでございます。
 続いて2番の方、発達段階に応じた取組の部分でございます。高校生の不読の一因である、中学卒業までに読書習慣が身に付いてないことへの対策の部分でございます。子供が読書に親しみ、自主的な読書をしていくという目標の達成を考えると、子供をある意味中心に置いて取組を考えていく必要があるのではないかという基本認識の下で、読書推進も学校や図書館だけではなくて、首長部局や地域、家庭などが一体となって取り組む、茅野市の例も第3回ヒアリングでございましたけれども、そのような子供に必要な取組を明らかにして、子供に関わる人々が協働して行っていくことが効果的な政策推進になるのではないかという考え方です。茅野市のように、市町村計画において発達段階に応じた整理をしているところもございますけれども、国の計画では、これまで発達段階に応じた具体的な記載はなかったため、段階別に記載をしたら良いのではないかということで、それを前提に書かせていただいております。
 また、資料の4-2でございますが、これまでに過去の会議資料の方で発達段階の記載があった資料になります。2ページ目の読書能力の発達段階というのは、大学の研究者の方がまとめられているものでございまして、続いて学習指導要領における読書関係の記述、最後に、先ほども申し上げましたが、茅野市子供読書計画の中で、発達段階ごとに整理をした具体的な実例という形で掲載をさせていただいております。
 現在の資料の4-1の発達段階部分については、このような資料を参考にしながら記載の方を行っておりますけれども、各委員から発達段階の部分、特に中学や高校の部分については、各自治体での計画においても、十分な記載がないところも多く、各自治体の計画に資するためにも御協議をお願いできればと思っているところでございます。
 続いて、家庭での取組、地域としての図書館、学校の取組について順次記載をしておりまして、これまで会議で出ていた見解についてもまとめさせていただいております。
 続きまして、9ページの方、3の子供が本を紹介したり話合いや批評をしたりする活動についてでございます。発達段階による読書推進は、基本的かつ基盤的なものになるところでございますが、高校生の不読率の解消という点を考えた場合に、読書の優先順位が低い現在の高校生の状況に対して、何を行うことが必要であるかという点での記載でございます。様々な取組が当然考えられるわけでございますけれども、資料2の高校生を含めた意見募集の中でも、ある意味、リアルな日常での人間関係を介した取組を挙げている若者が意外と多かったといった点であるとか、本を紹介したり話合いや批評したりする活動につきましては、同年代の子供同士の影響力が強いと言われています高校生にとって本を読むきっかけになるのではないか。加えて、本についての理解を深めるという点においても重要ではないかというような認識の基に記載をしております。
 また、第2回会議でBACHの幅代表のヒアリングにもありました、高校生の興味、関心を基に本格的な読書の世界に誘う、コーディネート的な機能といいますか、アクセス、手法の多様性の確保といったものも重要ではないかといったところでございます。
 あと、高校生が自分の意見を持ちその上で他者と異なる考え方を理解し、自分の考えを深めていくことが一般的な教育の上でも大変重要と考えられますので、読書をすることが様々な力の育成にも資するということが社会的にも認知されているようになれば、高校生のみならず、高校生に関わる方々の読書の概念というものを広げることで読書活動が推進することになるのではないかというような考えもございます。
 また、現在の計画でもビブリオバトルのことについて記載をしましたが、多くの自治体で実践が広がっている状況もありますので、具体的な取組についても紹介することも大事と思い、書かせていただいております。
 あと、4及び5の方で、民間団体の活動に対する支援、また例えば「子ども読書の日」をはじめとした普及啓発についても記載をさせていただいております。
 以上、事務局案について御説明申し上げました。活発な御意見を賜ればと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 以上でございます。

【秋田座長】
 ありがとうございました。
 それでは、論点案の協議に入りたいと思います。論点案については三つの章に分かれておりますので、順に議論をしていきたいと思います。
 まず第1章、現状と課題についてですが、第1回会議でも主要な論点に挙げられておりましたが、不読率の解消という観点と自治体の読書計画の策定という、どちらもこれまでの国の計画においても具体的な数値の目標が定めされている部分でございまして、この達成をするために体制づくりや様々な事業が必要になってくるという論理で構成されていると思います。また、第2章では、そのような現状の課題を受けて、具体的な取組につなげるための基本的な方向性について述べられております。
 そこで、まずは具体的な方策である第3章に入る前に、第1章と第2章の部分ついて、まず御意見を頂ければと思いますのが、いかがでしょうか。平久江委員、お願いします。

【平久江委員】
 筑波大学の平久江と申します。
 この第1章の現状認識と課題についてなんですけれども、これまでの議論の中で、前々回でしたか、ベネッセの読書調査なんかでの議論もあったと思うんですけれども、現在が読書の非常に大きな転換期にきているのではないかということが話題になったかと思うんです。そういう観点からいったとき、現状認識の中においては、現在が読書の転換期に当たっている認識をきちんと示すことが非常に大切ではないかなと思うんです。そういう観点から見ますと、1番、2番というのは現状ですけれども、柔軟に社会の変化に対応していくということが必要であるというような、そういった趣旨の認識を示すということが大切ではないかなというふうに思っております。

【秋田座長】
 ありがとうございます。重要な論点をお示しいただきました。
 ほかにいかがでございますでしょうか。よろしいでしょうか。

【糸賀委員】
 じゃ、すいません。

【秋田座長】
 お願いいたします。糸賀委員。

【糸賀委員】
 慶応大学に勤めていた糸賀でございますけども、全体の書きぶりの問題なんですよね。それを確認しておかないといけないんですが、第3次までの国の子供読書推進計画を見ても、それから、今回の第4次の案を拝見しても、いわゆる国としてこういうことをこの5年間にやるんだというような、いわゆるアクションプランとか行動計画というニュアンスにはなっていないように思うんです。そうではなくて、どちらかというと、こういうことをやると子供たちの読書が奨励される、推進されるということで、幾つかのメニューのようなものを挙げていると。例えば子ども司書なり読書コンシェルジュ、そういうふうなものをやる、あるいはビブリオバトルというのをやると、こんなに高校生も本に対して関心を持つと。だからといって、全国一斉にビブリオバトルをやりなさいというふうに国の計画が書いているわけではありませんよね。そこの基本的な書きぶりについて確認させていただきたいんです。逆に言うと、いついつまでに国はこういうことを実現する。私、数値だけではなくて、国の役割としては、例えば法律の改正、基準を作ったりするというようなことで、国ならではの役割というのは、読書条例とは違って法律を作るレベルですから、また違う書きぶりもあるんだろうと思います。だけれども、例えばいついつまでに不読率を何%にするとか、あるいは図書館の数を全国でこの水準に持っていくというような行動計画というよりは、やはり先ほど申し上げたように、メニューを提示したり、拘束力のないガイドラインを示すと、こういう書きぶりで書かれているように拝見したんです。その全体のトーンについて、そういう方向でいくのかどうかは確認させていただきたいと思います。
 それから、ちょっと細かい話で、資料3の書面ヒアリング調査、この中でアンダーラインが引いてあるところと引いてないところがあるんです。これはどういう意味があるのか。先ほど小沢専門官は、主としてアンダーラインが引いてあるところを中心に御説明なさったので、それが重要なのか。一方、アンダーラインが引かれていないところであっても、これは十分取り上げる価値があるんじゃないと思われるようなところもあるわけなんですね。資料3の扱い、そして下線か引かれた部分についての補足説明をお願いしたいと思います。

【秋田座長】
 事務局の方から、2点、糸賀委員からの質問にお願いします。

【土肥青少年教育課長】
 位置付けなんですけれども、多分、法律の作りがそうなっているからだと思うんですけれども、要は議員立法でできて、国は一応計画を作ると、地方は努力義務だと。ゆるっとした、法律もいろいろあるんですけれども、もっとがちがちした、国の役割はこれだ、都道府県の役割はこれだ、市町村の役割はこれだという、法律だともうちょっとがちっとしたものになると思うんですけれども、法律がそういう割とゆったりとした法律なので、それで今まで計画自体も何となくメニューを示して、大体こういう方向性で頑張ろうねという形できたんだと思います。今回についても、もともとの要素も、根っこの法律が変わっていないということもあるので、一応そういうコンセプトで作っております。
 ちょっと今回変えているというのは、法律は都道府県の市町村も役割が地方公共団体、一緒なんですけども、秋田県さんが代表されるように、都道府県さんの役割というのは結構大きいと思っておりますので、都道府県さんがちゃんと市町村さんを支援すると、都道府県さんを国が支援するという構造については、今回ちゃんと書き込んで、そのバックアップをしたいという思想で、今回のものは作っているということでございます。
 ということで、アクションプランまで作るというのは、法律の構造上、なかなか難しいのかなということで、市町村さんがやることをみんなで支援していきましょうと。やはり市町村さんが動いてくれないと、この問題についてはなかなか解決しないというのが私の認識でありますので、そこに向けていろいろな形で支援していくということを書き込んでいきたいというのが今回の、一応、原案の趣旨でございます。

【糸賀委員】
 はい。

【小沢青少年教育課青少年体験活動推進専門官】
 もう一つの御質問についてですが、資料3の線の部分の点についてでございますけれども、これにつきましては、御意見の中で、まず、本会議の中で出ていた状況を踏まえて、補足したり強調するようなものとして目に留めていただく必要があるのではという部分や、これまでなかった視点の部分についても線を引かせていただいた部分がございます。しかし、それぞれの部分について優先順位という考えで、これが1番で、ほかのものは2番とか、そういった形で明確に選別して引いたものではございません。頂いた御意見については、総合的に見て判断していきたいと考えております。
 以上です。

【秋田座長】
 よろしいでしょうか。

【糸賀委員】
 そうすると、下線を引いた部分については、特に意味はないというふうに受けとめてよろしいんですか。そうでもないんですか。

【土肥青少年教育課長】
 意味がないわけではないですけど、基本的にものすごく長いので、要するにしゃべるときに、少し線がないとあれかなというぐらいの観点なので、ものすごくこれを重視しているというわけではございません。

【糸賀委員】
 はい、分かりました。

【秋田座長】
 ありがとうございます。
 ほかに第1章、2章の部分で御意見ございますか。濵田委員。

【濵田委員】
 群馬大の濵田でございます。
 第2章の一番最初の項目につきましてなんですが、「本を読まない高校生は」という書き出しになっておりまして、一人一人の高校生が、本を読まない、その高校生個人に問題があるという捉え方をしているような書き方になっているのではないのかなと少し思いました。例えば学校での一斉読書というのは、実施率を見ますと、小中に比べて高校が極端に低いというのがあると思うんですけれども、本を読むということに価値を置かない環境、そこだけ見るとそういうふうに言えるかなと思うんですが、その中にあるので読まないんだというようなことに、そこが課題なのではないのかなと思うんです。ですから、課題に対する対応策として、一斉読書が有効だよというふうな書き方に後はなっているわけですので、読まない高校生が問題なのではなく、高校生が読んでいない現状が問題なんだというふうに課題を捉えていくことが大事なのではないのかなというふうに思いました。

【秋田座長】
 ありがとうございます。
 ほかにはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。平久江委員。

【平久江委員】
 2章なんですけども、先ほどの転換期にあるという観点からいろいろ発言させていただきたいなというふうに思っておりまして、具体的な点についてなんですけれども、2章の下から二つ目の「市町村等」というところにおける必要な推進体制の整備が行われることが望ましいと書かれているんですけども、全体を考えたときに、都道府県というのが非常に重要な役割を果たしていると思いますので、ここは市町村に限らず、都道府県も含めてきちんと書き込んでいくことが必要ではないかなというふうに思っております。

【秋田座長】
 ありがとうございます。
 事務局の方はよろしいでしょうか。

【土肥青少年教育課長】
 3章において構造を書いているので、ここは割とあっさり書いているということなんですけれども、そこについてはまた考えたいと思います。

【秋田座長】
 福田委員、お願いします。

【福田委員】
 今回、高校生の不読のことが非常に重点的に捉えられているのですけれども、本当に近々の情報では、小学生の不読率が上がっているとのこと。それが問題です。それから、これは二日前ぐらいの新聞だったと思いますが、親が自分よりスマホが大事だと、約20%の子供たちがそういうふうに捉えているとのこと。そういう現状を踏まえて、乳幼児期から、もう一度、順番を追って、高校生だけのことではなくて、読書とはという転換期ということもありますが、乳幼児期児童期からの重要性を再確認していく必要があるのではないかと思います。

【秋田座長】
 ありがとうございます。
 佐川委員。

【佐川委員】
 佐川ですけども、私も今の福田委員と同じ意見を持っていたんですけども、先月末に読書世論調査、全国学校読書調査が毎日新聞で発表になりましたけども、私も気になりましたのは、この計画と会議の主な趣旨は、高校生の不読率が基盤となっているんですけども、今回の調査で私が気になったのは学校読書調査で、隣に設楽さんがいらっしゃいますけれども、小学生の不読率が増加した、中学生は横ばい、高校生は不読率が減少した、良くなった傾向にあるんです。もう一つは、読書世論調査で大人の不読率が読書率を上回ったという、これも深刻な問題です。ですから、余り高校生に偏らないで、読書活動で一番大事なところは小学生対策と思うんです。その小学生が今、不読率が増えてきたという現象が出てきていますので、この辺も踏まえ、今回の計画でいろいろ研究した方がよろしいかと思います。

【秋田座長】
 ありがとうございます。
 それでは、次に第3章の具体的な取組について議論をしていきたいと思います。ここでは4ページから子供を中心に置いて、子供の発達段階に応じた取組の考え方を軸に記載がされております。これが今回の一つの新たな観点であるということでございまして、続いて8ページからは、子供が本を紹介したり、話合いや批評したりする活動を取り上げ、今回、特に高校生が本を読まないとか読んでいない現状の解決のために読書活動の認識をより広げるということを目指して、特別に抜き出して書いています。続いて10ページでは、民間団体の活動に対する支援と普及啓発活動といった、従来の計画に掲げられている項目で内容をまとめております。今も御意見ありましたが、各委員から、この3章、具体的なところで様々な御意見があるかと思いますので、一通り、皆様の方から御意見を順番に頂けたらというふうに思っております。どちらからでもよろしいのですけれども、いかがでしょう。じゃ、糸賀委員からでお願いします。

【糸賀委員】
 糸賀です。
 気が付いたことを申し上げたいと思いますけれども、先ほども取り上げられていたかな、高校生に対する不読の問題だけでいいのかというのはもちろんそのとおりだと思うんですが、数字的に見ても、高校生の不読率を減少させるというのは一つの分かりやすい目標としていいんだろうと思うんです。
 ただ、高校生のことが出てくるところで、指摘としては、第2章で指摘されているんです。先ほどの本を読まない高校生は、そもそも読書習慣が中学校までにできていない、高校生になって読書の優先順位が下がる。本当は第3章について言わなければいけないですが、この第2章のところで、前者に対して発達段階に応じて読書し読書を好きになるような読書習慣の形成を図る必要がある。これは、もう高校生になっちゃったときには手遅れということですよね。それから、その次の「前者については、子供が発達段階において読書習慣を身に付けることができる」うんぬんとなっていて、だからそうならないように小学校、中学校でやりましょうという趣旨のように私には読めるんです。高校生になっちゃった人はどうするのというところで、私はこの中でもビブリオバトルだとか、後で出てきますよね。こういうのは、アメリカでも同じように若い人たちが電子メディアの方に走っちゃうので、要はゲーム的な要素を取り入れるということなんだと思うんです。ゲーム的要素。これはゲーミフィケーション、ゲーミフィケーションと盛んに英語の世界で言っていますが、だから、ビブリオバトルで競わせるとか、実は先週、10月27日は文字・活字文化の日ですよね。国はどういうイベントをやったのか知りませんけども、沖縄県で文字・活字のフォーラムがありまして、私は呼ばれたんですが、そこで聞いたのは、本を読むとシールを貼るなんていうのは、全国でいろいろやっているんです。ある程度シールが何枚かたまると、何か御褒美がもらえるという。こういうのは、私は最初のうちは邪道だなと思っていたんですが、これをやらせると、子供は面白がってやっていると。それから、御存じのように、図書館で読書通帳というのを、今、全国で作るんですね。あれも、ああやって記録されると結構子供は喜ぶんですよね。これは子供だけじゃなくて大人になっても、読書通帳を私も欲しいという年配の方がいる。こういうのは一種のゲーミフィケーションでして、自分で何か目標が達成できるのが目に見えて、自分に対して御褒美をあげたり、あるいは周囲から御褒美をもらう。それから、例えば図書館で脱出ゲームをやると、これは大学生の例ですが、ふだん、図書館を使わない学生が図書館に来るんです。脱出ゲームというのは、いろいろと本について調べたり、あるいは文献について書かれていることを見ていくと、次の問いに進むキーが手に入るんです。こうやってゲーム感覚でいつの間にか読書とか図書館に親しむというのは、私はかなり効果があるだろう。その例が、実はビブリオバトルなんですよね。だから、その背景にあるようなものをもう少し取り込んで、今言った脱出ゲームだとか、あるいはアテイメントと言ったかな、英語で幾つか表現がある、何かがもらえるとかという感覚というのは、中学校までに読書習慣が形成されていなかった人に対しては、結構有効なのではないかと。こういう人たちを決して見捨てるわけではなくて、あなたたちは中学校までに読書習慣が付いていなかったから駄目なんだと言わずに、是非こういう人たちにも、読書は身近にあって面白いものだということを体験してもらうような配慮、そういうメニューもこの中に書き込んでいただけるといいんじゃないか。そういう意味で、私、前回も申し上げましたけども、例えば将棋の藤井四段が、自分は本を読んでこれだけ将棋も強くなったんだみたいなことを言うと、それだけでかなりの効果があると思いますので、そういうのは是非、国の取組としてもお考えいただきたいと思います。
 以上です。

【秋田座長】
 ありがとうございます。
 それでは、佐川委員、お願いします。

【佐川委員】
 佐川です。
 私は、自分の読書活動において、今、小学校、中学校、高校の読書活動というのは学校で組織的にできるものです。一番できないところが、手をつけられないところが家庭の読書なんです。最近は、読書活動で一番大事なのは家庭の読書活動だということが言われてきておりますけども、ここはなかなか難しい。家庭で読書活動が行われれば、子供も大人もみんな一緒にできる世界なんです。ですから、この家庭の読書をこれからどういう方法で、どういうやり方で、どういう仕組みができるか、ここをもう少し具体的に考えていくのが大事だと思うんです。
 それともう一つは、今の子供読書活動推進計画、これは文部科学省の調査で、市が88.6%の策定率、町村については63.6%ということです。最近は、町村でも大分策定するところが出てきております。ただし、この推進計画を作って、しっかりと方向付けでやっていくところもあれば、計画書を作るための計画であって、絵に描いた餅的な計画も結構多いんです。ですから、こういう推進計画が全国でできたらば、それをどういうふうに今度はコントロールしていくかも、国である程度調整していかなくちゃいけないんだろうと思います。
 以上です。

【秋田座長】
 ありがとうございます。
 それでは、設楽委員、お願いします。

【設楽委員】
 この有識者会議の初回に平久江委員から、読書について論じるときもう少し分析的に考えた方がいいという御意見が出されました。各委員のお話の中で、読書は楽しいので、読書の楽しみを子供たちにどう伝えるか。その方策について多方面から話し合われてきました。このことに加えて、読書をとおして新しい知識を得た喜びや成就感を子供たちに与えていく必要があると思います。つまり、読む楽しさ、理解する喜び、そういった読書が、読書そのものを目的とするものと、読書によって得た知識や新しい考えをつかむという、二つの視点から読書推進に取り組んでいくということが大切ではないかなと感じております。
 例えば、絵本の読み聞かせやブックトーク、アニマシオン等で本に興味を持った子供は、音読や指さし読みなどを通して楽しく一人読みができる指導により、自立した読み手に成長します。このように、楽しみの読書は、読書技術の基礎(想像力)を身に付けるものであり楽しさが重要で、正確な読みよりも純粋に喜びや楽しさを得るために行う読書で、書き言葉レベルの言葉を使う力(読書力)を育むことができます。
 こうした楽しみの読書にとどまることなく、著者の考えや情報を読み解きながら自分の考えを形成していく能動的な読書(インタラクティブ・リーディング)は、課題解決学習や探究型学習に欠くことができません。教科書程度の説明文の構造を正しく認識してその意味を正確に理解できる指導が必要です。このように、理解の読書は、文章を正確に読み解く力を身に付け、必要な情報を得る手段としての読解であり、読解は文節や主語・述語・接続詞など文章の構造を把握して、読み解くことが不可欠なので、言葉の構成を体系的に追う力(読解力)を育むことができると思います。
 以上です。

【秋田座長】
 どうもありがとうございました。
 それでは、堀川委員、お願いします。

【堀川副座長】
 2回も欠席をしてしまいまして、申し訳ありませんでした。今回、記録の中で皆様の御発言を読ませていただいて、ヒアリング結果も読ませていただいて、すごいなというふうに思っていました。
 読書というのは読む力とか読解力とかいう、そういう言葉でも言い表せる、その辺はどうなのかというように最初に思っておりました。現場の先生に伺うと、読むことができる力ですねというように言い直されたことがあります。読書というと、まとまったものを読むというイメージがあるんですが、ある学校で、学校図書館活用を学校教育の核に据えて取組を始めた学校の1年生が3年生になったときに、この学年は算数がよくできるというように先生方が評価なさった。それはどういうことかというと、問題がよく読める、問題が理解できるということらしいんです。そうすると、読む力というか、読書というのか、その大もとになっている読む力を養うことが大切ではないか。どこまでそれをここに書き込むかというのが、とてもまた難しいところだと思います。ある学校では、小学校1、2年生あたりに、指読みの指導をするんですが、その指読みの指導の中で、人差し指に目が付いているんだよと教えるんです。人差し指の目できちんと押さえて、文字を読む、挿絵を読むとかいうように、そうした細かい指導をしていくと、子供たちの読む力がついていく。朝の読書なども、本を読んでいる子供が本を借りて、ぱらぱらと見て返してしまう。また次に本を借りてくる。それは読書を楽しめていない、読めていないということなんですね。だから、そういうような子供たちの多様性の中で、読める子もいる、文字が読めない、あるいは黙読ができないとかいう子も、短大生になっても黙読ができない子もいるんです。そういう多様な子供たち、もちろん特別支援が必要な子供たちもいますし、そうした細かい指導についても、それは普及啓発の中の実践例とかヒント集になるのかもしれませんけれども、どこかで触れていただきたいし、そうしたことをするためには、学校で読書指導の体系表、読書指導の年間計画を全校で作る。この読む力というのは、全ての活動の基盤になるものですから、教科横断的なものなんですね。そうすると、教科横断的というと、カリキュラムマネジメントの話までつながっていく。ある学校では、そうしたものをカリマネ委員会と。何かなと思ったら、カリキュラムマネジメント委員会を作って、司書教諭も入って全校の先生方とやっている。そういう学校全体での動きを、どこかに書いていただきたいなというように思います。
 長くなって申し訳ありません。

【秋田座長】
 ありがとうございます。
 それでは、白井委員、お願いします。

【白井委員】
 ブックスタートの白井です。
 私は、この論点まとめ案を読んで、今までのポイントがうまく入っている、それから、メニューの面白さもそれぞれあって、ポジティブな受け取り方があっていいのではないかなと思いました。
 全体を通して言うと、高校生の不読率のことが会議の冒頭からありましたが、そうした数値で表れるところも大事ですが、私はどちらかというと、読書の質を深めていくことで、質が高まることによって利用につながっていく、数値につながっていくという方向がいいのではないかと思っています。
 ブックスタートでも、最初取り組もうと思ったときはゼロからの出発で、手を挙げる自治体が出てくるのを待って、初めは全国で12自治体でした。ただ、その試みがNHKとかテレビとか全国紙で大きく取り上げられたことで話題になって、みんなが手を挙げるようになった。次の年には、あっと言う間に300ぐらいの自治体がやるようになりましたが、ただ、我々としては、これは決して急いではいけないという思いがすごく強かったんです。話題になって、あ、面白い、新鮮なアイデアだなということでどんどん普及するのはいいことなのですが、それは上滑りになる可能性もあるし、質が伴わないうちにどんどん広がると、むしろ欠陥がいろいろ出てきてしまう。ですから、数字を追わないで質を高めるということを、当初すごく意識しました。その結果、一旦、300ぐらい増えた自治体は、その後、少しおさまって、6年目ぐらいから大体年間40、50ぐらいの自治体が徐々に増えていきました。評価とか、評判とか、これはよかったよということがだんだん伝わって、じわじわ広がるということで、今もって、17年目を迎えている現在も30自治体から40自治体に広がっている。それと同時に大事なのは、実施している自治体がやめないということなんですよね。質を伴っていないと、やめてしまう可能性がある。自治体がやる事業としてお金もかかっていることですし、絵本を配る、物配りのような活動になってしまうと、すぐに批判がきて、物配りの事業としてはお金が使えないというネガティブな意見が出てくるわけです。絵本を配るのではなくて、絵本をシェアする体験を広げる。それがじわじわ広がることになったと思うので、質を高めることによって量につなげるということを思っていました。
 少し長くなってしまいますが、読書推進という表現、言い方で、それは何を求めているのかということを私なりに思うと、心を揺さぶる本に出会うということじゃないかと思っているんですね。それは個人のレベルですが、楽しさとか、刺激とか、あるいは場合によっては慰めとか、心を解放するとか、前に向かっていくとか、そういう個人にとってもたらすものが、人との関わりの中でも生きてきて、それが社会に及んでいく。個人と社会にとって、心を揺さぶる本に出会うことがだんだん個人から社会につながっていって、一つの喜びとか楽しみとか、あるいは慰めとか、そういうものになっていく。それが私にとっての読書推進ということだと思っています。
 この会議では何回か申し上げましたが、私どもはシェアブックスという考え方と、その実践を通して、楽しさを分け合っていくことによって、人が集まってくる。人というのは、地域の人々でもありますし、それから、図書館の司書の人であり、保健師さんであり、そうした専門家の方たちも集まってくる。それには場が必要です。ブックスタートの場合にはゼロ歳児健診の場が多いですが、小学生、中学生、高校生になっていけば、その場が学校図書館であり、公共図書館であり、そうしたところが大事になってくるだろうと。そこで何をするかというところに、これまでいろいろ話されてきた魅力のあるメニューが、ビブリオバトルとかブックトークが入ってくる。前回申し上げましたけど、そうした場がにぎやかな、人が集う、交流する場所みたいになっていくと、読書推進も本に関わること以上に、その地域にとっての広がりや効果が出てくるんじゃないかと思っています。私は、この会議でいろいろ意見が出されて、議論がされて、そうした方向にまとまっていくと非常にいいなと思っています。
 以上です。
【秋田座長】
 ありがとうございます。
 杉原委員、お願いします。

【杉原委員】
 失礼します。これまでの数々のヒアリング、それから皆様方の御意見等を伺いながら、私は今度の4次の計画の中でこれは大事だなと思っているのが、それぞれの読書に関わる団体だったり、行政、市民、図書館、それぞれのところがそれぞれの役割をしっかり見つめ直すということが、まず第1だと思います。そのためには、いろいろなところの取組を知るという、今回、私はここに出席していろいろなことが分かりましたけれども、それを全ての読書に関わる方たちに、全国でこういう動きがあるんだとか、こういう取組をしているところがあるんだとか、そのような事例がしっかり皆さんに伝わることが大切です。その手立てを国の方でとっていただいて、それをそれぞれが学びながら、自分たちのところが何をしていけばいいのか、そういうことを模索していくというところが大事かなと思います。
 それと、例えば図書館でしたら、同じような取組をしているところの図書館同士のネットワーク、それから図書館と行政、図書館と学校、市民、ボランティアの方とか、そういうところのネットワークの構築というようなことが、これからの読書の進展に大きな力を発揮していくのではないかなと思っております。
 私たちの伊万里市では「子供が本を読まない街に未来はない」ということを合い言葉にして、行政も図書館も、そして学校もやっているわけですけれども、日本全国の図書館を見渡していろいろな悩みを聞いてみると、教育委員会の中でさえ図書館の価値を認めてもらっていないとか、今、予算の時期に入っていますけれども、なかなか図書館の資料費が上げてもらえないとか、そういうこともあります。学校との連携などは、私は以前、学校におりましたので、非常に感じるところですが、学校も公共図書館のことを十分に知っていない部分もありますし、公共の図書館が学校のことを知らないというところも多々あるということを身にしみて感じております。そういう意味からは、それぞれがそれぞれの役割をしっかりこの際確認をすることと、お互いがネットワークを持って、そこでいろいろな話合いをしながら自分のまちの読書推進について考えていくことが大切です。先ほど、計画を立てても、それが計画で終わっているところがあるというお話がありましたけれども、本市でも年度当初に第3次計画に基づいた各学校とか保育園、幼稚園、公民館の年間計画をまず6月、7月ぐらいまでに出していただいて、その後、年度末に、今度は1年間のまとめを、報告を出してもらいます。その報告を基に図書館の方でまとめまして、子供の読書推進委員さんたちに話合いの場で、こういう課題が本市ではあるようだとか、こういうところができているところもあるけれども、まだそこまで至っていないところもあるんだというようなことの話合いを持ちまして、次の年にその結果を公表しまして、次の計画に生かしてもらうというような、そういう循環型の計画、実践をしているところです。その中で学校の悩みが分かったり、保育園の悩みが分かったり、行政としてのお願いごとが出てきたりとか、そういう話合いの場があることによって、これから市がどういう方向で読書推進をやっていくかということを確認しております。自分の市や県内だけではなくて、全国的にそういう情報交換ができたり、先進的な取組を知るということができていけば、もっともっと進んでいくのではないかなと思っております。
 以上です。

【秋田座長】
 ありがとうございます。
 それでは、鈴木委員、お願いいたします。

【鈴木委員】
 今の話とダブるところもあるんですが、まず、行政の役割として必要に応じて計画の見直しとありますが、その前の段階として推進会議等の場があって、計画の事業の進行管理とか計画に対する点検・評価、こういうものがあった上での見直しなのではないかなと思います。また、その場合には計画に指標を位置付けるとか、そういった工夫もあるとよいのではないかなと思いました。
 また、これは何度か、目標の共有が必要ではというお話はさせていただいたんですが、(資料4-1)7ページ(第3章3-2-1)の小中学校、高等学校等の役割のところで、「全ての子供の」という言葉は非常に大事だなと思いました。子供が経済状況とかによって、子供の周りの環境によって手にする本の量というのは当然違ってきてしまうんですね。こういったものに対して一斉に指導できるのは学校の場ではないかということで、学校の役割というのは大きいかと思います。そういったときに、教職員の意識の高揚といいますか、読書活動推進の目標が生きる力の育成につながるものであるということ、また、教職員の子供たちへの関わりが子供の内発的な動機付けに非常に大きな影響を及ぼしますので、そのあたりで、教職員に対する意識を高めるような取組も必要になってくるのかなと思います。
 また、それ以前の乳幼児期についてなんですが、家庭での取組になるかと思います。今、各市町とか県でも家庭教育支援を行っております。様々な事業を公民館等でも取り組んでいるかと思うんですが、そういう中で読書の必要性とか、そういったものを盛り込んでいくのも一つの手かとも思っております。その際にも家庭教育支援、様々な団体とか公民館職員とかもいるかもしれないんですが、そういう方たちが読書の必要性、大切さというのを理解するのが大事なのかなと。教職員、社会教育の指導者等を含めて、大人の学びがここで必要になってくるのではないかと思います。
 それから、子供たちが本を手に取る様々な具体的な施策については、これというのではなくて、家庭、学校、地域、あるいは企業等が連携して、発達の段階に合わせて多様な場がある、そういうものが大事なのではないかなと思います。何がきっかけになるかは分かりませんので、いろいろな場が用意されているということが大事なのかなと思っております。
 それから、普及啓発、広報活動なんですが、ここでは大人の立場のことが書かれたのかなと思うんですが、様々な事業とか、ブックリスト等も冊子にして配布しているところもあるかと思うんですが、そういう情報を高校生ぐらいだと、今、SNSとか、そういうので発信する方法もこれからあるのではないかなと。栃木県でも読書コンシェルジュとかビブリオバトルをツイッターで情報提供を行っております。これからそういった視点も大事なのかなと思います。
 それと、先ほど御説明のあった意見募集結果の中で、読書のイメージのネガティブなところで、暗いとか、地味とか、読んでいる子に対して非常にマイナスのイメージがあるんだなというのを感じます。普及、広報していくときには、何か明るい活動的なイメージ、先ほど藤井四段という話も出ましたが、何か子供たちが好きそうな芸能情報を活用するとか、そういう取組も大事なのかなというふうに感じました。
 以上でございます。

【秋田座長】
 ありがとうございます。
 それでは、野口委員、お願いします。

【野口委員】
 まず1点ですけれども、発達段階ごとの特徴などを提示したということは、非常に大きな意義のあることだと思います。その上で、ちょうど発達段階の中でも小学校から中学校、中学校から高校という接続の時期に読書をしなくなる層が増加するというデータが以前のヒアリングの報告の中でも出ていたかと思います。ですので、この接続期に、特に学校間連携、幼稚園・保育所と小学校、小学校と中学校、中学校と高校における読書活動の連携というような視点が重要なのではないかなと感じています。そういったことも可能であれば、盛り込んでいただけると有り難いなと思います。
 それから、2点目に、(資料4-1)6ページ(第3章(2)2-1-1)になりますけれども、図書館での取組の1点目として「中学生や高校生が気軽に図書館に足を運ぶような工夫が重要である」とありますけれども、これも正にそのとおりだと思うんですが、同時に、なかなか図書館に足が向かない、そういう中高生に、むしろ図書館の側から出向いていくようなアプローチ、いわゆるアウトリーチの取組が必要ではないかと思います。例えば中学生、高校生ですと、塾通いや予備校に通っていて、なかなか図書館に行く時間がとれないなんていうような生徒も多いかと思うんですけれども、むしろ地域の中にある塾だとか予備校も巻き込む形で、そこに図書館から団体貸出しをするなどですね。こういったアウトリーチの取組についても積極的に位置付けていくという考え方もあるのかなというふうに思っています。
 それから、3点目なんですけれども、(資料4-1)9ページ(第3章(2)3-2-6)のところで、人的体制の部分があります。その中では記述がありませんが、学校図書館の館長である学校長のリーダーシップや意識をどう向上させていくのか、そういう観点が非常に重要だと思うんです。司書教諭や学校司書が幾ら熱心に取り組もうと思っても、校長先生が読書活動の推進だとか学校図書館活動に余り関心を持っていただけないとなると、学校全体としての取組も進まないということにもなりかねません。
 そして最後にもう1点なんですけれども、これは私も以前、この会議の中で発言をしましたし、今回の意識調査であるとか、関係団体の書面でのヒアリングの中でもありましたが、高校生はスマホを持っていて、それで電子書籍を読んでいる人もいる。つまり、読書のきっかけ、入り口として電子書籍というものの存在を、この論点のまとめの中にどう盛り込むのか、もちろん、盛り込まないのかという考え方もあるかもしれませんが、検討いただきたいと思います。ICTをうまく活用した読書という視点も、転換期にある読書の捉え方としてきちんと位置付けていく必要があるのではないかなというふうに私は考えております。
 以上です。

【秋田座長】
 ありがとうございます。
 では、濵田委員、お願いします。

【濵田委員】
 それでは、まず第1点目ですけれども、学校図書館に関わりまして、時代の状況というんでしょうか、そういったものを踏まえた位置付けみたいなものを書き込んでいただくといいかないというふうに思いました。どういうことかと申しますと、私のおります群馬県でも都市部と言えるところもありますけれども、かなり辺鄙(へんぴ)なところもありまして、そういったところの学校における図書館というのは、正に子供たちにとってみると、通学地域に全く本屋がない、あるいは公立の図書館がない、なのでそこで本に触れることの価値がものすごく大きいというところがあるかなと思います。それは全国的に見たときにも、同じように学校の図書館の意味というものが、価値というものがものすごく高くなっているところが必ずあると思いますので、そういったことを踏まえて、前とは一緒ではないんだというようなことを書き込んでいただくと有り難いなというふうに一つ思うところであります。
 群馬県内の渋川市というところで読書の調査をしまして、学校で行っている読書推進活動と実際の子供の読書活動がどのような関係になっているかというのを見たんです。そうしますと、差は余り見られなかったんですけれども、それでも同じ制度の中でやっている、同じ枠組みの中でやっているけれども、ある特定のクラスだけがものすごくたくさん本を読んでいるというクラスがありまして、そこの担任の先生にどのような指導をしているのかというのをインタビューしに先日行ってきました。そうすると、その先生がどういった指導なされているか、その意識の中で面白いなと思ったのが、本を借りて読むということを習慣化させるんだと。要するに、この中にもありますけれども、読むというのを習慣化するということと同時に、借りるというところまで習慣化させるというんですかね、地域の特性は当然あるわけですので、そういうところがあるのかと思いますけれども、要するに図書館までは本がきている、でも、その図書館まで子供が行かない、あるいは本が教室まできてくれないということなので、そうすると、例えば学級文庫であったりとか、金曜日には必ず図書館にみんなで行って本を借りる。土日は、その借りた本を読むんだよということをだんだん習慣付けていくと、それは当然読むようになってくるというのがありまして、今まで図書館の充実は当然言われていることでありますけれども、アウトリーチの話もありました、図書館と教室をつなぐというんでしょうか、そういう点を書き込んでいただくと有り難いなというふうに思いました。
 もう1点でありますけれども、先日、群馬県でも高校生のビブリオバトルがありまして、その会場に足を運んで、見せていただいたのですが、そこで紹介されている本の一部というか、ある程度の割合が小説家になろうなどウエブサイトでまず発表されたものが書籍化されているもの、そういった本を何人かの高校生が紹介しておりまして、そういう本は、学校の図書館には入っていないけれども、彼らが読んでいるのかなと。彼らがそうやって読んで、ビブリオバトルで発表したものを、また今度、図書館が取り上げて、あるいは蔵書の中に組み入れて、これはこういうものですよと紹介して、読んで広がっていくという、そういうネット上で読むということ、実際に本の形になったものを読むというもの、垣根はだんだん低くなっているということと、そこをふまえた手立てというか、視点を入れていただくとよいのではないのかなというふうに考えております。
 以上です。

【秋田座長】
 ありがとうございます。
 では、張替委員、お願いします。

【張替委員】
 きょうに向けていろいろな資料に目を通させていただいて、改めて国が主導で、読書についてこれだけいろいろな方面の方たちの御意見を聞いたり活動状況を発表していただいたりして、今の状況を集約できるということは、とても有り難いことだなというふうに思いました。世界でこれだけ読書のことを、いろいろな方たちを一堂に集めて考えるということをしているところは、そんなにないのかななんて、ふと思ったりもしました。ただ、今までの会で様々な先進的な取組を、いろいろな企業の方たちであったり、学術的なことで研究されている方の取組、自治体、いろいろ見せていただきましたけれども、今新しい取組が行われているという、そのことは、子供の読書を育て、支えるという基本的な公が準備しなくちゃいけない基盤が十全に機能していないからこそ、いろいろなものが生まれているという側面があるということは認識すべきだというふうに思います。
 書面によるヒアリングの調査の結果を見ると、今までの会議で補えなかった、地についた現場の方たちの視点というのが非常に濃厚に出ていて、やっと議論が地につくのかなという印象を持ちました。先ほども糸賀先生から御指摘があったとおり、ちょっとアンダーラインの意味が私も不明で、回答者の叫びのように聞こえてくる部分というのは、やはり基盤として、図書館、学校などの整備をしてほしい、財源が伴ってほしい、人的な配置をきちんとしてほしいということが度重ね出ているんですが、そういうことが行われれば、蔵書の充実にもつながるし、読書の奥行きの深さへと発展していくだろうというようなことが、ここからよく見えてくる気がしますので、是非それをこれからの文書に取り入れていただけたらなというふうに思いました。
 それから、前回、糸賀先生がおっしゃっていたんですけど、教育の本質的な内容の転換がない限り、つまり簡単に言っちゃえば、入試制度などにがんじがらめになっている教育をしている限り、子供は読書をする余裕はないはずです。高校生の不読率は、そういったことが極まってなっていることですので、もちろん楽しいゲーム性などを持ったことで今の高校生もいろいろなチャンスが広がるという短期的な目標というのも必要だと思いますけれども、中長期的には、幼い頃から楽しい経験としていろいろな読書の機会が準備されるということ、そして、教育そのものの中で読書が楽しいということが体感できるような内容になっていくということが一番大事なんじゃないかなと思いますので、そこら辺をどこかで文言化していただけると、とてもうれしいと思いました。
 それから、電子メディアのいい側面もありますけれども、子育てにおいては、ごく幼いときには、直接的な人間関係を介した読書から遠ざけるようなネガティブな側面もあるということも、ちょっとだけは認識した方がいいのかなということも思いました。電子メディアの有効活用と、子供たちの前頭葉が疲れすぎないような環境整備ということも気を付けた方がいいということです。たかが読書ではありますけれども、今の人づくりというか、人を育てるという意味では、過去からのいろいろな人間の肯定的な面などが詰まったものに触れるということ、先ほども1冊のいい本に出会うということが大事だというふうにおっしゃっていらっしゃいましたけれども、先進国の中でこれだけ若者の自殺率が高く、そして自己肯定感が非常に低い今の若者の現状を変えるという意味でも、読書の中には希望があると思いますので、そのためにも、基盤というものをしっかりするということを再認識していただきたいと思いました。
 それから、具体的な取組のところで、ちょっと言葉で引っ掛かったところというのは、(資料4-1)5ページ、丸1(第3章(2)1)のおおむね5歳までというところで、「幼児なりの言葉を聞いてもらったりしながら」というようなことが書いてあるんですけど、そこの中で、絵本に至るまでの言葉の土台を作るという意味では、伝承文化としてのわらべうたというものが、今すごく再評価されているんですね。その言葉が是非入ってほしいなというふうに思いました。いわゆるブックスタートという取組の中にも、恐らくそういうものは含まれているかと思うんですけれども、物としての絵本に幼い子が出合う、その土台を作るための、昔から伝わってきた言葉の伝承文化を子育てに有効に生かす取組というのも入れていただけたらと思います。
 それから、その下の小学生の時期というところ(資料4-1、3章(2)2)の最後の3行なんですけど、「高学年では、本の選択ができ始め、そのよさを味わうことができるようになる。しかし、この段階で発達が止まったり、偏った面だけが発達する者が出てきたりするおそれがある」というところだけで文章が締めくくられていて、まだこれから表現が磨かれると思いますけれども、個性が育つ読書という意味で、そういういい面もあるというところをちょっとニュアンスとしては出していただけたらなというふうに思いました。
 それから、(資料4-1)6ページの丸2(第3章(2)2)の地域における取組の図書館というところですけれども、取組のところで、「学校を訪問し読み聞かせを行うなど」というところがありましたけれども、「おはなし会」という言い方がどこかであったような気がしたんですけど、ストーリーテリングという言葉がほとんど使われていないような気がしたんです。私が見逃しているかもしれませんが、子供を本の世界に誘う手立てとしては、1世紀以上の児童図書館サービスの中で有効な手法として定着しているものとして、読み聞かせとお話、英語で言うとストーリーテリング、そしてブックトークという三つの手法があるんですね。これはちょっとした取組やイベントではなくて、日常的に大人が子供と共に寄り添って行うものなので、最近出てきたビブリオバトルとかペア学習とか、そういうものと並列して並べると、ちょっと違和感があるんですね。ですので、そこら辺の言葉の整理をしていただけたらなというふうに思いました。
 取りあえず以上です。

【秋田座長】
 ありがとうございます。
 では、平久江委員、お願いします。

【平久江委員】
 冒頭のところで、読書の転換期にあるという認識を持つことが必要ではないかということを申し上げたと思うんですけれども、今こうして議論していることが、本当にどれぐらいもつのか。あっと言う間に賞味期限が切れてしまうのではないかという、そういった危機感を非常に今強く持っています。そういう意味からは、こうした有識者会議というのは、現状に対する対症療法を提言していくということは非常に大事なことではあると思うんですけれども、それだけではなくて、やっぱり時代、時代の要請に応じた、そういった内容をきちんと提言していくということも必要ではないかなというふうに思っています。
 そういう観点から考えてみたときに、こうした基本計画の策定の議論の中では、1次、2次、3次ということを見てみますと、きちんとした数値目標を立てたという、これは一定の成果があって、家庭、学校、図書館、これらの連携、協力ということを推し進めるという上では、大きな意味があったのではないかなと思うんですけれども、それだけでいいのだろうかというふうに考えたときに、こうした読書の転換期にある、その時代の要請というものを考えると、従来の数値目標の設定だけではなくて、それをどう実行に移していくかという、その時代の変化に柔軟に対応できるようなシステムづくりのようなものをきちんと提言しておくということが必要ではないかなというふうに思っています。
 そうした意味では、私は、この第4次の有識者会議の課題としては、そうしたシステムづくりという点が非常に重要なんじゃないかなというふうに思っています。
 そういった観点でこれまでいろいろお話をさせていただいてきたんですけれども、具体的には、国や県レベルの調整機関をきちんと設置していくというような、そういったような方向性が出せたらいいなと考えているんですけども、これは大きな問題なので、希望としてはあるんですけれども、現実はなかなか難しい側面はあるのかなと思っています。
 そういった考え方から、具体的な点を幾つか指摘させていただきたいと思うんです。
 この報告書の内容を拝見させていただきましたけれども、非常にしっかりと書かれているんじゃないかなというふうに思っています。ただ、例えば3章の具体的なお話になるんですけれども、こうした国、都道府県、市町村の役割というものを考えますと、ここで出されているのは、従来のように情報の収集と提供というところにとどまっているのかなというふうに思います。したがって、先ほどの考え方に従って言うならば、もう一歩踏み込んで、助言とか調整とか、そういうアドバイザー的な役割をきちんと担っていくということを盛り込む必要があるんじゃないかなと。
 例えば、ここには情報の収集と提供ということがうたわれているんですけれども、具体的には、(資料4-1、第3章(1))最後の方の白丸のところに、そういった助言や調整というような文言が入っていったらすごくいいのかなと思っています。
 それからもう1点は、最後の普及啓発活動についてなんですけども、ここはもう少し内容を盛り込んだ方がいいのかなと思っておりまして、例えば、僕は高校生によって書店というのは非常に重要な役割を果たしていると思うので、地域の書店をもう少し活用するような考え方を入れていいのかなというのが1点です。
 もう1点は、国際子ども図書館という非常にすばらしい機関がありますので、こういった国際子ども図書館には、たくさんのプロフェッショナルな方がいらっしゃいますから、国の読書のナショナルセンターとして、こうした普及啓蒙(けいもう)活動にもっと関わっていっていただきたいなということで、そういったところの役割を盛り込んでいただけたらいいのかなと思っております。
 以上、具体的には3点ということです。

【秋田座長】
 ありがとうございます。
 福田委員、お願いします。

【福田委員】
 今回、発達段階ごとの特徴という形で盛り込んでいただけたのは、とてもよかったなと思っています。
 先ほど申し上げた、乳幼児期の大切さというのを、現状と課題というところでは、逆に私はとても重要ではないかなと。スマホが生まれたときから存在し、ゼロ歳児の子が手に取り使っている現状です。今までとは違う現状があるというところから考えていく必要があるのではないかと思います。今、高校生が話題なのですけれども、高校生だけではなく発達段階的に言うと、今まで重視してきた乳幼児期、ここも重要ですよということを強調していただく必要があるのではないかということで、先ほど申し上げました。
 発達段階の特徴に、保育所、幼稚園等の時期ということがあります。私は小学校で長い間、教員をやっていましたので、実は入学時期には、もう目に見えないかなりのでこぼこの差が子供たちにはあります。語彙の数や想像力、それから聞く力、心の安定がかなり違ってきています。それらを備えたお子さんは、読み聞かせをたっぷりしてもらってきたお子さんです。それが読む力につながっているんですね。小学生の段階に入っていくわけですが、小学校の入学時期の差が、今回の中教審答申でも述べられていますが、小学校の低学年の差が高学年になっても縮まらないと、低学年のその差がそのままいくということの警告が発せられておりました。本当にそのとおりだというふうに思います。ここに、中学年になると、初歩の読書技術が身に付いて、最後まで本を読み通すことができるようになるという発達段階が報告書に書かれていますけれども、実は、ここで読書力の差が出てきます。中学年で差がはっきり出てくるということなのです。絵本から物語に変わっていくときに、児童書が読めない子たちが出てきます。先ほど読む力ということが出ていましたけれども、読めない子たちが、ここで何となく文字を追っているという子たちがいるわけです。ですから、この時期を重要に認識する必要があると思います。長期的に見れば、高校生が読書を楽しむ基盤がこの時期にあるというところなのです。先ほど堀川先生もおっしゃっていましたが、読書指導をきちっとしていく、読めない子供への個としての対応をしていくことが必要だというふうに思います。白井さんもおっしゃっていましたが、小学校の中高学年で質的な高い本を読んだ子でいけば、本への共感というか、ただ活字を追っているということだけではなくて、本の喜びが分かることにつながっていくと思います。部活や何かで一時読書から離れたとしても、それは読む力となっていくということだと思います。国立情報学研究所の新井先生が、中学生の約3割が教科書を読めていないのではないか、教科書を読める中学生を育てましょうと今いろいろな調査からおっしゃっていますが、この辺のことが、もちろん乳幼児期から課題はありますが、小学校低学年、中学年での読書活動にかなり大きな課題かあると私は思っています。
 そういう点から考えますと、(資料4-1、第3章(2))3-2-6の人的体制の役割のところで、読書ボランティアの協力を得てという形ではなくて、全ての教職員がそれに前向きに取り組むということをきちっとここに書いていただきたいと思います。
 長期的に見た場合の高校生への読書率を上げるということは、小学校低学年、中学年に起因するということと、もう一つは、今の高校生はどうするのかということがあります。それは、糸賀先生や皆様がおっしゃっていましたように、様々な取組が行われていくべきだと思います。(資料4-1、第3章)3の子供が本を紹介したり話合いや批評をしたりする活動についての具体的な取組、例えばという中に、読書会を入れていただきたいと思います。
 先ほどの調査の結果から、高校生同士の影響も、どこでそれを発信するのかというところで、周りの影響や、直接伝え合うということが出てきたと思います。ですから、身近な、本当に何人かが集まって、読書会というと、大げさな感じがするかも分からないのですが、本のおしゃべり会的な、本のことを話題にしてぱっと集まって話し合うという、そういう場をたくさん作っていけるようなことが大事ではないかというふうに思います。
 民間団体や、その辺に関しても予算を付けながら支援をしていただきたいですし、普及啓発活動については、様々な例を提示するという形で出していただければといいのではないかと思います。
 以上です。

【秋田座長】
 ありがとうございます。

【設楽委員】
 1点補足してもよろしいですか。

【秋田座長】
 はい。どうぞ。

【設楽委員】
 言い忘れたところがありましたので追加させていただきます。
 細かいことですが、(資料4-1)9ページ(第3章(2)3-2-6)の人的体制のところで、「学校司書や司書教諭の配置の充実やその資質・能力」とあります。学校図書館法で司書教諭は、必置となっています。このことを誤解のないような形で書き分けていただければなと思いました。
 また、堀川委員が座長をされていた「学校図書館の整備充実に関する調査研究協力者会議」において、学校司書と司書教諭の役割分担を明確にされました。こうしたことも含めて、書き分けていただければなと思います。よろしくお願いします。

【秋田座長】
 ありがとうございます。
 では、私も個人的意見を言わせていただいて、あと時間があれば補足をしていただくというようにしたいと思います。
 今回、発達段階というところを、子供を中心として読書の経験を考えていくという意味合いで入れてくださったということは、大きな意味があろうと思っています。ここには書かれているんですが、一方で、一人一人の育ちだけではなくて、さっきお話がありましたように、中学まで読んでなかったら高校で駄目なのかではなく、一人一人の読書の経験に応じた形の対応が必要だというようなことが書かれ、先ほど野口委員からもありましたけれども、学校種を移行していく、その接続期のところについて連携をしていくというようなことが非常に大事ではないかというふうに個人的には思います。
 子供にとっては、家庭も、地域も、学校も大事ですが、学校図書館が全ての子供に開かれている場ですので、そこをどう使えるかというときに、先ほどからも出ていました人的体制の筆頭に掲げるべきは、学校図書館長が校長というような、やっぱり学校長のリーダーシップの下で、研修の部分も書かれているのは、司書教諭や司書の研修だけではなくて教員へ読書に関わる研修を充実するというような内容も必要かと思います。個人的には、いろいろな学校に伺って校長室を見ると、法令集しか並んでいない校長室は、大体、読書は力を入れてやっていないなみたいな、校長室に本が並んでいたりするというようなことが非常に大事であろうし、学校図書館だけではなく、先ほど濵田委員が、学校文庫という話がありましたけれども、学校のいろいろな場で本と触れる機会が保証されるような、そういう空間を学校に作っていくということが重要であろうと思います。それは量だけではなくて、忘れられない本を子供たちに作っていくというのが、前に調査研究を何回かやらせていただきましたが、忘れられない本を持っている子供というのがよく読むし、一つの動機になっていくのではないかというふうに思います。
 そう考えますと、今回、いろいろな取組も書いていただいたんですけれども、ビブリオバトルとかブックトークとかペア学習がどうやることかということが書かれているんですが、大事なのは、例えばビブリオバトルを子供たちが聞くことによって、新たな本の魅力に触れることができるとか、それから、ブックトークによって新たな本の世界の入り口に立たせてくれることで手に取りたくなるとか、それから、ペア学習で一緒に読んでみることで、友達と読み方の違いを知ることによって、もっと丁寧に読めるようになるとか、要するに取組で何をすることかが大事なのではなくて、それを通して私たちはどういう経験を子供に保証したいのかというところを書いていただくということが必要ではないだろうかというふうに思います。それは現状の認識として、知識基盤社会で、産業社会から、物だけではなくて知識というものをいかに生み出していくかという想像力とか、それから、知らない世界へのイマジネーション力というものが、恐らく時代が変わっても、2030年とか40年になっても必要になるというようなところがあるから読書が、今、新学習指導要領が目指しているところを支える基盤になるので、第4次の計画では、特に子供同士が学び方を学ぶという意味で、こういう取組が大事だというようなことが現状の中に書かれる、そして、それを3章では、そういう量も大事なんだけれども、読むかどうかというだけじゃなくて、どういう経験を保証するのかというようなところが書かれるとよろしいのかと思いますし、校長のリーダーシップも大事なんですが、子供同士の中に、ここのコンシェルジュも、コンシェルジュが何をすることは書かれているんですが、それを通して同世代間の中に本を紹介するリーダーを育てるとか、そういうことが子供同士をつなげていくのに大事だということが書かれるといいのかなと思います。読書推進とか普及啓発という言葉だけではなくて、協働して作り上げるとか、それから、さっきネットワークということもありましたが、子供の読書を通して大人ももう一度育ち合うとか、そういうニュアンスが国の資料であったり報告書であるといいのかなというふうに思っております。
 以上が個人的な意見になります。
 あと3、4分、もし委員の方で、いろいろな人の意見を聞いて補足したいという方があられましたら、機会があるかと思います。だんだん後ろほど長くなっていますので、最初の方で。

【糸賀委員】
 手短に補足させていただきます。
 先ほど平久江委員も言われたように、確かにここに書かれたことを実現させるための体制づくりというか、システムづくりということを考えなければいけないと思うんですよね。今いろいろな委員の方々が言われたのは、割とオーソドックスで、私に言わせると、結構正攻法なんです。でも、確かに高校生で読まない人たちのことを考えたら、正攻法だけでいったんでは、なかなか難しいと思うんですよね。書店が確かに減っている、全国でどんどん減っているんです。
 一方、さっきもアンケートの結果から見ると、書店から本を入手しているという答えが一番多いんですよね。そうすると、高校生を考えると、書店よりコンビニなんです。コンビニが全国にこれだけあって、彼らはあそこでコミックや雑誌を買ったりしているわけですよ。あとはネットで買ったりしていますけども。コンビニ全店とは言いませんけれども、例えばローソンならローソンとか、セブンイレブンあたりと提携して、もう少し彼らが読書にコンビニを通じて親しめるような場というのを考えるというのは、戦略的にあり得ると思っています。もちろん学校や図書館が大事だというのは、これは当然ですよ。でも、私はもっとそれ以外のところのチャンネルを通じないと、なかなか彼らの読書にはアプローチできないように思うんです。
 それから、再三、教員の話が出ますよね。これもおっしゃるとおりなんですが、だったら、私は文科省さんとして教員養成課程の中で読書教育や図書館利用教育の駒がどこかで増えていかないと、先生になった時点で余り図書館のことを知らない先生では困ると思うんです。これは教員養成課程の中で、教科に関する科目でもいいし、教職に関する科目の中に、どこかに図書館利用教育や読書教育のことを今後増やしていくべきだろうと思います。
 それから、今回の案の中で、残念ながら、子ども司書だとか読書コンシェルジュの話は出てくるんですが、なぜか図書委員の話が出てこないんですよ。私はさっきこのPDFを検索したんですが、図書委員は全く出てこないんです。身近にあるものとしては、図書委員をうまく活用する、友達同士で本の勧め合いをするということが有効だろうと思います。子ども司書や読書コンシェルジュは、まだ言葉としては全国的には定着していないから、一体これは何だと思われちゃうんですよ。それに比べると、図書委員は全国の小中高でやっていますので、これについての記述というのは入れていくべきだろうと思います。
 最後に、今回の第4次5か年計画の中で、文部科学省さんとしても、それだけじゃなくて、国を挙げてのイベントとして、東京オリンピック・パラリンピックがあるわけですよね。このタイミングで、私は読書についても、国際的なオリンピックのようなことができないかというふうに考えているんです。例えば、これをビブリオリンピックですよ、でなかったらビブリンピックでもいいんです。国際的にみんなでさっきのビブリオバトルをやるということは、これは可能なんです。現に英語教育に力を入れていらっしゃるんだったら、英語である特定の本を、いろいろな国たちが紹介し合う。8月にオリンピックが予定されているので、少し涼しくなって、読書の秋で、10月、11月末ぐらいにビブリオリンピックというのをやったらいいと思うんです。既に国際交流基金だとかJICAが、あそこには図書室を持っているんです。東南アジアをはじめとした各国の研修生が来ているわけですよ。この人に対して、ビブリオバトルをやっているというんです。ですから、私は、中学校あたりでも十分、そのタイミングで国際的な読書のコンクール、競い合うということが、ふだん、読書に親しみがなかった生徒たちを十分引きつける魅力はあるんだろうと思います。今回の第4次5か年計画の中でも、そういうタイミングを逸することなく、国際的な視野に対しても広げていただきたいと思います。
 以上です。

【秋田座長】
 ありがとうございます。
 よろしいでしょうか。次回の検討もあると思いますので、そろそろ本日の会議の終了時間が近づいてきました。本日の意見交換はここまでとさせていただきたいと思います。
 最後に、スケジュール等について、事務局から御説明をお願いします。

【小沢青少年教育課青少年体験活動推進専門官】
 活発な御意見、本当にありがとうございました。本日、資料等も多くあり、それを踏まえて御意見も一通りお伺いしましたけれども、まだまだ御意見があるのではないかと思います。1週間程度、時間を設けさせていただいて、11月10日金曜日をめどに事務局までメールで御意見の追加等があれば頂ければと思っております。送り先等につきましては、本日、メールで御案内をいたしますので、よろしくお願いいたします。
 次回の会議につきましては、本有識者会議の最終会議となりまして、12月12日火曜日の10時から12時、文部科学省内で行うこととしておりますので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。

【秋田座長】
 ありがとうございます。
 それでは、本日はこれで閉会とさせていただきます。大変お聞き苦しい声で申し訳ございません。
 お忙しいところ、御出席いただき、ありがとうございました。

―― 了 ――

お問合せ先

生涯学習政策局青少年教育課

(生涯学習政策局青少年教育課)

-- 登録:平成29年12月 --