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学校におけるICT環境整備の在り方に関する有識者会議(第5回) 議事録

1.日時

平成29年3月13日(月曜日)18時00分~20時00分

2.場所

中央合同庁舎第7号館東館 文部科学省3階 3F1特別会議室

3.議題

  1. 論点の確認
  2. 自由討議
  3. その他

4.議事録

(1)堀田座長挨拶

【堀田座長】
 それでは、定刻でございますので、ただいまから、学校におけるICT環境整備の在り方に関する有識者会議の第5回を開催いたします。
 本日もまたお忙しいところを御参集いただきまして、まことにありがとうございます。
 本日は、御都合により赤堀委員が欠席となっておりまして、代理で森本様に御出席いただいております。よろしくお願いいたします。
 本日は、これまでICTの必要性について、学習指導要領の資質・能力の観点から御議論いただいてきましたが、その取りまとめを行うとともに、ICT環境整備の優先順位や求められる機能について、御議論いただくということとなっております。
 また、前回に引き続きまして、並行して行っていただいている調査研究の御説明者として、三菱総研の安江様と富士通総研の蛯子様に御出席いただいています。よろしくお願いいたします。
 それでは、まず、事務局より配付資料について御確認をお願いいたします。

(2) 配布資料の確認

【松本課長補佐】
 それでは、本日も遅い時間で恐縮ですけれども、どうぞよろしくお願いします。
 クリップ留めの資料が2つお手元にあるかと思います。その上の方の資料から御説明させていただきます。議事次第がございます。資料1ということで、これまでの議論の整理、そして、資料2は前回御了承いただいた本有識者会議の下に置かれた効果的なICT活用検討チームの報告書でございます。資料3「調査研究について」ということで、三菱総研さんの資料でございます。資料4、「優先的に整備すべきICT環境及びその機能について(論点メモ)」でございます。さらに、参考資料1と2が付いてございます。参考資料1については、第4回の議事録でございます。既に委員の皆様には御確認を頂いているところかと思います。特段問題がなければ、このままホームページに掲載させていただきたいと思っております。
 また、もう一つのクリップ留めの机上資料についても、簡単に御説明させていただきます。まず、益川委員が本日プレゼンされますので、そのプレゼン資料でございます。また、資料2の学習活動において使用されていたICT機器等というもの、そして、ICT機器に関する資料はカタログの抜粋でございます。そして、デジタル教材の活用場面による整理ということで、以前の「2020年代に向けた教育の情報化に関する懇談会」における配付資料を参考として付けさせていただいております。また、さらに、第4回会議における主な意見というものも付けさせてございます。過不足等ありましたら、事務局までお願いいたします。

(3)次期学習指導要領で求められる資質・能力等とICTの活用について

【堀田座長】
 ありがとうございました。
 それでは、まず最初に、前回会議にて設置いたしましたワーキンググループ「効果的なICT活用検討チーム」において、「次期学習指導要領で求められる資質・能力等とICTの活用について」の報告をまとめていただいております。その報告につきまして、今日、黒上主査が欠席ですので、代理で益川委員より御報告いただきまして、その後、検討チーム主査代理の高橋委員に補足していただこうと思います。
 それでは、益川委員、お願いいたします。

【益川委員】
 それでは、座って失礼します。こちら、資料2を御覧いただきながら、こちらのパワーポイントを見ていただければと思います。
 学習活動の視点から、次期学習指導要領で求められる資質・能力等とICTの活用について、まとめてきました。
 次期学習指導要領の案を見ていただきますと、3つの柱ということで、知識及び技能の習得、思考・判断・評点力等の育成、学びに向かう力・人間性等の涵養という、この3つを総体として育む、そういう資質・能力を育んでいくということが求められています。
 そこで、主体的・対話的で深い学び、そういう姿の授業改善を通しながらやっていくということで、指導要領案の中では、各教科等の特質に応じた見方・考え方を働かせながら、知識を相互に関連付けてより深く理解したり、情報を精査して考えを形成したり、問題を見出して解決策を考えたり、思いや考えを基に創造したりすることに向かう学習の過程を重視することと書かれております。
 この学習の過程を重視して、そこを支えるというところの多くの事例というのが、今回集まりました。全部で51事例ほど集まっております。ただ今回は、ある単元のまとまりの中の1授業をピックアップしていますので、本来は、単元であるとか、扱っている中身、題材のまとまりの中で、いろいろICT環境が活用されているのではないかと思われます。
 例えば、教員がどう使うかと見ていきますと、学習活動の動機付けとか、どういうところを学習していっていいかという方向性を示したりとか、子供たちの理解を確実にしていくためにICTを活用する場面というのが、幾つか事例としてございました。
 また、児童生徒が使っていくというところですと、いろいろ試行錯誤しながら情報を集めて、そして、考えて創り出す活動、いわゆる思考力等を発揮する活動をICTで支えているという、そういう事例が多く見られました。
 それから、児童生徒の方で、学んだ内容を確実にしていく練習であるとか、流暢にしていくような練習、ドリル的な活用であるとか、コミュニケーション活動を通していろいろ習熟していくとか、そういうところをICTで支えていく、そういうものがありました。
 こういうような中で、単元や題材のまとまりの中で主体的・対話的で深い学びをトータルで実現していくために、ICTと言いましても、すごく特別な高度な機能というわけではなくて、先生なりにいろいろある機材を有効に働かせながら使っているという様子が見られました。
 さらに、もう一つとして、学習の基盤となる資質・能力ということで、教科横断的な視点に立った学習の基盤となる資質・能力の育成というのが、次期学習指導要領案では、言語能力、情報活用能力、それから、問題発見・解決能力というところに触れられております。こういうような、特に情報活用能力というところ、様々な51事例の中でも、いろいろな場面で育みながら、かつ、教科の様々な資質・能力を育んでいくというような、そういう事例がございました。
 以降、こちらのパワーポイントの方は、51個の活用事例を、主体的・対話的で深い学びの学習の過程という枠組みと、それから、学習の基盤となる資質・能力を育成しているということを一覧表にして、該当箇所に丸を付けて整理してみましたので、これから、どういう51事例が入っているのか、ピックアップしながら御紹介したいと思います。
 まず、国語ですね。(1)から(5)の実践事例をまとめた表になりますが、例えば、こちらの資料2の11ページ、(3)の国語〔小学校第4学年〕というところを御覧ください。例えば、こういうところですと、教材文を読み込んで、自分の考えを、まず情報を精査して考えを形成するという場面で使われていたりですとか、あとは、思いや考えを基に想像するというところで、実際に自分の考えをまとめて、プレゼン資料を作成して、プレゼンテーションソフトを用いて、考えた「ゆめのロボット」を相手に伝わるようにプレゼンするみたいな活動で使われております。こういうところに使っていくために、大型提示装置であるとか、教育用コンピュータとか、プレゼンのソフトウェアというのが使われております。
 続いて、社会の方を見ていきたいと思います。(6)から(10)ですが、例えば、21ページ、社会〔小学校第5学年〕というところを御覧ください。こちらは、「これからの食料生産とわたしたち」ということで、実際にスーパーマーケットへ家族と行って、メモしてきたものと、それから、メーカーのホームページとかで調べたものを基に、それを表計算ソフトの方にまとめていって整理する、それで情報を精査して、考えを形成するというところに使われております。さらには、日本の食料自給率の低さによって生じる問題について、いろいろ議論して、課題解決をして、提案するというところにも用いられていまして、こういうところにICTを活用しながら、深い学びの実現に向けて、授業としては工夫されているのではないかと思います。
 次のスライド、次は中学校の方になります。(11)から(14)まであるのですが、例えば、(13)の方を御覧ください。こちらの方は、どちらかと言いますと、情報活用能力を育成するというよりは、もう持っている力を使いながら、ICTを流暢に使って、学びを深めていくということをやっております。例えば、そこの中には、いろいろな資料、土地の観点、輸送の観点、原料の観点、労働力の観点みたいな複数の資料が入って、それら資料を関連付けて、自分なりの考えを見出していく、そういうような授業が実際に行われているという例かと思います。
 では、次に、算数・数学の方を見ていきたいと思います。37ページの〔小学校第2学年〕というのを御覧ください。こちらですが、直角二等辺三角形の色板12枚を使って、何個の正方形を作ることができるかを考えるというところです。実物を使いながらやることもできるのですが、こちらはICTを使ってやることで、一回一回画像として残しておいて、作っていったものを比較するみたいなことをやっています。繰り返し試行錯誤しながら、様々な観点から、いわゆる算数の見方・考え方に沿って考えを形成するというところにICTが用いられている例かと思います。
 続いて、理科の方へ行きたいと思います。理科、(21)、45ページ、〔小学校第5学年〕なんですが、こちらの方は、すごく多様な場面に、それぞれなりに使っております。例えば、増水する前の画像、後の画像みたいなところから、写真を見てまた想定していくのですが、実際に自分たちで実験をして、それ自身も定点カメラを設置して観察したりして、初めの写真とも比較しながら検討できるようになっています。さらには、他の川でも同じようなことが起きた形跡があるかどうかというのを、地図ソフトを使いながら検索するということで、結構こういう視点まで入ってくると、社会科との教科横断的な活用みたいな、そういうようなところにもなるかと思います。多様な情報源を、ICTを活用しながら、本当に生きて働くような知識・技能としていくような、そういう事例であるかと思います。
 続いて、理科、中学校、(23)、(24)、(25)ということで、51ページの(25)の理科を御覧ください。「金星はなぜ満ち欠けをするのだろう」というところですが、普段私たちは地上からしか見ていないので、なかなか科学的な俯瞰した視点というのを持ちにくいですが、そういうのをタブレットを使って撮影しながら、見ることができない視点を何度も繰り返し見ながら検討できる、そういうところにICTの活用が行われている例かと思います。
 続いて、生活科、音楽ということで、(26)から(30)の方に入っております。かわいい例ですと、(27)、小学校2年生ですが、町探検のところで撮影して、また持ち帰っていくみたいな、そういう、いろいろ調べていくところからさりげなくICTを活用して、徐々に学習の基盤となる資質・能力を育んでいるスタートの例かと思います。
 さらには、音楽ですが、例えば、55ページの(28)では、「BGMをつくろう」ということで、本当にこういう多様な音源とかリズムとかを組み合わせてやっていく、こういう試行錯誤の活動というのは、やはりICTがないと、授業って限られた時間ですので、なかなかできなくて、豊かな表現を育むためにすごく有効的な活用なのではないかと思います。
 では、次に、図画工作、(31)から(33)を見ていってください。59ページ、61ページというところを見ていきますと、小学校2年生ですが、小学校2年生って、いろいろものを作りたいというと、作りたい思いで、特定のものだけでがんがん進めてしまうところを、いろいろ記録して、繰り返して鑑賞するという機会を設けることで、より複数の視点、複数の材料から考えながら作り上げていく、そういうような授業を実現できている。そういう意味では、発達段階、まだ2年生という段階であっても、ICTを使うことで、高度な考えを形成したりとか、より豊かな創造、そういう活動につなげていっている例ではないかと思います。
 では、家庭・技術家庭です。68ページですが、「おいしくて健康によいみそ汁を作ろう。」ということで、いろいろ栄養分を調べて、レーダーチャートにデータを入力して、表示して、それを基にいろいろ検討していくというような形で、まさにこういうような力を自然と身に付けていくことができれば、将来、自分でいろいろな栄養管理等をするときに、そういうICTを使いながら、ちゃんと使える知識としてやっていくために、本当に単なるお遊びではなくて、しっかり自分で入力していく、そんな中で考えていくみたいなところは、すごく興味深い事例ではないかと思います。
 体育・保健体育です。これもかわいい例としては、70ページの(38)、小学校1年生ですが、海の生き物を体で表現するというところで、自分の映像と海の生き物の映像を比較するみたいなことをやるのですね。発達段階的に、自分がどう動いているかみたいなことを見直す機会って本当に少ないと思うのですが、こういうチャンスがあるだけで、いろいろすごく考えながら動作化することにつながっていく、そういうような、まさにICTを効果的に使った例なのではないかと思います。しかも、これは実際にカメラ機能をお互い1年生の段階から使いながらやっていく、そういう事例になっております。
 道徳・外国語活動でも幾つか事例がございました。例えば、73~74ページ、小学校5・6年生ですが、こちらの方もICTをうまく活用しながら、世界の文化、そういうところも学びつつ、いろいろなコミュニケーション活動を、テレビ電話等を用いて、すごく実社会に根付いた形の活動を5・6年生の段階からやっているというところです。こういう経験をすることで、その先にもっと学びたいという思いが起きていくと、やはりこういう外国語活動って、すごく練習とか時間がかかるところですので、こういう活動を通してやりたいなと思って、それをまたICTを使いながら、いろいろ流暢にさせていく、そういうような活動も大事なのではないかと思います。
 総合的な学習になりますと、丸が付いているところがすごく多くなってきて、主体的・対話的で深い学びを実現するためにICTを総動員して、深く理解したり、考えを形成したり、解決策を考えたり、創造するという事例です。地元の観光の課題を調査し、活性化に取り組もうとか、ロボットは私たちの暮らしとどのようにかかわっているのだろうかであるとか、100人の村の財政というものを編成しようとか、AI・ロボットは少子高齢化社会の介護に有効だろうかとか、まさに現代の社会的課題をベースに、いろいろな情報源を、ICTを駆使して集めて、自分たちで考えて、アイデアを創り出していく、そういう豊かな活動に実際使われているという例が数多く入っております。
 中学校の例とか、特別活動、特別支援のところ、今回は時間不足で、もっと特別支援に関する実践事例って数多くあるのですが、今回は余り入っていなく申し訳ないですが、合計51事例まとめてきました。
 最後、まとめますが、各教科の見方・考え方に応じた柔軟な活用が見られます。カメラ機能と言っても、各教科において、どういう資質・能力を育むかという使い方は多様です。ICTの学習環境があるからこそ、各教科内容の深い学びに直結する学習の過程が支えられるものが多いかなと思います。
 同時に、こういう各教科の中で使っていきながら、深い学びにつながる主体的・対話的な活動の中で、学習の基盤となる情報活用能力の育成にもつながっていますし、同時に言語能力も当然含まれていて、授業展開も問題発見・解決が含まれており、そのような能力も育む授業になっておりました。
 こういう豊かな活動というのを引き出すために、いろいろなICTの学習環境の基盤を整備する必要というのを、まとめながら改めて必要だと思った次第です。
 僕の方からは、以上です。

【堀田座長】
 ありがとうございました。
 それでは、補足につきまして、検討チーム主査代理の高橋委員からお願いいたします。

【高橋委員】
 前回はお休みで、申し訳ございませんでした。
 検討チームでは、3つの学校の事例を中心に、ICT活用をまとめさせていただきました。この次期学習指導要領で求められる資質・能力とICT活用の関係ということで調べていきますと、まず第1に言えるのは、児童がICTを活用するということは極めて重要で、もう前提であるということです。その前提に基づいて、益川委員が詳細に説明してくださったと思います。
 もう一つ、やっていて感じるのは、益川委員も学習の過程という言い方を何度かされたと思いますが、やはり学習の過程の質が高いです。だから、ICT活用だけを取り上げていくと、これまでの話と何も変わらないのではないのかというようなところもたくさんあるのですが、この学習の過程として見ていくと、実際の授業は相当質が高いものになっているということです。
 この質が高いというのは、なかなか言葉で表現したりするのも難しかったり、授業参観などに慣れていなかったりすると分かりにくいと思っています。なので、これ自体を、機械の操作だけ取り上げれば、これまでとはあんまり変わらない。大きく映しているとか、そういったところでは変わらないですが、これらの組み合わせによって相当質が高くなっているということを感じているところです。
 実際には、これは授業の流れも相当変わっているという部分があります。となると、これはこれで、次期学習指導要領が求めるICT活用として、はっきりさせておくということで意味はあると思うのですが、これがすぐに普通の学校でもできるのかという、もう一方の制約から考える必要があります。私自身もいろいろな学校へ行きます。今、私の所属している講座が教育学講座ということもあるので、ICT活用でない理由で呼ばれることもあるのですが、そういうような学校に行きますと、今みたいな益川委員の発表と年単位の差が付いていると。それはICT環境もそうですし、教員の意識も、いろいろな経験も、児童生徒の経験や考え方も年単位の差が付いているというふうなことも、一方で感じるわけです。
 前回、お休みをしていましたが、この大きな次期学習指導要領で求められる資質・能力に対応したICT活用と、もう少し下側のICT活用と、もっと下側のICT活用みたいなことで、少し分けて考えていかなければいけないというふうに思います。今回は、これはこれで、指導要領から見て役割だと思って、少し大きめの目指すべきICT活用というふうにやりましたけれども、ここを目指すべきとは思いますが、まだそこには年単位で遅れている学校のことも忘れてはいけないと思いながらやってきたところであります。
 いずれにしましても、児童生徒のICT活用は欠かせないということですので、そういった方面からの整備は必ずしなくてはならないということは、意を強く持ったというふうに言っておきたいと思います。
 以上になります。

【堀田座長】
 ありがとうございました。
 何か事務局で補足はありますか。

【松本課長補佐】
 机上資料として配らせている中で、1枚もので、「資料2の学習活動において使用されていたICT機器等」というものがございます。これは、この後御議論させていただくこととも関連しますけれども、御参考までに、各学校での学習活動ではこういう機器が実際に使われていたというのを整理したものもございますので、御参考になさっていただければと思います。
 以上になります。

【堀田座長】
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの御報告につきまして、質疑応答、あるいは、ディスカッションの時間を10分ほど取りたいと思いますので、御意見ある方は、御準備をお願いします。
 少し私から補足をしますと、先ほど高橋検討チーム主査代理がおっしゃっていたように、次期学習指導要領の期待する資質・能力を育成する学習活動を、既にもう実践化している学校でどういうことが行われているかという整理をクリアにしていただいたと。しかし、そのような学習活動は現状ではまだ実現していないところの方が過半数です。このような現実と、次の学習指導要領の理想的なところまでの連続的な時間軸みたいなことを考えながら整備指針を作っていくのだということだと思います。そこを忘れないように、整備の論点をちゃんと整理していきたいと思っております。
 では、御意見ある方、いかがでしょうか。
 では、東原委員、お願いします。

【東原委員】
 東原です。先ほど松本補佐がおっしゃってくださった資料のところの整理と、今の益川委員が御報告くださったものとの組み合わせがこれから大事だと思われるわけです。ハードウェアに関しては、どんなハードが要るかということは大体分かるのですけれども、ソフトウェアに関するところが、まだ検討が必要だろうと思います。
 例えば、授業支援システムの中のどういう機能が、どの望ましい質の高い学習につながるかといったようなところの整理が必要と思われます。ソフトウェアのジャンルと、機能まで立ち入って、この機能がこう使われると学習指導要領で狙っていることが実現できるとか、そういう整理をする必要があるだろうと思いました。
 以上です。

【堀田座長】
 ありがとうございました。
 ほかに、いかがでしょうか。特に御意見ないようであれば、次の話と併せて、また最後のディスカッションで拾っていく形にしたいと思いますが、よろしいですかね。
 今の東原委員の御発言は、例えば、授業支援システムとか書いてあっても、そういうソフトウェアのジャンルでは非常にサイズが大きくて、それのどこの部分を使ったのかが分からないと、結局、一部でも使っていれば全部要るみたいな感じの整備になって、コストがかかりすぎる可能性があるということかなと思いますので、逆に言えば、ハードウェアやソフトウェアを並べただけでは、恐らく授業が表せないという、学習過程と機能の関係で整理しないといけないということかなと思いました。ありがとうございました。
 ほかに特にございませんでしたら、一度先に進ませていただいてと思いますが。ありがとうございました。
 それでは、検討チームからの御報告は、一旦ここまでとさせていただきます。益川委員、ありがとうございました。
 それでは、次に、三菱総研さん、富士通総研さんから、調査研究について御報告を頂きます。
 今まで調査研究の内容について、毎回、どこまで進捗しているかということをお話しいただいてきたわけですけれども、少しプレゼンテーションの前に確認をしておきます。今回、少し多めに時間を取っております。大分整理が進んだというふうに聞いておりますが、1つは、先進的な取組、これは、どちらかというと、もう既にICTを子供たちが活用して学習を行っているような、そういう学校のICTを活用した学習場面から、どういうふうな活用がされているかということを、具体的な学習活動と機能をひも付けて分析するというのが1つ目ですね。
 2つ目は、全国的なICTの環境整備の実態調査を文科省としてやっていますが、それの深掘りした分析と、あとは、企業側がどういうふうに調達しているかという、調達側の、ベンダー側のヒアリングですね。あと、教育委員会の調達仕様書がどうなっているかという調査もしていただいておりますので、その2つについて御説明いただきたいと思います。
 では、安江様、蛯子様、よろしくお願いいたします。

【安江氏】
 三菱総合研究所、安江でございます。今お話ありましたように、2つのテーマに分かれておりまして、最初の先進的な部分についてのテーマにつきましては、富士通総研さんのほうで調査されていますので、蛯子さんの方から御報告いただきます。

(4)調査研究について(調査1』

【蛯子氏】
 富士通総研の蛯子です。調査1、ICT環境の在り方の調査結果について御報告いたします。
 まず、調査概要です。調査の位置付けです。ICT環境の在り方の検討に向け、効果的にICTを活用している100の先進事例を情報工学の観点から分析しております。調査は、スライドの下半分に示すとおり、3つのステップで実施しています。ステップ1で、利用頻度の高いICT機器を整理し、ステップ2で、学習場面と利用機能、ステップ3で、ステップ1・2の結果を踏まえ、学校におけるあるべき「システム構成」に向けた検討課題を整理しています。
 分析対象の学校におけるICT環境です。分析対象とした学校は、児童生徒1人1台のパソコンが整備されている、ステージ4に相当するICT環境が整備されています。職員室に校内サーバ、各教室に有線LANと無線LANのアクセスポイントが常設され、教員・児童生徒ともにインターネット・校内サーバにアクセスすることができます。各教室には大型提示装置と実物投影機を制御する大型提示装置用PCが整備されています。ソフトウェアは、赤で示す凡例のとおり、授業支援システム、文書作成等の汎用ソフトウェア、教科・単元固有の教育用ソフトウェアの3つに大別されます。これらのソフトウェアは、スライドに示すとおり、ソフトウェアの動作条件に基づき、様々なコンピュータにインストールされ、ソフトウェア上で作成されたデータも、様々な場所に保存されています。
 ステップ1・2の調査では、先の委員会で示したとおり、教員・児童生徒などのユーザの観点から、ICT環境の何を操作して、何に対して何をしているのかを、授業における学習場面毎に詳細に分析しています。
 ステップ1の調査結果です。各授業におけるICT環境の利用状況の分析結果より、システム構成別に利用頻度を再集計しております。利用頻度は、授業の単位で整理しています。つまり、授業の中で対象となるICT機器を1回使っても、何十回使っても、同じものとして集計しています。分析対象とした学校は、全てにICT機器がある構成1.のICT環境が整備されています。全てが整備されたICT環境において、ICT環境の利用状況から、結果としてどのシステムが最低限必要とされていたかを整理していることに御留意ください。この図では、システム構成を1.から5.の5段階で整理しています。この5段階の構成は、上位互換の関係にあります。すなわち、1.があれば、2.から5.のシステム構成が提供する機能を満たしています。
 利用実績から整理したシステム構成は、赤で示す教員・児童生徒コンピュータに親子関係があるか、青で示す親子関係がないかの2つに大別されます。親子関係とは、教員が児童生徒コンピュータを制御する権限・機能のことです。整理結果によると、約7割の授業で親子関係の権限・機能を使っています。また、システム構成2を前提とした授業は58件と、最も多くなっています。
 調査から得られた低廉なICT環境の検討に当たっての観点です。システム構成の検討に当たっては、縦の赤線で示す4つの機器の在り方が鍵になると考えています。その4つの機器とは、実物投影機、サーバ、学習ソフトウェア、大型提示装置用コンピュータです。詳細については、後ほど、ステップ3のところで説明いたします。
 次に、ステップ2の調査結果です。授業分析の結果を利用場面の観点から再集計しました。指導案並びに授業記録から得られた情報を基に整理していることに御留意ください。教員がICT環境を利用する場面は、ここに示す4つのパターン、1、提示する、2、提示画面をタッチパネルで操作する、3、資料を配布する、4、児童生徒PC画面を参照・転送するに集約されます。各パターンの右上に示した数字は、100事例の分析結果のうち、何回その場面が登場したかを示しております。1、提示するが337件、2、タッチパネルを操作するは5件となっています。
 同じ観点から、児童生徒の利用場面を整理したものです。児童生徒についても、ここに示す4つのパターン、1、児童生徒PC上で閲覧する、2、児童生徒PC上でデータを書き込む、3、自分のデータを保存する、4、自分のデータを送るに集約されます。1、閲覧するが289件、4、送るは19件となっています。
 100事例の分析結果から、ICT環境の活用場面は、教員、児童生徒、それぞれ4つの利用場面に集約されることが明らかになりました。非常にシンプルなようにも思えるのですが、一般的な情報システムと異なり、これらの利用場面は、授業の展開に合わせ瞬時に切り替えられる必要があります。瞬時に切り替えられない場合、授業の進行が止まります。例えば、3、データを保存するという利用場面がある場合、学級の児童生徒が全て保存を完了しないと、次の利用場面に展開することができず、授業の進行が止まってしまいます。このシステムの可用性、Availabilityの観点は、個々のICT機器の機能やスペックでは表現できないものですが、ICT環境の在り方を検討する上で、極めて重要なことだと考えています。
 このスライドは、教員の利用場面とICT環境の利用機能を整理したものです。先にステップ1で示したシステム構成検討の鍵を握る機器のうち、サーバ、学習ソフトウェア、大型提示装置用コンピュータの3つの機器がどの機能を場面で利用しているかを、右に示すとおり、星取表の形で整理しています。特にサーバの利用頻度が高いことが分かります。
 同じく、児童生徒の整理結果です。教員の結果とは異なり、利用頻度が低くなっています。
 次に、ステップ1・2の結果を踏まえた、ステップ3の整理結果です。調査結果を踏まえ、システム構成・機能を検討する上で鍵となるICT機器別に検討課題を整理しています。後ほど、三菱総研様より説明がある調査2の結果と比較しやすいよう、同じ枠組みで整理しています。
 検討課題1、大型提示装置です。先に示した分析結果のとおり、最も利用される機器・機能です。左側の図を御覧ください。大型提示装置に教材等を提示する場合、教員は、大型提示用PC又は教員用PCを操作します。点線で示す大型提示装置用PCを導入しない場合、教員は、教員PCの画面を大型提示装置に表示することになります。その際、第1に、どのように教員用PCと大型提示装置を接続するのかという検討課題が生じます。具体的には、有線での接続、無線LAN経由での接続の2つの選択肢があります。次に、タッチパネル操作をどうするのかという検討課題が生じます。
 検討課題2、実物投影機です。先に示した分析結果によると、利用頻度が低くなっていますが、全ての教材がデジタル化されるわけではないことから、紙などの資料をカメラで写し大型提示装置に提示する機能は、今後も必要だと思われます。低廉化に向けた検討課題として、教員用PCに内蔵されたカメラは、実物投影機の代替手段として活用できるのかということが挙げられます。検討に当たっては、迅速性、操作性など、実物投影機が有している機能を考慮する必要があります。
 検討課題3、教育用コンピュータです。授業単位の分析結果からは、キーボード・マウスの利用件数は70件、タッチパネルの利用件数は27件となっています。どちらを選択しても、ICT環境のシステム構成に影響を与えないため、教育用コンピュータの仕様に閉じた問題として検討する課題であると整理できます。
 検討課題4、教科横断的に利用するソフトウェアです。ここでは、システム構成に大きな影響を与える、いわゆる「授業支援システム」に焦点を当てています。授業支援システムの在り方については、第1に、左に示すとおり、資料配布方法をどのように行うかが検討課題となります。資料配布の方法は、1、教員から児童に資料を配布するケースと、2、児童生徒が自ら資料を取りにいくケースの2つのパターンがあります。このどちらを優先するべきか、並存させるべきかなどが検討課題になります。第2の検討課題が、児童生徒のPC画面の制御を誰が行うかです。これは、児童生徒のPC画面を大型提示装置に表示する場面で使われるものであり、非常に頻繁に利用されています。利用に当たっては、1、教員が制御するケースと、2、児童生徒が制御するケースの2つのパターンがあります。2つのケースの並存は、システムポリシー上、難しいため、どちらかに決める必要があります。
 検討課題5、サーバです。分析の結果、学習用サーバとも呼ばれる校内サーバは、約9割の授業で使われています。主に電子データの保存・共有に使われていますが、低廉かつ円滑に利用するためには、機器仕様などを議論する前に、運用上の2つの検討課題を解決する必要があります。第1に、電子データの管理ルールの統一化です。特に児童生徒が作成したデータを、児童生徒PC上に保存するのか、校内サーバに保存するのかにより、システム構成は大きく変わります。第2に、アカウント管理ルールの統一化です。分析した事例では、2つのアカウント管理ルール、個々の児童生徒にユニークなIDと、学年・クラス・出席番号をそれぞれ並存しています。どちらを主なアカウントとして利用するかがポリシー上で設定されておらず、各ソフトウェアが独自ルールで管理しています。これにより、進級時にアカウントの再登録を行うなどの作業が発生し、運用コストの増加や学校現場の負荷を高めている可能性があります。第1の電子データの管理ルールの統一化と併せ、ICT環境の在り方を検討する上で、極めて重要な観点であると考えています。
 こちらは、今回の授業分析のために利用した授業の一覧になります。
 調査1の報告は、以上です。

(5)調査研究について(調査2)

【安江氏】
 続きまして、調査2について御報告いたします。お手元の資料から若干変更がありますので、スクリーンを御覧いただきたいと思います。
 調査2では、前回も御説明しましたが、3つの調査を行いました。
 1つは、ICT環境整備実態の再整理ということで、文部科学省様が行っている既存調査の具体的な展開の分析を行いました。
 2番目としまして、調達仕様書分析ということで、最近3年間の調達仕様書98件について、スペックですとか、導入時のシステム的な組み合わせの状況について分析を行いました。
 3点目として、教育ICTベンダー様にヒアリングを行いまして、調達の傾向ですとか、システムの使い方の提案の状況といったところを聞いて、分析を行っています。
 以下、5つの機器・環境につきまして、今の3つの観点からの分析を行いました。
 まず、大型提示装置ですけれども、これは、まず文部科学省様の統計調査の結果を再分析したものです。全体として見ますと、プロジェクター、電子黒板ともに整備率10%までの自治体が非常に多くて、全体的に見ると、整備は余り進んでいないということが言えると思います。
 それから、小学校と中学校については、デジタルテレビが一定の割合で入っているというところが、特徴として見えます。
 それから、高校について見ますと、電子黒板よりもプロジェクターの整備率が高い状況にあるということが言えます。
 次に、仕様書分析から最近3年間で見ますと、まず機能とて、電子黒板機能よりも投影機能が重視されているということが分かります。これは、大型提示装置の6割がプロジェクター型ということで、左上のグラフのところから、言えるかと思います。
 それから、画面サイズですけれども、60~70インチ程度が半数以上ということで調達仕様書が出ていますので、大型化が進みつつあるということが言えるかと思います。
 それから、もう1点、実物投影機を同時に調達するケースというのが半数近くあるということで、大型提示装置のときに実物投影機が結構重要であるということが、調達仕様書からも言えるかと思います。
 その次は、ベンダーヒアリングです。こちらについて見ますと、まずポイントですが、サイズについては、先ほどの仕様書の分析のとおりでして、やはり60~70インチの画面サイズが大きくなっているという感触を持つということです。
 電子黒板は高いと言われてきましたけれども、数年前と比べると値段は下がってきているということがあります。
 それから、プロジェクターについては、常設工事、天吊りとか、そういったものを避けて、可動型にしてということで導入される場合が結構多いといったところが挙げられています。
 それから、実物投影機ですけれども、こちらについても、まず既存調査分析を見ると、全体として、やはり余り整備は進んでいないということで、小学校、中学校、高校とだんだん低くなっていくんですけれども、中学、高校では10%以下がそれぞれ8割弱、9割強ということで、中・高ではあんまり入っていないということです。
 小学校の場合は、若干違いがありまして、この右上のところが小学校ですけれども、少し高校や中学ではないピークがあります。これは何かというと、デジタルテレビと組み合わせて使っている場合があるかもしれないといったところが推測されます。
 それから、仕様書分析ですけれども、実物投影機、学校当たりの調達台数を見ると、5台以下のところが7割ぐらいということになっています。ただし、これはフローということで、学校にストックというよりは、調達のときにということですので、御注意いただきたいと思います。
 もう1点、先ほどもありましたとおりで、大型提示装置と実物投影機が同時に調達されるケースが半数近くに上るといったところが特徴です。
 こちらについては、ベンダーヒアリングは割愛させていただきます。
 その次、教育用コンピュータですけれども、既存調査で見た場合、先ほどの大型提示装置等と比べると、大型提示装置は、入っていないか入っているかという二極化の傾向があったと思いますが、PCの場合は、その中間のところも結構ありますので、そういった意味では、多少幅はありますけれども、全体として少しずつ導入が進んでいるということで、1クラス1人1台みたいな目標に向けて導入されているという傾向が見えるかと思います。
 一方で、教育用コンピュータの中で、クラス用PCとかタブレット型PCというのを見ますと、まだ10台以下の自治体が多くの割合を占めているということで、こちらについては、これからという状況だと見られます。
 それから、もう1点、既存調査の方から、OSについて見たものです。こちらについて見ると、いろいろあるのですが、学校による違い、校種による違いは余り見られないということです。一番多いのはWindows7です。Windows8とWindows10につきましては、タッチパネルについても対応しているOSですけれども、この調査からは、タブレットかどうなのか、そういうフォームファクターについては分からないため、そこについては不明です。
 それから、導入先です。こちら、教室で、普通教室なのかといった、そういったところを見ていますけれども、導入先としては、パソコン教室がほとんどであるということで、普通教室だと、やはり10台以下というのがすごく高いということになっています。全教室で見ると、高い方にも分布があるという、そういう状況になっています。
 それから、教育用コンピュータと同時に調達されるものということで見ると、大型提示装置が併せて導入されるケースが6割超ということ。それから、授業支援系ソフトが67%。それから、学習者用ソフト、これはOffice等の、そういう汎用製品も含みますけれども、それについても7割以上が導入されているという状況でした。
 それから、コンピュータのスペックですけれども、OSとしてはWindowsが多いということですね。メモリについては、4GB以上が主流であるということです。端末種別を見ますと、タブレット型は画面サイズが10インチ前後、ストレージは64GB~128GB程度が主流です。ノート型については、画面が大きくなりまして、15インチ以上のところ、ストレージも大きくなると。CPUについては、分け方はいろいろあると思いますが、中レベル以上が中心であるといった状況でした。
 それから、キーボード付きかどうか、そういったところですけれども、キーボード付きで、かつ、堅牢性を指定するケースが、タブレット型について教育用の場合は多いということ、それから、保管庫付きの調達が6割を超えるという結果でした。
 ベンダーさんへのヒアリングですけれども、近年の特徴としては、普通教室では10~11インチの画面サイズのタブレットが主流になってきていて、一般用と比べると、先ほど言いましたように、堅牢性とか防塵処理とか、そういった、多少乱暴に使っても大丈夫という、そういった傾向があるということ、その分、価格が高くなる傾向があるということです。それから、キーボード付きが基本ですといったところでした。
 そして、これは参考ですけれども、アメリカのこういった教育用機器関連のマーケット調査をやっている会社のプレスリリースです。アメリカの場合を見てみると、K-12教育市場ということで、日本で言うと幼稚園から高校3年生までに相当するわけですけれども、こちらの端末出荷台数が増えていて、成長しているといったこと。それから、2017年には、2 in 1型ということで、タブレットにもノートPCにもなる、そういったようなものが300ドル以下で出てくると、その辺が主な競争力になってくるのではないかといったことが書かれています。OSについては、Chrome OSが高くてといったようなことが出されています。ただ、アメリカ以外ではWindowsが伸びているといったことも書かれています。
 それから、もう1点、アメリカでどういう形でコンピュータを使って教育されているかということですけれども、これもいろいろな情報があると思うのですけれども、こちらに挙げたものにつきましては、まず一般的な形態としては、教室内のプロジェクターとスクリーン及びホワイトボードとの併用で行っているということで、電子黒板という形では余り使われていない。
 それから、使い方に関して言うと、小学校でまず基礎的なことを行っておいて、中学・高校では、社会人が仕事で使うようなパソコンの使い方を習熟していく形式が取られているということであります。
 調査に戻りますけれども、今度はネットワークですね。ネットワークについて、まず既存調査分析を行ったものですけれども、有線・無線LAN、それぞれありますけれども、基本的には無線LANのところです。無線LANの場合、整備率が平均25%前後ですけれども、ほとんど整備していないところというのもあって、100%近い整備率のところと二極分化しているというところです。それぞれのグラフの中で、一番奥の列が無線LANですけれども、このグレーの柱がそれぞれ両端に立っているのは、そういう状況になっています。
 無線LANのアクセスポイントについてですけれども、大半が可搬型としての調達が中心ということです。ただ、最近の調達では常設型も4割近く出てきているので、徐々に常設率が向上する過程にあると思われます。
 機能についてですけれども、大型提示装置が学校にあるということもありまして、画面転送機能ということで、先生が持っているタブレットの画面がそのまま大型提示装置に表示されるような、そういった特別な機能を持ったようなタイプの台数が多いということが分かります。
 それから、同時接続台数ですけれども、台数が明記されている場合には、40台同時接続ということで、1人1台というのを意識した形の調達が多いのですけれども、一方で、全体として見ますと、同時接続台数が明記されていない場合があって、調達後に十分な使い方ができるのかといった課題があるということもうかがわれます。
 ベンダーさんへのヒアリングですけれども、上の方にポイントが書いてありますが、下の方の表で見ていただくと、ネットワーク環境のところの下から2つ目、回線スピードが30Mbpsと、バックボーンの速さの問題ですけれども、この場合だと、実際に使った場合、速度が不足するということがあるという問題。それから、その下ですけれども、一部先進的な自治体では、モバイルキャリアと契約して、LTEで直接つなぐという場合、SIMを入れてといった場合もあるといったようなお話がありました。
 最後、ソフトウェアですね。教員用デジタル教科書の導入状況ですけれども、こちらにつきましては、小・中学校では二極分化しているということ、高校につきましては、全体として導入状況が低調であるということで、低いという状況でした。
 実際どういったものかということですけれども、教育用コンピュータが調達される場合は、約3分の2の場合で授業支援系が同時調達されている。先ほど言ったとおりです。学習者用ソフトについて、これも同時調達が指定されるケースが7割以上であるということでした。
 ベンダーさんへのヒアリングですけれども、授業支援という形では、タブレットが入ってきたということと連動して、画面転送・ファイル共有のための導入率と、それから、端末管理(MDM)といったようなものが増えてきているというところでございます。
 それから、もう1点、教員用デジタル教科書ですけれども、こちらの場合は、先ほど言ったように、小・中学校は二極化で、高校は低調ですけれども、科目で見ますと、小学校は国語、算数、中学校では英、国、数学での導入が多いといったような状況になっております。
 以上になります。

【堀田座長】
 ありがとうございました。
 大変丁寧な細かい具体的な実態を御調査いただきまして、ありがとうございました。これにつきまして、質疑応答、直接は取りません。この後、事務局に、優先的に整備するものはどれかという論点の観点で整理していただいていますので、それを聞いてから、自由討議の中で、場合によっては質問、質疑があったらというふうにしたいと思います。
 では、事務局、お願いいたします。

(6) 優先的に整備すべきICT環境及びその機能について

【松本課長補佐】
 失礼いたします。続きまして、資料4の論点メモに沿って御説明をさせていただきます。
 本日の会議の前段の議論は必要性の議論でございましたが、この有識者会議の主な目的は、大きく分けると2つございまして、1つは、次期学習指導要領におけるICTの活用の具体的な学習活動について共通認識を図るというようなことが1つ。もう一つは、さらに、平成30年度から新しい第3期の教育振興基本計画が実施されることが予定されてございまして、そこにはICT環境整備目標というのを定めることになってございます。それに基づいて、地方財政措置という財政措置がなされるというふうに、今、我々は構想しているところでございますけれども、今申し上げた平成32年からの学習指導要領を想定しながら、どういう機器が必要なのかというところは、その地方財政措置のところに具体的に入っていく。その具体的にどういう機器が必要なのかというところも御議論いただくというのが、2つ目の目標だと思ってございます。その2つ目の目標に関する論点メモでございます。
 1ページ目の上の1、2というところでございます。全国の学校、これは、これまでの地財措置でもそうでございますが、小、中、高、義務、中等教育及び特別支援学校に対しては、地方財政措置を講じているところでございます。ここでいう全国の学校において保障すべき、標準的なICT環境というのはどのようなものなのでしょうかというようなこと。そして、学校で使うICT活用検討チーム機器として標準的な「機能」としては、どの程度のものを想定するのかということ、この2つについて御議論いただきたいと思っています。
 今申し上げましたように、この米印でございますが、これはあくまでも資質・能力の育成の観点から、必要か否かという観点を踏まえて御検討いただきたいと。
 もう一つは、このICT環境の機能を、国としてどこまで個別具体的に言及すべきかというところの観点も考慮していただきたいと思ってございます。現場の自由度と標準性、この両方の両立が必要なのかなと思っているところでございます。
 御参考までに、現在のICTの環境整備目標を書かせていただいています。教育振興基本計画においては、1つ目でございます、コンピュータ3.6人に1台、2ポツ目、電子黒板と実物投影機、それぞれ1学級当たり1台、そして、3ポツ目、インターネット接続・無線LAN整備率、それぞれ100%、そして、校務用コンピュータ教員1人1台という目標を掲げてございます。
 それに基づいて地方財政措置が講じられてございます。それが下の具体的なところでございます。例えば、教育用コンピュータでございましたら、既に整備されている部分を除いた、不足している部分のリース費用を地方財政措置として積んでいるところでございます。
 電子黒板については、また既に整備されているものを除いた、不足台数40万台分、及び約1万台、これは更新時期を迎えるもの、これに係る費用、購入分の価格を積んでいるところでございます。
 そして、実物投影機も、今申し上げたように、不足台数33万台分、プラス、更新費用というようなものを積んでいるというところです。
 無線LAN整備については、未整備約38万教室に係る費用、これはアクセスポイントになります。このアクセスポイントを購入する費用を、地財措置として積んでいます。
 教育用の校務コンピュータというのは、それぞれリース費用を積んでいるということでございます。
 そして、学習用ソフトウェアとしては、教育用コンピュータ新規導入や更新に伴うものとして、一定額を積んでいると。
 そして、ICT支援員の配置というところでございます。
 これ、最終的には、地方財政措置なので、各地方の一般財源にまとめられて、各自治体が、その一般財源の中でICTに講じるか講じないかというのは、自治体が判断するという構造になってございます。そのこともあって、申し訳ございません、個別の積算は、今、この公開の場で申し上げるわけにはいかないのですけれども、単年度で1,678億円という額を、今申し上げた、大きく言うと、1ポツ、2ポツ、3ポツで積み上げているというのが現状でございます。
 2ページ目、それぞれ今の積算も頭に入れていただきながら、論点を確認させていただきたいと思います。
 2ページ目が、まず大型提示装置、これは既存のところで積まれてございますが、既存の目標では、第2期では、「電子黒板」を普通教室に1台整備するとなってございますが、現在は21.9%ということで、目標達成には大きな乖離がございます。引き続き、この目標を維持すべきか否かということ。例えば、学校種とか学年別に整備の優先順位を考えるという方策もあるが、どのように考えればよいのかということ。
 また、機能についてでございます。真ん中より下でございますが、電子黒板というのは、「2020年代に向けた教育の情報化に関する懇談会」以降、大型提示装置と称してございます。別紙1を御参照いただければと思いますが、学校現場での活用実態も踏まえつつ、全国の学校で、どこまでの機能を標準として求めることが適当かというようなこと。
 下の表でございます。大型提示装置というのは、教員が分かりやすく提示する、また、子供たちがまとめや意見を発表する、こういうのに使うわけでございますが、そうした使い方を参考にしたときに、右側の太い枠囲みのところでございますが、視認性として、どの程度の画面サイズが必要なのか。そして、「表示」機能を求めるのみでよいのか、それとも、画面上の表示・書き込み・保存などのインタラクティブな機能まで不可欠と考えるべきなのか。また、設置環境も含めた配慮事項としてどのようなものが考えられるかという論点を提示させていただいてございます。
 3ページ目、実物投影機(書画カメラ)でございます。普通教室、これも1台ということで、それぞれ整備目標を立ててございますが、現状のところ、42.8%というような達成状況でございます。ここの「実物投影機」は、まさに実物を投影する機械でございますが、カメラ付きのタブレットPC等の普及も進んでいる中で、この目標を維持すべきか否か、また、学校種共通の目標でよいのかどうかというところは論点になってくるのかなとございます。学校種というところで、下で御参考までですが、小学校は55%といって整備率が高い一方で、高等学校だと17.4%ということで、徐々にその整備率が下がっているという実態がございます。
 機能でございますが、それもどこまで求めるのかというところ、この書画カメラはいろいろな機能はあるものの、余り大きな差があるというものではございません。標準的な機能として配慮すべき事項はあるのかどうかという1点の論点にさせていただいてございます。
 4ページを御覧いただければと思います。教育用コンピュータでございます。この有識者会議に先立った「2020年代に向けた教育の情報化に関する懇談会」では、必要なときに、児童生徒1人1台分の教育用コンピュータ環境で授業が行えるようにするということを、目標として設定したところでございます。これは、使い回しも含めて1人1台を想定してございますが、この考え方は、学校種・学年別で、それぞれ同じでよいのかと。また、次の学習指導要領を見据えたときに、とりわけ小学校のパソコンは可動式を想定しているということが懇談会でも言われているところを、参考までに書かせていただいてございます。小・中・高、それぞれの整備台数を書いてございます。これはパソコン室のパソコンも含んだ数になってございますので、あらかじめ御留意いただければと思います。
 一方で、機能論でございます。機能論として、それぞれ想定するものとして、どの程度の画面サイズが必要なのか、そして、どの程度の学習をすることを想定するのかというようなこと、これは安定動作や処理速度に関連するところでございます。動画を見るとか、編集するとか、シミュレーションをするとか、基本OS程度しか使わないとか、いろいろとそういった観点がございます。また、入力機能としての「タッチ機能」を求めるのか否か。また、キーボードを必須とするのか、「機能」があればよいとするのか、そこら辺も議論となるかと思ってございます。
 5ページを御覧いただければと思います。次期学習指導要領では、コンピュータで文字を入力するなどは、学習の基盤として必要だというようなことが言われているところでございます。
 5ページの、「カメラ機能」は観察・まとめ・表現等で活用されることが予定されるが、一方で、学校にはデジタルカメラという備品も購入されているところでございます。例えば、この「カメラ機能」は必要かどうかというような観点もございます。
 その他教育活動の特性に鑑み配慮すべき事項はあるのかということで、例えば、駆動時間、堅牢性、防水・防塵対策をどこまで求めるのか。また、これは機能ではございませんが、PCの置き方・保管上の工夫として、配慮すべき事項というものもあるかと思っているところでございます。
 6ページを御覧いただければと思います。これはネットワークでございます。ネットワークについては、とりわけ無線LANの整備率は、現在26.1%、これは普通教室に対する整備率でございます。決して高いとは言えませんが、引き続き、学校種・学年にかかわらず、無線LAN整備率は100%を目指すということでよいかというようなことでございます。無線LAN整備率については、表の真ん中の右下のところに書いてございます。小学校で28%、高等学校で16.7%ということでございます。パソコン台数だけで見れば、高等学校の方が多い傾向がございますけれども、一方で、無線LANとすれば、小学校の方が整備率が高いというような現状があるところでございます。
 また、機能についてでございます。どの程度のネットワークを活用した学習環境を実現することを想定するかという、これは帯域と関係してきますけれども、動画の一斉視聴や全員でのインターネット検索、また、グループ1台程度でのインターネット検索なのか、こういうところは、学習活動と連携するところでございます。
 また、現在の地財措置では、学習系サーバ(ファイルサーバ)ということが想定されてございません。この学習系サーバ、これは置き方もいろいろあるかと思います。学校に置くのか、センターに置くのか、データセンターに置くのか、いろいろあると思いますけれども、そこら辺のサーバというのを求めるのかどうかというようなところは、1つ論点になるかと思っているところでございます。
 7ページ目を御覧いただければと思います。その他配慮すべき事項として、ここは具体的な機能というよりは、通信が遮断することなく安定的に稼働することを担保するための方策というようなことも必要かもしれません。これは地財には直接関係しないものですけれども、整備としては重要な観点でございます。
 また、LTE回線の活用というようなところもございます。実は、先ほどの三菱総研さんの調査でも出ていましたが、無線LANというのは、整備されているところと整備されていないところが二極分化しているという現状がございます。各自治体によって整備費用というのは、それぞれ事業者との価格交渉等々ございますけれども、例えば、無線LANの整備をしていないところでございましたら、LTE等による個別の通信回線の契約によった方がコスト的には安いというような話もあるところでございます。一応そういう意味で、論点として書かせていただいているところでございます。
 8ページ、ソフトウェアでございます。ここは、「ICT環境整備」(地財措置)の枠内で、全国の学校で備えることを保障すべきソフトウェアとしては、どのような考え方で整理すべきかという、考え方の御議論でございます。先ほど東原委員が御指摘いただいたように、教科横断的な資質・能力の育成に資するソフトウェア、そして、コンテンツ、教科内容にひも付くソフトウェア、この大きく2つの観点があるかと思いますけれども、どこまで地財として面倒を見るべきなのかどうかというところの御意見をお伺いしたいと思ってございます。
 また、下の米印のゴシック体で書かせていただいてございます。実は、セキュリティ対策ソフトとか、セキュリティの観点からも、ここは影響があるところでございます。パソコンのスペックも同じでございますが、ここは別途セキュリティの会議を設けてございます。そこで検討させていただいているところでございます。
 9ページを御覧いただければと思います。その他付随的に不可欠となる機器や配慮事項ということで、国が支援すべきもの又は配慮すべき事項は何なのかというようなところで、2つ点を付けさせていただいてございます。
 ネットワーク敷設費でございます。例えば、アクセスポイントを敷設する際にも、設置工事というものが必要になってございます。こういう費用についてはどのように考えたらよいのか。
 また、ICTを活用したときにふさわしい教室の照明、電力、コンセント、机の大きさ等の設計の考え方というのもございます。多く御指摘を頂いているのは、例えば、学校の教室というと、縦で電気が消えるということになってございますが、プロジェクター等の使いやすさ等の観点からすれば、前から消えるというようなことも考えるところはございます。ここら辺は、施設の在り方と子供の健康、そういうところから併せて検討をしていく必要があるのかと思います。
 また、充電保管庫、こういうものもこれまでは想定されてございませんけれども、タブレット等々の整備とともに、必要かどうかというようなところ、ここを国が面倒を見るべきかどうかという御議論もあるかと思っているところでございます。
 9ページの一番最後、米印、繰り返すところもございますが、セキュリティ対策関係の機器等でございます。ここについては、別途有識者会議を持って検討させていただいているところでございます。
 あと、校務支援システム、先生が活用するところについては、この際、恐縮でございますが、割愛させていただきたいと思ってございますし、ICT支援員についても、これまでも御意見を頂いているところでございますが、「2020年代に向けた教育の情報化に関する懇談会」の方では、本来教員が担うべき業務とICT支援員に求められる業務、さらには、いわゆるICT機器等を納入する業者に委ねた方が効率的な業務等の整理、これをするということになってございますので、まずこの調査をしてまいりたいと思ってございますので、検討対象から外すということにしているところでございます。
 以上になります。

(7)自由討議

【堀田座長】
 ありがとうございました。
 話を整理しますと、先ほど益川委員が御説明いただいた検討チームの報告は、要は、次期学習指導要領で想定される学習活動で、どんな機器が使われそうか、使われる見込みかという、学習活動から考えた例ですね。
 調査研究で、三菱総研さんから出た話は、既に先進的な取組をやっているところの整備はどうなっているか、あるいは、我が国の現状はどうなっているかということをお伝えいただいたということでございます。
 ここで、この後、皆さんに、とりわけ資料4の論点メモの観点から御意見を頂戴したいわけですけれども、さきほど高橋委員がおっしゃったこととも関係しますけれども、この会議では、理想的なものはこういうものだというのをはっきりさせるのではなく、全国に地財措置として国が保障するもの、これは財源が十分に余裕があれば、それは全部保障したいところですが、それは難しいわけですから、次の学習指導要領をにらみつつ、現状をにらみつつ、このぐらいかというところを決めなければいけない。そういう意味では、優先順位を議論する必要があるということになります。その観点から御意見を頂ければと思います。皆様には、たくさんの活用あるいは調達の御経験があろうかと思いますので、是非、そういう御意見を頂ければと思います。是非全員に御発言いただきたいところだと思っております。
 それでは、いかがいたしましょうか。では、柴田委員。

【柴田委員】
 今、益川委員の調査研究の報告では、小・中学校の事例が多かったと思いますので、私は、高校籍ですので、高校目線で、小・中学校との違いをお話しさせていただきたいと思います。
 以前のこの会議でもお話しさせていただいたのですけれども、高校では、ほとんどの生徒がスマートフォンを持っている現状がありますが、ほとんどの学校では生徒のスマートフォンを授業では使わせない指導をしています。しかし、この現状で発想を変えて、例えば、インターネットを情報源とした学習活動を生徒のスマートフォンでできるようにするというのが、高校では近道ではないかと考えています。そのためには、無線LANをしっかり整備し、個人のスマートフォンであっても無線LANに参加できるような整備というのが、高校では大変待ち望んでいるのではないかと思っております。
 それから、グループに1台のパソコンという考え方も、パソコンを持っていくというイメージよりも、第二PC教室があって、そこにはもうグループワークができるような環境があって、そこにグループで1台のコンピュータがあると、アクティブ・ラーニング的な学習がすぐでき、そういう教室があると、いろいろな教科ですぐにICTを使った授業が実現できるのかなと思います。やはりコンピュータを教室に持ち込むという準備に、教員はすごく負担感を感じています。
 それから、大型提示装置も、テレビ型の大きなものが出てきていますけれども、高校生が40人入った教室にそういうものがあるのは、スペース的に犠牲が伴います。やはり高校はプロジェクター形式で、黒板と提示する場所が同一平面にあるという使い方が、教員にとってはありがたく、うまく使っています。例えば、黒板に提示したものにチョークで直接書き込むとか、そういったICT活用が、黒板とコンテンツを境目なく活用できているのかと思います。
 あと、サーバの件も、サーバを独自に学校内に置くのではなく、クラウドサービスを使って、学校で学習した続きを自宅でもやれるという、シームレスな活用ができる環境が望まれているのかと思います。
 いずれにしても、ICT環境整備の目標を、例えば、児童生徒3.6人にPC1台とかという数字的な目標よりも、もっと質的な目標を立てると、限られた地財措置をICT環境整備にまわす折衝がうまくいくのかと思います。例えば、ICTを活用して、こういう学習活動を行うための整備をするのだと。例えば、インターネットを使った情報収集をどんな授業でも行える整備をするというような目標、そういったものを立てた方が、地財措置をICTに回してもらえるのではないかと考えています。3.6人に1台という目標は、折衝のときに、何でこの数字が出てきたのだというので苦しんだ経験があります。
 以上です。

【堀田座長】
 ありがとうございました。
 柴田先生、高校は教科情報があって、しかも、今度の学習指導要領は、まだ高等学校の案も出ていませんけれども、1科目で必履修になっていくという、そのときに、コンピュータ室が必要か否かという話と、あと、探究系の科目が各教科等に増えていくといったときに、さきほどのスマホと無線LANという感じでいいのかどうかとか、その辺の感触を、先生の御意見をお願いします。

【柴田委員】
 やはりコンピュータでなければできない部分と、個人のスマートフォンでもできる部分というのがあるのかと思います。例えば、生徒がアンケートをつくって、それを収集してグラフにまとめるなんていう学習活動も考えられると思いますが、そうしたとき、グラフを作るというのはコンピュータでなければできないと思います。そういうときに、いつでもコンピュータ教室に連れていけると、いう選択肢があり、授業者がそういう環境を選択できるというところが望ましいなと思います。1人1台のコンピュータ教室、グループに1台の第二コンピュータ教室、そして、生徒のスマートフォンを普通教室で使える、そのようなバリエーションがあると、いろいろな学習活動が実現できるのではないかと思います。
 ただ、高校の教科情報が、やはりコンピュータをいつでも1人1台使えるというのが並行して行われているので、その辺のバランスが難しいと思っています。
 以上です。

【堀田座長】
 高等学校については、この検討会議での意見が少ないというのがありますので、もしほかにも高等学校のことについて言及されることがあれば、大変助かります。
 今、平均すると、140何台ですか、各学校入っていますよね。これは、つまり、コンピュータ室はそもそも1つではないということですよね。学校規模にもよると思いますけど。それをそのまま維持すべきかどうか、一部を今のような感じで、スマートフォンといえども、BYODですけれども、そういう形で置き換えることが現実的にもどのぐらい可能かということを模索する必要があるということだと思います。ありがとうございました。
 ほかに、いかがでしょうか。毛利委員、お願いします。

【毛利委員】
 つくば市の毛利です。
 まず大型提示装置ですが、現在、教科書を利用する際に、指導者用デジタル教科書を購入して、それを学習に使うというスタイルが随分定着しているような気がします。次の教科書の改訂のときには、また学習者用デジタル教科書の件もありますので、この大型提示装置に関しては、電子黒板を普通教室に各1台整備するという目標を、是非、そのまま進めていただけるといい気がします。
 画面サイズに関しましては、電子黒板が出始めた頃、50インチということがあったと思いますが、それはそのときのメーカーの作っているサイズとコストに合わせて50インチになったと思うのですけれども、その当時はきっとよかったと思います。今は60インチの電子黒板も入っているのですが、最初はすごく、これならいいという感じでしたが、指導者用のデジタル教科書を後ろから見ると、だんだん慣れてくると、物足りなくなってくるというのがありますので、これが出るタイミングがいつかによって、サイズはそのときのコストパフォーマンス等も考慮に入れて、第3次教育振興基本計画が出るタイミングにもよるという気がしています。
 それから、無線LANにつきましては、これも優先順位は高い方がいいのではないかと思います。つくば市では、タブレットは40台しかありませんが、無線LANについては、もう3~4年前に、既に普通教室全部整備が終わっています。そうすることによって、各教室でグループに1台の8台とか、あるいは、先生1台だけ使う場合も、ネットワークを使うことによって、ネットワーク上にあるデジタル教科書も使えますし、各種コンテンツも使えます。しかも、次期学習指導要領で求められている対話的で深い学びのために、例えば、グループで話したことが、前の電子黒板にみんなの意見が投影されるというのも、簡単に実現ができるわけです。先ほど、高校ではそういうアクティブ・ラーニング室に行って学習というのもありますけれども、特に小学校においては、教科担任制というより、教室で学習するというスタイルが主にありますので、この無線LANについては、是非、優先順位を上げていただきたいと思います。
 それに伴って、今、校務用システムやソフトウェアについては余り議論がないようですが、各グループが話し合った結果を表に出すような場合は、学習支援ソフトが重要なことになっていると思いますので、そういうアクティブ・ラーニングやいろいろなグループ活動をする上では、そういうソフトウェアは重要なのではないかと思います。
 以上です。

【堀田座長】
 水谷委員、お願いします。

【水谷委員】
 先回、発表の機会を頂きまして、本校・本市の具体的な例はお話しさせていただきましたので、繰り返しになる部分もあると思いますが、お願いします。
 今日、益川委員から話があったようなところに向かっていくために、まだまだ整備不足のところが順にステップを上がるために最低限まず必要なものは何かというと、今も毛利委員からありましたが、大型提示装置は必ず、特に義務の場合は必要であろうと思います。
 なお、インタラクティブ機能はどうかというと、あれば確かにいいですが、限られた予算ですので、まず大きく映すということを大前提に考えるといいのではないでしょうか。
 そして、画面サイズもいろいろ考えられますが、この先どうなるかよく分からないので、そうなると、いろいろサイズを変えることができるプロジェクターというのは、非常にこの先もありがたいと考えます。一度投資したものがきちんと有効に使われるということが、非常に行政からも言われていますので、そういうことを考えると、そのときの最高のものを入れたつもりでも、その先には不十分ということが起こりうるので、少し柔軟に対応できるものの方がいいのではないかということを思います。
 そして、映すものとして、いろいろなコンテンツを用意する前に、やはり実物投影機というのは絶対大事だと思います。先ほど、学びのイノベーションの分析では、実物投影機の活用が少なかったかと思いますが、端末台数が少ない場合については、実物投影機でいろいろなものを映すということが一番よくありますので、これも当然必要なものだと思います。
 そして、これも前回委員の方から出たと思いますが、この2つだけでは先に進まないので、やはり児童用端末をクラス単位で最低限でも1クラス分40台入れて、それを分割してグループで使ったり、そして、1人1台で使ったりできるようにします。もちろん、その先には、40台の単位を幾つか入れるところまで必要ですが。もう一つ、最近本校で児童用端末を使い出して、授業でやはり教員用が必要だと。そこまでが最低のセットかなというようなことを感じています。
 そして、今、毛利委員からもありましたが、いつでもどこでもストレスなく使うためには、無線LANが全部教室にないと、児童用端末を10台持っていて、さらにアクセスポイントを持っていってということでは授業が容易にできませんので、どこでも使える無線LANの環境整備というところまでが最低必要なところと思います。
 ただ、いろいろ使い出すと、電源容量のこととか、カーテンとか、台とか、いろいろなことが出てきますが、そこはやはりそれぞれの自治体が注意する部分で、こういうことは考慮する必要があるという情報は要ると思いますが、自治体がそれぞれやるところかなということを思っております。
 あと、児童用端末のところで、先ほどカメラ機能の話がありましたが、確かに、デジタルカメラは安くて、たくさんの台数が本校にもありますが、児童用端末が入ってくると、特に低学年は、それで撮影することがほとんどになります。デジタルカメラで撮ったものを一々移して、どこかに入れてということでは、なかなかスムーズに授業はできないので、端末のカメラ機能が大事ということを思います。
 当然、キーボードについては、前回お話ししたとおりですので、ここでは繰り返しを避けていきたいと思います。
 まず、このようなところを最低保障として、その上に、台数を増やすとか、ソフトを増やすとか考えていくのが、今後いろいろ展開ができるのではないかとを思います。
 以上です。

【堀田座長】
 確認ですが、デジタルカメラの方がむしろ使われなくなって、タブレットにカメラ機能が付いていれば、そっちを使うようになるということですね。

【水谷委員】
 そうですね。特に低学年は、そちらになってきました。

【堀田座長】
 キーボードは、前回欠席の人もいるので、先生の御意見を再度明確にお願いします。

【水谷委員】
 はい。キーボードは、是非あった方がいいです。

【堀田座長】
 ありがとうございました。
 では、太田委員、東原委員の順番で行きます。お願いします。

【太田委員】
 神田一橋中学校の太田です。
 私の学校が改修するときに、ICT機器を1人1台の体制に整えたのですけれども、全国のいろいろな方から視察に来ていただきました。そのとき、私は、まず整備するときに一番大事なのはインフラとずっと言い続けております。コンピュータはただの箱ですから、コンピュータだけあっても、インフラが整っていないと使えるような環境にはなりませんということをずっと言い続けてきました。
 学校で教育委員会の方に、ICT機器を使った活用をしたいから入れてくださいと言ったら、入れてくれたりするのです。でも、インフラがしっかりしていないところで入ってくるものですから、使える環境にならないのです。せっかく学校が入れてくれと言うから入れてあげたのに使わないではないかと教育委員会から文句を言われます。でも学校は、何でこんな使わないものを入れてくるのだと、お互いに文句を言い合うような状況になってしまうのです。
 それを解消させるためには、やはり一番最初に整備されるべきものは、インフラだろうと思います。それはアクセスポイント等も含めてです。どこでも使えるような状況にしよう、活用率を上げようと思ったら、LAN環境をきちんと整えること。それから、それなりの学校の大きさに合わせてアクセスポイントがきちんとあること、そういうことが一番大事なのではないかと思います。
 それから、柴田委員の方で、高等学校の生徒がテレビを云々という話がありましたが、それは多分中学校も同じだと思います。教室のサイズにもよるでしょうけれども、大きなテレビがあると、子供たちにとっては非常に邪魔な状況になるので、黒板の面と同じにあるというような状況が一番いいのではないかと思います。
 それから、電子黒板ですけれども、電子黒板がインタラクティブなホワイトボードであることに越したことはないですが、水谷委員の発言と同じように、なければないで、教員用のタブレットの中で書き込めるということはできるわけですから、そこまでの機能を求めなくても使うようにはなっていくのではないかと思います。
 それから、小学校と少し違うと思ったのは、小学校は、書画カメラってものたくさん活用されていると思います。私も小学校の授業を見せていただくと、担任の先生の隣に大きなものが置いてあって、それで、すぐ使えるようになっている。ものすごく有効な活用方法だろうと思います。そう思って、うちでも一番最初に書画カメラを入れたのですけれども、1人1台の体制になったら、活用率が下がってきました。要は、タブレットのカメラ機能があるので、子供のノートを見せたいと言っても、それを持っていって撮ったらそのまま映るというような状況になった途端に、書画カメラの活用率というのは、本校では下がる傾向にあります。ですから、小学校と中学校で、その辺は少し違うかというふうには感じながら、あの話を聞かせていただいていました。
 以上です。

【堀田座長】
 ありがとうございました。
 東原委員、お願いします。

【東原委員】
 教育用コンピュータに限ってお時間を頂きます。
 学校とか学年別で想定する機能は同じでよいかどうかということに関しては、別でいいのではないかと思います。
 例えば、カメラ機能は、小学校では必須とした方がいいのではないか。しかし、高等学校では、自分のスマホで撮って送ればいいかもしれないので、必ずしも必要ではないとふうにした方がいいのではないか。
 先ほど三菱総研さんから報告いただいた海外の動向のグラフでは、Chromebookが伸びていっているのに対して、日本は違う状況になっているわけです。日本のChromebookはインカメラはあってもアウトカメラがないですね。ですから、Chromebookを検討している学校とか、安いからと入れた学校が何校かあるのだけれども、カメラを使えなくて困っているという話もよく耳にします。そういうわけで、カメラ機能のところに、アウトカメラという用語が入っていた方がいいと思います。もう一度整理すると、学校別に機能は違っていいのではないか、アウトカメラは小学校では必須だというふうに、メッセージを出した方がいいのではないかと思われます。
 もう一つ、コンピュータに関して、悩ましいのはタッチ機能です。カメラと同じで、高等学校は、もしかしたら、タッチ機能はなくてもいいのかもしれない。小学校はあった方がいいのではないかと。皆さんで議論していただいて、カメラ機能とタッチパネルの機能は、大事な検討材料になるのではないかと思っています。
 以上です。

【堀田座長】
 ありがとうございます。
 まだ意見を頂いている途中なので結論付けませんが、是非、御意見をたくさんお願いします。
 では、赤堀委員代理の森本さん、そして、高橋委員の順番で行きます。

【森本氏】
 初めに柴田委員がおっしゃったように、一律こういう基準でと言うと、何のためになのかがよく分からないので、第3期教育振興基本計画の目標としては、こういう活動をやるためには、こういう基準が必要だというような表示の仕方ができないのかと思います。
 大型提示装置については、タッチ機能が要るのか要らないのかという議論がありますが、タッチ機能は、あった方が望ましいと思います。とりあえずは提示機能だけでいいけれども、「タッチ機能があった方が望ましい」というような記述の仕方ができないでしょうか。
 書画カメラについては、書画カメラがいいのか、カメラ付きタブレットがいいのかという、2つの機器のどちらがいいのかという話よりも、どういう機能を持っているものという定義にした方がいいのではないかと思います。ここでいう機能というのは、当然、操作性も含めての機能です。
 6ページのネットワークのところで、動画の一斉視聴という例が書いてあるのですが、動画の一斉視聴をそれぞれのタブレットでやる必要があるのでしょうか。大型提示装置をみんなで見ればいいのではないかと思います。このような使い方についても、何かガイドラインのようなものを出していった方がいいと思います。
 以上です。

【堀田座長】
 ありがとうございます。
 最後の話は、使い方をうまくガイドラインとして見せることで、機器はもしかしたら少し低廉なものでいいかもしれないということだと思います。
 あと、冒頭におっしゃった、こういうシーンでこういう活用をするので、こういう機材が必要ということを検討するのは、ここのミッションです。だから、学習活動の分類を先にしていただいていますので、そういうふうに最終的には提示していく予定です。ありがとうございました。
 高橋委員、お願いします。

【高橋委員】
 よろしくお願いします。
 全体を通してなんですけれども、まず、整備の数字は書く必要はあると思うのですが、置き方とか、そういうことに関しても、何らか示しておいた方がいいかと思います。規定の台数をそろえても、結局、置き方が悪いがゆえに余り使われていないというのは、実物投影機や電子黒板やタブレットPCも大体そうですので、それについて何らか例示ができればと思っています。
 あと、優先的に整備すべきということなので、余りにも貧弱では困るけれども、高級では困るぐらいのレベルの環境が重要かと思います。数字で書けるものは、多分、何とか以上とかで、例えば、10インチ以上とか、12インチ以上とかで書いていくのだと思いますが、こういう機能を持っていると望ましいという書き方をするかしないかというのは、それはまた少し書き方が難しいかと。「以上」は結構みんな合意はしやすいと思うのですけれども、どうやって書いていくのかと思ったところです。
 それが全体ですが、個別でいきますと、教育用コンピュータは、「2020年代に向けた教育の情報化に関する懇談会」で、必要なときに授業が行えるようと書いてある、この必要なときにというのを何台にするのかというのが、すごい関心なのですね。必要なときにというふうに考えていくと、学校にワンセット40台あって、中学校でも、小学校でも、高校でも、必要なときに使おうと思ったら使えるのかと言ったら、先ほどの高校の話とかを考えても、無理ですよね。だから、例えば、当初話にあった3学級にワンセットとか、1学年にワンセットとか、ワンフロアにワンセット分ぐらいのセットを用意していくということなのかと思います。このあたりを、是非、皆さんの御意見も伺いたいと思っているところです。
 この教育用コンピュータに関しては、私がたまたま行った外国の例ですけれども、幾つかの国を見ても、結局、台数をそろえることに一番注力しているように感じています。全く予算のない国は、基本的にはBYODで、特に高校以上とか中学以上だと、スマホを使うというのが基本のラインですし、お金のあるところだとしても、買うのがやはり精いっぱいで、それがChromebookみたいな結果になっていると思います。
 そういったときに、ソフトウェアとして何が整えられているのかと考えると、いわゆるワープロ、表計算、プレゼン、インターネットの閲覧ソフトみたいな、ごく基本的なソフトウェアが中心で、いわゆる授業支援ソフトというカテゴリーは、いろいろな国を見ても、余り存在していないという気がします。
 Chromebookに関しては、若干画面を転送したりする機能が標準で付いているようで、あれば使っている国を見ることはあるのですけれども、余りない気がしております。
 最近は、先ほどの新しい学習指導要領に対応した、そういうような授業を拝見させていただきますと、授業支援ソフトを使っていない例がすごく多いです。その代わりに、あるディスカッションの仕方に特化したとか、ある整理分析に特化したとか、そういうようなソフトウェアが使われる傾向も感じていて、この後、こういうふうにだんだん発展していったときに、汎用的な授業支援ソフトというふうに考えるのか、情報を整理分析するための機能なのか、情報を収集するためのソフトなのかみたいな、特化した機能が必要になるのか、今後随分求められる機能が変わるような気がしますので、細かく書くのは少し難しいのではないのかというような、必要か必要ではないかと言えば、あった方がいいとは思いますけれども、細かく機能を決めるというのは、なかなか難しいのではないのか。授業をするための何らかのソフトという意味では賛成ですけれども、個別の機能をハッキリと記入するのは難しいのではないかという感触を持っております。
 以上です。

【堀田座長】
 ありがとうございました。
 生田委員、小﨑委員、益川委員、お願いします。

【生田委員】
 それでは、よろしくお願いします。
 個別のものというのはなかなか難しくて、メディアそれ自身も、もう我々が知っているとおりに、日進月歩で変わってまいります。そういう意味では、これをというのは難しいことは、皆さん御承知のとおりと思います。
 私は、次期の学習指導要領で、主体的で対話的で深い学び、この深い学びというのは大変難しいのですけれども、益川先生がお話しくださったような形、ここのものを保障する形がやはり大事になるのかと思います。そうしますと、クリエイティビティというのは昔から言われているのですが、これは対話の中から生まれてくるというふうに言われてきておりまして、今、私たちが向かおうとする時代の学校教育も、多分、そこがポイントで、対話型のものこそが次期指導要領で求めるもの、そのデザインをどうするのかというところが多分ポイントになると思います。私は、子供同士、あるいは、子供のグループ、そして、教師を交えて、あるいは、ほかとの対話というふうなものがきちんと保障できるような授業のスタイルが保障できるのは、これからどうなってくるか分かりません。まずはタブレット型と言われるものが、機能的にどうなるか分かりませんが、今まで見てきた中では、かなりそれが有力で、それをプレゼンテーションでうまくつないでいくというふうなところが、まずはジェネラルなところでしてほしいのと思います。
 あと、個別のものについては、いろいろあるかと思いますが、そういうふうに私は思っております。
 以上です。

【堀田座長】
 ありがとうございました。
 小崎委員。

【小﨑委員】
 失礼します。
 私は高校の情報科の教員ですので、もう20年間授業に関わってきていますが、今、高校は少子化の影響もありまして、コンピュータ室プラス1教室という整備の発想が生まれてきています。奈良県の場合は、空き教室が出てきていますので、今までのコンピュータ室をアクティブ・ラーニングルームという形で整備して、机も端末も可動式にして、もう一つの部屋にデスクトップパソコンを並べて、その教室に入ればすぐ使える、そういう環境を整えていくということで、今年度、3分の1の高校を環境整備しました。今後も、今のようなスタイルで、メーンはアクティブ・ラーニングルーム、2つ目がコンピュータ室という整備をすすめていきたいと考えています。
 実践事例とか、今までの整備計画とか、実践事例とかを見ていましても、やはり小学校、中学校の例が多くて、高校の情報科の教員が集まる機会の中では、高校は座学と思われているのかな、実践事例がないですよね、というような話が出ます。イラストも、高校生のイラストは少なくて、子供のものが多いので、そういうところはちょっと気になるね、という話は以前から周りの教員としていたところです。ですので、今、私が個人的に思うのは、やはり小学校、中学校、高校と、校種によって整備の基準、整備するイメージは変わってくるのかと思います。
 校務支援ソフトも、小学校の必要性は、授業をたくさん見せてもらってよく分かりましたが、高校になると、授業支援ソフトを使うことによって、提出とか何とかということで、サーバを使わせたいのにサーバの概念が授業支援ソフトのために失われていっているよ、と言う先生方が一定数いらっしゃいます。先ほど東原委員がおっしゃった、タッチパネルが要る要らないという議論は、高校生はもうスマートフォンが主体なので、コンピュータ室へ入った途端、パネルを触ったりします。タッチで動かないことに既にストレスを感じていて、「これ、何?」みたいな反応をすることがある。そういう現状を考えると、タッチパネルがどうこうという機能よりも、もう生活のレベルで考えたとき、高校生は、タッチパネルの中で生活をはじめている。
 先週、奈良県内の全市町村の整備担当者会議というのをもちまして、整備担当者が集まって会議を開催しました。フリーで意見をいただいたら、「予算は積算を基に作りました。でも、実際は何を買ったらいいですか」という質問がストレートに出ます。「皆さんは積算しているので、それをそのままお買いになったらいいのではないですか」という答えをすればいいだけのことですが、質問する方はそれを求めていないのですよね。県教委さんとしてどう思いますかとか、どこかのほかの市町村さんの整備はどうですか、積算は置いといて、まず実際には何から買ったらいいですかということが質問の趣旨です。「昨年タブレットを買ったのですけれども、キーボードなしで後悔しています。キーボードが要るプログラミングの教育が推進されることになって、実は困っています。」という悩みがどっと出ました。そういうことを考えると、この整備計画には3つのポイントがあると思っています。
 まずは、太田委員がおっしゃったような、モノはあっても、それを使える環境というインフラの整備をしっかり考えていかないとだめであるという点が1つ。2つ目が、少し大きな括りとして、例えば、「映す」というときに、大型提示装置かプロジェクター、こういう並びにして、どちらかを選択できるようにする、予算とか環境とかに合わせて、おたくの市町村さんならこうですよねという、そういう選択ができる見せ方。例えば、書画カメラとタブレットもカメラ機能という点で、同列になってくるのかと思います。
 3つ目は、導入コストとか、ランニングコスト、運用面という話ではよく出てくるのですが、その後の管理面、保守とかサポート、壊れたときどうとか、それこそ運用面での負担ということがちゃんとできるように、「保守・サポートもしっかり付けて」というような、漏れ落ちてはいけないような注意点を上げておくこと。こういうところを気を付けてやったらいい、というところが示せると、整備基準としては非常に助かるのかと、そういうことを感じています。
 以上です。

【堀田座長】
 ありがとうございます。
 益川委員、山本委員、お願いします。では、益川委員。

【益川委員】
 これをきちんとパーセントを上げていくためにというところで考えたときに、1つの考え方ですが、今、ICT環境整備ということで、いろいろなICT環境の教材からインフラまでが一つになっているのですね。なので、それよりは、例えば、教材教具の方にタブレットを寄せてしまって、無線LANの方は、むしろ校舎のインフラ、先ほど照明だとか机とかいろいろ出てきていたのですが、そちらの方に寄せた話として整理する方法もあるのではないかと思いました。
 例えば、校舎の改修や改築に併せて、照明の位置とか、これからの21世紀の教室環境として無線LANも標準装備にしてという、こういう形で整備することみたいな形で、こちらはこちらの方で決めていく。例えば、それで、その授業で各教科で教科内容や資質・能力を育むための教材やいろいろなアナログの道具もセットの中に、きちんとタブレットの台数みたいなところも目標値を決めて入れていくというような、そういう整理をしないと、ICTの整備となってしまうと、インフラって莫大なお金がかかるので、そこでそもそも自治体の中でストップがかかってしまって、その先の整備はなかなか進まないという、ゼロからスタートできないという状況なので、確実に進めていくために、分けて議論できるような枠組みを作る方法もあるかと思います。
 そういうふうに考えていきますと、例えば、大型提示装置を可動式としない前提で1教室1台整備する必要があるのならば、1教室の標準整備として、大型提示装置も無線LANと同じように、施設として入れておくというイメージです。その上で、その段階まで予算的に難しい場合は、可動式も可能にするみたいな形にするであるとかという基本方針とオプション選択という形で。あとは、無線LANが教室にまだ環境整備できていない場合であると、こちらの教材側のタブレット端末の方にLTEの端末と機能を用いて代理をすることも可能であるとか、そういうような切り分けで、ものとして常に置いてあるものと、いろいろな教具も可動式なものが多かったりするので、そういう方にタブレットの整備の扱いにして、自治体さんが予算を編成していくときも、切り分けながら、両方を同時並行で整備が進んでいくような枠組みとして整理できるといいのかと思いました。
 以上です。

【堀田座長】
 ありがとうございました。
 これ、事務局にも意見があると思うのですが、今は学校の設備・備品みたいな話と、インフラというか、校舎建築の話が、それぞれはあるのですよね。ICTは、どっちでもない存在として今あるので、なかなか整備されていないという。そこで、少し指針を作って、ここからこっちはそちらですねとか、ここからこっちはこちらですねというふうに、場合によってはうまくやりたいという意味で、益川委員のおっしゃっていることを私たちも考えているところだと思うのですが。
 特に何か補足ありますか。同時に動いている幾つかの会議がありますね。

【松本課長補佐】
 学校の施設整備の中で、例えば、耐震改修とか、環境改善というのですか、より快適に過ごせるという環境改善の中で、実は、改善と併せて、有線のネットワークを引くということはもともと想定はされているんですけれども、それはまさに施設を改修するのに併せてやるということになってございます。
 教材整備指針は、教材整備指針で別途長い歴史がございます。その中では、各教科横断的に使うものと、各教科にひも付くものというのを積み上げて、いろいろと検討はされているのですけれども。やはり最近になってICTというところの概念が出てきたときに、それを教材整備指針で見るのか、施設で見るのかと、いろいろそういう議論は中では当然ありますが、、まずはICT環境を進めようということで、今の枠組みとしては、ICTという括りで、情報教育課においてまとめて地方財政措置というのをしているというところでございますので、いずれにせよ、教材整備指針と施設整備というのは、我々も連携しながらやっていかないといけないと思っているところでございます。

【堀田座長】
 同じように、地財措置でされているもので、学校図書館図書標準があって、何学級以上は何冊みたいなのがあるので、例えば、そういうのも1つの目安になるのではないかというのが議論されているところです。ありがとうございました。
 山本委員、お願いします。

【山本委員】
 教育用コンピュータとネットワークについて話をさせていただきたいと思います。
 学校種・学年別というのは、今も出てきたと思うのですけれども、おそらく、整備を進めていく中で、小規模の学校は、教育用コンピュータ1人1台というのが非常に実現しやすい。ですが、やはり中規模・大規模の学校が非常に実現しにくいというのが今の現状で、私の鹿児島県でも、離島は整備率がほとんど高い数値です。ですが、やはり中規模以上のところが、先ほどあったように、学年に何台要るのかとか、規模によって少し具体的なものがあった方が考えやすいと思います。一律1校当たり何台というまとめ方だと、どうしても大きな自治体は、うちは実現できないというような、あきらめたようなところにもなりかねないと思いました。
 それから、教育用コンピュータ、どの程度の画面サイズかというのは、すごく重要なところと思っていまして、いろいろなサイズが、今、タブレット端末を含めて出てきていますが、きちんと子供が見て確認できるようなサイズの方がいいのではないかというのは、個人的には思っています。
 それから、先ほど森本委員が言われましたけれども、一斉に見せれば済むようなものを、わざわざ端末で見せるというのも、少し考えていく必要があるのかと思います。まさに情報に対して受け身というか、先ほど出てきたような事例は、いろいろな情報を集めて、そして、それを自分なりの考えを持って表現するとか、発信するというようなことがひも付いているように思いますので、ここにも出してあるような、いわゆる入力機能が端末にはきちんとあるということを押さえておかないと、スマホの話が出ましたけれど、画面をぱっと見るだけで終わるような学習ではないのではないかと思います。
 それから、ネットワークについては、無線、有線と両方出てきているのですけれど、先ほど益川委員もおっしましたが、どうしてもセキュリティの面に関して言うと、教育委員会だけの判断では進められないというのが現実だろうと思いますので、今、機能についてがありますけれども、ネットワークの管理について、少しそういった指針があった方がいい。この会での話ではないかと思いますが、どうしてもそこは切り離せない話と思いました。
 以上です。

【堀田座長】
 ありがとうございました。
 中川副座長にコメントいただこうと思うのですけれども、毛利委員、時間の関係があるので、手短にお願いします。

【毛利委員】
 では、出ていない部分だけ。資料の5ページの教育用コンピュータの6番に記載のある堅牢性、防水・防塵対策というところで、現在、今までデスクトップやノートパソコンから引き継いで、そのままリース期間が5年というのが主になっています。けれども、タブレットになってくると、5年ではもうぼろぼろになって、普通の家庭でも5年は使っていないと思います。なので、余り堅牢性とか防水・防塵をやり過ぎると、値段が上がってしまって、3年リースとかできなくなってくる可能性がありますので、その辺の、3年もてばいいぐらいのものにするといいのかと思いました。
 あと、サイズは、11ぐらいあれば、グループとかでも使えるのかと思いました。
 以上でございます。

【堀田座長】
 ありがとうございました。
 中川副座長。

【中川副座長】
 どうもありがとうございました。
 今日聞いていて、繰り返しませんけれども、小学校と高等学校の事情が違うと思いましたので、この辺をどう整理するのかというのは1つあるかということと、それから、先ほど森本委員ですか、言われていましたけれども、あれもこれもといかないだけに、活用場面を考えたときのかぶりみたいなものを整理する必要があると思います。さきほどカメラ付きのタブレットと実物投影機の話がありましたけれども、この辺をどうするのかという話もあります。
 それから、改めて思ったのは、身近なところに使いたい機器がないと日常的に使われない状況はあるので、例えば、主に提示装置に代表されるようなステージ1、ここの部分と、それから、今日中心で議論していた、児童生徒が学習で使用するステージ3、プラスアルファ、その辺の話というのは、先進校ではない学校や地域であれば、なおさら活用に乖離が見られるので、この両方を見据える必要があるかと思います。そのときに、大枠で優先順位はどちらだということを余りにも必要以上に強調してしまうと、最初の段階で、まずはここまでみたいな話で終わってしまうことが危惧されるので、両方を視野に入れることも確認しておきたいと思いました。
 以上です。

【堀田座長】
 ありがとうございました。
 私も本当はいろいろ意見があるのですが、時間の関係で、やめておきます。
 大切なのは、今、中川副座長がおっしゃったように、まだ未整備の段階に、どこからやっていただくかということも考えつつ、だけど、その先にはこういうのがこのぐらい必要ですよというのを、ちゃんと最低基準の全体量として見せておく必要があるということで、ステージ1を整えるので精いっぱいで2020年が来ましたというのは、やはりまずいだろうと。本来は終わっていなければいけないところですから、そのあたりをどうやって見せていくかというのが非常に重要なのかな。そのときに、次の学習指導要領で期待されている資質・能力を育成する学習活動を具体的に見せたときに、どんな学習活動のパターンがあって、それがどんな機器の機能を要求するのか、そこを整理するのかと思いました。
 今日、論点メモというのが資料4というので出ていますので、今日、皆さん、これに従っていろいろ御意見を頂いたわけですけれども、今後、この論点は、先ほどの調査研究でも大分はっきりしてきていますので、この論点メモに従って、まだ出ていない意見、あるいは、言いそびれた意見は、是非、メールで数日内にお願いしたいというところでございます。年度末で、皆さんお忙しいのは分かっているのですが、年度末なので文科省も整理しなければいけないという部分もありますので、御協力をお願いしたいと思います。
 それでは、今後のスケジュール等につきまして、事務局よりお願いいたします。

【松本課長補佐】
 ありがとうございました。
 冒頭御説明させていただきましたけれども、地財措置という意味では、機器というか、額の積み上げでございますけれども、この会議では、図書館整備標準とか教材整備指針のような、一つの整備の考え方というのは、御意見を伺いながらまとめていきたいと思ってございます。
 次回の日程は、改めて皆様に照会をかけさせていただき、調整させていただきたいと思います。
 また、座長からもお話がありましたように、御意見等も頂戴したいと思います。3月17日までに、恐縮ではございますけれども、いつものように、所定の様式でメールで御提出いただければと思います。
 ありがとうございました。

【堀田座長】
 大変御協力ありがとうございました。遅い時間まで恐縮でございますが、これにて、第5回の有識者会議をお開きとさせていただきます。どうもありがとうございました。

―― 了 ――

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-- 登録:平成29年06月 --