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学校におけるICT環境整備の在り方に関する有識者会議(第4回) 議事録

1.日時

平成29年2月20日(月曜日) 10時~12時

2.場所

中央合同庁舎第7号館東館 文部科学省3階 3F1特別会議室

3.議題

  1. ヒアリング
  2. 自由討議
  3. その他

4.議事録

(1)堀田座長挨拶

【堀田座長】
 それでは、定刻でございますので、ただいまから、学校におけるICT環境整備の在り方に関する有識者会議の第4回を開催いたします。皆様には、お忙しいところ御参集いただきまして、まことにありがとうございます。
 本日は、都合によりまして、小崎委員、柴田委員、中川委員、毛利委員、山本委員が欠席となっております。また、高橋委員はウエブ会議にて御出席となっております。

(2)発表者の紹介・配布資料の確認

 前回は、ICTの必要性につきまして、学習指導要領の資質・能力の観点から御議論いただきました。今回は具体的な学習活動の観点から御議論いただきたいと考えております。
 そのために、学校現場からのプレゼンテーションといたしまして、先生方をお迎えしているところでございます。少し御紹介いたします。
 まず、杉並区立高井戸東小学校から、沼田校長先生、佐藤先生、よろしくお願いいたします。

【高井戸東小(沼田校長)】
 よろしくお願いいたします。

【高井戸東小(佐藤先生)】
 よろしくお願いいたします。

【堀田座長】
 続いて、新潟大学教育学部附属新潟小学校から、山田副校長先生、片山先生、よろしくお願いいたします。

【附属新潟小(山田副校長)】
 よろしくお願いします。

【附属新潟小(片山先生)】
 よろしくお願いします。

【堀田座長】
 続きまして、掛川市立大須賀中学校、三輪校長先生、神谷先生、よろしくお願いいたします。

【大須賀中(三輪校長)】
 よろしくお願いします。

【大須賀中(神谷先生)】
 よろしくお願いします。

【堀田座長】
 また、関西大学総合情報学部教授の黒上晴夫先生にもお越しいただいて、プレゼンテーションをお願いいたします。

【黒上氏】
 よろしくお願いします。

【堀田座長】
 ありがとうございます。
 また、この会議と同時に進めております調査研究の御説明者としまして、前回に引き続き、三菱総合研究所の安江様と富士通総研の蛯子様に御出席いただいております。よろしくお願いいたします。
 それでは、まず事務局から配付資料について御確認をお願いいたします。

【松本課長補佐】
 失礼いたします。本日もよろしくお願いいたします。
 お手元の座席表の下、クリップ止めの資料を外していただければと思います。議事次第がございます。資料1「効果的なICT活用検討チームの設置について(案)」というもの、資料2「これまでの議論の整理(案)」、資料3「杉並区立高井戸東小学校提出資料」、資料4「新潟大学教育学部附属新潟小学校提出資料」、資料5「掛川市立大須賀中学校提出資料」、資料6「水谷委員提出資料」、資料7「調査研究について」ということで、三菱総合研究所の資料でございます。
 さらに、参考資料1として、前回の会議の議事録、そして、参考資料2として、第1回の配付資料、「教育ICT教材整備指針(仮称)策定に向けて」という資料がございます。
 また、机上資料でございます。「one to oneがなぜ必要か」というタイトルの黒上先生の資料でございます。併せまして、「学校におけるICT環境整備の在り方に関する有識者会議第3回における主な意見」、そして、前回会議後に御提出いただいた資料の整理をしたものについて机上に配付させていただいてございます。
 その他、机上の資料については、お手元のタブレット内にデータとして入れさせていただいておりますので、適宜御参照いただければと思います。
 また、14日に公表された次期学習指導要領等の改訂(案)、これについてもタブレットに入ってございますので、適宜御参照いただければと思います。
 第3回議事録については、既に委員の方々には御確認をいただいているところかと思いますが、特段問題なければホームページに掲載させていただきますので、あらかじめ御承知おきいただければと思います。
 以上になります。

(3)効果的なICT活用検討チームの設置について

【堀田座長】
 ありがとうございました。それでは、議事に入ります前に、効果的なICT活用検討チームの設置についてお諮りしたいと思います。資料1になります。事務局より御説明をお願いいたします。

【松本課長補佐】
 失礼いたします。資料1をごらんいただければと思います。
 「効果的なICT活用検討チームの設置について(案)」というものでございます。第1回から第3回まで、次期学習指導要領を見据えた資質・能力と効果的なICT活用について御議論をいただいてきたところでございますが、「趣旨」というところでございますが、この次期学習指導要領において求められる資質・能力の育成等に資する効果的なICT活用について意見交換等を行うため、学校におけるICT環境整備の在り方に関する有識者会議の下、効果的なICT活用検討チームを設置するという趣旨でございます。
 検討事項でございますが、資質・能力の育成等に資する効果的なICT活用について、また、これを踏まえた必要なICT環境の洗い出し、その他というようなことについて御検討をいただきたいと思います。
 実施方法でございますが、「検討チームの委員は別紙1の通りとする」ということで、別紙1をごらんいただければと思います。また、必要に応じ、別紙2の協力校に協力を求めるほか、関係者の意見等を聞くことができるということで、別紙2に協力校ということで、本日のプレゼンをいただく学校に御協力をいただきながら、このICT活用の検討チームについて具体的に検討いただき、整理をいただきたいと思っているところでございます。
 また、戻っていただき、実施期間でございますが、検討チームはこの検討事項に係る意見交換が終了したときに廃止するというようなことで整理をしているところでございます。
 以上になります。

【堀田座長】
 ありがとうございました。ただいまの検討チームの設置につきまして、何か御意見はございますでしょうか。ありがとうございます。
 そうしましたら、この案のとおり、検討チームの設置を認めていただいたということにさせていただきます。具体的な学校現場での活用事例の整理や、そこで必要となるICTの実情といいましょうか、そのあたりをしっかりと整理していただくのが、この検討チームの役割となりますので、よろしくお願いいたします。

(4)前回の議論について

 それでは、議事に入らせていただきます。
 まず最初に事務局より、これまでのこの検討会議におきまして行われた議論の整理について、よろしくお願いいたします。

【松本課長補佐】
 失礼いたします。資料2をごらんいただければと思います。1から6まで、それぞれ論点を第1回会議で提示をさせていただき、それぞれについて各委員からどのような意見があったかを整理した資料でございます。赤字が第3回会議における主な御指摘事項でございます。第3回は効果的なICT活用について御議論いただいたものでございますので、1ポツのところが主に御指摘が多くございました。順次御説明させていただきます。
 1ページ目左のところでございますけれども、「ICTは思考を可視化するための道具であることが認識されると、各教科でもICTが活用されるのではないか。また、『協働』という観点からも、思考の可視化、保存、再生、分析が可能なICTは非常に有効な道具になる」「ICTは『考え』を表現するために適したツールである。さらにプログラミングによって、言語で表現するには難解な事柄を動的に表現することも可能」「表現され、保存された『考え』はネットワークによって、他者と交換や共有が可能となる」と、東原委員からの御指摘でございます。
 また、その下でございます。「デジタルコンテンツにより、例えば、立体的に見る、目に見えないものを可視化して見るといったことが可能となり、そのことにより、思考力、判断力、表現力も発揮され、対話も活性化し、その結果、生きて働く知識・技能となり、社会とのつながりも理解をし、従来の教材では学べなかったレベルの学習が起きる可能性がある」、また、「デジタルワークシートの共有により、対話の活性化、学校間を超えた対話が可能となり、従来できなかった対話的な学びが実現する」といった御指摘もございました。
 「社会科見学など、普段は遠くて行けないような場所の人の話を、ICTを通じて聞きながら、深く学ぶことが可能となる」、また、「多様な資料から自分で取捨選択して、自分なりの考えを持つ学習の展開」、また「タブレット端末を用いて、見学や観察した内容を撮影・記録する活動」、こういうことも考えられると、益川委員等から御指摘を頂いているところでございます。
 1つ飛ばしまして、「『主体的・対話的で深い学び』に関わるものだけでなく、『わかる授業の実現』ということも対象として議論すべき」ではないか、また、「児童生徒の資質・能力の育成に最も大きく関わるのは教員の授業力であり、あたかもICTを使えば資質・能力が育成されるという誤解を招かないような示し方が必要」であるという御指摘も頂いているところでございます。
 3ページの方、そのまま下に下がっていただきまして、「教師が課題を提示したり、わかりやすく説明したりすることが」「教科等で共通するICT活用になる」と、水谷委員からの御指摘もございました。
 4ページ目の下の方の赤字でございます。「ICTを学びの道具として子供たちが活用するには、情報を集め、まとめて、発信することなどの情報活用能力、基本的なICTスキルを普段から意図的に鍛え、さらに、様々な学びに必要な技を身に付けさせられることが重要」であるというような御指摘。
 さらに、「児童生徒のICT活用では、実物投影機やコンピュータを活用して、自分の伝えたいことを他の児童生徒にわかりやすく発表する場面が挙げられる。さらに、絵図や表、グラフなどを用いて効果的に表現したりするために、コンピュータやプレゼンテーションソフトなどを活用することなどが挙げられる」という御指摘もございました。
 その他の指摘としましては、2ポツの優先的に整備すべきICT環境に関連して、3ページの赤字のところでございます。本日お休みですが、毛利委員からは、電子黒板の整備を優先してほしいという要望が現場からも保護者からも多くなっているという御指摘、さらに、提示装置だけではなく、何を提示するかも重要であること、出力としてのICT機器と入力としてのICT機器があることについても御指摘を頂いてございます。
 3ポツの機能論でございます。1ページの真ん中の下の赤字でございます。「シンプルな機能のものを整備していくことが、整備の進めやすさにつながるのではないか」という御指摘もございます。機能論については、次回以降、深く議論をいただければと思っている次第でございます。
 前回の議論の紹介は、以上になります。

【堀田座長】
 ありがとうございました。私どもは、この6つの観点につきましてこれまで議論を重ねてまいりましたが、一番左をより具体的に考えて、そして、2番を検討すると。で、3番、4番と移っていくのがきょうの大事なところでございますので、御協力をよろしくお願いいたします。

(5)ヒアリング(杉並区立高井戸小学校)

 さて、次はICT活用の必要性のところに入っていくわけですが、前回の会議におきましては、次期学習指導要領の様々な状況、あるいはデジタル教科書の状況等を御説明いただいたところでございまして、そういう施策の観点からICT活用の必要性について御議論をいただきました。今回は、前回の議論をさらに深掘りするという観点から、児童生徒におけるICT活用を学習活動に既に取り込んで実施している学校の方々にお越しいただいているところでございます。
 また、先ほどお認めいただきました検討チームの主査としてお願いいたしました関西大学の黒上先生にもお越しいただきまして、3つの学校のプレゼンテーションの最後に、次期学習指導要領を見据えたICT活用の必要性、考え方についてコメントをいただくこととなっております。
 その後に、皆さんから質疑あるいはディスカッションをお願いしたいと思っておりますので、進め方の御確認をよろしくお願いいたします。
 それでは、早速、杉並区立高井戸東小学校からプレゼンテーションをよろしくお願いいたします。

【高井戸東小(佐藤先生)】
 失礼いたします。杉並区立高井戸小学校の校長の沼田と佐藤でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 「教室のICT環境整備の段階に応じた授業実践」というタイトルでプレゼンいたします。
 まず初めに、高井戸東小学校のICT整備状況ですが、低学年はStage1から2、高学年は3と解釈していますが、ほかの解釈によっては、Stage1、2が3、Stage3が4という段階に位置しております。それから、普通教室についての整備ですが、低中学年はタブレットが各学年1人1台で使える状況になっていること、それから、高学年に関しては、1人1台のタブレット端末が常設されています。そして、特別教室では、タブレット端末が教師用にあります。コンピューター教室に関しては、児童用パソコンが40台、タブレットが10台、教師用が1台となっており、職員室では、校務用PCと校務支援システムが入っております。
 そして、黒、青、赤の順番で整備されたり、あるいはリース替えによって置き換わっているという状況になっています。こうした状況を踏まえると、教師や児童への負担、慣れ、そういったものを考えていくと、段階的な導入が望ましいと考えることができます。
 Stage1、2では、実物投影機の活用が有効というお話をいたします。1人1台のPC環境がないために、実物投影機で教材や成果物を映したり、あるいは示したりする中で、児童1人1人の発言や発表の機会を保障する活動が有効と考えられます。教師が教材を大きく示したり注目させたりする活用を通して、児童は教師の示し方をまねしながら、徐々に発表できるようになっていきます。その際に実物投影機は、操作に時間が掛からないようにするために常に同じ場所に配置され、同じ場所で発表物を置けば発表できることを教員も児童も理解している必要があると考えます。そういった意味では、実物投影機は常設が望ましいこと、それから、実物投影機は操作負荷が低い固定式が望ましいと考えられます。
 教師の活用では、操作がボタンのみ、それから、同じ位置に固定されていること、こういったものが全ての児童に学習内容を分かりやすく示す上で実物投影機の活用は有効と考えられます。
 また、児童の活用に関しては、操作がピントあるいはズームのみの操作をすることが求められると考えられます。こうした児童の活動によって、Stage3あるいは4においては、タブレット端末を活用して表現する活動の素地を養うという意味で、実物投影機の活用は有効と考えられます。
 次に、Stage3から4のタブレット端末を活用した授業実践の例についてお話しいたします。
 授業者は私で、国語科、学年は5年生で実践したものになります。単元名は「グラフを用いて書こう」という光村図書の教科書を用いています。授業の概要としては、「グラフを読み解いた上で、データに対する自分の意見を書く」という、書くことを目標とした実践です。方法としては、ワープロソフトを用いていまして、この実践に関しての特徴的なものとしては、目標、内容、学習方法が書くことでつながっていることになります。
 実際、使った教科書をお示ししております。光村図書の150ページ、151ページを引用しております。こちらに示されたグラフ、データを読み解いた上で、自分の考えを書いていくという意見文の活動です。
 この活動に関して、授業の目標を資質・能力の観点から示すと、国語の書くことに関しては、例えば、知識・技能の段階では、グラフに注目させる言葉を用いること。思考・判断・表現の段階では、事実と意見を分けること。学びに向かう力に関しては、他者の意見が改善されるようなアドバイスをすること。そして、情報活用能力に関しては、情報活用の実践力として、決められた時間内に、決められた文字数を打てること、それから、情報の科学的な理解としては、正確な数値を読み取り、数値を根拠にして自分の意見を書くこと、情報社会に参画する態度においては、統計データの引用を示すことを目標としています。
 活動についてお話しします。まず初めに、学習目標と活動内容を示します。その後、読み解くグラフと、そのファイルが保存されている場所を示していきます。そして、児童は共有フォルダから児童端末にファイルを読み込むということを行いました。そして、そのグラフの内容を読み取って、100字の原稿用紙にまとめるという作業を行った上で、読み取った内容を紹介する、あるいは指摘する段階に入ります。ここでは児童同士がディスカッションして、ここはもっとこの方がいいのではないかとか、もっとこういった方が読み取りとしては正しいのではないかというような議論をさせます。
 その後に、もう一度一斉指導に入りまして、グラフや表の説明、それから、意見文の書き方について振り返りをします。申し遅れましたが、この授業は一度単元が終わった後に、もう一度振り返りとして1時間行っている授業となります。
 その後、400字の意見文を10分から15分の間で作成するという活動を行いました。そして、意見文が書き終わった段階で意見文を読み合う活動、それから、児童同士がそのままパソコンで直し合うという活動を行いました。こういった活動が本事業の概要となります。
 それから、その次の18のスライドになりますが、これは児童が15分で書き上げて、その後、児童同士で修正した文章になります。これは、タイピングの速い上位群、それから、学力の上位群の児童になりますが、この児童は626字の意見文を書きました。
 次に19になりますが、タイピング中位群と学力中位群に関しては、400字程度の文字数になりまして、453字の意見文を書きました。
 評価基準としては、事実が100字から200字、意見は100字から200字の400字程度ということで示していましたが、このクラス児童の入力数を平均すると、1分当たり約41文字となりました。
 スライド20になります。文部科学省の情報活用能力調査における文字入力数に注目してみますと、小学生の1分当たりの文字入力数は平均5.9文字であったところ、19のスライドに示しているとおり、本クラスでは1分当たり41字となりまして、このような意見文の作成がなされました。
 スライド21になります。従来の学習方法、授業方法とICTを学習した授業方法の比較をいたしました。従来の授業方法としては、45分で文字数は、上位群でも400字程度、もう少し書ける児童もいるかもしれませんが、大体この程度書けるぐらいになると思います。
 それから、書いただけで授業が終わってしまうこと、書き終えない児童も多いこと、原稿用紙だと、書いたら満足してしまい、モチベーションが維持できないことが考えられました。これまでそういった現象が見られました。しかし、ICTを活用した授業方法としては、10分で400字程度は書けてしまうこと、書いた後に話し合いや添削、修正の活動までできること、そして、ほとんどの児童が書き終えること、修正が容易なため、モチベーションが維持されることが見られました。
 こういった実践は、1人1台だから可能な実践でございます。そして、こういったキータイピングなどのスキルを鍛えていくのは、当然授業時間にもやってきたのですが、すき間の時間にスキルを鍛えていくことができました。これは、1人1台だからできる実践になります。
 そして、本実践を支える実践の構造というのをお示ししていますが、本実践では、急にキータイピングで意見文を書けと言われても、当然できないわけです。こういった授業構造が、これまでの積み重ねによってICTスキル、情報活用能力、思考スキルを身に付けていくことによってなされた実践だと考えています。
 それから、論点整理におけるアクティブ・ラーニングの意義等というスライドを示していますが、この中では、既存の知識や技能と関連付けられ、体系化されながら身に付いていくと書かれています。もしアクティブ・ラーニングが可能である実践をするのであれば、このような体系化されたカリキュラムが必要だと言えるということで、Stage3からStage4に関しては、このような体系化されたカリキュラムあるいはスキルの上達を求めていく必要があると考えられます。
 24番のスライドになります。そのほかのICT活用授業として、1事例紹介いたします。理科5年生の「ふりこのきまり」の学習においては、実験で得たデータを表計算でまとめてグラフ化することによって、振り子の運動の規則性を理解します。ここでは、エクセルを使ってデータを入力して、それから考察をするという活動をしているのですが、こういった活動をすることによって、考察や議論に時間を掛けることができる。そうなると、子供たちの思考は深い学びに近付いていくと考えるのであれば、ICTの活用はこういった場面では有効だと考えられます。
 25番のスライドになります。最後、まとめさせていただきますが、Stage3では実物投影機の活用が有効だと考えられます。また、Stage4のタブレット端末の活用では、1人1台だから可能な実践があること、それから、深い学びの実現はスキルを構造的に積み重ねていく必要があると考えられます。
 以上で、高井戸東小学校の発表を終わります。ありがとうございました。

(6)ヒアリング(新潟大学教育学部附属新潟小学校)

【堀田座長】
 ありがとうございました。
 続きまして、新潟大学教育学部附属新潟小学校のプレゼンテーションをお願いしたいと思います。いろいろ質問等あるかと思いますけれども、それは最後にまとめて議論したいと思いますので、よろしくお願いします。

【附属新潟小(片山先生)】
 附属新潟小学校です。副校長の山田哲哉に代わりまして、私、片山が発表させていただきます。よろしくお願いいたします。
 まず、当校のICT環境です。全職員がタブレット端末を持って授業をしております。6学年の1クラスに1人1台のタブレット端末を配当しており、あとは3年生以上に学年20台ずつタブレットを持っています。1から2年生は、コンピューター室常設の20台を使っております。うちの学校は全校体制で取り組んでいるというところが特徴です。
 また、来年度初めから、1年生、それから5年生、6年生で1人1台のBYOD方式によるタブレットを持たせます。4年掛けて、全校1人1台体制を作っていきたいと思っています。そのようなことに進めていったことを、これから御紹介していきたいと思います。
 まず、主に各教科等の学習で育成する資質・能力について、この3つがあるわけですが、授業場面においては、目的を設定して課題解決に向かうところで、大切なのは見方・考え方をどのように働かせていくか。そのことによって、この3つの資質・能力を高めていくと考えています。
 その学習の基盤となる資質・能力として、当校では協働性と「ツール活用能力」と呼んでおります、いわゆる情報活用能力、この2つを基盤として育んでおります。これから7つの教科について、どのようにICTが見方・考え方を働かせることに有効であるかというようなことを例示していきたいと思います。
 まず、国語です。言葉の意味に着目して調べる道具として活用する例です。言語活動として、障害を持つ人を支える取組を紹介し合おうという説明文教材があって、その後にそのようなことをしていくわけですが、そのときに、図書館だけでは参考となる資料が足りないことがあります。子供はタブレット端末で言葉の意味に着目しながら、いろいろなページから情報を収集してプレゼンテーションを作っていきます。

 (映像上映)

【附属新潟小(片山先生)】
 4年生の児童ですが、このような発表を1人1人がしていくためには、タブレット端末で情報を収集していくことが非常に効果的であったという事例です。
 2つ目、社会科です。人々の工夫や努力に着目して情報を集める道具としてタブレットを活用する例です。こちらにしても、教科書や資料集だけではやはり難しいですので、体験学習というものを普通は設定していくわけですが、うまく情報を残してくることができないことがよくあります。これは実際にごみ収集車のところで写真を撮っている例ですが、このように、どのような工夫がなされているのかと、自分の暮らしに関わって、見方・考え方を働かせていきます。またさらに、そこを補助する形で、インターネットからの調査活動も行います。このようにして、それを自ら表現をしていきながら、まとめて発表していくと。グループで協働的に行うというような学習活動です。
 3つ目、理科です。時間的・空間的な視点で仮説検証するための道具として活用する例です。5年生「雲と天気の変化」です。学習課題「雲はどのように動いているか」、これを押さえていくときに、子供は予想として、風の向きで動きが変わるのではないかと考えます。大抵の場合、短時間の観察で判断をさせてしまったりするのですが、そのときに、どうしても雲の形が変わってしまったり風の変化というものは捉えにくい実態があります。そこで子供にタブレットを渡して、これを使って解決できないかと問いますと、吹き流しと空の様子を同時に撮影して、タイムラプスで高速でやればいいのではないかというようなことに気が付いていきます。実際に子供が映した動画です。
 左側に吹き流しがありますが、あのように向きが変わっていますが、雲の動きが同じ方向に向かっていることが分かります。このようにして検証することで、時間・空間的な視点で捉えながら、雲は西から東へ動くことを捉えていくことができるわけです。
 続いて音楽です。自分たちの歌声を聞いて、歌声を改善するために録音機能を活用する例です。歌唱指導でも有効に働きます。自分の歌声は、一生懸命歌っている子供たちには捉えることはできません。しかし、この写真にあるように、下の方にタブレットを置いて、録音しながら歌います。チーム、グループでやります。その後、それを要素に着目しながら、大きく拡大した楽譜にまとめていったものがこれです。そうしますと、音楽を形作っている要素に着目しながら、どこを直していったらいいかということをグループごとで捉えて、これに基づいてまた歌ってみるということを繰り返していきます。そのような学習活動をチーム、グループごとで対話しながら進めていく、そのようなことで深い学びになっていくといった事例です。
 続きまして、図工です。造形的な要素に着目して表し方を工夫させるために活用する例です。絵を描くというような学習課題があったときに、ある程度いくと、次はどうやって表そうと活動が停滞してしまうことがあります。そのようなときに、アイデアスライドショーという形で、形や色などの造形的な要素に着目させるような働き掛けを行います。ほかの児童がやっている学習活動の様子を教師が撮って、それを提示するわけです。

 (映像上映)

【附属新潟小(片山先生)】
 このようにして出来上がった作品がこちらです。子供は表し方を自分でいろいろ考えて、このように工夫しているのですが、さらに友達の活動の様子を見る、そして作品を見ることでドリッピングをさらに付け足して、すてきな作品に仕上げていくことができました。
 続いて体育です。運動の特性に応じて、体の部位の動かし方に着目をして、動きを改善させるために活用する事例です。これは6年生の逆上がりの動きです。6年にもなると、逆上がり、これからできるというのはなかなか難しいのですけれども、実際にこのように友達に撮ってもらいます。上手な子供の動画と比べながら、自分の体のどこがどうなっているかというのを可視化して見ながら改善をしていくことが必要だと。そして、うまい子と比較をしながら、自分の動きを考えていくわけです。
 そして、さらに、このように場の工夫など、いろいろなことを工夫しながら、そのときも友達がタブレットで動画を撮ってあげて、一緒に練習をしていきます。それを繰り返していきます。ずっと考えて、タブレットと試行しながら、繰り返してやっていき、最終的にこのようになります。
 動きのコツを見つけて改善するということは、このようなボールを投げて取るような活動だとか、あるいは、走り高跳びの例ですが、走り高跳びの動画をゆっくりスライドさせながらしていくという形で、いろいろな動きでコツを見つけていくことができます。
 最後に、外国語活動です。目的に応じて情報を収集、整理し、コミュニケーションを助けるツールとして活用させる例です。6年生なので、当校で長くやっていくと、子供が自ら、どうしたらできそうかと考える。お勧めの国をALTに紹介し、行ってみたいと思わせるにはどうしたらいいかというと、いろいろなことをマインドマップ、インターネット、ビデオ、附箋アプリ、いろいろな課題解決の方法を使って自分たちで考えるような段階に来ます。
 例えば、情報の収集について、国の魅力的な情報を調べよう。ネットで調べたら、翻訳アプリで翻訳をしようと。さらに集めた情報を整理していく。それにはマインドマップが有効だろうと。思考を可視化していこう。さらに、伝える英語の順序を考えていくには、附箋アプリで並べ替えをしながら品詞を変えていくといいだろう。そして、それが伝わるかどうか、自分たちで動画アプリを使っている様子を見せ合いながらやっていきます。そのようにして改善をした姿がこちらです。自分が検索で見つけたイギリスのお勧めのポイントを見せながら話をします。
 このように、ICTは各教科固有の見方・考え方を働かせやすくする。そのことが資質・能力の育成につながっていくと考えています。分かりやすくすることも大切ですし、もう一つは、やはり見方・考え方をどう働かせていくか、そして、資質・能力を高めていくか、ここに刺さるような活用方法が必要だと。それにはやはりタブレット端末のワン・トゥー・ワンがとても大切だと当校では考えています。
 以上で発表を終わります。ありがとうございました。

(7)ヒアリング(掛川市立大須賀中学校)

【堀田座長】
 ありがとうございました。
 それでは、続きまして、掛川市立大須賀中学校さん、よろしくお願いいたします。

【大須賀中(神谷先生)】
 静岡県の掛川市立大須賀中学校研修主任の神谷と申します。よろしくお願いいたします。
 「授業におけるICT機器の活用実践事例」というテーマで発表させていただきます。まず、プレゼンの流れですが、本校の目指す授業、ICT機器の整備状況、ICT機器を活用した授業例、校内研修と生徒のICTリテラシー、この4本柱でお話をしていきたいと思います。
 本校ですが、平成26年度から掛川市の指定を受けまして、ICT機器の導入を進めて、本年度で3年目になります。機器がそろって、まだ若い学校だと言えます。我が掛川市でも、21世紀型スキルを参考に、掛川市の子供たちに付けたい資質・能力として、ここに挙げた6つのものを取り上げ、「かけがわ型スキル」と名付け、この資質・能力の向上を目指しております。
 本校の授業ではスキルの獲得を目標とするのではなく、各教科の目標に向かう中で、生徒がスキルを発揮する場面を設定し、それを全教科で行うことでスキルの獲得につながると考えております。そのためにICT機器を効果的に活用しています。
 本校の目指す授業像です。3年間の取組の中で、本校の職員の授業観が大きく変わってきました。生徒が学びの中で課題に対して疑問を持ち、対話を通して悩みながら思考を繰り返し、もっと発展できないか、自ら新たな目標を立てます。この過程にスキルの発揮があり、生涯にわたって学び続け、資質・能力を高めていく生徒の姿があるのです。
 機器の整備状況です。全校生徒316人、学級数12に対して、タブレット95台です。うち50%は貸出機という形で、かなり苦しい状況ですが、運営しております。1台当たり3.3人で使っている計算になります。
 それでは、授業の実践例を紹介してまいります。中学校1年生の理科です。植物の分類です。植物は何種類に分類できるだろうか。タブレットは1人1台使っております。使用目的は、タブレット内の植物の画像を分類の根拠とし、自分の班と他の班の分類方法を比較・参照したりして、新たな分類の視点を得たりすることです。この授業で育成を狙うスキルは、思考力、問題解決力、情報の選択・活用力です。
 これは、授業開始前、家庭学習において生徒が予想したものです。家庭学習で予想を作ることによって、本時の追究時間を確保していきます。この予想の段階では、単純に花が咲くとか咲かないとか、生徒の素朴概念によって分類が行われております。授業の中で、タブレット内に格納された写真のデータを見ながら、班で植物の分類を行っていきます。
 分類を行った後、各班で考えた分類を撮影しにいきます。自分の班に持ち帰って、再び分類を考え直すということを行っていきます。先ほどの予想の生徒が、授業終了時にはこのような形で分類を行っております。花が咲く、咲かないという分類から、対話によって、他の班の考えを取り入れ、より複雑な分類を行っております。
 ほかの生徒の考えを見ていきますと、こちら、予想時ですが、やはり多くの生徒は素朴概念で、食べられる、食べられないとか、花が咲く、咲かないといった分類から、このように、被子植物や裸子植物、葉脈など、獲得させたい知識につながります。対話とICT機器の活用によって、分類の根拠を探したり、その正しさについて話し合ったりして、よりよい分類になるように、他の班の考えを組み合わせたりして、自発的にスキルを発揮し、このような分類方法を創り上げました。
 続いて、3年生数学の根号の計算です。ルート2+ルート3をどのように計算すればよいか。ジグソー学習を行いました。この授業では、近似値や面積、数直線、4つの視点からジグソーを形成しました。これら4つの視点のそれぞれのエキスパート資料がデジタルワークシートとしてタブレットに入っております。これらがジグソー活動の中で組み合わされて、タブレットの中で1つの画面上に統合されます。
 また、ジグソーグループでの学習後、ジグソーグループ同士のクロストークという活動を行っております。これはお手元の資料にはございませんが、エキスパートグループで配った資料です。近似値の資料、数直線の資料、面積の資料、こういった資料があります。その中で、近似値を使った生徒の思考の流れを少し御紹介したいと思います。
 初め、ルート2+ルート3はルート5になると。乗法のときと同じように、単純に根号の中を足せばよいと考えていた生徒がいます。ところが、この生徒がエキスパート学習で近似値の説明について考えていくと、ルート2とルート3を足すとルート5にはならないだろうと、乗法とは異なることに気付きました。近似値の値から、大体ルート10ぐらいになるのではないかというところに気が付きます。さらに、自分で考えていくと、ルートの中が異なる場合はどう計算すればよいのだろうか。分かったことだけではなく、分からないことや疑問がこの段階で出てきました。クロストーク後、この生徒は、根号の中が同じになる場合は足せるのではないかという、他の班の考えを参考にしながら、自分でこのような説明を作り上げました。また、根号の中が違う場合、これは計算ができないのではないか。それは文字式で例えると、2a+2bのようになるのではないかと、自分なりの説明で疑問を解消しました。
 生徒全体を見ても、根号の中をただ足せばよいと考えていた生徒が圧倒的に多かったことがわかります。しかし、授業終了時には、数直線や面積、また、根号の中が同じ場合、違う場合、それぞれどう計算すればよいかという疑問を抱きました。対話とICT機器の活用によって、自分と異なる考えを知り、根号の加法について説明を作り上げました。その過程の中で、生徒は自発的にスキルを発揮するとともに、新たな疑問を生み出しました。
 続いて、社会です。中学校3年生の地方自治です。限られた予算の中で、どのように掛川のまちづくりをしていくかという授業です。こちらも1人1台のタブレット、そして、ジグソー学習を行いました。4つの立場に分かれて学習を行いました。4つの立場とは、学生、主婦、労働者、高齢者であり、生徒はそれらになりきりながら、掛川市に行ってもらいたい政策を説明します。ジグソー終了後には、ジグソー学習で学んだことがデジタルワークシートとして、タブレット内に残っています。これらの情報を参照しながら、最終的に自分はどのような政策を行ってもらいたいかというところを考えていきます。1人1台あるからこそ、話してみたいとか聞いてみたいことが生まれたということになります。まさに生徒が主体的・対話的に学んでいます。こちらは、その授業の中で生徒が考えたところです。様々な視点が加わって、自分の考えが変化していったところが見られます。
 続いて、家庭科の事例です。野菜の調理というところで、みそ汁を作る授業でした。こちらはタブレットを4人に1台しか与えられない授業でした。教師が机間指導しながら、各班のホワイトボードを撮影して、各班のタブレットに送信をするというような形で、各班の考えを全体に伝えるということをします。そうすると、1人1台に比べれば、かなりの時間的なロスが生じます。教師が机間指導しながら送信していくので、その手間が掛かります。4人に1台ですので、今、タブレットに他の班の画像が送られてきているのですが、じっくりのぞき込まないとよく分かりません。このような点が1人1台に比べた時に劣る点です。
 これは授業後の生徒の表れです。他の班の考えを取り入れながら、みそ汁の食感や色合いのことを考えながら、考えが深まりました。
 次に校内研修です。まず、事前検討、事後検討です。事前検討については、深い学び、対話的な学び、主体的学びを実現するICT活用授業・評価検討シートというシートを使いながら、事前にICTを使う場面を設定しております。また、授業案とその検討シートを併用することによって、授業案にこのように即座に反映するような形にしております。
 これが事前検討で使うシートです。ICTが使われる場面をこのように事前に検討しておく。これを授業案の中に反映をしていきます。このような事前研修を行い、ICT機器が効果的に使われる場面を事前に検討しています。
 さらに授業後は、評価コーディングシートというシートを使います。これはその中の4つ項目です。4つの視点に沿いながら事後検討を行っていきます。学習課題を持たせる主発問、学習教材、考える材料、用いる資料、学習活動、考える時間、対話する時間、学習記録、考えの共有、変容の変化、そういったところを視点に授業を分析して、このような形で、どの段階にあるのかを分析します。このような形で、事前検討、事後検討しながら、ICT機器の活用が有効であったかどうかを検証します。
 最後に、生徒のICTリテラシーです。本校は、まだ機器の導入から3年目ですので、生徒のICTリテラシーも決して高いとは言えません。まずは、使い方講習です。初年度につきましては、こんな講習を行ってまいりました。講習は授業内で行っております。2番目は、授業内で使用させながら、生徒のICTリテラシーの向上を図りました。3つ目は、複数の授業で同じアプリケーションを使うという方法です。複数のアプリを使うことによって生徒もなれてきます。最後に、ICT支援員のフォローです。こちらも生徒のリテラシー向上には必須だと考えます。
 以上で、大須賀中学校の発表を終了いたします。

(8)ヒアリング(関西大学総合情報学部 黒上氏)

【堀田座長】
 ありがとうございました。
 最後に、これまでの各校の取組も踏まえつつ、次の学習指導要領を見据えたICT活用の必要性につきまして、黒上先生から御説明、プレゼンテーションをお願いしたいと思います。

【黒上氏】
 おはようございます。よろしくお願いします。
 最初に、皆さんの机上資料は、きのうの2時半ぐらいの段階のもので、けさからまたやや変わっています。これは、皆さんのところには載ってないものですけれども、教育メディア、プリントとか教科書とかもメディアですけれども、その後、光学的なメディアであるOHPとかコンピューター、インターネット、こういった新しいメディアがどんどん学校に入ってくる中で、教育メディアの概念が随分広がってきています。当初、メディアというのは、教師が自分の持っている知識を学習者に伝達するための仲介役というような意味で使っていた場合が多かったわけです。また、学習者が自分で学習するときに、学習内容にアクセスするための道具としてもちろんメディアはありました。近年、カリキュラム的にも、それだけではなくなってきて、例えば、総合的な学習の時間で行われる学習の内容は、教師自身も分からない、整理し切れていない、全く新しい情報が常に入ってくる状況の中ですよね。なので、教師自身もメディアを通じて何かを学習しながら、学習者にそれを学習させるというような立場になっていることもあり、それから、学習者の学習も知識を伝達されるだけではなくて、自分自身で知識を獲得していくという、知識構成的なそういう見方が広がってきていて、それを実際に非常に強く具体化したのが次の学習指導要領だと私は思っていまして、そういう意味で、当初、ここ(教師と学習者の間の層をポイントしつつ)にあった教師と学習者をつなぐこの辺のメディアとしての意味しか持っていなかったものが、もっといろいろ広がってきて、(サークルの外側の層をポイントしつつ)教師も含み込むような形でメディアが存在し、(「コミュニティをつくるメディア」の部分をポイントしつつ)学習するコミュニティーを形成するためのメディアというような意味合いも持ち、(「設計者」をポイントしつつ)教師がいない中で、誰かメディアの中でのコースをデザインした人から学習者が直接学ぶという、そういうようなこともあり得るということで、さらに(「学習内容としてのメディア」をポイントしつつ)メディアとは何か、コンピューターとは何かということ、あるいはプログラミング(これから学習されていきますけれども)などを学ぶ、つまり学習内容としてのメディアというような意味合いを持ってくるという意味で、メディアと学習者の間の関係、あるいはメディアを介した教師と学習者の間の関係、あるいは学習者と外の世界、あるいは教師と外の世界の関係をいろんな形で、このメディアというものが仲介しながら、その仲介の仕方が変わってきたというようなことを前提にまず話をしたいと思っています。
 その中で、教育目標、何を教えるべきかということとメディアの関係も変わってきます。これまで教育目標については、ブルームの6つの認知的目標が使われていましたけれども、最近、ロバート・マルザーノという人がこういう概念を出しています。ブルームの言っていたようなものは大概認知システムに含まれてきて、認知システムは〔認知システムのブロックの下部をポイントして〕下から覚えていたものを取り出して、(ポインターを上にずらしながら)それを理解し、分析、活用するというようなことをすくみます。(「活用」をポイントしながら)この辺の知識の活用は今の指導要領で文科が言ってきたことと一緒ですよね。それをさらに、自分がどういうふうに学習しているかをメタ認知することも学習目標になり、さらに、その学習を自分でどうやって進めるかというか、どうやって自分自身を学習に向けるかということを、「自律」と僕は訳していますけれども、自律システムと言っています。この3つの大きなもの全てを目標にして考えるのだということを、この新しい3つの柱と対応させてみると、こんな感じの対応になるのではないかと思うのですね(認知システムの「取り出し・理解」=知識・理解,「分析・活用」=思考・判断・表現,「メタ認知システム」および「自律システム」=学びに向かう力・人間性)。
 それぞれに対して教育目標が3つに分かれて、先ほどの情報を伝えるためのメディアとか学習内容としてのメディア、この辺(図の該当部分をポイントしつつ)はこれまでの、いわゆる知識伝達モデルなわけですけれども、知識生成モデルとして見たときには、学習道具としてのメディアとかコミュニティーを作るメディア、こういうメディアの在り方はこれからとても大事になってくるというような前提があるのではないかと考えます。
 子供にとっては、情報を自分で集める手段が提供され、自分自身で情報を整理したりする手段が提供され、自分の学習の状況を振り返る、メタ認知する手段が提供され、コミュニティーに参加する中で学習が深まっていく仕組みを提供し、コミュニケーションが実際にどういう状態になっているかということをメタ認知させるというのはそのようなメディアの在り方であり、さらに自分自身で学習目標を立てたり計画を立てたり、コミュニティーの中での学習がずっと継続発展していくような環境をサポートするような、そういうメディアの在り方がこれから考えられていく必要があるということです。
 なので、ある意味、大きく時世が変わってきているというような見方をしていかないと、単にこれまでの、どれだけの知識を正確に獲得させることができたかというような視点で、これからの教育目標を見ていたのでは、もうどうにもならない、余りにも旧態依然としているという感覚を持つということです。
 その中で、タブレットPCが一体どういう学習を支えるのかということを考えてみました。タブレットPCはとても便利な道具で、いろんなアプリケーションが入りますし、いろいろなことができます。その中に、練習する(「練習する」がポップアップ)、いわゆるドリル系のソフトもたくさんあって、そういうところでは子供たちはそのアプリを使って練習するわけです。例えば、計算の練習をしたり漢字の練習をしたり単語の練習をしたりしています。クイズなんかも入っています。これはもちろん紙でも可能だったわけだけれども、紙は採点してくれませんので、自分で採点しなければいけないし、IKR(Immediate Knowledge of Results)すなわち、すぐに自分のやったことに対する結果を返してくれる、というようなことは不可能なわけです。学習理論上、自分がやったことに対するKRがすぐに返ってくるのは非常に重要なことで、そういう意味では、アプリは全く違う意味を持つということです。でも、それだけではなくて、例えば、こんな学習はどうだろうかと…。つまり、練習するというのを、もう少しコミュニティーの中で考えると、こんなことがあるのではないか。
 例えば、毎時間、毎時間でなくてもいいですけど、まず、教科ごとにクラスの子供たちを教科のリーダーに分けます。その中で、例えば、前の時間に学習したことの中で大事なものを、先生と打ち合わせた上でフラッシュカード10枚ぐらいにまとめて、授業の最初3分間に、リーダーがみんなにそのフラッシュカードを一斉に配って、「さあ、始めるよ」と言って、残りの2分30秒ぐらいで、そのフラッシュカードをみんなで順番にやっていくとします。その間に、先生は授業の準備をしておいて、終わったところで、さあ、めあて確認、という形で授業をすると、間違いなく、その次の授業の中で使われる知識が更新されていきますよね。そういうような使い方をすると、子供たちが自分たちのコミュニティーで大事な知識を定着させていくということが可能になる。これは、40年ぐらい前に紙でやったことはあるのですけど、これをICTに乗っけるとこんなことができるというような感じがします…。
 紙だと(図中の)、1.、2.、4.はできますけど、リーダーがフラッシュカードを一斉に配るということができなくて、紙を配ったりする時間がもったいない。45分の中で、紙を配るのに30秒掛かっていたらものすごくもったいないですから。
 次は試行錯誤ですけれども、これは時計の学習です。言われた時刻に時計を合わせるという学習です。もちろんこういうことは、実物教材でもできます。低学年のおけいこボックスかにはいろいろなものが入っていますけど、このような実物教材は、目的ごとに必要ですね。しかし、アプリにしておけば、1年生から6年生、あるいは中学校まで使ういろいろな小道具を、必要な時に利用することができるわけです。これは、コンピューター室でもできるのではないかという話もありますけど、コンピューター室でやるほどの学習ではなくて、例えばこの時計を合わせる学習には45分の間の最後10分もなかったと思います。それでも、子供たちはそこまでに学んだことを楽しそうにやっていくわけですね。そういうことも結構大事かと思っています。
 学習には、写真を撮る(「写真を撮る」がポップアップ)ということが、実は非常に重要で、1人1台タブレットPCを持っているということは1人1台カメラを持っているということなのです。それは結局、自分たちが観察する対象とか学習する対象を自分で写真に撮ってこられるということです。これまでは、例えば現地に行ったら先生が代表して写真を撮るとか、グループで1台、ようやく写真を撮ってくるというようなことだったわけですけど、それを自分自身で一人一人が写真を撮ってこられるということなのです。
 写真を撮って帰ると何かできるかというと、それをよく見る(「よく見る」がポップアップ)ことができて、ピンチアウトというありがたい機能が付いていますから、それで見たいところを拡大して見ることができます。あるいは先生が昔の写真や浮世絵などを社会科の教材などとして使ったりしますけど、それを配ったときに、ある部分を拡大して念入りに見るということができますね。そのときに現場で気が付かなかったところを、写真を念入りに観察することで発見できるかもしれません。もちろん虫眼鏡を持って行ってスケッチしてくるということもこれまでやっていました。スケッチする能力をつけることは、もちろん大切ですが、その力がつくまでにはその後の学習にうまくつながっていきません。写真で詳細に観察して精密にスケッチしたものは、次の学習につなげることができます。そういう意味では、そういうことも新しい学習としてはあり得るかと思っています。
 これは(「録音・録画」がポップアップ)、カメラだけではなくて、実はビデオカメラも同時に持っているということを意味していまして、録音・録画して、それを振り返る学習もできます。例えば英語の発音とか、詩の朗読とかを録音して自分で振り返るというようなことができますね。これ(写真をポイントして)は「流れる水のはたらきき」の実験で、築山から水を流しているのですけど、この実験場面を撮影して帰ってきて、それを教室でもう1回見直して、どこでどんな現象が起こっているかということをゆっくり見ながらまとめているわけですね。1回しかできなくて、やり直すことはできません。現場での観察でははっきりとらえられなかった現象を、何回も同じ実験を再生して見て、詳しく描くなどということが可能になってきます。
 それから、調べる(「調べる」がポップアップ)というのがもちろん機能としてはあります。インターネットにつながっていますからね。個別に課題を持って調べる。調べたことをまとめて発表するなどは当然できる。もちろん図書館、コンピューター室でもできますが、現状ではこれを複数教室で同時に進行するということは難しい。これからのアクティブ・ラーニングとか主体的・対話的に学ぶという状況の下では、全ての教室でこういうことが同時並行で起こるという可能性があって、そのときにこのようなメディアを持っていないクラスではまともな調べ学習ができないということもあり得ますね。そういう学習を支えるためには、たくさんの調べるツールがどうしても必要だと思います。
 それから、形式変換(「形式変換」がポップアップ)ですね。形式変換というのは、例えば表をグラフに変換するというようなことを言います。例えば、実験結果をみんなで表に整理して、それをグラフに変えてみるようなことです。もちろんこれは手書きでできるし、手でやることも大事なのですけど、たくさんデータがあると法則を見つけやすかったりしますね。あるいは、グラフ表現の仕方も、いろいろな形に変えることができますから、どれが最適かというのをシミュレーションしながら、自分で決めることができます。そういうような学習がこれからあり得るということです。
 それから、考える(「考える」がポップアップ)です。おそらく、これが一番大事ではないかと思います。子供が物を考えるのを促すためには、いろいろな制限を掛ける方がいいと私は思っていまして、そのためにはシンキングツールが役に立つよく言っています。一人でシンキングツールを使ってアイデアを整理して、それをまたほかの人と共有するというようなことが今ではもう行われています。紙でシンキングツールを使うことは、もちろん可能ですけど、もしコンピューターでやると(デジタル・シンキングツールを使っている写真を提示して)、書いたり、消したり、修正したり、配置を変えたりするということがとても簡単です。それから、子供が書いた文字を附箋に書いてお互いに見合うとき、結構読みにくかったりするのですが、これだと、活字になっていきますから、後の処理が非常にスムーズに行えるということなのですね。
 これを、人に見せる(「見せる」がポップアップ)ことができます。自分の調べたものを人に見せたり、タブレットPCで自分はこれを調べたというのを班の中でお互いに見せ合ったりしているということです。紙では見せられない個別のデジタル資料を示すことができます。この映像は、さっきの考えるところのビデオですね。スライドの順番が違っていました。

 (映像上映)

【黒上氏】
 こんな感じで、カードに打ったものをピラミッドチャートの上で整理をするというようなことをやっていまして、そのカードをあちこち動かしてみたり、このカードの中には子カードがたくさん入っていて、それをまた見直したりしているという状態ですね。こういうことがタブレットPCを使えば、個別に随分活発にできるようになったという話です。少しビデオの場所がずれてしまいました。
 それから、人に自分の考えを送る(「送る」がポップアップ)ということができるようになっていまして、これは先ほどのシンキングツールのソフトの機能ですけど、自分の考えをほかの人に送ったり、全員に同時に送ったりする、あるいは先生に提出したりするというようなこともネットワークを介したらできるのです。お互いに考えを共有するのはグループ活動でももちろん可能ですけど、相手からもらったデータを基に、自分の考えを付け加えて加工するというようなことは、紙では基本的にはできないわけです。タブレットPCでは、そういったことができるようになってきたということです。
 そういうことを基にして、みんなで協働的に学習する(「協働する」がポップアップ)、あるいは他の人の考えに応える(「応える」がポップアップ)というようなことが行われます。これはおいしい水を飲むために自分たちができることについて、学校に来るまでに整理している画面です。そして、学校に来た途端、みんなのアイデアを見ることができます。

 (映像上映)

【黒上氏】
 この映像は要するに、全員のアイデアを一覧して見てから、自分が気になった子供のところに行って質問をしてもっと深く教えてもらうというような学習になっているわけです。自分のアイデアを全部、朝、学校に行ったときに先生がプリントを刷って配っておいてくれるなんていうことは、およそ大変なことですが、こういう機能があれば(印刷がなくても)それができてしまうという話です。
 そして最後に、学習する内容とどういう関係にあるのかという話です。もし学習内容とか評価の仕方が今のまま、現行の指導要領のままでいいということであれば、余りタブレットPCの必要性を感じることはありません。次世代の学習内容とか評価を目指すということであれば、主体的な対話的な深い学びを目指そうということであれば、こういう形のワン・トゥー・ワンコンピューターというのはどうしても必要になってくるのではないかと考えています。

(9)質疑応答

【堀田座長】
 ありがとうございました。それでは、四つのプレゼンテーションにつきまして、質疑応答や議論の時間を少し取りたいと思います。少し時間が押していますので、あまり時間はございません。委員の皆さん、是非一言、お話しいただければと思います。益川委員から行きましょうか。

【益川委員】
 たくさんの実践事例を具体的に知ることができたので、ICT学習環境の姿がいろいろイメージもしやすくなってきたかと思います。今回の事例を踏まえますと、次の学習指導要領の理念を実現するために「主体的・対話的で深い学び」を目指したときに、子供たち自身が端末を触りながら、その教科の見方・考え方に沿って対話し、深い学びにつなげていく、そういう環境はすごく大事であるというのを改めて思いました。
 そういう視点から考えていきますと、例えば、大型提示装置の整備というのもすごく大事ではあるのですけど、それを例えばそれだけ先行して整備してしまうと、それで整備した教育委員会が満足してしまって、なかなか次のステップの学習指導要領の授業の理念に見合ったものが作れないのかと。ですので、まずは大型提示装置ではなく、学習者用端末の整備も合わせて整備を行い、それを使った授業研修なども同時並行でやっていくような最後の姿を見通した段階的整備という考え方も大事なのかというのを見ていて思いました。
 以上です。

【堀田座長】
 ありがとうございます。いかがでしょうか。では、東原委員。

【東原委員】
 とてもすばらしい実践と、その背景にある考え方を整理してプレゼンしてくださったので、私の頭の中がとてもすっきりした感じで、ありがたかったです。
 前回の会議後の資料に、私の意見を書かせていただいているものがあります。中教審で挙げられている各教科特質に応じた見方・考え方のイメージに対応させて整理するとよいと思うというのを出しておいたのですけど、まさにそれを整理してくださったのが片山先生の新潟の附属小学校の事例だと思いますし、それから、全ての学習の基盤となる情報活用能力という話のところの具体的な事例を示してくださったのは佐藤先生の高井戸東の例だと思うのです。それから、掛川の方では、思考力とか、あの辺の話をしてくださったわけで、これからの示し方というのは、学習指導要領で狙っているところの一見難しい、深い学びとか、対話的な学びとか、その見方・考え方とか、そういったキーワードと、ICT活用の具体的なイメージがぱっと分かるように整理するということがとても大切だと実感させてくださったような気がいたします。今度新しくできるICT活用検討チームで、きれいに整理していっていただくととても分かりやすいものができて、ありがたいと思いました。
 それから、益川先生が先ほど発言されたことにちょっと関連して言えば、私も、まず常設化するということがとても大事なので、それをまず重視しつつ、最低でも一クラス分ぐらいは、あるいは二クラス分ぐらいは使いたいときに、1人1台環境が使えるように整備するのが大事と思われます。グループ1台でというよりも、1人1台使える環境を整えておいて、活動によってはグループ1台での使い方もあるというふうにした方がいいのではないかと思います。10台ぐらい入れてグループ1台使えるのになれてきたから1人1台入れましょうというよりは、最初から1人1台は使えるようにしていった方がいいのではないかと、きょうの御発表を聞いていてますます思いました。
 以上です。

【堀田座長】
 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。太田委員。

【太田委員】
 神田一橋中学校の太田でございます。議論からは、ずれてしまうかもしれませんが、現場の教員として3校の先生方にお伺いしたいと思います。
 本校はタブレット端末1人1台のワン・トゥー・ワンの環境ができているので、これと似たような活用の方法をしているとか、これはまねしてやってみたいということを思いながら発表を聞かせていただきましたが、学習指導要領で時間が決まっています。高井戸東小の佐藤先生がおっしゃっていたように、この単元はもう一度振り返りのための時間を取らせていただきましたということがありましたし、大須賀中の神谷先生からは、時間を確保するために家庭でやらせていたというような話がありました。こんなことを使ったら、この教科ではこんな資質や能力を伸ばすことができるということは分かっていても、限られた時間の中でどう使っていくかというのがとても本校の課題で、年間計画の中に単元計画をどう組み込んでいくかということが来年度以降の大きな課題だと思っています。そこで、単元計画や何かで工夫されている点があったら是非教えていただきたいと思います。いかがでしょうか。

【堀田座長】
 ICTを使うことによって、より時間が効率的になるというか、ようにするためにはどうすればいいかと。これは整備の問題だけじゃなくて、子供たちにどういう基礎的なスキルを付けておくかということとも関係するかと思うのですけれども、では順番に、高井戸東小学校さんからお願いします。

【高井戸東小(佐藤先生)】
 ありがとうございます。私は、授業の5分、あるいは10分で何かをさせるということを全ての教科で行っています。例えば先ほどの実践であれば、グラフを読み解くというものを国語で行っているのですが、本来は社会で行ってきたもので、社会科の時間にグラフを読み解くということをずっとやってきました。それから、国語の時間であったり、総合の時間では、最初の5分間にタイピングをずっと練習するということをやってきました。そういったます。でも、そうではないと、逆にモジュールの時間を取らなくてはいけないとか、学校単位で改革であったりとか、設計をしていく必要があるのかと考えています。
 以上です。

【堀田座長】
 附属新潟小学校さん、お願いします。

【附属新潟小(片山先生)】
 まずは、BYODにしていくことによって、タイピングの練習の時間とか、特別取らずとも、当校では物すごいスピードでタイピングできるようになっています。今回、学習指導要領で入ってきたので、ありがたいと思うのですけれども、日常的にいろいろな教科で使わせていくことで、ICTの操作に関する技能指導というよりも、教科の狙いに向かってたくさん活用させていく中でできるようになっていくと思っています。ですんで、先ほど七つの教科での活用を示しましたが、総合も含めていろいろな教科でいろいろな場面でどんどん活用させていくことによって、見方・考え方にきちんと棹さして指導していけば、時間というものは生み出せると思っていて、教科横断的な単元をうちは開発しています。それでも、ICTを使わせるためとか、そういうことではなくて、そこは学習内容のどういう系統でやっていったらいいかというところでやっています。
 以上です。

【堀田座長】
 大須賀中学校さん。

【大須賀中(神谷先生)】
 本校では、まさしく同じような悩みを本当に持っておりまして、内容的には、量は変わらない、質を変えていくというところで、やはり授業の時間が足りないとなったときに、先ほど理科の授業の実践例を示したと思うのですけども、予習とか復習を家庭学習の中に取り入れてしまう。大須賀型授業スタイルと呼んでいるのですけれども、本来導入でやるべきところを家庭学習にできるものは家庭学習に回して、本時の追求時間を多くしていくと、そんな工夫をしております。
 あともう一つ、単元デザインにつきましては、こちらは校内研修の方で去年の夏からやっているのですけれども、目標創出型授業というところを本校は目指しておりまして、単元自体をもう新しく組み換えようと、目標創出型の単元になるように、単元自体を新たに組み直そうというところで今、試行錯誤している段階です。
 以上です。

【堀田座長】
 この件について、検討チームの主査をお願いしている黒上先生、お願いします。

【黒上氏】
 大須賀中学校さんがやっておられることは、まさに今やるべきことです。次の指導要領で求められている学習の仕方を入れていくと当然、時間が足りなくなります。全てのことを教えようと考えたら、もうどうにもならなくなります。それでやってきたことが何かというと、見方・考え方を中心に教えるべきことを重点化していくという考え方ですね。その重点化された内容に対して、学習者たちが自分たちで学習をしていく中で全ての知識が、自分たちの手によって勝手に集められるというような学習を組まなければいけないという話なのですね。調べるときに一々、図書館に来たら時間が掛かります。それを、手元にあるコンピューターでやったら、あっと言う間に手に入るというようなことを期待します。むしろ、コンピューターを使うことで時間が掛かるという話ではなくて、学習の時間を短縮させながら、重点化された資質・能力、見方・考え方、これに向かって学習者が自分たちで学習するということに大きくコンセプトを変えていかなければいけないのです。だから、そういう意味では先進的なことをやっておられるし、それに向けて全ての学校がやっていかないと、次の指導要領を100%うまく実施できないのではないかとに思っています。

【堀田座長】
 いいですか。ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。
 では、私、座長ですけど、少しコメントといいましょうか、質問ですけど、高井戸東小学校の実践で言えば、タイピングが速くできるようになれば、ああいうことができるというふうに受け取るとやはり少し危険かと思うのですけど、タイピングはもちろん基礎的な操作スキルとして重要だけど、そもそもグラフを読むとか、文章を書くということが連続的にずっと行われてきて、それとタイピングが合わさってということですよね。

【高井戸東小(佐藤先生)】
 はい。まさにそのとおりになって、先ほども申し上げたのですが、様々なスキルであったり、学習をこなした上でプレゼンで示したようになっていくので、タイピングができるからといって、いざ、やれというふうになったときに、やはり内容が思い付かない、構造が分からない、構成が分からないというふうになってしまうのではないかと思います。

【堀田座長】
 ありがとうございます。赤堀委員、どうぞお願いします。

【赤堀委員】
 時間がないので簡単に。黒上先生にまとめていただいたプレゼンは大変興味深く思いました。特にメタ認知と、自立です。これは今度の次期学習指導要領に非常に密接な関係あると思います。これまででも言われておりましたけれども、これからは、そういう点で言うとこういうふうな目標が重要なので、それに対してワン・トゥー・ワンのICT環境というのが非常に寄与しているというのを見事にまとめておられましたので、是非どこかの、報告書の中にもこういう考え方を入れていただけるとありがたいと思います。
 以上です。ありがとうございました。

【堀田座長】
 生田委員、お願いします。

【生田委員】
 きょうの発表も含めて、そのほか文科省さんもいろいろな事例をやっておりましたので、その辺を上手に総合して、ICTが入ることによってこうだということをまとめていただきたい。
 私が関わった中でも、2年間の中で出てきたのが、ICTを入れることによって授業のデザインが変わるということで、これは重要なことと思いますので、その辺のところも方向性が入っていると思いますが、御検討いただければと思います。
 以上です。

【堀田座長】
 ありがとうございます。中教審で議論になったことを一つ、紹介しますけど、先ほど太田委員がおっしゃったように、さらに学習内容は減らさないという状況の中で、さらにICTが入ってくると時数が足りないのではないかという悲鳴のような声があるという話に対して、ICTが入ってくることでむしろ学習が効率よく行われて、より深い学びに近付きやすくなるということがあるのではないかという、むしろそういうふうにしていかなくてはいけないのではないかと。なので、今までと少し違う環境だけれども、こういうリッチな環境を子供たちが使うということがそういう学習が起こりやすくなるということであると。これは考えてみれば、さきほどの実物投影機とか、大型提示装置だって、今まで教員が口頭で長い時間掛けて説明していたものを分かりやすく見せて、比較的時間、効率をよくしようという、そういう話だと考えれば、ICTによって本来やりたかったことが変わるわけではないのだけども、環境が変わることによって、そこを効率的に行うことができ、より子供たちに任せていくことができるという、そういう大きな流れなのかと思います。
 今のは整備の話ですけど、それを支える能力が不断の努力によって身に付いているということが大切で、そのことをやっているプロセスでは、多分時間は掛かるのだけど、ある程度やっていくと、今度はそのスキルを活用して、子供たちが自立的に深い学習に向かっていくだろうと。そのことが中教審ではもう議論に出て、総則にも、結果的には情報活用能力や、あとICTの基本的な操作は「学習の基盤として必要な」という書き方になりました。したがって、これらのスキルも含めてそういう能力は、子供たちがこれから「主体的・対話的で深い学び」を実現していくために必要な基盤となる能力だという認識なので、整備がないとその力は育成できないわけですけれども、その育成された力を用いて学習活動を行うことによって、より深い学びを時間内に行うことができるという、そういうふうに考えるのかと思います。
 貴重なプレゼンテーションや意見をありがとうございました。

(10)ヒアリング(水谷委員)

 これから先の議論ですけれども、今のようなことが共通理解できた上で、これから、それをどういうふうに整備していくのかといったときに、単年度予算の繰り返しで行われる整備ですから、やはり一定の重要度をそれぞれ示していかなくてはいけないと。あれもこれもあった方がいいのは分かっているのだけど、限界がある予算の中でどうするかということが私たちの一番難しいところになります。それを考える上で、まずは水谷委員にその件についてプレゼンテーションしていただいて、その優先順位をどうするかということの議論をこれから次回に向けて始めていくということにしたいと思います。
 では、水谷委員、よろしくお願いします。

【水谷委員】
 愛知県春日井市立出川小学校の校長の水谷でございます。きょうは時間をありがとうございます。座って失礼します。
 春日井市では、今、このスライドに出ていますが、平成11年から教育の情報化にいろいろ取り組んできました。最初は校務の情報化から始めて、そして、10年前から普通教室への実物投影機、電子黒板の整備を行ってきました。最近6年間は、本校が中心校になってICT活用による日常の授業の改善に取り組み、この3年間ではタブレット活用もして、そして、これを市内全校に広めていく展開をしているところです。
 本市の整備状況はこのようなところです。このデータは、資料に載っておりますので、また、ご覧いただければと思います。常設の掲示環境はそろいましたが、先ほどから話題になっている児童生徒端末の整備はまだまだこれからです。やはり実践を進めていくと、端末がさらに欲しくなってくるということは強く感じています。
 最近の本校の授業の様子です。日常的にICTを普通に使っていてICTをどう使うかということは、もうあまり話題にならなくなってきています。本校が取り組んできたことは、このスライドの右側に書いてある四つのことです。ICT活用をすることが目的ではなく、日常授業を改善して、そして、次期指導要領にどうつなげていくかといった普通の公立の学校がやるべきことをやってきたということです。それに加えて、やはり校内の研修の体制をきちんと作っていかないと、いくら環境整備をしても進んでいかないと感じていますので、このこともやってきました。
 これのスライドは、よく御存じの図と思いますが、やはり段階的にStage1からきっちりやっていくことが大事だと思います。本市は、全校がStage1は達成をしていて、本校ともう1校がStage3という段階に来ています。
 Stage1について、本校・本市の状況を少しお話したいと思います。
 とにかく、まずは、教師がきちんと使って、先ほども話がありましたが、時間を短縮するためにも、この提示型ICT環境の常設は必要だと思います。そして、教師がきちんとICTを活用して授業ができるような体制、先ほどもお話ししました授業の研修体制をきっちり作るのもStage1の大事なところだと思います。
 本校の全教室、春日井市内の小中全教室もそうですが、このような常設の提示型のICT環境がそろっています。実物投影機があり、大型提示装置は、春日井の場合はプロジェクターを使っています。そして、ノートPCがあり、さらに、大事なのがこの台でして、どのように映すものを置くか、先ほどのプレゼンでもありましたが、子供たちが前に出てきたときに迷わないように、きっちり同じ台がどのクラスにもそろっています。当然ここには書いてありませんが、提示するものとして、指導者用のデジタル教科書とかを準備して日常的に活用できるようになっています。
 これもよく御存じの図だと思いますが、次期学習指導要領では、この一番左上の一斉学習以外の学習場面がたくさん求められることになります。とはいえ、一斉学習場面は、頻度は非常に高いです。さらに、Bの個別学習やCの協働学習でも必ずAの一斉学習の環境が必要になりますので、まずはこの環境の常設が重要といえます。
 写真で少し具体的な活用場面を御紹介したいと思います。常設環境は、毎時間どの教員もこのような感じで使って、教科書、そして、教材を大きく映しています。これは1年生ですね。当然ですが、ベテランほどうまく教材を拡大提示します。提示型ICT環境が入り、今までやりたくてもできなかったことが簡単にできるようになったということが大きいと思います。
 さらに低学年では、このように二画面用意してありまして、片方には指導者用デジタル教科書を映し、もう一方は実物投影機からの画像を映します。これは算数ですね。数図ブロックを動かす実際の操作を見せることで、効率化も図られていますし、分かりやすくもなっていると思います。
 ただ、大きくするだけではなくて、見えているはずですが、見るところをさらに強調するというようなことも、こういうものがあればできます。この後、画像を消して、線だけ見せれば、一般的な特徴を捉えさせるというようなこともできます。当然、板書は今までどおりです。さらに構造化をした板書を作るようになって、特に算数では、このように一番左にスクリーン、中央に習得的な問題をやって、右側には、同じようなパターンで活用の問題というような教科書の流れがうまく表れるような板書をしています。全員がこのようなパターンで板書できるようになっています。
 教科書、教材以外に、先生がいろいろな演示をすることもあります。書写の時間、春日井市は書道科という教科を教育課程特例校制度で認めていただいてやっており、1年生から毛筆をやっています。そのときに演示を多用します。ほかにも音楽でも、そして、算数でも、いろいろんな演示をする場面がありますが、こういうことは本当に手軽に拡大演示ができます。
 さらに、ノート指導が小学校の特に低学年では、大事なことだと思います。低学年では、子供が同じノートを用意してきて、どこから書き出すかとかきっちり指導します。この指導は、こういった拡大提示環境がなければ、時間が掛かったことですが、非常に効率よく子供たちに、どのようにノートをとるかということを指導することができます。この写真のような感じですね。ただ、これは低学年で指導して、高学年になれば、こういったことは、ひとりでにできるようにしていきます。また、今度は漢字の数が増えるというようなことを聞きましたが、これも短い時間で習得させるということが非常に大事です。提示型環境があることで非常に簡単に、そして、これこそすき間の時間に本校ではやっていますが、習得をさせることができています。
 ここまでは教師の活用でしたが、提示型環境で児童生徒は何ができるかというと、先ほどからも少し話が出ていますが、全体に考えを伝えるという場面で使います。低学年から前へ出て説明をすることをやっていますので、高学年なればかなりの発表の力が付いてきたということを感じています。発表だけではなくて、授業の中ではいろいろなことを、習得したことをやらせるということもあります。今まではこういうことを、実際に操作をさせて確認をすることはできませんでしたが、この提示型環境ができてから、こういうことが簡単にできるようになりました。短時間で多くの子が前へ出てきてやります。自信も付きますし、自分も同じようにできるようになりたいということで意欲付けにもなっています。
 このように、Stage1の提示型環境があれば、このような授業が展開できます。まずこういうことが短時間にできるということは非常に大きなことだと思いますし、こういうことをやっている中でICTをどう活用するかということがそれぞれの教員に、身に付くということを感じています。
 まとめると、短い時間で習得をさせて、子供たちのその後の活動時間を保障することができると思います。また、このスライドのように、普段からノートを使っていろいろなことを伝え合ったりしているので、タブレットが入っても、当然同じようにできます。タブレットが入ってきたからこういうことが自然にできるようになるわけではないとも気が付きました。
 さらに、校内の体制ですが、1枚だけスライドを用意しました。本校は、各学年4クラスという大きな規模の学校です。全体で研修をすることはなかなかできませんが、4クラスの担任たちは授業が終わってから学年主任を中心に授業作りのこと、ICTの使い方などを4人でいろいろ相談をしています。時々、模擬授業をやり、そして、全員集まらずに、集まれる近くの学年の担任と研究授業をやり、年に数回、校内研をやるというような形で、いつ何をするかということを細かく指示をしなくても、ゴールの日にちだけ示すと、こういうことこの日までにやろう、次は、これを目標にしようというところまで体制が整ってきました。こういった支える仕組みが必要と思います。
 次に、少しステージが上がったstage2、3ですが、先ほども少しグループ1台か1人1台かということが発表の中にありましたが、本校はグループ1台はやらずに、とりあえず40台、まずそろえていただいて、Stage3のような状況でスタートをしました。段階的整備をしないとうまくいかないと思いますし、台数だけではなく、以前からお話があるように、安定した無線LAN、授業支援システムの整備も必要です。さらに子供のスキルも育てないと十分に使えないということも感じています。
 最初にタブレット環境を整備した教室の様子ははこのスライドです。空いていた特別教室が一つありましたので、そこに40台を入れて、授業ができるように整備をしました。現在では、全教室に無線LANが入りましたし台数も増えました。さらに充電保管庫ごと教室に持っていって、活用をしています。今は40台×3セットですが、規模が大きい学校なので、少し使いにくい状態です。それでも各学年、単元計画をよく考えて、いろいろなところで使うようになってきました。
 最初にやったのは、考えを書き込むことです。今までノート、ワークシートでやっていたことを、タブレット上のシートに考えを表現することをやり、それをお互いで交換して、そして、全体で共有して発表するという形で、授業スタイルとしては変わらないですが、使うものを変えて、より多くの考えをみんなで共有するようなことを最初に始めました。今も、これはよくやっています。
 そのほかにもいろいろな活用をするようになりました。必要な情報を手元で大きくして見るとか、当然調べることもやりますし、先ほどのプレゼンで出てきたようなタイプの活用も順番に活用が広がってきました。また、小学生でも、こういった活用を繰り返し行い、また、教員の方も少し余裕が出てきて、何に使うといいのかなというのが見えてくると、ジグゾー学習を6年生で実践できるようにもなってきました。
 なお、従来どおりのPC教室は当然必要です。ただ、通常の授業がやりやすいように、デスクトップからノートに変えていただきました。また、いろいろ考えを入力することを始めると、やはりキーボード入力の力が必要だと気づき、最近では、すき間時間を使って練習をさせていて、かなり入力ができるようになってきました。これからStage4に向けてということで、やはり子供を少し鍛えて、いろいろな学習のスキルを身に付けさせて、そして、タブレット台数を増やしてもらって次の活用につなげていくということを感じています。もちろんできることから少しずつ実践を始めているところです。
 最後に、ICT整備とは関係ないですけど、1校だけのこういう実践だけでは不十分ですので、これをどのように水平展開するかということも考えて市全体でやってきました。本校で実践していることを春日井のスタンダードと位置付けて、本校に各校の中心の教務主任や初任者、そして、初任者を指導する拠点校指導教員等を集めて、本校の校内研を公開するという形で、授業を見ていただいています。ただ見るだけではなくて、場面を切り取って、それを全員で共有しています。参加メンバーだけでなくて、全校の全教職員が共有できるようにしています。以前から校務の情報化をやってきたので、このようなことはすぐできます。このスライドのように、場面を切り取って、みんなでいい場面を共有することをしています。また、少経験者を集めてICTを活用した模擬授業をやり、その指導を全校の教務主任がするというようなことも取り組んでいて、今は点から面への広がりを作っています。
 まとめますと、最初にお話ししたStage1のことについては、やはり常設の提示型環境が必要で、その段階で、教員も活用を学んでいくということ、そして、Stage2以降、段階的に台数を増やしていきながら深めていくことが重要ということが私の学校、そして、本市でやってきたことから言えるとを思います。
 貴重な時間をありがとうございました。
 以上でございます。

(11)質疑応答・自由討議

【堀田座長】
 ありがとうございました。それでは、水谷委員の御説明を踏まえまして、これから少しだけ質疑応答や自由討議をしたいと思います。今の話は、きょうだけで片付くとはもちろん思ってませんで、理想的なICT環境と、それを用いた学習をイメージしたときに、どこからどういうふうにやってきたかという一つの例として、水谷委員のところは、段階的に整備をしてきただけではなくて、それの活用、教員の授業を変えていく、あるいは研修を重ねていくということも、また段階的に行ってきたということかと思いますので、これらにつきまして、いろいろ御意見を頂ければと思うところですが、言うほど時間はありませんで、大体10分弱です。東原委員、お願いします。

【東原委員】
 簡単な質問。キーボード練習のことです。物理的なキーボードが要るのか、画面上のソフトキーボードでいいのか、その辺の御意見をお聞かせください。

【堀田座長】
 まず、水谷委員、それから、3校の先生に聞きます。

【水谷委員】
 やはり今までどおりのキーボードの方がいいと思います。本校はタブレット上でやるよりも、キーボードでカチカチと練習した方が子供の入力が進むと感じています。

【堀田座長】
 高井戸東小学校さん、お願いします。

【高井戸東小(佐藤先生)】
 私は段階的の方がいいと思っています。最初はキーボードがない、使いやすいタイプがよくて、だんだん使い慣れていくことによって、キーボードタイプにしていくことがいいと思います。これは自分の個人的な経験による実感になります。

【堀田座長】
 今のはハードウエアがということですか。

【高井戸東小(佐藤先生)】
 そうです、ハードウエアが。

【堀田座長】
 最初はタブレットでもいいけど、そのうち、ノートパソコンみたいになっていった方がいいということですか。

【高井戸東小(佐藤先生)】
 そうですね。OSの問題も関わってくると思うので、はい。最初は単純な、子供が分かりやすいOSで、キーボードがなくてもいいと思っていますが、徐々にタブレットの中に、キーボードが付いたタブレットにした方がいいのかと思います。

【堀田座長】
 今の徐々にというのは、整備の段階というよりも、子供の発達の段階ということですね。

【高井戸東小(佐藤先生)】
 そうです。子供の発達であったり、学習の段階とかですね。

【堀田座長】
 ありがとうございます。では、附属新潟小学校さん、お願いします。

【附属新潟小(片山先生)】
 当校は用いていません。ソフトキーボードで小学校は十分行けると思います。ソフトキーボードで私より速い入力できます。中学校などでは、やはり必要だとは思うのですが、なるべくどこを削るか、どこを残すかと言ったときには、タブレット端末があれば十分です。

【堀田座長】
 ありがとうございます。大須賀中学校さん。

【大須賀中(神谷先生)】
 どちらかという議論は非常に難しいと思うのですけど、やはり子供たちの必要に応じて、これはキーボードを使った方がいいとか、こちらはそのまま書いた方がいいとかというのが使い分けられるようになるのがベストかと思っています。本校としては、キーボード入力はほとんど行っていません。ただ、プログラミングとか、なってくるとやはりコードが必要なので、そういったときには必要かと思います。
 以上です。

【堀田座長】
 黒上先生、お願いします。

【黒上氏】
 キーボードか、手書きか、どっちが大事かというと、小学校段階では絶対手書きが大事ですね。そうすると、キーボード入力の能力というのは、キーボードを打つ入力を練習することそのものよりも、それは結局、学習のための情報を生成することを期待するわけです。そう考えると、ソフトキーボードで何がありがたいかというと、これまでに入力したものを反映したプロンプトが出てくることです。そうすると、同じ学習の内容についての自分の考えを打っていると、自分が打ったものがどんどん出てくる。そして、何回も使えるわけですよ。そうやっていくと、1分間に400文字ぐい簡単に打てるようになってしまうわけですね。2文字ぐらい打つと、一つ文節が出てくるので、そういうのをうまく使って自分の考えを表しているのを見ていると、絶対これの方がいいと思います。だから、ケース・バイ・ケースで、ともかく文字を書いたりするのは手書きでやって、情報を入力するときはタブレットでやって、キーボードを打つ能力を練習するときには、キーボー島のようなものを使って覚えるというふうな使い分けをするのが一番いいのではないかと思います。

【堀田座長】
 東原委員、いいですか、今ので。

【東原委員】
 はい。

【堀田座長】
 赤堀委員、お願いします。

【赤堀委員】
 水谷先生に質問ですが、私が興味深く思いましたのは、ICTの活用に必ず学習規律という言葉が入っていて、これは多分、先生のこれまでの御経験から、こういうところが重要だろうということは推測できるのですけれども、何か背景がありましたら教えていただきたいと思います。

【堀田座長】
 水谷委員、お願いします。

【水谷委員】
 若い教員が増えて、いろいろな基本的なことを一人の教員が一から指導するということがなかなか難しい時代になっています。また、子供も多様で、いろいろな違いが気になって、それが原因で学習が進まないこともありますので、最低限のことはそろえていくということが授業の効率化、そして、授業の安定に非常につながるということを感じています。別にすべてを統一するわけではないですが、スタンダード的なものがあれば、学年が進んで担任が代わっても、4月の最初からきちんと授業が進みます。基本的なことをそろえることが大事と感じてやってきました。
 以上です。

【堀田座長】
 いいですか。

【赤堀委員】
 すみません。基本的なことって何でしょうか。この学習規律というのは、起立、礼とか、そういうようなイメージですか。

【水谷委員】
 それよりも学習のルール的なことで、机上にどういうものを置くとか、ノートをどのようにとるとか、そういったところが中心になっています。

【赤堀委員】
 分かりました。ありがとうございます。

【堀田座長】
 ほかにいかがでしょうか。益川委員。

【益川委員】
 どうしてもICT学習環境の整備は予算の制約があるので、そのときに考えていったときに、いろんなお話を伺いながら、きょう、各教科の学習の基盤になる力というところで、もちろん情報活用能力というところもあるのですけど、それのところで必要な整備、あと、それに加えて言語能力であるとか、問題発見・解決能力みたいなところがありますので、そこを支えるICT環境整備みたいなところが例えばどういう整備をしていくと、どこがちゃんとカバーされているのかみたいなものをマップや表でわかりやすく示すなど、意識した形で整理していくと、その段階の作り方が整理された形で具体的に見えてくるのかというふうに思いました。
 以上です。

【堀田座長】
 ありがとうございます。まさにその整理のために検討チームが作られたということで、益川委員、よろしくお願いいたします。事務局どうぞ。

【松本課長補佐】
 事務局から大変恐縮でございます。先ほどの東原先生の意見について、各学校さん、様々な御意見だったと拝見しました。御参考までにお伺いしたいのは、高井戸東小学校さんは公立学校と認識してございますが、その5年生で1分間に41文字入力できるということだったとお伺いしていますけども、この41文字を入力するまでに、どれくらいの練習というか、準備が掛かったかというところだけ御参考までに教えていただければと思います。

【堀田座長】
 お願いします。

【高井戸東小(佐藤先生)】
 本校は9月にタブレットが導入されました。9月からですので、単純に考えると、先ほどの実践は12月の末のものになりますから、大体三、四か月、毎日トレーニングするという、そういった形になっています。

【松本課長補佐】
 すみません。トレーニングというのはどういう時間にやられているのでしょう。

【高井戸東小(佐藤先生)】
 それも先ほど示したとおりですが、すき間の空いている時間というふうに言ったらいいか、表現が正しいか分からないですが、そういった時間を使っているということです。あるいは家で練習するということも考えられます。

【松本課長補佐】
 ありがとうございました。

【堀田座長】
 今の話はカリキュラム・マネジメントとも関係するので、今後、私たちが整理しなくてはいけない話と思います。どうもありがとうございます。
 ほかにどうしてもというのがあればと思いますが、よろしいですか。
 それでは、ここまでとさせていただきまして、今のどういう整備をどういう優先度でということにつきましては、次回にかけてまた検討を進めてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

(12)調査研究の進捗報告

 それでは、私どものこの検討と同時に進めていただいています調査研究の進捗状況につきまして、三菱総合研究所さんからよろしくお願いいたします。

【安江氏】
 三菱総合研究所、安江です。よろしくお願いします。
 本日は、調査研究の経過ということで簡単に御説明したいと思います。まず最初に、本調査研究で大きく二つ、調査1にICT環境の在り方と、調査2にICT環境の実態調査を行っているところでございます。
 その次のページにありますように、調査1につきましては、ICT導入状況が比較的進んでいるところを対象に、必要機能の厳密化といったところを中心に調査しているところでございます。また、調査2につきましては、幅広くICT機器の導入実態等に関して、実態とその活用法の関係ですとか、システムとして見た場合、どうなっているかといったところを調査しているところでございます。
 この調査1の方につきましては、富士通総研様の方にお願いして進めていただいていますので、その点につきまして、御説明をお願いします。

【蛯子氏】
 富士通総研、蛯子と申します。よろしくお願いいたします。
 調査1について、簡単に進捗を御報告いたします。こちらは授業を分析しておりまして、小学校、中学校合わせて100程度の事例を分析しているところです。内訳で言いますと、小学校が70、中学校が30、まずは小学校から進めているところです。
 お手元に配付している資料では25事例の分析結果を出していますけれども、今、こちらスライドに示しているものは、40事例の分析結果ということになります。こちら、括弧書きで書いているものが既に分析が終わっているもので、学年の発達段階と教科ごとに、なるべく網羅的に事例を選択するように留意しています。
 次のスライドが中学校になります。これはこれからの着手になります。
 次のスライドです。こちらは各授業においてどれぐらいICT機器が使われていたのかを、主要と思われるものをピックアップしております。ここで示したように、大型提示装置はかなりの頻度で使っているということが分かると思います。
 そして、次のスライドです。授業分析に当たっては場面ごとに分析をしておりまして、それぞれICTの観点から、どのような活用場面があるかをかなり細かく分析しております。こちらに示したものが場面です。一つの授業で何回もやるというケースがあるので、1回が3回に対して3分の1なのかと、そういう議論ではないですけれども、一つの目安として、数が多いというものは、場面として非常に多いということで解釈いただければと思います。こちらの赤枠で示しているものが非常に頻度の高いものということで示しております。

【安江氏】
 続きまして、調査2についてご報告いたします。調査2では大きく三つの調査を行います。まず、aと書いてありますとおり、ICT環境整備実態の再整理ということで、これにつきましては、既存の調査と書いてあるとおり、学校における教育の情報化の実態等に関する調査のより詳細な分析ということを行うとともに、文献調査で、教育の情報化の全体像、全体的な導入実態ということを調査します。
 また、二つ目としまして、ICT環境整備実態の追加調査ということで、こちらのaの方ではなかなか把握できない部分につきまして、アンケート等を実施して、より細かいところを詳細に調べるということを考えておりまして、ここでは二つ、既存案件の調達仕様書の分析ということと、アンケートを行ってaのところに書いてある調査では分からない部分について調べるということを考えております。
 また、3点目としまして、インタビュー調査ということで、ICT環境の活用場面とか、活用方法、整備計画、整備上の課題等をaとbではなかなか把握しづらい部分につきまして、より深く調べるということを考えておりまして、具体的には、教育システムベンダーへのヒアリングと、教育委員会へのヒアリングということを考えております。
 次のスライドですけれども、最初のaのところがICT環境整備実態の再整理ということで、学校における教育の情報化の実態等に関する調査データにつきまして、以下のような観点からデータの再整理を実施しているところでございます。具体的には、大型提示装置の導入状況ですとか、教育用PCの導入状況、あるいはWi-Fiの導入状況とか、そこに書いてあるようなものを考えております。
 幾つか例を示しておりまして、12ページとか、13ページにつきましては、今現在、例えばこういった調査を行いながら、どういったようなセグメンテーションができるのかと、その導入状態につきまして、セグメンテーションができるのかということを分析しているところでございます。
 続きまして、bのところです。まずは、調達仕様書の分析ということで、この14ページと書いてあるスライドにあるような項目に基づいて、過去3年間に学校への整備を目的としたICT機器の調達仕様書の分析を行うということで、コンピューター教室のリプレースで、デスクトップからノートPCですとか、タブレットに移る場合とか、普通教室への導入といったようなところをターゲットに仕様書を集めたところで、今現在、100例程度入手済みということでございます。
 大型提示装置につきましては、例えばこういったような形でより細かく分類することも含めて分析を考えているところでございます。
 もう1点、教育委員会を想定したアンケートというものを検討しておりまして、より詳しい情報の収集というのも考えております。こちらにつきましては、より細かい項目案をその次のスライドに示していますけど、今、内容を最終的な調整を行っておりまして、確定後、速やかに実施したいと考えております。
 それから、3点目、インタビュー調査ということで、まずは教育システムベンダー向け、供給側へのヒアリングというのを実施し始めたところでございます。ここにありますような形で進めているところでございます。
 それから、もう1点、需要側ということで、20ページにある教育委員会等へのヒアリング項目です。21ページにありますように、教育委員会向けのヒアリングということで、今度は需要側から見た使い方とか、そういったものをヒアリングするということも考えてございます。
 以上です。

【堀田座長】
 ありがとうございました。いつものことながら、毎回のこの会議のときに進捗状況を御説明いただいているところでございます。詳細は、もう間もなくデータが全部出そろうと思いますので、そのとき、また改めまして御説明いただくことになると思います。よろしくお願いします。どうもありがとうございました。
 これについて、何かどうしても質問しておきたいことがありますか。いいですか。

【東原委員】
 16ページをお願いします。教育委員会へのアンケートを考えられるということでしたら、調達の仕方が一括かとか書かれていますけど、広域というか、他の町村と足並みをそろえるというような話が出てきているかどうかを知りたい。
 それから、もう一つは、常設がキーワードになっていますけど、常設と言っても、例えば移動式のものをその部屋にずっと置いておくという意味なのか、壁に付けているのかとか、詳細を知りたいと思います。

【安江氏】
 ありがとうございます。

【堀田座長】
 設置形態みたいなこともですかね。あと、コンピューターに限らない調達、周辺機器と言われるものの調達もあると思うので、その辺もよろしくお願いします。
 では、大変恐縮ですが、ここまでとさせていただきまして、整理をさせてもらいます。前回は、次の学習指導要領のことを御紹介いただいて、施策としてどういうふうに押さえていくかということをやりました。今回は、具体的に学習場面を実践者にプレゼンしていただきまして、いろいろ共通理解をしたということです。私たちに残されている次のミッションは、ICT環境のどれとどれが次の学習指導要領から見てどういう理由で、どういう優先順位でやるべきか、どこまでの機能を入れるべきかという深掘りの議論でございますので、これを次回以降で進めていきたいと思います。きょうはたくさんの有益な話を頂きまして、ありがとうございました。
 一方で、議論の時間が少なかったものですから、もし委員の皆さん、お手数ですけれども、さらに御意見、あるいは追加の質問等がありましたら、メールで頂ければと思いますし、ウエブ会議で参加の高橋先生には、一つもこちらから回すこともできなかったんですけれども、大変申し訳ございませんでしたが、そちらからも是非、御意見はメールで頂ければと思います。
 最後に、次回以降の日程等につきまして、事務局からお願いいたします。

【松本課長補佐】
 本日はありがとうございました。
 次回の日程でございますが、3月13日、日程をまだ皆様に御連絡できてございませんが、18時から20時で予定をしております。本日頂いた御意見については、事務局にて取りまとめた上で事前にお送りさせていただきます。
 次回は、この今回御了承いただいた検討チームで資質・能力とICT活用の有効性、これを整理いただいたものを御報告いただくとともに、きょうの水谷先生のプレゼンでございました優先順位、また、機能論、こういうところについて、中心的に御議論を頂ければと思っている次第でございます。
 また、2月24日までに御意見を頂戴したいと思ってございますので、先ほどのMRIさんの調査も含めてでございますけれども、御意見ございましたら、2月24日までに事務局まで御提出を頂ければと思います。ありがとうございました。

【堀田座長】
 きょうは2月20日でございます。大変お忙しいところ、恐縮ですが、メールでの御意見をよろしくお願いいたします。
 それでは、本日の会議につきましては、これでお開きとさせていただきます。どうもありがとうございました。

―了―

お問合せ先

生涯学習政策局情報教育課

-- 登録:平成29年03月 --