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学校におけるICT環境整備の在り方に関する有識者会議(第2回) 議事録

1.日時

平成28年12月9日(金曜日)18時00分~20時00分

2.場所

文部科学省3階 3F1特別会議室

3.議題

  1. これまでの議論の整理
  2. ヒアリング
  3. 自由討議

4.議事録

(1)堀田座長挨拶

【堀田座長】
 それでは、定刻より少し早いですが、ただいまより、学校におけるICT環境整備の在り方に関する有識者会議の第2回を開催いたします。
 本日もまた、遅い時間にもかかわらず、お忙しい中、御参集いただきまして、誠にありがとうございます。
 本日は、都合によりまして、生田委員、太田委員、山本委員が欠席というふうに伺っております。
 また、きょうはヒアリングを行います関係で、その御説明者として、武雄市教育委員会副教育長の浅井雅司様、株式会社内田洋行の志儀孝典様、三菱総合研究所の安江憲介様に御出席いただいているところでございます。発表者の皆様におかれましては、お忙しいところ、わざわざお越しいただきまして、ありがとうございます。よろしくお願いいたします。

(2)これまでの議論の整理について(事務局から説明)

【堀田座長】
 それでは、議事に入らせていただきます。本日は、まず、第1回会議で皆様に頂いた御意見、その後に頂いた御意見を事務局で論点別に整理を頂いております。まず、これを説明いただきまして議論をするというのが最初のきょうの議事でございます。
 続きまして、その後、後半は、更に検討を深める観点として、まず、武雄市教育委員会の浅井様から、実際に武雄市がどのようにICT機器を調達してきたかということについて、機能面、活用面の観点から御説明いただくということと、続いて、様々な実証研究の成果につきまして、株式会社内田洋行の志儀様より幾つか御説明を頂くということ、そして、三つ目に、私どもとしては、これからエビデンスを拾っていくことになりますので、そちらを担当していただく受託業者の三菱総合研究所の安江様に提案を頂くという形になります。
 では、最初は、事務局から、第1回会議における議論の整理について説明を頂きます。
 最初に方針だけ確認をしておきたいですが、私どもがこれから作ろうとしている教育ICT教材整備指針、どのぐらいの枚数になるか、どのぐらいの表現になるかはまだ確定していないところではございますが、これは単純にこういう機器がある、こういう機器を入れるといいという単純なリストにするということではもちろんございません。
 学習指導要領の改訂が今どんどん進んでおりますので、その次期学習指導要領で期待される学術活動をイメージするということと、もう一つは、例えば「デジタル教科書」等について議論が進んでいますし、プログラミング教育等もこれから入ってきますし、そういうような学習活動を想定したときのICT活用のイメージをできるだけ具体的に想定するということになります。
 しかしながら、それはすばらしいリッチな環境であれば、どれもできるわけですけど、財源との関係もありますし、国で最低保障するのはどこまでかという、そういう観点もありますので、できるだけストイックにやらなくてはいけない部分もあるというその痛しかゆしなところがありますので、ここは最低やはり必要だと、順番はこっちから必要だというようなことを議論いただくというのが今回の趣旨でございます。
 そういう観点で、前回の議論を整理していただいているところを事務局からまず御説明いただけたらと思います。よろしくお願いします。

【松本課長補佐】
 失礼いたします。資料1をごらんいただければと思います。
 前回第1回会議では、検討項目として1から5までの検討項目を示させていただきました。それに応じて、前回どのような意見があったかというものを整理させていただいたものが資料1でございます。
 1.で、まず、資料1の左側、1.効果的なICTの活用事例としてどのようなものが考えられるかということでございます。一つ、「教員によるICT活用」というタイトルで整理をさせていただいていますが、教員によるICT活用としては、学習のあらゆる場面で使われているということ。そして、教育の情報化に関する手引き等では、以下の四つに整理をされているということ。学習に対する児童生徒の興味関心を高めること、そして、児童生徒一人一人に課題をつかませるため、分かりやすく説明したり、児童生徒の思考や理解を深めさせたりする、学習内容をまとめる際に児童生徒の知識の定着を図ること。
 そして、教員によるICT活用の主なものは、資料などの提示がほとんどであることと、また、その際に使われるICT機器は以下の2点ということで、映す内容を提供するICT、これはコンテンツ等のことを指します、また、大きく提示するICTとしてプロジェクター、大型テレビ等というようなことがプレゼン、また、議論、御議論の中でございました。
 また、教員による提示としては以下のようなものがあると。大きくスクリーンに教科書・教材・ノート等を拡大投影すること、デジタル教材の拡大投影、そして、実演や操作を拡大投影すること、指導者デジタル教科書の活用をすること、また、めくっていただいて、フラッシュ型教材の活用、このような提示の仕方があるというようなことでございました。また、いろいろな学びを進めていく中で、課題をどう提示するのかが極めて重要だというような御指摘もございました。
 その他、以下の点の考慮が必要ということで、提示以外でも、教材研究・指導の準備・評価のためのICT活用や児童生徒のICT活用に付随したICT活用と、こういうものも重要であろうというような御指摘を頂きました。
 もう一つの観点でございます。児童生徒によるICT活用ということで、現行学習指導要領では、この「情報の収集」、そして、「映像等の視聴」、こういう記述が多いというようなことでございました。
 そして、具体的な活動としては、ノートやワークシートを実物投影機で映して発表すること、また、調べたことなどをプレゼン資料にまとめて発表すること、教育用コンピュータをノートやワークシートの補助として活用し、個人で課題に取り組む際に試行錯誤したり、考えたりしたりすることと。そして、書き込んだことを隣同士で見せ合ったり、共有したり、さらに、授業支援システムを活用して、学級全体で共有すること。また、個別学習で問題に取り組むこと。さらには、転送した資料の読み取り、インターネットを活用した情報収集等々の活用が見られるというようなことでございます。文章を表示したり、図や写真を表示したりするような見る活動が多い一方で、入力に不自由している可能性もあるというようなことでございました。
 そして、実際の学習場面で見ていくと、最も多いのは個別学習であり、ずっとグループ学習であるというようなことはなかなかないというような御指摘もございました。
 また、総合学習にはICTを活用すればより充実すると考えられるような活動や、ICTが不可欠な活動などがあるというようなことも御指摘がございました。
 以下、省略をさせていただきますが、活用としてはこのような活用があるというようなことでございます。
 続きまして、戻っていただいて、二つ目の論点、優先的に整備すべきICT環境は何かというようなところでは、一つ目としては、誰が見ても保護者負担や個人負担にならないようなものは先に整備しておくべきであろうというような御指摘、また、その学習活動にICTが絶対に必要かどうかという観点から整備していくべきだという御指摘もございました。
 さらに、具体的な機器の整備としては、児童生徒用端末導入以前に、どの教員でも容易に活用できる提示型のICT環境の常設が最優先であるというようなことも御指摘がございました。
 一方で、何よりも重要なのがインフラ、無線LAN等々でございますが、その整備の方が重要であって、インフラの整備に次に必要なのがソフトウエアでございまして、更にその後に大型掲示等の機器の整備が必要だというような御指摘がございました。
 また、高等学校の場合は、学校がインフラを整備し、生徒がスマートフォンをつなげられるような環境が整えられれば、1人1台の情報端末の学習環境の実現に近づくのではないか。また、アクティブ・ラーニングをするに当たっては、実物投影機とプロジェクターが有効である。このようないろいろな御指摘がございました。
 ここについては、まだそれぞれ認識、共通認識が得られているというよりは、それぞれの置かれている学校の環境、また、想定している授業によって、それぞれの御意見があったというふうに理解をしてございます。
 機器の置き方に関しては、全ての教室に使いやすいICT機器が使いやすく常設されている場合、ほぼ毎日使われているというようなこと。また、その大型提示装置については、これも同じで、教室に常にある、スイッチ一つですぐに使える環境にすることが重要である。また、小学校の場合は、その大型提示装置を運んで使うというのは現実的ではないということ。また、中学校の場合も同様でございますが、教科担任の教員が教室を移動することを考慮すると、普通教室への大型提示装置の常設が必要であるということ。また、ワンフロアに1台の大型提示装置だと、子供の安全を考えると、教室に常設の方が望ましいと、このようなコメントも頂きました。
 また、教育用コンピュータについては、グループ単位ではなく、クラス単位で整備していくことが必要であるというようなコメントもございました。
 ソフトウエアについては、学習用ソフトウエアの整備も重要であり、ツール系とコンテンツ系の二つの区分けが必要だというような御意見。さらに、サーバについては、クラウドが読めるようにしておくことが重要である。さらに、完全な1人1台教育用コンピュータ環境の整備が困難な中では、従来のパソコン教室は今後も必要だと、このようなコメントもございました。
 三つ目の論点、求められる「機能」のところでございます。ここについてはまだ余り御意見が出てないところでございますけれども、キーボードについては、キーボードの入力の能力を育てることが必要であって、キーボードが不可欠であろうというようなこと。また、大型提示装置についても、天つりプロジェクター等々の御意見がございました。
 四つ目の論点については、頻度、どの程度活用するのかというところでございますが、教育用コンピュータは、1日1回くらい活用できるような台数があるとよいのではないかというような御意見があった一方で、教科担任制の中学校、高等学校の場合は別の考え方が必要だというような御意見もございました。
 その他、エビデンスのところはまだ具体的な御意見を頂いてございませんが、教員研修の重要性等についても指摘をされているところでございます。
 続いて、資料2をごらんいただければと思います。この「第1回会議を踏まえた検討の視点(参考メモ)」ということで、これは第1回の御議論を頂いたところを、事務局としてエッセンスを抜き出して議論のために整理をさせていただいた次第でございます。
 今申し上げたように、ICTの活用としては、教員による活用、左側でございますが、教員に活用ということで、授業における活用とその他の、1-2でございますが、教材研究や指導の準備・評価のためのICT活用、そして、二つ目として、児童生徒によるICT活用、これ、こういう区分ができるのではないかというようなことでございます。
 そして、教員によるICT活用というのは、真ん中の黄色い矢印のところでございますが、「ICTによって、教員の授業力の向上を図る」という観点、もう一つは、「ICTによって、教員の業務負担の軽減を図る」という観点、そして、児童生徒の活用によっては、「児童生徒の学習の質を高める」と、こういう観点があるというようなことを整理させていただきます。
 そして、教員によるICTの活用、授業における活用においては、基本的には、先ほど申し上げたように、提示型が多いというようなこと、そして、校務のところがございますが、児童のICT活用としては、情報の収集とか映像の視聴とかドリル型とか、様々な活用が考えられるというようなことでございます。
 そこで、右側のICT環境を整備する際の視点と、観点というところをごらんいただければと思います。本日このような観点で第1回の議論を更に深めていただきたいと考えてございます。
 一つは、このような活用ニーズ、教員によるICT活用、児童生徒によるICT活用、このような活用のニーズや意義が教員や児童生徒にどの程度あるのかというようなこと、具体的に言えば、毎日の授業においてどの程度活用されているのか。ここは国として、ICT環境整備を進めていくというときに、やはり必須だからこそ、保障していくというような考え方になるわけでございます。そこと連動するわけでございますけれども、やはり毎日使う、不可欠だと、こういうものであれば、それはちゃんとそろえていこうということになりますけれども、その中での一つの観点としては、どの程度活用されているのか、また、今後活用されることを想定するのかというところ。
 そして、もう一つは、頻度としては活用頻度は少ないけれども、特定の教科等において活用することが必須か否かと。例えば、教材整備指針等においても、理科の教材の中で、例えば人体に関する模型等々の模型がございます。この人体に関する模型については、毎回使うわけではございません。その理科の単元の中でのみ使うということを考えれば、活用頻度とすれば年の数回かもしれませんけれども、ただ、そこの授業当該単元を学ぶには不可欠であると、こういうような考え方がございます。ICT活用という観点から、その教科等の観点に立ったときに、そのような使い方があり得るかどうかというようなことも視点として入れていただければと思います。
 さらに、現在、次期学習指導要領の改訂に向けた議論が行われてございます。また、「『デジタル教科書』の位置付けに関する検討会議」最終まとめも、今、座長預かりということになってございますけれども、そのようなことの議論も考慮することが必要でございます。ここの中教審の次期学習指導要領の検討、また、デジタル教科書の有識者会議の報告についてはまた次回以降、タイミングを見計らって御報告をさせていただければと思います。
 下の方でございます。保障すべきICT活用と求められる機能ということで、それぞれ活用ニーズを整理した上で、国においてどこまでICT活用の実現を保障すべきであるかということ、さらに、どこまでの機能を保障すべきか、というようなところでございます。機能論で言っても、例えば提示をすると一つ取っても、ものを単に映すということだけではなくて、それに更にインターネット、また、パソコンをつなげて様々なものを提示するといえば、それは使う機能が全く異なってくるわけでございますけれども、その機能をどこまで国として保障するのかと、こういうような観点でも是非御議論を頂きたいと思っている次第でございます。
 以上になります。

【堀田座長】
 ありがとうございました。大変きちんと整理していただきまして、資料2に端的にまとめていただきまして、ありがとうございます。
 この事務局の説明を踏まえまして、私どもはしては、第1回の議論に加えて、きょうは更に議論を深めていきたいわけですが、最初に、まず、山本委員、きょう御欠席ですけれども、御意見いただいていますので、これについて、事務局から御紹介をお願いいたします。

【松本課長補佐】
 失礼いたします。机上資料として、山本委員提出意見というものがございますので、事務局で読み上げさせていただきます。
 一つ目、提示装置の必要性。「教師がわかりやすく説明したり、課題を提示したりすることはとても重要なことと思われます。特に、課題提示等では、授業改善の視点に立って、児童生徒の主体的・対話的な学びを取り入れるように配慮する必要があります。従来の一斉型指導だけでは成立しないと思われます」。
 「そのため、1.教師の活用と2.児童生徒をうまく組み合わせて取り上げられる必要があると思われます。また、教育委員会の予算面から見ても、児童生徒が情報端末を活用することが、整備に直結しやすいことがあります」。
 (2)アクティブ・ラーニングの視点に立った検討。「主体的・対話的で深い学びの実現を支えるICT活用の視点が必要と思います。児童生徒が、情報端末を有効に活用して、主体的で能動的な学習を展開することができると考えられます。その際、教育用PC等の情報端末の範囲をどのように考えるか、またグループ1台、1人1台等の活用形態についても検討する必要があると思います。また、より主体的・対話的な学びを実現するには、児童生徒が情報を収集したり発表したりして主体的に関われるよう、教材コンテンツの提供やクラウド環境なども検討していく必要があると思います」。
 (3)現状把握からの目標設定。「現状の導入状況を見ると、いくつかの段階にあると思います。まだこれらという地域、ある程度進んでいるがまだ十分でない地域、かなり進んでいる地域など、それらの状況を把握して、整備の目標を明らかにすることも必要と思います。また、市町村教育委員会の整備を推進する上では、都道府県教育委員会の先導が重要かと思います。都道府県立学校の環境整備が進むことで、都道府県教委から市町村教委への呼びかけ(お願い)や啓発も進めやすくなるかと思います」。
 以上になります。

【堀田座長】
 ありがとうございました。貴重な意見を頂いております。
 それでは、意見交換に入りたいと思いますが、時間は15分ほどしかございませんので、恐縮ですけれども、意見のある方は早めにこのこれを立てていただいて表明していただければと思います。
 では、益川委員、行きましょう。

【益川委員】
 第1回会議の取りまとめ、ありがとうございます。感じたことを幾つか述べたいと思います。
 一つは、第1回のときは、皆さん思われている現行の現状であるとか、そういう意見が主であったので、今後こちらのICT活用事例とか、まとめていく際に、例えば審議のまとめで言われています対話的、主体的で深い学びを実現するためという視点から、全体像をまず整理する必要があるのかと思いました。
 それから、続いて、こちら、整備していく上で、例えば人体模型の例とか言っていただいたのですが、それですと、具体的にその単元でそれが必要というふうになるのですけど、対話的、主体的で深い学びという観点からいきますと、全ての教科に全部必要というのが最終的には前提となると思います。
 ただ、今回のこのICTの環境整備となりますと、予算という大きな問題がありますので、そういう視点で本当の理想像とそのためにどういう段階を踏んでいくかというところを明確に全体像が見える中で整理していかないと、今回まとめていったもので十分だというふうになってしまいかねないかと。そこの切り分けというものをきちんと作っていく必要があるかと感じました。
 僕の方からは以上です。

【堀田座長】
 ありがとうございました。
 柴田委員。

【柴田委員】
 大変すごく分かりやすい整理になっていて、有り難いと思っています。ありがとうございます。
 今回、この会議で非常に私が興味を持って期待しているのはこの優先順位という考え方を今この場で議論していることだと思っております。今まではどちらかというと、あれもこれも備わったどちらか、汎用性の高い、しかも、あの機能もこの機能も入れたものを、どうせ整備するなら入れた、同時に整備、色々な機能を求めようというのが多かったのかなと思います。
 その結果、導入コストが高くなったり、それから、その分、少し使うというときに非常に大掛かり過ぎたりすることがあったのかと思っています。特に研究授業なんかを見ると、ICTを使う場面はほんの少しですが、どうせ使うなら、もっとここに使ってみようという感じで無理して使ってしまった。その結果、余り効果的じゃない部分もその授業で起こってしまったというのも何度か目にすることがありました。
 やはり何が一番この学習活動でICTがなくてはならない機能なのかというところを是非その学習活動から見た優先順位というものを考えていくと有り難いと思っています。
 以上です。

【堀田座長】
 ありがとうございました。
 高橋委員。

【高橋委員】
 東京学芸大学の高橋でございます。よろしくお願いします。
 大変分かりやすい整理を頂いたというふうに思っています。ICT活用事例の1と2という、こういう毎日というのと特定という分け方、なるほどと思いました。1の毎日の授業においてということは、例えば教員によるICT活用といえば、例えば教員の発話、発問とか指示とか説明を助ける使い方というようなことになるかと思いますし、児童生徒のICT活用でいえば、先ほど益川委員がおっしゃったような対話的とか深い学び、これも現実にすごく分解していくと、対話的というのは2人で対話的に調べているとか、対話的にまとめているとか、対話的に発表しているとか、調べてまとめて伝えるような一般的なそういう学習活動を、ICTをプラスすることによってより良くしているというような観点になるかと思っています。
 なので、ここに関しては、ICTの機能は必要であるものの,授業がうまくいくかいかないかというのは、そもそもの学習指導技術とか、指導技術とか、そういうところも強く影響するかと思っています。
 となると、空欄の5.番のエビデンスという部分は、1の方を指向する場合、どちらかというと活用回数になるのではないかと。やはり対話的な活動というものはICTが加わることでより良くなるということは言えると思いますが、これによって、ICTによる対話的な活動が成立するということはなかなか、遠隔授業みたいなことを除けば、なかなか難しいのではないかと。だから、これはエビデンスとしては1に関しては回数みたいなイメージかと思います。
 2に関しては、例えばドリルみたいなものとか、例えば、動画で、川の上流、下流といった、NHKにはありますけれども、削れていく様子とか、そういうような特定の何かが必要なものは整備されたとして、これに関しては、例えばドリルをすることによって何か知識がより身に付いたみたいな感じで、学力の方からエビデンスが評価できる可能性があると思います。一方で、この1と2という分け方でいくと、特に1が毎日なので大変によく使われるとは思いますが、この場合、一般的な教師の学習指導や子供の学習活動をより良くするとか質を上げていくという観点でICT活用を考えるといいと思います。エビデンスとして、何か学力論みたいなことで、証明することはなかなか難しくなるかと感じたところです。
 以上です。

【堀田座長】
 ありがとうございました。
 少し補足すると、今、益川委員から出た意見と高橋委員から出た意見でいう「常にそれは使います」とICTについては、恐らく日頃から行われている学習活動を更にやりやすくする、あるいは、豊かにするための装置としてのICTだというふうに考えると、それはいつでも使えるものであって、個別の学習内容や学習場面のみとはひも付かない。
 一方で、人体模型の例のように、ある特定の学習内容にそれがあった方がはるかに分かりやすいもの,例えば、天体の話とかはそうだと思いますし、そういうタイプのもので、今までは具体的な教材、教具だったものが、デジタルになることで更に分かりやすくなるようなものというはあるでしょうと。つまり、それは教育内容にある程度ひも付いたものという考え方かと思います。
 そういう分け方でいうと、教育内容にひも付いているものはもしかしたら教育効果がダイレクトに図れるかもしれないけれども、もう一つの方は、ツールとか場面が不定のものについては、高橋委員のおっしゃったように、頻度とかいうことを定性的に見ていく部分もなくしてはならないのかと感じました。
 ありがとうございました。
 水谷委員、お願いします。

【水谷委員】
 お願いします。今、座長が言われたようなことと同じようなことになりますが、小学校の現場からということでお話をさせていただきます。この前も同じようなことをお話しさせていただきましたが、活用頻度というと、やはり資料2の1.-1の教員による授業におけるICT活用については、この表にあるようなものが入れば、ほぼ毎日、毎時間活用という状況に自然になっていくと思います。本校ではそういう状況になっています。
 今まで本当にベテラン勢が苦労して教えてきたことが、このツールを使うことによって非常に分かりやすく教えることができること、また、最近は、発達障害系などすごく大変な子たちが多くのクラスにいますが、そういう子たちにも非常に有効だということで、使い出すと毎時間ないと困るような状況になってきました。ですので、頻度というと、毎時間使うものなので、整備としては非常に優先順位が高いのではないかと思います。
 こういった活用をしていると、習得の時間がコンパクトになって、子供の活動を保障する時間ができてきますので、資料2の「2.児童生徒による活用」の方へ進んで行くということを強く感じております。
 特定の教科については、具体的なイメージをこの場では出すことができないですが、やはりその単元、その教材に合ったいろんなコンテンツがいろいろありますし、これからいろいろ充実していくと思いますので、それは次の段階で考えていけば、限られた予算が有効に使われるのではないかと思います。
 以上です。

【堀田座長】
 ありがとうございました。
 中川副座長、お願いします。

【中川副座長】
 よろしくお願いします。
 議論の整理のところですけれども、今、先ほどから益川委員から冒頭に御意見として頂いたことから発して、アクティブ・ラーニングという言葉が2.の真ん中ぐらいに、「実物投影機とプロジェクターが有効」というところに1か所だけ出てきていますが、やはり配付されました第1回会議における提出意見でも、かなり、項目として実際に立っているわけです。
 そういうことを考えますと、やはりこの議論の整理のところに、しっかりとアクティブ・ラーニングに関して項目として、様々な意見があるということも含め、議論の整理ですので、そういうことを入れていただければいいのではないかということがまず1点です。
 それから、2点目は、先ほどから出ているように、やはり地域差、これは山本委員も指摘されているように、この辺を認識しつつ、この段階的というところを一つこの議論の整理の中に盛り込んでいただければいいのではじゃないかということが2点目です。
 それから、先ほどの意見の提出意見のところを見ていますと、ICT支援員の話も出てきていますので、これについても少し項目立てを検討いただければいいのではないかと思いました。
 以上です。ありがとうございます。

【堀田座長】
 ありがとうございました。地域差、段階、あと、柴田委員がおっしゃった優先順位ですね。ここら辺は現実論としては議論しなくてはいけないところかと思っております。
 赤堀委員、お願いします。

【赤堀委員】
 資料2のところのICTの活用事例のところの1、2でありますけれども、どの程度活用されているかという点ですが、ほかの特定のコンテンツと違って、こちらの色々なデジタル授業というのは授業のいわば機能みたいなものをサポートするものなので、かなりルーチンで使われるのではないかと思っております。
 昔、イギリスの電子黒板の研究で、いわゆる1時間の授業でどのぐらい使っているかという頻度のデータがありましたけれども、あれによれば、授業の初めの5分間と、それから、まとめの5分間というのはかなりピークが高くなっている、そういうグラフがあります。でも、大体の授業がベテランとか新人とも関係なく、そういう使われ方をしております。
 もちろん日本の場合ですから、授業の真ん中でも使うとは思いますが、いずれにしても、ある程度慣れていけば、先ほど皆さん委員がおっしゃったように、かなりほかのものと違って、例えば理科のビーカーをどのぐらい使うかとはちょっと違って、いわゆる環境としてのデバイスなので、一旦ちゃんと入れば、使われるのではないか。ただ、先ほどありましたように、何か運ばなくてはいけないとか、色々な煩わしいこと、それから、トラブル等があると使わなくなるので、そのケアは非常に重要ではないかという気がしております。
 2でありますけれども、特定の教科等に活用する必要性、コンテンツの話ですが、コンテンツの話を真面目に考えると、教科掛ける学年掛ける単元みたいなことになって、莫大なことになってしまう。
 一番簡単なのは、これは私どもの団体、森本とも色々と話して、一番手軽なのはやはり指導者用デジタル教科書ではないかと思います。あれはほとんどの単元が入っておる。ただ、それをこの国として推奨できるのか、これは分からないけれども、具体的なイメージとすると、教科書に準拠した指導者用のコンテンツは確かにあります。
 そういうことであれば、部分的にこれを使うということはかなりの頻度で使用してくれるのではないかというのが今の印象です。
 以上です。

【堀田座長】
 ありがとうございました。
 ほかに御意見、いかがでしょうか。
 では、ここで一旦一区切りとさせていただいて、また、後半の意見のところで併せて御意見いただければと思います。ありがとうございました。
 ICT活用のイメージについての前回の議論の整理に付け加えるということについてはここまでとします。
 先ほど、主体的、対話的で深い学びの話とかアクティブ・ラーニングの話とかが出ていますが、これは次期学習指導要領に向けて、今、教育課程の在り方について中教審が最終答申を今まとめている最中で、今ちょうど審議途上なものですから、確定後にこの会議ではしっかりと御説明いただきたいということで、次回以降を検討しているところでございます。
 それと同時に、先ほど事務局から御説明いただいたように、デジタル教科書の位置付けに関する検討会、この場合のデジタル教科書は学習者用のデジタル教科書ですが、これはつまり教材の内容、教育内容がひも付くわけですけど、これについても、最終回の会議が先般終わりまして、今、主査預かりで、もう間もなく公表が近付いているところでございます。
 これらの動きは、私どものこの教材整備の考え方と非常に大きく連動する部分でございますので、次回以降、国としての動きを正確に把握しながら、私どもも議論していくという形にしたいと思います。

(3)関係者からのヒアリング(武雄市教育委員会 浅井副教育長)

【堀田座長】
 続きまして、検討事項の、先ほどの資料1でいうと、真ん中にある3番目です。機能の話について、先達の様々な情報を頂くということになります。
 きょうは武雄市さんと内田洋行さんに御説明を頂きますが、もちろんほかにもたくさんの実践事例はあります。今までどちらかというとモデル事業的に何か導入し、活用し、好事例を引っ張り出してきたみたいな、そういうやり方でやられてきたものですが、ここから先、私どもが議論しなくてはいけないのは国としてどこまでを保障していくかという財源の措置の話につながりますので、そういう話で、どちらかというと、モデル事業というよりは、全国で必ずやっていただかなくてはいけない事業の考え方ということになりますので、調達のしやすさとかコストとか利用頻度がもう高いものしか入れられないという現実の中で議論していく必要があります。
 そういう考え方につながるように、まずは、これ、一番進んでやってきているところですが、佐賀県武雄市の教育委員会の浅井副教育長からプレゼンテーションを頂きたいと思います。
 それでは、よろしくお願いいたします。

【浅井氏】
 皆さん、こんにちは。佐賀県武雄市で副教育長をしております浅井と申します。座って説明させていただきます。
 まず、武雄市自身についてですけれども、市の規模としては人口が5万人程で、学校としては小学校が11校で3,000人弱、中学校は5校で、1,300人程となっております。
 武雄市において、どのようにICT教育を取り組んでいるかというところと、どんな環境を整備しているかというのが連動してきますので、現在どのようにICTに教育を進めているかというところをまず説明させていただきます。
 武雄市のICT教育、この上のスマイル学習というのは武雄式反転授業で、この従来の授業の導入部分に当たる部分を予習動画という形で作りまして、その予習動画で狙いを示し自分なりの考えを持つと。その上で、確認の小テストを行ってくるというのを予習として課しています。そのため、授業のスタートは予習内容を確認するというところから始まりますので、それによって、協働学習のところの時間をなるべく多く取るようにという形の仕組みで授業に取り組んでいるところです。
 量的なイメージについては、小学校の算数と理科と国語で教材を準備して取り組んでいますけれども、例えば算数では小学校3年生から6年生で取り組んでいますが、この予習動画のコンテンツが全体の2割ぐらいの授業について設定しています。したがって、それらの授業については、子供たちには1人1台タブレットがありますので、タブレットを家に持って帰って、予習としてそこを見て、小テストを解いてくると。その小テストの回答状況は、当授業のスタートまでに、教師の手元で確認できる仕組みになっていまして、子供たちがどれぐらい理解しかているかを確認した上で授業がスタートできる形となっています。
 また、1人1台のタブレットがありますので、このスマイル学習以外にも、日常的に、例えば協働学習であれば、それぞれの児童がどう考えているかを電子黒板に集約して表示させて、そこで情報共有を図るというようなやり方、あとは、授業の最後の確認・深化の部分に当たるのですけれども、問題演習、個別に発展問題に取り組んでいくことで、習熟度に応じた取組もできるようにという形で進めています。
 また、朝の学習で活用したり、食育においても、1人1台ありますので、自分が家でどのようなものを食べたかというのが個別に入力するという形をとったり、あとは、英会話のオンライン学習という形で、これは小学校6年生対象ですけれども、タブレットを用いて海外とオンラインで英会話をするという形。
 あと、プログラミング教育として、これは、モデル校1校で小学校1年生から3年生まで取り組んでいますけれども、自分のプログラムをそれぞれが行うという形。また、1人1台ありますので、学校に来られない不登校児童生徒に対しても、家で学習できるようにという形。その場合、家にインターネット環境がない子についてはモバイルルータを貸し出すという形になるのですけれども、そういう形で学校に来られない子供にも支援を、学習環境を提供するという形で行っております。
 次に、どういう環境があると、先ほどの取組ができるかというところですけれども、電子黒板の整備については、現在、普通教室の整備率は105%。考え方としては、普通教室プラス特別教室用、使い方としては、理科室に配備し活用しているほか、体育館で活用しているところもあれば、あとは、中学校であれば技術の時間で活用している状況です。整備では実物投影機も併せて導入しています。
 タブレット端末、中学校の方はパソコン教室が別途ありますけれども、1人1台タブレット導入の経緯ですけれども、平成22年度に指定校2校に導入しました。その上で、全小中学校に導入するというところになっています。そして、今年度ですけれども、授業の活用レベルに応じた更新というものをしております。
 この導入部分からは色々な課題も見えてきているところで、武雄市としても対応してきたノウハウがありますが、先生方に一度に導入したからといって、いきなり全て授業で十二分に使えるようになるわけではありませんので、授業でどう活用するのかというのを踏まえながら、スペックを上げていく。最初から皆さんが家で買うようなものを導入しても、授業ではそのような使い方はしませんので、授業での活用の仕方を踏まえて導入していくことが必要ということです。
 インターネットの環境については、普通教室に入ったのは平成25年という形で遅いのですが、現状、下りだと160Mbpsの速度の校内LANと校内無線LANのアクセスポイントが1教室に二つ、少ないところでは教室一つと廊下に一つという形の整備になっています。
 教員の校務要PCについては平成21年度に一人1台導入したのですが、今年度、校務PCを更新しています。更新といっても、後で説明しますけれども、OSのみ更新しています。
 あと、ICT支援員、やはり使用に当たって、トラブルはつきものです。我々の中では、トラブルが起こるのが当たり前という前提でいかに使うかということで取り組んでおります。トラブルで授業が止まることがなるべく少なくなるようにと、また、活用するのにICTについて支援を専門的にしてくれる人が必要ということで、今年度からは全16校に各1人、計16人のICT支援員を当武雄市として配置しているという状況になっています。
 今年度の調達について、具体的な部分を御説明しますけれども、今年度は小学校5、6年生のタブレットの端末を更新しました。小学校ではタブレットを導入して3年目になるのですが、授業での活用が進んできたということを踏まえて、もう少しこういうことがしたいという声が上がってきたというところもありましたので、更新をしているという状況です。
 これを見ていただくと、今買うものとしてなぜこんなにスペックが低いのかと思われるかもしれません。普通に家で使うものとすれば、これはスペックが低いです。しかし、授業で使うということを考えたら、動画編集はしませんし、同時に色々な作業をするわけではありません。教師の指示によって子供たちが使うものなので、そこまで必要はない。また、一般向けのの製品は色々な場面を想定して様々なサービスが動作するようになっていますが、そのような不要なものを全て設定で切ることによって、このスペックでも十分使えるというところは確認できたので、こういう形にしています。
 あと、先生方が使う校務用のPCの方ですけれども、こちらは議論のポイントの方にありますけれども、新学習指導要領で必要なICT環境の状況が見通せないというところと、あとは、どの程度校務用PCで作業するのかと、ここもいろんな段階がありますので、そこを踏まえて、今回はOSのみを更新しています。
 この中で議論、先ほど学習指導要領の話もしましたけれども、授業によってタブレットをどれぐらい活用するのかという部分、あとは、校務用PC、先生方がどこまで使うのかというところを踏まえて、どのレベルを導入する必要があるのかと。我々は、この学習指導要領の動向、そのICT環境の部分を踏まえて更新を行っているという状況です。
 実際、市町の現状ですけれども、人材が不足しています。「詳しい人」、このICT環境を調達するに当たって、「詳しい人」は国以上に限定的です。武雄市は、ICTの関係の部署、課がありますので、嘱託も含めて職員が5人います。5人いるけれども、それでも専門性は厳しい部分も正直あります。
 じゃあ、ほかの市町村ではどうでしょうかということであれば、ほかの市町村、聞くところによると、本当にICTの担当者が1人のみで、その方が仕様を作らなければならないという状況もあると聞いています。また、担当人数も限られていますので、多くを導入したときに、設定をどのようにすべきかまで含めて1人で全てやらなきゃいけないというところもあります。
 そういう状況なのに、情報がきちんとあるかというと、実はそれも不足しています。どの程度性能があったら、学校の授業で何ができるのかというところがイメージできない。また、何をしたら子供にどのような効果が見えるのかというところがなかなか分からないので、財政当局側にこれが必要ですというところの説明も難しい。また、国の方で議論をしている、こういうものが必要というところはありますけれども、実際に機器をどう調達するか、どのスペックのものを選ぶかというところには直結しないので、市側で専門的に考えないといけない部分があります。
 また、実際導入するに当たって、学校で使うに当たってはどんな設定にすべきなのかというところも市側の担当者が一から考えなければいけない。要するに、子供たちに機能制限をどこまで掛ければいいのか、また、セキュリティもどう担保するのか。それらを、全て1人や2人でやるのは、かなり無理があるとすぐにお分かりになると思うのですが、市町はそのような状況にあります。
 あと、その他として、地域性、これは例えば近隣にそもそも事業者があるかどうか。ないところもありますし、1社しかないというところもあります。また、それなりにあるところであっても、地元の産業の育成の観点から、受注機会を拡大のために配慮しなきゃいけないということもありますので、その辺りが実際に調達の前提となる現状で課題があるところです。
 さらに、実際に調達をするに当たっての課題ですが、まず、選択肢が狭いということが言えます。教育向けのものというのはものすごく少ないです。今回、武雄市の方で入れたタブレットの方も、教育用ではないものを入れています。その中から選択をせざるを得ないのですが、そのとき、この取扱いの利便性、あくまで大人を想定したものになっていますので、子供たちがその重さでいいのかと、あとは、子供が扱うのに滑りにくいかと、そういう形状も大事になります。
 また、授業で使うということを考えたら、1日に何回も充電しているわけにはいきませんということで、駆動時間はちゃんと確保されないといけません。ただ、一方で、動画編集とか、並行的な操作ができる必要は一切ありません。この辺でそもそも一般向けの製品とは若干趣が異なります。
 また、授業での活用のレベルに応じた選択というのは難しいです。導入初期の部分というのは、そもそも学校の先生方がどこまで使えるのかというのを手探りで始めます。その状況で、一般向けの高価なものが必要なのかというところになるのですが、実際、教員の方はOJTも含めた研修を踏まえて授業で活用レベルが向上していきますので、最初からそんなに高性能があっても使い切れなくて、何の効果があったのかと、財政からの指摘事項になってしまいます。
 このように選択肢が狭いというところ、また、最初にどのレベルかというのが難しいものを含めて、結果として、高コストの調達になる危険性が高いと考えています。なぜかというと、教育委員会としては「無難」な仕様と選定をせざるを得ない。この「無難」なというのは、先ほど、武雄市の方で導入した6ページの部分ですね。これ、もし無難に導入するのであれば、多分メモリは4GBになると思います。ストレージも32GBですが、実際は武雄市の方ではストレージは32GBとSDカード32GBというふうにしましたけれども、多分無難に選んだら、ストレージを64GBにしてSDカード64GBとか128GBを入れるのが無難だと思います。授業でどのレベルを使うかというところをきちんと議論できていれば可能ですが、そこまで全市町村に求めるのは無理だと思います。
 また、事業者としては基本、高付加価値の調達を提案するのが基本です。当然ながら教育用がありませんので、軽くて駆動時間が長いというと、一般的には高価なものになります。そういうところをどうしても提案していきますので、全体として導入のハードルがかなり高くなっているということだと考えています。
 それを課題解決するにはどういうことが必要かというところですけれども、学校教育で求める機能の整理が必要だと思っています。当然ながら、発達段階別、小学校低学年と中学校3年生、高校生は同じではありませんので、その辺りでどういうところを必要だと考えるべきなのかということです。
 また、ICT環境の整備段階、授業でどれほど活用できるかというところで、高スペックなものをいきなりは活用し切れません。当然ながら、導入初期の部分と導入して先生方がICTを十分に活用できるようになった段階での整備のときと考え方を変えなければいけません。
 また、実際、導入の規模、学校規模によりますけれども、武雄市は今回の調達の場合では、1,000台一度で導入するという形に動いています。例えば最初にやろうと思ったとき、1学校でやりますと、それも、小さい学校ですというところであれば、例えば100台とか200台とかであれば、スケールメリットもありません。そのような状況が考えられますので、例えば共同調達をするように働き掛けを行うなど、そのような動きをしていただかないと、なかなかコストが高いという部分があります。
 そのためにも、この整備指針というのが必要だと思っています。整備指針は、具体的にどういうものを整備ということで、こういうものが必要ではなくて、導入初期には、かつ、こういう発達段階であれば、具体的に機器としてこれぐらいのスペックが必要だというものです。
 当然ながら、ICT機器は日々発展していますので、時々刻々更新しなければなりませんけど、そういうものを整備しないと、教育委員会として何を整備すればよいか、また、事業者もどの製品を提供すればよいかというところが不明確になっていますので、そういうような整備指針が必要です。国だけでは出せなくて、事業者側に出していただくという形も必要かもしれませんけれども、そういうようなものが必要ではないかと考えています。
 指針が作られることにより、お互いが何を整備すればよいか、どの製品を提供すればよいかが明確になれば、安定した需要と供給が確立し、それによって調達が低廉化されるのではないかと考えております。
 以上です。

(4)関係者からのヒアリング(株式会社内田洋行 志儀氏)

【堀田座長】
 ありがとうございました。
 質疑応答は後でまとめて時間を取ります。
 続きまして、総務省の実証事業でありました「フューチャースクール」ですね。文部科学省的に言えば、それは「学びのイノベーション」なわけですけれども、この調査報告書の取りまとめを御担当された株式会社内田洋行の志儀様から、これまでの総務省の研究成果等につきまして御説明を頂きたいと思います。よろしくお願いいたします。

【志儀氏】
 ただいま御紹介に預かりました内田洋行の志儀と申します。このような場で発言させていただくことを大変に光栄に存じます。
 私の方からは、「教育分野における効果的なICT利活用を推進するための調査研究」の中でまとめさせていただいた内容を抜粋して御紹介いたします。
 この調査研究でございますが、小中特別支援学校におけるICT環境の効率的な構築・運用や利活用、それに伴う課題の抽出等を行いました。
 調査手法といたしましては、実証校である小学校10校、中学校8校、特別支援学校2校に対するアンケート調査やヒアリング調査を行い、加えて、導入事業者と、導入されたICT機器のメーカーの方々にヒアリング調査を行いました。
 本調査ではICT機器やネットワークの要件定義も行いましたが、そのときにメーカーからの視点も必要だというところで調査をさせていただきました。成果物としてはもう既に公表はされておりますが、調査研究報告書とガイドライン、普及用DVDという形で総務省様のホームページに上がっております。
 本調査研究の対象となったICT環境は1人1台の環境で無線LANや電子黒板等も整備されていました。今はもうこのような環境があることは既に御存じの方も多いとは思いますが、その当時はかなり画期的な取組で、急にリッチな環境になったため、その中でどのようなことが起きたかという点を調査しました。
 抜粋してお話をさせていただきます。
 ICT環境構築の課題に関してヒアリングを行いましたが、やはり端末のスペックですとか、電子黒板、充電保管庫といったところにどうしても焦点が行くかなという気がしておりました。
 例えば、電子黒板の機能が若干多いという意見や、普段使わない機能が搭載されているという意見や、他のアプリケーションと機能が重複してしまって使いづらいという意見等、多くの課題が抽出されました。
 先ほど学校数を御説明させていただきましたが、端末は小学校と中学校、大きく違っております。小学校は東日本5校、西日本5校がそれぞれ同一の端末であったのに対して、中学校及び特別支援学校はそれぞれの学校が端末を選定したというような経緯がございました。その意味で若干中学校は小学校と異なる意見が出ておりました。
 その意見を元に中学校及び特別支援学校の利用端末の比較も行いました。もっとも、これはあくまで実証校における端末であり、スレート型やセパレート型等の形態の一般則をまとめたものでないことに留意は必要ですが、今でも役に立つ視点としては、例えばカメラの部分でインカメラのみの端末では使いづらいという点であったり、スレートPCではLANポートがないためイメージファイルを展開しづらかったりというような点がございました。
 運用面でございますが、教員や児童生徒が新しい環境に慣れるため様々な工夫が講じられていました。。例えば、キーボード操作に慣れるために、母音と子音を色分けしたシールをキーボードに貼ったり、端末のバッテリー切れには速やかに予備機と交換したり、電子黒板の映り込み対策には遮光フィルターや遮光カーテンを設置したり等の対応がございました。今は、もう一般的とお感じになれるかもしれませんが、当時は新しい課題でございましたので、一つ一つに丁寧に先生方、現場の方々が対応されていったというような状況でした。
 ネットワークの部分に関しても多くの課題がありました。瞬断だったり、輻輳だったり、ネットワークがつながらない、電波が競合してしまう等々、様々なことがございましたが、その都度、現場と導入事業者等が連携の上対応を図っておりました。
 現場からすると、授業の途中で無線LANが突然止まってしまうのは授業進行に極めて大きな支障をきたします。そのようなことがないよう、事前にきちんと設計をすることが重要だと感じております。
 また、特別支援学校2校に関しては、若干ほかの小学校、中学校と状況が異なっておりました。例えば児童生徒の転出入が頻繁に生じたり、病院内の分教室にネットワークを敷設する必要があったり等、様々な特別支援学校特有の課題がございましたので、それぞれに対応されていたというような状況でございました。
 利活用に関しても幾つか事例として成果物の方には掲載をさせていただいております。当時は学びのイノベーション事業の議論の前の段階でございましたので、大きく個別学習、一斉・グループ学習、持ち帰り学習というような整理を行い、それぞれの課題等を抽出しました。
 まず、個別学習でございますが、ワークシートを作成したり、インターネットを用いて調べ学習を行ったり等、1人で端末を活用する場面が増えます。そのため、当然、端末に対する課題が集中してまいります。
 例えば、フィルタリングに関し、あるサイトについてはフィルタリングではじかれるのに、あるサイトは見ることができるとか、フィルタリングの精度が学校の実情と異なる等、多くの学校から意見がございました。
 学校内のサーバにフィルタリング機能を持たせるのか、地域イントラネットの中で一括してフィルタリングを行うのか、そのフィルタリングの管理者は誰なのか等々、それぞれの地域で状況は異なりますが、例えば現場では薬品を調べたいというときに、それが有害サイトと判断されてしまって、見ることができない等の課題があったと聞いております。
 一斉学習・グループ学習に関しては、発表ですとか共有といった場面での課題が抽出されました。
 持ち帰り学習については、通信手段の確保ですとか、どういう形で持って帰るのか、誰が持って帰るのか、どの端末を持って帰って何をさせるのか、そういったルール作りが難しかったというお話を伺っております。
 それらも加味して、最終的には、ICT機器に求められる機能要件を整理しました。
 この整理にあたってはアンケート調査を用い、必要な機能要件にに関する現場の意見も抽出しております。このアンケートはフューチャースクール推進協議会の清水座長が設計、分析を行われました。
 例えば、「使用中にフリーズすることがなく、安定して動作すること」が機能として必要かという質問を行い、現場の教員等に5段階で評価していただきました。この項目が約30項目ありますが、その結果を整理したものがこの表でございます。
 例えば「安定動作」ですと、「使用中にフリーズすることがなく、安定して動作すること」という質問を行っています。
 安定動作や、有害サイトへの対応、教室内のネットワーク環境構築等の設問に関しては、共通して先生方から高い評価を頂いておりました。
 これも踏まえ、最終的にまとめたものがこの標準要件でございます。この標準要件を作成する際、CPUやメモリのスペックを盛り込むことも当初考えましたが、多分それはもう3年後、10年後というのは全く使えないものになってしまう。そのため、ある程度大枠で要件を整理させていただきました。
 「使用中にフリーズすることなく安定して動作すること」といった若干漠とした表現が続いておりますが、先ほどのアンケート結果やヒアリング等に基づいて、このような整理をさせていただきました。
 電子黒板も同様に整理をさせていただいております。
 ネットワークに関しても技術的要件を整理いたしました。ネットワークは、外向きと内向きで大きく区分けをいたしまして、外部接続、及び有線無線校内LANに必要な要件を定義しました。
 同様に、技術的セキュリティの観点から対応案を整理させていただきました。
 併せて、段階的な構築モデル、低コストでの構築というところも当時もやはり焦点になっておりましたので、移動パソコン室型、1フロア1クラス分共有型、1人1台タブレット型という形の段階で考え方を記載させていただいておりました。
 併せて、学校様も、実証期間が3年間だったものですから、それ以降どうやって継続的に運用しているかというところに着目しまして、実証期間経過後の運用上の各学校の工夫を紹介させていただいております。
 駆け足になってしまいましたが、これらが報告書に掲載をさせていただいている内容でございます。
 最後に、ICT環境の課題に関し、先ほどのご議論の中でも、「常設化」というキーワードが出ていたと思います。コスト面を考えてもいきなり1人1台のタブレットの常設は現実的でないといった考え方もあろうことと思います。ただ、その際も優先順位として、インフラだけでも整備をしていくとか、様々なのではないかと感じております考え方がある。
 また、報告書にも一部書かせていただきましたが、常設化を考える際、施設全体としての視点もある程度必要になると考えています。例えば、充電保管庫の扉や角が児童生徒に当たってけがをする恐れがあるといったご指摘がありました。その際、。
 電子黒板をロッカーのように教育環境の中に組み込んだり、電源コンセントを多くしたり、可動式の什器を整備したり等、そういった教室環境全体からICT環境を考えるという視点も必要なのではと考えているところです。
 私の方からは以上でございます。ありがとうございました。

【堀田座長】
 ありがとうございました。
 ただいまの二つのプレゼンにつきまして、この後、質疑応答と思っていますが、その前に、日本教育情報化振興会、JAPET & CECさんで同様の検討をされていると聞いておりますので、その御紹介をと思うのですが、まず、赤堀委員、お願いします。

【赤堀委員】
 私どもの森本の方から説明させていただきますので、よろしくお願いします。

【森本氏】
 日本教育情報化振興会の森本でございます。よろしくお願いいたします。
 私どもは教育の情報化を推進している団体ですけれども、先進的なところに焦点を当てるというよりは、これから導入するとか、誰でも使えるという底上げの部分を中心にやっている団体でございます。
 その中で、二つ取組がございましたので、紹介させていただきます。
 一つは、平成26年度に文部科学省からの委託事業「授業がもっとよくなる電子黒板活用」という電子黒板の活用について、やらせていただきました。これは、ここにいらっしゃる高橋先生や毛利先生にも御指導いただいて作ったものでございます。
 これは活用場面集とパンフレットというのがあるのですけれども、お手元にあるのはパンフレットの方でございます。ちょっとそれを見ていただきたいのですが、1ページめくっていただいて、右側のところ、これはこの会議でも議論されています、どういう場面でというところを電子黒板について整理をさせていただいています。
 電子黒板はどういう場面で使えばいいのか。授業内容を振り返る。明確に伝える。実演でやり方を示す。児童生徒が発表する。分かりやすく説明する。興味・関心を高める。児童生徒に考えさせる。知識・スキルを定着させる。こういった場面で電子黒板は使えるだろうと整理しております。
 こういうことを考えたときに、どういう機能が必要かということについては、実はこのパンフレットには書いてないですが、多めに考えても、六つぐらいの系がある。タッチをして選択をする。拡大をする。書込みをする。比較をする。部分的に一部を隠す。それから、今表示しているものを保存する。この程度のデータ、機能があれば、ほとんどのことができるだろうということを書かせていただいております。
 それから、もう一つ、こちらの青い冊子で、『ICT教育環境整備ハンドブック2016』がございます。こちらはまさにICTをどなたにでも使っていただけるようにしたいということでございます。
 これの4ページ目を見ていただきたいのですが、この4ページ目では、授業でのICT活用ということを書かせていただいています。私どもは以前から、段階的整備ということは訴えさせていただいていますが、この段階的整備というのは、環境、ICT環境の段階整備だけではなく、何をやりたいのかという教育目的の段階的という目標が必要だろうと。また、それを実現するために、先生方の指導力というものも段階的にアップしていく必要があるだろうということを訴えさせていただいています。
 5ページ目には、まず、その分かる授業のための拡大提示ということが一番重要ということで、これは先ほど電子黒板のところでお示ししたようなことが書いております。
 それから、9ページ目を見ていただきますと、これはちょっとものの方からの発想ですが、タブレットPCの活用ということで、これまでの活用を整理してみると、こんな活用があるということを示しております。先生が1台タブレットを持って、提示用に使う。それから、児童生徒が記録・振り返りに使う。これはマット運動を撮ったり、そういうような活動です。それから、グループでの調べ学習とか討議のために使う。それから、右下に書いてあります1人1台環境で個別の調べ学習ですとか協働学習に使う。
 それから、1ページめくっていただいて、1人1台環境で習熟部に応じた個別学習を行う。様々な目的の下、様々な使い方がある。
 一応その下に、全てを実現するためには、どのようなタブレットPCが必要か、あるいは、それと一緒にどんなものが必要なのかというのが書いてあります。
 ただ、色々な目的で色々な使い方をするので、それに合った機能というものがそれぞれ必要になってくるだろうというふうに考えております。
 無線LANについても11ページ目に書いてあるとおりでございます。
 私どもも、どういう場面でどういうふうに使えるのか、そのためにはどういう機能が必要なのかというのを、このハンドブックの中に書かせていただいております。
 以上でございます。

【堀田座長】
 ありがとうございました。
 少し時間が押している関係で、質疑応答が、もしありましたら、5分ほどでと思っているところですが、武雄市さんと、まず、フューチャースクールに関することですね。あと、JAPET & CECの取組、いずれも既に実施され、整理されているところでございますので、これを国としてどうしていくかというところの決め方について、私どもは議論しなくてはいけないという状況にございます。
 高橋委員、どうぞ。

【高橋委員】
 1点だけ質問させてください。特に武雄市の浅井様からの御発表で、時間の軸というのですかね、を最初と最後というか、初めの頃と経過した頃で必要なものが変わっていくというところをとても強調されたというふうに感じています。今回本会議で考える場合も、この時間経過という軸をどの程度考えなくてはいけないのかということをプレゼンテーションを聞きながら感じました。
 特に浅井さんにお聞きしたいのは、このハードウエアの方の時間経過に関する御意見をたくさん頂戴したと思いますが、ソフトウエアとしては、最初の頃と後の方でどう異なっていたのかということと、もしも可能でしたら、内田洋行さん方の一番最後の21枚目のところが、ある意味、時間経過に関するスライドで、これをもうトータルまとめて言うと、どういう方針でその時間経過を捉えたらいいと考えているのかということについてお聞きしたいと思うのですが。

【堀田座長】
 ありがとうございます。それでは、お願いします。

【浅井氏】
 ソフトウエアについてですけれども、ソフトウエアの方は時間経過的にはそこまで変化はないのではないかと考えています。そもそも、様々な機能が使える環境の中、先生方が授業で使っていくことで、少しずつ活用力が向上していきます。そうすると、こういうものが欲しいという形で、先生方から要望が出てくることになります。したがって、例えば情報共有するためのソフトとか、そういう最低限ソフトウエアやはり最初から必要で、その上で、現場のニーズに合わせたものをアドオンで考えていくものであって、必要なものが突然大きく変わるというものではないと思っています。
 そのソフトウエアも含めた組合せによって、導入時に最低限ハードウエアでよかったものが、活用が進み、様々なものが授業で使えるようになると、そのスペックでは足りなくなるという形に変わっていくのではないかと考えています。

【堀田座長】
 ありがとうございます。
 志儀さん、お願いします。

【志儀氏】
 時間経過ということでございますが、先生方にお伺いした範囲ですと、やはり最初に一気にリッチな環境になってしまいましたので、それをすべからく使わなければならなかったり、慣れていない段階でそれを無理やり使わなければならなかったり等先入観があったと伺いました。
 ただ、使いなれてくると、活用場面の取捨選択ができるようになり、効果的に活用ができるようになったと聞いております。

【堀田座長】
 ありがとうございました。よろしいですか。

【高橋委員】
 はい。ありがとうございました。

【堀田座長】
 ほかに何か御質問等ございますでしょうか。よろしいですかね。ありがとうございました。
 それでは、質疑応答についてはここまでとさせていただきたいと思います。
 浅井様、志儀様におかれましては、御多忙のところ、ヒアリングに御協力いただきまして、ありがとうございました。
 座席は替わっていただきますが、いていただけるようでしたら、いていただければと思います。
 私どもの最後の議題に入るわけですけれども、先ほどの浅井様の回答に私は非常になるほどと思うわけですけど、高橋委員のおっしゃった、最初はどのぐらいで、だんだんどうなっていくのかみたいな話でいくと、最初から共有、情報を共有するというのは最初から入っているわけですよね。だから、それを使って新しい発想が生まれるというのがあるわけですよね。
 最初からこれはいれておくという初期値はやっぱりゼロではないわけで、それを最低限私たちが決めなくてはいけないことだろうと。あとは、あったらあった方がいいに決まっているし、あり過ぎると、それに振り回されてしまう。振り回されても大丈夫なぐらい指導力が付いていれば、それでも可能だという辺りの発達、先生の指導力の発達段階みたいなことと段階的整備が呼応するだろうと考えると、既に進んでいるところと、まだこれからのところがあるという現実を考えたときに、時間軸をなしで考えるというのは多分現実的ではないだろうと。
 そこに踏み込んだというのが、踏み込もうとしているというのが私どものこの会議の価値なのかというふうに思います。
 ありがとうございました。

(5)関係者からのヒアリング(株式会社三菱総合研究所 安江氏)

【堀田座長】
 それでは、この後、私どもとしては、その策定をしていくために、具体的なエビデンスをこれから作っていく必要があります。実際には、現場に出掛けて調査したりする必要がありまして、これにつきましては、文部科学省において、株式会社三菱総合研究所に委託する形で調査を実施するということに決まっております。
 本日は、その三菱総合研究所の安江様にお越しいただいておりますので、調査の枠組みについて御説明を頂きたいと思います。
 この後、私どもはこの具体的な枠組みについて、更にこれを調べるべきではないかと、こういう観点でやるべきじゃないかということを皆さんから忌憚のない御意見を頂きたいと考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 では、安江様、お願いいたします。

【安江氏】
 三菱総合研究所の安江と申します。よろしくお願いします。それでは、座って説明させていただきます。
 まず、最初に、事業の全体像をお示しします。上に書いてありますのは、この有識者会議で検討すべき課題ということで、資料1等にも書いてあったものでございます。その下にありますこちらのブロックですね。こちらが具体的に検討していくべきプロセスというものを示しております。今回の私どもが受託しました調査におきましては、そのうちの主にここのところについて関係することを調査したいと思います。
 調査は、大きくこの検討、有識者会議に関しては二つ関係してきまして、まず、一つには、ICT環境の在り方に関する調査検討というものを行います。こちらがこの二つのものです。学習場面の把握とICT活用事例の把握というところに関係してくるというふうに考えています。もう一点が、学校ICT環境実態の調査ということを行います。こちらがシステム構成の実態把握ということを行うことと関係しています。
 これらからエビデンスを出しまして、調査の中で企画開発会議というものを設けますが、そちらの中で議論を行っていただきまして、こちらのプロセスに資するようにまとめていきたい。また、その議論の結果について、論点として調査報告書をまとめることを考えています。
 これが調査の全体像と概要を示したものでございます。まず、上が1、ICT環境の在り方ということで、そこに書いてありますように、次期学習指導要領の理念の実現のために、ICT環境の在り方に関する調査研究を行うということで、今後どのような在り方であるべきかといったことを主に検討していきます。
 調査目的ですが、次期学習指導要領の理念の実現に資する普通教室におけるICT環境のモデルを、エビデンスに基づいて整理しますと。ICT活用の先進校の実態から分析を行っていきたいと考えています。
 想定する成果物としましては、ICTが効果的に活用されている学習場面等の類型化や整理を行うということと、普通教室でのICT環境要件整理ということで、これを段階に応じて複数提示すると考えております。
 調査方法ですが、まず、文献調査を行いまして、ICT活用の先進校における既存の先行研究というものをICT活用の観点から改めて分析するということ。それによりまして、授業において、教科・単元共通的に活用されているICT機器の機能等を整理するということを考えております。
 その上で、先進校を対象とした実態調査を行いまして、ICT活用の先進校の教員向けにアンケート・インタビュー調査を実施させていただき、より詳細なICT機器の活用方法や活用頻度といったエビデンスを把握したいと考えています。
 もう一点の調査が、ICT環境実態調査となっています。学校及び自治体等のICT環境整備に関する今の実態調査を行います。調査目的は、自治体を対象に、学校種別ごとのICT環境整備の実態を把握するということで、想定する成果物としましては三つ。
 まず、各自治体内の学校におけるICT整備状況を、これは整備ステージごとに構成比率と導入実態の整理を行いたいと考えています。2点目としまして、今後のステージ別ICT整備ステップの意向に関する把握ということで、今後ステージをどうしていきたいのかといったところの御意向というものも整理したいと思っています。3点目としまして、今後のICT整備方策の策定ということで、整備の推進、ICT環境の要件に向けた基礎データを整理していくということでまとめていきたいと思います。
 調査方法ですが、まず、ICT環境整備実態の再整理ということで、文部科学省様が持っている既存調査の結果を基に、ステージ別のICT設置形態を再整理するということを行います。次に、そのデータではないものをICT環境整備実態の追加調査する予定しております。こちらでは、ICT環境の整備、設置状況における課題ですとか、教科における具体的利用方法やそこでの課題、今後の環境整備に向けた意向等といったものを追加調査することを考えています。方法としましては、文献調査、アンケート、ヒアリング等によって調査することを想定しています。
 また、補足のインタビュー調査としまして、教育システムベンダー様や教育委員会様等、インタビューのインタビュー調査によって、システム要件といったものも把握したいと考えています。
 続きまして、まず、1番目のICT環境の在り方に関する調査の方について、もう少し詳しく御説明したいと思います。こちらの左側の部分が、まず、文献調査として先に行う部分でございます。
 こちらでは、まず、関連資料の収集ということで、主に先進校における学習指導案ですとか授業計画といったものを収集することを考えております。それらを材料としまして、活用場面のICT活用方法の類型化の観点というものを整理した上で、実際に類型化を仮説的に行っていくというのが3番目でございます。
 そこで、ICT機器とその機能、機器間の連携等について実際整理してみて、そういった類型化の軸がいいのかといった部分について少し見直すことを行うのが4点目。それに基づいて確定したいと思っています。そうした類型化に基づきまして、先進校向けアンケート調査票の作成というものを行います。
 その調査票を使って、実際実査をするのが右側でございます。まず、調査対象の決定ということで、先進校の中から調査対象を決定した上で、調査依頼を行います。その上で、アンケート調査を実施しますが、必要に応じてヒアリング調査によって補完することも考えています。それらのデータに基づきまして、ICT機器及び機能等の活用実態について集計・分析を行うということを考えています。
 こちらがそうした実態調査の枠組み、考え方を説明したものでございます。こちらでは、指導案を、ICT活用場面と、それから、ICTの活用方法といった観点から類型化、整理することを考えています。
 まず、その材料として、その先進校の指導案等というのがありますが、こちらを、学習場面・活動ということで整理したいと思います。いろんな軸が考えられると思いますが、今考えているところでは、まず、導入の部分、それから、展開の部分、まとめの部分と分けまして、そこでどういった活動場面があるのかということを考えたいと思っています。
 ここに書きました例でございますけれども、導入の場合ですと、前時の学習教材ですとか記録の提示、あるいは、本時の学習教材の提示というものが考えられるし、展開、まとめにつきましても、ここに書かれたようなものを例えば考えていますが、こういったものを整理していくというのがまず第一でございます。
 特に整理するときには、ICT活用の観点から整理していくことが大事だと考えています。その上で、それらとどういったICT機器・機能・頻度というのが関係してくるかを見ますので、下の表にありますようなICT活用方法といったものとの関係を見るということを考えています。
 その際には、まず、システム的な構成もちょっと念頭、意識しまして、まず、ネットワーク、それから、その上に教育用コンピュータとサーバ、校務用コンピュータがありまして、さらに、学習ソフトウエア、大型提示装置、実物投影機といったものが関係してくる。さらには、ICT支援員に関係するといったような構成、構造というものも念頭に置いて考えたいと思っています。
 こちらがそのモデル化に基づいて、調査票を設定するときの一つのイメージでございます。教科・単元共通的に活用されているというのが一つのポイントですけれども、そこでICT機能等をどういうふうに類型化していくかということで、まず、この場合ですと、縦軸に学習場面というものを並べています。横軸にICT機器というものを並べています。そこで、授業案等を分析して時系列で何が行われているかということを順番に見ていく中で、どういう学習場面でどういうICT機器が使われているのかと、頻度は何かといったようなことを記入していただくというアンケート調査票を考えています。
 このアンケート調査票で、学習場面と機器の数量の関係というものを整理するということを考えています。その上で、そこでは学習場面の頻度、必須度みたいなものを集計していければと考えている次第でございます。
 また、これと対応することで、ICT活用事例分析ということで、学習場面とICT機器の関係の整理と、こういった関係の整理から、ICT機器の必要機能というものを整理したいと考えています。
 加えまして、ヒアリング調査ということで、ICT機器・機能の要望の把握ですとか個別の必要機能把握、あるいは、分析結果を見て、妥当感があるのかどうかといったことの感触を伺うといったようなことも想定しています。
 続きまして、2番目の調査、ICT環境実態調査の方の調査方法です。先ほどのスライドとちょっと似た構造ですけれども、構造としてはちょっと違いまして、まず、左側にありますのが調査のステップ、プロセスと書いています。右側ではその調査の中身といったものを対応付けて書いていくような形になっています。
 最初に、調査の際に抽出・整理方針の決定と抽出データの入手とありますけれども、こちらについては、既存の調査から、どういったデータを抜き出してどういうふうに整理するかといったことを行うプロセスでございます。既存の調査から、ステージ別状況を再整理するための抽出・整理方法を作成するということと、実際にデータを頂いて抽出結果を頂くということで、それによりまして、ICT環境ステージ別の導入状況の把握といったものを行います。
 次のプロセスとしましては、追加調査の設計ということと追加調査の実施/データ収集ということで、こちらでは、企画開発委員会での議論を踏まえて、追加調査案を作成します。要は、その既存のデータでは足りない部分について、どういったものを取るためにどういう調査をするかといったことです。追加調査ということで、調査方法は検討の必要がありますけれども、追加調査、それから、補足アンケートを行うということです。
 こちらによりまして、まず、ICT環境整備実態の追加調査ということで、ステージ別のICT導入のその実態とその評価ですね。それから、ステージ別の主なICT利用方法とその評価といったところで、実際にというところについて、もう少し深く聞くということ。それから、補足インタビューによりまして、ステージ別の現状を踏まえた今後の学習環境整備の在り方といったものについての御意向、御意見等を伺うということを考えています。
 最後のところで、集計・分析ということで、整備ステージ別の構成比率、利用機器の評価を分析するとともに、将来的な計画や意向、問題意識から、ボトルネックというものを考察していくということで議論していくということを考えています。
 こちらがその調査の構成ですけれども、まず、一番左のところの1.とあります。こちらについては、既存の調査からどのように抜くかということで、ここにありますように、ステージ別の状況というのを抜き出すというような形で、既存のデータを確保・分析するということを行います。真ん中のところで追加調査ということで、ステージ別のICT導入実態とその評価ということで、より実態に近付くとともに、実際に、ステージ別の主な利用実態とその評価ということで、このC.の四角にありますように、どういった場面と関係しているのかといった部分についても対応付けたいと考えています。その上で、補足インタビュー調査ということで、今後の意向・見通しといったもの、あるいは、その阻害要因といったものを整理したいと考えています。
 ステージに関してですが、「2020年代に向けた教育の情報化に関する懇談会」で示されたステージがありますが、こちらを、今回の調査のためにある程度具体的な基準を設ける必要がありますので、この9ページのような形で一旦基準を作りまして、これに基づきまして、そのステージごとの集計を行うということを考えております。
 11ページですが、こちらの方が調査内容ということで、もう少し項目にブレークダウンしたものを示しています。この左側については、既存の調査の部分のところで、どのような抽出・整理を行うかといったものを現時点の案を書いてございます。また、右側の方で、追加調査項目ということで、ステージ別の実態ですとか、利用実態と課題といったもの、それから、最後に、補足インタビュー内容といったものを書いてございます。
 最後に、体制とスケジュールを御説明したいと思います。今回、私ども三菱総合研究所が委託事業者と選定していただきました。そこで、企画開発委員会を設け、設置しまして、いろんな御議論、御意見を頂きます。また、その事務局というものを設け、全体の進捗の管理を行っていきます。
 内容につきましては、私どものほかに、富士通総研様と内田洋行様にも御協力いただきまして、3社で連携して行っていくことを考えています。
 特に、今回の資料で示した1番目、ICT環境の在り方につきましては、富士通総研様に中心になって実行していただきます。2番目の部分につきましては、私ども三菱総合研究所が中心になって調査をしていきます。もう一点、今回のこの有識者会議に直接関係しませんので、ちょっと御説明していませんけれども、学習成果の把握・評価支援という部分につきまして、内田洋行様に御支援いただきます。また、全体につきましても、こういった縦割りではなくて、相互にその知見を出し合いながら進めていきたいと考えています。
 最後に、スケジュールでございますが、この上の(1)、(2)というのが今説明した1、2に対応しています。全体にちょっとタイトですけれども、12月中に企画開発委員会を立ち上げるようにしまして、12月については、まず、それぞれの文献調査、あるいは、論点整理といったものを行いつつ、調査の設計を行っていく。1月に入りまして、本格的な調査に入っていくということで、このようなスケジュールを現在想定してございます。
 駆け足ですが、以上であります。

【堀田座長】
 ありがとうございました。
 我が国の有数なシンクタンクがこうやって教育に関して連携して御協力いただけるということで、大変有り難いと思っております。
 今、これからの重要な調査になりますし、この委員の皆様方にはそれぞれ様々な御経験があろうかと思いますので、より良い調査にするためにも、きょう出していただいた資料に対して幾つかコメントを頂ければと思うところです。
 最初に私からお願いしたいのですけど、調査1と調査2の具体的なNの数というか、想定している数ですね。学校の数であるとか、教育委員会の数であるとかみたいなことはどうかということと。
 あと、基礎的な情報として、例えば大型提示装置でいえば、それはいろんなものが想定されるわけですけど、どれが、大型提示装置とはいえ、どれが使われているかとか、でも、それは例えば電子黒板を使っているというけれども、電子黒板の機能を多く使っているわけではなくて、テレビとして使っている場合もあるしみたいな、割と細かく見てみないと、やっぱりどちらかというとリッチな方向にやっぱり寄っていくと思うのです。
 この辺りのことについて、後半はコメントですけど、Nの数はちょっと質問です。今の想定でいいのですけど、大体どういうふうにお考えか、お願いします。

【蛯子氏】
 富士通総研の蛯子と申します。では、今回の調査の中で、1の部分ですね。ICT環境の在り方についての想定サンプルということです。
 こちらは今のところ、先進事例の指導案等を分析し、具体的に事業展開、導入部から展開、まとめという中で、各学習場面とICT関係のひも付けを整理するということを想定しているのですけれども、これは時間との戦いということではあるのですけれども、全体で100から150ぐらいのサンプルを分析できればいいかというふうに考えております。
 可能であれば、学校種ごとに均等にと、あとは、科目ごとに均等にというふうに思ってはいるのですが、かなり実態としては濃淡があります。傾向としては、やはり小学校が圧倒的に多くて、学校種の段階に応じて減っていくというところがあるので、そこは是非可能であれば、有識者の先生方に指導案等々の事例を頂ければ、大変有り難いと思っております。
 2点目の機能などについては、まさにおっしゃるとおりだと思っておりまして、これは、そういった意味では、私どもがやる1のICT環境の在り方の調査、それと、2番目のICT環境の実態調査と並行的に最後はミックスして検討していくべきものなのかと思っているのですけれども、まず、1である程度文献調査で調べたものを踏まえて、この後で実態調査を行うという予定を組んでおります。そのときに、細かい機能として、例えば大型提示装置の何を使ったのかという部分などについてもそのヒアリングなどから聞ければいいかと思っております。

【堀田座長】
 ありがとうございました。
 よろしいですか。お願いします。

【安江氏】
 2の方ですけれども、今回もやっぱりこちらについても時間の制約がありますので、都道府県について1,000、それから、市について2,000と。あと、町村につきましては、その学校の特徴等を見ながら、6と、6ずつということで、ちょっとここは少ないですけれども、特徴を見ながらと考えています。

【堀田座長】
 分かりました。ありがとうございます。

【松本課長補佐】
 ちょっとよろしいですか。

【堀田座長】
 お願いします。

【松本課長補佐】
 実態調査のその2の方ですけれども、我々がやっている教育の情報化に関する実態調査のデータも御活用いただくわけで、できるだけ教育委員会と現場に負担を掛けないような形で調査をしたいと思ってございまして、そこの制約もございますので、ちょっとそこのNについては引き続き我々とも、現場の負担という観点から、精査をさせていただきたいと思っています。

【堀田座長】
 ありがとうございました。私が言いたいこともそこだったものですから。かといって、数が多くないとエビデンスにならないしというところの、あと、時間的制約もあるかと思いますので、御無理を申し上げますけれども、よろしくお願いします。
 ほかに御質問や観点への御意見につきまして、是非よろしくお願いします。じゃあ、柴田委員、行きましょう。次、毛利委員、行きます。

【柴田委員】
 大変興味深い調査で、今後の展開、楽しみにしておりますが、感想と意見を述べさせて、3点ほど述べさせていただきたいと思います。
 まず、先ほどから私がこだわっている整備の優先順位というところのところで、今回、必要度ということが、必須度という言葉が出てきたのは非常に興味深いなと思っております。
 ICTを活用する学習活動、これがやはりICTはただの選択肢の一つなのか、それがないとその学習活動はそもそもできないのかというところを考えていくというのは非常に有り難いなと思っております。財政との予算の折衝の中では、特にこの必須度という言葉が教育委員会としては財政当局とのやり取りで大変苦しめられたので、この辺が出てくると有り難いと思っています。
 それから、もう一つが、指導案の類型化というところですけれども、導入、展開、まとめという考え方は、今後、アクティブ・ラーニングがどんどん多くの学校で行われてくると、そういうくくりが非常に窮屈な場合もあるのではないかと思っております。
 例えば、アクティブ・ラーニングのこの流れというのは、本時1時間だけではなく、単元で大きな流れになっていたりして、どちらかというと今後はアクティブ・ラーニングの中で課題の提示や情報の収集、情報の整理、分析、発表、資料の作成、振り返り、発表というサイクルはよくあると思うのですけれども、そういうサイクルのどこでICTを活用したのかという観点もあると有り難いと思っております。
 それから、3点目は、これは調査対象となる学校に負担のない範囲で結構ですけれども、教員向けにアンケートというのがあるのですけれども、やはりこれは子供にもインタビューなりアンケートができると有り難いと思います。ICTを使って、生徒、子供たち自身の学びが深まったかとか、分かりやすかったかというのが全国の代表として調査していただき、それを使って各自治体が整備をどんどん進めていく資料に使えたら有り難いと思っています。
 以上です。

【堀田座長】
 ありがとうございました。
 毛利委員、お願いします。

【毛利委員】
 つくば市の毛利です。この調査のときに、小学校教材整備指針とか中学校教材整備指針も毎年学校から調査で県に上げているのですけど、あるいは、市では必ず取りまとめていると思います。
 何が言いたいかといいますと、お金がじゃぶじゃぶあるわけではないので、やっぱり優先順位というお話があるのであれば、例えばつくば市は、今回の教科書改訂に伴って、指導者用デジタル教材、教科書を導入したいということで、この小学校整備指針、教材の整備指針のうち、掛け図とか、あとは、カード類とか、そういう、DVDとか、そういう重複するようなところをカット、導入しないで置き換えたりしているのです。
 小学校の教材整備指針を見ると、例えばデジタルカメラとかあるのですけど、例えばタブレットがあればそれで撮影して置き換えることができるとかいうこともあって、やっぱりICTプラスじゃなくて、やっぱり削っていかなくちゃ、重複できるところは削っていく必要もあるのかなと思うので、そういう何か先進校はそういう教材はもうなくなってきているのとか、そういうことが分かると、あるいは、あるのだけど、もう使わなくなってきているとか、そういうことが分かれば、次の教科書の改訂のときには、そこを削って導入できますみたいな事例も出せると、地方自治体としては、財源を新たに全部生み出さなくても、置き換えることもできるのかと思って、その辺の何か調査もお願いできたらと思います。

【堀田座長】
 これは既にある教材整備指針との対応で、うまく、ICT以外の部分で削れるものを想定するためにということだと思います。よろしくお願いします。
 現場の先生からちょっと行きましょう。水谷委員、お願いします。

【水谷委員】
 お願いします。今の毛利委員の話されたことに関連しますが、先ほどから段階的ということがありますので、調査されるときに、現状だけではなくて、どのような順番でという点、時間の経過でどのように変わってきたのか、ハード、ソフトとも、それから、教員の活用の変化についても、過去を振り返るのは難しい部分がありますけど、是非そういうところを可能な範囲で調査していただけるといいと思います。
 もう一つは、予算の使い方のことですが、財政に要求するときに、いろいろ指標を自分たちで作って、その指標をこうしたいからということで、要求をしています。
 その指標がいいかどうかということが自分たちも自信がない中やるので、財政からいつも突っ込まれるのです。以前は市教委におりましたので、随分苦労しました。
 是非、進まれたところが、どのような指標を使って財政当局と上手にやってきたのか、そういう説得材料というのでしょうか、きっとどこかにノウハウがあると思うので、そういうもを少しでも引き出すことができたら、これから参考になるかと思います。さらに、そういうことを国の方で統一で作れると、なかなかいい材料になるのではないかと感じていますので、よろしくお願いします。
 以上です。

【堀田座長】
 幾つか挙がっていますが、次、小﨑委員、行きますからね。
 少し整理すると、要するに、学校から見れば、その教育環境の整備に何を優先しているか、そして、どういう段階で来たかという話であり、教育委員会から見れば、どんな根拠というかエビデンスというか優先度というかを優先して入れるようにしてきたかという辺りをうまく掘り起こしたいということかと思います。ありがとうございます。
 小﨑委員、先、行きましょうか。どうぞ。

【小﨑委員】
 済みません、この調査の結果というのは、この整備指針を考えていくに当たっての、まず、基本的なベースになるものという捉え方でいいですよね。そういうことですね。

【堀田座長】
 そうですね。

【小﨑委員】
 教育委員会の立場から言えば、座長から言っていただいたように、調査が負担になる、負担にならないというようなことが心配ですが、まず、色々な整理のことを考えていくに当たって、柴田委員が言ったみたいに、そもそも、私たちが本当に要るものを考えているのか、なくても何とかなるものを考えているのか、という点の切り分けが大事だと感じています。
 つまり、なくてもできるのだけど、より良くするためには要るでしょう、というのと、やっぱりなくてはならないですよねというのでは違うわけです。その辺の線引きがなかなか難しくて、いろんなところで、教育を推進するにしても、整備するにしても、一つ引っ掛かる点があります。電子黒板という言葉自体がややこしくて、生黒板で十分ではなかとか、わざわざなぜ電子黒板に置き換える必要があるのか、という議論になってきたときに、ちょっとしたヒントになるようなものというのが見えるような調査の結果であったらいいのかと思ったりしています。
 もう一つ気になっていたのが、今までもこういう調査なり、実態なり、実例なりはたくさん上がってきて、それは僕ら整備する側としても資料を作って並べるし、整理もしています。それこそ、分厚いものでは説明の資料にならないので、もうポンチ絵1枚のA4にまとめなさいみたいな言われ方、そういうまとめ方をして、それで予算担当者に示すのですけれども、先進事例というのは実はもう充分あるのかな、と僕は思っています。広がらない理由がもっと別にあったり、なくてもいいですよという声の裏にあるはずのあったほうがいいですよという声を拾えていない状況です。つまり、先生方はビジネスマンではないので、なくても何とかしなではいけないという要素もあったりとかして、それで、なくてもいいではないですかと言うのです。先生方のICTに対する食わず嫌いな部分なんかも結構あったりもしますが、必要ですと小﨑さんは言っていますけど、要らないと言う人もたくさんいますよ、みたいな話も、予算獲得のための話の中で出てきたりします。
 なので、先進事例を集めて、それの裏を返せば使わない理由が見えたらいいのですが。ただ単にいい事例をたくさん集めて、そのデータを聞き取って、こんなことが必要ですよね、こうですよねってその前向きな要素がたくさんあるようなものだけではなく、こういうことが先生方のICT活用をちょっと阻害しているのですよねと、こんなことがあるから整備が進みにくいところもあるのでしょうか、というのもヒントとしてそこから読み取れるようなデータもあればと、そんなふうに考えたりしています。
 以上です。

【堀田座長】
 ありがとうございました。今のは、例えば先進校というと何かすごいことをイメージしちゃうけど、要は普及している学校という意味ですよね。普及して日常的に活用されている学校、そういうのを言っているのだということが誤解のない表現にした方がいいかもしれないということだと思いますが、貴重な意見、ありがとうございました。
 益川委員、行きましょう。

【益川委員】
 何かこの補足インタビュー調査のところで、次のステップに向けてのいろんな要因という項目があるのですけど、そうではなくて、現状それぞれのステージで整備されているところで、どういう効果があるのかという調査もしていただきたい。特にその授業作りの観点であるとか、あと、校内研修ですとか、要は、先生の力量向上とか、子供たちにより良くなっていくために、そのステージごとでどうなのかというのは調べていただきたいと思いました。
 あと、今回、主に授業をターゲットにしているのですけど、教育課程全体でいろいろ、行事であるとか、修学旅行であるとか、色々なことが想定されるので、それぞれのステージごとでそういう各教科の授業外の活用についても是非調べていただけるとうれしいなと思いました。
 あとは、この四つのステージごとの調査ですけど、特にステージ2とステージ3ですけど、このぐらいの可動式PCの整備ですと、必ずしも各普通教室に常設で1台とはならないかもしれないので、ステージ1みたいに、このA.、B.という形で分類する必要が出てくるのかと感じました。
 以上です。

【堀田座長】
 ありがとうございました。
 授業外というのは意外と使われていまして、日常的にあると、連絡帳を書くとか、きょうの行事がいつもそこに電子掲示板みたいに出ているとか、何か実はそういうのがすごい役に立ったりするので、教育課程という考え方でいえば授業を中心に扱うのだけれども、実は今のようなことは探せばあるのかもしれないということだと思います。ありがとうございました。
 高橋委員、お願いします。

【高橋委員】
 高橋です。特に1の方の調査に関しては、私自身、この手の調査を何度もやっていますので、感想というか、意見を述べさせていただきますと。
 先ほどから話題に出ている何を観点に実践例として選択するのかというのは結構難しくて、先進事例でいくのか、日常的に使われている事例でいくのか、その辺で変わってくる。だけど、これは細かく機能を見ていくと、先進校を調べても、日常的に活用している学校でも機能として数多く使われているということはいい機能だろうと言えると思うので、ある程度Nで数を数えていけばいいのかとは思っています。
 それで、そうすると、活用とか、機能とか、そういうことをどうやって抽出していくかということですけれども、私自身はアンケートもやったことがありますし、指導案の分析もしたことありますし、ビデオからの分析もしたことありますし、実際に授業を見てからの分析もあります。
 それで、例えば、先ほど堀田主査がおっしゃったように、例えばイギリスの授業とかも、私、ずっと直接観察して記録を取っていくと、もう2009年とかの時点で、電子黒板は使われているけれども、電子黒板の機能はほとんど使われてないとか、仮に使われていても、タッチの機能しか使われてないということがはっきり分かっているのです。これは僕がイギリスでもアンケートでもやったんですけど、そこまでは出てこないです。毎日学校へ行って、ビデオを撮影して、分析したときに初めて分かったことなのです。
 なので、その辺りが、指導案から出てくるのかはなかなか難しいかと。ただ、ビデオを見るというのも、授業時間以上に一本分析するのに少し時間が掛かるので、併用だというふうには思います。実際にビデオを見ると、特に画面に注目して撮影しないといけないと思うのです。タブレットだったらタブレットの画面を映すとか、電子黒板だったら電子黒板の画面を見ていくと、何が起こっているかということもそのぐらいのレベルで行かないと、指導案にはほとんど出てこないということだけははっきりしているというふうに思います。
 実際にやっていくと、例えば、ちらちらと画面を見ているときとかがあります。これもICT活用とみなせます。授業外の使い方のときの堀田主査の説明と似ているのですけど、授業内でも、タブレットに映っているところをちらちら見ながらノートを書いているとか、それは指導案とかではやっぱり回数としては出てこないのです。
 だから、その辺りを、実はそういうところに一番使われていて、電子黒板もいろんな、ストップウオッチが出ますとか、いろんな機能があるのですけれども、実際には画面にタッチできる機能というのがもう圧倒的な回数とかいう、そういうようなことは観察しないと出てこないということを申し上げたい。
 アンケート用紙で6ページにあるようなアンケートも先生に書いてくれとお願いしたことがあるのですけれども、これ、とても回答者に負荷が高くて、事前に説明会とかをしないと、このレベルでは書いてもらえることはほとんどありません。だから指導案の分析になるのだとは思いますが、この調査も是非やってほしいと思うのですけれども、なかなか苦しいかもしれないというふうに思っているところです。
 あと、2の調査に関しては、いろんな事例が集まってきたときに、やっぱり先ほどから言っていただいているように、やっぱり実態と評価ということのクロスなのかなと。こういう設備を入れたという実態があって、結果、設備の何が影響しているのか、実際に活用されているのかそういう評価の面も、大事かなというふうに思っています。
 あと、最後になりますが、授業外でというところで、米国やオーストリアの例を見ますと、やはり連絡帳代わりに使っているとか、やはり各国とも結果的に授業だけではなく校務の情報化の方でも1人1台端末を使わないと、導入した意味について説明が付かないと報告で聞いたことがありますので、授業外の方も多分かなりやっていかなくてはいけないと思います。
 以上です。

【堀田座長】
 ありがとうございました。
 赤堀委員、お願いします。

【赤堀委員】
 最初に確認ですが、結局どういう場面でどういうICTの活用をしたら、ということはいわば条件、変数みたいなものですよね。その結果、アンケートを取って、効果的だったとか、効果的でなかったとか、動機付けで良かったとか、あるいは、深い学びができたとかということが目的変数のような枠組みなのか、そのときに、そのICT環境のどの機能、先ほどの拡大したりというような機能が実は目的の変数の動機付けであるとか学びの質にどう関係しているのかということを分析されようとしているのか、少しそこが分からなかったので、取りあえずその確認と。
 そのときに、結局、先ほど先生がおっしゃったのだけれども、よく僕らが聞くのは、それは別にICTでなくてもできるのだと、通常のアナログや色々なものでもできるのだと。多分その差というものが機能だろうと思うのです。ICTの機能というものが従来のアナログに比べたら、ここのところがメリットで、でも逆に言うと、それが煩わしいとかというデメリットの方がありますと、なかなか使うというモチベーションが上がらないです。
 従来どうやっているかというと、私の調べた範囲では、従来の授業の仕方をそんなに変えないのです。そこにこの機能をICT環境でやってみると、機能というものが違うので、それで効果があるのではないかということになる。もし可能ならば、ICTを使った授業だけではなくて、いわゆる黒板とチョークでもいいのですが、従来の授業の調査と何か対比ができれば、少し分かるかというのが思っていますの。
 あるいは、この機能といったときの、比較群と対照群のようなイメージがあれば、その機能が浮き彫りにできるのではないだろうかと思う。そうすると、ICTの活用で、これまでではできなかったことが、こうできるというようなことがあるならば、いいのかというのが1点です。
 そんなことをやらなくても、ICT活用の類型化で、エビデンスができるのだというならば、それでいいのですが、研究として見ると、やはり比較群、対照群といった実験群があった方がイメージ的には分かりやすいかと思ったので、その1点、参考までのコメントです。
 2点目は、もう一件は、私どもの調査、実証研究をずっとやった中で分かっていることは、やはりこれはもう調査外だと思うのですが、あえて言えば、ベテランと新人によってICT活用がすごく違うわけです。つまり、料理人の腕みたいなもので、いい料理人はやはりおいしい料理を作る。素材がちょっと変わったということなので、そこをどうやって変数として入れるかというのは非常に難しいと思う。
 だから、ここは環境整備なので、それはもう力量向上を研修でもやってくれということなり、要因には入れないのだろうと思うけれども、せめて、先ほど導入展開何などというレベルではなくて、これは一斉授業でやっているのか、グループでやっているのか、個別でやっているのかぐらいの何か学習形態や授業の場面でも、何かもう一つ変数があってもいいのかと思います。
 今のモデルはやっぱり学習場面、掛ける、ICT環境、これがアウトプットしてどう効果があるのかというこの二元配置のようなモデルというのは少しシンプル過ぎて、本当に出るのかということが少し感じたので、参考までにしていただきたい。

【堀田座長】
 ありがとうございました。
 大変恐縮ですけれども、時間の関係でここまでとさせていただきます。
 委員のみなさんは経験者なもんですから、要望と熱意でたくさん意見が出て、時間短い中で、マンパワーも限られている中で、三菱総研さんはじめ、皆様には大変御無理を申しますけれども、本日出た意見を踏まえまして、引き続きよろしくお願いしたいと思います。
 今回は私どもが策定しようとしているICT環境整備の指針のために、まずは実態を把握し、頻度の多いもの、よく活用されているものはどういうものかということをしっかりと調査し、それが教育効果に結び付いているかどうかの具体的な研究まではなかなか行かないのだとは思うのですけれども、多く使われているということは効果があると教師が認識しているから多く使うわけで、その利用、利便性みたいなことと、あと、それによる効果が活用頻度に出ているというふうにある程度みなせるのかなと思っておりますので、その点、よろしくお願いいたします。
 本日の議題はここまでとなりますが、限られた時間での討議でしたので、特に最後の件につきましてはまだ更に御意見等あろうかと思いますので、大変恐縮ですけれども、12月13日の火曜日、来週の火曜日ですが、までに事務局まで御意見、きょうおっしゃったことの確認の意見でも構いませんし、参考になる資料でも構いませんので、何か助言を頂ければというふうに思うところでございます。
 最後に、次回以降の日程につきまして、事務局より御説明をお願いいたします。

【松本課長補佐】
 委員の先生方、ありがとうございます。
 次回は1月25日水曜日、18時から予定をしてございます。本日頂いた御意見を事務局にて取りまとめた上で、事前にお送りさせていただきたいと考えております。
 なお、座長からもお話がありましたように、御意見等も頂戴したいと考えてございます。恐縮ではございますが、後ほどお送りさせていただく所定の様式にて、事務局に御提出をお願いできればと思います。
 ありがとうございます。

【堀田座長】
 ありがとうございました。
 それでは、本日の会議はここまでとさせていただきますが、現在、最終答申に向けて中教審の動き等、激しく動いているところでございますので、皆さん、丁寧に見ていていただいて、次回の会議のときには、それを踏まえて少し議論を進めたいと思っております。
 本日は遅くまで、ありがとうございました。

―― 了 ――

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-- 登録:平成29年02月 --