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高大接続システム改革会議(第4回) 議事録

1.日時

平成27年7月13日(月曜日)13時~15時

2.場所

文部科学省 東館3階 講堂

3.議題

  1. 中間まとめ(素案)について
  2. その他

4.出席者

委員

(座長)安西祐一郎委員
(副座長)片峰茂委員 
(委員)荒瀬克己,乾 健太郎,五十嵐俊子,浦野光人,岡本和夫,恩藏直人,金子元久,五神真,香山真一,河野真理子,小林浩,佐野元彦,鈴木典比古,関根郁夫,長崎榮三,長塚篤夫,南風原朝和,羽入佐和子,濵口道成,日比谷潤子,宮本久也,山本廣基,吉田研作の各委員

文部科学省

(文部科学省)前川文部科学審議官,德久総括審議官,德田生涯学習政策局審議官,小松初等中等教育局長,伯井初等中等教育局審議官,吉田高等教育局長,藤原私学部長,義本高等教育局審議官,瀧本官房付,浅田総務課長,板倉政策課長,大槻国立教育政策研究所長,水田初等中等教育局主任視学官,今井教育制度改革室長,新田高等教育局主任大学改革官,塩見大学振興課長,橋田大学入試室長,他

5.議事録

(1)中間まとめ(素案)について,事務局から資料1,2に基づき説明があり,その後,意見交換が行われた。

【安西座長】  時間でございますので,ただいまから第4回高大接続システム改革会議を開催させていただきます。委員の皆様,御多用の中お集まりいただきまして,誠にありがとうございます。
 では,まず,事務局から配付資料について確認をお願いします。
【新田主任大学改革官】  失礼いたします。それでは,資料でございますが,議事次第にございますとおりに資料の1と2,それから参考資料1から2,3-1,2,3がございます。なお,このうち資料3-1,3-2,3-3は前回6月18日の第3回に配付させていただいた資料でございます。3回のときに若干修正に係る意見等ありましたけれども,前回の資料ということで本日お配りさせていただいておりますので,御了承いただければと思います。落丁等ございましたら,事務局までお申し出いただければと思います。
 以上でございます。
【安西座長】  よろしいでしょうか。それでは,進めさせていただきます。
 この会議の審議につきましては,今年の夏頃を目途に一旦中間的なまとめを行うということにさせていただいております。これまでこの会議の審議で委員の方からいただいた御意見等,また新テストに関する新テストワーキンググループの検討状況等を踏まえまして,事務局に中間まとめの素案を作成いただいております。本日は,この中間まとめ(素案)につきまして,大学入学者選抜改革,また大学教育改革の部分を中心にして審議を行えればと思っております。
 それでは,事務局から資料について説明をお願いします。
【新田主任大学改革官】  それでは,資料1を御覧いただければと思います。高大接続システム改革会議「中間まとめ」(素案)と書いた表紙の付いた資料でございます。
 まず,1枚おめくりいただきまして,ゼロページに当たる部分でございますが,目次のところを御覧いただければと思います。
 目次でございますが,全体,大きくは3構成,1番,中間まとめの背景と目的,2番,高大接続システム改革の基本的な内容・実施方法,3番,高大接続システム改革の実現のための具体的方策,この3番のところが1番,高等学校教育の改革,2番,大学教育改革,3番,大学入学者選抜改革という構造になってございます。
 続きまして,1ページ目でございます。
 まず,1ページ目,「中間まとめ」の背景と目的ということでございますが,一つ目の丸にありますとおり,様々社会が変化している中で,知識の量だけでなく,自ら問題を発見し,他者と解決していくための資質や能力を育む教育が,急速に重視されつつあります。
 二つ目の丸ですが,こうした中で,学力の3要素を全ての一人一人の生徒・学生が身に付けられるようにしなければならないということでございます。
 三つ目の丸のところで,昨年12月の高大接続答申を受け,高大接続改革実行プランが公表されて,このシステム改革会議が設置をされました。
 四つ目の丸ですけれども,この高大接続システム会議の目的として,本年末を目途としてプランの実行方法を提示することにより,改革内容を実施に移していくための出発点を示すことにあるということでございます。
 次のページ,めくっていただきまして2ページ目でございます。
 高大接続システム改革会議の議論を本年末に向けて具現化していくために,この中間まとめというのは,これまでの議論を整理するとともに,今後の議論に資する論点をまとめることを目的としております。
 3ページ目でございます。
 3ページ目が高大接続システム改革の基本的な内容・実施方法ということで,まず(1)高大接続システム改革の基本的内容ということ,一つ目の丸で一体的に行う改革であるということ,二つ目の丸で,高等学校教育改革においては,アクティブ・ラーニングの転換をというところから書いてございますが,これは次のページのところからでもまたお話をいたしますが,次回以降,高等学校教育改革の部分については記述をする予定でございます。また後ほどお話しいたします。
 三つ目の丸,大学教育においては,学生の主体性を更に引き出す多様な学びの場をつくるということで,三つのポリシーの一体的な策定,そして,それを実行ならしめるための認証評価制度の見直しということの必要性がございます。
 次の丸二つが大学入学者選抜についてですけれども,6行ほど下がっていただきまして,アドミッション・ポリシーの明示と入学者選抜方法の実現,そして「大学入学者学力評価テスト(仮称)」の創設がございます。
 なお,入学者選抜はということで,次の丸ですけれども,直接大学に進学するだけのものではなく,中途退学経験者や社会人等の多様な背景を有する者についても許容するものである必要性について記述してございます。
 めくっていただきまして,4ページ目でございます。
 段階を踏まえた着実な実施ということで,一つ目の丸,4行目ほどにございますとおりに適切な手順と十分な情報公開を踏まえて着実に実施することの必要性を記述しております。
 二つ目の丸で,特にということで,「高等学校基礎学力テスト(仮称)」,それから「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」の具体的な制度設計につきましては,高等学校学習指導要領の改訂に係る検討状況を踏まえる必要があります。
 三つ目の丸でございますが,特に「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」につきましては,32年度からの実施ですけれども,新学習指導要領が34年度入学生から適用されることもありますので,36年度以降の新学習指導要領対応と,それまでの32年から35年にかけてということで段階感があることについて記述をしております。
 次,5ページ目でございます。
 ここからが具体的方策についての3でございます。
 一つ目が高等学校教育改革でございますが,ここのところ,柱で今1,2,3,4,5と五つの柱を示してございますが,これらにつきましては,特に教育課程,それから教員の指導力向上等も含めまして中央教育審議会の方で議論が進められておりますので,「高等学校基礎学力テスト(仮称)」も含めました高校教育改革の全体像として記述をする必要があることから,次回,ここについてはお示しをするということで,本日は項目のみの御紹介となっております。
 めくっていただきまして,6ページ目でございます。
 6ページ目で2番が大学教育改革でございます。ここからが(1)大学教育改革の必要性,それから(2)三つのポリシーに基づく大学教育の実現のための方策,2枚めくっていただきまして10ページでございますけれども, 3番が認証評価制度の改革,この三つが大学教育改革の柱のもとに書かれております。
 お戻りいただきまして,6ページ目,(1)大学教育改革の必要性について,一つ目,二つ目,そして三つ目の丸で,これまで繰り返し叫ばれてきた様々な内容について状況がありますが,多くの大学においては,いまだ課題となっているということから,四つ目の丸では,次期学習指導要領につきましても能動的学習の本格的導入に向けた議論がなされていることに鑑み,各大学がそのような方法を身に付けてきた多様な学習者の力を更に向上させるための実効ある教育方法を確立するということが重要であるとの記載をしております。
 (2)三つのポリシーに基づく大学教育の実現のための方策でございますが,ここはア,イ,ウ,エ,四つの柱からなっております。ア,三つのポリシーの重要性,6ページ下,イ,位置付けの強化,7ページのガイドラインの策定,1枚めくっていただきまして8ページ,エの三つのポリシーに基づく教学マネジメントの確立という四つの柱でございます。
 まず一つ目,三つのポリシーの重要性につきまして,ディプロマ・ポリシー,カリキュラム・ポリシー,アドミッション・ポリシーの三つのポリシーと,その間の緊密な関係性について基本とすべきであるということ,二つ目の丸のところで,この策定に当たっては,大学における十分な戦略を持っている必要性,また,その大学教育と高校教育,それからその後の社会等の関係を一貫した視点で捉える必要があるということでございます。
 イの位置付けの強化ということでございますが,次のページ,7ページ目でございますけれども,三つ目の丸のところにございますとおりに,この三つのポリシーを各大学が一体的に策定し,公表することを法令上義務付けることについて,中央教育審議会において具体的な検討を進めるべきであり,その際2行ほど下がっていただきまして,各方針の関連性,一貫性が確保されるよう理解を深める必要があるということでございます。
 そして,ウでガイドラインの策定でございますけれども,一つ目にありますような三つのポリシーについて,抽象的な文言あるいは相互の関連性の意識が薄いといった課題があるということから,二つ目の丸でございますが,三つのポリシーの策定については法令上義務付けと併せて,国において三つのポリシーの策定に係る運用に関するガイドラインを策定することが効果的であるということでございます。
 次の丸ですけれども,ガイドラインの内容については中央教育審議会で検討されるべきであるが,例えば次のような方向性を示すことが考えられるということで,まず総論につきましては,2行目にありますようなポリシーの間の密接な関係について外部者に理解できるように表現することがございます。
 めくっていただきまして,ディプロマ・ポリシーについてはその内容とともに,二つ目のぽつにありますような学習成果の可視化,それから厳格な成績評価・卒業認定を行うことがございます。
 カリキュラム・ポリシーにつきましては,ポリシーを踏まえたカリキュラム編成,学修方法,学修過程の在り方等を示すということ,それから最後のぽつになりますけれども,初年次教育を具体的に位置付けることなどがございます。
 アドミッション・ポリシーにつきましては,3行目ほどにありますとおりに,入学前にどのような多様な能力をどのように身に付けてきた学生を求めるのか,さらには入学後にどのような能力をどのようにして身に付けられる学生を求めているかを具体的に示すということ,次のぽつですけれども,その際の入学者選抜に当たっての評価方法の多角的な活用,それから評価方法の比重でございますが,これらについてアドミッション・ポリシーにおいて示すということ等をガイドラインで定める方向が考えられるということでございます。
 エの三つのポリシーに基づく教学マネジメントの確立でございますけれども,三つのポリシーに対する教職員の共通理解,そして二つ目の丸,重視すべき観点,大学に求められる取り組みの例ということで,その下ですけれども,まず一つ目,多様な学生に対応できる体系的なカリキュラムの編成,次のページですけれども,初年次教育の見直しでありますとか,体系的カリキュラム編成,社会等との関連,二つ目の知識の伝達・注入を中心とした授業から能動的学修への転換ということで,単位制の実質化,反転授業,それから授業と質の抜本的充実等々について含まれるということでございます。
 次のところが学修成果の把握・評価,それから下がっていただきまして,充実した大学教育の実践を支える体制の整備ということで,FD,SD,教育業績の評価等々,次のページをめくっていただきまして,それから専門的人材の職務の確立・育成・配置等につきまして取り組みを促すというものでございます。
 (3)番,認証評価制度の改革ということです。
 二つ目の丸ですけれども,認証評価については,大学教育改革,それから入学者選抜改革,さらには改革後における大学の教育研究機能の高度化に,より積極的な役割を果たすものとなることが重要であるということで,三つ目の丸ですけれども,現在,中央教育審議会で認証評価の時期の在り方について審議が進められておりますけれども,最後の丸のところで,この中央教育審議会における議論においては,次のページ,例えば以下のような観点で検討が進められるべきであるということで,一つ目のぽつにありますような高大接続システム改革の内容等を実現するための認証評価制度への発展でありますとか,大学教育改革,入学者選抜改革の取り組みなどについて検討する必要があるということで例を示しているということでございます。
  次のページ,12ページからが3番目の大学入学者選抜改革でございます。12ページ(1)個別大学における入学者選抜改革と,1枚めくっていただきまして15ページからが(2)「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)の導入」という,この二つの柱からなっております。
 12ページ,まず入学者選抜改革は,五つの柱からなっております。ア,個別大学における多面的・総合的評価による入学者選抜方法,次のページ,13ページ目,イ,多様な背景を持つ受検者の選抜,14ページ目,ウの個別大学における多面的・総合的評価による入学者選抜を支える体制等の整備,4番目のエの大学入学者選抜の実施に係る新たなルールの構築としての入学者選抜実施要項の見直しということで記述をしてございます。
 まず,12ページ目からでございますが,個別大学における多面的・総合的評価による入学者選抜方法ということでございます。これは二つ目の丸にありますとおりに,アドミッション・ポリシーの明確化,そして国におけるガイドラインの策定,その中で盛り込むべき事項ということで,三つ目の丸でございますけれども,ガイドラインによりアドミッション・ポリシーに求めるべき内容としては,特に以下の点について重視する必要があります。
 一つ目のぽつで,学力の3要素について具体的にどのような能力をどのレベルで求めるのか,二つ目のぽつで,そのような能力をどのような方法を選び,どのような比重で評価方法とするのかについて明示をすること。そして,その際の評価方法としては,例えば次のようなものがあるということで,次のページ,冒頭にございますとおりに1から8,9,その他までございますけれども,これらを選び,どのような比重を置き,評価するのかについてアドミッション・ポリシーで明示をするようガイドラインに記載すべきではないかということがアでございます。
 イで多様な背景を持つ受検者の選抜ということで,次のページ,14ページを御覧ください。14ページの一つ目の丸,アドミッション・ポリシーに基づき,多様な背景を持つ入学者選抜がより適切に評価される多元的な選抜の仕組みの構築・実施ということで,多様な背景を持つ者の例を書いてございます。
 ウでございます。個別大学における体制の整備ということで,アドミッション・オフィス等の整備と,また二つ目の選抜手法,評価方法の開発,三つ目の丸の個別大学の入学者選抜改革を促す財政支援等ということでございます。
 エの新たなルールの構築でございますが,次の15ページの方を御覧いただければ,二つ目の丸でございますが,答申の方で書かれておりました二つ目の丸の2行目,大学入学者選抜実施要項を抜本的に見直して,一般入試,推薦入試,AO入試等の区分を廃止し,新たなルールを構築することが提言されており,このことを踏まえ,新ルールによる入学者選抜に速やかに着手することができるよう,関係者間で具体的な検討を進める必要があるということでございます。
 次の(2)からが「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」の導入でございますが,ここはア,イ,ウ,三つの柱からなっております。一つ目のアでは導入の背景を記載しております。イで,その基本的な考え方でございますが,一つ目の目的・対象者ということで,大学入学希望者を対象として大学教育を受けるために必要な能力を把握することを主たる目的とし,その際,3行目にございます思考力・判断力・表現力を中心に評価をするものということ,丸2で「思考力・判断力・表現力」を構成する能力の明確化とそれを踏まえた作問でございますけれども,この部分につきましては,別紙を用意してございますので,後ほど更に詳しく説明させていただきます。
 16ページでございます。
 ここからが具体的な制度設計についての考え方ですが,先ほど申し上げましたとおりに32年度から35年度の現行学習指導要領期間と,それから36年度以降の次期学習指導要領期間,それぞれについて取り組むことが必要であると記載した上で,丸1対象教科・科目等でございますが,次期学習指導要領のもとでの基本的枠組み(平成36年度~)ということで,一つ目の丸,次期学習指導要領の趣旨を十分に踏まえて,とくに思考力・判断力・表現力を構成する諸能力をより適切に評価できるものとするということで,一つ目のぽつ,地理歴史・公民について,それから二つ目のぽつ,次期学習指導要領で検討されている数学と理科の知識や技能を総合的に活用して主体的な探究活動を行う新たな選択科目への対応,三つ目のぽつで数学と理科,次のページ,17ページ,一番上のぽつで国語について,二つ目のぽつで英語について,三つ目のぽつのところで教科「情報」について記述してございます。
 次に,32年度から35年度の現行学習指導要領下における基本的枠組みということです。
 一つ目の丸にございますとおりに,次期学習指導要領の改訂に係る議論の方向性を勘案しつつ,思考力・判断力・表現力を構成する諸能力をより適切に評価できるものとするということで,各教科・科目の出題内容については,それぞれ記載してございます。
 次の丸のところで試験の科目数については,次の行のところの終わりですけれども,受検者数の状況等も勘案しつつ,できるだけ簡素化するということでございます。
 丸2の出題・解答・成績提供方式ということですけれども,多肢選択方式の問題に加えて,そのプロセスに判断を要する部分が含まれる問題や記述式の問題などの導入を目指すということ,次の問題で,多肢選択方式については,各教科・科目の特性を踏まえながら,分野の異なる複数の文章の深い内容を比較検討すること要する問題,多数の正解があり得る問題等の導入を検討するということ,次のページ,一つ目の丸ですけれども,選択式で,より深い思考力等を問う問題の例として,連動型複数選択問題(仮称)などの導入を考慮して検討するということがございます。
 次の二つの丸が記述式問題についてですけれども,32年度から35年度は短文記述式の導入,36年度以降の次期学習指導要領のもとでは,より文字数の多い記述式の導入を検討するということがございます。
 次の丸のところで記述式問題の導入に係る課題等について記してございます。
 次のCBTの導入につきましては,CBTが導入されますと,様々な資料,動画,記述式問題の導入,スピーキングの評価,適応型テストへの拡張等の展開が想定されるということの一方で,次の丸ですけれども,導入には十分な準備が必要であるということでございます。
 次の丸ですが,このため,平成36年度からの次期学習指導要領のもとでのテストからCBTを実施することとし,現行学習指導要領のもとでの32から35年度の間につきましては,CBTの試行に取り組むと記載してございます。
 次に難易度設定等の在り方について記載してございます。
 次の結果の在り方につきまして,2行目,結果の多段階による表示により提供を行うことなどについて,今後より専門的に検討する必要があるとしてございます。
 丸3実施方法については,実施体制,実施場所について具体的に検討する必要がございます。
 実施回数,実施時期については,一つ目の丸,複数回実施については答申で提言されておりますが,導入するに当たっては,一つ目の丸の項目反応理論の導入,その際の難易度や識別力などの項目特性等の推定,予備調査の実施,それから問題の蓄積の必要性等があるということ,また,最後の丸のところですが,年複数回実施の場合にテストの実施時期と高等学校教育との日程関係等について十分な検討が必要になるということでございます。
 次のページへいきまして,これらを踏まえて,年複数回実施の方法,日程については,関係者の意見も聴きつつ十分な検討を行う必要があるとしてございます。
 次の受検しやすい環境整備の方策ということで,日程,それから時間,二つ目の丸の検定料,三つ目の受検者への配慮等について記載してございます。
 丸4,英語による民間の知見の活用ということで,2行目,答申においては四技能を総合的に評価できる問題の出題,民間の資格・検定試験の活用といったことが提言されております。
 一つ飛んでいただいて三つ目の丸で,これらの議論を踏まえて四技能を重視する観点から,民間の資格検定の知見を積極的に活用するなどの具体的な連携の在り方について更に検討する必要があるとしてございます。
 最後,丸5のその他では,名称についてと,それから今後の検討の進め方について記述してございます。
 長くなってしまいましたが,以上でございます。
【安西座長】  ありがとうございました。
 引き続きまして,「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」について,事務局から補足説明をお願いしたいと思います。
【橋田大学入試室長】  それでは,21ページ目の後ろに付けております別紙の資料に基づいて説明させていただきます。
 こちらの方は「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」に関わりまして,このテストの教科において大学教育を受けるために必要な能力として,どのような力を評価すべきかということで現在検討中の案をお示ししているというものでございます。
 こちらの資料につきましては,この新テストで評価すべき思考力・判断力・表現力を構成するより具体的な能力概念といたしまして,各教科を通じた全体の共通の軸と,また各教科の例についてお示ししているものでございます。こちらの方,新テストワーキンググループですとか,この作問に係る作業チームの検討状況なども踏まえまして,新テストワーキンググループの岡本主査,また安西座長とも御相談の上,整理させていただいたものでございます。
 まず,共通事項のところで書かせていただいておりますけれども,この背景といたしまして,今後の社会の在り方・変容を踏まえますと,大学における学修,社会生活において,主体性を持って多様な人々と協力して問題を発見し解を見いだしていく,そういったことのために必要な,以下のような思考・判断・表現等を行えることがますます重要になるということで,大きく3本柱を挙げさせていただいております。
 一つには,現在の状況から問題を発見・定義し,必要な情報を収集して解決のための構想を立て,計画を実行し,その結果を振り返って次の問題解決につなげていくということです。
 二つ目といたしましては,問題発見・解決のプロセスの中でも,特に次のような思考・判断・表現等が行えることを挙げさせていただいておりますけれども,一つには推論,仮説の形成,二つ目として学修を通じた創造的思考,三つ目として適切な判断・意思決定,四つ目として相手や状況に応じた表現や構成ということで整理させていただいております。
 また,(3)にございますように,こういった問題発見・解決のプロセスを主体的に実行していくだけではなくて,他の考え方との共通点あるいは相違点を整理したりですとか,異なる考え方を統合させながら実行していくことが重要になってくるのではないかと考えております。
 別紙の裏側2枚目の表でございますけれども,一番上のちょっと下のところに問題発見・解決のプロセスを書かせていただいております。先ほど御説明した一連の問題発見・解決のプロセスを整理,図式化しております。
 また,その中で働く思考・判断・表現等ということで,先ほど大きく四つの類型を示させていただきましたけれども,例えば思考の中での推論,仮説の形成の面では,問題発見・解決のプロセスに対応いたしまして,抽出した情報に基づく問題の理解に始まりまして,関連する知識や情報の検索,また知識や情報に基づく仮説の形成,更に結果の予測,そして結果に基づく推論ということを踏まえまして,次の問題解決に向けた推論につなげていくといった思考が働いているということで整理させていただいております。こういったプロセス,それぞれ学修を通じた創造的思考の面でも,また判断・表現の面でもそれに応じたプロセスが働いているということで整理させていただいております。
 その上で,一番上のところでございますけれども,問題発見・解決のプロセスでは,他者への働き掛けですとか他者との協働,外部との相互作用が重要になってくるということでイメージさせていただいております。こちらの方はまだ検討中の段階でございますけれども,問題発見・解決のプロセスの中で働く思考・判断・表現といったものの整理を進めていきたいと思っております。
 別紙の表紙の方にお戻りください。
 こちらの方,「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」の観点から申しますと,このプロセスを踏まえまして,中ほどの矢印にございますように,各教科の知識をいかに効率的に評価するかではなくて,思考・判断・表現等を働かせる状況をいかに設定し,評価するかという観点からの作問が求められているのではないかと考えております。大学教育においては,こうした思考・判断・表現などを更に磨いていくことを重視するというメッセージとセットで打ち出していく必要があるのではないかと考えております。また,高校教育においても,多様な進路に応じて,その必要な能力を伸ばす中で,こうした思考・判断・表現等を行う力の育成を重視していく必要があるのではないかと考えております。こういった整理というものは,大学教育を受けるために必要な能力として,高等学校教育に対してどういった光を当てるのか,またメッセージを送るのかにもつながってくると考えております。
 これらを踏まえまして,ページの中盤以降では,国語,英語,数学,理科,地理歴史における例を示しているというところでございます。それぞれの教科の特性に応じたプロセスの事例を示させていただいております。引き続き,教科ごとに専門的な検討を行いまして,作問イメージとともに,更に具体化していきたいと考えております。
 以上でございます。
【安西座長】  ありがとうございました。それでは,ただいま事務局から説明のありました事項につきまして,御質問,御意見おありになる方はお願いいたします。どなたでも結構でございます。
 片峰副座長,お願いします。御質問,御意見おありの方は札を立てていただければと思います。よろしくお願いします。
【片峰副座長】  大学に関わる部分に関して,私見も含めてコメントさせていただきたいと思います。
 今回の高大接続改革を実りのあるもの,日本の教育を大きく変えるものにするためには,この改革の意味とか価値を,社会,とりわけ全ての大学を含めた全てのステークホルダーが共有することが前提だと思います。そういった意味では,やはりこの改革のゴールのイメージが一つ非常に重要だと思います。
 一つは,いつ頃までにこの改革を仕上げるのかという点です。前回までの議論の中で,「高等学校基礎学力テスト(仮称)」とこの「大学入学希望者学力テスト(仮称)」に関しましては,新しい高等学校の指導要領が適用されるその前と後ということで段階がきっちり分けられました。そういった意味では,大学の改革,とりわけ入試の改革に関しても,やはり新しい指導要領の生徒が出てくる平成37年,ここを一つのゴールとして設定していただきたいというのが一つの希望です。その上で,それまでの期間というのは,大学がそれぞれのやり方で準備をしていく,様々なトライアルをしていく期間というふうに位置付けていただければ,非常に大学としては取り組みやすいのではないかと考えています。
 ゴールのイメージについては,時期だけではなくて,様々なまだ不明な点がございます。一つは,以前から言われていました区分制の入試というのは本当に廃止されるのだろうかということもまだよく分かりません。それと,アドミッション・ポリシーに基づいた入試ということになると,非常に個別的な,特色的な入試というイメージになりますが,今回の改革の考え方とかミッションとか意味とかというものをどこで共通性の部分として制限を掛けるのか,そこら辺のイメージ,要するに共通性と独自性のイメージのところがどうもつかめません。また,現在,非常に高校生も多様化しています。大学も多様化しています。その中で,その多様性に今回のシステム改革がどのように対応できるのか,そこら辺のイメージも含めまして,そのゴールのイメージをやはりきちんと作る必要があると思います。そこが1点です。
 もう一つは,本日の御説明の中で,将来の認証評価の見直しをして,その中にアドミッション・ポリシーに基づく入試も評価の観点に入れていこうという話をされたと思います。それは一つの大きな進歩だと思います。やはり改革をなし遂げるためには,全ての大学が,ある意味でこの改革に参加していただかなければいけないわけです。その一つのものとしては,やはり認証評価というのは非常に重要だろうと思います。
 それと,もう一つは,入学者選抜実施要項という文部科学省から毎年発されるものがあるわけです。ここに関しましては,何が書き込まれるかという内容がまだ出ていません。その中で,そこに何を書き込むか。先ほどの区分制の廃止の問題も含めまして,そこら辺をイメージとして出していただきたいし,もっと重要なことは,その実施要項自体の意味です。ここも非常に大学間で受け取り方の違いがございます。これは遵守事項なのか,それとも単なる努力目標なのかというあたりも含めまして,そこら辺を明確にする必要があると思います。さらに,先ほどの認証評価の見直しに加えて,設置認可基準にもアドミッション・ポリシーに基づく入試を一つの要件として入れていくという考え方もあり得ると思います。
 以上の問題に関する記載をある程度のところまで今回の中間まとめに入れていただきたいと思います。
【安西座長】  大変貴重な御指摘をいただきました。ありがとうございます。
 それでは,関根委員,お願いします。
【関根委員】  今,片峰副座長から言われたゴールのイメージですが,私もそれはすごく大事だと思っていました。今回の全体の改革というのは,高大から小中まで含めた学びの改革だと思っています。特に私は高等学校にいたものですから,イメージとして「高等学校基礎学力テスト(仮称)」と「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」とか,個別の入試とか,実は現場では非常に混乱している部分があります。私の認識では,日本がとっていくべき戦略として,基本的に基礎・基本のきちんとした力を十分に付ける。そうした上で,思考力・判断力・表現力といったイノベーティブな力を付けていくという戦略をとるのだろうなと考えます。そのために,「高等学校基礎学力テスト(仮称)」を課す。これは全国民に高等学校のこの部分ぐらいまでは付けようというのですから,本来でいうと小中の部分もきちんとこれでも見る。また,全国学力・学習状況調査でもこの「高等学校基礎学力テスト(仮称)」に併せて変えていく又は「高等学校基礎学力テスト(仮称)」の方も全国学力・学習状況調査の方のA問題,B問題に相当するものをきちんと入れていく。つまり,全国学力・学習状況調査の延長線上にこの「高等学校基礎学テスト(仮称)」があるということです。ここまではきちんと学力を付けましょうということがベースにあって,その上で思考力・判断力・表現力を付ける必要があるのだということになると思います。
 そうであれば,そういう戦略なのだということをきちんともう少し分かりやすく表現していただけたらなと思います。でないと,「高等学校基礎学力テスト(仮称)」とほかの部分では実はかなりイメージが異なり,場合によっては逆になってしまいます。つまり,「高等学校基礎学力テスト(仮称)」は,詰め込みに戻るというイメージを持たれますから,これはこういう位置付けにあるのだということ,ゴールのイメージをきちんと表現していただきたいというのが一つです。
 それから,そうした意味でいうと,学びを小中高大で変えていこうということが一番だと思いますので,これは私の個人的な意見ですが,個別入試でいろいろなものを見ていくのですが,学生たちの学んだ結果だけではなくて,どんなことを学んできたかという学修履歴みたいなものをきちんと見ていただけないか。特に,学修履歴で大事なのは,高等学校でいえば高等学校の授業です。どんな授業を受けて,そこでどういう学びをしてきたか,それを見ていただけないか。つまり,学んだ結果だけを見るのではなくて,学んできた過程を見ていくことを研究していただけないかと思うのです。その過程を見られると,高等学校は一気に変わります。学びを大きく変えられます。学びを変えることが目的であるならば,そういう視点で少し個別入試の方の視点も入れていただけると,高等学校の学びというのは大きく変わると思います。結果だけ見るのではなくて,過程を見るという視点を取り入れていただけないかというのが私の意見です。
 以上です。
【安西座長】  ありがとうございました。先ほどの片峰副座長も,やはりゴールイメージというのでしょうか,イメージがもっときちんと共有されなければいけないというのはそのとおりで,かなりの内容を含んでおりますので,やはりもっと詰めた,きちんとした言い方で示していく必要があるのではないかと思っております。
 高等学校のテストにつきましては,私の理解は,今,関根委員が言われたことにほぼ同一なのでありますけれども,それがやはり全国に伝わっていくようにしなければいけないというふうに思います。
 ほかにはいかがでしょうか。佐野委員,お願いします。
【佐野委員】  ありがとうございます。関根委員の御発言で非常に強く思ったのですが,私どもが行っております高等学校PTAのP,保護者と,それから高校生の調査の結果ですと,高校生が進路を決めるときに誰に相談するのか,誰の意見を参考にして進路を決めるのかという数字は,高校の先生ではなくて,一番多いのは母親です。そういう意味で,保護者がこの学力の3要素ということについてきちんと理解することが必要ですし,今お話があった「高等学校基礎学力テスト(仮称)」と,「大学入学希望者評価テスト(仮称)」との位置付けをきちんと理解する必要があるので,間違いのない情報伝達と,明確なイメージを発信していかないと非常に心配だなという点が一つです。
 それから,もう一つは,今,関根委員からお話があった学修の履歴ということですが,学修の履歴だけではなくて,例えば調査書あるいは活動報告書等を1人の人間がかばんのように持って歩けるようになればよいと思います。私は秋田県の出身ですが,例えば秋田県のみならず全国各地で行われているのは,いわゆるキャリア教育のキャリアノートみたいなものを小学校から中学校へきちんと持たせてあげましょうとか,あるいはキャリアノートを高等学校まで活用しましょうという取り組みが行われています。そういうものも全部含めた,個人のいわゆる学びの履歴,学修の履歴あるいは成長の過程,そういうものをかばんのように持たせてあげるということが必要なのではないかと思っています。
 そこで,マイナンバー制度が導入されるわけですが,今,第2段階としてマイナンバーと様々な個人の情報とを,ひも付けをして活用できないか。健康とか病気の情報もそうですが,これを一人の人間の学修というところにくっつけられないかなということを考えているところです。もしかすると,これは大学へ行ってからも使えるでしょうし,あるいはその後,社会に出てから企業でも使えるかもしれないし,御本人の生涯学習の中でも使えるかもしれないと思っております。一人の履歴をみんなが,学校も見られる,御本人も見られる,保護者を含め関係者が見られるということが重要なのではないかなと考えるところです。
 以上です。
【安西座長】  ありがとうございます。文部科学省の方で履歴についてお考えはあるのでしょうか。
【德田生涯学習政策局審議官】  生涯学習政策局ですけれども,今,中央教育審議会の生涯学習分科会のもとに学習成果部会が置かれまして,そこで在り方等を検討しているところでございます。
【安西座長】  ありがとうございました。
 では,吉田委員,お願いします。
【吉田委員】  私は各論なので,先でもよろしかったですけれども,本当に細かい点で申し訳ないですが,英語について記述されている部分が少しあって気になる点があるので,それだけお話します。
 17ページの上から二つ目のぽつですが,2行目に,例えば,情報を的確に理解し,次,一番問題なのは語彙や文法の遣い方を的確に判断しという,的確というのがありますが,今までの外国語教育の一番難点の一つは,正確さ,正確さ,正確さで来ていて,できる限り一つの表現以外は認めないようなものがあるものですから,この表現は,状況によって適切に利用するとした方が,幅があっていいかと。たまたま,今,こちらの方の別紙の方の国語と英語の方,左下を見てみますと,ここにはやはり伝える相手や状況に応じて適切な語彙,表現,構成,文法を用いてと書いてあるので,この方が私は正しいと思いますし,今後改革すべき点だと思いますので,その辺御考慮いただければと思います。よろしくお願いします。
【安西座長】  17ページの7,8行目の「的確に」については,私も「適切に」の方が適切なのではないかと思います。ありがとうございました。
 それでは,荒瀬委員,それから金子委員,お願いします。
【荒瀬委員】  ありがとうございます。全体に関して,この方向で進んでいくことに対して,私は様々な課題はあるし,一度に全てをすることは難しいということも記述されていますけれども,しかし,進めていくべきだということを考えています。
 長年高等学校にいた者として思いますのは,先ほど進路指導が,佐野委員から御発言がありましたけれども,母親の影響が大きいということでもありましたが,もちろんそれもあるでしょうけれども,更に大きいのは,塾とか予備校の影響であろうかと思います。塾,予備校を排除する気はもちろんございませんし,それぞれのまさにポリシーを持って教育をしていらっしゃるということは,それはそれといたしまして,高等学校が主体となって進路指導していくということが今回の改革で可能になっていくのではないかということを私は期待しています。高等学校教育の充実が大学入試においても大学入学者選抜においても評価され,そしてそこで学んだことが大学教育で更に深められ,高められして社会に出ていく力となっていくという,本来あるべき形を取り戻すチャンスであるということを思っております。それが,まず1点です。
 もう1点は,そういうことを考えますと,これは大学の側の改革ということが具体的にしっかりと進んでいかなければならないわけですけれども,日本の大学というのは様々でありまして,先ほど片峰副座長もおっしゃいましたけれども,大学も多様であります。とりわけ,国公立もそうだとは思いますが,私立大学は極めて多様であります。
 今の中間まとめの素案を読む限り,国が何かをするという部分が非常に少ない気がいたします。10ページの一番上の丸のところに,国は,三つのポリシーとその間の関係に基づく教学マネジメントの確立を促しと。こういったことはもちろん大切ではありますけれども,むしろ14ページの真ん中下のウの部分,三つ目の丸に,国は,大学の協力も得つつ,先導的な選抜手法・評価方法等の開発に取り組むとともに,多様な財政支援により個別大学の入学者選抜改革を促しとあるわけです。多様な財政支援というものを本当にきちんとしていただかない限り,中小の私立大学は極めて厳しいのではないかと。
 私は大学経営に関わっているわけではございませんが,その末席にいる者として,なかなかこういったことが全ての大学にきちんと実際問題,具体の改革として実現することを期待しなければ改革は成功したとならないと思うのですけれども,そこの部分にやはり国は大胆に財政的な支援をお願いしたいということを思います。
 以上です。
【安西座長】  ありがとうございました。財政については,文部科学省に私の方からもお願いをしているところでございます。
 それでは,金子委員,お願いします。
【金子委員】  今度のこの中間まとめは,新しい大学入学者選抜試験の内容についてかなり突っ込んだ議論になっていると思います。それは非常に進歩だと思いますが,今の荒瀬委員やほかの委員の御発言とも関係するのですが,もう少し全体の情勢を考えてみると,入試問題に関する一つの問題点は,今のセンター試験を何らかの形で受けて選抜されている人たちが3割弱,それから全くそれに関係なく学力試験をやる,2科目ぐらいの学力試験をやって入っている人たちが3割弱ぐらい,大体4割以上が全くそういったものも使っていないという状況で,学力に対してかなり偏った状況が続いています。これも非常に大きな問題です。
 この状況全体をどのように変えていくのかというのは,そもそも一つの大きな観点であったと思いますが,少しこの報告書を見てみますと,新しいテストの内容について踏み込んでいますが,改革全体がどのように進んでいくのかということについてのイメージが必ずしも十分ではないのではないかと思います。端的に言いますと,例えば4ページで段階を踏まえた着実な実施ということが書いてありますけれども,ここで,例えば今までかなりテストの実施の準備段階について何年に何をするとか書いてあったのですが,ここの書き方は非常に分かりにくくて,三つ目のところに指導要領との関係で何年から何年という書き方をしていて,全体でどのように進むのであるかというところが非常に読みにくくなっています。
 ただ,それだけではなくて,むしろ大きな問題は,この間に大学全体がどのように動くか,特に大学がどのように動くかということについて展望がほとんど書かれていないわけです。特に,2020年,32年というのはちょうど18歳人口が減り始める時期でありまして,この時期までにも大体1割近く減るわけですが,それ以下はもっと減っていきます。大学の最も大きな関心は,どうやって入学者を確保するか,それが一番大きな課題であるわけです。私立大学は特にそうです。その中で,こういった試験ができてくることをどのように大学が捉えるのか。それから,今の非常に,学生を集めるところだけに何か非常に力点を置いた,それは言い過ぎかもしれませんけれども,少なくともそのように見える体制がどのように変わっていくのかということは非常に重要な点だと思いますが,これに対する見通しが非常に欠けているのではないかということです。
 今のお話のように,特に私立大学についてこれをエンカレッジするために,幾つかの論点はこれまで議論されています。財政支援をする,それから入試要項を考える,それから認証評価において新しい試験を使うということをエンカレッジするというような方法です。
 考えてみますと,最初に財政支援に関しましては,今回の書き方は新しい入試制度を取り入れるときの費用についての財政支援なのか,それとも新しい試験を入れたらば何か財政支援をもらえると言っているのか私は分からないです。よく見えませんが,後者は私は絶対無理だろうと思います。数からいっても,ほとんどビジブルな財政支援はあり得ないだろうと思います。
 それから,入試要項についても,これは一時文部科学省の方は入試要項によって相当な影響を与えると言っておられまして,私はこれはそもそも,これは片峰副座長がさっきおっしゃっていましたけれども,入試要項の性格自体からして,やるべきではないと思いますし,それから,どのような試験をどのように入れるかということになりますと,入試を多様化すると言っているのですから,これに対して入試要項で効果的な規制を掛けることは,私は非常に実は難しいのではないかと思います。これは,私は最初から,認証評価でもって,そもそも大学の教育とどのように合う学生を入れるのかということについて,どのような配慮をしているかという点でもって一定の評価をするということは可能だし,必要だと申し上げてきました。しかし,これも先ほど申し上げたタイミングの問題が非常に大きいと思います。検討するというだけであれば,これから5年間具体的な実施の間にどの程度のエフェクティブな効果が得られるか,非常に怪しいと思います。
 繰り返し申し上げますけれども,多くの大学にとって学生の確保が問題ですし,それからまた多くの特に中堅の大学は受験の倍率を高くすることにものすごく関心があります。例えば,理事会なんかでも,まず見るのは入試倍率を高くする。そのために,いろいろな入試の資料をいっぱい作っていて,一つの大学で600くらい種類があるとか,あるいは1回受験料を出せば何学科でも受けられるとかというのは,ほとんどここで考えていることと逆行しているようなことが既に行われているわけでありまして,それに対して具体的にどのような効果的な働き掛けをしていくことができるのか。それに対して,具体的なイメージを出すべきだと思います。
 以上です。
【安西座長】  ありがとうございました。私自身も中央教育審議会大学分科会に長くおりまして,金子委員ともいろいろ御一緒させていただいておりますが,今言われたことは,やはり大学の自治において,本当にこれからの日本の大学が,いろいろ多様な大学がありますけれども,それぞれの大学が本当に自ら考えていかなければいけないことも含めて,非常に大事なことでございまして,それがこの素案の中に余り反映されていないということもおっしゃるとおりだと思います。どうもありがとうございます。
 この御意見を頂くのは3時近くまでとれますので,どうぞよろしくお願いいたします。それでは,羽入委員,それから鈴木委員,お願いします。
【羽入委員】  ありがとうございます。片峰副座長がおっしゃっていたこと以降,委員の皆様がおっしゃっていたことと大体同じ意見ですけれども,この記述の方向性として,一つは高等学校,大学と続いていく教育内容の改革があるはずだと思います。それから,このことの議論がいつの間にか単に高大接続入試のような形で,入試の議論であるような印象を与えないようにすることが重要ではないかと思いました。
 例えば,素案の1ページ目に丸が四つございますけれども,その4番目のところでは1行ぐらいで,高等学校教育から大学教育,さらには義務教育や社会との関係まで含めというふうに書いてありますけれども,そういった小中の学びを含めた大学までの一連の縦軸で示される教育改革をこのまとめの中に意図しているのだとすれば,そのようなことを分かりやすく記入するということが重要ではないかと思いました。その過程で,高等学校と大学の接続が,入試を含めて,そしてまた大学以降の社会人になる際にどのような素養を持っていてほしいと考えるかというような,時間的な経過を視野に入れた高大接続システム改革であるというようなことを最初の部分にどこか明記することが重要ではないかと考えました。
 以上です。
【安西座長】  ありがとうございました。これも貴重な御意見だと思います。
 それでは,鈴木委員,恩藏委員,五十嵐委員,浦野委員にお願いします。
【鈴木委員】  高等学校,それから大学,それから高大連携という三つの山があるわけですが,大学教育において,いろいろな三つのポリシーを実施するということで,質の保障・向上あるいは改革がなされるという論理,書き方ですが,基本的に大学教員の質を上げていかなければいけない,ティーチングを上げていかなければいけないというところが基本に来るべきだと思います。
 その観点からしますと,そのことに触れたのが10ページの上の方の黒ぽつの三つ目,将来の優れた大学教員の育成に向けたということで,博士課程の学生に対する教員としての意識の涵養(かんよう)やアクティブ・ラーニング等の指導方法等を体系的に履修できる教育機会の充実ということがあって,これはこれで十分なのかなという思いもしますが,私はもう一歩進んで,何か大学教員になる者が持つべき見識,知識,それから素養的な側面を何か証明するようなサーティフィケート的な制度というものが必要なのではないかと思います。こういう制度は,高等学校まででしたら教員免許ということでありますけれども,大学にはそれがないということで,分野が非常に広範にわたっています。専門分野,専攻分野,研究分野に関する試験というのはやる必要はないですけれども,教育に関して,教えるということに関して,やはり大学の教員として一応の見識と知識,経験,そういうものを証明する制度を創る必要があるのではないかと思っております。
 以上です。
【安西座長】  ありがとうございました。大学の問題,高等学校関係の皆様からは,大学の問題なのではないかということが相当言われております。中にはいろいろな課題があるかと思いますが,ありがとうございます。
 それでは,恩藏委員,お願いします。
【恩藏委員】  三つのポリシーですけれども,我々もずっとこれを考えておりまして,是非導入すべきだと私も思っています。
 ただ,法令上の位置づけになってくると,かなりいろいろな縛りが出てくると思います。実際に我々が大学で検討していて,恐らくアドミッション・ポリシーとディプロマ・ポリシーはある程度安定的なもので,短い期間でそれほど見直す必要はないと思います。ところが,学部改革などというものは,かなり日頃行っておりまして,そうしたときには当然カリキュラムの大幅な見直し,改革が伴っています。もし法令上の位置付けになってくると,かえって学部の改革,学問の変化に応じた柔軟な教育を阻害するかもしれない。そのあたりを是非御理解いただいて,実際の運用に当たっては,足かせにならないような配慮をしていただけたらいいと思っております。
【安西座長】  ありがとうございました。
 五十嵐委員,お願いします。
【五十嵐委員】  ありがとうございます。私は,二つの視点から,この改革が本当に一刻でも早く実現してほしいと思っています。
 そのうちの一つ目ですけれども,私は小学校に勤めております。小学校の方で全国学力・学習状況調査がA問題,B問題というふうにできたときから,やはり思考力・判断力・表現力はもっと鍛えなくてはいけないということで,みんな授業を変えています。A問題,B問題,基礎と活用ですけれども,基礎ができてから活用があるということではなくて,もう同時並行で両方大事だということで授業も創っているところです。ちなみに,本校はA問題よりB問題の方が正答率がよくて,活用力をどんどん育てている最中ですけれども,そういったときに,例えば先ほど別紙を頂いて,別紙の裏側にもあるのですが,例えば小学校においては中学校と一緒に,これから小中一貫の動きもありますので,それぞれの教科で話し合ったときに,小学校の方では,まさにここにあるような問題解決的な授業,理科などは特にそうです。自分で課題を発見して,こういう多様な方法を持ってきて検証していくという授業の展開を小中合同でやって,今度は中学校の授業を見せてもらいに行ったときに,やはりもう課程が決められていて,それをいかに実験でうまくデータをまとめるかという授業になってしまいます。この辺の壁があって,中学校の教員は,分かりますが,高校入試があるから,やることがたくさんあるから,そんなに小学校みたいにじっくり探求することに時間は掛けられないということです。残念なことに,やはり高校入試がという話にいつも落ち着いてしまいます。
 ですので,義務教育からいきますと,こうやって問題解決の学習,それも他者への働き掛けや他者と協働しながら,自ら自分たちで答えを見いだすような授業はうんとやりたいですが,その先が続かないという不安がありました。それが今回のこの改革で小中高大と全てのゴールが明記されて,ここにもありますが,これからは主体性を持って多様な人と協力して問題を発見して解を見いだしていくような力を育てるというゴールが明確になったことで,当然授業もそういうふうに変えていかなければいけないので,時限がそうではないからできないということは駄目だと思います。そういう意味からは,この改革が授業を改革して十分にそういう探求活動ができる時間の保障になってくれればいいなと切に願っています。ですので,小中で取り組み始めてくることが,大学のそういうことも変わって,高校もきっと変わるでしょうし,全体として本当にこれからの時代に必要な力を付けていく授業に全体が変わっていく大きな大きな一歩になるのではないかと期待をしているところです。
 もう1点ですけれども,こういう人材を育成していく,それが小学校,もっと言えば幼児教育からその学びの芽はあると思いますが,やはり教員が大事です。ところが,教員になる人,今も教育実習生とかインターンシップの学生を受け入れていますが,硬いです。小学校においては全科ということもあって,教科はやりますが,今求められている環境問題,防災問題,いろいろなものは国語,算数,理科,社会,統合してクリアしていかなければいけない問題ですが,やはりそれを柔軟に教科をまたいでいて,カリキュラムを上手に見ていって教えていく。それも,教える内容だけではなくて,学び方も工夫していくということを大学では学んでいないです。これは教員養成に関係することだけかもしれないですけれども,そうなってくると,今の小学生が絶対この改革に当たるわけですから,今学んでいることを生かしていきたい。今の小学生を教える教員,中学生を教える教員,つまり今の大学教育を受けている教員がそういう教育をしていないで,おりてくると,また悪循環になってくると思います。そういう人を育てる教育,教育に携わる道を選んだ教員養成の学部において,最もここのところは重視していただきたいので,国語,算数,理科,社会の専門はあっていいですが,それを総合して子供にどんな力を付けて,どんな学び方をさせるのかという,これから求められていく,そういった内容,方法をしっかりと学んでいく,そういう大学の在り方がそのままストレートに子供の教室におりてくるのではないかと思っています。
 そういう意味では,是非一刻も早くとにかくこの改革を進めていただいて,理想の学び,授業,今提言されているようなことが実現できるということをスピード感を持ってやっていただきたいなと期待をしているところです。
 以上です。
【安西座長】  ありがとうございました。12月に出ました中央教育審議会答申においても,総論としては,小・中学校においては問題を見つけて自分で解決していく,あるいは協調学修も含めて,そういう方向への学びが相当入ってきているにもかかわらず,高等学校,大学になかなかつながらないという論になっております。また,各教科,科目だけではなくて,それを超えた物の見方,考え方,問題の発見の仕方,解き方ということについて,これは中央教育審議会の方でも議論はしていただいていると思いますけれども,こちらでも多少書いてあるかと思いますが,非常に大事なことだと考えております。ありがとうございます。
 それでは,浦野委員,お願いします。
【浦野委員】  先ほどから,何人かの委員の先生方が,大学と入学者の需給関係といいますか,そういった話題が出ました。特に,金子委員の方からは,やはり受験生を集めることといいますか,入学者の確保ということが非常に喫緊の課題というお話もありました。
 そういう視点から,13ページの最初の白丸の最後の方に,ここだけはこういう文章があります。入学希望者にとっては,大学入学者選抜を,人生の最終目的に見立てるのではなく,卒業後の自分の人生を開くに値する大学かどうかを見極める有意義な手段にできるようにするとあります。これは,まさに私はこのとおりだと思っていまして,これからは学ぶ方の気概といいますか,学ぶ方の選択ということがかなり重視されないといけないと思います。その意味で,この三つのポリシーをきちんと大学に入学しようとする者が読み切れる中で,自分が学ぶに値する大学かというところが出てくると思います。
 この視点から考えたときに,この全体のもう前提になっているのかもしれませんが,やはりもう一度触れておきたいですが,機能別分化ということがずっと言われながら,やはりでききれていないです。ついここ1年の間でも何回か触れられたような気もしますけれども,各大学は御自分の大学の理念とかそういうことはきちんとありますけれども,より分かりやすい機能別分化という視点で考えると,明確にはされていないような気がします。特に,大多数を占める私立大学の場合には,この機能別分化というところが非常にあいまいであると私は感じております。
 したがって,そこのところをきちんとやっていただいて,いわゆる大学のポートレートの中にこの機能別分化に対する考え方と,この三つのポリシーをきちんとうたい込んでいただく。そうなると,18歳の学生にとっては,もちろん4年間で自分の,覚悟も含めて,自分が4年間でどう変われるのかということが分かってきます。あるいは,もしかしたらそういう機能別分化をきちんとうたう中で,18歳ではなくて,社会人の方を含めた入学者を迎えることによって,大学の経営がまた別の視点から見えてくるといったようなことも可能になると思いますので,もう一度この三つのポリシーの前に大学の理念と機能別分化といったところに対する各大学の答えを見てみたいと思っております。
 以上です。
【安西座長】  ありがとうございました。今おっしゃった大学のミッションといいますか,それが3ポリシーに反映されることを見込んでいることはいるのですけれども,先ほど金子委員が言われた,ポリシーどころではなく,ただ入学者を集めることが目的になっているような大学があるとすれば,それはもう大学とは言えないのではないかと思っております。
 それでは,河野委員,日比谷委員,長塚委員,小林委員,山本委員,長崎委員,それからもう一度佐野委員,お願いします。それでは,河野委員からお願いします。
【河野委員】  どうもありがとうございます。私は社会人の人材育成の立場から感じたことを述べさせていただきます。まず本当に社会が待ったなしで変わっているので,生き方が変わらなければならないという大前提拝見すると,今回この取りまとめ,そして特にカラーで取りまとめてくださったペーパーなどは非常に希望が持てるすばらしいものだと思います。そして,これらの力を身に付けて社会に出てきてくれるということはとても期待のもてることだと思います。先ほど羽入委員からも御指摘があったのですけれども,これは生涯の生き方に関与するものだということをもう少し深く盛り入れてもよいかと考えます。まだ熟読できていないので,もしも入っていたら恐縮ですが,そのように感じました。先ほど大学の話が多々出ていますけれども,親たちとしては,子供たちが80,90,100まで食べていかれるようになっていってほしいので,先々,卒業した後どう生きられるかというところまでが大切なのだと思います。ですので,国民一人一人が大切に思うことを踏まえた上での発信が重要かと思います。
 つづいて,先ほどキャリアの話が出ていたのですが,これから本当に生涯のキャリアを検討する時代に入ってきているので,小中高大それぞれの関わる教育の中で人生全域というか,グランドに考えて,その中で今どうすべきかということを検討させるということも重要だと思います。そして,社会人になってから,一度検討したことも時代に合わせてどんどんメンテナンスしていく必要が出てくるので,学び直しはすごく重要になります。13ページ,14ページのあたりに多様な受験生が書いてありますけれども,先ほども浦野委員からも出ていましたが,多様な人たちを受け入れられるということと,それらの能力をどう評価していくのかというのはとても難しいことでもあると思いますけれども,少しずつ検証しながら進めていただければと思います。
 そして,最後に,今回の中間取りまとめ案は案の段階で一般公開になるものですか。大変分かりやすいのですけれども,市民,国民としては,いい意味で衝撃的なことも多いので,これらを読んだ人たちに誤解が生じないように発信をしていくということもとても重要かと思って伺いました。
【安西座長】  ありがとうございます。例えば,ここに出ている資料もホームページに公開されると思いますが,この中間まとめの扱いについては,文部科学省で何かありますか。
【新田主任大学改革官】  今,安西座長お話ありましたとおり,この会議に出されている資料は議事も含めて全てオープンになっておりますので,本日の資料もホームページ上に載るということでございます。また,まとめられた中間報告におきましても,今の到達点として世に示すというためにまとめていただいておりますので,広報も含めて意を用いていくものということになります。
【河野委員】  伺った理由は,これを拝見すると,やはりよいことは早くやってほしい,と一般的には思うかと思います。と言いますのも,通常,民間だと3年,5年以内にやれということが多いからです。ただ,やはり教育のこういうことはきっちりと時間をかけて検討・検証をしつつ実施をしていかないといけない。また,予算的な課題もあると思うので,準備に要する時間と実施時期,そして予算のことなどもちゃんと説明していかないと,誤解を受けてしまったりすることがあるかと思ったからです。
 以上です。
【安西座長】  どうもありがとうございました。
 それでは,日比谷委員,お願いします。
【日比谷委員】  ありがとうございます。先ほど安西座長から,高等学校の先生と話をすると大学の問題ではないかと言われるというような御発言もあったのですけれども,一方,大学におりますと,大学でこれからすばらしい学びをするので,高等学校まではいろいろあったけれども,それはひとまず忘れてというようなことも,正直に申しまして,大学人は割と言っていると私は思います。特に,本日もいろいろお話の中で,初年次教育という言葉がたくさん出ましたけれども,以前に比べますと,今,どこの大学も初年次教育には非常に力を入れるようになり,テキストも随分お作りになって,いただくものも多いので,今,私はあちこちの大学の初年次教育のテキストを一生懸命熟読しているところです。
 ほとんどのところで,最初のところに,皆さんは大学に入りました。大学での学びは高等学校までとは違いますということが非常に大きく書かれていて,例えば一つの正解を求めるのではないとか,あるいは問題のないところに問題を発見して,それに対する解決の道筋を創るのだとか,そのこと自体はある程度本当だとは思いますけれども,本来高等学校までのことを全て忘れて大学で何かしましょうというのは,私はちょっとおかしいのではないかと思っております。
 このたびのこの高大接続システム改革会議は,最初にいただいた資料をもう一度今見返していますが,一体的改革をするということで,特にどうしても大学入学者選抜のところに興味が行きがちになってしまうと思いますが,よく根本を見てみますと,目指す未来の姿というようなことが書いてありまして,幸福な人生を送れるようにとか,喜びと糧を得ていくことができるようにとか,行動規範がきちんと持てるようにというような非常に高らかな理想がうたわれているので,中間まとめを出すときに,こういう理想を実現するために,本当にどういう教育を創っていかなくてはいけないかということをもう少し最初のところに高らかにうたった方がよいのではないかということです。特に,何か高等学校まででやっていることと,がらっと変わって大学に行くというようなメッセージを一切払拭するような,教育は先ほど小学校,中学校は非常にすぐれている,これは中央教育審議会も確かにそういうふうに出ていましたけれども,すぐれている小学校,中学校が高等学校にも続き,さらなる発展としての大学があるのだというような書きぶりに是非ならないかなと思っております。
 以上でございます。
【安西座長】  ありがとうございました。
 それでは,長塚委員,お願いします。
【長塚委員】  本日は大学の三つのポリシーについてが,中心課題だと思いますので,それに関連して意見をしたいと思います。
 教育というか,とりわけ大学は社会のニーズにこたえるという役割と,社会のニーズを,あえて言えば変えるというような二つの側面があるのだろうと思いますけれども,その中でもニーズにこたえるという側面から,今回,社会が大きく変わっていって,その中で大学も変わらなければならないというようなところから,高等学校まで,あるいは大学入試まで改革の必要性がおりてきているというふうに受けとめています。
しかし特に,最近,日本経済団体連合会とか経済同友会の調査を見ると,企業が新入社員の大学生に対して求めるものとして,学業成績は5%ぐらいしか求める評価対象になっていないとあります。いつも非常に不思議だと思っていたのですが,多分こういうことは中央教育審議会大学分科会などできっと議論されていると思います。一方で,先ほどから出ている問題解決力とか論理性の力とかコミュニケーション力などが評価されているということです。となると,今回,ディプロマ・ポリシーを明確にして学業の学修成果をきちんと評価すると言っていますが,それが社会に,いわゆる学業成績という側面からは評価されていない状態から脱却して,大学の学修の成果として,それが評価されるようにならないと社会のニーズにこたえるようなディプロマにはなっていかないだろう,あるいはカリキュラムになっていかないのではないかということです。ですから,大学のカリキュラムの作り方あるいはディプロマの在り方をもう1回きちんと本当に見直さないと,うたわれてはおりますけれども,そういう意味で社会のニーズにこたえていくことにはならないと感じております。そこが非常にもったいない。
 また,それを受けてアドミッション・ポリシーが決められて,大学入試の方に関わるテストでは課題発見,解決力につながる力を測れるようなテストにするのだということで,社会にそのニーズがあって,大学入試のところまでおりてきているとすれば,本当に我々もそのことを真剣に,高等学校教育の立場から高等学校教育を変えていかなければいけないと思います。そこで,次回議論するということになっている高等学校教育改革のところの1番目に課題発見,解決力のための教育をどうするかということがうたわれておりますから,そうなってくると,非常に流れが一貫したものになってまいりますので,我々の高校教育も,これは何のためにしているのかが明確になります。例えばアクティブ・ラーニングといっても,それが目的ではなくて汎用的な,課題発見,解決力の資質を付けるためにやろうとしているということが明確になり,大学に行ってもそれが求められるよということになれば,私たちの教育も展開しやすくなるなというのが一つあります。
 それから,もう1一点,アドミッションに関してなんですが,この案が出たときに,最初は高等学校現場では,これは学業成績だけでなく,人物や行動面など,様々なものが求められる全人的に優秀な度合いが問われることになるのではないかと危惧したわけです。ですから,ある意味,そういう面もあると思いますけれども,そうなると,今までよりもかえって厳しい入学選抜というようなものになりかねない。その中で多様な生徒を受け入れるという,多面的な入試が大事だとうたわれておりますから,そこで担保はされていると思いますが,アメリカなどの大学を見ますと,あえて多様な人材を入れるために相当工夫しています。多様性を大学が保つために,単なる成績順ではないということを相当意識して入学者選抜をしていると聞きますので,これからの個別大学における入学者選抜においても,多様な人材を入れることも大事だという単なる付け足しではなくて,かなり意識したものにそれをしていかないといけないのではないかという思いがしております。
 以上です。
【安西座長】  ありがとうございました。日比谷委員もおっしゃっておられましたけれども,今まで高等学校まではきちんと知識を身に付けてきてほしいと。それで,もちろん入試等で思考力も見ていますと,大学へ行ったらアクティブに自ら問題を発見するということをやりましょうと。こういうのが実は高等学校までにアクティブに自ら問題を発見してチャレンジしていくということをきちんと身に付けておいて,大学に行ったら,知識も身に付けていくというのが本当は全うなのではないかと。誤解を招くといけないのですけれども,大学へ行ったら詰め込みをすればいいということではなく,大学の授業が本当にきちんと,アサインメントをしっかり出して,それに対応するような学生のトレーニングがやられているのかということになりますと,むしろ高等学校までに知識と思考力を身に付けてきてもらいたい,大学に行ったら,これはもう自らやっていけばいいというふうにしてきたのではないか。それを変えていかなければいけないのではないかということが含まれているのではないかと感じております。
 それでは,小林委員,お願いします。
【小林委員】  今回の提案の中で,いろいろ盛り込んでいただいていますけれども,全国いろいろなところを回っていると,やはりまだ入試改革というところがインパクトが強いものですから,そこだけフォーカスが当たっているような気がします。今,ここにも学力の3要素,知識・技能,それから思考力・判断力・表現力,それから主体性を持って多様な人々と協力して学び,働く態度という,学力の3要素をベースにいろいろお話を進められていると思いますが,この学力の3要素自体がほとんど浸透していないというか,知られていないと感じます。
そのため,入試改革に対してどう対策をしたらいいのですかとか,こういうことをよく聞かれます。
どちらかというと,日本の教育の問題点は,入試の対策であり,就職のときは就職対策であり,全て対策となってしまっています。これを若年時から変えていくということで,高等学校と大学の接続のシステムを一体的に変えていくというところに意味があると思っていますので,羽入委員もおっしゃいましたけれども,中間まとめの最初のところに高等学校と大学の接続のシステム自体を変えていくというところを文部科学省も広く広報していって,この価値を浸透させていくというのが非常に重要だと思います。
 それから,もう一つ,先ほどゴールをどう設定するかというお話もありましたけれども,多分この教育改革をなし遂げた後には,多分若年時から自分のキャリアを自分で考えていくということが必要になってくると思いますので,今までの入試対策や就職対策ではなくて,若年時から自分の自立や人生をどう生きていくかについてどう考えていくかというようなキャリアの時間とか,そういったキャリア教育みたいなところも中に組み込んでいっていただければと考えております。個人が豊かに過ごす,生活するための提言だと思いますので,そういったことに気を付けていただけたらと思っております。
【安西座長】  ありがとうございました。私も入試改革ではないと何度言ったか分からないのですけれども,それでも入試改革ですねと言われて,いや,そうではないのですと言っております。どうもありがとうございます。
 それでは,香山委員,山本委員,長崎委員,お願いします。
【香山委員】  3点お尋ねあるいは意見を申し上げたいと思います。
 今,小林委員からもありましたが,ゴールのイメージは,やはり学力の3要素を本当に鍛えた子供たち,学生を世に送り出すということだと思いますので,そういう意味で,今回の中間まとめの文章の中に入社試験とか,社会に出ていくところのイメージが書き込まれていないなという感じがします。
 つい先頃も大手の企業の人事担当者と話をしていたら,大学3年生の面接をしても,例えば体育会系で頑張りましたとか,海外旅行をしましたとか,いろいろ経験は言うけれども,深みがないと。つまり,思考力・判断力・表現力等が育っていない,あるいは冒頭で佐野委員がおっしゃったキャリアノート的なポートフォリオをしっかり示すといったようなことがほとんどなされない,そういう中で選抜をしていますと,ある方がおっしゃっていました。企業によっては実態が違うのかもしれませんが,そのあたり,企業の方もしっかりとそこのところに呼応して,どういう人間を会社がとっていくのかというところについてもこの中にないと,国を挙げてというわけにはいかなくなるのではないかなと思います。そういう点で,ダブルスタンダードになってしまうおそれがあるなというのが非常に怖いように思いますので,冒頭からいろいろといろいろな委員がおっしゃっていたポートフォリオを企業の採用時の中心的な資料にするといったような,何か具体的なイメージというものが出てこないかなと思います。それが1点です。
 それから,2点目は,これも小中高大で学力の3要素を鍛え上げていくという,その方針は本当にいいと思いますが,冒頭でも何人かの委員が,特に関根委員あたりから話題になりましたように,「高等学校基礎学力テスト(仮称)」のイメージがどうもすっきりしない。せっかく小中で全国学力・学習状況調査がもう何年もたち,成果がきちんと見えてきているにもかかわらず,高等学校段階で導入しようとする「高等学校基礎学力テスト(仮称)」とは,どうも全国学力・学習状況調査とは異なるものになっているのではないかと思えて仕方ないのですが,そのあたり,どうなのかというところをお教えいただきたいですし,本当に調査ならば,私は「高等学校基礎学力テスト(仮称)」は悉皆(しっかい)ですべきではないかと思います。その点,2点目です。
 それから,3点目は,鈴木委員から,高等学校までは免許状があるというお話があったと思いますけれども,逆に,免許状主義にあぐらをかいてきたのではないかという問題になっているわけで,大学の先生方も含めて,小中高大,本当に学力の3要素を徹底するならば,その専門性基準を明確にして,場合によっては人事評価と連動させるぐらいの強力なものにしていかないと,これもダブルスタンダードになるのではないかなと思うのですが,いかがでしょうか。
 以上3点です。
【安西座長】  ありがとうございました。生涯,人生といいますか,社会といいますか,そのことについては,文部科学省にも申し上げているところで,私も今の素案だと薄いのではないかと思っております。それから,「高等学校基礎学力テスト(仮称)」につきましては,次回に御説明が事務局の方からあるのではないかと考えています。そして,教員養成の問題は,是非もっとしっかり,実質的にやっていかないといけないのではないかと思います。どうもありがとうございました。
 山本委員,お願いします。
【山本委員】  ありがとうございます。2点意見を述べたいと思いますが,その前に1点,1ページの学力の3要素,先ほどからいろいろお話も当然出ているわけですが,今回このまとめ案では,学力の3要素と呼ぶということが非常にはっきりと明確に定義付けられたというところがあるのではないかと思います。今までいろいろ中央教育審議会から,もう少し違う言葉で述べられていたようなことが今回ここで述べられて,このまとめ案としてこれでいいのかどうかということを,私は特に異論はないのですけれども,そこは確認する必要があるかと思います。
 それから, 2点ありまして,一つは大学入学者選抜ということで,12ページから書いてあります。この中に(1)で個別大学における選抜,それから(2)で「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」ということで共通試験のことが書いてございまして,ここで個別大学における入学者選抜は,そのアドミッション・ポリシーに沿って,それぞれ大学がいろいろな組合せでやるということが書かれています。その中の内容としては,13ページの上にありますような1番から8番,9番のその他ですけれども,こういったものを見ながら選抜していくというようなことが書いてあります。
ところが,15ページ以降の学力評価テストの中身がいろいろ書かれているわけですけれども,これまでの議論ではどうも大学入学者選抜といったときに,共通試験を,現在の大学入試センター試験を廃止して,こういうことに変えていかなければならないというような議論がずっと行われてきていて,そのときに個別試験のことが,どっちかというと忘れられているというか,余り議論にならなくて,それがここに書かれてきたということはいいと思います。役割分担をきちんとした考え方で,共通試験はこういうことを特に見ますよと。個別試験ではそれも参考にしつつ,13ページの2番以降のこともそれぞれのアドミッション・ポリシーに沿って評価軸に入れていきますということだろうと思います。そういったときに,「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」でも,15ページ以下のところで,かなり2番から8番までのところの力を見ようというような非常に意欲的な書きぶりがたくさんあります。したがって,そこのところの役割分担をもう少し,共通テストの方に何をさせるのかがもう少し何か明確になった方がいいのではないかと感じております。
 それから,もう1点,「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」,15ページ以降のところですが,これは文部科学省の方で非常に意欲的なことをいろいろ,これをやったらどうかということも書いていただいて,しかもここは大変丁寧にそれぞれ細かく課題を整理していただいているということで感謝申し上げたいと思いますけれども,そういった前提のもとで,18ページのところに出題解答成績提供方式のところで1,2点,私,気になることがございます。
 18ページの上から三つ目のところに記述式問題の導入というものがございます。これに特に反対するわけでも何でもないですけれども,コンピュータによる採点支援の導入によってとあります。記述の採点には時間が掛かるということで,コンピュータを使えばかなりできるのではないかというふうな雰囲気のことがありますけれども,これはまさに採点支援でありまして,採点そのものは,これは座長が御専門でいらっしゃるかもしれませんけれども,当センターにもこういう自動採点のことを研究している教員がおりますが,かなりできるようになってきました。ただ,試験という場合に,かなりでは駄目です。そこのところがあります。だから,解答のテキスト化であるとか,それから同じような解答をまとめて一つにしていくとか,そういったクラスター化とか,こういったことについてコンピュータの導入というのは相当程度できると思いますけれども,採点そのものについては,やはり時間が掛かるのではないかという気がします。恐らく,ここに書いていただいているのは,まさにそういう意味で,採点支援の導入と書いていただいているので,御理解を当然いただいていると思いますが,決して機械採点でできるということとは違うのだろうと考えます。
 それから,もう1点,CBTの導入で気になったところは,18ページの下から丸の2個目,このため平成36年度からの新学習指導要領のもとでCBTを実施することとし,と書いてございます。これは現実的に本当に可能だろうかということで,これからICTがどういう発達を遂げるかということについて,なかなか想像しにくい部分もあるのですけれども,ハード的な部分も含めて,ここのところはこういう書きぶりでいいのかと思っています。
 というのは,先ほどの採点も含めて,当然50万人近くを対象とする,近くというか,今はオーバーしていますけれども,将来的にはこれより減るかもしれませんが。50万人前後のテストをするということは,正確性はもとよりですが,精度も必要です。精度ということが非常に大事な要素になってくるわけですから,正確性,精度,この両方をきちんと担保するような技術開発がないと,なかなかそこまでいかないのではないかなというところもございます。これは決して後ろ向きな話ではなくて,CBT等を導入することによって,もっともっと今ここで議論されているような出題の仕方も可能になるでしょうから,是非これはやらないといけないのですけれども,36年という時間を限ってしまうことが可能かどうかということについて若干危惧を抱くということがございます。
 以上です。ありがとうございました。
【安西座長】  ありがとうございました。学力の3要素については,学校教育法第30条第2項,それから第49条,第62条に小中高について基礎的な知識・技能,それからそれを活用して思考力・判断力・表現力と,それから主体的に学習する態度と,この三つがありまして,これを確かな学力,また学力の3要素と大ざっぱにそういう呼び方を習慣的にしているということだと思います。それと,この素案に書いてある文面とは少し違っています。それは,12月の中央教育審議会答申でもって出てきた文面をここに使っております。そういう意味では,多少揺らぎがあることはおっしゃったとおりでございますけれども,一応ここでは,この素案ではという形で書いてあるのだと思います。
 あと,採点支援等々についても,私もCBT等のことも技術的なことは多少分かりますけれども,やはり全体としてこういう方向の教育改革をやらなければいけないのであれば,やはり技術的なことをもっと詰めて,しっかりきちんと考えていく,そういう態度であろうかと。技術的にきっとできないだろうから,やめた方がいいのではないかということにはならないのではないかと思いますので,実施するというふうに書き込んでいただいて,そのために何をしなければいけないのかという考え方をすることが大事なのではないかと思います。どうもありがとうございました。また,採点の件は,テストの実施の方法,実施の日程,それから問題の構造とか,いろいろなことに関わってくると思いますので,そういうことを全部連携させて詰めていかなければいけないと思います。ありがとうございます。
 それでは,長崎委員,お願いします。
【長崎委員】  大学教育改革について1点だけございます。今回,ここでの議論は,個々の大学がどういうふうに改革していくかという流れではないかと思いますが,たしか文部科学省から日本学術会議に「大学教育の分野別質保証」について審議を依頼されているのではないでしょうか。その中で,各学部においてどういうカリキュラムを作るのかという参照基準というものを作っております。私もあるところに属していましたけれども,ここでのカリキュラム・ポリシー,ディプロマ・ポリシー,それからアドミッション・ポリシーのそれぞれについて触れていると思います。この参照基準は,各大学の横串としての学部での教育を考えるときの一つの参考になるのではないかと思います。是非そういうものも参考にしていただけたらと思います。
【安西座長】  どうもありがとうございました。
 佐野委員,宮本委員,五神委員,乾委員,南風原委員,お願いします。
【佐野委員】  ありがとうございます。大学のことをお話ししようと思っていましたが,先ほど小林委員から大学入試制度改革のみに焦点が当たっているという話があったものですから,ちょっとお話をさせていただきたいと思います。6月の中旬から先週の土曜日にかけて,ほぼ毎週,週末に全国の9地区で高等学校PTA連合会の地区の大会がございました。一番少ないところで1,400人,多いところは3,000人のPTA,PTですので,保護者の方,それからT,学校の教員の方がお集まりになった席でずっと言い続けていたのが,大学入試制度の変更,いわゆるセンター試験廃止,新しい試験になりますというところだけが強調されているけれども,そうではないということです。高校教育改革,大学教育改革,そして,それを結ぶ際の評価の方法,これを三つ一緒に改革をして,日本の教育全体を変えるという,その取り組みであるということです。二つ目に,その学習方法として,アクティブ・ラーニングのような方法が積極的に導入されます。三つ目として,それだけではなくて,子供たちの社会活動や部活動というものもきちんと評価されるような調査書や活動報告書の見直しも行われるということをお話しすると,そうだったのですか,新聞で見ると大学入試が変わるということだけしか報道されていなくて,そうですか,会長,分かりましたという話を,お父さん,お母さんたちとか学校の先生たちからもされるのです。文部科学省もそうですけれども,ここの委員の方たちも含めて,これは言い続けるしかないです。私,多分この2週間で2万人の方にそれを聞いていただいたのですが,それをやり続けるしかないということだろうと思います。
 大学について話したかったのは,大学でこの三つのポリシーをきちんと出していただくということは,受験生,それから保護者の判断能力,リテラシーが上がることだと思います。カリキュラムやディプロマがポリシーどおりになっているか,実際にやられているのかというのは,その後の卒業生だとか,様々な方からの評価として,きちんと出てくるわけです。そうすると,高校生,保護者あるいは学校の教育に携わる方たちの判断能力が上がりますから,そうなった時点で,例えば国がガイドラインを出さないと,この三つのポリシーを作れませんというような大学だとか,それから現在のセンター試験の成績そのまま,センター試験の点数がこれ以上であれば入学できますというような入試方法をとっているような大学だとかについては,よっぽど頑張らないと,ここの舞台に残れないということになっていくのだろうと私は思います。私は,それは正しい道であり,そうなってこそ,初めて人や社会のお役に立つために知識や知恵を身に付けたいとか,もっと深めたいという人たちがこの大学を選ぼう,この大学で学びたいということになってくるだろうと思います。そういう大学があって初めて,大学には行かず,私は,例えば和紙職人になって和紙の技術を守るんだとか,あるいは杜氏(とうじ)になってすばらしい日本酒を作って人に楽しんでいただきたいだとか,日本のテイストを世界に広めたいんだみたいな,ドイツでいうマイスターみたいな人たちも一層誇りを持って生きていける世界になるだろうと思います。そういう意味で,この三つのポリシーの徹底というのをきちんと進めていただきたいと思います。
【安西座長】  どうもありがとうございました。全くおっしゃるとおりで,小中が一生懸命長年にわたってやってきたことを高大に延長しようという非常に大きな教育改革だと捉えております。よろしくお願いいたします。
 それでは,宮本委員,お願いします。
【宮本委員】  ありがとうございます。私はかねてより,大学入試では高等学校の学びの実態をきちんと評価してもらいたいと言っていまして,そういう意味では,現行の学習指導要領下でどういう形でテストを行うのかということと,新学習指導要領になってどうするかということを,2段階で具体的に示していただいたということは非常に有り難いことだと思っています。現在,新しい学習指導要領については,今,審議をしている経過の途中ですけれども,これより大幅に学びの質,指導の在り方も変わると考えております。ですから,そのような新しい学びを新しい入試できちんと是非評価をしていただけるような形にしていただきたいと思います。
 そういう意味では,大学入学希望者学力テスト(仮称)と各大学が行う個別の試験をセットで考えないとおかしいと思います。先ほど山本委員が役割分担というお話もされましたけれども,大学入学希望者学力テスト(仮称)で見る力はこれです,各大学で見る力はこれです,そこのところをやはりきちんと分けていただきたい。
 もう一つ言えば,余りにも各大学で行う個別試験がばらばらなものになってしまいますと,ある程度の大学の特色をだすことは当然でしょうけれども,やはりセットで考えていくというところで,今回の改革の方向性を踏まえてそれぞれの大学で入試をどのように変えていくのかを是非考えていただきたい。高等学校の現場の方では,そもそも各大学の入試が本当に変わるのかという声も上がっています。私の方ではまだもう少し先の話だから,今,各大学で多分検討しているところだと思うし,個別の入試が変わらないところではこの改革自体が成功しませんという話を一生懸命していますけれども,是非各大学の個別の入試を含めた一体改革だというところを認識して進めていただけたらと思います。
 それから,もう1点ですが,今回の改革によって当然高等学校においては,進路指導の在り方自身が多分変わっていくだろうと思います。つまり,先ほどの佐野委員のお話で,お母さんの力の方が影響力が大きいということで,高等学校側としてはショックですけれども,やはり高等学校における進路指導が,この一体の改革を通して,将来どう生きていくのか,そのためにどういう力を付けなければいけないのか,そして高等学校を卒業したら,どういう進路をとるべきなのかという,本来の進路指導の考え方で当然進路指導を進めていくべきだと思うし,そのような視点を多くの人々が持つということ,そういう流れにつながるようなものに是非していっていただきたいし,私どももそういう形で進路指導を進めていきたいと思っております。
 以上です。
【安西座長】  どうもありがとうございました。
 五神委員,お願いします。
【五神委員】  既にいろいろな議論が出ていますが,今,宮本委員からありましたように,多様な入試を行った結果,余りにも全体がばらばらになってしまうということでは困るということも,まさに私が心配していた点であります。それから,先ほど安西座長がおっしゃった,大学がこの改革にフォローする形でやるべきことは,学力面で多様な入学生に対して知識,技能を保証することを,システムとしてより強化することです。高等学校段階までは,もちろん全体で見ればいろいろなばらつきは出ていますが,先ほども話に出ました塾などの受験産業がビジネスとして動くということもあり,受験参考書や入試問題集というものが豊富に用意されているわけです。それに対して,大学に入りますと,そういうものがほとんどなくなってしまって,先生たちの教える内容もばらばらになります。そのギャップがあるわけです。高大接続の議論をきちんと定着させるためには,大学での学びと高校での学びをオーバーラップさせなければなりません。今までであれば高等学校で身に付けていたはずのものであっても,多様な学力を持つ学生を受け入れた結果,これからは大学でもきちんとフォローアップしなければいけないというようなものが出てきます。それをきちんとシームレスにつなぐためのカリキュラムを整備できるかどうかが,これが本当に実質的に成功するかどうかという点では極めて重要です。
 それから,3要素の書き方ですけれども,知識・技能のところで十分な知識・技能と書いてありますけれども,十分とは何かということが語られていません。つまり,卒業後の50年のキャリアを支えるような,その資源となるような知識・技能をどう現代的に見極めて,それをきちんと定着させるかということを検討する必要があります。学問でいえば,先端学問はどんどん変わっていますから,学理は随時更新して再体系化しなければなりません。それを踏まえて,小学校,中学校で何を学ぶべきかというものをきちんと今までよりも速いスピードでフィードバックする必要があります。そういう意味で,高大接続や連携が必須になっているわけです。加えて,もちろん社会のニーズというものも変わっていきます。その両者を見極めて,カリキュラムをどういうふうに再編するかということを検討するべきだと考えます。
 そういう意味で,高大接続のアクションを成功させるためには,これはもちろんすごく資源の要ることですが,大学にはそのような体系的なカリキュラムがかなり乏しい状況ですから,それをきちんと高等学校とオーバーラップする形で作っていきましょうという話ですから,そこの努力を促すような,インセンティブを与えるような施策が必要で,それがなければ自動的には進まないと思います。入試問題を変えるところだけに労力を使うという話ではないはずなので,そこは是非今後の議論の中で検討していただきたいところです。
【安西座長】  どうもありがとうございました。一言だけ申し上げると,大学で知識,技能をもっとというのは,以前から思っていたのですけれども,これは言い過ぎると,大学は結局,では変えなくていいというふうに短絡される危険を感じていたものですから,本日初めて申し上げたのでありますけれども,やはり小中高からずっと三つの要素といいましょうか,それを一体的に積み上げてきた子供たちが,大学ではもっともっと本当に本格的に勉強してほしいというのでしょうか,そう思ってはおりますので,カリキュラムの接合ということはとても大事だと思います。ただ,これを言い過ぎると,ではアクティブ・ラーニングをやらなくていいのかと,とにかくただ勉強させられれば,それでいいのかと,すぐ振れるところがありまして,それで注意しております。ありがとうございます。
 それでは,乾委員,南風原委員,そして濱口委員,そこまでにさせていただきます。それでは,乾委員,お願いします。
【乾委員】  ありがとうございます。とにかくこれは入試改革ではなくて,教育制度全体の改革であるということです。何度も何度も皆さんおっしゃって,全くそのとおりと私も思います。一方で,思考力・判断力・表現力を知能や技能の上にしっかり評価する。それを50万人規模で評価するということができるということが,全体の議論の大きな前提の一つになっていると思います。
 ただ,これは本当に簡単なことではありませんで,例えば記述式一つとっても,CBT,IRT,いろいろな問題があるということが,このまとめの中にも記されております。それぞれ検討事項がたくさんあると思いますが,これをかなり早い段階でやっていかなければ,例えば個別試験との役割分担の話も先ほどありましたけれども,それについても具体的な検討をしていくことができないということになると思いますので,この検討をどのような体制でしていくか,その具体的なイメージと申しますか,そういうものを早く出していく必要があるのではないか。オール・オア・ナッシングではなくて,思考力・判断力・表現力,こういう形でしたら,50万人規模で評価できる。それは,完全にそれで評価できないかもしれない。その場合には個別試験で評価していく必要があると思いますので,それの検討の具体的な体制づくりということが非常に重要なのではないかと考えた次第です。ありがとうございました。
【安西座長】  どうもありがとうございました。新テストのワーキンググループ,それから作業グループにおいて,いろいろな形でもって検討いただいている状況でありますけれども,今のポイントも大事なことで,現在,その議論が始まっている,そういうことだとお考えいただければと思います。
 それでは,南風原委員,お願いします。
【南風原委員】  今の乾委員とかなり重複する部分があります。2点です。
 1点目は,ほとんど同じことで,今回の改革は入試改革ではないと言われますけれども,入試改革でもあるわけで,その1点だけを取り上げてもかなり慎重に議論しなければならない非常に重要な問題だと思います。入試改革ではないということでそこにほとんど触れないというのは非常に具合が悪くて,それで大きな変革をしてはいけないと考えますので,慎重な審議が必要だろうと思います。今,乾委員が言われたことは,様々なことのフィージビリティーの問題だと思いますけれども,そういったことをきちんと検証しながらやっていく,そういう科学的なマインドを示すこともこの会議の重要な任務ではないかと思います。技術的にはできるかどうか分からないけれども,ともかくやると言ってから考えるというのではなくて,今回のまとめ案の中では目指すとか検討すると書かれていて,そういう姿勢はよいと思いますが,そのためにフィージビリティーをきちんと確認するという,学問に関わる省庁である文部科学省としては,そういうところにも心掛けてほしいと思います。
 もう一つは,テストの中身というか,設計のことですけれども,19ページ2行目に思考力・判断力・表現力等を中心に評価する問題を多く出題するとテストの難易度は上がる傾向にあるということで,その後に,高難度の問題を選択できるようにするとあります。一つは質問で,高難度の問題を選択できるというのは,誰選択がするのかということを教えてください。
 それはそれとして,これまでの文書などでも知識,技能を前提としてという表現が見られたのですけれども,その前提となるべき知識,技能が付いていないこと自体が,高等学校までの教育で問題になるわけですので,そこをきちんと教育をして評価をしてあげることがすごく大事です。今回のまとめ案の中にも知識・技能の評価に加えてと書かれているところもあるので,知識・技能を測るということは分かるのですけれども,それはもっと明確に出していくことが必要ではないか。その中で,もしも現在のセンター試験の問題の中に非常に単純で現実には使えないような知識を測るようなものがあれば,そこを改善して,より意味のあるものに変えていくということが必要ではないかと思います。
 1点,高難度の問題を選択できるというところを教えてください。
【安西座長】  橋田室長,どうぞ,お願いします。
【橋田大学入試室長】  高難度の出題方式は,検討中でございますけれども,例えば選択できるような問題を出題して,実際,大学側がこういう問題をとるように,選択するようにということを指定して,また,受検生がその問題を解くということも含めて,今,検討している最中でございます。
【安西座長】  それは,例えば問題が幾つかある中に星印とか付いていて,星印の問題をチャレンジしてくださいと,こういうふうに大学側が言うという意味ですか。
【橋田大学入試室長】  はい。そういった形での形式を含め,検討させていただいているというところでございます。
【安西座長】  ありがとうございました。
 それでは,濱口委員にお願いします。
【濱口委員】  すみません。繰り返しになると思いますが,一つは,この3要素,3ポリシーは非常に今我々が直面している大きな課題を明確に,論理的にまとめ上げたものとして大賛成であります。ただ,問題点として,まだ実現へのステップを具体的に準備する必要があります。
 一つは,時間が限られていること,その割に,これはひょっとする戦後最大の大改革になるものではないかと思います。覚悟は要りますし,作業工程も相当きちんと設計していかなければいけないと思います。その点で,質的な課題と量的な課題がまだまだ多いのではないか。例えば,別紙で出ております例で,理科のところで書いてある具体例などは,私が読みますと,ドクターレベルのトレーニングそのものに見えます。我々の考えで見ますと,これは18歳の子には難しい問題に見えます。ですから,実際のイメージをもう少し具体的に練り上げ,コンセンサスがきちんと関係者全てにとれるように図ること,それから55万人の対象者が理解できるような,もう少し具体的な詰めが要るのではないか。そうでないと,同じ言葉を使っていて,描いているものはばらばらの状態になってきます。実際のところ,混乱が起きやすい状況が出てくるのではないか。
 もう一つは,量的な課題であります。これは先ほどから繰り返し言っておられますが,55万人を対象としていきますので,CBTも含めて相当詰めが必要であります。CBTは,かつて医学部でも臨床に動く前のものとして準備したものですが,当時は10年掛けて1学年7,000人ぐらいの学生に対して50万題ほど準備していたと思います。それで,ようやくある程度均てん化できるという実証ができています。今,情報化の時代となってシステムそのものはもっと容易に準備できるように進んでいるとは思いますけれども,やはりきっちりできるという確信を持たせていただけるお話をしていただかないと,書いてあることがとてもリスキーに見えます。ですから,そこはもう少し具体的な提示をしていただきたい。
 量的,質的な課題があるということは,実は相当コストが掛かることを意味します。したがって,文部科学省としても,しっかり覚悟して予算獲得をお願いしたいというのが3点目であります。
 以上でございます。
【安西座長】  どうもありがとうございました。理科の問題に言及していただきましたけれども,かなり難しい言葉で書いてありますが,いろいろなレベルで問題は出せるのではないかと思いますのと,もう一つは,ある程度のレベルの問題を出していきたいということが念頭に置かれております。ただミニマムを決めればいいというテストではないということだと理解しております。どうもありがとうございました。
 時間が過ぎてしまいまして申し訳ありませんでしたけれども,大変貴重な御意見を頂きました。岡本委員はよろしいですか。ワーキンググループの主査として,お願いいたします。
【岡本委員】  特にないのですけれども,最初に戻ると3ポリシーから始まったので,3ポリシーについて,最後一言だけ述べさせていただきたいと思います。
 アドミッション・ポリシー,カリキュラム・ポリシー,ディプロマ・ポリシーというのは,既に認証評価で見ております。でも,やはりこれが今後の大きな課題になっていくだろうと思っています。3サイクル目の認証評価が終わるのが大体37,38年,基準許可が少し入るので36年になりますけれども,ちょうど今ここで語られている大きな変革と同じ時期になっていくということだと思っています。そういう意味でも,確かに一体改革で,いろいろなところと総合的に考えていかなければいけないと思って聞かせていただいておりました。
 以上です。
【安西座長】  どうもありがとうございました。
 それでは,本日頂いた御意見ももちろんいろいろ検討させていただきまして,事務局で整理していただいて,中間まとめについて次回以降審議を続けさせていただき,深めさせていただければと思います。改めて感謝を申し上げます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 それでは,これからの予定について事務局からお願いします。
【新田主任大学改革官】  本日はありがとうございました。次回は8月5日水曜日16時から18時を予定しております。開催場所等,詳細につきましては,追って御連絡させていただきますので,どうぞよろしくお願いいたします。
【安西座長】  よろしいでしょうか。それでは,ここまでにさせていただきます。
 お忙しいところ,誠にありがとうございました。

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