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「学校から社会・職業への移行」に係る縦断調査に関する検討会(第5回) 議事要旨

「学校から社会・職業への移行」に係る縦断調査に関する検討会(第5回)が、以下のとおり開催されました。

1.日時

平成25年6月26日(水曜日)16時00分~18時00分

2.場所

文部科学省国立教育政策研究所第一特別会議室

3.議題

  1. これまでの議論のまとめについて
  2. 縦断調査の実査に係る諸課題について

4.出席者

委員

赤林委員,石田委員,妹尾委員,中村委員,深堀委員(五十音順)

文部科学省

生涯学習政策局
  大谷調査企画課長,亀岡主任社会教育官,柳澤生涯学習企画官

国立教育政策研究所
  笠井総務部長,萬谷研究企画開発部長,小桐間国際研究・協力部長,岸本研究企画開発部総括研究官,卯月主任研究官

オブザーバー

国立教育政策研究所
  宮﨑教育政策・評価研究部主任研究官
  
一般社団法人新情報センター
  利光企画部調査研究部長

事務局より配布資料の確認が行われた。

(1) これまでの議論のまとめについて

事務局より,これまでの議論のまとめについて説明があった。

各委員からの主な意見等は以下のとおり。 

○調査のフレームワーク

  • 「働き方とライフスタイル」という考え方であれば,学校から仕事場への移行の話だけではなく,もう少し広く若者の生活全般を見るという点ではよいのではないか。
  • 保護者も継続的に調査していくつもりなのか。
  • 東京大学の研究所が実施した調査では,保護者調査は2回行っているが,若干少なくはなったものの,追跡することができた。
  • 親と同居している場合は,家庭の状況がよりよく分かってくる。実際に若者がどのような家庭で育っているのかということについては比較的分かりやすいという点では,保護者調査を継続する意味はあるのかもしれない。
  • 国際比較というところで,経済協力開発機構(OECD)の「教育と社会発展事業(Education and Social Progress:略称ESP)」に参加することのメリット・デメリットがある。

○調査方法

  • この調査では,不利な人たちがどのような問題やリスクを抱えているのかという問題を明らかにできなければやる意味がないのではないかという批判もあり得るが,きちんと調査方法や推計方法を詰めることにより,この調査を意味のあるものにしていく必要がある。
  • オーバーサンプルするときは,どのような基準でもって脱落しやすいと思われるのかや,あるいは不利な条件なのかということを決めるのはなかなか難しい。また,誰が対象であって,オーバーサンプルするとなったときに,どのような比率でオーバーサンプルすることがいいのかといった問題は残るのではないかと思う。
  • 大阪大学での調査では,中退者は追跡することができていない。高校1年生の段階で即中退する人は少ないので,1年生の最初にデータをとれば,中退した人の過去の情報が残るという形で,中退の分析をしたメンバーもいる。
  • 高校1年生の段階で,保護者調査もやれば,家の住所等の情報は手に入るので,仮に中退や転校になったとしても追跡することができるかもしれない。
  • 住所や電話番号等の個人情報を入手する方法としては,1年生の早めの時期に調査を実施するのが最善なのではないか。
  • 大体パネル調査の脱落問題というのは,後でいかに脱落しないようにするかというように,後ろにカバーしていくような発想だが,入学式の日にとれば,比較的多くの人が個人情報を出してくれるかもしれない。

○調査対象 

  • 最初の設計の段階で,複数コーホートで始めることができたらそうするのか。それとも,最初1つのコーホートで始めて数年後に新しいコーホートを入れるなど,幾つか可能性はあるような気がする。
  • 日本は,26歳ではなかなか働き方が定着しない状況なので,もう少し調査期間の幅を持たせてはどうか。
  • 若年労働のところで就職後3年目の離職率のような話が出てきたときに,就職後3年目のポイントをしっかりとるためには,11年,12年という形で目標として記述すればいいのではないか。
  • 若者の「働き方とライフスタイル」にした場合,もう少し長く調査をしないと,結婚や出産といったライフイベントが出てこない状況になるので,20年くらいまでやるような意気込みでやってもいいのではないか。

○能力(学力)調査 

  • 恐らく活用力は認知スキルの一部であり,基礎的な学力と活用力が認知スキルに含まれるのが教育学的な理解の仕方だと思うので,多少言葉の整理が必要になる。
  • 能力の調査は,認知的なもの,非認知的なものを両方やるのか,どのような形のテスト・調査をすることがよいのか,1時点だけでやるのか,複数時点でやって,特に非認知的なスキルについては変化する可能性があることを含めて少し検討する必要がある。

○実査にかかる諸課題 

  • 長期にわたるので,体制として継続的に実施できるのかということはかなり大きな課題になってくると思う。そのような意味において,予算的にもある程度の少し長期的なコミットメントが必要になってくる。
  • 学校経由で縦断調査をする場合に,記名の調査であれば余り問題がないが,無記名の場合は,昨年も今年も回答していただいた方の回答で,どの調査票がその方の回答になるのかについて照合する必要があるので,少しややこしくなる。
  • 東京大学が実施した調査では,自発的に書いてもらう形での記名式であり,追跡するために住所と名前が必要だが,強制するわけにはいかないので,卒業後も調査に協力していただける方のみ書いてもらうようにした。
  • 大阪大学の調査では,記名的なやり方が十分にできないケースもあり,1年生の出席番号と2年生の出席番号の照合表のようなものを使ってつなげるようなこともした。
  • インセンティブを与える対象は,被対象者,高校生,特に高校を卒業した後に返してくれるかどうかが重要なので,個人に対しても何らか協力していただいたら謝礼を払うといったインセンティブを与えるということを明らかにした方がよい。
  • どのようにして継続率を保つのかという話のときに,住所変更の連絡が調査を継続するに当たり一番の鍵である。メールアドレス等連絡先の変更をもらうだけで謝礼を与えるのは,最も脱落が起きる可能性が高いところに十分な投資をすることであり,ある意味合理的である。
  • 「因果関係の検証」は,縦断調査の強みではあるが,検証できるような分析というのはなかなか実現できないことが多い。

(2) 縦断調査の実査に係る諸課題について

一般社団法人新情報センター利光企画部調査研究部長より,縦断調査の実査に係る諸課題について説明があった。

意見等は以下のとおり。 

  • 調査の間に連絡を密にするとデータの欠損率が低くなるので,連絡をとる方がいいけれども,調査票が何回も来ることがよくないという要素はあるのか。
  • 調査票のボリュームや内容によるが,拒否されて名簿から削除するよう言われたら,もうその方の情報を持っておくことができないので,拒否の方が増えればその分パネルの数はどんどん減っていくことになる。
  • 例えば高校1年生のときに,卒業後のことについて先に同意を取り付ける方がよいのではないか。
  • 学校にいる間は,学校の協力の下でやる調査という形で進めていく。ただ,懸念するのは,卒業後の調査について卒業段階で同意を得るとなると,中退者は最初から対象外になってしまい,卒業の段階でも学校が嫌な人は拒否するといったバイアスがかなりかかってくるのではないかと思う。
  • 国がやるとなったときに,単年度予算だと,長期間の調査に対する同意書を取り付けるのは原理的に難しいのか。
  • 1年ごとにパネル対象者の名簿を調査実施者に返すという方法でやっているところもある。国立大学のケースでは単年度予算しか取れないので,1年やってパネル調査の名簿や誓約書を大学宛(あ)てに書いてもらうという形をとっている。毎年,入札で違う業者にやっているところが今は多い。
  • 追跡するために得ている情報は,基本的には名前と住所だけなのか。どの程度の情報を持っているのか。
  • 住所と名前と性別だけである。電話番号が含まれていないのは,電話番号を聞くことによって,実査のときの拒否につながるケースが多かった。これからは,メールアドレス,携帯番号のようなものも必要になってくると思う。
  • 接触するのも郵便だけではなくて,メール一斉送信で案内や情報を送るようなことが必要になってくると思う。また,卒業後の調査も,郵送による調査とウェブによる調査を選択できるように,協力しやすいような状況で調査する必要があると思う。そう考えると,複数年,長期にわたって会社の持っているサーバーとやりとりをするような形になってくると思う。

お問合せ先

生涯学習政策局政策課

-- 登録:平成25年08月 --