山田委員提出資料

 国立女性教育会館に関するメモ 

平成24年6月28日  提出

山田昌弘(中央大学)

 

 多くの委員から新たな機能の提案があるが、私は、あえて、今ある機能を保った上で、強化する提案を行いたい。

 教育の目的 二つの側面   投資(仕事能力の育成) 教養(学習することが喜び)

 教育の場  家庭教育、学校教育、社会教育

 

 近年、役に立つもの「お金」の面ばかり強調され、教養としての教育という側面が軽視されているような気がする。
 もちろん、投資としての教育、女性の仕事能力を高めるための教育の重要性を否定するものではない。私も、内閣府男女共同参画基本問題、影響調査専門調査会では、そのことを強調してきた。ただ、それだけでよいのであろうかという思いがある。
 国民全体の教養レベルを上げることは、国の責務だと考える。そして、学校教育や家庭教育から離れた人々にとっての教養を育成する場は必要だと考える。
 今まで、国立女性教育会館は、地方の教養レベルを上げるために十分な成果を発揮してきたと思う。草の根的な学習団体をエンパワーメントしたり、指導者を育成するなどの機関は必要だと思うし、別の機関で代替可能するのは難しい。
 更に、地方の学習団体をエンパワーメントすることは、「人のつながり」を作り出すことである。「仕事能力」を作り出すことに税金を使うのもよいが、「人のつながり」を作ることに税金を使うということがあってもよいのでは。
 効率性の世の中では目に見えないかもしれないが、人のつながりは一種の財産(人間関係資本)である。学習団体の中核に位置する国立女性教育会館は、つながりを作り出してきた実績がある。
 それゆえ、利用者に高齢者が多いことも、この点から言えば不利な材料とは思えない。これから高齢者が増えていく中で、地道に学習活動をして、国民の教養レベルを上げ、つながりを作り出すことに努力している女性たちを、応援するような施設であり続けることを望む。

お問合せ先

生涯学習政策局男女共同参画学習課男女共同参画推進係

(生涯学習政策局男女共同参画学習課男女共同参画推進係)