「教育の情報化に関する手引」作成検討会(高等学校)(第3回) 議事要旨

1.日時

平成22年4月23日(金曜日) 13時~15時

2.場所

文部科学省旧庁舎 2階 第2会議室

3.議題

  1. 「教育の情報化に関する手引」について
  2. その他

4.出席者

委員

秋本委員、石原委員、江守委員、小泉委員、柴田委員、清水委員、高橋(邦)委員、永野委員、長谷川委員、藤本委員、堀田委員、本田委員

文部科学省

齋藤生涯学習政策局参事官、中村生涯学習政策局参事官付企画官ほか

5.議事要旨

 (1)「教育の情報化に関する手引」(高等学校)の作成について

・座長より、手引の中で第4章が情報教育の目的等を記載していることであることなどを踏まえ、第4章から議論を行うこととした。

・担当委員より資料2に基づき、説明があった。

○49頁の表について、Cは「望ましい情報社会の創造に参画しようとする態度」とされているが、現行の手引の表記である「情報社会に参画する態度」に、戻した方がよいのではないか。

○情報モラルに関して、48頁の3行目には「情報モラルを確実に身につけ」となっているが、他の箇所では、例えば49頁の表のように「情報モラルを身につけ」になっている。学習指導要領では「情報モラルを身につけ」となっており、一文だけ「確実に」が入っていると誤解を生むのではないか。

○49頁の表は、学習指導要領における目標を整理したものになっており、Cを現行の表記に戻すのであれば、例えば小学校には「健康を害するような行動」という影の部分も書いてあるので、情報モラルのことだけではなく光の部分も書いておいた方がよいのではないか。

○70頁の(3)高等学校段階の冒頭に、教科「情報」についてはここでは触れずに(4)で述べると書いてあるが、(4)には共通教科情報科と書いてある。専門教科について触れないのであれば何らかの説明が必要ではないか。

○第1回検討会で専門教科には触れないということになったため記述していない。70頁については、共通教科情報科に修正する。

○専門教科の例もどこかに書いた方がよいのではないか。他の教科と異なり情報化の進展そのものを目標としているので、例を入れた方がよいと思う。これは手引全体に関わるので確認しておきたい。

○共通教科情報科と専門教科「情報」の扱いについては、事務局で整理してもらうこととする。

○70頁以降に記述されている教科全体にかかわる指導の事例は、国語科や数学科の例を挙げているが、挙げられている教科がバラバラとなっているため、国語が挙げられていないと国語の先生は関係ないのかということになってしまう。全部を載せるのは難しいと思うが、各教科網羅的に記述する必要があるのではないか。

○ここで扱う9教科すべてを記述すると、分量が膨大となってしまう。紙面の都合上、全体でバランスをとっている。資料2の最後に教科ごとの事例数を一覧にまとめているのでご覧いただき、ご了解いただきたい。

○86頁の中段、「例えば、1)課題の設定においては~、ディジタルカメラ等で撮影した写真や、テレビやインターネット等で収集した情報を電子黒板等に示す」と書いてあるが、この場合テレビで収集した情報というのは、番組を録画するということか。

○デジタルテレビを教育で活用するという話があるので、テレビを追記した。現在においては、すでにテレビといえばデジタルテレビであろうということで、デジタルはつけずにテレビという表記にした。

○他章での記述を踏まえると、テレビで収集した情報を録画するのならば、ビデオを使うことになるのではないか。そういう議論が小中学校でもあった。情報の収集方法としてデジタルテレビが入ることはよいと思うが、テレビと書くかデジタルテレビと書くかは、事務局で統一してほしい。

○テレビはあくまで機器であり、むしろテレビ放送のようなメディアをイメージした用語にする方がよいのではないか。

○78頁に「ディジタルカメラやイメージ・スキャナ、マイクロホンを活用し」とある。これも機器を表した記述ではないか。

○メディアを表すのであれば、これらは「動画、静止画、音声」になると思う。

○機器を記述するとしても、現在であればマイクロホンと言わずに、音声機器やボイスレコーダーといった表現が適切ではないか。

○実習で使用するボイスレコーダーというと小型のボイスレコーダーのイメージがある。

○オーディオ機器ではどうか。

○オーディ機器に改めたい。

○冒頭に、齋藤参事官から昨日の懇談会の報告の中でパラダイムシフトが起きていることや、インターネットを使った海外交流の話があった。そのことも意識して、71頁の「インターネットを活用して大学や地域の人々と交流を行い」に、海外との交流も入れた方がよいのではないか。

○そのような方向で考えたい。

・担当委員より資料1に基づき、説明があった。

○32頁に欠席者への情報補償について記述があるが、このような記述をすると現場の先生方への負担になるのではないか。小中学校ならともかく、高校についてあえて触れる必要はあるか。

○当該箇所を記述した委員からはすでに実施している地域があるため記述したと聞いている。現場の先生方の負担になるのであれば削除することは構わない。

○削除することとしたい。

○47頁以降の(4)高等学校における生徒のICT活用において、携帯情報端末の活用の事例を挙げることも考えられるのではないか。例えばGPS機能を活用することも考えられる。携帯電話ということをイメージさせなくても、ネットブックなどの携帯情報端末を学習に活用することもできるのではないか。

○具体的な事例を収集していただいたことはありがたいが、全体のバランスを踏まえ、数について多少減らす必要があるのではないか。手引という性格上、敷居を少し低くする必要がある。また、小中学校ではすでにこの手引が広く活用されていることを踏まえ、今回はリビジョンアップというよりは、高校における特徴を追補するという趣旨で検討することになっているため、現行の文言については字句の誤りや認識の違い以外は編集しない方がよいのではないかと個人的には思っている。

○高校の分量が多くなるという点については事前に事務局とも相談したが、とりあえず多くの事例を出してみようということで、提出させていただいた。一方で38頁からの(4)知識の定着を図るための活用の事例については、高校の事例はほとんど書き加えてない。小学校や中学校段階では、知識定着のための活用が中心となるが、高校では、使っていく、調べる、まとめるという方にシフトしていくのではないかと考えた。そのため、多く書き込んでいるところと、ほとんど書き込んでいないところとある。また、例えば社会の「地域を調べよう」では、3,4年で市町村と県、5年でも人の学習で使えるなど学年がまたがるところもあることから、あえて3年と書かなくてもよいと考え、学年の表記を削除したところもある。

○知識の定着のための活用の事例については、小・中・高を比べれば、一般的に高校では知識定着型学習は少ないが、いろいろな高校があり、知識の定着をしないといけないレベルの高校ほど、ICT活用が必要なところもある。すでに公開されている部分の表記は、大きな変更がないのを原則としつつ、知識の定着の部分についても事例があると、そういう学校の先生方も取り組む意欲が湧いてくると思う。学年の表記については、おっしゃる通りだと思うが、削除したことをぼかしてしまうと意味が伝わらないので、脚注にするとか工夫を考えていただけるとありがたい。

○小中のときもだいぶ削った。小学校の先生は教科専門ではないので、学年と単元を例示するということで書いた。例示の優先度を考えて、それを教科調査官に見ていただき、判断をしてもらい、公表しているので、今変えることはよくないのではないか。小中と高校でニュアンス違うのであれば、1つの事例にまとめるのではなく、別の事例として書き分ける方がよいのではないか。「てにをは」や読みやすさの統一以外は原則修正しないことは、これまでの検討会で座長が確認されたことだと思う。

○頻繁に記述を改めて、現場の混乱を招くことはよくないが、昨年出したものは10年間書き換えてはいけないのではなく、今回気付いたことがあれば積極的に直し、リビジョンが少し上がったという整理にしてもよいのではないか。

○第1回検討会において、小中学校についてはすでに公表されており、高校を追記することが今回の目的だと話をした。明らかな間違いや高校を追記するに当たって不都合な点以外は原則修正をしないということで検討することを改めて確認させていただく。

・担当委員より資料3に基づき、説明があった。

○携帯電話と携帯情報端末の表記を使い分けているのであれば、注釈があった方がよいのではないか。これらの表記の整理については事務局にお願いしたい。

○93頁の6)「情報モラル指導モデルカリキュラム」を活用するという指導の記述は、他の箇所に比べ不親切な印象を受ける。ねらいや指導案の例が、他ではかき分けてある。

○たくさんの項目があるため、さらに具体的に書くと膨大な量になってしまうことを考慮した。

○リードを1,2行書いた方が親切ではないか。

○提案型の文章がよいと思う。教科の中でも科目に分かれている。その中で見ていただき精査していただくとよいのではないか。自分の専門を読むことで、深くできるようなリードがあるとよいのではないかと思う。

○特別活動を重要視していると思うが、89頁では11)特別活動「ホームルーム」と書かれているが、小中学校では特別活動のみで「ホームルーム」とは書かれていない。書き分けた理由はあるのか。

○学習指導要領の表記を確認して記述した。小中学校はわからないが、高校の表記とは一致する。

○小中学校にも「ホールルーム」という言葉は必要なのか。

○小中学校については変えないという前提のため、検討してない。

○ホームルームを削除するという考えはあるか。

○情報モラルの指導をすべての先生に取り組んでもらうためにもホームルームと明記した方がよいのではないか。

○標記をあわせるということになると、削除とかということになるが。

○高校の記述部分ではすべてカギ括弧書きで科目等を付加している。高校の先生は高校の部分しか見ないと考えると、特別活動にだけ括弧書きでの記述がないとすると違和感を覚えるのではないか。

○高校の科目の書き方について、どこまで細かく書く必要があるか。例えば芸術とするか、音楽Ⅰ、音楽Ⅱまで記載するか。事務局で書き方の統一をしていただきたい。

・担当委員より資料4に基づき、説明があった。

○95頁で環境意識をコスト意識に修正しているが、両方あるのではないかと思う。

○理解しやすいのはエコよりコストだと思う。環境意識も広い意味では入ってくるが、コスト意識の方がより的確ではないか。環境意識にすると、何でも環境意識となり範囲が広くなってしまう。

○ここを執筆した小中の先生に意図を確認した方がよいのではないか。

○事務局で確認してほしい。

○図6-5の中に「個人情報も共有化の対象」とあるが、保護者には伝えるが、地域住民には必ずしも伝えないので、ここは正確な表現に修正する必要があるのではないか。

○元の図が点線と実線で書かれていて、その違いがわからなかったが、実線は一般的な情報が流れ、点線は個人的な情報が流れるのではないかと考えた。今後検討する必要がある点を示した記述であり、最終的にこれらの言葉は残らない。

○個人情報の共有化等については、特に高校では私立も多いことから、個人情報保護法のもとに管理責任者や情報セキュリティーについて触れる必要もあるので本文中に書き加える必要があるのではないか。

○個々の学びの評価を、ポートフォリオを使って、小学校ではたくさんやっているが、すべてデジタル化してポートフォリオ化していき、個々の学びを振り返りことや保護者が子供たちの学びを見ていくことなどを、どこかに入れるとよいのではないか。現実としてどこまでできるかわからないが、今後、デジタルポートフォリオ化的なところに入っていくとよいのではないかと考えている。

○99頁(1)の記述で「教育委員会等およびその管轄下」とあるが、この表現では私立は含まれないことになる。この点について事務局で判断して整理してほしい。

○図6-5のタイトルは、学校のサポート体制の検討会で決まったことではないかと思う。修正するのであれば調整が必要ではないか。

○図の内容とタイトルがあっていないように思われるので意見として出したものである。事務局で確認してほしい。

○94頁の学習者情報の共有化に関する記述は、実態を踏まえて加筆したもの思うが、教科担任制であるため生徒との関わりが限定的だから、情報の共有化をしないといけないということは理解するが、「そうしないといけない」という表現は、手引きの表現としては強すぎるのではないか。また、ICTの活用で情報の共有化が進み、効果が上がっていると言い切ってよいか。成績の共有化、データベース化に触れることは将来的にはよいことだと思うが。

○表現を柔らかくすることは構わない。中・高では情報の共有化が有用だということが伝わればよい。小学校は一日中見ているので、中・高の方がより必要だとわかってもらいたい。

○ある県ではすべての県立高校に出席、評価を入力し、通知表、要録、調査票等を出力できるシステムが入っている。

○図6-2の絵はキャプションに(イメージ)をつけるという提案か。本文中に「一例」という表現が残っているが。

○一例ではなくて、イメージの方が適切だと考えている。

○イメージとするならば、理想の姿なので、他の章で書かれていることも少し入れてもう少し細かく必要があるのではないか。図を大幅に修正しないのであれば一例のままでよいのではないか。

・担当委員より資料5に基づき、説明があった。

○情報主任の表記については課題であったが、括弧書きはいいことだと思う。これについては、全章統一をする必要がある。全部を括弧書きで統一するか、あるいは初出のみ括弧書きとして、「以下は~と表記」のようにするかどちらかではないか。事務局の判断に任せたい。

○教員は手引を最初から全部を読むわけではない。全部を括弧付けにした方がよいのではないか。いずれにしろ事務局で整理してほしい。

○主幹教諭(教務主任等)という表現が113頁にあるが、制度上この表記で正しいか。

○法律上で言えば主幹教諭、教務主任の順になってくるのではないか。事務局で標記の確認をしていただきたい。指導教諭については、主幹教諭ほど一般化されていないのではないか。ただ、法律的には、指導教諭、主幹教諭ではないかと思う。

○要望だが、現場からみると括弧付けの意味がわからない。これらの言葉を学校種別に整理した表を作成していただきたい。

○本日の貴重なご意見については事務局でとりまとめ、小中学校での記述の経緯等を確認したうえで、修正案を事務局から各章の担当者に示してほしい。

 

○新たに追加すべきイラストについて意見をいただきたい。会議終了後、メールで事務局に意見を提出していただいても構わない。

○新しいイラストを入れるのは賛成。現場の先生が研修をやる際に、よりよく分かっていただけるようなイラストを追加してほしい。

○コンピュータを使うことがICT活用のハードルを高めていることがあるので、コンピュータを使っていない例、例えば実物投影機とプロジェクターだけを使っている事例を載せてほしい。あるいはスクリーンを使わないで、直接グラフ黒板を使っているような事例もある。また、機器の移動が少なくてすむ、ICT活用の事例が少ないので、載せてほしい。

○3章の28頁にあるイラストはどう見ても高校には見えない。イラストの数の小中高の割合を確認する必要があるのではないか。

○イラストの指示をするときは、我々の意図がわかるように具体的な意見を出してほしい。

○写真は入れないという整理になっているのか。例えば携帯端末の例を写真でしめしてはどうか。

○それはメーカー名の表示の問題もあり難しい。

○現在のイラストは普通教室のイメージのものが多い。特別教室や国際理解などちょっと夢を与えるイラストを追加してはどうか。

○110頁にインターネットを利用した情報収集のイラストあるが、インターネットしか使っていない。高校の指導では、信憑性があるかどうかという指導をするので、インターネット以外の資料や書籍などを加えるなどの配慮があるとよいのではないか。

・第2回の検討会における、委員からの電子ブックリーダーの活用に関する質問に対して事務局より、説明があった。

(2)その他

・今後のスケジュール等について、事務局より説明があり、第4回開催については、委員の日程を確認し、座長と相談の上決定することとした。

 

お問合せ先

生涯学習政策局参事官付

平山、小澤、中村
電話番号:代表 03-5253-4111  直通 03-6734-2090
ファクシミリ番号:03-6734-3712
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