生涯学習に関するデータの集積の在り方に関する部会(第8回) 議事要旨

生涯学習に関するデータの集積の在り方に関する部会(第8回)が、以下のとおり開催されました。

1.日時

平成24年8月28日(火曜日)13時15分~16時00分

2.場所

文部科学省生涯学習政策局会議室

3.議題

  1. 「学び」に関する意識調査について
  2. 社会教育調査の見直しについて

4.出席者

委員

小泉委員、笹井委員、田中委員、土屋委員、益川委員

文部科学省

生涯学習政策局
杉野生涯学習総括官、西澤調査企画課長、土山調査企画課長補佐

5.議事要旨

(1)「学び」に関する意識調査について

前回会議での議論を踏まえ、「学び」の定義や調査で捉えるべき内容について、委員による議論が行われた。

各委員からの主な意見等は以下のとおり。

  • 経験を通して意識や行動が変容するという意味の学びよりは、学習活動として、活動レベルで把握できるものをこの調査では学びと捉えるということか。
  • 学びの目的が、学びを通した意識の変化や行動の変容だというのは国際的にも認知されているが、それではあいまいなので、学びの成果の部分でどういうことがあったのか、細かく聞けるとよい。
  • どのような学びについて答えてもらうことを想定しているか。忘れたい学びや失敗した学びは答えづらいため、成果や効果を伴った学びのみ答えることになるのではないか。
  • この調査ではlearning to haveに重点を置くことになると思うが、最初の段階ではlearning to beに重点を置いて設計するのがよい。最初からlearning to beとlearning to haveを分ける必要はないと思う。
  • 学校教育制度内での教育活動であるformal educationや日常の経験などに基づく組織的ではない学習過程であるinformal educationではなく、学校教育の枠外で目的・意図をもって組織的・継続的に行われる教育活動であるnon formal educationを学びとして捉え、learning to beとlearning to haveを学びの成果として捉えればよいのではないか。
  • informal educationはとても重要だが、調査にどこまで組み込めるのか。結局、non formal educationを学びと捉えることになるのではないか。
  • 学びには、公民館での学習などの活動としての学びと、やった結果どうなったか、という変化としての学びがあるが、両方捉える必要があると思う。
  • 現在、ナレッジデータベースで疑問を手軽に解決することができるので、積極的に学ぶことが少なくなっているのではないか。ナレッジデータベースにアクセスしているときも学んでいる状態だが、「学び」の中に入るのか。インフラを使った新しい学習が登場して学びの範囲が広がっているが、すべてを調査で捉えることはできないと思う。
  • 学ぼうと思わずにボランティア活動やNPO活動に参加することがある一方で、自分の学びのためにボランティア活動している学生もいる。どんな意識で参加しているかによって学びなのかそうでないのか、意味合いが変わってくる。
  • 現在は、図書館に行って本を読むこと、eラーニングをするなどのnon formal educationは文科省の政策の範囲内だが、ネットサーフィンなどで個人が意図的に学ぶことや、何かやっていたら自然に学んでいた(偶発的学習)は政策の範囲外である。しかし、non formal education以外の意図的な学びも今後政策の範囲内に入れていけるのではないか。
  • non formal educationは、学校教育の枠外である目的・意図をもって組織的・継続的に行われる教育活動と捉えることができると思うが、組織的・継続的というところを柔軟に捉えるかどうか、という問題だと思う。
  • 調査対象年齢については、社会人学生など、何歳であっても学校教育の学びを行っている人は存在するので、その数を無視しても統計的に問題がない年齢で設定すればよいのではないか。

(2)社会教育調査の見直しについて

前回会議での議論を踏まえ、事務局にて作成した社会教育行政調査票、公民館調査票、図書館調査票、博物館調査票、生涯学習センター調査票の改正案について、委員による議論が行われた。

各委員からの主な意見等は以下のとおり。

男女別表記について(各調査票)

  • 男女別表記については各県に詳しい状況を再度聞いているので、次回の報告事項とする。

情報提供方法について(図書館調査票)

  • 「利用者からの相談」について、「利用者からの相談を提供」しているように見えてしまうので「各種相談の案内情報」とするのがよい。
  • 「案内情報」も少し違う気がするので、「利用者からの相談への回答」ではどうか。
  • 「a~cの方法で提供している情報の内容」について、「利用者からの相談」は他のものとレベルが違うのではないか。相談を受けた結果、講座やボランティアに関する情報を提供しているのではないか。
  • 講座のことについて、どういうイベントがあるか教えてほしいといった利用者からの相談が来たときは、記入者はどれを選択すればよいのか。
  • 「利用者からの相談」とは、具体的には資料の調べ方などへの質問に対する回答であるということなので、「相談」ではなく「質疑応答」と考えて、「利用者からの質問への回答」として、選択肢は残すこととしてはどうか。

コンピュータの導入状況について(図書館調査票)

  • 「無線LANのアクセスポイントの有無」について、「有」「無」をやめ、設置してない場合は「0箇所」と記載したほうがよい。
  • 「電子書籍閲覧用端末(タブレットPC等の携帯端末を含む)の有無」についても同様に、「有」「無」をやめ、所有してない場合は「0台」と記載したほうがよい。

資料の状況について(図書館調査票)

  • 「図書の日本10進分類等別冊数の構成比」についてパーセントではなく冊数で聞いたほうがいいのではないか。

 

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生涯学習政策局調査企画課