二次利用に関する分科会(第1回) 議事要旨

新しい時代に対応した統計調査の推進に関する検討会 二次利用に関する分科会(第1回)が、以下のとおり開催されました。

1.日時

平成21年7月22日(水曜日)10時00分~12時00分

2.場所

文部科学省生涯学習政策局会議室

3.議題

  1. 統計データの二次利用等への対応について
  2. その他

4.出席者

委員

鈴木委員、廣松主査、渡辺委員(五十音順)

文部科学省

生涯学習政策局
弦本調査企画課長 ほか

5.議事要旨

・冒頭、弦本課長より挨拶があった。
・事務局から議事の取り扱いについて説明があった。
・各委員の紹介のあと、廣松委員が主査に指名された。

(1)統計データの二次利用等への対応について

<委託による統計の作成等及び匿名データの作成・提供に関する検討>
(主査)
 「統計法」や「基本計画」では二次利用を推進するとなっているが、各府省ともまだ準備の前段階である。総務省の統計局が先行しているので事例として参考になると思うが、必ずしもそれに拘泥する必要はない。統計調査の特質に応じて、また、想定される利用者のニーズに応じて、作成・提供すれば良い。

(委員)
 オーダーメード集計の依頼があった場合、作業は文部科学省で行うのか、それとも、外部に委託するのか。

(事務局)
 オーダーメード集計については、統計センターに事務を委託する予定で、統計センターと相談している。
 検討が進んで準備が整えば、ホームページに計画を掲載し、実施する予定である。
 リソース(人やお金)の関係もあるが、省庁によっては自ら行うところもあるように聞いている。すべて統計センターに業務を集約しなければならないという訳ではない。

(主査)
 リソースの関係が一番頭の痛いところで、新しい提供の仕組みを決めても、それに伴うリソースは増えない。そのため、どのように対応していくか各府省とも悩んでいるのだと思う。
 独立行政法人である統計センターは公的統計の網の中に入っているので、他の行政機関と同じ規制(調査票情報の適正管理等)がかかっている。

(委員)
 文部科学省で実施している調査の個票データは、文部科学省で管理しているのか。また、データベース化はされているのか。

(事務局)
 調査の個票データは原課で管理している。データベース化と言えるかどうか分からないが、『学校基本調査』を例にすれば、個票データを年度ごとに保管している。
 報告書として公表している以外の集計を行いたい場合は、省内からの依頼であっても目的外利用の申請を行ってもらい、提供している。データベース化されていて省内で自由に使用できるような仕組みにはしていない。

(委員)
 目的外使用は今後もそんなに多くなる事は無いという見通しか。それとも、民間の使用申請が増えるのか。

(主査)
 過去は目的外使用を厳しく制限してきた。もう少し自由度を高めると従来の目的外使用も増えるかもしれない。かつては手続きに時間がかかった。従来の目的外使用を広げるということではなく、ユーザー側のニーズも反映できる提供の仕組みとして、「オーダーメード集計」と「匿名データの作成・提供」の方法が考え出された。最初は「匿名データの作成・提供」が先行するかと思ったが、技術的な問題もあるため、本格的な運用には時間がかかりそうだ。現時点では、かつての目的外使用を簡便化した提供の仕方を各府省は念頭に置いているのではないか。また、どれほどニーズがあるかの見込みが立たないのだと思う。ただ、総務省では4年ほど前から試行的に匿名データの提供を行っており、かなり実績を積んできている。

(事務局)
 匿名データ等を利用するには、学術研究と高等教育の用に供することが直接の目的でなければならない。純粋な営利目的だと範囲外である。

(主査)
 総務省統計局の事例だが、直接個票を扱うのは統計センターであるが、申し出の受付と提供等はサテライトで行う体制を作りつつある。試行的な提供を行っていた際は、一橋大学経済研究所がその役目を担っていた。当面は総務省統計局のサテライトの機能を果たす予定である。
 総務省では、数は多くないが全国にサテライトを作りたいという意向を持っている。

(委員)
 文部科学省が独自にサテライトを設置する事も可能か。

(主査)
 制度的には可能である。

(委員)
 利用が少ないと調査自身に感心を持たれていないという事にもなり、実績も必要ではないか。広報の問題ではないか。大学の研究者でも統計データの二次利用については知られていない。もう一つは、公的統計が何処でどのように整備されているか知られていない。サテライト機関や学会を窓口にして、もう少し積極的に広報していく事が大事では無いか。

(主査)
 学会との連係・協力関係は重要になると思う。

(委員)
 現実的には急にデータを匿名化する事は難しいと思うので、統計センターで研究や経験があるのであれば参考に利用すれば良い。研究者は全部のデータが必要である訳ではないので匿名データの利用はあると思う。また、どういう調査票になっているか等がはっきりしていればオーダーメード集計の利用は増えると思う。

(主査)
 オーダーメード集計が先行しているのは、秘密の保護の観点では安全であるためである。

(主査)
 当面は基幹統計が先行すると思うが、それに限定する訳ではなく、一般統計でも必要と思われる統計調査があれば検討したい。

(委員)
 オーダーメード集計もパターン化されてくるのか。

(主査)
 そうだと思う。その中でニーズの高い統計調査は「匿名データの作成・提供」を行っていくことになると思う。

(事務局)
 統計センターとの相談では、パターン化したものからサービスを始めて、その後のニーズを聞きつつ少しずつサービスを広げていく予定である。

(委員)
 統計調査でも、「個人」と「機関」を対象としたものでは、使いたいデータや使えるデータは研究者側からすると違うと思う。

(事務局)
 文部科学省の統計調査は「機関(学校)」を対象としたものが多いのが特徴である。

(主査)
 匿名データについては事業所を対象にしたものは難しいのではないかと一般に言われている。個人を対象としたものは別。大学等の機関に関してどこまで秘密を保護するのか整理する必要があると思う。

(委員)
 国立大学であっても秘匿にする必要があるのか。

(主査)
 高等教育機関で運営費交付金を受けているような学校は情報を積極的に公開する義務があると思う。ただし、現行の統計法の解釈では個票については守らなければならない情報となっている。

<統計調査の結果について、その公開方法の工夫を検討>
(委員)
 データベースという発想がないので、データの中身が分かっていない者が時系列にデータを拾う場合大変である。また、一つのセルに一つのデータという対応になっていない。

(2)その他
 事務局から、次回(第2回)開催日程等について連絡があった。

お問合せ先

生涯学習政策局調査企画課