議事については、以下の通り。
|
● |
大槻生涯学習政策課長の司会で議事が進められた。
|
● |
久保生涯学習総括官から挨拶が述べられた。
|
● |
事務局から、委員の紹介、議事の取り扱い等、これまでの経緯、研究会の進め方等について説明がされた。
|
● |
長谷川株式会社日本総合研究主任研究員から、教育バウチャー制度の調査(報告)の概要について説明がされた。
|
● |
上記報告について、質疑応答及び意見交換がされた。
|
【質疑応答及び意見交換の主なものは以下の通り】
|
諸外国のバウチャー
|
○ |
フリードマンなどによって、アメリカでバウチャーが言及され始めたのは、1950年代後半だったと認識している。しかし、現在、アメリカでは、低所得者等を対象とした限定的なバウチャーしか実施されておらず、しかも、全国的な導入には至っていない。何故、導入が進まなかったのか、何か技術的な障害などの原因があるのではないか。
|
○ |
アメリカで実施されているバウチャーは、低所得者等を救済する意味合いが強く、フリードマンの提唱していたものとは性格が異なる。2000年の大統領選挙の時には、バウチャーの全国的な導入に反対するゴアと賛成するブッシュの対立があり、結果的にはブッシュが勝利したのだが、結局、バウチャーの全国的な導入には至らなかった。これは、政教分離に違反するのではないかという議論もあって、見送られた形だ。
|
○ |
昔から、バウチャーの議論はあったはずなのに、実際は全然進んでいない。現在、バウチャーを実施しているミルウォーキー市などは、かなり特殊な例で、本来のバウチャーの理念とは異なっている。
|
○ |
元々、フリードマンが提唱していたバウチャーも理念的なものであり、曖昧なところも多かった。
|
○ |
バウチャーには、特定層の児童生徒に対する補助という側面と、オランダやスウェーデンでやられているような、児童生徒数に応じたパーヘッドの補助金配分という、2つの異なる側面がある。パーヘッドの補助金配分という意味では、ヨーロッパでは多くの国で実施されているものである。本研究会で理念的な議論をするのか、それとも、例えば、不登校など個別の分野についても検討するのか整理した方が良い。実際、地方ではいろいろな試みが行われており、個別分野について議論していく価値はあると思う。
|
研究会の進め方、議論する論点等
|
○ |
研究会の議論は、あまり抽象的でない方が良い。専門的な意見を伺いながら、最終的には、答申のような形ではなく、論点整理がしっかりできれば良いのではないか。
|
○ |
バウチャーに関する議論が、混乱しているのは確かであり、誤解もかなりある。アメリカ型のバウチャーとヨーロッパ型のバウチャーがあるなど、きちんとした整理をする必要がある。
|
○ |
理念的なバウチャーと、例えば、不登校などを対象としたバウチャー等、個別具体的なものとを分けて考えるべきである。
|
○ |
パーヘッドでの補助金配分と公私のイコールフッティングについて、本研究会で議論するのかどうかを整理する必要がある。
|
○ |
バウチャーの議論の中で、イコールフッティングの問題を解決しようというのは非常に難しいのではないか。諸外国にも例がない話である。
|
学校選択制について
|
○ |
生徒の親は学校選択について、どのように考えているのだろうか。親が学校選択について、どういう認識をしているのかを調査したものがもしあれば、是非、提示してほしい。
|
○ |
学校を選択できることは良いことだと思うが、選択を強制することについては疑問がある。各地方の実情に応じて、地方が決定するべきことである。
|
以上 |