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参考資料

図表

具体的な取組事例




図表

図1
「家庭教育上の問題」として「しつけや子育てに自信がない」と答えた世帯の割合


図2
児童相談所における児童虐待相談処理件数の推移


図3
子どもを育てながら「育児の自信がなくなる」と感じることがあるか


図4
家庭の教育力が低下していると思う理由(複数回答)


図5
家庭教育上の問題として「親(保護者)と子の接触時間が不足している」と答えた世帯の割合
  

図6
子どもと一緒に過ごす時間


図7
6歳未満の子どものいる世帯の夫婦の一日の育児時間(時,分)


図8
父と子のコミュニケーション状況と子どもの社会性(中学2年生)



具体的な取組事例


  ここでは、教育関係分野における子育て支援の取組事例を中心に紹介していますが、このほかにも、保健・福祉関係分野でも様々な子育て支援の取組が行われています。また、ここで紹介した活動以外にも各地域で多くの子育てを支援する団体が活動しています。

1.地域の取組事例
○家庭教育推進連携支援委員会(兵庫県伊丹市教育委員会)
  平成12年度から教員や校長の代表、子育てネットワークの代表など市内にある33団体の代表者で組織。時には、市民啓発部会、実践・交流部会、家庭教育学級部会に分かれてフォーラムの開催や「家庭の日」の啓発広報、井戸端会議などの活動を企画・実施している。

○楽しい子育て応援団(東京都文京区立柳町幼稚園)
  10年ほど前から子育てに悩む保護者が増え、連携をとって子育てを支援していく必要が出てきた。そこで、平成13年より乳幼児が過ごしやすい環境のある幼稚園に、幼稚園、民生・児童委員、学校、保健センター、児童館、図書館、医療機関など地域の諸機関のネットワークづくりをして、地域の子育て世代の保護者が安心して楽しく子育てができるよう、地域の子育てを応援する場「ラッコの会」をつくっている。
  毎回、30組ほどの親子の参加と10人ほどの男性も含めた民生委員、児童委員等の応援により、子どもや保護者と自然にふれ合ったり、絵本の読み聞かせをしたり、子育ての研修をしたりして楽しい子育てを学び合う場になっている。

○京都市子ども読書活動振興市民会議(京都市教育委員会)
  平成14年4月、幼稚園・保育所関係者、作家、読書ボランティア、書店、市民公募委員などで発足。市民ぐるみで子どもと本の豊かな出会い、読書振興を通した子育て支援を目指し活動している。

○羽根木プレーパーク(東京都世田谷区)
  プレーリーダーに見守られながら、子どもたちがのびのび遊べる場として地域住民が行政、ボランティア協会とともに運営している冒険遊び場。遊びの選択肢が豊富で、選ぶのは子どもであり、できるだけ禁止事項をなくし、「自分の責任で自由に遊ぶ」をモットーに掲げ、子どもがしたい遊びをしながら、自分で育っていく場となっている。

○「トライやる・ウィーク」(兵庫県教育委員会)
  平成10年度から保護者や地域の人々の協力のもと、県下の公立中学校の2年生全員を対象に、学校教育の一環として、それぞれの地域で、連続した1週間、商店や会社、福祉施設等において、指導ボランティアとともに職場体験活動やボランティア活動、文化・芸術創作活動等に取り組んでいる。

○地域とともに児童の健全育成を目指すPTA活動(山形県遊佐町・山形市)
  完全学校週5日制が実施されたことに伴い、農業体験や奉仕体験を通じて、子どもたちが有意義な土日を過ごせるような生活環境を作りながら児童の健全育成を目指す活動が各地で実施されている。例えば、山形県飽海郡遊佐町立西遊佐小学校では、作物の収穫を楽しみにする子ども、働くことを喜びに感じる子どもの育成や、保護者や地域の人々が他の家庭の子どもとかかわることにより、地域全体で子どもを育てているという意識を持つことを目指し、PTAが「稲作体験教室」や「無農薬野菜作り」、「イチゴ栽培」など地域の産業である農作物の生産体験に協力している。また、山形市立山寺中学校では、子どもたちが地元の名所を観光客に案内するボランティア活動にPTAが協力している。

2.学校の取組事例
○中学生や高校生の乳幼児ふれあい体験講座
  近年、各地域の中学校や高等学校で保育体験学習が行われるようになってきている。例えば、和歌山県では古座保健所と古座高校が共同で昭和63年から高校生の保育体験を実施している。また、岡山県瀬戸町では、平成12年度から中学生や高校生が保育士などの指導により、乳幼児についての知識・理解を得る講習と、乳幼児と一緒に遊んだり、世話をしたりなど実際にふれあい交流する実習をセットにして講座を開設している。あわせて保健センターで行われる「子育てセミナー」での保育ボランティアも同時に行っている。

○幼稚園・保育所におけるお母さん・お父さん先生、おじさん・おばさん先生
  最近、幼稚園・保育所の場を使って、保護者や祖父母、地域のおじさん、おばさんなど様々な地域の人が、絵本の読み聞かせ、人形劇、折り紙、歌やピアノ演奏、たこ揚げ、動植物を育てるなどの活動により、子どもたちとふれ合える機会をつくる取組が行われてきている。
  例えば東京都品川区立八潮わかば幼稚園では、保護者が地域の中で人間関係が作りにくく、子育てが孤立化して、我が子以外とはあまりかかわらない傾向が見られたことから、3年前より自分の得意なことややってみたいことを通して子どもたちとふれ合えるようにリードし、子どもたちと仲良くなる機会を作っている。それが祖父母や地域に広がり、様々な人がかかわるようになった。
  子どもたちは、いろいろな大人と接したり、大人に対して信頼感や尊敬の念を持ったりし、大人は子育てを学んだり、生きがいを持ったりする場になっている。そして、地域に子育てに関心を持ち、支援してくれる温かい人の輪が広がっている。

3.行政の取組事例
●子育ての社会化を促すムードづくり、家庭教育支援の基盤整備
○公民館保育室(東京都国分寺市)
  国分寺市では、母親たちが公民館で学習する間、子どもたちの保育をするために、30年以上前から市内の各公民館に保育室を設置している。当初は、子どもが幼いときに学びたいという参加者の要望に応えるために設置され、現在は「女性問題学習の促進と子育て支援」を目的に保育室活動を続けている。保育者の多くは、かつて自分自身が保育室に子どもを預けて学習していた地域の先輩母親たちであり、「人は人とのかかわりの中で育つ」を保育目標として、ともに学習する仲間が保育室活動を支えている。

●家庭、学校、地域、職場、行政が一体となった取組の推進
○「だんらんホリデー」(兵庫県伊丹市教育委員会)
  平成13年9月より毎月第3日曜日を家庭の日「だんらんホリデー」と名付け、市民への啓発を図るとともに、こども文化科学館やローラースケート場、美術館、運動公園などの施設を無料開放している。また、行政はもちろん、自治会や社会教育団体等がこの日にちなんだ活動に参加しているほか、啓発キャンペーン時には、民間企業や飲食店が料金を安くするなどの協賛事業の取組をしている。

○「家庭教育の日」と「家庭教育推進週間」(奈良県教育委員会)
  家庭教育を振り返り、家族がいきいきとふれ合うことを目的として、毎月第3日曜日を「家庭教育の日」と設定し、その趣旨を浸透させるため、啓発ポスターやパンフレットを配布したり、垂れ幕、のぼり旗を設置。また、8月19日〜25日を「家庭教育推進週間」と定め、親子で参加して楽しむイベントとして「子育てトーク&ライブ」、「親子共同体験」などを盛り込んだ家庭教育フェスティバルや子育てに関するシンポジウムを開催している。

●子育てネットワークの形成の支援
○舟橋村子育て支援ネットワーク協議会(富山県舟橋村)
  平成12年度に文部科学省の補助により「子育て支援ネットワーク事業」を実施する際に発足。人口2,400人の村だが、富山市のベッドタウンとして若い夫婦の転入者が多い。このため、母親たちが語り合う場、子育てについて学ぶ場づくりとして親子ふれあい教室や子育て広場等を開催している。協議会の発足により、教育委員会と住民福祉課の行政間の連携による事業が多く実施されるようになった。

○萩原町幼児教育研究会(岐阜県萩原町)
  平成12年7月に乳幼児教育関係の学識経験者や子育て中の親、子育て支援者、保育士などのネットワーク化と行政関係者との連携を強化することを目指して発足。教育委員会内に事務局を置いている。子育て支援行政部会、保育士部会、子育てサポーター部会、乳幼児ママ部会、小中家庭教育部会、子育て支援サークル等の6つの部会ごとにネットワーク化を図り、子育て広場や親子体操、「萩原町子育て支援マップ」の作成など連携した子育て支援に取り組んでいる。

○福岡県「子育てたのしかネット」(福岡県教育委員会)
  福岡県では、県内の中核となる子育てグループが自ら企画・実施し、他のグループやグループに入っていない個人等に働きかけるような活動(事業)に対して助成している。こうした子育てネットワークを各地域に形成していくことにより地域での子育て支援体制の充実を図っている。

●子どもの発達段階に応じた子育て学習の全国的展開
○陸前高田市子育て講座(岩手県陸前高田市教育委員会)
  平成13年度に小学校に入学する子どもを持つ保護者を対象に開催した小学校の子育て講座(11校)のすべてに保育サービスを実施した。
 
○石鳥谷町子育て講座(岩手県石鳥谷町教育委員会)
  平成13年度から小学校入学前の子どもを持つ親を対象にして、子育てやしつけについての学習機会を提供。子育てサポーターが、乳幼児等健診を待っている親子の中に入り話しかけながら、子どもとのふれあい方を親に示すとともに、一緒に遊びながら、親から子どもの様子を聞いて子育てに関するアドバイスを実施している。

●「子育てサロン」型学習スタイルの展開への支援
○子育てサロン(埼玉県新座子育てネットワーク)
  主に0才から未就園児の子どもとその親を対象に、公民館の一室で、地域の親子の居場所、子育て仲間との出会いの場、親としての学習の場、地域の子育て情報の交換の場としての「子育てサロン」を平成11年から実施。現在、4つの公民館で毎月各1回、予約不要、定員なし、参加費無料、親子同室、開催時間内の入退出自由、子どもの月齢不問、プログラムにこだわらない柔軟な進行形態で、各館4〜8名の研修を受けた子育てサポーターがチームで運営。手遊びと子育てサポーターが支援する親同士のグループ・トークを基本に、時には保健婦などをゲストに招いたり、子育てビデオを活用したり、季節の行事なども参加する親子の状況に応じて柔軟に取り入れている。子育てサロンは地域で子育てする親が生み出した学習スタイルで、子育ての当事者にとって参加しやすい設計と配慮があるが、その意図を理解し、若い親の気持ちに寄り添えるよう意識づけられ、継続的に研修を受けている意欲的な子育てサポーターが、重要な役割を担っている。

●子育て情報の発信、学習機会の工夫
○すくすく秋田ネットワーク「家庭教育なんでもドア」(秋田県教育委員会)
  平成13年5月から家庭教育に関するイベントやワンポイントアドバイスなどの情報を掲載するとともに、子育ての悩みについて専門の相談員がメールで対応する「e-mail相談」や様々な情報交換の場として「わいわい掲示板」を設置。
【ホームページアドレス】http://www.lifelong.pref.akita.jp/family/index.asp

○「子育てネッ!とやま」(富山県教育委員会)
  平成13年7月から保護者の育児に関する負担をやわらげるため、Q&Aや遊び場情報・市町村のサービスなど育児に関する豊富な情報を満載した専門ホームページ「子育てネッ!とやま」を開設。専門スタッフが電子メールの相談にも対応する。
【ホームページアドレス】http://www.ccare.shiminjuku.com

●これまで手が届きにくかった親等へのアプローチ
○「家庭の教育力向上サポートチーム」(京都市教育委員会)
  京都市では、平成9年にベテラン校長を配置して「地域教育専門主事室」を開設し、「開かれた学校づくりチーム」、「学級崩壊未然防止サポートチーム」等を編成し、学校等に出向いていって様々な支援を行っている。平成13年7月には「家庭の教育力向上サポートチーム」を設置し、学校の保護者会や学習会などに参加してほしい人が参加できないことへの手だてとして退職校長等による家庭教育アドバイザーやカウンセリングの研修を受けたサポーターなどが、戸口出前教育相談としての子育て語り合いサロンをモデル的に実施。市民ボランティアによる子育て何でも相談やPTA、地域女性会による電話相談も実施。

○北校区ふれあいルーム(貝塚子育てネットワークの会)
  貝塚市では、家庭、学校、地域が協力して各校区に教育コミュニティづくりが進められている。特に市内で最も高齢化の進んだ地域である北小学校区では、小学校の余裕教室を利用して、公民館を拠点としている子育てネットワークの会と、青少年指導員や子ども会、婦人会、地域にいる保育士などとが一緒に映画会などの事業をしながら子どもや高齢者との交流や子育てについて語り合う場を開設している。

4.学校と地域の団体との連携の事例
○ふれあいサロン(京都市教育委員会)
  全小学校に、地域開放施設の「ふれあいサロン」を開設。子どもからお年寄りまであらゆる世代の住民が、交流し、学びあえる身近な生涯学習の場として、地域住民の自主運営の下、活用されている。
  教室として和室、ふれあい教室を設け、女性会や地域の老人会に昔遊びを教えてもらったり、茶道などの活動を実施。
 
○自由参観日(京都市教育委員会)
  1週間から1ヶ月の間、毎日を参観日とし、地域のおじいさん、おばあさん、おじさん、おばさん、子どものいない人にも学校へ来てもらい、子どもの生の姿を見てもらっている。

○保護者の自主運営による体験学習(東京都品川区立平塚幼稚園)
  子どもとともに楽しむ活動に保護者、特に父親は、自分の役割があったり、やることがはっきりしていると参加しやすい。そこで、デイキャンプやプレイデイ、もちつきなどの父親の力を発揮できる活動を週末などの父親が出やすいときに実施している。
  完全学校週5日制になり、それまで土曜日に幼稚園主催で進めていたこれらの活動を平成13年度より保護者の自主的な企画・運営にした。幼稚園は、場の提供やノウハウを提供して支援している。子どもとともに保護者が自分たちで企画・運営していく充実感を味わい、仲間ができていくと、体験学習終了後も継続した取組が地域に広がっている。

5.子育てネットワークの形成の支援の事例
○ワイワイネットワーク(新潟県新潟市)
  平成5年度に新潟市坂井輪地区公民館主催事業として発足。子育てサークルのネットワーク化を図り、子育てサークルの悩みや問題点を共有化し、地域の子育てを考えてきたことをもとに、平成13年度に自主グループとして新たに活動を展開中である。
  乳幼児から中高生の親までの幅広い年齢層のメンバーで構成され、話し合いや学習を重ね、イベントの開催、地域への情報発信等を公民館と共催しながら自主的に企画、実施している。

○子育てサークルガイド「みんなのひろば」(岐阜県教育委員会)
  県内の市町村ごとに、子育てサークルや子育て支援サークルを紹介する子育てサークルガイド「みんなのひろば」を発行し、子育て当事者が運営する「自主サークル」、専門職などが関わりながら親子遊びを指導したり相談に応じる「支援サークル」、人形劇やカウンセリングなどのサービスを提供する「応援サークル」の3種類に分類して、サークルの活動内容や会費、子どもの年齢層などの情報を提供している。

6.子育てネットワークの運営の事例
○新座子育てネットワーク(埼玉県新座市)
  平成11年に子育て中の母親たちが中心となり、地域の子育て課題に取り組もうと、子育てサークルや子育て中の親子、支援者、行政、研究者らを結ぶネットワークを発足。活動の担い手となる子育てサポーターを養成し、子育ての当事者とともに、支援交流事業(子育てサロン、グループカウンセリング)、情報事業(通信の発行、子育て情報誌づくり、ホームページ)、イベント(フェスティバル、運動会)、子育てサークル支援(学習支援、保育支援、情報支援)などを展開している。平成12年より文部科学省「子育て支援ネットワークの充実」事業の助成を受け、市教育委員会と協働を開始。平成14年度からは福祉部子育て支援課とも本格的に協働。家庭教育・子育て支援に関係する行政各部門を市民サイドから連携させる役割も担っている。また、隣接する市や県域の子育てネットワークの発足支援や活動支援、共同研修や共同事業にも中核的な役割を果している。

○貝塚子育てネットワークの会(大阪府貝塚市)
  昭和63年に公民館主導のもと市内の子育てサークルや自主グループが交流を図りネットワークを発足。乳幼児部会・幼稚園部会・小学生部会・中高生部会と4つの部会に分かれ、それぞれに学習会や座談会、レクリエーションなどの活動を行っている。親の年齢層が20代から50代までと幅広く、縦のつながりがあり、そのことが子育てに見通しが持て、より安心して子育てできることにつながっている。
  父親の子育て参加も、運動会やもちつき大会などの活動を通し、父親の出番を増やしている。また、子どもの遊びの未熟さや遊び場不足の問題から、市内にプレイパークを開設し、中高生が活躍できる場としてプレイリーダー育成にも取り組んでいる。

○香川子育てネットワークZOO・わははネット(香川県)
  平成11年香川県ボランティア協会主催のボランティア交流会の子育て分科会の中で、子育て交流会を開催したのをきっかけとして発足。子育て情報誌「おやこDEわはは」を季刊誌として年に4回発行し、県内各地に広く販売している。また、子育て応援ホームページ・メールマガジンの発信、FMラジオレギュラー子育て番組担当など、同じ時間に子育て情報の交換や交流を図る手段を設けている。その他にも、育児サークルや子育て支援センターの担当者等の交流会や子育てファミリー向けイベントの開催、サークルの相談等香川県全域にわたって活動を行っている。
【ホームページアドレス】http://www.npo-wahaha.net

○山梨県子育てサークルネットワーク・ママネットやまなし(山梨県)
  平成3年に設立された子育て支援センター「ちびっこはうす」をきっかけとして次々と子育てサークルができ、それらをネットワーク化しようと、平成7年4月に発足。現在35サークル、約500組が加入している。フリーマーケットやママネットまつりなどの開催、機関紙や子育て情報紙を毎月発行するなど山梨県全域に活動している。また、「ママネットやまなし」のホームページを設置し、サークル入会希望者からの問い合わせなどにも応じている。
【ホームページアドレス】http://plaza25.mbn.or.jp/~mamanetto/

7.子育てサポーターの養成の事例
○県が実施する「子育てサポーター養成講座」(岩手県教育委員会)
  平成12年度から子育てに関する基礎的知識、児童虐待・育児ノイローゼ・不登校・いじめ等への対応の在り方、相談活動の在り方、主体的な学習グループの育成の4テーマに重点を置き、子育てサポーターとしての資質の向上が十分図られるように実施。年間80時間(3日間×5回)の研修期間により、養成されたサポーターは、各市町村において、子育て支援事業の中心になって活躍したり、子育てサークルの中心的リーダーとなって活動している。

○町が実施する「子育てサポーターの養成講座」(富山県婦中町教育委員会)
  平成12年度からカウンセリング講座に重点を置き、カウンセラーや臨床心理士を招へいしてカウンセリング実習やケーススタディの時間を多く設けている。また、他機関が実施する研修講座への参加や子育てに関するさまざまな協議会・事業への参加、サポーター同士の連絡会での情報交換等を通して研鑽を深めたり、親子を交えた交流会を企画したりしている。

8.父親の家庭教育参加の促進の事例
○ぐんま父親クラブ(群馬県)
  平成9年から、父親の家庭教育への理解と参加を促進するため、県内の各地域に設置(平成14年度は35団体)。各クラブでは、親子デイキャンプやスポーツ大会など父親と子どものふれ合いを深められるような体験・交流活動や父親の子育てに関する学習会等を開催するとともに、「お父さんの子育てウィーク」に父親クラブの活動成果の展示や事例発表を行っている。

○子育て企業フォーラム(奈良県教育委員会)
  平成11年度から、家庭教育に関する学習の機会が得にくい企業等で働く親など(特に父親)を対象に、企業研修の一環としてその機会を提供することにより、子育ての支援をすることを趣旨として実施している。企業の研修室、食堂、講堂、多目的ホール等企業内の施設で、勤務時間帯だけではなく、勤務時間終了後や土曜日などの平常勤務外の時間帯に設けている。大学教授や臨床心理士、カウンセラー、医療関係者、県PTAなどの団体の関係者、幼稚園や小・中学校の教員経験者などの家庭教育支援講師による講演形態を採っている。

○フォーラム「父・かえる」(鹿児島県教育委員会)
  平成9年度から多くの父親が参加しやすい日曜日に開催し、事例発表を中心とした6つの分科会と全体会のフォーラムで構成している。地元の子育て経験者や公民館長等をパネリストに迎え、子育ての知恵や地域ぐるみの子育て等について討論しており、父親のみならずすべての参加者にとって、自分の家庭教育を見直す良い機会となっている。また、このフォーラムをきっかけに、親父の会などが県内各地で結成され、様々な地域ぐるみによる子育て支援の活動に父親が活発にかかわるようになってきている。

9.家庭教育手帳、家庭教育ノートの活用の促進の事例
○祖父母学級での活用(宮城県亘理町教育委員会)
  児童の祖父母を対象に、「家庭教育ノート」を使い、祖父母としての子育てへの関わり方等について理解を深めるための「祖父母学級」を開設。また、子育てを地域全体で支えようという機運を高めるため、地域住民にも参加を呼びかけ、家庭教育に関する意識啓発を図っている。

○父親対象の家庭教育学級での活用(茨城県教育委員会)
  平成11年度から乳幼児や小中学生を持つ社員等、特に父親対象に企業と連携して開講している家庭教育学級において家庭教育手帳、家庭教育ノート等を資料として活用している。

子育て支援関係者の活動事例については、特定非営利活動法人NPO事業サポートセンターが平成14年に発行した「子育て支援NPO設立&活動ハンドブック」も参考になると思います。



附属資料

今後の家庭教育支援の充実についての懇談会について
(生涯学習政策局長決定)


今後の家庭教育支援の充実についての懇談会委員

「今後の家庭教育支援の充実についての懇談会」における
審議の経過について





今後の家庭教育支援の充実についての懇談会について

平成13年9月11日
生涯学習政策局長決定


1. 趣旨
  最近、児童虐待の増加や校内暴力、不登校といった子どもの問題行動が深刻化している。こうした問題の背景として、近年の都市化、核家族化、少子化、地域における地縁的なつながりの稀薄化等により、親の間に、子どもの教育の仕方がわからないといった育児に関する悩みなどが広がっていることが指摘されている。このため、今後の家庭教育支援の在り方について検討を行い、もって関連施策の充実に資する。


2. テーマ
(1)子育て学習の機会の提供の在り方
(2)子育て支援のためのネットワークの充実方策


3. 実施方法
別紙の者による懇談会を行う。


4. 実施期間
平成13年9月11日から平成14年3月31日までとする。


5. その他
実施に当たっての庶務は、生涯学習政策局男女共同参画学習課において処理する。




今後の家庭教育支援の充実についての懇談会について


平成14年4月12日
生涯学習政策局長決定

1. 趣旨
  最近、児童虐待の増加や校内暴力、不登校といった子どもの問題行動が深刻化している。こうした問題の背景として、近年の都市化、核家族化、少子化、地域における地縁的なつながりの稀薄化等により、親の間に、子どもの教育の仕方がわからないといった育児に関する悩みなどが広がっていることが指摘されている。このため、今後の家庭教育支援の在り方について検討を行い、もって関連施策の充実に資する。


2. テーマ
(1)子育て学習の機会の提供の在り方
(2)子育て支援のためのネットワークの充実方策


3. 実施方法
別紙の者による懇談会を行う。


4. 実施期間
平成14年4月12日から平成15年3月31日までとする。


5. その他
実施に当たっての庶務は、生涯学習政策局男女共同参画学習課において処理する。




今後の家庭教育支援の充実についての懇談会委員


  大下  勝巳 おやじの会「いたか」世話人
川崎おやじ連代表
座長 大日向  雅美 恵泉女学園大学教授
  門川  大作 京都市教育委員会教育長
  北村  節子 読売新聞社調査研究本部主任研究員
  河野  真理子 キャリアネットワーク代表取締役社長
  兒玉  夏子 品川区立平塚幼稚園長
  坂本  純子 新座子育てネットワーク代表
  嶋崎  悦子 横浜市PTA連絡協議会会長
  盛永  喜之 日本青年会議所常任理事
  宮崎  次郎 「子ども未来研究室」代表
公文教育研究会教育主幹

職名は平成14年7月現在


(注)
1. 平成13年9月の発足当初は河合隼雄氏が座長を務めていたが、同氏は文化庁長官就任に伴い、平成14年1月17日に辞任。
2. 盛永委員は平成14年4月12日就任。
前任は、福内浩明氏(退任時は日本青年会議所副会頭)。




「今後の家庭教育支援の充実についての懇談会」における
審議の経過について


(平成13年度)
  第1回       平成13年9月18日(火)
○自由討議

  第2回 平成13年10月19日(金)
○新座子育てネットワークヒアリング

  第3回 平成13年11月21日(水)
○伊丹市教育委員会ヒアリング

  第4回 平成14年1月17日(木)
○貝塚子育てネットワークヒアリング
○京都市教育委員会ヒアリング

  第5回 平成14年2月7日(木)
○議論のまとめ骨子素案について審議

  第6回 平成14年3月1日(金)
○中間報告案審議

  第7回 平成14年3月8日(金)
○中間報告案審議


(平成14年度)
  第1回       平成14年4月24日(水)
○中間報告に対する意見概要について

  第2回 平成14年5月15日(水)
○徳永雅子氏(徳永家族問題相談室長)からのヒアリング
○最終報告構成案の検討

  第3回 平成14年5月29日(水)
○最終報告構成案の検討

  第4回 平成14年6月11日(火)
○最終報告素案について

  第5回 平成14年6月28日(金)
○最終報告案について

  第6回 平成14年7月19日(金)
○最終報告案について

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