資料1-1 高校生等への修学支援について(考えられる論点例)

※下線は前回の議論を踏まえ追記した箇所

(1)低所得世帯への支援の拡充の状況や公私間の教育費負担軽減の格差是正の状況等を踏まえた支援対象や支給額の在り方について
○現行制度によって教育の機会均等はどのように進展したか。
-長期欠席者や中退者等の分析が必要
-教育費支出等の変化についての分析が必要
-貸与型奨学金との関係についての分析が必要
-高等教育機関への進学状況についての都道府県別を含めた分析が必要
-私立に通う低所得者層の割合の変化, 私立高校の受験者数の変化についての分析が必要
-公立私立の定数割合がどのように定められているか
-都道府県ごとの取組状況及びそのアウトカムをリンク付けした分析が必要
-世帯収入別の分析が必要
○支援の拡充が必要な場合,優先順位の高い支援は何か。
-高校入学時の費用や通学費に対する支援が必要ではないか
アルバイトの実態を含め,低所得者世帯の家計状況についての調査が必要ではないか
○少子化対策等の観点から見直すべき点はないか。

(2)支援対象でありながらも,支援を受けていない者への対応(情報ギャップ問題)について
○どのような周知方法が効果的か。
-現在どのような周知がなされているか把握が必要
   ○中学校から高校へ進学する際の市町村から都道府県への所管の変化や都道府県をまたぐ生徒移動に対し,支援の引継ぎのための連携をどう確保するか。

(3)所得基準として市町村民税所得割額を用いることについて
○支援の必要性が高い者を適切に判断できているか。
○ふるさと納税等の税額控除をどのように考えるか。
-所得基準について他制度の状況の把握が必要
○海外に在住する保護者の収入の状況をどのように把握し判定するか。
○各地域の所得差をどのように考えるか。

(4)事務負担の軽減について
   ○マイナンバーの導入も踏まえ,一層の保護者及び事務の負担の軽減を図ることは可能か。
   ○提出書類の作成が困難といった場合,スクールソーシャルワーカーとの連携により支援することは可能か。
   ○現場からの問合せに対し,どう対応すればよいかをまとめたQ&Aの作成が必要。
 
(5)その他
   ○不正受給の防止等のための説明責任の果たし方をどのように求めるか。
   ○支給額や支給基準の見直し,システムの効率性を高めるための制度見直し,国・地方自治体・学校の役割分担の見直し,この3点が検討すべき柱ではないか。

 
(参考)これまでの地方自治体、関係団体ヒアリングにおける主な意見

(1)高等学校等就学支援金関係
   ○支給期間(36月等)や支給単位数(74単位)の上限を撤廃すべき。
   ○私立高校等に通う非課税世帯や低所得世帯の生徒に対する支給額を増額すべき
   ○授業料以外の施設費等の学校納付金を支援対象にすべき。
   ○財政状況が厳しく,独自支援をこれ以上上乗せすることが難しいため,国の支援を増額してもらいたい。
   ○都道府県間で格差が生じていることもあり、国の基準額を更に増額すべきであり,私立高校の授業料の全国平均額(約39万円)まで支援すべき。また,所得制限も撤廃を検討すべき。
   ○今後,所得制限の緩和及び撤廃をする場合は,学びのセーフティネットである定時制・通信制を先行的に実施すべき。
   ○マイナンバー制度を利用した事務処理システム導入にあたっては都道府県の実情に合わせた柔軟なシステムにすべき。

(2)高校生等奨学給付金関係
○支給額を増額し,「第1子」と「第2子以降」の支給額の差をなくすべき。
  ○「第2子以降」の対象範囲の拡大と支給額の増額を行うべき。
○所得制限の緩和による支給対象範囲の拡大を行うべき。
○通学費や修学旅行費の負担が重いため,これらを含めた支給額の増額をすべき。
○年度当初の費用負担が重いため,支給時期を前倒しすべき。
○扶養人数等の確認に係る事務が煩雑。
○県外の高校に通学する生徒への周知が課題。生徒が在学している学校のある都道府県に申請し給付できる制度とすべき。
○全額国庫負担とすべき。また、事務費等の経費についても国が財政措置を図るべき。

(3)公私間格差の軽減について
   ○特に初年度納付金における公立と私立の差は大きく,支援が不足しているため,私立の支援水準の引き上げをして欲しい。

(4)多子世帯支援について
○扶養親族の人数に応じた多子世帯支援など少子化対策につながる仕組みを取り入れるべき。
○多子世帯における教育費負担が家計を圧迫することを踏まえ,多子世帯への支援を手厚くすべき(支給額の増や所得基準の緩和)。

(5)所得の判断基準について
○税額控除や独自の税率を課す場合の影響を踏まえ,判断基準を「課税所得金額」とすべき。
○生徒・保護者等への分かりやすさの観点や変更に伴う混乱を避ける観点から,現行制度を基本とすべき。
○現行基準では考慮されない16歳未満の子どもについての教育費負担を考慮できる基準を設定すべき。
○保護者の海外在住,事実婚,別居状態などにより必ずしも現状と一致しない世帯についても公平な支出となるようにすべき。

(6)手続きについて
○2つの制度で申請・審査期が集中しており,また、提出書類も多いため,簡素化・効率化すべき。
○提出書類の不備等が多いため,より分かりやすい制度とすべき。また,書類作成等が困難な家庭へのサポートが必要。

(7)その他
○家計急変による経済的理由から授業料納付が困難となった者に対する支援について,全国で統一した基準を設け,必要財源を措置してもらいたい。
○子どもの貧困対策の観点から充実を図るべき。
○収入だけではなく,学習意欲や成績・生活態度等も考慮すべき。
○制度検証にあたってはパブリックコメント等を実施すべき。また,制度改正のスケジュール感を示してもらいたい。

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初等中等教育局財務課高校修学支援室企画係

(初等中等教育局財務課高校修学支援室企画係)