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全国的な学力調査に関する専門家会議(平成29年6月12日~)(第4回) 議事要旨

1.日時

平成30年2月16日(金曜日)13時30分~15時30分

2.場所

文部科学省 東館3階 3F1特別会議室

3.議題

  1. 全国学力・学習状況調査における教科に関する調査について
  2. その他

4.出席者

委員

耳塚座長、福田座長代理、大津委員、片平委員、鎌田委員、齋藤委員、柴山委員、清水(美)委員、髙木委員、垂見委員、土屋委員、吉村委員

5.議事要旨

議事1:全国学力・学習状況調査における教科に関する調査について

・資料1に基づき、事務局より説明の後、意見交換が行われた。主な意見は以下の通り。

【委員】
移行期間中も、学校現場では、新学習指導要領の趣旨の実現を図るよう日々取り組んでいること等を踏まえ、全国学力調査についても、早期に、新学習指導要領を踏まえた問題作成に改めていくことが必要である。
また、「学びに向かう力・人間性等」のいわゆる非認知スキルを子供たちに身に付けさせることは大変重要であるが、現段階では「知識・技能」等と同じような形でペーパーテストで測ることは困難であると認識しており、教科に関する調査では、資質・能力の3つの柱のうち、「知識・技能」「思考力・判断力・表現力等」の相互の関連を意識して、知識・活用を一体的に問うことが適切と考える。

【委員】
次期学習指導要領が、資質・能力の三つの柱で唱えていることというのは、要するに一人一人が自分の人生をきちんと生き抜く力、生きる力をちゃんと育てていかなければならないということではないか。そうした意味で、この最後の「学びに向かう力や人間性等」に向かって、しっかり「思考力・判断力・表現力」を付けていかなければならないということであって、それが相互に関係し合いながら育成されるという理解は随分しっかり確認しないと怖い。「一体化」という言葉は、現場の授業改善に活かしてこそ生きる言葉だから。

【委員】
今後、英語等も入ることで、調査の実施に関して1つの科目にかけられる時間が限定されていく中で、継続的な学力の推移等も含めて観測できるような、ある程度安定した問題内容に徐々に落ち着かせていくというフェーズに入っているのではないか。全部の教科の能力全部を測るというわけにはいかないことからも、特にこのテストで測っていく能力をどこに絞り込んでいくかという工夫が重要と思われる。

【委員】
「学びに向かう力・人間性等」というのはノンコグニティブな側面に入ると思われるが、例えば道徳性得点の計算できるような検査、道徳性テストのようなものを作ったとしても、その得点が高い人間が本当に道徳的かどうかというのは、ある文脈の中でしか当てはまらないものである。そうしたことは、これまでの全国学力・学習状況調査では質問紙調査の中で聞いていたものであり、資質・能力の三つの柱を一体的に測定するとしても、そうしたノンコグニティブな部分は質問紙調査の方で聞くというように制度全体の中での切り分けが必要ではないか。

【座長】
「学びに向かう力、人間性等」という三つ目の柱については、基本的には教科の調査の対象として考えるというよりは、基本的には質問紙調査の中でこれまでどおりに押さえていくということで、ここで「一体的」としているのは、知識と活用というふうにこれまで分けてきたものを一体的にというイメージで見てもらうのがよいと思う。

【委員】
社会や生活と自分の学習内容の関係性(レリバンス)に関して調査をしてみると、教師側がここが重要だと思っているところと、児童生徒が重要だ思っているところとに、ギャップが見られることがある。問題作成においても、出題者がリアルな問題だと思って作っていたものが、実は子供たちにとってはそれほどリアルな問題でない場合がある。このような作問側と児童生徒とのギャップのようなところにも、配慮や工夫が必要だと思う。

【委員】
「知識・技能」と「思考力・判断力・表現力等」を一体に問うということは、表現としては非常に美しいと思うし、授業では多分そういうことができるのだろうと思うが、これをテストで一体的に問うといったときに、具体的にどういうことができるのか、テストとしてそれが成り立つのかといったことについても検討が必要と思われる。

【委員】
この「一体的に」の意味については、A・Bの問題冊子をそれぞれ半分にして1冊の冊子にするというレベルで一体にするという話ではない。例えば、問題の中に知識を与えてしまって、その知識を使って何か活用できるような力を問うことや、知識が与えられていない場面で、その知識を持った上で、それを使いこなして解けるような問題を出題することなど、様々なバリエーションがあり得るものである。新学習指導要領の趣旨からすると、新しい意味での「知識・技能」と「思考・判断・表現」のところをうまく関連させて問うという方向に行くべきだと思うが、それを具体的に問題にするときのこの「一体化」の意味については、もう少し分類・整理した方がよいと思う。

【座長】
現場に対しては、突然、抽象的な言葉で「このように変わる」というような説明がなされるよりは、やはりイメージが持てるような形でできるだけ提示していくことが必要だと思う。その「一体」という言葉の持っているイメージがもう少し具体的な形で分かるように、次回の会議までに何らかの資料あるいは例示ができるように事務局で準備してほしい。

【委員】
A問題とB問題からB問題がなくなった、というふうなメッセージが学校現場に入ってしまうと非常に怖い。考える場面を作って思考力を育てるような授業改善が進んだということがB問題の果たした一つの大きな役割だが、実際は10年続けても授業改善はまだ道半ばだと思う。A問題・B問題の区別がなくなって、新たな問題のありようによっては誤った理解が現場で生まれかねない。10年やってきたことを変えるということは大きなことで、悉皆テストには大きなメッセージ性があるということを十分に考えておかないと、現場が混乱し、いわば10年の蓄積も水の泡ということになりかねない。その辺りは本当に慎重にやっていかないといけないと思う。

【委員】
これまでA・Bの区分で行っていた調査が1コマの試験時間で実施されることになると、問題数が減少することになるが、平成31年度については中学校では英語の調査も加わり、最大で4単位時間も調査時間が増加することにもなる。こうした状況も踏まえ、試験時間の増加については慎重に検討すべきと考える。小中学校には多様なニーズのある児童生徒がおり、集中力などにも大きな差があることから、小学校45分、中学校50分という授業時間の枠を超えるような調査時間の設定については、学校現場の理解を得るのも難しいと思われる。
また、新学習指導要領の趣旨の実現に向けた、各学校の取組や各教師の理解にもかなりの開きがあると思われることから、全国学力調査に研修機能を持たせる意味でも、問題作成に当たって留意している点や、新学習指導要領の趣旨などを簡潔にまとめるなどして、調査実施の際にPRすることも考えられると思う。

【委員】
試験問題との関係では、丁寧に聞こうと思えば思うほど長時間ある方がいいとは思うが、受ける側の子供たちの集中力などを考えると、必然的に時間の制約ということは出てくると思われる。小学校45分、中学校50分、大学で1コマ90分といったことは、経験的に学校教育制度が始まって以来ずっとその辺りに収まっているので、単位時間としては今の授業の時間数というのを一つの目安にするのがよいのではないか。
また、「思考力・判断力」だけを抽出して問うとすると、知能検査タイプの試験になってしまって、学校教育の中での教科教育という部分が抜け落ちてしまいかねない。「知識」と「思考力・判断力・表現力」を一体化した問題を作るという発想の方が、新学習指導要領の方向には合っているのではないかと思う。

【委員】
授業改善を強く意識して授業の流れを意識した問題作成ということについて、また別の視点からゴールとして示して問題を作っていくとよいのではないか。
また、誰に対してのメッセージなのかというところがとても気になっている。もちろん教員に対してメッセージなのだが、子供がその問題を解くわけなので、余りにも教員寄りのメッセージ性ということを意識し過ぎると、うまく問題が作れないのではないかとも考えている。

【委員】
A問題とB問題の相関関係を見ると、明らかに知識と活用というのが分離して測れるようなものではなく、互いが互いに関係し合っているという形になっている。また、相関係数についても、A問題で測りたい力、B問題で測りたい力の相関はかなり高くなっていると思われる。今、見た目は確かに知識・技能、それから活用というふうな形で分かれているが、その後ろにあるところでは1つのものとして測っているというような見方もできるので、一体化をした方がいいのではないかとデータ的には思われる。

【委員】
A問題とB問題の一本化については、基本的には賛成である。分析する側として、これまで例えば、A問題ではなくB問題だけをできる学校を抽出してみることなど、いろいろ試みたが、結果的には難しかった。また、学校に行って「特にB問題ができた何か取組などありますか」と聞いても、やはり答えが得られなかったというのは、識別が難しかったということがあるのだと思う。今後、英語が加わり、かなり時間数が増えてしまう現状を考えても、時間の制約ということから、算数1つ、国語1つというのは現実的な選択肢と思われる。
その上で、一本化する上では、全国学力調査は何を測るのかという枠組みはやはり必要かと思う。また、主に「知識」に関する問題と主に「活用」に関する問題、それぞれの状況が分かるデータについては、やはり一体化をしても、ニーズがあると思う。例えば、本当に基礎知識を全く習得していない子供たちはどういった要因なのか、どういった層なのか、という分析ができるデータの提供というのは引き続き必要であると考えている。

【委員】
自分も一体型が基本だろうと思うが、試験の形とは別に、提供されるデータについては、工夫ができるのではないかと思う。
また、時間数の問題について、かなり単純化して言えば、従来のB問題的な問題の数を検討しつつ、その中にA問題的なものを入れ込むような形で、従来の時間数の中でできる範囲を検討するというようなことをして、現実的にできる、物理的な可能な範囲というものに収めていくことが必要ではないかと思う。そういう仕分けをしながら、例えば古典を素材にしながら何かアクティブ・ラーニング的なことを行う際に、やっぱり知識・技能もうまく生かされてないと駄目ですねというようなことがメッセージとして出せれば、他の素材を使う場合にも応用が利くメッセージが出せるのではないかと思う。

【委員】
大学入試センターの方では、将来、センター試験が変わるので、いろいろ問題の改善を図って、実際に試行調査やその評価等を行っている。私が問題を見た範囲内では、すごく思考力を問うような問題が出されている反面、従来型の問題も入っているように思う。ドラスティックな変化の際には、従来型の考え方も必要だし、一方では、新しい作問はこういう考え方でやっているというように、それらをうまく組み合わせながらこの移行期を経ていかないと、現場に混乱が生じてしまうのではないかと思う。
悉皆の調査問題で、試行することは難しいと思うが、作った問題について、ここの委員の先生方にやってもらって検討するとか、問題が変わったそのポイント等を吟味して、座長からコメントをもらうとか、そのような検討を加えてもいいのではないかと思う。

【委員】
AとBという今まであったものが、1つになると短くなるのかという点と、中学校の方では英語が増えて、非常に時間が増えてしまうのかなという点が、非常に心配になるところかと思う。
少し別の話になってしまうかもしれないが、今、学校の方は働き方改革という非常に重要なテーマを振られていて、AとBが1つになりますよといったときに、じゃあ減るんですねというような単純な捉え方をされてしまうと非常に難しいのかなという思いがある。そういったところも気にしながら、次の学習指導要領を踏まえて変えていかなければいけないことや、英語の調査に向けた準備などについて、うまく情報を伝えていくことも重要になると考えている。

【委員】
全国学力調査が、何でもできるわけではないということは重要なポイントで、その中で何をやっていくかという判断が非常に重要になると思う。これまで国語と算数・数学はA・Bとフルでやってきたが、例えば一つの方法として、今年は国語が重点、次の年は英語が重点、次の年は数学、次の年は理科というように、年によって重点を置く教科を変えていくというようなことをしながら時間内に収めるというような方法もあり得るかと思う。

【委員】
現場にどう伝わるかという、メッセージ性ということが、まず非常に重要と思う。選抜のために用いられる大学入試の共通テストと違って、全国学力調査の方は、いわゆる調査・指導のためのものであることから、メッセージなども含め、様々な工夫があってもよいのかなと思う。
また、テストの開発の点からは、一つ一つの問題の識別力の高い、いい問題をそろえておけば、時間の方はある程度は下げることはできる。そのような技術的な裏付けもあるので、問題開発をする方は本当に大変だと思うが、これまでの10年間の蓄積等も踏まえれば、そのような問題作成は可能であると考えている。

【座長代理】
新学習指導要領で目指すべき方向性と、それを測るためにどのような問題が適当かということを、今後詰めていかなければならないが、全国学力調査が担うべき役割の1つが、メッセージ性ということにあるということを考えれば、方向性としては新学習指導要領で求められている力をいかにして測るか、あるいはそのことを伸ばしていけるような、そんな情報提供ができる調査になるかというところに尽きるのではないかと思う。
また、全国学力調査で全てを測るとか、あらゆる情報を提供できるという考え方ではなくて、やはりできること、できないことということを示していかなければならない。今、都道府県でも独自調査をたくさん実際にやっているわけで、それらとも組み合わせながらトータルで子供たちの実態あるいは授業改善に資するような、そのような動きを求めていくのも一つの方法ではないかと考えている。

【委員】
学校で使われている単位時間を基本とするということについては賛成だが、分析・活用を充実するためには問題の側を充実しなければならないという裏腹の関係にあるので、改めて、様々な可能性を検討してみる必要があるのではないかと思う。
全国学力調査が果たしている役割には、国にとってのもののほか、地方自治体の教育委員会、各学校、先生と、重層的にその役割があるということを想定したときに、必ずしもスコアには反映されないけれども、子供の傾向性のようなものをつかまえる仕組みのようなものがあれば、興味深いかなとも思う。必ずしも質問紙調査のみで、資質・能力の三つ目の柱を全てつかまえるというよりは、技術的には難しいかもしれないが、ペーパーテストの問題にリンクさせて質問を入れてみるようなこともできれば、子供たちや先生方に対する強いメッセージになるのではないかと思う。

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初等中等教育局参事官付学力調査室

(初等中等教育局参事官付学力調査室)

-- 登録:平成30年03月 --