ここからサイトの主なメニューです

小学校の新たな外国語教育における補助教材の検証及び新教材の開発に関する検討委員会(第2回)資料2-1

平成29年1月30日

小学校の新たな補助教材に関する検証及び新教材の開発の在り方に関する主な指摘等

(本資料は、小学校の新たな外国語教育における補助教材の検証及び新教材の開発に関する検討委員会と同作業部会の他、中央教育審議会、英語教育の在り方に関する有識者会議等でいただいた主なご指摘をまとめたものである。)

1 教材の検証と新教材の作成に関する基本的な考え方について
(1)現状と課題
・小学校における外国語活動においては、国により作成された小学校外国語活動教材例、「Hi, friends!」が使用を希望する約2万校の学校に配布され、地域、学校、学級の実態に合わせて工夫して活用がなされている。また、児童の多くが外国語活動の授業や外国語学習に対して肯定的であり、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度が育成されてきている。
・中学1年生を対象とした調査では、外国語活動の授業で、「もっと学習しておきたかったこと」の回答の割合として、「英語の単語を読むこと」が77.9%、「英語の単語を書くこと」が81.7%、「英文を読むこと」が77.6%、「英文を書くこと」が78.6%であり、音声中心の活動に比べ10ポイントほど高い数値である。小学校の外国語活動で音声中心に学んだことが、中学校の段階で音声から文字への学習に円滑に接続されていないこと、発音と綴(つづ)りの関係の学習や文構造の学習に課題があるなどの指摘があった。
・このような状況を踏まえ、小学校の外国語活動が導入されて一定の成果を上げているものの、中学校での学習への円滑な接続を考えると、小学校高学年段階において、文字の扱いや文構造への気付きなど、中学校との接続を意識した指導に有効な教科書・教材が必要である。

(2)基本的な方向性
・高学年における外国語の教科化に向けて、有識者会議の報告を踏まえてアルファベット文字の認識、日本語と英語の音声の違いやそれぞれの特徴、文構造への気付きを促す指導ができるような新たな補助教材を開発し、平成27年度より、国の「英語教育強化地域拠点事業」における研究開発校等において試行的に活用しながら、その効果の検証が行われている。中学年についても平成28年度より、読み聞かせを充実するため発達段階に応じて開発した補助教材の検証を行なっている。
・小学校においては、先進的な取組も含めたこれまでの外国語活動の成果・課題を踏まえた取組を行うことが重要である。小学校における外国語教育の目標を実現するためには、主たる教材である中学年向けの外国語活動の教材や、高学年向けの教科書についても重要な要素の一つである。
・英語教育強化地域拠点校・研究開発学校等における先進的事例等の検証結果や、これまでの5・6年生における外国語活動の取組を通じて明らかになった成果・課題をふまえて、新教材を検討する。
・小学校の外国語教育については、指導者の確保に加え、効果的な教材の開発が課題となる。教科化に対応し、弾力的な時間割編成の考え方も踏まえた質の高い教科書の作成に結び付けるため、関係者間で新たな教科書の在り方を具体的に共有できるよう、国は、教科化に対応した教材を開発し、平成30年度には先行して活用できるようにする必要がある。このため、平成28年度中に、平成26・27年度に開発した小学校中・高学年向けの補助教材の検証を行うとともに、新教材(児童用冊子、教室用デジタル教材、年間指導計画例、学習指導案などを含む教員用指導書)の開発を開始する。あわせて、平成29年度から学習指導要領改訂を踏まえた校内研修等を促進するため、平成28年度より研修用資料を開発し、新教材として開発した内容と合わせて、平成29年度の早期の段階から教育委員会等を通じて適時適切に周知することが求められる。高学年向けの教材においては短時間学習等の設定が可能となるようにするとともに、活用しやすいICT教材の開発が求められる。

2 新教材の作成に関する具体的な方針について
(1)新教材の方向性について
・児童の興味関心、発達段階を考慮した内容、言語材料、デザイン、イラストとする。また特別支援教育の観点に配慮する。
・3・4年生の外国語活動から、5・6年生および中学校の外国語科への学びの連続性を踏まえ、学年間・学校種間の円滑な接続に留意して作成する。
・全国の小学校では外国語活動、教科に対する取組に差がある。どの学校でも取り組めるような教材にする必要がある。
・テキストでは扱われていない学習内容でも、児童の実態や必要に応じて指導者が創意工夫して授業に組み込んでいけるような教材の在り方が求められる。

(2)冊子等の構成について
・次期学習指導要領の方向性と対応させ、冊子とデジタル教材を作成する。教員が授業中に使用する指導上の留意点等が書かれた冊子や学習指導案等も作成する。
・冊子やデジタル教材の構成については、他教科における既習事項と結びつけながら柔軟に活用出来るよう検討する。
・冊子の構成等において、児童の学びを学年間でつなぐための工夫を行う。
・教員用の指導書については、国語や算数と同様、児童用テキストに2色刷りで作成してはどうか。


(3)内容の構成について
・何をいつ教えるかという選択と配列が非常に重要であり、次期学習指導要領に国が定める5つの領域別の目標と対照しながら作成していく必要がある。
・単元の最後に出来るようになることを目標として、児童の発達段階や学年に応じてインプットからアウトプットへ向かうようなモデルを示し、新出事項、既習事項、アウトプットを有機的に結合させ、各単元においてのゴール、学年ごとのモデル示すとともに、学年に応じてつなげていくような内容とする。
・学んだ内容を中学年から高学年にかけて繰り返し学ぶことが重要であり、また何を繰り返すかなどを分かりやすく例示を示してはどうか。
・高学年の単元の構成としては「何かの活動をして、読んで、書く」という流れが考えられる。単元におけるゴールを明確化するとともに、対話例を分かりやすく示すべき。
・初めて外国語に触れる段階では、児童に身近でわかりやすい場面を設定し、外国語によるインプットを行うことが重要である。中学年の発達段階を踏まえると、どのような場面かが明確であったり、同じ表現等が繰り返し扱われたりしている絵本教材は、非常に有効な教材である。
・学習評価の基準について、どのように記載するか。学習指導案等に示すことが必要ではないか。


(4)内容について
・小学校では、現在の外国語活動で活用されている国の教材例「Hi, friends!」などを活用して「聞くこと」及び「話すこと」を中心に取り組んでおり、CEFRA1レベル全般を取り上げているという研究報告があった。このことも踏まえ、小学校中学年から高学年の学びを円滑に接続させるため、第3学年から導入される外国語活動では「聞くこと」及び「話すこと」を中心としつつ、高学年にかけて段階的に文字を「読むこと」及び「書くこと」を系統的に加えていくような、次期学習指導要領を踏まえた教材づくりをする必要がある。
・児童生徒の学びをつなげるため、各校の学習到達目標を活用して小・中・高等学校を通じた学びをどれだけ意識して作ることが出来るかが大切である。3・4年生の外国語活動の教材と教科化する5・6年生、中学校の教科書との接続・連携についての考え方が非常に重要となる。
・児童の興味・関心、発達段階を考慮し、3・4年生については、外国語活動にふさわしい教材を、5・6年生については、教科としての学習にふさわしい教材を作成する。その際、音声中心で学んだことが中学校の段階で音声から文字への学習に円滑に接続されていない、日本語と英語の音声の違いや英語の発音と綴(つづ)りの関係、文構造の学習などにおいて課題がある、小学校で聞いたり話したりすることを通じて学んだ文字、簡単な語句、基本的な表現などが中学校に生かされていない、といった課題を改善するため、中学校での英語教育との有機的な連携を目指し、アルファベットの文字の認識、日本語と英語との音声の違いやそれぞれの特徴、文構造への気付きを促すような内容等を扱う。
・現在の教材では、子どもたちがこうしたいということが言えるようにしたいが、動詞が少ないので表現ができるよう充実してはどうか。take, put, make 等の動詞を活用することで表現の幅が広がる。6年生で自分の思いを表現したり、相手のことを英語で理解したりできるようになることを目指す。そのためには動詞が必要であり、アクションワードを盛り込んではどうか。
・過去形については、子供たちが使う場面(例えば、夏休み明け)において自然と需要できる形であれば、導入できるのではないか。
・三人称(He, She)の扱いは、三人称単数現在形の ?s につながるので指導が難しいが、He/She can ・・・ のところで扱うことで児童の言語活動の広がりが期待できるのはないか。

(5)国語教育との連携について
・学習や生活の基盤作りという観点から、小学校段階における言語能力の育成がその後の学習に与える影響は極めて大きい。特に小学校低学年において、語彙量を増やしていくことがその後の学習に大きな影響を与えると指摘されていることなども踏まえながら、義務教育の初期段階を担う小学校教育において、重要な課題として取り組んでいく必要がある。
・こうした言語能力については、全ての教科等における言語活動の充実を通じて育成を図るべきものであるが、特に言葉を直接の学習対象とする国語教育及び外国語教育の果たすべき役割は極めて大きい。中央教育審議会教育課程部会言語能力の向上に関する特別チームがまとめた言語能力を構成する資質・能力やそれらが働く過程、育成の在り方を踏まえながら、改善・充実の在り方を考えていくことが必要である。
・国語教育と外国語教育は、ともに言語能力の育成に関わるものであるため、学習の対象となる言語は異なるが、共通する指導内容や指導方法等を扱う場面がある。
・言語能力の向上の観点からは、国語教育と外国語教育をそれぞれ改善・充実しつつ、相互の連携を図ることで、国語で学んだことが外国語の表現活動に生かされたり、国語と外国語の特徴や違いに気付き、国語を学ぶことに対する関心が高まったりするなど、子供の学習に相乗的な効果が見られるとの例が報告されているところである。このような取組を踏まえ、言語能力の向上につながる効果的な連携につなげるためには、国語科と外国語科の指導内容について、そのつながりが可視化されることが必要である。
・トピック、活動、言葉の仕組みなどの面で国語教育との関連を図ることが出来る。
・[指導する時期や順序を踏まえた効果的な連携]例えば、共通する資質・能力を育成するための指導内容や指導方法等を、両教科等において同時期に扱ったり、一方の教科で扱った後に、その指導を振り返りながらもう一方の教科扱うなどして指導を重ねること。
・[言語活動で扱う題材における連携]例えば、「道案内」や「推薦状」など、両教科等において同じ題材を用いた言語活動を扱うこと。
・国語科でのパンフレットづくりの単元と連動し、町の良さを伝えるパンフレット作りを行っている。
・[教材として使用する題材の工夫による連携]例えば、国語科において、日本語の作品を読む際に外国語の翻訳を参照したり、外国語科において、同等・類似の意味を持つ日本語と外国語のことわざを比べたりすること。例えば、社会科や理科などの他教科等において学習する内容をテーマにした文章を題材とした場合に、その題材を読み進めるために必要な既有知識は他教科等において学習したり、他教科等において習得した知識や考え方を用いて課題を捉え、議論したりまとめたりするなど、「国語科」や「外国語活動・外国語科」において他教科等における学習内容を十分に意識して指導すること。


(6)高学年における文字指導について
・これまでの先進的取組を踏まえ、文字指導についてどこまで指導するか、というゴールを明確化する必要がある。
・文字はあくまでも音声を補助するものと位置づけ、発音と綴りの関係に傾倒しすぎることのないようにすべき。
・ 文字の指導が始まると正確さを追求するようになる。正確でなければ話せないという児童が出ることのないように注意が必要である。
・中学校1年生でも文字を書く際、4線を意識して書くことや単語と単語の間のスペースをとって書くことが課題となっている。ピクチャーカードにも4線を示すとよい。
・文字の指導には系統性を持たせることが必要特に、小学校におけるローマ字の学習に関しては、国語科で日本語のローマ字表記を学習すると同時に、外国語活動・外国語科で英語のアルファベット表記を学習するため、児童の学習に混乱が生じることについての懸念が指摘されている。このため、それぞれの教科等において指導する際には、日本語のローマ字表記と英語のアルファベット表記の違いが、音の構成や発音と表記の対応関係の違いであることなどに触れつつ指導することが求められる。

(7)ICTやデジタル教材の活用について
・主体的で対話的な深い学びに向けた学習・指導の改善充実のために、ICTやデジタル教材などを、身に付けるべき能力や児童生徒の現状(能力・適性や興味関心など)に応じて効果的に活用し、児童生徒の興味関心を高め、指導の効率化及び言語活動の充実を図ることが必要となる。
・例えば、デジタル教材や電子黒板等を活用して、児童生徒にネイティブ・スピーカーの発音に触れさせ、外国語と日本語の音声の違いに気付かせたり、インターネット等を用いてグループで情報収集、調査、発表、討論等をしたり、テレビ会議システムを活用して、外国の姉妹校との交流を通じて外国語で情報を伝え合う活動などが考えられる。
・あわせて、それらを効果的に活用するためには、教員の指導力の向上が必要である。ICTを用いた指導方法についての研修の充実を図るため、授業の展開を明確にイメージできるような映像等を用いた指導事例の作成や研修教材・研修マニュアルを作成し、普及を図る必要がある。
・小学校のICTの整備環境には全国的に違いがあり、デジタル教材を使って同じことをやろうとしても環境が整っていないために、できない学校もある。ICT環境の整備状況を踏まえながら、どのような設備を活用した場合に、どのような効果があるのかをしっかり見極めないといけない。
・小学校でのICT活用は進んできているところ、電子黒板等どの学校でも使える物をどのように効果的に活用するのか、タブレット、パソコン等どこまでの物を想定して教材を開発するのか、検討する必要がある。

(8)短時間学習への対応について
・小学校高学年において年間35単位時間増となる時数を確保するためには、ICT等も活用しながら10~15分程度の短い時間を単位として繰り返し教科指導を行う短時間学習(帯学習、短時間モジュール学習。以下「短時間学習」という。)を含めた柔軟なカリキュラム設定とそのために必要な「カリキュラム・マネジメント」を、教育課程全体を見通しながら実現していくことが求められる。高学年向けの教材については、柔軟なカリキュラム設定を行うことが可能となる活用しやすいICT教材の開発が求められる。
・短時間学習と新教材がどうかかわっていくのか、対応が分かるように教材を作成しなければいけない。例えば、時間割を想定していくつかのパターンを提示し、それぞれの場合、どのように使用できるかを示すことが必要ではないか。
・短時間学習と45分授業が関連した活動例案や学習指導案となるようにする。
・45分授業を週2日間実施するのが難しいことや体制の問題で外国語教育の原理であるPPP(Presentation, Practice, Production)の一部が抜けてしまうことがないよう、構成をよく考える必要ある。
・短時間学習における活用についても意識した構成とする。その際、言語教育における基本的な考え方であるPPP(Presentation, Practice, Production)に留意する。
・短時間学習は、スキルを身に付けさせるための無機質な活動ではなく、45分の授業を更に改善・充実を図るものとして、単元の学習と関連させ、授業の一部を短時間学習に取り出すという考え方で、教材を作成する必要がある。
・短時間学習の在り方について、各自治体において共有し、どのような内容にしていくのかについて各学校や教員が主体的に考えていく環境を形成していくことが必要である。一方で、基本的には45分を週2回実施して、定着もしっかり図り、自分の思いや考えを伝え合う活動の時間を十分に確保する方が児童にとっては良いと考える学校や自治体があることにも配慮が必要である。

(9)体制の整備について
・教材開発をはじめとする教員養成、採用、研修、中・高学年それぞれの課題に応じた指導体制の整備等の条件整備が不可欠である。
・外国語教育においては、デジタル教材の活用等によって児童生徒の興味関心を高め、主体的で対話的な深い学びにつながるような学習活動に応じた多様な教材が必要となるため、ICTの活用を推進するためのハードウェアの充実を促進する必要がある。
・教材を効果的に活用するためには、教員の指導力の向上が不可欠である。研修で活用されることを想定し、授業のイメージを教員が共有できるような映像資料を作成したり、研修資料を作成したりするなどして、新教材を用いた指導方法について周知する必要があるのではないか。高学年においては、各学校で中心となって授業を担当している教員に対して、校内研修を行うよう働きかけを行う必要がある。

(10)その他
・現職の小学校教員が教科化に円滑に対応できるようにするためにも、英語教育強化地域拠点校を含めたこれまでの取組の成果や「Hi, friends!」との関係性を示した年間指導計画のイメージを提示して説明することが、多くの関係者の理解を得ることになると考える。
・国において「デジタル教科書・教材」の導入に向けた検討が行われたことを受けて、検定の対象となる教科書には、より効果的な音声や映像などが活用されることを期待する。
・移行措置との関係を示していく必要があるのではないか。

お問合せ先

初等中等教育局国際教育課外国語教育推進室

(初等中等教育局国際教育課外国語教育推進室)

-- 登録:平成29年02月 --